JP2014173976A - 圧力センサ - Google Patents
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【解決手段】圧力センサ1は、内部にキャビティ10を形成し、キャビティ10と外部とを連通する連通開口11を有する中空のセンサ本体3と、先端部4bが自由端かつ基端部4aがセンサ本体3に片持ち状に支持された状態で連通開口11を塞ぐように配置され、キャビティ10とセンサ本体3の外部との圧力差に応じて撓み変形するカンチレバー4と、カンチレバー4の撓み変形に応じた変位を検出する変位検出部5と、圧力差を低下または撓み変形を抑制させるようにキャビティ10の圧力を制御する圧力制御部6と、を備える。
【選択図】図2
Description
この圧力センサによれば、通気孔を介して収納容器内に伝わる圧力変動と、この圧力変動に遅れて追従する透孔又は凹部内部の圧力との差圧の大きさに応じて圧電素子が振動する。その結果、上記圧力センサは、圧電素子に生ずる電圧変化に基づいて、収納容器に伝わる圧力変動を検出することが可能とされる。
(1)本発明の一態様に係る圧力センサは、圧力変動を検出する圧力センサであって、内部にキャビティを形成し、前記キャビティと外部とを連通する連通開口を有する中空のセンサ本体と、先端部が自由端かつ基端部が前記センサ本体に片持ち状に支持された状態で前記連通開口を塞ぐように配置され、前記キャビティと前記センサ本体の外部との圧力差に応じて撓み変形するカンチレバーと、前記カンチレバーの撓み変形に応じた変位を検出する変位検出部と、前記圧力差を低下または前記撓み変形を抑制させるように前記キャビティの圧力を制御する圧力制御手段と、を備える。
以下、本発明の実施形態に係る圧力センサについて添付図面を参照しながら説明する。
本実施形態の圧力センサ1は、所定の周波数帯域の圧力変動を検出するセンサであり、適宜の圧力伝達媒体(例えば、空気などの気体や液体など)が存在する空間などに配置されている。
図1および図2に示すように、圧力センサ1は、例えば、SOI基板2とセンサ本体3とを一体的に固定した形状からなり、SOI基板2に形成されたカンチレバー4と、カンチレバー4に接続されてカンチレバー4の変位を測定する変位検出部5と、圧力制御部6と、を備えている。
センサ本体3は、例えば樹脂材で構成された中空の箱型の形状を有し、内部に形成されたキャビティ10と、キャビティ10と外部とを連通する連通開口11と、を備えている。センサ本体3は、キャビティ10として機能する凹部10aを備え、この凹部10aの開口をキャビティ10の内部と外部とを連通する連通開口11としている。これに伴い、例えば、SOI基板2の酸化層2bおよびシリコン活性層2cには、センサ本体3の連通開口11に臨んで連通する連通開口2Aが形成されている。
カンチレバー4の基端部4aには、該カンチレバー4が撓み変形し易くなるようにして、貫通孔15が形成されている。
ピエゾ抵抗20は、カンチレバー4の撓み量(変位量)に応じて電気抵抗値が変化する抵抗素子であり、図1におけるカンチレバー4の短手方向において、貫通孔15を挟んだ両側に対となって配置されている。これら一対のピエゾ抵抗20は、導電性材料からなる配線部21を介して相互に電気的に接続されている。検出回路22は一対のピエゾ抵抗20に接続され、ピエゾ抵抗20の電気抵抗値変化に基づいてカンチレバー4の変位を検出する。
また、ピエゾ抵抗20は、圧電薄膜であってもよい。この場合、カンチレバー4の基端部4aに加わる応力に応じて、起電力が発生する。検出回路22は、この起電力を検出することで、カンチレバー4の変位を検出する。
比較回路24は、検出回路22から出力された検出出力、つまり検出回路22によって検出されたカンチレバー4の変位の検出値と、所定値記憶部23に記憶されている所定値とを比較し、比較結果(例えば、検出値と所定値との差など)を出力する。
また、信号処理回路25は、検出回路22から出力された検出出力、つまり検出回路22によって検出されたカンチレバー4の変位の検出値が、所定の下限閾値を超えた場合、または所定の許容範囲内の値となった場合、または所定条件を満たした場合などにおいて、圧力制御部6による制御動作を許可し、この制御動作を開始する。
内圧変更部27は、例えばセンサ本体3の少なくとも一部を成すようにして設けられた板状の圧電アクチュエータ31を備えている。圧電アクチュエータ31は、センサ本体3の内部と外部とを連通する貫通孔3aを塞ぐように設けられている。圧電アクチュエータ31は、例えばピエゾアクチュエータなどであって、駆動回路26から出力された信号に応じて、キャビティ10の内部または外部に向かい撓み変形する。これによって、キャビティ10の容積を変更し、キャビティ10の内部の圧力を増大または低下させ、検出回路22から出力されるカンチレバー4の変位の検出値を所定値記憶部23に記憶されている所定値に追従させる。
