JP2014176646A - 成形性ハイドロコロイド材 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の形状への成型性が良く、良好な皮膚順応性を有し、しかも排泄物等の水分と接した後も崩壊しない形状保持性を備えた成形性ハイドロコロイド材を提供すること。
【解決手段】ゴム系粘着剤と親水性高分子化合物と変性シリコーンとを含む成形性ハイドロコロイド材。変性シリコーンはポリエーテル変性シリコーンが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、皮膚や創傷等に用いるハイドロコロイド材に関する。
より詳しくは、ストーマ周囲皮膚の凹凸や、オストミー装具と皮膚表面との間の隙間を充填する成型性のハイドロコロイド材に関する。
便や尿の排泄を自らの意志により制御できない人や、消化器系又は泌尿器系器官の疾患がある人に対して、外科的手術を行い腸管や尿管を体表まで導き体表面にストーマと呼ばれる開孔を造設することが行なわれる。この場合、ストーマを造設した人(以下、「ストーマ保有者」ということがある。)は、ストーマからの排泄物を一時的に貯留できるオストミー装具をストーマ周囲に装着する必要がある。このオストミー装具は、排泄物を収容するパウチと、面板と呼ばれる粘着シートと、からなっており、この面板をストーマ周囲に粘着固定して使用する。
このオストミー装具の面板には、長時間皮膚に貼付しても皮膚や排泄物からの水分を吸収できるように、親水性高分子化合物が配合された所謂ハイドロコロイド皮膚保護材が一般に使用されている。
ところで、ストーマ保有者によっては、ストーマ周囲の皮膚に皺や凹凸があったり、ストーマ周囲が陥没している場合があり、オストミー装具の面板貼付時に、面板とストーマ周囲の皮膚とを密着させることができず、隙間ができてしまうことがある。
また、皮膚の弛みや、使用時における身体の屈曲等によって、面板と皮膚との間に隙間が生じたりする場合がある。このような場合、皮膚と面板との間に生じた隙間から排泄物が漏れ出し、悪臭や皮膚障害などが生じるといった問題がある。
そのため、オストミー装具の面板と皮膚との間の隙間を埋めるために、粘着性を有する皮膚保護用ペースト状組成物等が開発されている(特許文献1参照)。
特開05−200106号公報
このような粘着性のペースト状組成物を用いることで、オストミー装具の面板と皮膚との間の隙間がなくなり、排泄物等の漏れを防ぐことができる。また、オストミー装具の面板と皮膚との間の隙間を埋めるために使用するものはペースト状の他、粘土状になっているもの等、いくつか形態がある。
ところで、ストーマ保有者は高齢者が多く、手先の力や器用さが衰えてくることもあり、このような組成物が粘土状である場合には、容易に成型し、皮膚に順応することができる柔軟性を有していることが望ましい。
一方、皮膚の隙間や凹凸に充填、密着させたあとは、ストーマなどからの排泄物や汗等の水分と接しても、過度に変形したり崩壊したりせず、充填した部分に隙間が生じないような形状保持性が求められる。
また、市販されているこのような徒手成型して充填する粘土状の粘着組成物は、貼付中の形状保持性や耐久性はよいが、使用時に硬くて成型性や皮膚順応性が劣るものがあった。一方、使用する際の成型性や皮膚順応性は良いものの、徒手成型時にベタついて指から離れず取扱いに難があったり、排泄物の水分に対する耐久性がなく変形して漏れを生じたりするものがあった。
そこで、本発明は、所定の形状への成型性が良く、良好な皮膚順応性を有し、しかも排泄物等の水分と接した後も崩壊せず、適切な粘着性を備えつつも徒手成型時のベタつきが少なく、形状保持性を備えた成形性ハイドロコロイド材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、ゴム系粘着剤と、親水性高分子化合物と、変性シリコーンと、を少なくとも含む成形性ハイドロコロイド材を提供する。このような組成にすることで、所望の形状に徒手成型して適用することができるハイドロコロイド材を提供することができる。
また、本発明は、ゴム系粘着剤40〜90重量%と、親水性高分子化合物2〜40重量%と、変性シリコーン0.05〜50重量%と、を少なくとも含む成形性ハイドロコロイド材を提供する。
前記発明において、前記変性シリコーンはポリエーテル変性シリコーンが好適である。
