JP2014172986A - インクセット、記録物の製造方法および記録物 - Google Patents

インクセット、記録物の製造方法および記録物 Download PDF

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JP2014172986A JP2013046265A JP2013046265A JP2014172986A JP 2014172986 A JP2014172986 A JP 2014172986A JP 2013046265 A JP2013046265 A JP 2013046265A JP 2013046265 A JP2013046265 A JP 2013046265A JP 2014172986 A JP2014172986 A JP 2014172986A
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acrylate
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Masaya Shibatani
正也 柴谷
Naoyuki Toyoda
直之 豊田
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Seiko Epson Corp
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Abstract

【課題】グラデーションのある金属調の印刷部を備えた記録物の製造に好適に用いること
のできるインクセットを提供すること、グラデーションのある金属調の印刷部を備えた記
録物を提供すること、また、グラデーションのある金属調の印刷部を備えた記録物を生産
性良く製造することのできる記録物の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明のインクセットは、紫外線硬化性を有する重合性化合物を含み、イン
クジェット方式により吐出されるインクを複数種備えたインクセットであって、所定の濃
度で金属粉末を含有する第1のインクと、金属粉末を、前記第1のインクよりも少ない含
有率で含む第2のインクとを備えることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット、記録物の製造方法および記録物に関するものである。
従来から、光沢感のある外観を呈する装飾品の製造方法として、金属めっきや、金属箔
を用いた箔押し印刷、金属箔を用いた熱転写等が用いられてきた。
しかし、これらの方法では、微細なパターンを形成することや、曲面部への適用が困難
であるといった問題があった。また、箔押し印刷では、オンデマンド性が低く、多品種生
産への対応が困難である、グラデーション(階調)のある金属調の印刷ができないという
問題があった(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−100508号公報
本発明の目的は、グラデーションのある金属調の印刷部を備えた記録物の製造に好適に
用いることのできるインクセットを提供すること、グラデーションのある金属調の印刷部
を備えた記録物を提供すること、また、グラデーションのある金属調の印刷部を備えた記
録物を生産性良く製造することのできる記録物の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のインクセットは、紫外線硬化性を有する重合性化合物を含み、インクジェット
方式により吐出されるインクを複数種備えたインクセットであって、
所定の濃度で金属粉末を含有する第1のインクと、
金属粉末を、前記第1のインクよりも少ない含有率で含む第2のインクとを備えること
を特徴とする。
これにより、グラデーションのある金属調の印刷部を備えた記録物の製造に好適に用い
ることのできるインクセットを提供することができる。また、インクセットを用いて形成
される印刷部の記録媒体に対する密着性を優れたものとすることができ、製造される記録
物の耐久性を優れたものとすることができる。
本発明のインクセットでは、前記第1のインク中に含まれる前記金属粉末の含有率をX
[質量%]、前記第2のインク中に含まれる前記金属粉末の含有率をX[質量%]と
したとき、0.1≦X/X≦0.5の関係を満足することが好ましい。
これにより、インクセットを用いて製造される記録物において、より高い階調の表現が
可能となる。
本発明のインクセットでは、前記第1のインクおよび/または前記第2のインクは、前
記金属粉末として、表面処理剤としてのフッ素系シラン化合物および/またはフッ素系リ
ン酸エステルで表面処理されたものを含むものであることが好ましい。
これにより、インク中における金属粉末の分散安定性、インクの長期間にわたる吐出安
定性を特に優れたものとすることができる。また、インクセットを用いて製造される記録
物の光沢感を特に優れたものとすることができる。
本発明のインクセットでは、前記金属粉末は、少なくとも表面が主としてAlで構成さ
れた粉末が、フッ素系シラン化合物および/またはフッ素系リン酸エステルで表面処理さ
れたものであることが好ましい。
Alは、本来、各種金属材料の中でも特に優れた光沢感を呈するものであるが、インク
ジェット方式により吐出されるインクに、Alで構成された粉末を適用しようとした場合
に、インクの保存安定性は特に低いものとなり、ゲル化による粘度上昇による吐出安定性
の低下等の問題が特に顕著に発生することを本発明者は見出していた。これに対し、金属
粉末として、フッ素系シラン化合物および/またはフッ素系リン酸エステルで表面処理し
たものを用いることにより、母粒子の表面がAlで構成されたものであっても、上記のよ
うな問題の発生を確実に防止することができる。すなわち、インクを構成する金属粉末が
、少なくとも表面が主としてAlで構成された粉末がフッ素系シラン化合物および/また
はフッ素系リン酸エステルで表面処理されたものであることにより、上述したような、フ
ッ素系シラン化合物および/またはフッ素系リン酸エステルで母粒子を表面処理すること
による効果は特に顕著に発揮される。
本発明のインクセットでは、前記金属粉末は、下記式(1)で表される化学構造を有す
る前記フッ素系シラン化合物で表面処理されたものを含むものであることが好ましい。
SiX (3−a) (1)
(式(1)中、Rは、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された炭化水素基
を表し、Xは、加水分解基、エーテル基、クロロ基または水酸基を表し、Rは、炭素
数1以上4以下のアルキル基を表し、aは、1以上3以下の整数である。)
これにより、インクの保存安定性を特に優れたものとし、インクセットを用いて製造さ
れる記録物の印刷部の光沢感、耐擦性を特に優れたものとすることができる。
本発明のインクセットでは、前記金属粉末は、下記式(2)で表される化学構造を有す
る前記フッ素系リン酸エステルで表面処理されたものを含むものであることが好ましい。
POR(OH)3−n (2)
(式(2)中、Rは、CF(CF−、CF(CF(CH−、CF
(CF(CHO)−、CF(CF(CHCHO)−、CF
(CFO−、または、CF(CF(CHO−であり、nは1以上3
以下の整数であり、mは5以上17以下の整数であり、lは1以上12以下の整数である
。)
これにより、インクの保存安定性を特に優れたものとし、インクセットを用いて製造さ
れる記録物の印刷部の光沢感、耐擦性を特に優れたものとすることができる。
本発明のインクセットでは、前記金属粉末は、CF(CF(CHO(P
)(OH)および/またはCF(CF(CHO(P)(OH)(OCH
CH)で表される前記フッ素系リン酸エステルで表面処理されたものを含むものであ
ることが好ましい。
これにより、金属粉末に欠陥の少ない表面処理をより好適に施すことができ、インク中
における金属粉末の化学的安定性および分散安定性を特に優れたものとし、インクの保存
安定性、長期間にわたる吐出安定性を特に優れたものとすることができるとともに、記録
物の製造において、当該金属粉末を含むインクを用いて形成される印刷部の外表面付近に
金属粉末をより好適に配列させることができ、金属粉末を構成する金属材料が本来有して
いる光沢感等の特性をより効果的に発揮させることができる。また、インクの構成材料と
して表面張力の低い重合性化合物を用いた場合であっても、記録物の製造において、当該
金属粉末を含むインクを用いて形成される印刷部の外表面付近に金属粉末を好適に配列さ
せることができ、金属粉末を構成する金属材料が本来有している光沢感等の特性を十分に
発揮させることができる。
本発明のインクセットでは、前記第1のインクおよび前記第2のインクに加え、着色剤
を含む着色インクを備えていることが好ましい。
これにより、金属色に加え、他の様々な色調の表現が可能となるとともに、異なる複数
の金属色をより好適に表現することができる。その結果、インクセットを用いて製造され
る記録物の審美性・高級感を特に優れたものとすることができる。
本発明のインクセットでは、前記第1のインクおよび前記第2のインクに加え、金属粉
末、着色剤を含まず、紫外線硬化性を有する重合性化合物を含有するクリアインクを備え
ていることが好ましい。
これにより、インクセットを用いて製造される記録物において、印刷部の光沢感を特に
優れたものとすることができたり、記録物の耐擦性、耐久性を特に優れたものとすること
ができる。
本発明の記録物の製造方法は、紫外線硬化性を有する重合性化合物と金属粉末とを含む
第1のインクおよび第2のインクを、インクジェット法により吐出し、これらを紫外線照
射により硬化させる方法であり、
前記第2のインク中における金属粉末の含有率は、前記第1のインク中における金属粉
末の含有率よりも大きいものであることを特徴とする。
これにより、グラデーションのある金属調の印刷部を備えた記録物を生産性良く製造す
ることのできる記録物の製造方法を提供することができる。また、印刷部の記録媒体に対
する密着性を優れたものとすることができ、記録物の耐久性を優れたものとすることがで
きる。
本発明の記録物の製造方法では、インクジェット法により前記第1のインクを前記記録
媒体上に付与し、紫外線の照射により前記第1のインクを硬化させた後に、前記第2のイ
ンクをインクジェット法により付与し、紫外線の照射により前記第2のインクを硬化させ
ることが好ましい。
これにより、ラメ調の外観(キラキラした外観)と、鏡面のような外観(ピカピカした
外観)との作り分けを、より好適に行うことができる。
本発明の記録物の製造方法では、前記第1のインクの付与に先立ち、前記記録媒体上に
、金属粉末を含まないクリアインクを付与する工程を有することが好ましい。
これにより、記録媒体が表面の凹凸の大きいもの(例えば、表面粗さRaが3μm以上
のもの)であっても、後の工程で、金属粉末を含むインク(第1のインク、第2のインク
)を、当該クリアインクが付与された部位に重なるように付与することにより、金属粉末
を含むインク(第1のインク、第2のインク)を用いて形成される印刷部の表面の平滑性
を優れたものとすることができ、記録物の光沢感・高級感を特に優れたものとすることが
できる。
本発明の記録物の製造方法では、インクジェット法により前記第2のインクを前記記録
媒体上に付与し、紫外線の照射により前記第2のインクを硬化させた後に、前記第1のイ
ンクをインクジェット法により付与し、紫外線の照射により前記第1のインクを硬化させ
ることが好ましい。
これにより、記録媒体の表面の凹凸が比較的大きい場合であっても、ラメ調の外観(キ
ラキラした外観)と、鏡面のような外観(ピカピカした外観)との作り分けを好適に行う
ことができる。
本発明の記録物の製造方法では、前記第2のインクの付与に先立ち、前記記録媒体上に
、金属粉末を含まないクリアインクを付与する工程を有することが好ましい。
これにより、記録媒体が表面の凹凸の大きいもの(例えば、表面粗さRaが3μm以上
のもの)であっても、後の工程で、金属粉末を含むインク(第1のインク、第2のインク
)を、当該クリアインクが付与された部位に重なるように付与することにより、金属粉末
を含むインク(第1のインク、第2のインク)を用いて形成される印刷部の表面の平滑性
を優れたものとすることができ、記録物の光沢感・高級感を特に優れたものとすることが
できる。
本発明の記録物は、本発明のインクセットを用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、グラデーションのある金属調の印刷部を備えた記録物を提供することがで
きる。また、印刷部の記録媒体に対する密着性を優れたものとすることができ、記録物の
耐久性を優れたものとすることができる。
本発明の記録物の製造方法の第1実施形態を説明するための断面図である。 記録物の製造に用いる液滴吐出装置を示す斜視図である。 図2に示す液滴吐出装置における液滴吐出手段をステージ側から観察した図である。 図2に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドの底面を示す図である。 図2に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドを示す図であり、(a)は断面斜視図、(b)は断面図である。 本発明の記録物の製造方法の第2実施形態を説明するための断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
《インクセット》
まず、本発明のインクセットについて説明する。
ところで、従来から、光沢感のある外観を呈する装飾品の製造方法として、金属めっき
や、金属箔を用いた箔押し印刷、金属箔を用いた熱転写等が用いられてきた。
しかし、これらの方法では、微細なパターンを形成することや、曲面部への適用が困難
であるといった問題があった。また、箔押し印刷では、グラデーションのある金属調の印
刷ができないという問題があった。
そこで、発明者は、上記のような問題を解決する目的で鋭意研究を行った結果、本発明
に至った。すなわち、本発明のインクセットは、紫外線硬化性を有する重合性化合物を含
み、インクジェット方式により吐出されるインクを複数種備えたものであり、所定の濃度
で金属粉末を含有する第1のインクと、金属粉末を、前記第1のインクよりも少ない含有
率で含む第2のインクとを備えるものである。これにより、グラデーションのある金属調
の印刷部を備えた記録物の製造に好適に用いることのできるインクセットを提供すること
ができる。また、インクセットを用いて形成される印刷部の記録媒体に対する密着性を優
れたものとすることができ、製造される記録物の耐久性を優れたものとすることができる
[第1のインク]
まず、本発明のインクセットを構成する第1のインクについて説明する。
第1のインクは、紫外線硬化性を有する重合性化合物と金属粉末とを含有するものであ
る。
<金属粉末>
第1のインクは、金属粉末を含むものである。
金属粉末は、全体が金属材料で構成されたものであってもよいし、非金属材料で構成さ
れた基部上に金属材料で構成された金属層が設けられたものであってもよい。
また、金属粉末は、少なくとも、表面を含む領域が金属材料で構成された母粒子が、表
面処理剤で表面処理されたものであってもよい。これにより、インク中における金属粉末
の分散安定性の向上、インクの吐出安定性等を図ることができる。
特に、金属粉末は、母粒子が、表面処理剤としてのフッ素系シラン化合物および/また
はフッ素系リン酸エステルで表面処理されたものであるのが好ましい。これにより、イン
ク中における金属粉末の分散安定性、インクの長期間にわたる吐出安定性を特に優れたも
のとすることができる。また、記録物の製造において、当該金属粉末を含むインクを用い
て形成される印刷部の外表面付近に金属粉末をより好適に配列させることができ、金属粉
末を構成する金属材料が本来有している光沢感等の特性をより効果的に発揮させることが
でき、インクセットを用いて製造される記録物の光沢感を特に優れたものとすることがで
きる。
以下、金属粉末が、表面処理剤としてのフッ素系シラン化合物および/またはフッ素系
リン酸エステルで表面処理されたものである場合について中心的に説明する。
(母粒子)
まず、金属粒子を構成する母粒子(表面処理剤による表面処理を受ける粒子)について
説明する。
母粒子を構成する金属材料としては、単体としての金属や各種合金等を用いることがで
きるが、母粒子は、少なくとも表面付近が主としてAlで構成されたものであるのが好ま
しい。Alは、本来、各種金属材料の中でも特に優れた光沢感を呈するものであるが、イ
ンクジェット方式により吐出されるインクに、Alで構成された粉末を適用しようとした
場合に、インクの保存安定性は特に低いものとなり、ゲル化による粘度上昇による吐出安
定性の低下等の問題が特に顕著に発生することを本発明者は見出していた。これに対し、
金属粉末として、フッ素系シラン化合物および/またはフッ素系リン酸エステルで表面処
理したものを用いることにより、母粒子の表面がAlで構成されたものであっても、上記
のような問題の発生を確実に防止することができる。すなわち、インクを構成する金属粉
