JP2014173463A - 内燃機関の動弁機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロッカアームとロッカシャフトとの間での偏摩耗を低減可能な内燃機関の動弁装置を提供することを目的とする。
【解決手段】動弁装置1は、筒状に形成されたアウタシャフト11と、このアウタシャフト11の内部に挿通されてアウタシャフト11を軸心周りに回転可能に支持するインナシャフト12とを備えるロッカシャフト10と、一のアウタシャフト11に対してその軸心周りに回転可能に取り付けられた一対のロッカアーム20と、ロッカシャフト10を支点としてロッカアーム20を揺動させるカム30と、ロッカアーム20の揺動に従動して開閉作動されるバルブ40とを備える。ロッカアーム20の揺動に連れてアウタシャフト11が共回りするため、その度にインナシャフト12とアウタシャフト11、およびアウタシャフト11とロッカアーム20とが、いつも同じ場所同士で摺接することを回避でき、偏摩耗を回避できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の動弁機構に関する。
内燃機関の動弁装置においては、ロッカアームのシャフト嵌合孔にロッカシャフトを貫通させて支持し、カムの回転に伴って、ロッカシャフトを中心にロッカアームを揺動させることで、バルブの往復駆動を行っているものがある(例えば特許文献1参照)。
特開平4−1405号公報
上記のような動弁機構では、ロッカアームに対して、バルブからの反力、およびカムからの押圧力が経常的に加えられることとなる。すなわち、ロッカアームに対して特定の方向からの力が経常的に加えられることとなる。このため、ロッカアームのシャフト嵌合孔とロッカシャフトとが常に特定の箇所同士で強く接触することとなり、偏摩耗が生じるという問題がある。
この問題を解決する方法として、例えば耐摩耗性の大きな材料により形成されたブッシュをシャフト嵌合孔に圧入する方法等がある。しかし、動弁系レイアウトや使用条件等によっては、ブッシュを使用しても摩耗が大きい場合がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ロッカアームとロッカシャフトとの間での偏摩耗を低減可能な内燃機関の動弁装置を提供することを目的とする。
本発明は、筒状に形成されたアウタシャフトと、前記アウタシャフトの内部に挿通されて前記アウタシャフトを軸心周りに回転可能に支持するインナシャフトとを備えるロッカシャフトと、一の前記アウタシャフトに対してその軸心周りに回転可能に取り付けられた一対のロッカアームと、前記ロッカシャフトを支点として前記ロッカアームを揺動させる揺動機構と、前記ロッカアームの揺動に従動して開閉作動されるバルブとを備える内燃機関の動弁装置である。
このような構成によれば、ロッカアームの揺動に連れてアウタシャフトが共回りするため、インナシャフトとアウタシャフト、およびアウタシャフトとロッカアームとが、いつも同じ場所同士で摺接することを回避でき、偏摩耗を回避できる。
ここで、内燃機関には通常、吸気側と排気側のロッカアームが対となって設けられる。しかし、ロッカアームとインナシャフトとの間に個別にアウタシャフトを介装すると、一対のロッカアームの相対的な位置決めのために、一対のアウタシャフト間の相対的な位置決めも行わなくてはならなくなり、構造が複雑化することが懸念される。しかし、上記の構成では、一対のロッカアームに対して共通のアウタシャフトを用いることとしているから、一対のロッカアームの位置決めのための構造が複雑化することがなく、好ましい。
上記の内燃機関の動弁装置は、前記揺動機構から加わる力と前記バルブからの反力とが前記ロッカアームに対して同方向から作用するものであってもよい。
ここで、揺動機構から加わる力とバルブからの反力とがロッカアームに対して同方向から作用する場合には、ロッカアームに対して揺動機構から加わる力とバルブからの反力とを合計した力が一方向からかかることとなり、偏摩耗がいっそう大きくなることが懸念される。そこで、このような構成を有する動弁装置に、上記のような構成を採用することが効果的である。