さらに前記発明においてシリカ0.3〜30重量%を含んでいると好適である。
さらに前記発明において前記シリカがシリル化シリカであると好適である。
また、前記発明において、下記式(1)で示される粘度低下率が、2〜24時間後において95%以下であると好適である。
Figure 2014176646
(粘度低下率が負の値となるときは0%とする)
また、本発明は前記いずれかの発明を用いた、徒手成型してストーマ周囲皮膚上又はオストミー装具に適用するオストミー装具用の成形性ハイドロコロイド材を提供する。
本発明により、所定の形状への成型性が良く、良好な皮膚順応性を有し、しかも排泄物等の水分と接した後も崩壊しない形状保持性を備え、ベタつきを抑えた成形性ハイドロコロイド材が提供される。本発明の成形性ハイドロコロイド材は、皮膚の隙間や凹凸の充填が簡単にでき、接着性や順応性も良好なため排泄物等の漏れがなく、さらに、耐久性が良いので、除去や交換の際には糊残りや剥離刺激が少なく、皮膚の生理機能を保持又は向上させることが可能となる。
水への浸漬前後の粘度測定の結果を示す図。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
(成形性ハイドロコロイド材)
本発明の成形性ハイドロコロイド材は、ゴム系粘着剤と、親水性高分子化合物と、変性シリコーンと、を少なくとも含み、徒手により容易に所望の形状に成型できるものである。具体的には、手により成形性ハイドロコロイド材を練り、ストーマ周囲皮膚等の隙間や凹凸に密着する形状に成型し、その粘着性で皮膚の隙間にハイドロコロイド材を密着させて使用する。本発明はストーマの周囲に配置して使用する観点から、通常のオストミー装具用面板のようにドーナツ状であってもよいが、成型可能なことからスティック状、シート状等の形状であってもよい。さらに、各種添加剤を加えることによって、ペースト状の形態にすることも可能になる。
(ゴム系粘着剤)
本発明の成形性ハイドロコロイド材を構成するためのゴム系粘着剤としては、その種類は特に限定されず、例えば以下のようなゴム成分をベースポリマーとして含む粘着剤を用いることができる。
ゴム系粘着剤に用いるゴム成分としては、例えば、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエン、ブチルゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、アクリロニトリルゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、水添スチレン−ブタジエンラバー(HSBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−エチレン/ブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体(SEBC)、オレフィン結晶−エチレン/ブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体(CEBC)等が挙げられ、これらを1種又は2種以上自由に選択することが可能である。
本発明においては、ゴム系粘着剤の中でもポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、アクリロニトリルゴム等の非スチレン系ゴム系粘着剤が好ましく、特に、ポリイソブチレンが好ましい。
ゴム系粘着剤の配合量は、成形性ハイドロコロイド材の全重量に対して、40〜90重量%であることが好ましく、50〜88重量%であることがより好ましく、60〜85重量%であることがさらに好ましい。
ゴム系粘着剤の配合量が上記範囲内にあることにより、ハイドロコロイド材の凝集性及び形状保持性が向上し、吸水後におけるハイドロコロイド材の過度な膨潤、フロー、崩壊及び剥離時の糊残りを防止することができる。
また、ハイドロコロイド材の粘着力や柔軟性が向上し、それにより、皮膚の引きつれや、ハイドロコロイド材の硬さによる物理刺激等が緩和される。
(親水性高分子化合物)
本発明の成形性ハイドロコロイド材を構成するための親水性高分子化合物としては、天然、半合成又は合成の親水性高分子化合物を使用できる。