末が、少なくとも表面が主としてAlで構成された粉末がフッ素系シラン化合物および/
またはフッ素系リン酸エステルで表面処理されたものであることにより、上述したような
、フッ素系シラン化合物および/またはフッ素系リン酸エステルで母粒子を表面処理する
ことによる効果は特に顕著に発揮される。
また、母粒子は、いかなる方法で製造されたものであってもよいが、Alで構成された
ものである場合には、気相成膜法によりAlで構成された膜を形成し、その後、当該膜を
粉砕することにより得られたものであるのが好ましい。これにより、本発明のインクセッ
トを用いて形成されるパターン(印刷部)において、Alが本来有している光沢感等をよ
り効果的に表現させることができる。また、各粒子間での特性のばらつきを抑制すること
ができる。また、当該方法を用いることにより、比較的薄い金属粉末であっても好適に製
造することができる。
このような方法を用いて母粒子を製造する場合、例えば、基材上に、Alで構成された
膜の形成(成膜)を行うことにより、母粒子を好適に製造することができる。前記基材と
しては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルム等を用いること
ができる。また、基材は、成膜面に離型剤層を有するものであってもよい。
また、前記粉砕は、液体中において、前記膜に超音波振動を付与することにより行われ
るものであるのが好ましい。これにより、好ましい大きさの母粒子を容易かつ確実に得る
ことができるとともに、各粒子間での大きさ、形状、特性のばらつきの発生を抑制するこ
とができる。
また、上記のような方法で、粉砕を行う場合、前記液体としては、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカ
ン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペ
ンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼン等の
炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエ
チルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコー
ルn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリ
コールジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エー
テル、p−ジオキサン等のエーテル系化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチ
ロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、
N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノン、
アセトニトリル等の極性化合物を好適に用いることができる。このような液体を用いるこ
とにより、母粒子の不本意な酸化等を防止しつつ、母粒子、金属粉末の生産性を特に優れ
たものとし、また、各粒子間での大きさ、形状、特性のばらつきを特に小さいものとする
ことができる。
(表面処理剤)
上述したように、金属粉末の表面処理剤としては、フッ素系シラン化合物および/また
はフッ素系リン酸エステルが好適に用いられる。
まず、表面処理剤のうち、フッ素系シラン化合物について詳細に説明する。
フッ素系シラン化合物としては、分子内に少なくとも1個のフッ素原子を有するシラン
化合物を用いることができる。
特に、表面処理剤としてのフッ素系シラン化合物は、下記式(1)で表される化学構造
を有するものであるのが好ましい。
SiX (3−a) (1)
(式(1)中、Rは、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された炭化水素基
を表し、Xは、加水分解基、エーテル基、クロロ基または水酸基を表し、Rは、炭素
数1以上4以下のアルキル基を表し、aは、1以上3以下の整数である。)
これにより、インクの保存安定性を特に優れたものとし、インクセットを用いて製造さ
れる記録物の印刷部の光沢感、耐擦性を特に優れたものとすることができる。
式(1)中のRとしては、例えば、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換さ
れたアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、さらに、分子
構造に含まれる水素原子(フッ素原子で置換されていない水素原子)のうちの少なくとも
一部がアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基等で置換されていてもよ
く、炭素鎖中に−O−、−S−、−NH−、−N=等のヘテロ原子やベンゼン等の芳香族
環が挟まっていてもよい。Rの具体例としては、例えば、水素原子の一部または全部が
フッ素原子で置換されたフェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロキシフェニル基
、クロロフェニル基、アミノフェニル基、ナフチル基、アンスレニル基、ピレニル基、チ
エニル基、ピロリル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロペンチル基、シ
クロペンテニル基、ピリジニル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクタデシ
ル基、n−オクチル基、クロロメチル基、メトキシエチル基、ヒドロキシエチル基、アミ
ノエチル基、シアノ基、メルカプトプロピル基、ビニル基、アリル基、アクリロキシエチ
ル基、メタクリロキシエチル基、グリシドキシプロピル基、アセトキシ基等が挙げられる
式(1)で表されるフッ素系シラン化合物の具体例としては、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジエチルジエトキシシラン、1−プロペニルメチルジクロロシラン、プロピルジメチ
ルクロロシラン、プロピルメチルジクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピル
トリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン
、テトラデシルトリクロロシラン、3−チオシアネートプロピルトリエトキシシラン、p
−トリルジメチルクロロシラン、p−トリルメチルジクロロシラン、p−トリルトリクロ
ロシラン、p−トリルトリメトキシシラン、p−トリルトリエトキシシラン、ジ−n−プ
ロピルジ−n−プロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジ−n−ブ
チルジ−n−ブチロキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−sec−ブチロキシシラン、ジ
−t−ブチルジ−t−ブチロキシシラン、オクタデシルトリクロロシラン、オクタデシル
メチルジエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシ
シラン、オクタデシルジメチルクロロシラン、オクタデシルメチルジクロロシラン、オク
タデシルメトキシジクロロシラン、7−オクテニルジメチルクロロシラン、7−オクテニ
ルトリクロロシラン、7−オクテニルトリメトキシシラン、オクチルメチルジクロロシラ
ン、オクチルジメチルクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、10−ウンデセニルジ
メチルクロロシラン、ウンデシルトリクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、メチ
ルオクタデシルジメトキシシラン、メチルドデシルジエトキシシラン、メチルオクタデシ
ルジメトキシシラン、メチルオクタデシルジエトキシシラン、n−オクチルメチルジメト
キシシラン、n−オクチルメチルジエトキシシラン、トリアコンチルジメチルクロロシラ
ン、トリアコンチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルイソプロポキシシラン、メチル−n
−ブチロキシシラン、メチルトリ−sec−ブチロキシシラン、メチルトリ−t−ブチロ
キシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−
プロポキシシラン、エチルイソプロポキシシラン、エチル−n−ブチロキシシラン、エチ
ルトリ−sec−ブチロキシシラン、エチルトリ−t−ブチロキシシラン、n−プロピル
トリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン
、ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−ドデシルト
リメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシ
ラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキサデシル
トリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラ
ン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、2−〔2−(トリクロロシリル)エチル〕ピ
リジン、4−〔2−(トリクロロシリル)エチル〕ピリジン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン、1,3−(トリクロロシリルメチル)ヘプタコサン、
ジベンジルジメトキシシラン、ジベンジルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジメ
トキシシラン、フェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニル
ジメチルエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、
ベンジルメチルジメトキシシラン、ベンジルジメチルメトキシシラン、ベンジルジメトキ
シシラン、ベンジルジエトキシシラン、ベンジルメチルジエトキシシラン、ベンジルジメ
チルエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ジベンジルジメトキシシラン、ジベ
ンジルジエトキシシラン、3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン
、4−アミノブチルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリ
メトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、6−(アミノ
ヘキシルアミノプロピル)トリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン
、p−アミノフェニルエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、m−ア
ミノフェニルエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロ
ピルトリエトキシシシラン、ω−アミノウンデシルトリメトキシシラン、アミルトリエト
キシシラン、ベンゾオキサシレピンジメチルエステル、5−(ビシクロヘプテニル)トリ
エトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、8−ブロモオクチルトリメトキシシラン、ブロモフェニルトリメトキシシラン、3−
ブロモプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、2−クロロメチル
トリエトキシシラン、クロロメチルメチルジエトキシシラン、クロロメチルメチルジイソ
プロポキシラン、p−(クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン、クロロメチルトリ
エトキシシラン、クロロフェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメト
キシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシ
シラン、2−(4−クロロスルフォニルフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−シア
ノエチルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラン、シアノメチルフェ
ネチルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、2−(3−シクロ
ヘキセニル)エチルトリメトキシシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルトリエト
キシシラン、3−シクロヘキセニルトリクロロシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エ
チルトリクロロシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルジメチルクロロシシラン、
2−(3−シクロヘキセニル)エチルメチルジクロロシシラン、シクロヘキシルジメチル
クロロシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジクロロ
シラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、(シクロヘキシルメチル)トリクロロ
シラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロ
オクチルトリクロロシラン、(4−シクロオクテニル)トリクロロシラン、シクロペンチ
ルトリクロロシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、1,1−ジエトキシ−1−シ
ラシクロペンタ−3−エン、3−(2,4−ジニトロフェニルアミノ)プロピルトリエト
キシシラン、(ジメチルクロロシリル)メチル−7,7−ジメチルノルピナン、(シクロ
ヘキシルアミノメチル)メチルジエトキシシラン、(3−シクロペンタジエニルプロピル
)トリエトキシシラン、N,N−ジエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、(フルフリルオキシメチル)トリエ
トキシシラン、2−ヒドロキシ−4−(3−トリエトキシプロポキシ)ジフェニルケトン
、3−(p−メトキシフェニル)プロピルメチルジクロロシラン、3−(p−メトキシフ
ェニル)プロピルトリクロロシラン、p−(メチルフェネチル)メチルジクロロシラン、
p−(メチルフェネチル)トリクロロシラン、p−(メチルフェネチル)ジメチルクロロ
シラン、3−モルフォリノプロピルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)
メチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、1,2,3,
4,7,7−ヘキサクロロ−6−メチルジエトキシシリル−2−ノルボルネン、1,2,
3,4,7,7−ヘキサクロロ−6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、3−ヨー
ドプロピルトリメトキシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、(メル
カプトメチル)メチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、メチル{2−(3−トリメトキシシリルプロピルアミノ)エチル
アミノ}−3−プロピオネート、7−オクテニルトリメトキシシラン、R−N−α−フェ
ネチル−N’−トリエトキシシリルプロピルウレア、S−N−α−フェネチル−N’−ト
リエトキシシリルプロピルウレア、フェネチルトリメトキシシラン、フェネチルメチルジ
メトキシシラン、フェネチルジメチルメトキシシラン、フェネチルジメトキシシラン、フ
ェネチルジエトキシシラン、フェネチルメチルジエトキシシラン、フェネチルジメチルエ
トキシシラン、フェネチルトリエトキシシラン、(3−フェニルプロピル)ジメチルクロ
ロシラン、(3−フェニルプロピル)メチルジクロロシラン、N−フェニルアミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−(トリエトキシシリルプロピル)ダンシルアミド、N−(3
−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、2−(トリエトキシ
