JP2014177516A - インクジェット記録用水性顔料インク組成物、及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出安定性、及び低温乾燥による塗膜特性に優れ、印刷画像の高品質化を実現可能なインクジェット記録用水性顔料インク組成物、及びそれを用いた画像形成方法を提供する。
【解決手段】本発明のインクジェット記録用水性顔料インク組成物は、界面活性剤分散型顔料、エマルジョン樹脂、水、及び有機溶剤、を含むインクジェット記録用水性顔料インク組成物であって、前記エマルジョン樹脂のガラス転移温度は、60℃以上であり、前記エマルジョン樹脂の含有量は、前記インクジェット記録用水性顔料インク組成物全量に対して5重量%以上30重量%未満であり、前記有機溶剤は、前記インクジェット記録用水性顔料インク組成物全量に対して、沸点が285℃以下の有機溶剤を10重量%以上40重量%以下の範囲で含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用水性顔料インク組成物、及び画像形成方法に関するものである。
画像データ信号に基づき、紙等の被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型・溶融型の熱転写方式、インクジェット方式等が知られている。これらの中でもインクジェット方式は、安価な装置で実施可能であり、かつ、必要とされる画像部のみにインクを吐出して被記録媒体上に直接画像を形成可能であるため、インクを効率よく使用でき、ランニングコストを低減でき、更に騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
しかし、上記インクジェット方式で用いられるインク(インクジェット記録用インク)は、水性インクが中心であるため、紙のようにインク吸収性のある材料への印刷には適しているが、プラスチックや金属等のようにインク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(インク非吸収性材料)への印刷には適していない。
そこで、プラスチックや金属等のインク非吸収性材料にも印刷可能なインクジェット記録用インクについて多くの提案がなされている。例えば、特許文献1では、耐水性の向上、耐拡散性及び耐摩耗性等の染色堅牢度等の印刷画像の品質改善、及び長期保存安定性の向上を図る水性顔料インク組成物が提案されている。また、特許文献2では、吐出安定性に優れた水性顔料インク組成物が提案されている。また、特許文献3では、ラテックス(エマルジョン)と界面活性剤とを含む水性顔料インクが提案されている。また、特許文献4では、インクの濃淡ムラや滲み・混色等が少なく、かつ吐出安定性に優れた水性顔料インク組成物が提案されている。また、特許文献5では、着色顔料と水と樹脂と水溶性有機溶剤とノズル詰まり防止剤とを含み、吐出安定性に優れた水性顔料インクが提案されている。特許文献6では、水と水溶性有機溶媒と界面活性剤分散型顔料と樹脂被覆型顔料を含み、保存安定性及び吐出信頼性の向上、画像堅牢性等の印刷画像の品質改善を図る水性顔料インクが提案されている。
特開2006−213922号公報 特開2008−1787号公報 特表2011−507991号公報 特開2009−235154号公報 特開2010−18742号公報 特開2012−251060号公報
しかし、特許文献1及び2に記載された水性顔料インク組成物は、エマルジョン樹脂等のバインダを含有していないため、被記録媒体がプラスチック、金属等のインク非吸収性材料の場合、当該被記録媒体に対するインクの密着性が劣るという問題がある。
また、特許文献3に記載の水性顔料インクは、ラテックス(エマルジョン)を含んでいるが、インクを被記録媒体に密着させるために90℃を超える比較的高温で乾燥する必要があるため、非記録媒体の材質によっては被記録媒体の変形が生じる等の問題がある。
また、特許文献4では、インクを被記録媒体に密着させるための乾燥は80℃以下の低温で行っているが、低温乾燥における塗膜特性(耐水性、乾燥性、耐薬品性、密着性等)や、印刷画像の品質について未だ改善の余地がある。
また、特許文献5及び6に記載された水性顔料インクについても、低温乾燥における塗膜特性や、印刷画像の品質について未だ改善の余地がある。
本発明は、上記問題を解決するもので、吐出安定性、及び低温乾燥による塗膜特性に優れ、印刷画像の高品質化を実現可能なインクジェット記録用水性顔料インク組成物、及び、該インクジェット記録用水性顔料インク組成物を用いた画像形成方法を提供する。