天然親水性高分子化合物の具体例としては、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、デンプン(例えば、コメ、トウモロコシ、バレイショ及びコムギのデンプン)等の植物系高分子;キサンタンガム、デキストリン、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子;カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子;等が挙げられる。
半合成親水性高分子化合物の具体例としては、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等);等が挙げられる。
合成親水性高分子化合物の具体例としては、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;等が挙げられる。
これらの親水性高分子化合物のうち、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、ペクチン、カラヤガム、ゼラチンが好ましく、カルボキシメチルセルロース・ナトリウムが特に好ましい。
本発明において、親水性高分子化合物は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
親水性高分子化合物の配合量は、成形性ハイドロコロイド材の全重量に対して、2〜40重量%であることが好ましく、4〜20重量%がより好ましく、8〜15重量%がさらに好ましい。
親水性高分子化合物の配合量が上記範囲内にあることにより、ハイドロコロイド材による汗や排泄物の水分の吸収が良好となり、皮膚浸軟等の皮膚刺激を軽減し、長時間の皮膚貼付が可能となる。
(変性シリコーン)
本発明の成形性ハイドロコロイド材を構成するための変性シリコーンとしては、前記ゴム系粘着剤と相溶性を有するものであれば自由に採用することができ、常温(15〜25℃)において液状又は流動性のあるものが好ましい。
シリコーン変性は、例えば、−O(EO)−基(ポリエーテル変性)、−NH基(アミノ変性)、−OH基(ヒドロキシル変性)、−CHOH基(カルビノール変性)、−COOH基(カルボキシル変性)等で変性したものが挙げられる。
本発明に用いる変性シリコーンとしては、この中でも特に、−O(EO)−基によりポリエーテル変性したシリコーンが好ましい。−O(EO)−基は、化学反応性が低い基、即ち、反応不活性な基であるため、粘着剤の物性を安定させることができるからである。
ポリエーテル変性シリコーンとしては、主鎖がメチコン、ジメチコン、又はポリジメチルシロキサン骨格を有し、側鎖がポリエチレングリコールであるもの等を用いることができる。
変性シリコーンはHLBの値が7未満のものであり、25℃における粘度が700〜3500mm/sのものが好ましい。
変性シリコーンの配合量は、成形性ハイドロコロイド材の全重量に対して、0.05〜50重量%であることが好ましく、0.1〜40重量%がより好ましく、0.3〜30%がさらに好ましく、0.5〜10%が特に好ましい。
変性シリコーンの配合量が上記範囲内にあることにより、徒手による成型性、水分吸収後の形状保持性及び指離れ性を両立させることができる。
(その他添加剤)
本発明の成形性ハイドロコロイド材は、さらに任意成分として、pH調整剤、薬効成分、充填剤、顔料等のその他添加剤を含んでも良い。
pH調整剤の種類は、本発明の目的を損なわなければ特に限定されず、公知のpH調整剤を自由に選択することができる。一例としては、クエン酸、リン酸、リン酸水素ナトリウム、無水リン酸水素ナトリウム、ペクチン、無水クエン酸、アルカリ金属水酸化物、有機酸の緩衝液を挙げることができる。
前記pH調整剤の中でもクエン酸、無水クエン酸を用いることが好ましい。また、正常な皮膚のpHに合わせ、pH4.0〜6.0の範囲に調整することが好ましい。
薬効成分の種類は、本発明の目的を損なわなければ特に限定されず、目的に応じて自由に選択することができる。一例としては、生理活性剤、抗菌剤、消炎鎮痛剤、ステロイド剤、麻酔剤、抗真菌剤など、あらゆる薬剤を配合することができる。