また、上記の内燃機関の動弁装置は、前記ロッカアームが、前記ロッカアームまたは前記アウタシャフトを形成する材料よりも耐摩耗性の大きな材料で形成されたブッシュを介して前記アウタシャフトに取り付けられたものであってもよい。このような構成によれば、摩耗をいっそう低減することができる。
また、前記一対のロッカアームが、排気バルブを開閉作動する一のロッカアームと、前記排気バルブと同一のシリンダに設けられた吸気バルブを開閉する他のロッカアームであることが好ましい。
本発明によれば、ロッカアームとロッカシャフトとの間での偏摩耗を低減できる。
実施形態の動弁装置をロッカシャフトの軸方向から見た断面図 ロッカアーム及びロッカシャフトをロッカシャフトの軸線方向に沿って切断した断面図 バルブリフト開始時の動弁装置をロッカシャフトの軸方向から見た断面図 最大リフト時の動弁装置をロッカシャフトの軸方向から見た断面図 バルブリフト終了時の動弁装置をロッカシャフトの軸方向から見た断面図 動弁装置のバルブリフトカーブを示す図 変形例のロッカアームをロッカシャフトの軸方向から見た断面図
本発明の実施形態を、図1〜図6を参照しつつ説明する。本実施形態の内燃機関の動弁装置1(以下、「動弁装置1」と略記する)は、車両のエンジン2(内燃機関の一種)に設けられ、燃焼室に燃料混合気を供給するためのバルブ40の開閉を行うものである。
1.動弁装置1の構成
動弁装置1は、カム30とカムシャフト33、およびロッカシャフト10とロッカアーム20を備えている。
エンジン2のシリンダヘッド3(シリンダの一部)には、円筒状に形成されたアウタシャフト11と、このアウタシャフト11の内部に挿通される円筒状のインナシャフト12とを備えるロッカシャフト10が、軸線を水平に向けた姿勢で取り付けられている。インナシャフト12はアウタシャフト11の内部に挿通され、シャフト取付部材13によりシリンダヘッド3に固定されている。アウタシャフト11は、インナシャフト12の外径よりも僅かに大きな内径を有しており、インナシャフト12に対して周方向への変位を許容した状態で取り付けられている。
このロッカシャフト10には、吸気側ロッカアーム20Aおよび排気側ロッカアーム20Bが支持されている。なお、吸気側ロッカアーム20Aおよび排気側ロッカアーム20Bの構成は同一であるから、以下の説明において重複する場合は、吸気側ロッカアーム20Aを代表として説明するものとし、単に「ロッカアーム20」という。
ロッカアーム20は、ロッカシャフト10の軸線方向と交差方向に延びる細長いアーム本体21を備えている。このアーム本体21における長さ方向の中央位置には、シャフト嵌合孔22が貫通形成されている。そして、このシャフト嵌合孔22にアウタシャフト11が挿通され、アウタシャフト11の内部にインナシャフト12が挿通されることにより、ロッカアーム20がロッカシャフト10に軸支される。ロッカアーム20におけるシャフト嵌合孔22の内径は、アウタシャフト11の外径よりも僅かに大きくされており、ロッカアーム20がアウタシャフト11に対して周方向への変位を許容した状態で取り付けられるようになっている。これにより、ロッカアーム20が、ロッカシャフト10を中心として、その長さ方向の一方の端部と他方の端部とが交互に上下動するように揺動し得るようにされている。
1個のアウタシャフト11には、互いに対となる吸気側ロッカアーム20Aおよび排気側ロッカアーム20Bとが隣接して取り付けられており、これにより、一対の吸気側ロッカアーム20Aと排気側ロッカアーム20Bとが一個のアウタシャフト11を共有するようにされている。
なお、アウタシャフト11の外周面には、圧縮コイルばね14が、一対の吸気側ロッカアーム20Aと排気側ロッカアーム20Bとに挟まれるようにして配されている。この圧縮コイルばね14によって、吸気側ロッカアーム20Aと排気側ロッカアーム20Bとの相対的な位置関係の保持が図られている。