上記課題を解決するため、本発明のインクジェット記録用水性顔料インク組成物は、界面活性剤分散型顔料、エマルジョン樹脂、水、及び有機溶剤、を含むインクジェット記録用水性顔料インク組成物であって、上記エマルジョン樹脂のガラス転移温度は、60℃以上であり、上記エマルジョン樹脂の含有量は、上記インクジェット記録用水性顔料インク組成物全量に対して5重量%以上30重量%未満であり、上記有機溶剤は、上記インクジェット記録用水性顔料インク組成物全量に対して、沸点が285℃以下の有機溶剤を10重量%以上40重量%以下の範囲で含むことを特徴とする。
本発明の画像形成方法は、上記本発明のインクジェット記録用水性顔料インク組成物をインクジェットヘッドから吐出し、被記録媒体に付着させる吐出工程と、上記被記録媒体に付着した上記インクジェット記録用水性顔料インク組成物を40℃以上80℃以下に加熱する加熱工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、吐出安定性、及び低温乾燥による塗膜特性に優れ、印刷画像の高品質化を実現可能なインクジェット記録用水性顔料インク組成物、及びそれを用いた画像形成方法を提供できる。
一般的に、インク中にエマルジョン樹脂等のバインダを含有させると、耐薬品性が向上し、印刷画像の品質も向上できるが、エマルジョン樹脂の含有量が多くなると、吐出安定性が悪くなることが知られている。しかし、本発明者らが鋭意検討した結果、エマルジョン樹脂の含有量を増やしても、吐出安定性が良好で、さらに低温乾燥における塗膜特性も良好なインク組成物を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のインクジェット記録用水性顔料インク組成物は、界面活性剤分散型顔料、エマルジョン樹脂、水、及び有機溶剤、を含むインクジェット記録用水性顔料インク組成物であって、上記エマルジョン樹脂のガラス転移温度は、60℃以上であり、上記エマルジョン樹脂の含有量は、上記インクジェット記録用水性顔料インク組成物全量に対して5重量%以上30重量%未満であり、上記有機溶剤は、上記インクジェット記録用水性顔料インク組成物全量に対して、沸点が285℃以下の有機溶剤を10重量%以上40重量%以下の範囲で含むことを特徴とする。これにより、吐出安定性、及び、低温乾燥による塗膜特性(特に、乾燥性、耐薬品性、及び密着性)を向上でき、印刷画像の高品質化を実現可能なインクジェット記録用水性顔料インクを提供できる。
以下、本発明のインクジェット記録用水性顔料インク組成物の各成分について詳細に説明する。
(界面活性剤分散型顔料)
本発明のインクジェット記録用水性顔料インク組成物に用いられる界面活性剤分散型顔料は、顔料、分散剤としての界面活性剤、及び水を含むものであり、顔料を界面活性剤により分散安定化した顔料分散体である。この界面活性剤分散型顔料には、必要に応じて各種添加剤が添加されていてもよい。
<顔料>
上記界面活性剤分散型顔料に含まれる顔料としては、従来公知の無機顔料や有機顔料を使用できる。
上記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、トリポン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、マイカ等が挙げられる。
上記有機顔料としては、例えば、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリン系等が挙げられる。また、上記有機顔料としては、酸性、中性又は塩基性カーボンからなるカーボンブラックや、架橋したアクリル樹脂の中空粒子等を用いることもできる。
上述した顔料の具体例としては、下記に示すような、カラーインデックス(C.I.:The Society of Dyers and Colourists社発行)においてピグメントに分類されている化合物、つまり、カラーインデックス(C.I.)番号が付されているものが挙げられる。
シアン色を有する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60等が挙げられる。これらの中でも、耐候性、着色力等の点から、C.I.ピグメントブルー15:3及びC.I.ピグメントブルー15:4のうちのいずれか単独で、又は両方を混合して用いることが好ましい。
マゼンタ色を有する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。これらの中でも、耐候性、着色力等の点から、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド254、及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