シリルエチル)−5−(クロロアセトキシ)ビシクロヘプタン、(S)−N−トリエトキ
シシリルプロピル−O−メントカルバメート、3−(トリエトキシシリルプロピル)−p
−ニトロベンズアミド、3−(トリエトキシシリル)プロピルサクシニック無水物、N−
〔5−(トリメトキシシリル)−2−アザ−1−オキソ−ペンチル〕カプロラクタム、2
−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、N−(トリメトキシシリルエチル)ベンジル
−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、フェニルビニルジエトキシシラン、
3−チオシアナートプロピルトリエトキシシラン、N−{3−(トリエトキシシリル)プ
ロピル}フタルアミド酸、1−トリメトキシシリル−2−(クロロメチル)フェニルエタ
ン、2−(トリメトキシシリル)エチルフェニルスルホニルアジド、β−トリメトキシシ
リルエチル−2−ピリジン、トリメトキシシリルプロピルジエチレントリアミン、N−(
3−トリメトキシシリルプロピル)ピロール、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N
,N−トリブチルアンモニウムブロマイド、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,
N−トリブチルアンモニウムクロライド、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N
−トリメチルアンモニウムクロライド、ビニルメチルジエトキシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチル
メトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニル
フェニルジクロロシラン、ビニルフェニルジエトキシシラン、ビニルフェニルジメチルシ
ラン、ビニルフェニルメチルクロロシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリス
−t−ブトキシシラン、アダマンチルエチルトリクロロシラン、アリルフェニルトリクロ
ロシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、3−アミノフ
ェノキシジメチルビニルシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルジメチルクロロシ
ラン、フェニルメチルジクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、ベンジルジメチルク
ロロシラン、ベンジルメチルジクロロシラン、フェネチルジイソプロピルクロロシラン、
フェネチルトリクロロシラン、フェネチルジメチルクロロシラン、フェネチルメチルジク
ロロシラン、5−(ビシクロヘプテニル)トリクロロシラン、5−(ビシクロヘプテニル
)トリエトキシシラン、2−(ビシクロヘプチル)ジメチルクロロシラン、2−(ビシク
ロヘプチル)トリクロロシラン、1,4−ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、
ブロモフェニルトリクロロシラン、3−フェノキシプロピルジメチルクロロシラン、3−
フェノキシプロピルトリクロロシラン、t−ブチルフェニルクロロシラン、t−ブチルフ
ェニルメトキシシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、p−(t−ブチル)フェネ
チルジメチルクロロシラン、p−(t−ブチル)フェネチルトリクロロシラン、1,3−
(クロロジメチルシリルメチル)ヘプタコサン、((クロロメチル)フェニルエチル)ジ
メチルクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)メチルジクロロシラン、((
クロロメチル)フェニルエチル)トリクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル
)トリメトキシシラン、クロロフェニルトリクロロシラン、2−シアノエチルトリクロロ
シラン、2−シアノエチルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジエトキシ
シラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロ
シラン、3−シアノプロピルジメチルエトキシシラン、3−シアノプロピルメチルジクロ
ロシラン、3−シアノプロピルトリクロロシラン等のシラン化合物が有する水素原子の一
部または全部をフッ素原子で置換した構造を有する化合物を挙げることができる。
また、フッ素系シラン化合物(表面処理剤)は、パーフルオロアルキル構造(C
n+1)を有するものであるのが好ましい。これにより、インクの保存安定性をさらに優
れたものとし、インクセットを用いて製造される記録物の印刷部の光沢感、耐擦性をさら
に優れたものとすることができる。
パーフルオロアルキル構造(C2n+1)を有するフッ素系シラン化合物としては
、例えば、下記式(3)で表されるものが挙げられる。
2n+1(CHSiX (3−a) (3)
(式(3)中、Xは、加水分解基、エーテル基、クロロ基または水酸基を表し、R
、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、nは、1以上14以下の整数であり、mは、
2以上6以下の整数であり、aは、1以上3以下の整数である。)
このような構造を有する化合物の具体例としては、CF−CHCH−Si(OC
、CF(CF−CHCH−Si(OCH、CF(CF
−CHCH−Si(OCH、CF(CF−CHCH−Si(O
、CF(CF−CHCH−Si(OCH、CF(CF
11−CHCH−Si(OC、CF(CF−CHCH
Si(CH)(OCH、CF(CF−CHCH−Si(CH)(
OCH、CF(CF−CHCH−Si(CH)(OC
CF(CF−CHCH−Si(C)(OC等が挙げられる
また、フッ素系シラン化合物としては、上述したパーフルオロアルキル構造(C
n+1)の代わりにパーフルオロアルキルエーテル構造(C2n+1O)を有するも
のを用いることもできる。
パーフルオロアルキルエーテル構造(C2n+1O)を有するフッ素系シラン化合
物としては、例えば、下記式(4)で表されるものが挙げられる。
2p+1O(C2pO)(CHSiX (3−a) (4)
(式(4)中、Xは、加水分解基、エーテル基、クロロ基または水酸基を表し、R
、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、pは1以上4以下の整数であり、rは1以上
10以下の整数であり、mは、2以上6以下の整数であり、aは、1以上3以下の整数で
ある。)
このような構造を有する化合物の具体例としては、CFO(CFO)−CH
−Si(OC、CFO(CO)−CHCH−Si(OCH
、CFO(CO)(CFO)−CHCH−Si(OCH
、CFO(CO)−CHCH−Si(OCH、CFO(C
O)−CHCH−Si(OCH、CFO(CO)−CHCH
−Si(CH)(OC、CFO(CO)−CHCH−Si(
)(OCH等が挙げられる。
次に、表面処理剤のうち、フッ素系リン酸エステルについて詳細に説明する。
フッ素系リン酸エステルとしては、分子内に少なくとも1個のフッ素原子を有するリン
酸エステルを用いることができる。
金属粉末は、特に、下記式(2)で表される化学構造を有するフッ素系リン酸エステル
で表面処理されたものを含むものであるのが好ましい。
POR(OH)3−n (2)
(式(2)中、Rは、CF(CF−、CF(CF(CH−、CF
(CF(CHO)−、CF(CF(CHCHO)−、CF
(CFO−、または、CF(CF(CHO−であり、nは1以上3
以下の整数であり、mは5以上17以下の整数であり、lは1以上12以下の整数である
。)
これにより、インクの保存安定性を特に優れたものとし、インクセットを用いて製造さ
れる記録物の印刷部の光沢感、耐擦性を特に優れたものとすることができる。
式(2)中、mは、5以上17以下の整数であるのが好ましいが、7以上12以下の整
数であるのがより好ましい。これにより、上述したような効果がより顕著に発揮される。
また、式(2)中、lは、1以上12以下の整数であるのが好ましいが、1以上10以
下の整数であるのがより好ましい。これにより、上述したような効果がより顕著に発揮さ
れる。
また、金属粉末は、CF(CF(CHO(P)(OH)および/また
はCF(CF(CHO(P)(OH)(OCHCH)で表される前記
フッ素系リン酸エステルで表面処理されたものを含むものであるが好ましい。
これにより、金属粉末に欠陥の少ない表面処理をより好適に施すことができ、インク中
における金属粉末の化学的安定性および分散安定性を特に優れたものとし、インクの保存
安定性、長期間にわたる吐出安定性を特に優れたものとすることができるとともに、記録
物の製造において、当該金属粉末を含むインクを用いて形成される印刷部の外表面付近に
金属粉末をより好適に配列させることができ、金属粉末を構成する金属材料が本来有して
いる光沢感等の特性をより効果的に発揮させることができる。また、インクの構成材料と
して表面張力の低い重合性化合物を用いた場合であっても、記録物の製造において、当該
金属粉末を含むインクを用いて形成される印刷部の外表面付近に金属粉末をより好適に配
列させることができ、金属粉末を構成する金属材料が本来有している光沢感等の特性を十
分に発揮させることができる。
また、フッ素系リン酸エステル(表面処理剤)は、パーフルオロアルキル構造(C
2n+1)を有するものであるのが好ましい。これにより、インクの保存安定性をさらに
優れたものとし、製造される記録物の印刷部の光沢感、耐擦性をさらに優れたものとする
ことができる。
上記のような表面処理剤(フッ素系シラン化合物、フッ素系リン酸エステル)は、母粒
子に直接処理するものであってもよいが、前記母粒子に対して酸または塩基を処理させた
後に、当該母粒子に対して表面処理剤(フッ素系シラン化合物、フッ素系リン酸エステル
)による処理を行うのが好ましい。これにより、母粒子表面に、表面処理剤(フッ素系シ
ラン化合物および/またはフッ素系リン酸エステル)による化学的な結合による修飾をよ
り確実に行うことができ、上述したような効果をより効果的に発揮させることができる。
酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、酢酸、炭酸、蟻酸、安息香酸、亜塩素
酸、次亜塩素酸、亜硫酸、次亜硫酸、亜硝酸、次亜硝酸、亜リン酸、次亜リン酸等のプロ
トン酸を用いることができる。中でも、塩酸、リン酸、酢酸が好適である。一方、塩基と
しては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等を用いること
ができる。中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好適である。
金属粉末は、球状、紡錘形状、針状等、いかなる形状のものであってもよいが、鱗片形
状をなすものであるのが好ましい。これにより、インクが付与される記録媒体上で、当該
金属粉末の主面が記録媒体の表面形状に沿うように、金属粉末を配置することができ、金
属粉末を構成する金属材料が本来有している光沢感等を、得られる記録物においてもより
効果的に発揮させることができ、形成されるパターン(印刷部)の光沢感、高級感を特に
優れたものとすることができるとともに、記録物の耐擦性を特に優れたものとすることが
できる。また、上述したようなフッ素系シラン化合物および/またはフッ素系リン酸エス
テルによる表面処理を施していない構成においては、金属粉末が鱗片状をなすものである
と、インクの保存安定性、吐出安定性が低いものとなるという傾向が顕著になっていたが
、金属粉末がフッ素系シラン化合物および/またはフッ素系リン酸エステルによる表面処
理が施されたものであることにより、金属粉末が鱗片状をなすものであっても、このよう
な問題の発生を確実に防止することができる。すなわち、金属粉末の形状が鱗片状である
場合に、フッ素系シラン化合物および/またはフッ素系リン酸エステルによる表面処理が
施されたものであることによる効果がより顕著に発揮される。
本発明において、鱗片状とは、平板状、湾曲板状等のように、所定の角度から観察した
際(平面視した際)の面積が、当該観察方向と直交する角度から観察した際の面積よりも
大きい形状のことをいい、特に、投影面積が最大となる方向から観察した際(平面視した
際)の面積S[μm]と、当該観察方向と直交する方向のうち観察した際の面積が最
大となる方向から観察した際の面積S[μm]に対する比率(S/S)が、好ま
しくは2以上であり、より好ましくは5以上であり、さらに好ましくは8以上である。こ
の値としては、例えば、任意の10個の粒子について観察を行い、これらの粒子について
の算出される値の平均値を採用することができる。
金属粉末の平均粒径は、500nm以上3.0μm以下であるのが好ましく、800n
m以上1.8μm以下であるのがより好ましい。これにより、製造される記録物の光沢感
、高級感をさらに優れたものとすることができる。また、インクの保存安定性、吐出安定
性をさらに優れたものとすることができる。
第1のインク中における金属粉末の含有率は、後に詳述する第2のインク中における金
属粉末の含有率よりも高いものであればよいが、0.5質量%以上10.0質量%以下で
あるのが好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下であるのがより好ましい。なお、
第1のインクは、金属粉末として2種以上の粉末を含むものであってもよい。この場合、
これらの含有率の総和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
<重合性化合物>
重合性化合物は、紫外線の照射により重合し、硬化する成分である。このような成分を
含むことにより、製造される記録物の耐擦性、耐水性、耐溶剤性等を優れたものとするこ
とができる。
重合性化合物は、液状をなすものであり、インク中において、金属粉末を分散する分散
媒として機能するものであるのが好ましい。これにより、重合性化合物の含有率が比較的
高い場合であっても、インクの粘度をより低いものとすることができ、インクジェット法
による液滴の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。また、重合性化合物を含
むことにより、様々な記録媒体(基材)に対する、印刷部の密着性を優れたものとするこ
とができる。すなわち、重合性化合物を含むことにより、メディア対応性に優れたものと
なる。また、別途、記録物の製造過程において除去される(蒸発する)分散媒を用いる必
要がない、または、当該分散媒の使用量を抑制することができ、記録物の製造においても
、分散媒を除去する工程を設ける必要がない、または当該工程を簡略化することができる
ため、記録物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、インクが後に詳述す
るような重合体を含有するものである場合においては、重合性化合物と重合体との親和性
を確実に優れたものとすることができるため、形成される印刷部の膜強度、透明性等を特
に優れたものとすることができる。
重合性化合物としては、紫外線の照射により重合する成分であればよく、例えば、各種
モノマー、各種オリゴマー(ダイマー、トリマー等を含む)等を用いることができるが、
重合性化合物として、少なくともモノマー成分を含むのが好ましい。モノマーは、オリゴ
マー成分等に比べて、一般に、低粘度の成分であるため、インクの吐出安定性をさらに優
れたものとする上で有利である。
特に、第1のインクは、重合性化合物として、脂環構造を有するモノマーを含むのが好
ましい。このように、脂環構造を有するモノマーを、上述したようなフッ素系シラン化合
物および/またはフッ素系リン酸エステルで表面処理された金属粉末とともに含むこと、
さらには、後に詳述するような重合体とともに含むことにより、インクの保存安定性を特
に優れたものとすることができるとともに、製造される記録物の印刷部の光沢感、耐擦性
を特に優れたものとすることができる。
なお、本発明において、脂環構造とは、芳香族性(π電子共役系)を有さない環構造を
いい、炭素原子のみで構成された環構造のほか、構成原子として複素原子を含むものを含
む概念である。また、脂環構造を有するモノマーは、脂環構造を有するものであればよく
、それに加えて、例えば、芳香族性を有する環構造(π電子共役系を有する環構造)を備
えるものであってもよい。
脂環構造を有するモノマーとしては、例えば、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキ
シエチル)イソシアヌレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、