ロッカアーム20のアーム本体21における長さ方向の一方の端部(カム側端部23)には、プッシュロッド34の上端部が連結されており、このプッシュロッド34の下端部には、カム30(揺動機構に該当)が当接されるようになっている。カム30は、略卵型をなしており、円形状をなすカムベース部31と、このカムベース部31から外方へ突出するカムノーズ部32とを備えている。このカム30は、ロッカシャフト10と平行に配されたカムシャフト33に固定されている。カムシャフト33とカム30とは、エンジン2に設けられたクランクシャフト(図示せず)からの出力により一体的に回転するようにされている。
一方、アーム本体21における他方の端部(バルブ側端部24)の下方には、バルブブリッジ46が配されており、このバルブブリッジ46を介して2つのバルブ40(1組の吸気バルブ40Aまたは1組の排気バルブ40B)が接続されている。バルブブリッジ46によって、エンジン2の燃焼のタイミングに合わせて2つのバルブ40を同期的に開閉させることができるようにされている。なお、吸気バルブ40Aおよび排気バルブ40Bの構成は同一であるから、以下の説明において重複する場合は、吸気バルブ40Aを代表として説明するものとし、単に「バルブ40」という。
バルブ40は、円板状の弁部材41と、この弁部材41の上面から上方に延びる丸棒状のバルブステム42とを備えている。弁部材41は、シリンダヘッド3に設けられてシリンダの内部空間と連通する吸気通路4および排気通路5にそれぞれ配され、シリンダと吸気通路4および排気通路5を連通する吸気ポート6および排気ポート7を開閉可能とされている。
シリンダヘッド3の内部には、バルブステム42を貫通させる貫通孔8が設けられている。この貫通孔8には、筒状のバルブガイド9が組み込まれている。バルブステム42は、バルブガイド9に対して摺動可能に保持されている。
バルブステム42の上端部は、バルブガイド9を貫通してシリンダヘッド3の上方へ突出しており、バルブブリッジ46に下側から当接している。バルブステム42の上端よりもやや下方には、円板状のばね押さえ43が固着されている。一方、シリンダヘッド3の上面において貫通孔8の開口縁部は、ばね受け部44とされており、ばね押さえ43とばね受け部44との間には、バルブスプリング45が圧縮状態で組み込まれている。このバルブスプリング45のばね力によって、バルブ40は、常には上方向に、すなわち弁部材41が吸気ポート6を閉塞するように付勢されている。
なお、一個のアウタシャフト11を共有する一対の吸気側ロッカアーム20Aと排気側ロッカアーム20Bとは、同一のシリンダに設けられた吸気バルブ40Aと排気バルブ40Bとを開閉作動させるものである。
2.動弁装置1の動作
上記のように構成された動弁装置1においては、カム30及びカムシャフト33の回転により、プッシュロッド34が上下方向に往復運動し、この往復運動によって、ロッカアーム20が、ロッカシャフト10を支点としてシーソー状に揺動する。この揺動によってバルブブリッジ46が上下に往復動し、この往復動によって、2つのバルブ40が、バルブスプリング45の付勢に抗して開弁方向(下方向)に変位する動作と、バルブスプリング45の付勢にしたがって閉弁方向(上方向)に変位する動作とを交互に繰り返す。具体的には、以下、(I)〜(IV)の動作を繰り返す。
(I)ベース状態(図1参照)
ベース状態は、カム30のカムベース部31がプッシュロッド34に当接している状態である。このとき、バルブ40はバルブスプリング45の付勢力により上方向に付勢され、閉状態(弁部材41が吸気ポート6および排気ポート7を塞いだ状態)とされている。このとき、バルブブリッジ46とロッカアーム20のバルブ側端部24との間には、僅かなクリアランスが存在する。この状態では、カム30がプッシュロッド34を介してロッカアーム20のカム側端部23を下側から押し上げる力、および、バルブ40がバルブブリッジ46を介してロッカアーム20のバルブ側端部24を下側から押圧する力は、基本的に0である。
(II)バルブリフト開始状態(図3参照)