イエロー色を有する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14C、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー130、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー213、C.I.ピグメントイエロー214等が挙げられる。これらの中でも、耐候性等の点から、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー213、及びC.I.ピグメントイエロー214からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
ブラック色を有する顔料としては、例えば、三菱化学社製の“HCF”、“MCF”、“RCF”、“LFF”、“SCF”;キャボット社製の“モナーク”、“リーガル”;デグサ・ヒュルス社製の“カラーブラック”、“スペシャルブラック”、“プリンテックス”;東海カーボン社製の“トーカブラック”;コロンビア社製の“ラヴェン”;等が挙げられる。これらの中でも、三菱化学社製の“HCF#2650”、“HCF#2600”、“HCF#2350”、“HCF#2300”、“MCF#1000”、“MCF#980”、“MCF#970”、“MCF#960”、“MCF88”、“LFFMA7”、“LFFMA8”、“LFFMA11”、“LFFMA77”、“LFFMA100”、及びデグサ・ヒュルス社製の“プリンテックス95”、“プリンテックス85”、“プリンテックス75”、“プリンテックス55”、“プリンテックス45”からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
上記顔料は、前述した顔料を1種単独のみならず、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明のインクジェット記録用水性顔料インク組成物中の顔料濃度は、0.1重量%以上20重量%以下が好ましく、0.3重量%以上10重量%以下がより好ましい。顔料濃度が0.1重量%未満になると、印刷画像の鮮明さに欠ける傾向にあり、20重量%を超えると、着色剤としての効果が飽和するだけではなく、インク粘度が上昇して吐出安定性が悪くなる傾向にある。
<界面活性剤>
上記界面活性剤分散型顔料に含まれる界面活性剤としては、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アシルメチルタウリン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、アルキル硫酸エステル塩、硫酸化オレフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルジメチルベタイン等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、グリセリンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル等のノニオン性界面活性剤;等が挙げられる。
上記界面活性剤分散型顔料において、顔料と界面活性剤との含有比(重量比)は、100:1〜100:100であることが好ましく、100:5〜100:50であることがより好ましい。界面活性剤の顔料に対する含有比が小さくなりすぎると、顔料分散体が得られなくなる傾向にある。一方、界面活性剤の顔料に対する含有比が大きくなりすぎると、低温乾燥による塗膜特性(特に、耐水性及び耐薬品性)が劣る傾向にある。
上記界面活性剤分散型顔料は、上記顔料、上記界面活性剤、水、必要に応じて各種添加剤を、例えばビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザ、ペイントシェーカ、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザ、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いて分散することにより得られる。
(エマルジョン樹脂)
本発明のインクジェット記録用水性顔料インク組成物に用いられるエマルジョン樹脂としては、ガラス転移温度が60℃以上のエマルジョン樹脂が好ましい。上記エマルジョン樹脂のガラス転移温度が60℃未満であると、耐薬品性が十分得られない場合があったり、印刷面がべた付いて埃が付着しやすくなったり、貼り付きやすくなる等の問題が生じる場合がある。上記エマルジョン樹脂のガラス転移温度の上限は、通常110℃程度である。本明細書において、「エマルジョン樹脂」とは、エマルジョン化した樹脂を意味し、エマルジョンの分散媒は含まない。また、「エマルジョン樹脂のガラス転移温度」とは、エマルジョン樹脂を含む水溶液(エマルジョン樹脂分散体)を150℃で2時間乾燥させ、脱水させることにより、得られたエマルジョン樹脂を単独で測定したときのガラス転移温度をいう。