前記薬効成分の中でも、皮膚の生理機能(皮膚バリア機能等)を保持又は向上させる目的で、局所的な効果を発揮する生理活性剤を添加することが好ましい。生理活性剤は特に限定されないが、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルボニル基、スルホ基等の親水基を有し、親水性を発揮するものが好ましい。
親水性生理活性剤の具体例としてはスフィンゴ脂質、尿素、グリコール酸、アミノ酸(アルギニン、システイン、グリシン、リシン、プロリン、セリン等)及びその誘導体、タンパク質加水分解物(コラーゲン、エラスチン、ケラチン等)、ムコ多糖(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン等)及びその誘導体、ビタミンB群(チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン、ビオチン、葉酸、シアノコバラミン等)、アスコルビン酸(ビタミンC及びその誘導体)、レチノイド(ビタミンA、レチナール、レチノイン酸等)、ビタミンD(D2、D3等)、ビタミンE及びその誘導体、カロチノイド(カロチン、リコピン、キサントフィル等)、酵素、補酵素、γ−オリザノール等を挙げることができる。これらのうち、スフィンゴ脂質が特に好ましい。
スフィンゴ脂質としては、スフィンゴシンと脂肪酸とが結合したセラミド及びセラミドと糖とが結合したスフィンゴ糖脂質が好ましい。
セラミドは、天然、合成いずれのものを使用してもよく、タイプ1〜7のセラミドを挙げることができるが、タイプ2、5、7のセラミドが特に好ましい。
スフィンゴ糖脂質としては、セレブロシド、ガラクトシルセラミド、グルコシルセラミド等が好ましい。
本発明において、生理活性剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
生理活性剤の配合量は、成形性ハイドロコロイド材の全重量に対して、0.01〜4.8重量%であることが好ましく、0.05〜3重量%であることがさらに好ましい。
充填剤としては、シリカ、アクリルビーズ等の紛体を用いることができる。ハイドロコロイド材の柔らかさや粘着性の調整、変性シリコーンのゴム粘着剤からのブリードを防止するために、シリカを添加することが好ましい。中でも、シラノール基を不活性官能基(例えば炭素数1〜6の低級アルキル基やシリル基)で封鎖したシリカを用いると吸水時の形状保持性及びシリコーンのブリード防止能の観点からより好ましく、トリアルキルシリル基で封鎖したシリル化シリカを用いると、さらに好ましい。
シリカの配合量は、成形性ハイドロコロイド材の全重量に対して、0.3〜30重量%であることが好ましく、0.5〜15重量%であることがより好ましく、1〜10重量%であることがさらに好ましい。
本発明の成形性ハイドロコロイド材は、2〜24時間水に浸漬させた前後の粘度が1×10mPa・s以上であることが好ましい。粘度がこの範囲にあることにより、吸水後でも形状を保持することができるとともに、糊残りが少ない。また、試験片を生理食塩水(0.9%NaCl水溶液)に浸漬し、37℃恒温槽中に2〜24時間静置した後の粘度の、水への浸漬前と比較した粘度低下率が95%以下であると、糊残りの観点から好ましく、85%以下であるとより好ましく、75%以下であるとさらに好ましい。また、前記粘度の下限値は0%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、10%以上がさらに好ましい。
特に、試験片を生理食塩水(0.9%NaCl水溶液)に浸漬し、37℃恒温槽中に2時間静置した後の粘度の、水への浸漬前と比較した粘度低下率が95%以下であると、糊残りの観点から好ましく、85%以下であるとより好ましく、75%以下であるとさらに好ましい。また、前記粘度の下限値は0%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、10%以上がさらに好ましい。
本発明の成形性ハイドロコロイド材は、JIS K 7244に準じた測定値がG’:160,000Pa以下,G”:135,000Pa以下であることが好ましい。粘弾性がこの範囲にあることにより、柔軟性があり、徒手成形がしやすく、皮膚への追従性も良好である。また、吸水後でも形状を保つことができ、面板と皮膚との間に隙間を作りにくい。
以下の方法により成形性ハイドロコロイド材を作成した。また、成形性ハイドロコロイド材の各特性は、以下の方法により評価した。