アダマンチル(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトン(メタ)アクリレート、N−ビ
ニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレ
ート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル
(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル (メタ)アクリレート、メバロ
ン酸ラクトン (メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリ
レート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(
メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン
、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)
アクリレート、EO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アク
リル化イソシアヌレート、トリ(メタ)アクリル化イソシアヌレート等が挙げられるが、
トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジシクロペンテニルオキシ
エチルアクリレート、アダマンチルアクリレート、γ−ブチロラクトンアクリレート、N
−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、ペンタメチルピペリジルアクリレート
、テトラメチルピペリジルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチル アクリレート
、2−エチル−2−アダマンチル アクリレート、メバロン酸ラクトン アクリレート、
ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリ
レート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、イソボル
ニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アクリロイルモルホリン、および、テ
トラヒドロフルフリルアクリレートよりなる群から選択される1種または2種以上を含む
ものであるのが好ましい。これにより、重合性化合物の硬化時におけるインクの収縮(硬
化収縮)をより効果的に防止することができるとともに、金属粉末を印刷部の表面付近に
より好適に配列させることができ、結果として、製造される記録物の光沢感、高級感をさ
らに優れたものとすることができる。また、インクの保存安定性、吐出安定性をさらに優
れたものとすることができる。
中でも、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルアクリレート、γ−ブチロ
ラクトンアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、および、N−ビニルピロリドンより
なる群から選択される1種または2種以上を含むものである場合、インク中における金属
粉末の分散安定性をさらに優れたものとすることができるとともに、記録物の製造におい
て、当該金属粉末を含むインクを用いて形成される印刷部の外表面付近に金属粉末をより
好適に配列させることができ、得られる記録物の光沢感をさらに優れたものとすることが
できる。
また、紫外線を照射した際のインクの硬化速度、記録物の生産性について更なる向上を
図る観点からは、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジシクロ
ペンテニルオキシエチルアクリレート、γ−ブチロラクトンアクリレート、N−ビニルピ
ロリドン、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ジメチロールジシクロペンタ
ンジアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート
、アクリロイルモルホリン、および、テトラヒドロフルフリルアクリレートよりなる群か
ら選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましく、アクリロイルモルホリ
ン、および/または、γ−ブチロラクトンアクリレートを含むものであるのがより好まし
く、γ−ブチロラクトンアクリレートを含むものであるのがさらに好ましい。
また、シクロヘキシルアクリレート、および/または、テトラヒドロフルフリルアクリ
レートを含むものである場合、印刷部の可撓性をさらに優れたものとすることができる。
また、印刷部の耐擦性の更なる向上を図る観点からは、トリス(2−アクリロイルオキ
シエチル)イソシアヌレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、アダマン
チルアクリレート、γ−ブチロラクトンアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−
ビニルピロリドン、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ジメチロールジシク
ロペンタンジアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアク
リレート、イソボルニルアクリレート、および、アクリロイルモルホリンよりなる群から
選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましく、γ−ブチロラクトンアク
リレート、および/または、N−ビニルカプロラクタムを含むものであるのがより好まし
い。
また、γ−ブチロラクトンアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロ
リドン、イソボルニルアクリレート、および、テトラヒドロフルフリルアクリレートより
なる群から選択される1種または2種以上を含むものである場合、インクの硬化時におけ
る収縮率をより小さいものとし、形成される印刷部に不本意な皺などが生じることによる
光沢感の低下等をより効果的に防止することができる。
第1のインク中における脂環構造を有するモノマーの含有率は、40質量%以上90質
量%以下であるのが好ましく、50質量%以上88質量%以下であるのがより好ましく、
55質量%以上85質量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、金属粉末の分散
安定性を特に優れたものとし、長期にわたって特に優れた吐出安定性が得られる。特に、
第1のインクが分散剤を含まないものであっても、上記のような優れた効果が得られる。
これに対し、第1のインク中における脂環構造を有するモノマーの含有率が前記下限値未
満である場合には、フッ素系シラン化合物および/またはフッ素系リン酸エステルで表面
処理された金属粉末の分散性が低下し、インクジェット法による液滴吐出の安定性が低下
する可能性がある。また、この場合、第1のインクの液滴吐出の経時的安定性も低下する
可能性がある。また、第1のインク中における脂環構造を有するモノマーの含有率が前記
上限値を超える場合には、金属粉末の分散安定性が過度に向上することで、記録媒体に付
与された第1のインクにおいて、金属粉末の内部存在比率が高まり、付与された第1のイ
ンクの外表面付近に、金属粉末を好適に配列させることが困難となり、最終的に得られる
記録物(印刷部)の光沢感を十分に優れたものとすることが困難になる可能性がある。な
お、第1のインクは、脂環構造を有するモノマーとして2種以上の化合物を含むものであ
ってもよい。この場合、これらの含有率の総和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
脂環構造を有するモノマーは、共有結合により形成された環状構造の構成原子数が、5
以上のものであるのが好ましく、6以上のものであるのがより好ましい。これにより、イ
ンクの保存安定性を特に優れたものとすることができる。
第1のインクは、脂環構造を有するモノマーとして、脂環構造中にヘテロ原子を含む単
官能モノマー(芳香族性を示さない複素環を有する単官能モノマー)を含むものであるの
が好ましい。これにより、金属粉末の分散安定性を特に優れたものとし、長期にわたって
特に優れた吐出安定性が得られる。特に、第1のインクが分散剤を含まないものであって
も、上記のような優れた効果が得られる。このような脂環構造を有するモノマーが金属粉
末の分散安定性を向上させる理由は明らかではないが、脂環構造のヘテロ原子がフッ素原
子で修飾された金属粉末の表面に対して、適度な親和性を有するためと考えられる。この
ような単官能モノマーとしては、例えば、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、γ−ブチロラクトン(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラ
クタム、N−ビニルピロリドン、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラ
メチルピペリジル(メタ)アクリレート、メバロン酸ラクトン (メタ)アクリレート、
(メタ)アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙
げられる。
第1のインク中における前記単官能モノマー(脂環構造中にヘテロ原子を含む単官能モ
ノマー)の含有率は、10質量%以上80質量%以下であるのが好ましく、15質量%以
上75質量%以下であるのがより好ましい。これにより、硬化収縮を抑制し、散乱が少な
く、より光沢感に優れたパターン(印刷部)を備えた記録物の製造に好適に用いることが
できる。なお、第1のインクは、脂環構造中にヘテロ原子を含む単官能モノマーとして2
種以上の化合物を含むものであってもよい。この場合、これらの含有率の総和が前記範囲
内の値であるのが好ましい。
本発明において、第1のインクを構成する重合性化合物は、脂環構造を有さないモノマ
ーを含むものであってもよい。
このようなモノマー(脂環構造を有さないモノマー)としては、例えば、フェノキシエ
チル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル
、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ
)アクリレート、2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、および
、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートラウリル(メタ)アクリレート、2−メト
キシエチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(
メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,
2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピ
ル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、PO
変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリ
レート、EO変性2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(
メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変性
フェノール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、EO変性フ
ェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、メトキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレ
ート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート
、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1.9−ノナンジオールジ(メタ
)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA
EO変性ジ(メタ)アクリレート、1.6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール300
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アク
リレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコール400ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール600ジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1.9−ノナン
ジオールジ(メタ)アクリレート、1.6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA EO変性ジ(
メタ)アクリレート、ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート、PO変性ビ
スフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(
メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、グリ
セリンPO付加トリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフ
ォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−(
メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、3−(メタ)アクリロイロキシプロピルアク
リレート、w−カルボキシ(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アク
リレート等が挙げられるが、フェノキシエチルアクリレート、アクリル酸2−(2−ビニ
ロキシエトキシ)エチル、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリ
コールジアクリレート、2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピルアクリレート、および、
4−ヒドロキシブチルアクリレートよりなる群から選択される1種または2種以上を含む
ものであるのが好ましい。脂環構造を有するモノマーに加えて、このような脂環構造を有
さないモノマーを含むことにより、インクの保存安定性、吐出安定性を優れたものとしつ
つ、インクジェット法による吐出後のインクの反応性を特に優れたものとし、記録物の生
産性を特に優れたものとすることができるとともに、形成されるパターンの耐擦性等を特
に優れたものとすることができる。
中でも、フェノキシエチルアクリレートを含むものである場合、記録物の製造において
、当該金属粉末を含むインクを用いて形成される印刷部の外表面付近に金属粉末をより好
適に配列させることができ、得られる記録物の光沢感をさらに優れたものとすることがで
きる。
また、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを含むものである場合、紫外
線を照射した際のインクの硬化速度、記録物の生産性をさらに優れたものとすることがで
きる。
また、フェノキシエチルアクリレート、および/または、2−ヒドロキシ3−フェノキ
シプロピルアクリレートを含むものである場合、形成される印刷部の可撓性をさらに優れ
たものとすることができる。
また、形成される印刷部の耐擦性の更なる向上を図る観点からは、アクリル酸2−(2
−ビニロキシエトキシ)エチル、ジプロピレングリコールジアクリレート、および、トリ
プロピレングリコールジアクリレートよりなる群から選択される1種または2種以上を含
むものであるのが好ましく、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを含むも
のであるのがより好ましい。
また、フェノキシエチルアクリレートを含むものである場合、インクの硬化時における
収縮率をより小さいものとし、形成される印刷部に不本意な皺などが生じることによる光
沢感の低下等をより効果的に防止することができる。
第1のインク中における脂環構造を有するモノマー以外のモノマーの含有率は、5質量
%以上50質量%以下であるのが好ましく、10質量%以上40質量%以下であるのがよ