ガラス転移温度が60℃以上110℃以下のエマルジョン樹脂を形成する材料としては、スチレン、テトラヒドロフルフリルアクリレート及びブチルメタクリレートの他に(α,2,3又は4)−アルキルスチレン、(α,2,3又は4)−アルコキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、α−フェニルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、その他アルキル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ基を有するジエチレングリコール又はポリエチレングリコールの(メタ)アクリレート、プロポキシ基を有するジエチレングリコール又はポリエチレングリコールの(メタ)アクリレート、ブトキシ基を有するジエチレングリコール又はポリエチレングリコールの(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、その他含フッ素(メタ)アクリレート、含塩素(メタ)アクリレート、含珪素(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、(メタ)アクリル酸等の1官能の他に架橋構造を導入する場合は、(モノ、ジ、トリ、テトラ、ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール及び1,10−デカンジオール等のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート、ビスフェノールA又はFのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を用いることができる。
上記エマルジョン樹脂の含有量は、インクジェット記録用水性顔料インク組成物全量に対して、5重量%以上30重量%未満である。上記エマルジョン樹脂の含有量が30重量%以上となると、吐出安定性が低下し、上記エマルジョン樹脂の含有量が5重量%未満になると、低温乾燥による塗膜特性(特に、耐水性、耐薬品性及び密着性)が劣る傾向にある。
(有機溶剤)
本発明のインクジェット記録用水性顔料インク組成物は、乾燥促進、インクジェットヘッドの吐出安定性の向上、保湿性の付与のため、有機溶剤を含有させている。
本発明のインクジェット記録用水性顔料インク組成物は、上記有機溶剤として、インクジェット記録用水性顔料インク組成物全量に対して、沸点が285℃以下の有機溶剤を10重量%以上40重量%以下、より好ましくは15重量%以上35重量%以下の範囲内で含む。上記沸点が285℃以下の有機溶剤の含有量が、40重量%を超えると、低温乾燥による塗膜特性(特に、乾燥性、耐薬品性、及び密着性)が劣化したり、塗膜が白化する(ここで、塗膜の白化とは、La*b*表色系においてLの値が大きくなることを意味する。)等の問題が生じ、インクジェット記録用水性顔料インクとしての利用には不向きとなる傾向にあり、10重量%未満になると、吐出安定性が劣化する傾向にある。
上記沸点が285℃以下の有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、3,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,5−ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、スルホラン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−チオジエタノール、3−ピリジルカルビノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールn−プロピルエーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、トリエチレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールn−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールn−ヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル等が挙げられる。