まず、上述した圧力センサ1を用いて、微小な圧力変動を検出する場合について、図3を用いて説明する。なお、図3においては、上述した本実施形態と、本実施形態の圧力センサ1から圧力制御部6が省略された比較例とに対して、センサ出力、キャビティ10の内圧、外圧と内圧との差圧およびキャビティ容積の変化を示した。
そして、時刻t1以降の期間のように、外圧が上昇すると、キャビティ10の外部と内部との間に圧力差が生じるので、カンチレバー4はキャビティ10内部に向けて撓み変形する。これに伴い、カンチレバー4の撓み変形に応じてピエゾ抵抗20に歪みが生じ、電気抵抗値が変化するので、圧力センサ1のセンサ出力が増大する。
これに対して、圧力制御部6が省略された比較例では、キャビティ10の容積は不変であり、キャビティ10の外部と内部との間の圧力差は本実施形態よりも増大する。
これに対して、圧力制御部6が省略された比較例では、カンチレバー4の撓み変形は急速に解消され、元の状態に戻るまで(つまり圧力差に応じたカンチレバー4の撓み変形が無くなるまで)の緩和時間がより短くなる。
そして、カンチレバー4の変位に基づいたセンサ出力(出力信号)の変動をモニタすることで、キャビティ10の外部の圧力変動を検出することができる。
特に、SOI基板2のシリコン活性層2cを用いて半導体プロセス技術によりカンチレバー4を形成できるので、従来の圧電素子に比べて薄型化(例えば、数十〜数百nm)し易い。したがって、微小な圧力変動の検出を精度よく行うことができる。
先ず、例えば図5に示すステップS01においては、検出回路22から出力された検出出力、つまりカンチレバー4の変位の検出値と、所定値記憶部23に記憶されている所定値とを比較し、比較結果(例えば、検出値と所定値との差など)を出力する。
この判定結果が「NO」の場合には、リターンに進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS04に進む。
そして、ステップS04においては、内圧変更部27を所定の初期状態に戻すことを指示するリセット信号を信号処理回路25から駆動回路26に出力する。
そして、ステップS05においては、内圧変更部27を所定の初期状態に戻し、リターンに進む。
これらの判定結果の何れかが「YES」の場合には、ステップS13に進み、ステップS13においては、圧力制御部6による制御動作を開始し、上述したステップS12に戻る。
一方、これらの判定結果の全てが「NO」の場合には、リターンに進む。
また、センサ本体3の少なくとも一部を成すように圧電アクチュエータ31を備えるだけの単純な構成によって、キャビティ10の内部の圧力を変更することができ、構成が複雑化することを防止することができる。
なお、上述した実施形態においては、例えば図7に示す第1変形例のように、内圧変更部27は、板状の圧電アクチュエータ31の代わりに、センサ本体3の周壁部3bの少なくとも一部を成すようにして設けられた環板状の圧電アクチュエータ32を備えてもよい。
この第1変形例の圧電アクチュエータ32は、駆動回路26から出力された信号に応じて、センサ本体3の周壁部3bを伸縮させるようにして変形する。これによって、キャビティ10の容積を変更し、キャビティ10の内部の圧力を増大または低下させ、検出回路22から出力されるカンチレバー4の変位の検出値を所定値に追従させる。
この第1変形例によれば、圧力センサ1の構成が複雑化することを防止しつつ、剛性を向上させることができる。
なお、上述した実施形態においては、例えば図8に示す第2変形例のように、内圧変更部27は、センサ本体3の少なくとも一部を成し、変形または変位によってキャビティ10の容積を変更することによってキャビティ10の圧力を変更可能な可変部材33と、駆動力の発生または変形によって可変部材33を変形または変位させるアクチュエータ34と、を備えてもよい。
この第2変形例の可変部材33は、例えばセンサ本体3の少なくとも一部を成すようにして設けられた膜状部材33aを備え、膜状部材33aは、センサ本体3の内部と外部とを連通する貫通孔3aを塞ぐように設けられ、キャビティ10の内部または外部に向かい撓み変形可能である。
アクチュエータ34は、例えば圧電アクチュエータまたは電磁アクチュエータなどであって、センサ本体3に固定された固定部材35によって支持されるとともに、膜状部材33aに接続されている。アクチュエータ34は、駆動回路26から出力された信号に応じて伸縮変形することによって、膜状部材33aをキャビティ10の内部または外部に向かい撓み変形させる。これによって、キャビティ10の容積を変更し、キャビティ10の内部の圧力を増大または低下させ、検出回路22から出力されるカンチレバー4の変位の検出値を所定値に追従させる。