バルブリフト開始時には、カム30の回転により、カムノーズ部32がプッシュロッド34に当接し始め、ロッカアーム20に対するプッシュロッド34を介したカム30の押し上げ力が加わり始める。これにより、ロッカアーム20が、カム側端部23が上方に、バルブ側端部24が下方に変位するように傾き始め、バルブ側端部24がバルブブリッジ46を介してバルブ40を押し下げ始める。これにより、バルブ40がバルブスプリング45の付勢に抗して下方向(開弁方向)に変位し始める。
この状態では、ロッカアーム20のカム側端部23に対し、プッシュロッド34を介してカム30からの上向きの力が加えられる状態となる。また、ロッカアーム20のバルブ側端部24に対してバルブ40からの上向きの反力が加えられる状態となる。このように、ロッカアーム20に対して、下から突き上げるような力が大きく作用することとなる。
(III)最大リフト状態(図4参照)
最大リフト時には、カム30の回転により、カムノーズ部32の頂点がプッシュロッド34に当接する。このとき、カム30によるプッシュロッド34を介したカム側端部23のリフト量が最大となる。これに伴い、バルブ側端部24によるバルブブリッジ46を介したバルブ40の押し下げ量も最大となり、バルブ40が完全に開弁する。
この状態では、ロッカアーム20のカム側端部23に対するプッシュロッド34を介したカム30からの上向きの力は、(II)に比べて強い。また、ロッカアーム20のバルブ側端部24に対するバルブ40からの上向きの力も、(II)に比べて強い。このように、ロッカアーム20に対して、下から突き上げるような力が、さらに大きく作用することとなる。
(IV)バルブリフト終了(図5参照)
バルブリフト終了時には、カム30のカムノーズ部32がプッシュロッド34を通過し、カムベース部31がプッシュロッド34に当接し始める。すると、ロッカアーム20へのプッシュロッド34を介したカムノーズ部32による押し上げが解除され、ロッカアーム20はベース状態と同じ傾き位置に戻る。これに伴い、バルブ40がバルブスプリング45の付勢により上方向(閉弁方向)に変位する。
この状態では、ロッカアーム20に対して下から突き上げるような力は、(II)と同程度である。
3.アウタシャフトの共回りによる偏摩耗低減効果
さて、上記したように、動弁装置1においては、バルブリフト開始〜バルブリフト終了までの間に、ロッカアーム20に対して下から突き上げるような力が比較的大きく作用する。したがって、ロッカシャフト10の外周面における下側部分に対し、シャフト嵌合孔22の内周面においてこの下側部分と対向する部分が強く押し当てられた状態で、ロッカアーム20が揺動することとなる。このため、この部分での摩耗が大きくなるという問題があった。
しかし、本実施形態では、ロッカシャフト10にアウタシャフト11とインナシャフト12とを設け、一対の吸気側ロッカアーム20Aと排気側ロッカアーム20Bとが一個のアウタシャフト11を共有するようにされている。このため、アウタシャフト11には、特定のバルブリフトタイミングにおいて、ロッカアーム20の揺動に連れて共回りする力が働くこととなる。
(1)吸気側および排気側が共にベース状態にあるとき(図6のt
ベース状態では、ロッカアーム20が回動しないため、アウタシャフト11の共回りは起こらない。
(2)排気側がバルブリフト開始状態、吸気側がベース状態にあるとき(図6のt
排気側バルブリフト開始状態(上記(II)の状態)、吸気側がベース状態(上記(I)の状態)にあるときには、吸気側においては、吸気側ロッカアーム20のカム側端部23に対する上向きの力、および、バルブ側端部24に対する上向きの力は、基本的に0である。このため、吸気側においては、インナシャフト12とアウタシャフト11の間に働く摩擦力は比較的弱い。
一方、排気側においては、排気側ロッカアーム20Bがカム30からの力を受けてロッカシャフト10を軸として回動する。このとき、瞬間的にカム30から大きな荷重がロッカアーム20に対して入力されることとなるため、アウタシャフト11が排気側ロッカアーム20Bの回動方向と同一方向に共回りする。
(3)排気側が最大リフト状態、吸気側がベース状態にあるとき(図6のt
排気側が最大リフト状態(上記(III)の状態)、吸気側がベース状態(上記(I)の状態)にあるときには、吸気側においては、上記(2)同様に、インナシャフト12とアウタシャフト11の間に働く摩擦力は比較的弱い。