また、本発明のインクジェット記録用水性顔料インク組成物は、上記有機溶剤として、沸点が285℃を超える有機溶剤をさらに含有してもよい。上記沸点が285℃を超える有機溶剤の含有量は、インクジェット記録用水性顔料インク組成物に対して、0重量%以上1.0重量%以下の範囲内が好ましい。沸点が285℃を超える有機溶剤の含有量が1.0重量%を超えると、低温乾燥による塗膜特性(特に、耐薬品性)が劣化する傾向にある。上記沸点が285℃を超える有機溶剤としては、例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
(その他の成分)
本発明のインクジェット記録用水性顔料インク組成物には、インクの表面張力の制御、界面活性剤分散型顔料及びエマルジョン樹脂の分散安定性の向上のため、界面活性剤をさらに含有させてもよい。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤を添加した場合、ノズル近傍でのインク中の固形分の付着を抑制し、吐出安定性を向上できる。アセチレングリコール系界面活性剤を添加した場合、動的表面張力を低下させ、吐出安定性を向上できる。シリコン系界面活性剤を添加した場合、非吸収性材料に対する濡れ性を向上できる。
また、本発明のインクジェット記録用水性顔料インク組成物には、必要に応じて、インクジェット記録用のインク分野で従来から用いられている、消泡剤、殺菌剤、保湿剤、pH調整剤、貯蔵安定剤、ゲル化防止剤、防腐剤、防錆剤等の添加剤を添加することができる。
本発明のインクジェット記録用水性顔料インク組成物は、上記界面活性剤分散型顔料と、上記エマルジョン樹脂と、上記有機溶剤とを混合した後、フィルター等を用いて粗大粒子をろ過し、必要に応じて脱気することにより得られる。
本発明のインクジェット記録用水性顔料インク組成物の粘度は、25℃で、1.0mPa・s以上10.0mPa・s以下が好ましく、2.5mPa・s以上8.5mPa・s以下がより好ましい。粘度が1.0mPa・s未満になると、画像の形成が困難になる傾向にあり、10.0mPa・sを超えると、吐出安定性が悪くなる傾向にある。
次に、本発明の画像形成方法について説明する。
本発明の画像形成方法は、上記本発明のインクジェット記録用水性顔料インク組成物をインクジェットヘッドから吐出し、被記録媒体に付着させる吐出工程と、被記録媒体に付着したインクジェット記録用水性顔料インク組成物を40℃以上80℃以下に加熱する加熱工程とを含み、加熱により、被記録媒体に付着したインク組成物中の溶媒が蒸発して乾燥が促進され、画像が形成される。これにより、耐水性、耐薬品性及び密着性に優れ、高品質な印刷画像を形成できる。
上記被記録媒体としては、紙等の吸収性材料からなる基材や、プラスチック、金属等のインク非吸収性材料からなる基材が挙げられる。
上記加熱工程における加熱温度は、40℃以上であればよいが、好ましくは40℃以上80℃以下の範囲であり、より好ましくは45℃以上60℃以下である。加熱温度が80℃を超えると、被記録媒体が変形する等の問題が生じることがある。本明細書において、加熱工程は、インクジェット記録用水性顔料インク組成物が被記録媒体に付着された際にこれとほぼ同時に加熱処理を施す場合、インクジェット記録用水性顔料インク組成物が被記録媒体に付着される前に被記録媒体を予め加熱処理を施す場合、インクジェット記録用水性顔料インク組成物が被記録媒体に付着された後に被記録媒体と共に加熱処理を施す場合を含む。なお、乾燥時間については、インクジェット記録用水性顔料インク組成物中の溶媒が蒸発できれば特に限定されない。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、特に指摘がない場合、下記において、「部」は「重量部」を意味する。また、下記において、「エマルジョン樹脂分散体」とは、本発明のエマルジョン樹脂を含む水溶液のことを意味する。
(実施例1)
<界面活性剤分散型顔料の調製>
先ず、以下の材料を下記の割合で混合・攪拌後、東洋精機社製のペイントシェーカを用いて、直径0.3mmのジルコニアビーズを分散メディアとして60分間分散して界面活性剤分散型顔料を得た。
(1)顔料(三菱化学社製、商品名“MCF#1000”):30.0部
(2)分散剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩):4.0部
(3)消泡剤(日信化学工業社製、商品名“サーフィノール104E”):0.2部
(4)水:70.8部
<インクジェット記録用水性顔料インクの調製>
次に、上記界面活性剤分散型顔料と以下の材料とを下記の割合で混合・攪拌し、実施例1のインクジェット記録用水性顔料インクを得た。本実施例1では、エマルジョン樹脂の含有量は5重量%であり、2−ピロリドンの含有量は10重量%であった。
(1)界面活性剤分散型顔料(顔料濃度:30%):5.0部