この第2変形例によれば、キャビティ10の内部の圧力を変更する際の可変範囲を増大させることができ、圧力センサ1の剛性を向上させることができる。
なお、上述した第2変形例においては、例えば図9に示す第3変形例のように、可変部材33は、例えばセンサ本体3の少なくとも一部を成すようにして設けられた板状部材33bを備えてもよい。この第3変形例の板状部材33bは、センサ本体3の内部と外部とを連通する貫通孔3aを塞ぐように設けられ、キャビティ10の内部に向かいまたはキャビティ10の外部に向かい変位可能である。
この第3変形例のアクチュエータ34は、センサ本体3に固定された固定部材35によって支持されるとともに、板状部材33bに接続され、例えば、ベローズ型の伸縮管34aと、伸縮管34aを伸縮変形させるアクチュエータ部34bと、を備えている。伸縮管34aの内部にはアクチュエータ部34bが配置され、伸縮管34aおよびアクチュエータ部34bの伸縮方向の両端が1対の端面板34cによって挟み込まれている。アクチュエータ部34bは、例えば圧電アクチュエータまたは電磁アクチュエータなどであって、駆動回路26から出力された信号に応じて伸縮変形することによって、伸縮管34aを伸縮変形させ、端面板34cを介して板状部材33bをキャビティ10の内部または外部に向かい変位させる。これによって、キャビティ10の容積を変更し、キャビティ10の内部の圧力を増大または低下させ、検出回路22から出力されるカンチレバー4の変位の検出値を所定の目標値に追従させる。
この第3変形例によれば、キャビティ10の内部の圧力を変更する際の可変範囲を増大させることができ、圧力センサ1の剛性を向上させることができる。
なお、上述した第3変形例においては、例えば図10に示す第4変形例のように、アクチュエータ34は、固定部材35によって支持されたモータ34dを備えてもよい。この第4変形例の可変部材33は、例えばセンサ本体3の少なくとも一部を成すようにして設けられた筒状部材33cを備えている。この第4変形例の筒状部材33cは、センサ本体3の内部と外部とを連通する貫通孔3aを塞ぐように設けられ、キャビティ10の内部に向かいまたはキャビティ10の外部に向かい変位可能である。
この第4変形例のモータ34dは、回転軸に形成された雄ねじ部34eを、筒状部材33cの凹部に形成された雌ねじ部33dに噛み合わせて、モータ34dの回転運動を筒状部材33cの直線運動に変換可能である。モータ34dは、駆動回路26から出力された信号に応じて回転軸を回転駆動する駆動力を発生させ、筒状部材33cをキャビティ10の内部または外部に向かい変位させる。これによって、キャビティ10の容積を変更し、キャビティ10の内部の圧力を増大または低下させ、検出回路22から出力されるカンチレバー4の変位の検出値を所定の目標値に追従させる。
この第4変形例によれば、キャビティ10の内部の圧力を変更する際の可変範囲を増大させることができる。
なお、上述した実施形態においては、例えば図11に示す第5変形例のように、内圧変更部27は、キャビティ10の温度を変更可能なヒータ36を備えてもよい。
この第5変形例のヒータ36は、センサ本体3に設けられ、駆動回路26から出力された信号に応じて、放熱することによってキャビティ10の温度を上昇させる。これによって、キャビティ10の内部の圧力を増大させ、検出回路22から出力されるカンチレバー4の変位の検出値を所定の目標値に追従させる。なお、この第5変形例においては、ヒータ36に近接するセンサ本体3の内面上に熱交換用のフィン36aを備えてもよい。
この第5変形例によれば、圧力センサ1が大型化したり、構成が複雑化することを防止することができる。
なお、上述した実施形態においては、例えば図12に示す第6変形例のように、内圧変更部27は、キャビティ10の温度を変更可能なペルチェ素子などの熱電素子37を備えてもよい。内圧変更部27は、センサ本体3の少なくとも一部を成し、環板状の熱絶縁層37aと、熱絶縁層37aの内部に配置された熱電素子37とともに熱絶縁層37aを厚さ方向の両側から挟み込む1対の熱伝導層37bと、を備えている。
この第6変形例の熱電素子37は、駆動回路26から出力された信号に応じて、放熱または吸熱することによってキャビティ10の温度を上昇または下降させる。これによって、キャビティ10の内部の圧力を増大または低下させ、検出回路22から出力されるカンチレバー4の変位の検出値を所定の目標値に追従させる。なお、この第6変形例においては、センサ本体3の内面の一部を成す熱伝導層37bの表面上に熱交換用のフィン37cを備えてもよい。
この第6変形例によれば、キャビティ10の内部の圧力を詳細かつ精度良く制御することができる。