一方、排気側においては、排気側ロッカアーム20Bがカム30からの力を受けてロッカシャフト10を軸として回転する。しかし、排気側ロッカアーム20Bに対して、下から突き上げるような力が大きく作用しているため、排気側ロッカアーム20Bがアウタシャフト11を共回りさせようとする力より、アウタシャフト11とインナシャフト12との間に働く摩擦力の方が大きくなる。したがって、ロッカアーム20は、シャフト嵌合孔22の内周面がアウタシャフト11の外周面をすべるようにして揺動し、アウタシャフト11は回転しない。
(4)排気側がバルブリフト終了状態、吸気側がバルブリフト開始状態にあるとき(図6のt
排気側がバルブリフト終了状態(上記(IV)の状態)、吸気側がバルブリフト開始状態(上記(II)の状態)にあるときには、吸気側においては、上記(2)の排気側と同様に、アウタシャフト11に対して、ロッカアーム20の回動方向と同一方向に共回りしようとする力が働く。
しかし、排気側ロッカアーム20Bには、依然として下から突き上げるような力が比較的大きく作用している。このため、吸気側ロッカアーム20Aがアウタシャフト11を回そうとする力より、排気側ロッカアーム20Bにおいてアウタシャフト11とインナシャフト12との間に働く摩擦力の方が大きくなる。よって、アウタシャフト11は回転しない。
(5)排気側がベース状態、吸気側が最大リフト状態にあるとき(図6のt
排気側がベース状態(上記(I)の状態)、吸気側が最大リフト開始状態(上記(III)の状態)にあるときには、排気側においては、インナシャフト12とアウタシャフト11の間に働く摩擦力は比較的弱い。
一方、吸気側においては、上記(3)の排気側と同様、吸気側ロッカアーム20Aがアウタシャフト11を共回りさせようとする力より、アウタシャフト11とインナシャフト12との間に働く摩擦力の方が大きくなる。したがって、アウタシャフト11は回転しない。
(6)排気側がベース状態、吸気側がバルブリフト終了状態にあるとき(図6のt
排気側がベース状態(上記(I)の状態)、吸気側がリフト終了状態(上記(IV)の状態)にあるときには、排気側においては、インナシャフト12とアウタシャフト11の間に働く摩擦力は比較的弱い。
一方、吸気側においては、吸気側ロッカアーム20Aには、依然として下から突き上げるような力が比較的大きく作用している。このため、吸気側ロッカアーム20Aがアウタシャフト11を回そうとする力より、アウタシャフト11とインナシャフト12との間に働く摩擦力の方が大きくなる。よって、アウタシャフト11は回転しない。
以上のように、上記(2)の状態(排気側がバルブリフト開始状態、吸気側がベース状態)にあるとき、ロッカアーム20の揺動に連れてアウタシャフト11が共回りする。このため、インナシャフト12の外周面とアウタシャフト11の内周面との間、およびアウタシャフト11の外周面とシャフト嵌合孔22の内周面との間で、互いに接触する位置が周期的に変わる。これにより、インナシャフト12とアウタシャフト11、およびアウタシャフト11とロッカアーム20とが、いつも同じ場所同士で摺接することを回避でき、偏摩耗を回避できる。
4.まとめ
以上のように本実施形態の動弁装置1は、筒状に形成されたアウタシャフト11と、このアウタシャフト11の内部に挿通されてアウタシャフト11を軸心周りに回転可能に支持するインナシャフト12とを備えるロッカシャフト10と、一のアウタシャフト11に対してその軸心周りに回転可能に取り付けられた一対のロッカアーム20と、ロッカシャフト10を支点としてロッカアーム20を揺動させるカム30と、ロッカアーム20の揺動に従動して開閉作動されるバルブ40とを備える。
このような構成によれば、ロッカアーム20の揺動に連れてアウタシャフト11が共回りするため、インナシャフト12とアウタシャフト11、およびアウタシャフト11とロッカアーム20とが、いつも同じ場所同士で摺接することを回避でき、偏摩耗を回避できる。