り好ましい。これにより、第1のインクの硬化速度、可撓性、硬化時における収縮率等の
調整がさらに容易になる。なお、第1のインクは、脂環構造を有さないモノマーとして2
種以上の化合物を含むものであってもよい。この場合、これらの含有率の総和が前記範囲
内の値であるのが好ましい。
第1のインクは、重合性化合物として、モノマー以外に、オリゴマー(ダイマー、トリ
マー等を含む)、プレポリマー等を含むものであってもよい。オリゴマー、プレポリマー
としては、例えば、上述したようなモノマーを構成成分としたものを用いることができる
。第1のインクは、特に多官能のオリゴマーを含むものであるのが好ましい。これにより
、第1のインクの保存安定性を優れたものとしつつ、形成されるパターンの耐擦性等を特
に優れたものとすることができる。オリゴマーとしては、繰り返し構造がウレタンである
ウレタンオリゴマー、繰り返し構造がエポキシであるエポキシオリゴマー等が好ましく用
いられる。
第1のインク中における重合性化合物の含有率は、70質量%以上99質量%以下であ
るのが好ましく、80質量%以上98質量%以下であるのがより好ましい。これにより、
インクの保存安定性、吐出安定性、硬化性をさらに優れたものとすることができるととも
に、製造される記録物の光沢感、耐擦性等をさらに優れたものとすることができる。なお
、第1のインクは、重合性化合物として2種以上の化合物を含むものであってもよい。こ
の場合、これらの化合物の含有率の総和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
<重合体>
第1のインクは、上述したような金属粉末、重合性化合物に加え、重合体、特に、当該
インクを構成する液体成分に可溶で、かつ、重量平均分子量が1000以上30000以
下の重合体を含むものであってもよい。
これにより、インクの保存安定性を優れたものとしつつ、製造される記録物の印刷部の
光沢感、耐擦性を特に優れたものとすることができる。
このような優れた効果が得られるのは、以下のような理由によるものであると考えられ
る。すなわち、フッ素系シラン化合物および/またはフッ素系リン酸エステルで表面処理
された金属粉末を含むことにより、記録媒体に付与されたインクにおいて、その外表面付
近に、金属粉末が好適に配列させることができる。また、インクを構成する液体成分に可
溶で、所定の重量平均分子量を有する重合体を所定量含むことにより、重合性化合物の硬
化時におけるインクの収縮(硬化収縮)を効果的に防止することができる。そして、これ
らの効果が相乗的に作用しあうことにより、前記金属粉末を含むインクを用いて形成され
る印刷部の外表面付近に金属粉末が好適に配列した状態で、重合性化合物を重合(硬化)
させることができ、印刷部に硬化収縮による不本意な皺等が発生することを効果的に防止
し、金属粉末の配列の乱れによる光沢感・高級感の低下等を防止し、金属材料が本来有し
ている光沢感等の優れた質感をより効果的に発揮させることができるものと考えられる。
また、前記金属粉末を含むインクを用いて形成される印刷部の外表面付近に金属粉末が好
適に配列した状態で、重合性化合物を重合(硬化)させることができ、印刷部に硬化収縮
による不本意な皺等が発生することができるため、金属粉末の引っ掛かり等による印刷部
の摩擦抵抗の増大が効果的に防止される。また、インクを構成する液体成分に可溶で、所
定の重量平均分子量を有する重合体を所定量含むことにより、インク中における、フッ素
系シラン化合物および/またはフッ素系リン酸エステルで表面処理された金属粉末の分散
安定性を特に優れたものとすることができ、インク中での金属粉末の凝集、沈降等を長期
間にわたってより好適に防止することができる。そして、これらの効果が相乗的に作用し
合うことにより、インクの保存安定性を優れたものとしつつ、製造される記録物の印刷部
の光沢感、耐擦性を優れたものとすることができるものと考えられる。
なお、本発明において、「液体成分」とは、室温(20℃)で液状をなすもののことを
言う。
また、本発明において、「インクを構成する液体成分に可溶」とは、当該インクを構成
する液体成分(液体成分を複数種含む場合には、これらのうち少なくとも1種の液体成分
または2種以上の液体成分の混合物)に対する20℃における溶解度(前記液体成分10
0gに対する溶解量)が2.0g/100g以上のことを言う。また、本発明において、
「インクを構成する液体成分に不溶」とは、当該インクを構成する液体成分(液体成分を
複数種含む場合には、これらのうち少なくとも1種の液体成分および2種以上の液体成分
の混合物)に対する20℃における溶解度(前記液体成分100gに対する溶解量)が2
.0g/100g未満のことを言う。なお、インクを構成する液体成分(液体成分を複数
種含む場合には、これらのうち少なくとも1種の液体成分または2種以上の液体成分の混
合物)に対する20℃における前記重合体の溶解度(前記液体成分100gに対する重合
体の溶解量)は、2.0g/100g以上であればよいが、4.0g/100g以上であ
るのが好ましく、10.0g/100g以上であるのがより好ましい。これにより、上述
したような効果がより顕著に発揮される。
前記重合体としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の各種樹
脂材料を用いることができるが、記録物の製造過程(インクの液滴吐出後)において紫外
線照射による硬化性(紫外線硬化性)を有さないものであるのが好ましい。これにより、
インクの不本意な硬化収縮をより効果的に防止することができ、最終的に得られる記録物
の印刷部の光沢感・高級感を、より確実に優れたものとすることができる。
特に、前記重合体は、ポリビニルピロリドンおよび/またはポリエチレングリコールを
含むものであることが好ましい。これにより、重合性化合物の硬化時におけるインクの収
縮(硬化収縮)をより効果的に防止することができ、製造される記録物の光沢感、耐擦性
を特に優れたものとすることができる。
前記重合体の重量平均分子量は、1000以上30000以下であるのが好ましい。こ
れにより、上述したような効果がより顕著に発揮される。
第1のインク中における前記重合体(当該インクを構成する液体成分に可溶で、所定の
重量平均分子量を有する重合体)の含有率は、0.5質量%以上20.0質量%以下であ
るのが好ましく、1.0質量%以上18.0質量%以下であるのがより好ましく、2.0
質量%以上16.0質量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、上述したような
効果がより顕著に発揮される。なお、第1のインクは、当該インクを構成する液体成分に
可溶で、所定の重量平均分子量を有する重合体を2種以上含むものであってもよい。この
場合、これらの含有率の総和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
また、前記重合体のうち分子量が1000以上30000以下のもののインク中におけ
る含有率が、0.5質量%以上20.0質量%以下であるのが好ましい。これにより、上
述したような効果がより顕著に発揮される。
<非硬化性液体成分>
第1のインクは、上述したような金属粉末、重合性化合物、重合体に加え、紫外線硬化
性を有さない非硬化性液体成分を含むものであってもよい。これにより、記録物の製造に
おいて、当該金属粉末を含むインクを用いて形成される印刷部の外表面付近に金属粉末を
より好適に配列させることができ、記録物の光沢感を特に優れたものとすることができる
第1のインクが非硬化性液体成分を含むものである場合、当該インク中における非硬化
性液体成分の含有率は、0.05質量%以上10.0質量%以下であるのが好ましく、0
.2質量%以上7.0質量%以下であるのがより好ましく、0.5質量%以上5.0質量
%以下であるのがさらに好ましい。これにより、他の成分(金属粉末、重合性化合物、重
合体等)の機能を十分に発揮させつつ、上述したような非硬化性液体成分を含むことによ
る効果をより顕著に発揮させることができる。
非硬化性液体成分としては、各種有機溶媒、各種無機溶媒を用いることができ、より具
体的には、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチル
イソブチルテトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサ
ノン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−
ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テ
トラヒドロピラン(THP)、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチ
レングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールジエチルエーテル、
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル
アセテート、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメ
チルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、
ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン等のエーテル系溶媒;メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;ペンタン、ヘキ
サン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、デカヒ
ドロナフタレン、ジペンテン等の脂肪族炭化水素系溶媒;トルエン、キシレン、ベンゼン
、シメン、デュレン、インデン、シクロヘキシルベンゼン、テトラヒドロナフタレン等の
芳香族炭化水素系溶媒;ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン等の芳香族
複素環化合物系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセ
トアミド(DMA)、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒;ジクロロメタン、
クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒;酢酸エチル、酢酸メ
チル、ギ酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶媒;アセトニトリル等のニトリ
ル系溶剤;プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、1,
3−ジオキサン−2−オン、2−オキサゾリジノン、2−イミダゾリジノン等のヘテロ原
子を有する脂環構造を備えた化合物;ジメチルスルホキシド;水、二硫化炭素、四塩化炭
素等の無機溶媒等が挙げられる。
中でも、非硬化性液体成分として、炭素数が2以上4以下のアルコールを含むのが好ま
しい。これにより、インク中における金属粉末の分散安定性を特に優れたものとすること
ができ、インク中での金属粉末の凝集、沈降等をより長期間にわたって好適に防止するこ
とができ、インクの保存安定性を特に優れたものとすることができる。また、製造される
記録物の印刷部の光沢感を特に優れたものとすることができる。
炭素数が2以上4以下のアルコール成分の分子量は、46以上100以下であるのが好
ましく、46以上74以下であるのがより好ましく、46以上60以下であるのがさらに
好ましい。これにより、上述したような効果がより顕著に発揮される。
炭素数が2以上4以下のアルコール成分の沸点(1気圧下における沸点)は、78℃以
上117℃以下であるのが好ましく、78℃以上100℃以下であるのがより好ましく、
78℃以上83℃以下であるのがさらに好ましい。これにより、上述したような効果がよ
り顕著に発揮される。
炭素数が2以上4以下のアルコール成分としては、例えば、エタノール、1−プロパノ
ール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノ
ール、2−メチル−2−プロパノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオ
ール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオ
ール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,3−プロパントリオール、1,
2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3−
プロパントリオール、2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,3,
4−ブタンテトラオールや、これらの化合物の水素原子の少なくとも一部が、ハロゲン原
子、アミノ基等の置換基で置換された化合物等が挙げられる。中でも、エタノール、2−
プロパノールが好ましい。第1のインクが、非硬化性液体成分としてエタノールおよび/
または2−プロパノールを含むものであると、インクの保存安定性を特に優れたものとす
ることができる。また、インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができるととも
に、記録物の製造時において、非硬化性液体成分の除去を効率よく行うことができるため
、長期間にわたって、記録物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、記録
物中に非硬化性液体成分が残存することによる弊害の発生をより確実に防止することがで
きる。
第1のインク中における前記アルコール化合物(炭素数が2以上4以下のアルコール成
分)の含有率は、0.05質量%以上7.0質量%以下であるのが好ましく、0.2質量
%以上5.0質量%以下であるのがより好ましく、0.5質量%以上4.0質量%以下で
あるのがさらに好ましい。これにより、上述したような効果がより顕著に発揮される。な
お、第1のインクは、炭素数が2以上4以下のアルコール成分を2種以上含むものであっ
てもよい。この場合、これらの含有率の総和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
また、第1のインクは、非硬化性液体成分として、ポリエーテル系溶剤(ポリエーテル
系化合物)を含むのが好ましい。これにより、インク中における金属粉末の分散安定性を
特に優れたものとすることができ、インク中での金属粉末の凝集、沈降等をより長期間に
わたって好適に防止することができ、インクの保存安定性を特に優れたものとすることが
できる。また、製造される記録物の印刷部の光沢感を特に優れたものとすることができる
ポリエーテル系溶剤(ポリエーテル系化合物)の分子量は、40以上250以下である
のが好ましく、60以上230以下であるのがより好ましく、90以上200以下である
のがさらに好ましい。これにより、上述したような効果がより顕著に発揮される。また、
このようなポリエーテル系溶剤は、一般に揮発性が高いものであり、記録物の製造工程に
おいて容易に除去されるものであるため、最終的に得られる記録物中に、当該ポリエーテ
ル系溶剤が残存することによる悪影響の発生がより確実に防止される。
第1のインクは、ポリエーテル系溶剤として、下記式(10)で表されるものを含むも
のであるのが好ましい。
−O−(CHCHO)−R (10)
(式(10)中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数が1以上4以下の直鎖状の
アルキル基、または、水素原子であり、nは、1以上4以下の整数である。ただし、R
、Rのうち一方が水素原子である場合には、nは、2以上4以下の整数であり、R
よびRの両方が水素原子である場合には、nは、3または4である。)
これにより、インクの保存安定性を特に優れたものとし、製造される記録物の印刷部の
光沢感を特に優れたものとすることができる。また、このようなポリエーテル系溶剤は、
一般に揮発性が高いものであり、記録物の製造工程において容易に除去されるものである
ため、最終的に得られる記録物中に、当該ポリエーテル系溶剤が残存することによる悪影
響の発生がより確実に防止される。
式(10)中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数が1以上4以下の直鎖状の
アルキル基または水素原子であればよいが、炭素数が1以上3以下の直鎖状のアルキル基
であるのが好ましく、エチル基であるのがより好ましい。これにより、上述したような効
果がより顕著に発揮される。
式(10)中、nは、1以上4以下の整数であればよいが、2以上4以下の整数である
のが好ましい。これにより、上述したような効果がより顕著に発揮される。
第1のインク中における前記ポリエーテル系溶剤の含有率は、0.05質量%以上7.