以下、本発明の構成について、実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
ゴム系粘着剤としてポリイソブチレン(JX日鉱日石エネルギー社製 商品名「ハイモール 4H」)60重量%、変性シリコーンとしてポリエーテル変性シリコーン(東レ・ダウコーニング社製、商品名「5200 Formulation Aid」30重量%を加圧ニーダーに仕込み、十分均一になるまで加圧混合する。次に、添加剤としてシリカ(東レ・ダウコーニング社製、商品名「VM−2270 Aerogel Fine Particle」)を3重量%、親水性高分子化合物としてカルボキシメチルセルロース・ナトリウム(日本製紙ケミカル社製)7重量%を加え、均等になるまで混合し、厚さ1.5mmに圧延した成形性ハイドロコロイド材を得た。
実施例2
ゴム系粘着剤としてポリイソブチレン(JX日鉱日石エネルギー社製の商品名「ハイモール 6H」)75.1重量%、変性シリコーンとしてポリエーテル変性シリコーン(東レ・ダウコーニング社製の商品名「EMULSIFIER 10」)6.8重量%を加圧ニーダーに仕込み、十分均一になるまで加圧混合する。次に、添加剤としてシリル化シリカ(日本アエロジル社製の商品名「アエロジル RX300」)を4.1重量%、親水性高分子化合物としてカルボキシメチルセルロース・ナトリウム(日本製紙社製)13.0重量%、セラミド0.3重量%、クエン酸(昭和化工社製の商品名「クエン酸無水パウダー」)0.7重量%を加え、均等になるまで混合し、厚さ1.5mmに圧延した成形性ハイドロコロイド材を得た。
実施例3
ゴム系粘着剤としてポリイソブチレン(JX日鉱日石エネルギー社製の商品名「ハイモール 6H」)80.4重量%、変性シリコーンとしてポリエーテル変性シリコーン(東レ・ダウコーニング社製の商品名「EMULSIFIER 10」)3.4重量%を加圧ニーダーに仕込み、十分均一になるまで加圧混合する。次に、添加剤としてシリル化シリカ(日本アエロジル社製の商品名「アエロジル RX300」)を2.3重量%、親水性高分子化合物としてカルボキシメチルセルロース・ナトリウム(日本製紙社製)13.0重量%、セラミド0.3重量%、クエン酸(昭和化工社製の商品名「クエン酸無水パウダー」)0.6重量%を加え、均等になるまで混合し、厚さ1.5mmに圧延した成形性ハイドロコロイド材を得た。
実施例4
ゴム系粘着剤としてポリイソブチレン(JX日鉱日石エネルギー社製の商品名「ハイモール 6H」)79.2重量%、変性シリコーンとしてポリエーテル変性シリコーン(東レ・ダウコーニング社製の商品名「EMULSIFIER 10」)3.4重量%を加圧ニーダーに仕込み、十分均一になるまで加圧混合する。次に、添加剤としてシリル化シリカ(日本アエロジル社製の商品名「アエロジル RX300」)を3.4重量%、親水性高分子化合物としてカルボキシメチルセルロース・ナトリウム(日本製紙社製)13.0重量%、セラミド0.3重量%、クエン酸(昭和化工社製の商品名「クエン酸無水パウダー」)0.7重量%を加え、均等になるまで混合し、厚さ1.5mmに圧延した成形性ハイドロコロイド材を得た。
実施例5
ゴム系粘着剤としてポリイソブチレン(JX日鉱日石エネルギー社製の商品名「ハイモール 6H」)79.2重量%、変性シリコーンとしてポリエーテル変性シリコーン(東レ・ダウコーニング社製の商品名「EMULSIFIER 10」)1.0重量%を加圧ニーダーに仕込み、十分均一になるまで加圧混合する。次に、添加剤としてシリル化シリカ(日本アエロジル社製の商品名「アエロジル RX300」)を5.9重量%、親水性高分子化合物としてカルボキシメチルセルロース・ナトリウム(日本製紙社製)13.0重量%、セラミド0.3重量%、クエン酸(昭和化工社製の商品名「クエン酸無水パウダー」)0.7重量%を加え、均等になるまで混合し、厚さ1.5mmに圧延した成形性ハイドロコロイド材を得た。
<比較例>
比較例1〜5
本発明の成形性ハイドロコロイド材に代えて、市販の成形性ハイドロコロイド材の特性を評価した(比較例1:ホリスター社製「アダプト(登録商標)皮膚保護ペースト」、比較例2:コンバッテック社製「イーキンシール」、比較例3:ダンサック社製「GX・トラシール」、比較例4:コロプラスト社製「スティックペースト」、比較例5:コロプラスト社製「モルダブルリング」)。