また、対となる吸気側ロッカアーム20Aおよび排気側ロッカアーム20Bに対して共通のアウタシャフト11を用いることとしているから、吸気側ロッカアーム20A、排気側ロッカアーム20Bに対して別個のアウタシャフト設ける場合と比較して、吸気側ロッカアーム20Aと排気側ロッカアーム20Bとの相対的な位置決めのための機構が複雑化することがなく、好ましい。
また、本実施形態の動弁装置1は、カム30から加わる力とバルブ40からの反力とがロッカアーム20に対して同方向から作用するものである。
このような場合には、ロッカアーム20に対してカムから加わる力とバルブ40からの反力とを合計した力が一方向からかかることとなり、偏摩耗がいっそう大きくなることが懸念される。そこで、このような構成を有する動弁装置1に、上記のような構成を採用することが効果的である。
<変形例>
図7には、変形例のロッカアーム20がロッカシャフト10により軸支されている様子を示した。本変形例においては、ロッカアーム20におけるシャフト嵌合孔22の内側に、ロッカアーム20またはアウタシャフト11を形成する材料よりも耐摩耗性の大きな材料によりリング状に形成されたブッシュ51が圧入されている。このような構成によれば、摩耗をいっそう低減することができる。なお、本変形例において、ブッシュ51以外の構成は、上記実施形態と同様であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、動弁装置1は、カム30から加わる力とバルブ40からの反力とがロッカアーム20に対して同方向から作用するものであったが、カム30から加わる力とバルブ40からの反力とがロッカアーム20に対して異なる方向から作用する動弁装置にも、本発明を適用できる。
(2)上記実施形態では、ロッカアーム20は、支点が中心にあり、その両側にカム30からの力を受ける力点とバルブ40を押圧する作用点とがある、いわゆるシーソー式のものであったが、ロッカアーム20が一方の端において軸支され、揺動機構からの力を受ける力点が中間に、バルブを押圧する作用点がもう一方の端にあるいわゆるスイングアーム式のロッカアームを有する動弁装置にも、本発明を適用できる。
(3)上記実施形態では、カム30がプッシュロッド34を介してロッカアーム20に作用していたが、プッシュロッドを介さず、カムが直接にロッカアームに当接していても構わない。
(4)上記実施形態では、1つのロッカアーム20がバルブブリッジ46を介して複数のバルブ40を同期的に開閉させるようにされていたが、バルブブリッジを備えず、1つのバルブを1つのロッカアームで開閉するようにされていても構わない。
1…内燃機関の動弁装置
10…ロッカシャフト
11…インナシャフト
12…アウタシャフト
20…ロッカアーム
30…カム(揺動機構)
40…バルブ
51…ブッシュ

Claims (4)

  1. 筒状に形成されたアウタシャフトと、前記アウタシャフトの内部に挿通されて前記アウタシャフトを軸心周りに回転可能に支持するインナシャフトとを備えるロッカシャフトと、
    一の前記アウタシャフトに対してその軸心周りに回転可能に取り付けられた一対のロッカアームと、
    前記ロッカシャフトを支点として前記ロッカアームを揺動させる揺動機構と、
    前記ロッカアームの揺動に従動して開閉作動されるバルブとを備える内燃機関の動弁装置。
  2. 前記揺動機構から加わる力と前記バルブからの反力とが前記ロッカアームに対して同方向から作用するものである、請求項1に記載の内燃機関の動弁装置。
  3. 前記ロッカアームが、前記ロッカアームまたは前記アウタシャフトを形成する材料よりも耐摩耗性の大きな材料で形成されたブッシュを介して前記アウタシャフトに取り付けられたものである、請求項1または請求項2に記載の内燃機関の動弁装置。
  4. 前記一対のロッカアームが、排気バルブを開閉作動する一のロッカアームと、前記排気バルブと同一のシリンダに設けられた吸気バルブを開閉する他のロッカアームである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置。
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