0質量%以下であるのが好ましく、0.2質量%以上5.0質量%以下であるのがより好
ましく、0.5質量%以上4.0質量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、上
述したような効果がより顕著に発揮される。なお、第1のインクは、ポリエーテル系溶剤
(ポリエーテル系化合物)を2種以上含むものであってもよい。この場合、これらの含有
率の総和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
また、非硬化性液体成分として、ヘテロ原子を有する脂環構造を備えた化合物を含むの
が好ましい。これにより、インク中における金属粉末の分散安定性を特に優れたものとす
ることができ、インク中での金属粉末の凝集、沈降等をより長期間にわたって好適に防止
することができ、インクの保存安定性を特に優れたものとすることができる。また、製造
される記録物の印刷部の光沢感を特に優れたものとすることができる。
ヘテロ原子を有する脂環構造を備えた液体成分の分子量は、40以上200以下である
のが好ましく、60以上180以下であるのがより好ましく、90以上160以下である
のがさらに好ましい。これにより、上述したような効果がより顕著に発揮される。また、
このような液体成分は、一般に揮発性が高いものであり、記録物の製造工程において容易
に除去されるものであるため、最終的に得られる記録物中に、当該液体成分が残存するこ
とによる悪影響の発生がより確実に防止される。
前記ヘテロ原子を有する脂環構造としては、例えば、オキセタン構造、テトラヒドロフ
ラン(オキソラン)構造、ジオキソラン構造、テトラヒドロピラン構造、ジオキサン構造
、トリオキサン構造、オキサビシクロヘキサン構造、チエタン構造、テトラヒドロチオフ
ェン構造、トトラヒドロチオピラン構造、ジチアン構造、アゼチジン構造、ピロリジン構
造、ピペリジン構造、アゾビシクロヘプタン構造、キヌクリジン構造、ラクトン構造、ラ
クタム構造、環状尿素構造、環状カーボネート構造、環状ウレタン構造等が挙げられるが
、前記液体成分は、ラクトン構造および/またはラクタム構造を備えたものを含むもので
あるのが好ましい。これにより、インクの保存安定性を特に優れたものとし、製造される
記録物の印刷部の光沢感を特に優れたものとすることができる。
前記ヘテロ原子を有する脂環構造は、分子内に共有結合により形成された環状構造の構
成原子数が、5以上8以下のものであるのが好ましく、5以上6以下のものであるのがよ
り好ましく、5のもの(5員環を備えるもの)であるのがさらに好ましい。これにより、
インクの保存安定性を特に優れたものとし、製造される記録物の印刷部の光沢感を特に優
れたものとすることができる。
前記ヘテロ原子を有する脂環構造は、環(分子内に共有結合により形成された環状構造
)を構成するヘテロ原子の数が3以下のものであるのが好ましく、2以下(例えば、γ−
ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ノナラクトン、N−メチルピロリドン、N−
エチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ピペリジン、1,3−ジオキサン−2−オン、
2−オキサゾリジノン、炭酸プロピレン等)のものであるのがより好ましく、1のもの(
例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ノナラクトン、N−メチルピロ
リドン、N−エチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ピペリジン等)であるのがさらに
好ましい。これにより、インクの保存安定性を特に優れたものとし、製造される記録物の
印刷部の光沢感を特に優れたものとすることができる。
ヘテロ原子を有する脂環構造を備えた液体成分の具体例としては、γ−ブチロラクトン
、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジオキサ
ン−2−オン、2−オキサゾリジノン、炭酸プロピレン、γ−バレロラクトン、γ−ノナ
ラクトン、N−エチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ピペリジン等が挙げられるが、
中でも、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン、1,3−ジオキサン−2−オン、2−オキサゾリジノン、テトラヒドロフラン
が好ましく、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドンがより好ましい。これにより、
インクの保存安定性を特に優れたものとし、製造される記録物の印刷部の光沢感を特に優
れたものとすることができる。また、このような液体成分は、一般に揮発性が高いもので
あり、記録物の製造工程において容易に除去されるものであるため、最終的に得られる記
録物中に、当該液体成分が残存することによる悪影響の発生がより確実に防止される。
第1のインク中における前記ヘテロ原子を有する脂環構造を備えた液体成分の含有率は
、0.05質量%以上7.0質量%以下であるのが好ましく、0.2質量%以上5.0質
量%以下であるのがより好ましく、0.5質量%以上4.0質量%以下であるのがさらに
好ましい。これにより、上述したような効果がより顕著に発揮される。なお、第1のイン
クは、ヘテロ原子を有する脂環構造を備えた液体成分を2種以上含むものであってもよい
。この場合、これらの含有率の総和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
<物質A>
また、第1のインクは、下記式(5)で示される部分構造を有する物質Aを含むもので
あるのが好ましい。
Figure 2014172986
このような化学構造を有する物質Aを、上記のような表面処理が施された金属粒子およ
び重合体とともに含むこと、さらには、非硬化性液体成分とともに含むことにより、イン
クの保存安定性、硬化性を特に優れたものとすることができる。また、製造される記録物
においては、金属粉末を構成する金属材料が本来有している光沢感・高級感をより効果的
に発揮させ、印刷部の光沢感、耐擦性を特に優れたものとし、記録物の耐久性を特に優れ
たものとすることができる。
式(5)中、Rは、酸素原子、水素原子、炭化水素基またはアルコキシル基(酸素原
子に鎖式または脂環式の炭化水素基が結合したもの)であればよいが、特に、水素原子、
メチル基、または、オクチルオキシ基であるのが好ましい。これにより、インクの保存安
定性、吐出安定性をさらに優れたものとすることができるとともに、印刷部の光沢感、耐
擦性をさらに優れたものとすることができる。
また、式(5)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭化水素基であれ
ばよいが、炭素数1以上3以下のアルキル基であるのが好ましく、メチル基であるのがよ
り好ましい。これにより、インクの保存安定性、吐出安定性をさらに優れたものとするこ
とができるとともに、印刷部の光沢感、耐擦性をさらに優れたものとすることができる。
第1のインク中における物質Aの含有率は、0.1質量%以上5.0質量%以下である
のが好ましく、0.5質量%以上3.0質量%以下であるのがより好ましい。これにより
、インクの保存安定性、吐出安定性、硬化性をさらに優れたものとすることができるとと
もに、製造される記録物の光沢感、耐擦性等をさらに優れたものとすることができる。な
お、第1のインクは、物質Aとして2種以上の化合物を含むものであってもよい。この場
合、これらの化合物の含有率の総和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
第1のインク中における物質Aの含有率をX[質量%]、第1のインク中における金
属粉末の含有率をX[質量%]としたとき、0.01≦X/X≦0.8の関係を満
足するのが好ましく、0.05≦X/X≦0.4の関係を満足するのがより好ましい
。このような関係を満足することにより、インクの保存安定性、吐出安定性をさらに優れ
たものとすることができるとともに、印刷部の光沢感、耐擦性をさらに優れたものとする
ことができる。
<分散剤>
第1のインクは、金属粉末の分散剤を含むものであってもよい。これにより、インクの
保存安定性をより優れたものとすることができる。
特に、金属粉末の分散剤として、塩基性で重合体構造を有するもの(以下、「塩基性高
分子分散剤」ともいう)を含むものであってもよい。これにより、インクの保存安定性を
さらに優れたものとすることができる。
なお、塩基性高分子分散剤は、塩基性を示し、重合体構造を有するものであればよく、
具体的な分子量は限定されない。
塩基性高分子分散剤を構成する重合体構造は、特に限定されないが、例えば、アクリル
系の重合体構造(共重合体を含む)、メタクリル系の重合体構造(共重合体を含む)、ポ
リウレタン系の重合体構造、水酸基含有カルボン酸エステル構造、ポリエーテル系の重合
体構造、シリコーン系の重合体構造等が挙げられる。
塩基性高分子分散剤のアミン価は、特に限定されないが、3mgKOH/g以上80m
gKOH/g以下であるのが好ましく、10mgKOH/g以上70mgKOH/g以下
であるのがより好ましい。
本発明で用いることのできる塩基性高分子分散剤の具体例としては、DISPERBY
K−116(ビックケミー社製)、DISPERBYK−182(ビックケミー社製)、
DISPERBYK−183(ビックケミー社製)、DISPERBYK−184(ビッ
クケミー社製)、DISPERBYK−2155(ビックケミー社製)、DISPERB
YK−2164(ビックケミー社製)、DISPERBYK−108(ビックケミー社製
)、DISPERBYK−112(ビックケミー社製)、DISPERBYK−198(
ビックケミー社製)、DISPERBYK−2150(ビックケミー社製)、PAA−1
112(日東紡社製)等を挙げることができる。
第1のインクが分散剤を含むものである場合、第1のインク中における分散剤の含有率
は、5.0質量%以下であるのが好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下である
のがより好ましい。これにより、製造される記録物の光沢感を十分に優れたものとしつつ
、インクの保存安定性、吐出安定性、硬化性をさらに優れたものとすることができる。な
お、第1のインクは、塩基性高分子分散剤として2種以上の化合物を含むものであっても
よい。この場合、これらの化合物の含有率の総和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
なお、分散剤の含有率が高すぎると、金属粉末の分散安定性が過度に向上することで、記
録媒体に付与されたインクにおいて、金属粉末の内部存在比率が高まり、付与されたイン
クの外表面付近に、金属粉末を好適に配列させることが困難となり、最終的に得られる記
録物(印刷部)の光沢感を十分に優れたものとすることが困難になる可能性がある。
<その他の成分>
第1のインクは、上述した以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。こ
のような成分としては、例えば、光重合開始剤、スリップ剤(レベリング剤)、重合促進
剤、重合禁止剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、着色剤、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸
化防止剤、キレート剤、増粘剤、増感剤(増感色素)等が挙げられる。
光重合開始剤は、紫外線照射によってラジカルやカチオン等の活性種を発生し、上記重
合性化合物の重合反応を開始させるものであれば特に制限されない。光重合開始剤として
は、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を使用することができるが、光ラジカ
ル重合開始剤を使用することが好ましい。光重合開始剤を用いる場合、当該光重合開始剤
は、紫外線領域に吸収ピークを有していることが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキサイ
ド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物
、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシム
エステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル
化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物等が挙げられる。
これらの中でも、重合性化合物への溶解性および硬化性の観点から、アシルホスフィン
オキサイド化合物およびチオキサントン化合物から選択される少なくとも1種が好ましく
、アシルホスフィンオキサイド化合物およびチオキサントン化合物を併用することがより
好ましい。
光ラジカル重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケ
タール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アン
トラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロ
ロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフ
ェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベ
ンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−
クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホ
リノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォ
スフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオ
キサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、およびビス−(2,6−ジメトキシベンゾ
イル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられ、これらの
うちから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
第1のインク中における光重合開始剤の含有量は、0.5質量%以上10質量%以下で
あるのが好ましい。光重合開始剤の含有量が前記範囲内の値であると、紫外線硬化速度が
十分大きく、且つ、光重合開始剤の溶け残りや光重合開始剤に由来する着色がほとんどな
い。
第1のインクがスリップ剤を含むものであると、レベリング作用により記録物の表面が
平滑になり、耐擦性が向上する。
スリップ剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル変性シリコーンやポ
リエーテル変性シリコーン、ポリアクリレート変性シリコーン等のシリコーン系界面活性
剤、ポリアクリレート、ポリエステル等の高分子系界面活性剤を用いることができ、ポリ
エーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、また
は、ポリアクリレート変性ジメチルシロキサンを用いることが好ましい。
なお、第1のインクは、重合禁止剤を含むものであってもよいが、重合禁止剤を含む場
合であっても、第1のインク中における重合禁止剤の含有率は、0.6質量%以下である
のが好ましく、0.2質量%以下であるのがより好ましい。これにより、相対的に、イン
ク中における重合性化合物の含有率を高いものとすることができるため、印刷部の耐擦性
等を特に優れたものとすることができる。
第1のインクの室温(20℃)での粘度は、20mPa・s以下であるのが好ましく、
3mPa・s以上15mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、インクジェ
ット法による液滴吐出を好適に行うことができる。
本発明のインクセットは、第1のインクとして、少なくとも1種のインクを備えていれ
ばよいが、複数種の第1のインクを備えるものであってもよい。例えば、互いに色調の異
なる金属粉末を含む複数種の第1のインクを備えるものであってもよい。より具体的には
、例えば、金色の金属材料で構成された金属粉末を含むインクと、銀色の金属材料で構成
された金属粉末を含むインクとを備えるものであってもよい。
[第2のインク]
次に、本発明のインクセットを構成する第2のインクについて説明する。
第2のインクは、前述した第1のインクと同様に、紫外線硬化性を有する重合性化合物
と金属粉末とを含有するものであるが、金属粉末の含有率が、第1のインクよりも低いも
のである。このように、金属粉末の含有率が互いに異なる第1のインクと第2のインクと
を備えることにより、グラデーションのある金属調の印刷部を備えた記録物を好適に製造
することができる。
<金属粉末>
第2のインク中における金属粉末の含有率は、第1のインク中における金属粉末の含有
率よりも低いものであればよいが、0.1質量%以上0.8質量%以下であるのが好まし
い。これにより、第2のインクの吐出安定性、信頼性を特に優れたものとすることができ
るとともに、第1のインクと第2のインクとを組み合わせて用いることによる本発明の効
果がより顕著に発揮されることとなり、グラデーションガンマカーブのさらなる向上を図
ることができる。
また、第1のインク中に含まれる金属粉末の含有率をX[質量%]、第2のインク中
に含まれる金属粉末の含有率をX[質量%]としたとき、0.1≦X/X≦0.5
の関係を満足するのが好ましく、0.2≦X/X≦0.4の関係を満足するのがより
好ましい。このような関係を満足することにより、インクセットを用いて製造される記録
物において、より高い階調の表現が可能となる。これに対し、X/Xの値が前記下限
値未満であると、最終的に得られる記録物の印刷部において、金属粉末による被覆率を十
分に高いものとすることが困難となり、光沢むらを生じる可能性がある。また、X/X
の値が前記上限値を超えると、インクによるドットの表面の凹凸が大きくなり、光沢感
の低下を生じる可能性がある。
第2のインクを構成する金属粉末としては、第1のインクの構成成分として説明したの
と同様のものを用いることができる。これにより、上述したのと同様の効果が得られる。
なお、第2のインクを構成する金属粉末は、第1のインクを構成する金属粉末と同一の条
件を満足するものであってもよいし、異なる条件のものであってもよい。例えば、第2の
インクを構成する金属粉末は、第1のインクを構成する金属粉末とは、異なる大きさのも
のや、異なる材料で構成されたもの、異なる表面処理剤で表面処理されたもの等であって
もよい。
<重合性化合物>
第2のインクを構成する重合性化合物としては、第1のインクの構成成分として説明し
たのと同様のものを用いることができる。これにより、上述したのと同様の効果が得られ
る。なお、第2のインクを構成する重合性化合物は、第1のインクを構成する重合性化合
物と同一の条件を満足するものであってもよいし、異なる条件のものであってもよい。例
えば、第2のインクを構成する重合性化合物は、第1のインクを構成する重合性化合物と
は、異なる組成のものや、異なる分子量のもの等であってもよい。
第2のインクが上述したような脂環構造を有するモノマーを含むものである場合、第2
のインク中における脂環構造を有するモノマーの含有率は、40質量%以上90質量%以
下であるのが好ましく、50質量%以上88質量%以下であるのがより好ましく、55質
量%以上85質量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、金属粉末の分散安定性
を特に優れたものとし、長期にわたって特に優れた吐出安定性が得られる。特に、第2の
インクが分散剤を含まないものであっても、上記のような優れた効果が得られる。なお、
第2のインクは、脂環構造を有するモノマーとして2種以上の化合物を含むものであって
もよい。この場合、これらの含有率の総和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
第2のインクが上述したような脂環構造中にヘテロ原子を含む単官能モノマーを含むも
のである場合、第2のインク中における前記単官能モノマー(脂環構造中にヘテロ原子を
含む単官能モノマー)の含有率は、10質量%以上80質量%以下であるのが好ましく、
15質量%以上75質量%以下であるのがより好ましい。これにより、硬化収縮を抑制し
、散乱が少なく、より光沢感に優れたパターン(印刷部)を備えた記録物の製造に好適に
用いることができる。なお、第2のインクは、脂環構造中にヘテロ原子を含む単官能モノ
マーとして2種以上の化合物を含むものであってもよい。この場合、これらの含有率の総
和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
第2のインクが上述したような脂環構造を有するモノマー以外のモノマーを含むもので
ある場合、第2のインク中における当該脂環構造を有するモノマー以外のモノマーの含有
率は、5質量%以上50質量%以下であるのが好ましく、10質量%以上40質量%以下
であるのがより好ましい。これにより、第2のインクの硬化速度、可撓性、硬化時におけ
る収縮率等の調整がさらに容易になる。なお、第2のインクは、脂環構造を有さないモノ
マーとして2種以上の化合物を含むものであってもよい。この場合、これらの含有率の総
和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
第2のインク中における重合性化合物の含有率は、70質量%以上99質量%以下であ
るのが好ましく、80質量%以上98質量%以下であるのがより好ましい。これにより、
インクの保存安定性、吐出安定性、硬化性をさらに優れたものとすることができるととも
に、製造される記録物の光沢感、耐擦性等をさらに優れたものとすることができる。なお
、第2のインクは、重合性化合物として2種以上の化合物を含むものであってもよい。こ
の場合、これらの化合物の含有率の総和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
<重合体>
第2のインクは、前述した第1のインクと同様に、金属粉末、重合性化合物に加え、重
合体、特に、当該インク(第2のインク)を構成する液体成分に可溶で、かつ、重量平均
分子量が1000以上30000以下の重合体を含むものであってもよい。これにより、
上述したのと同様の効果が得られる。
第2のインクを構成する重合体としては、第1のインクの構成成分として説明したのと
同様のものを用いることができる。これにより、上述したのと同様の効果が得られる。な
お、第2のインクを構成する重合体は、第1のインクを構成する重合体と同一の条件を満
足するものであってもよいし、異なる条件のものであってもよい。例えば、第2のインク
を構成する重合体は、第1のインクを構成する重合体とは、異なる組成のものや、異なる
分子量のもの等であってもよい。
第2のインク中における前記重合体(当該インクを構成する液体成分に可溶で、所定の
重量平均分子量を有する重合体)の含有率は、0.5質量%以上20.0質量%以下であ
るのが好ましく、1.0質量%以上18.0質量%以下であるのがより好ましく、2.0
質量%以上16.0質量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、上述したような
効果がより顕著に発揮される。なお、第1のインクは、当該インクを構成する液体成分に
可溶で、所定の重量平均分子量を有する重合体を2種以上含むものであってもよい。この
場合、これらの含有率の総和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
<非硬化性液体成分>
第2のインクは、前述した第1のインクと同様に、紫外線硬化性を有さない非硬化性液
体成分を含むものであってもよい。これにより、上述したのと同様の効果が得られる。
第2のインクを構成する非硬化性液体成分としては、第1のインクの構成成分として説
明したのと同様のものを用いることができる。これにより、上述したのと同様の効果が得
られる。なお、第2のインクを構成する非硬化性液体成分は、第1のインクを構成する非
硬化性液体成分と同一の条件を満足するものであってもよいし、異なる条件のものであっ
てもよい。例えば、第2のインクを構成する非硬化性液体成分は、第1のインクを構成す
る非硬化性液体成分とは、異なる組成のもの等であってもよい。
第2のインクが非硬化性液体成分を含むものである場合、当該インク中における非硬化
性液体成分の含有率は、0.05質量%以上10.0質量%以下であるのが好ましく、0
.2質量%以上7.0質量%以下であるのがより好ましく、0.5質量%以上5.0質量
%以下であるのがさらに好ましい。これにより、他の成分(金属粉末、重合性化合物、重
合体等)の機能を十分に発揮させつつ、上述したような非硬化性液体成分を含むことによ
る効果をより顕著に発揮させることができる。
特に、第2のインクが非硬化性液体成分として炭素数が2以上4以下のアルコール成分
を含むものである場合、第2のインク中における前記アルコール化合物(炭素数が2以上
4以下のアルコール成分)の含有率は、0.05質量%以上7.0質量%以下であるのが
好ましく、0.2質量%以上5.0質量%以下であるのがより好ましく、0.5質量%以
上4.0質量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、上述したような効果がより
顕著に発揮される。なお、第2のインクは、炭素数が2以上4以下のアルコール成分を2
種以上含むものであってもよい。この場合、これらの含有率の総和が前記範囲内の値であ
るのが好ましい。
また、第2のインクが非硬化性液体成分としてポリエーテル系溶剤を含むものである場
合、第2のインク中における前記ポリエーテル系溶剤の含有率は、0.05質量%以上7
.0質量%以下であるのが好ましく、0.2質量%以上5.0質量%以下であるのがより
好ましく、0.5質量%以上4.0質量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、
上述したような効果がより顕著に発揮される。なお、第2のインクは、ポリエーテル系溶
剤(ポリエーテル系化合物)を2種以上含むものであってもよい。この場合、これらの含
有率の総和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
また、第2のインクが非硬化性液体成分としてヘテロ原子を有する脂環構造を備えた化
合物を含むものである場合、第2のインク中における前記ヘテロ原子を有する脂環構造を
備えた液体成分の含有率は、0.05質量%以上7.0質量%以下であるのが好ましく、
0.2質量%以上5.0質量%以下であるのがより好ましく、0.5質量%以上4.0質
量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、上述したような効果がより顕著に発揮
される。なお、第2のインクは、ヘテロ原子を有する脂環構造を備えた液体成分を2種以
上含むものであってもよい。この場合、これらの含有率の総和が前記範囲内の値であるの
が好ましい。
<物質A>
第2のインクは、前述した第1のインクと同様に、上記式(5)で示される部分構造を
有する物質Aを含むものであってもよい。これにより、上述したのと同様の効果が得られ
る。
第2のインクを構成する物質Aとしては、第1のインクの構成成分として説明したのと
同様のものを用いることができる。これにより、上述したのと同様の効果が得られる。な
お、第2のインクを構成する物質Aは、第1のインクを構成する物質Aと同一の条件を満
足するものであってもよいし、異なる条件のものであってもよい。例えば、第2のインク
を構成する物質Aは、第1のインクを構成する物質Aとは、異なる組成のもの(例えば、
、R〜Rのうち少なくとも1つが互いに異なるもの)等であってもよい。
第2のインクが非硬化性液体成分を含むものである場合、第2のインク中における物質
Aの含有率は、0.1質量%以上5.0質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以
上3.0質量%以下であるのがより好ましい。これにより、インクの保存安定性、吐出安
定性、硬化性をさらに優れたものとすることができるとともに、製造される記録物の光沢
感、耐擦性等をさらに優れたものとすることができる。なお、第2のインクは、物質Aと
して2種以上の化合物を含むものであってもよい。この場合、これらの化合物の含有率の
総和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
第2のインク中における物質Aの含有率をX[質量%]、第2のインク中における金
属粉末の含有率をX[質量%]としたとき、0.01≦X/X≦0.8の関係を満
足するのが好ましく、0.05≦X/X≦0.4の関係を満足するのがより好ましい
。このような関係を満足することにより、インクの保存安定性、吐出安定性をさらに優れ
たものとすることができるとともに、印刷部の光沢感、耐擦性をさらに優れたものとする
ことができる。
<分散剤>
第2のインクは、前述した第1のインクと同様に、金属粉末の分散剤を含むものであっ
てもよい。これにより、インクの保存安定性をより優れたものとすることができる。
第2のインクを構成する分散剤としては、第1のインクの構成成分として説明したのと
同様のものを用いることができる。これにより、上述したのと同様の効果が得られる。な
お、第2のインクを構成する分散剤は、第1のインクを構成する分散剤と同一の条件を満
足するものであってもよいし、異なる条件のものであってもよい。例えば、第2のインク
を構成する分散剤は、第1のインクを構成する分散剤とは、異なる組成のもの、アミン価
の異なるもの等であってもよい。
第2のインクが分散剤を含むものである場合、第2のインク中における分散剤の含有率
は、5.0質量%以下であるのが好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下である
のがより好ましい。これにより、製造される記録物の光沢感を十分に優れたものとしつつ
、インクの保存安定性、吐出安定性、硬化性をさらに優れたものとすることができる。な
お、第2のインクは、塩基性高分子分散剤として2種以上の化合物を含むものであっても
よい。この場合、これらの化合物の含有率の総和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