(2)エマルジョン樹脂分散体:アクリル系エマルジョン樹脂(BASF社製、商品名“ジョンクリルPDX−7700”、ガラス転移温度:80℃、樹脂成分:48%):10.4部(樹脂成分:5重量%)
(3)シリコン系界面活性剤(ビッグケミー社製、商品名“BYK348”):1.0部
(4)防腐剤(アーチケミカル社製、商品名“プロクセルGXL(S)”):0.2部
(5)沸点が285℃以下の有機溶剤:2−ピロリドン(BASF社製):10部(10重量%)
(6)水:73.4部
(実施例2)
エマルジョン樹脂分散体の配合量を20.8部に変更したこと、水の配合量を63.0部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のインクジェット記録用水性顔料インクを作製した。本実施例2では、エマルジョン樹脂の含有量は10重量%であり、2−ピロリドンの含有量は10重量%であった。
(実施例3)
エマルジョン樹脂分散体の配合量を41.7部に変更したこと、水の配合量を42.1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のインクジェット記録用水性顔料インクを作製した。本実施例3では、エマルジョン樹脂の含有量は20重量%であり、2−ピロリドンの含有量は10重量%であった。
(実施例4)
エマルジョン樹脂分散体の配合量を62.5部に変更したこと、水の配合量を21.3部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のインクジェット記録用水性顔料インクを作製した。本実施例4では、エマルジョン樹脂の含有量は30重量%であり、2−ピロリドンの含有量は10重量%であった。
(実施例5)
エマルジョン樹脂分散体の配合量を41.7部に変更したこと、2−ピロリドンの配合量を20.0部に変更したこと、水の配合量を32.1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5のインクジェット記録用水性顔料インクを作製した。本実施例5では、エマルジョン樹脂の含有量は20重量%であり、2−ピロリドンの含有量は20重量%であった。
(実施例6)
エマルジョン樹脂分散体の配合量を62.5部に変更したこと、2−ピロリドンの配合量を20.0部に変更したこと、水の配合量を11.3部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6のインクジェット記録用水性顔料インクを作製した。本実施例6では、エマルジョン樹脂の含有量は30重量%であり、2−ピロリドンの含有量は20重量%であった。
(実施例7)
エマルジョン樹脂分散体の配合量を47.6部に変更したこと、2−ピロリドンの配合量を30.0部に変更したこと、水の配合量を16.2部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7のインクジェット記録用水性顔料インクを作製した。本実施例7では、エマルジョン樹脂の含有量は20重量%であり、2−ピロリドンの含有量は30重量%であった。
(実施例8)
エマルジョン樹脂分散体として、BASF社製のアクリル系エマルジョン樹脂“ジョンクリル532J”(ガラス転移温度:56℃、樹脂成分:45%)を44.4部用いたこと、2−ピロリドンの配合量を20.0部に変更したこと、水の配合量を29.4部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8のインクジェット記録用水性顔料インクを作製した。本実施例8では、エマルジョン樹脂の含有量は20重量%であり、2−ピロリドンの含有量は20重量%であった。
(実施例9)
エマルジョン樹脂分散体の配合量を41.7部に変更したこと、2−ピロリドンの配合量を20.0部に変更したこと、水の配合量を31.1部に変更したこと、沸点が285℃を超える有機溶剤であるグリセリンを1.0部さらに添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9のインクジェット記録用水性顔料インクを作製した。本実施例9では、エマルジョン樹脂の含有量は20重量%であり、2−ピロリドンの含有量は20重量%であり、グリセリンの含有量は1.0重量%であった。
(実施例10)
2−ピロリドンの配合量を40.0部に変更したこと、水の配合量を43.4部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例10のインクジェット記録用水性顔料インクを作製した。本実施例10では、エマルジョン樹脂の含有量は5重量%であり、2−ピロリドンの含有量は40重量%であった。
(比較例1)