〔粘度〕
約2gの試験片を採取し、フローテスター(島津製作所製;島津フローテスターCFT−500)を使用して、測定温度30℃、予熱時間180秒、ダイス口径1mm、ダイス長さ5mm、押出圧力100kgfの条件下で粘度を測定し、水への浸漬前の粘度として記録する。
また、直径53mm、厚み1.5mmである円形の別の試験片を採取し、生理食塩水(0.9%NaCl水溶液)に浸漬し、37℃恒温槽中に24時間静置(実施例2〜5は2時間)する。この際、試験片の円形面の片側には撥水性の剥離紙を備えたまま浸漬する。ここから約2gの試験片を採取し、水への浸漬前の粘度と同様に粘度を測定し、水への浸漬後の粘度として記録する
〔成型性〕
徒手にて実施例及び比較例のハイドロコロイド材を練り、所定の形状に変形させる容易さ、取り扱い易さ(指離れ、ベタつきのなさ)を次の3段階の基準(○:簡単に成型できる、△:やや成型しにくい、×:非常に成型しにくい)にて評価する。
〔水への浸漬後の形状保持性〕
生理食塩水(0.9%NaCl水溶液)に24時間浸漬させた後の、ハイドロコロイド材の変形・膨潤度合を目視にて観察し、次の3段階の基準(○:変形がほとんどない、△:多少変形あり、×:変形が大きい)に従って評価する。
〔粘度低下率〕
水への浸漬の前後の各ハイドロコロイド材の粘度を比較し、前記式(1)を用いて粘度低下率を求めた。
実施例1〜5の配合比を表1に示し(表1中、成分の表示は重量%)、各種評価結果を表2および図1に示す。なお、式(1)を用いて粘度低下率を計算して値が負になる場合、0%とした。
Figure 2014176646
Figure 2014176646
表2および図1に示すように、実施例は水への浸漬前後で粘度の低下率が低く抑えられ、あるいは粘度が向上し、形状も保持し、ベタつかず、指離れも良いのに対して、比較例1〜5は水への浸漬後の粘度が著しく低下し、大きく変形・膨潤していた。
この結果から、比較例は排泄物などからの水分を吸収すると形状が保持しにくく、また剥離時に糊残りが発生する恐れがあることがわかる。
一方、本発明の実施例は水への浸漬後であっても粘度が水への浸漬前と変化がすくないため、形状を保持しやすく、面板と皮膚との隙間を持続的に充填でき得るものと考えられる。また、剥離時においても、糊残りが生じにくいと考えられる。
以上、本発明は、高齢者であっても徒手成型による所定の形状への成型性が良く、良好な皮膚順応性を有し、しかも排泄物等の水分と接した後も崩壊しない形状保持性を備えた成形性ハイドロコロイド材といえる。
本発明は、オストミー装具を使用する際に、ストーマ周囲皮膚の隙間や凹凸を充填し、装具の密着性をあげ、排泄物の漏れを防ぐものとして好適である。
さらに、本発明は、創傷などの損傷部分や、カテーテルやドレーンの刺入部や接続部など、隙間や凹凸が生じシーリング性がもとめられる部分にも好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. ゴム系粘着剤と、親水性高分子化合物と、変性シリコーンと、を少なくとも含む成形性ハイドロコロイド材。
  2. ゴム系粘着剤40〜90重量%と、親水性高分子化合物2〜40重量%と、変性シリコーン0.05〜50重量%と、を少なくとも含む成形性ハイドロコロイド材。
  3. 前記変性シリコーンがポリエーテル変性シリコーンである請求項1または2に記載の成形性ハイドロコロイド材。
  4. さらに、シリカ0.3〜30重量%を含む請求項1から3のいずれか1項に記載の成形性ハイドロコロイド材。
  5. 前記シリカがシリル化シリカである請求項4に記載の成形性ハイドロコロイド材。
  6. 下記式(1)で示される粘度低下率が、2〜24時間後において95%以下である請求項1から5のいずれか1項に記載の成形性ハイドロコロイド材。
    Figure 2014176646
    (粘度低下率が負の値となる場合、粘度低下率は0%とする。)
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のハイドロコロイド材を用いた、徒手成型してストーマ周囲皮膚上又はオストミー装具に適用するオストミー装具用の成形性ハイドロコロイド材。
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