なお、上述した実施形態においては、例えば図13に示す第7変形例のように、内圧変更部27は、キャビティ10の温度を変更可能な赤外線源38を備えてもよい。
この第7変形例の赤外線源38は、駆動回路26から出力された信号に応じて、センサ本体3の内部に赤外線を放射することによってキャビティ10の温度を上昇させる。これによって、キャビティ10の内部の圧力を増大させ、検出回路22から出力されるカンチレバー4の変位の検出値を所定の目標値に追従させる。なお、この第7変形例においては、センサ本体3の内面上にフィン状などの形状を有する赤外線吸収部材38aを備えてもよい。
この第7変形例によれば、圧力センサ1が大型化することを防止し、キャビティ10の内部の圧力を遠隔的に制御することができる。
なお、上述した実施形態においては、例えば図14に示す第8変形例のように、所定値記憶部23の代わりに、ローパスフィルタ41を備えてもよい。
この第8変形例のローパスフィルタ41は、検出回路22から出力されるカンチレバー4の変位の検出値に対して、所定の低域通過処理を行ない、処理後の検出値を比較回路24に出力する。比較回路24は、検出回路22から出力された検出出力、つまり検出回路22によって検出されたカンチレバー4の変位の検出値と、ローパスフィルタ41から出力された処理後の検出値とを比較し、比較結果(例えば、差など)を出力する。
この第8変形例によれば、圧力センサ1の出力が不安定な場合などであっても、フィードバック制御を適正に行なうことができる。
なお、上述した実施形態においては、内圧変更部27は、キャビティ10の内部と外部とに存在する圧力伝達媒体を、キャビティ10の内部と外部との間で流通させることによってキャビティ10の圧力を変更可能なポンプなどを備えてもよい。
この第9変形例によれば、内圧変更部27は、駆動回路26から出力された信号に応じて、キャビティ10の内部と外部との間の圧力伝達媒体の流通を制御することによって、キャビティ10の内部の圧力を制御する。これによって、検出回路22から出力されるカンチレバー4の変位の検出値を所定の目標値に追従させる。
5…変位検出部 6…圧力制御部(圧力制御手段) 10…キャビティ 11…連通開口 31…圧電アクチュエータ(アクチュエータ) 32…圧電アクチュエータ(アクチュエータ) 33…可変部材 34…アクチュエータ(アクチュエータ) 36…ヒータ(部材) 37…熱電素子(温度変更部) 38…赤外線源(温度変更部)
Claims (5)
- 圧力変動を検出する圧力センサであって、
内部にキャビティを形成し、前記キャビティと外部とを連通する連通開口を有する中空のセンサ本体と、
先端部が自由端かつ基端部が前記センサ本体に片持ち状に支持された状態で前記連通開口を塞ぐように配置され、前記キャビティと前記センサ本体の外部との圧力差に応じて撓み変形するカンチレバーと、
前記カンチレバーの撓み変形に応じた変位を検出する変位検出部と、
前記圧力差を低下または前記撓み変形を抑制させるように前記キャビティの圧力を制御する圧力制御手段と、
を備える、
ことを特徴とする圧力センサ。 - 前記圧力制御手段は、
前記センサ本体の少なくとも一部を成し、変形によって前記キャビティの容積を変更することによって前記キャビティの圧力を変更可能なアクチュエータを備え、
前記アクチュエータの変形を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。 - 前記圧力制御手段は、
前記センサ本体の少なくとも一部を成し、変形または変位によって前記キャビティの容積を変更することによって前記キャビティの圧力を変更可能な可変部材と、
駆動力の発生または変形によって前記可変部材を変形または変位させるアクチュエータと、を備え、
前記アクチュエータの駆動力の発生または変形を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。 - 前記圧力制御手段は、
放熱または吸熱によって前記キャビティの温度を変更することによって前記キャビティの圧力を変更可能な温度変更部を備え、
前記温度変更部の放熱または吸熱を制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載の圧力センサ。 - 前記圧力制御手段は、前記圧力差または前記撓み変形が所定上限値よりも大きい場合に、前記キャビティの圧力に対する制御状態を初期状態にリセットする、
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1つに記載の圧力センサ。
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