エマルジョン樹脂分散体の配合量を6.3部に変更したこと、水の配合量を77.6部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のインクジェット記録用水性顔料インクを作製した。本比較例1では、エマルジョン樹脂の含有量は3重量%であり、2−ピロリドンの含有量は10重量%であった。
(比較例2)
エマルジョン樹脂分散体の配合量を72.9部に変更したこと、水の配合量を10.9部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2のインクジェット記録用水性顔料インクを作製した。本比較例2では、エマルジョン樹脂の含有量は35重量%であり、2−ピロリドンの含有量は10重量%であった。
(比較例3)
エマルジョン樹脂分散体の配合量を41.7部に変更したこと、2−ピロリドンの配合量を5.0部に変更したこと、水の配合量を47.1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3のインクジェット記録用水性顔料インクを作製した。本比較例3では、エマルジョン樹脂の含有量は20重量%であり、2−ピロリドンの含有量は5重量%であった。
(比較例4)
エマルジョン樹脂分散体の配合量を41.7部に変更したこと、2−ピロリドンの配合量を45.0部に変更したこと、水の配合量を7.1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4のインクジェット記録用水性顔料インクを作製した。本比較例4では、エマルジョン樹脂の含有量は20重量%であり、2−ピロリドンの含有量は45重量%であった。
(比較例5)
エマルジョン樹脂分散体として、BASF社製のアクリル系エマルジョン樹脂“ジョンクリル775”(ガラス転移温度:37℃、樹脂成分:45%)を44.4部用いたこと、2−ピロリドンの配合量を20.0部に変更したこと、水の配合量を29.4部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例5のインクジェット記録用水性顔料インクを作製した。本比較例5では、エマルジョン樹脂の含有量は20重量%であり、2−ピロリドンの含有量は20重量%であった。
(比較例6)
エマルジョン樹脂分散体の配合量を41.7部に変更したこと、2−ピロリドンの配合量を20.0部に変更したこと、水の配合量を30.1部に変更したこと、沸点が285℃を超える有機溶剤であるグリセリンを2.0部さらに添加したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例6のインクジェット記録用水性顔料インクを作製した。本比較例6では、エマルジョン樹脂の含有量は20重量%であり、2−ピロリドンの含有量は20重量%であり、グリセリンの含有量は2.0重量%であった。
上記実施例1〜10及び比較例1〜6のインクジェット記録用水性顔料インクに関して、下記に示す方法によって、粘度、乾燥性、耐薬品性、密着性、吐出安定性、及び色度の評価を行った。
(粘度)
粘度は、東機産業社製の“R100型粘度計”を用いて、25℃、コーン回転数100rpmの条件下で粘度(mPa・s)を測定した。
(乾燥性)
上記実施例及び比較例で得られたインクジェット記録用水性顔料インクを、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(未処理品)上に、バーコータ(#14)により、乾燥後の厚さが1〜2μmの塗膜を形成し、60℃で3分間乾燥させることにより、評価用試料を作製した。また、乾燥温度を90℃とした場合についても同様にして評価用試料を作製した。
次に、その評価用試料の塗膜面を、綿棒を用いて5cm擦って、綿棒へのインク付着状態を観察した。
その結果、インクが綿棒に全く付着しない場合を乾燥性:A(優秀)、評価用試料を作製した直後はインクが綿棒にかすれる程度に付着したが、評価用試料を作製してから5分間放置した後はインクが綿棒に全く付着しない場合を乾燥性:B(良好)、及び評価用試料を作製してから5分間放置した後もインクが綿棒に付着した場合を乾燥性:C(不良)と評価した。
(耐薬品性)
上記乾燥性評価の場合と同様にして評価用試料を作製し、その評価用試料の塗膜面を、エタノール50%を含有した水溶液を含浸させた綿棒を用いて20回擦って、塗膜の剥離の状態を観察した。
その結果、綿棒で擦っても塗膜が全く剥がれず、塗膜の造膜性及び基材への密着性が良い場合を耐薬品性:A(優秀)、擦る回数が18回以上で剥離が見られた場合を耐薬品性:B(良好)、擦る回数が15回以上で剥離が見られ、塗膜の造膜性及び基材への密着性がやや不十分である場合を耐薬品性:C(やや不良)、及び擦る回数が15回未満で剥離が見られ、塗膜の造膜性及び基材への密着性が不十分である場合を耐薬品性:D(不良)と評価した。
(密着性)
上記乾燥性評価の場合と同様にして評価用試料を作製し、日本工業規格(JIS)5600−5−6−1999に準拠した碁盤目剥離試験を行った。その結果、試験升目100個に対して剥離が全く見られなかった場合を密着性:A(良好)、剥離が1〜5個見られた場合を密着性:B(やや不良)、及び剥離が6個所以上見られた場合を密着性:C(不良)と評価した。
(吐出安定性)
上記実施例及び比較例で得られたインクジェット記録用水性顔料インクをリコー社製のインクジェットプリンタ“GELJET”を用いて、A4版のXerox P紙にマイクロソフト社のワードのMS明朝文字をスタイル標準サイズ10で2000字/ページの割合で100ページ連続印字し、印字乱れの状態を観察した。また、同様にして1000頁印字した場合についても、印字乱れの状態を換算した。
その結果、印字乱れが5箇所未満の場合を吐出安定性:A(優秀)、印字乱れが5箇所以上10箇所未満の場合を吐出安定性:B(良好)、印字乱れが10箇所以上50箇所未満の場合を吐出安定性:C(やや不良)及び印字乱れが50箇所以上の場合を吐出安定性:D(不良)と評価した。
(色度)
上記乾燥性評価の場合と同様にして評価用試料を作製し、色相を分光測色濃度計(日本平反機材株式会社製の“X−Rite”)を用いて測定し、L、a*、b*を求めた。La*b*表示系においては、Lの値が0に近いほど黒色の明度が良好であることを示しており、ここでは、Lの値が小さいほど色度が良好であると評価した。
表1及び表2に、実施例1〜10及び比較例1〜6のインクジェット記録用水性顔料インクの粘度、乾燥性、耐薬品性、密着性、吐出安定性、及び色度の評価結果を示した。また、インクジェット記録用水性顔料インクに含まれるエマルジョン樹脂のガラス転移温度(Tg)及び含有量と、有機溶剤の含有量についても併せて示した。
Figure 2014177516
Figure 2014177516
表1及び表2から、実施例1〜10のインクジェット記録用水性顔料インクは、乾燥性、耐薬品性、密着性、及び吐出安定性の全てにおいてほぼ満足する結果が得られ、また、高品質の印刷画像を形成できた。
一方、エマルジョン樹脂の含有量が5重量%未満の比較例1では、耐薬品性が低下した。エマルジョン樹脂の含有量が30重量%以上の比較例2では、吐出安定性が低下した。沸点が285℃以下の有機溶剤の含有量が10重量%未満の比較例3では、吐出安定性が低下した。沸点が285℃以下の有機溶剤の含有量が40重量%を超えた比較例4では、乾燥性、耐薬品性、及び密着性が低下し、印刷画像の品質も良好ではなかった。エマルジョン樹脂のガラス転移温度が60℃未満の比較例5では、耐薬品性が低下した。沸点が285℃を超える有機溶剤の含有量が1.0重量%を超えた比較例6では、耐薬品性が低下した。
本発明は、プラスチック、金属等のインク非吸収性材料への印刷が可能で、さらに印刷画像の高品質化を実現可能なインクジェット記録用水性顔料インクを提供できる。

Claims (5)

  1. 界面活性剤分散型顔料、エマルジョン樹脂、水、及び有機溶剤、を含むインクジェット記録用水性顔料インク組成物であって、
    前記エマルジョン樹脂のガラス転移温度は、60℃以上であり、
    前記エマルジョン樹脂の含有量は、前記インクジェット記録用水性顔料インク組成物全量に対して5重量%以上30重量%未満であり、
    前記有機溶剤は、前記インクジェット記録用水性顔料インク組成物全量に対して、沸点が285℃以下の有機溶剤を10重量%以上40重量%以下の範囲で含むことを特徴とするインクジェット記録用水性顔料インク組成物。
  2. 前記エマルジョン樹脂は、アクリル系エマルジョン樹脂である請求項1に記載のインクジェット記録用水性顔料インク組成物。
  3. 前記インクジェット記録用水性顔料インク組成物中の顔料濃度は、0.1重量%以上20重量%以下である請求項1又は2に記載のインクジェット記録用水性顔料インク組成物。
  4. 前記有機溶剤は、前記インクジェット記録用水性顔料インク組成物全量に対して、沸点が285℃を超える有機溶剤を0重量%以上1.0重量%以下の範囲で含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性顔料インク組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性顔料インク組成物をインクジェットヘッドから吐出し、被記録媒体に付着させる吐出工程と、
    前記被記録媒体に付着した前記インクジェット記録用水性顔料インク組成物を40℃以上80℃以下に加熱する加熱工程と、を含むことを特徴とする画像形成方法。
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