なお、分散剤の含有率が高すぎると、金属粉末の分散安定性が過度に向上することで、記
録媒体に付与されたインクにおいて、金属粉末の内部存在比率が高まり、付与されたイン
クの外表面付近に、金属粉末を好適に配列させることが困難となり、最終的に得られる記
録物(印刷部)の光沢感を十分に優れたものとすることが困難になる可能性がある。
<その他の成分>
第2のインクは、上述した以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。
第2のインクを構成するその他の成分としては、第1のインクの構成成分として説明し
たのと同様のものを用いることができる。これにより、上述したのと同様の効果が得られ
る。なお、第2のインクを構成する非硬化性液体成分は、第1のインクを構成する非硬化
性液体成分と同一の条件を満足するものであってもよいし、異なる条件のものであっても
よい。例えば、第2のインクを構成する非硬化性液体成分は、第1のインクを構成する非
硬化性液体成分とは、異なる組成のもの等であってもよい。
特に、第2のインクがその他の成分として光重合開始剤を含むものである場合、第2の
インク中における光重合開始剤の含有量は、0.5質量%以上10質量%以下であるのが
好ましい。光重合開始剤の含有量が前記範囲内の値であると、紫外線硬化速度が十分大き
く、且つ、光重合開始剤の溶け残りや光重合開始剤に由来する着色がほとんどない。
第2のインクは、重合禁止剤を含むものであってもよいが、重合禁止剤を含む場合であ
っても、第2のインク中における重合禁止剤の含有率は、0.6質量%以下であるのが好
ましく、0.2質量%以下であるのがより好ましい。これにより、相対的に、インク中に
おける重合性化合物の含有率を高いものとすることができるため、印刷部の耐擦性等を特
に優れたものとすることができる。
第2のインクの室温(20℃)での粘度は、20mPa・s以下であるのが好ましく、
3mPa・s以上15mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、インクジェ
ット法による液滴吐出を好適に行うことができる。
本発明のインクセットは、第2のインクとして、少なくとも1種のインクを備えていれ
ばよいが、複数種の第2のインクを備えるものであってもよい。例えば、互いに色調の異
なる金属粉末を含む複数種の第2のインクを備えるものであってもよい。より具体的には
、例えば、金色の金属材料で構成された金属粉末を含むインクと、銀色の金属材料で構成
された金属粉末を含むインクとを備えるものであってもよい。
本発明のインクセットは、上述したような第1のインクと第2のインクとを備えるもの
であればよいが、さらに、その他のインク(第1のインク、第2のインク以外のインク)
を備えるものであってもよい。このようなインクとしては、以下に述べるような着色イン
ク、クリアインク等が挙げられる。
[着色インク]
本発明のインクセットは、第1のインクおよび第2のインクに加え、着色剤を含む着色
インクを備えているのが好ましい。これにより、金属色に加え、他の様々な色調の表現が
可能となるとともに、異なる複数の金属色(例えば、金色と白金色等)をより好適に表現
することができる。その結果、インクセットを用いて製造される記録物の審美性・高級感
を特に優れたものとすることができる。
着色剤としては、各種染料、各種顔料等を用いることができる。
染料としては、例えば、アゾ染料、アントラキノン染料、縮合多環芳香族カルボニル染
料、インジゴイド染料、カルボニウム染料、フタロシアニン染料、メチン,ポリメチン染
料等が挙げられる。染料の具体例としては、例えば、C.I.ダイレクトレッド2,4,
9,23,26,28,31,39,62,63,72,75,76,79,80,81
,83,84,89,92,95,111,173,184,207,211,212,
214,218,221,223,224,225,226,227,232,233,
240,241,242,243,247;C.I.アシッドレッド35,42,51,
52,57,62,80,82,111,114,118,119,127,128,1
31,143,145,151,154,157,158,211,249,254,2
57,261,263,266,289,299,301,305,319,336,3
37,361,396,397;C.I.リアクティブレッド3,13,17,19,2
1,22,23,24,29,35,37,40,41,43,45,49,55;C.
I.ベーシックレッド12,13,14,15,18,22,23,24,25,27,
29,35,36,38,39,45,46;C.I.ダイレクトバイオレット7,9,
47,48,51,66,90,93,94,95,98,100,101;C.I.ア
シッドバイオレット5,9,11,34,43,47,48,51,75,90,103
,126;C.I.リアクティブバイオレット1,3,4,5,6,7,8,9,16,
17,22,23,24,26,27,33,34;C.I.ベーシックバイオレット1
,2,3,7,10,15,16,20,21,25,27,28,35,37,39,
40,48;C.I.ダイレクトイエロー8,9,11,12,27,28,29,33
,35,39,41,44,50,53,58,59,68,87,93,95,96,
98,100,106,108,109,110,130,142,144,161,1
63;C.I.アシッドイエロー17,19,23,25,39,40,42,44,4
9,50,61,64,76,79,110,127,135,143,151,159
,169,174,190,195,196,197,199,218,219,222
,227;C.I.リアクティブイエロー2,3,13,14,15,17,18,23
,24,25,26,27,29,35,37,41,42;C.I.ベーシックイエロ
ー1,2,4,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,
32,36,39,40;C.I.アシッドグリーン16;C.I.アシッドブルー9,
45,80,83,90,185;C.I.ベーシックオレンジ21,23;C.I.デ
ィスパースレッド54,60,73,92;C.I.ディスパースイエロー51,54,
64,79;C.I.ディスパースブルー56,79,81,139;C.I.ソルベン
トレッド23,24,26;C.I.ソルベントイエロー2,7,14;C.I.ソルベ
ントブルー37,38等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合
わせて用いることができる。
顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,
9,10,11,12,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30
,31,32,37,38,40,41,42,48:1,48:2,48:3,48:
4,49:1,49:2,50:1,52:1,53:1,57,57:1,57:2,
58:2,58:4,60:1,63:1,63:2,64:1,81,81:1,83
,88,90:1,97,101,102,104,105,106,108,108:
1,112,113,114,122,123,144,146,149,150,15
1,166,168,170,171,172,174,175,176,177,17
8,179,180,185,187,188,190,193,194,202,20
6,207,208,209,215,216,220,224,226,242,24
3,245,254,255,264,265;C.I.ピグメントグリーン7,36,
15,17,18,19,26,50,58;C.I.ピグメントブルー1,15,15
:1,15:2,15:3,15:4,15:6,17:1,18,60,27,28,
29,35,36,60,80;C.I.ピグメントイエロー1,3,12,13,14
,15,16,17,20,24,31,34,35,35:1,37,37:1,42
,43,53,55,60,61,65,71,73,74,81,83,93,94,
95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113
,114,116,117,119,120,126,127,128,129,138
,139,150,151,152,153,154,155,156,157,166
,168,175,180,184,185;C.I.ピグメントバイオレット1,3,
14,16,19,23,29,32,36,38,50;C.I.ピグメントオレンジ
1,5,13,14,16,17,20,20:1,24,34,36,38,40,4
3,46,49,51,61,63,64,71,73,104;C.I.ピグメントブ
ラウン7,11,23,25,33;C.I.ピグメントブラック1,7や、これらの誘
導体等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いること
ができる。
また、着色剤は、各種表面処理が施されたものであってもよい。
着色インク中における着色剤の含有率は、0.05質量%以上11.0質量%以下であ
るのが好ましく、0.5質量%以上5.0質量%以下であるのがより好ましい。なお、着
色インクは、複数種の着色剤を含むものであってもよい。この場合、これらの含有率の総
和が前記範囲内の値であるのが好ましい。
着色インクは、着色剤を含み、かつ、金属粉末を含まないものであればよいが、重合性
化合物を含むものであるのが好ましい。これにより、インクセットを用いて製造される記
録物の耐擦性、耐久性を特に優れたものとすることができる。着色インクを構成する重合
性化合物としては、第1のインクの構成成分として説明したのと同様のものを用いること
ができる。これにより、上述したのと同様の効果が得られる。なお、着色インクを構成す
る重合性化合物は、第1のインクや第2のインクを構成する重合性化合物と同一の条件を
満足するものであってもよいし、異なる条件のものであってもよい。例えば、着色インク
を構成する重合性化合物は、第1のインクや第2のインクを構成する重合性化合物とは、
異なる組成のものや、異なる分子量のもの等であってもよい。
着色インク中における重合性化合物の含有率は、40質量%以上90質量%以下である
のが好ましく、50質量%以上88質量%以下であるのがより好ましく、55質量%以上
85質量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、長期にわたって特に優れた吐出
安定性が得られる。なお、着色インクは、重合性化合物として2種以上の化合物を含むも
のであってもよい。この場合、これらの含有率の総和が前記範囲内の値であるのが好まし
い。
着色インクは、上記以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、
例えば、前述した第1のインクの構成成分として説明した重合体、非硬化性液体成分、物
質A、分散剤、その他の成分等が挙げられる。
着色インクの室温(20℃)での粘度は、20mPa・s以下であるのが好ましく、3
mPa・s以上15mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、インクジェッ
ト法による液滴吐出を好適に行うことができる。
本発明のインクセットが着色インクを備えるものである場合、インクセットを構成する
着色インクは1種であってもよいし、複数種であってもよい。例えば、互いに色調の異な
る着色剤を含む複数種の着色インクを備えるものであってもよい。
[クリアインク]
本発明のインクセットは、第1のインクおよび第2のインクに加え、金属粉末、着色剤
を含まず、重合性化合物を含有するクリアインクを備えているのが好ましい。これにより
、インクセットを用いて製造される記録物において、印刷部の光沢感を特に優れたものと
することができたり、記録物の耐擦性、耐久性を特に優れたものとすることができる。
クリアインクを構成する重合性化合物としては、第1のインクの構成成分として説明し
たのと同様のものを用いることができる。これにより、上述したのと同様の効果が得られ
る。なお、クリアインクを構成する重合性化合物は、第1のインクや第2のインク、着色
インクを構成する重合性化合物と同一の条件を満足するものであってもよいし、異なる条
件のものであってもよい。例えば、クリアインクを構成する重合性化合物は、第1のイン
クや第2のインク、着色インクを構成する重合性化合物とは、異なる組成のものや、異な
る分子量のもの等であってもよい。
クリアインク中における重合性化合物の含有率は、40質量%以上90質量%以下であ
るのが好ましく、50質量%以上88質量%以下であるのがより好ましく、55質量%以
上85質量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、長期にわたって特に優れた吐
出安定性が得られる。なお、クリアインクは、重合性化合物として2種以上の化合物を含
むものであってもよい。この場合、これらの含有率の総和が前記範囲内の値であるのが好
ましい。
クリアインクは、上記以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては
、例えば、前述した第1のインクの構成成分として説明した重合体、非硬化性液体成分、
物質A、分散剤、その他の成分等が挙げられる。
クリアインクの室温(20℃)での粘度は、20mPa・s以下であるのが好ましく、
3mPa・s以上15mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、インクジェ
ット法による液滴吐出を好適に行うことができる。
本発明のインクセットがクリアインクを備えるものである場合、インクセットを構成す
るクリアインクは1種であってもよいし、複数種であってもよい。例えば、含有する重合
性化合物の組成が互いに異なる複数種のクリアインクを備えるものであってもよい。
《記録物の製造方法》
次に、本発明の記録物の製造方法について説明する。
本発明の記録物の製造方法は、上述したようなインクセット構成するインク(第1のイ
ンクおよび第2のインクを含む複数種のインク)を、インクジェット法により吐出し、こ
れらを紫外線照射により硬化させることを特徴とする。これにより、グラデーションのあ
る金属調の印刷部を備えた記録物を生産性良く製造することのできる記録物の製造方法を
提供することができる。
以下、本発明の記録物の製造方法について、好適な実施例に基づいて、より詳細に説明
する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の記録物の製造方法の第1実施形態を説明するための断面図、図2は、
記録物の製造に用いる液滴吐出装置を示す斜視図、図3は、図2に示す液滴吐出装置にお
ける液滴吐出手段をステージ側から観察した図、図4は、図2に示す液滴吐出装置におけ
る液滴吐出ヘッドの底面を示す図、図5は、図2に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘ
ッドを示す図であり、(a)は断面斜視図、(b)は断面図である。
本実施形態の記録物の製造方法は、記録媒体50上に、インクジェット法によりクリア
インク1Aを付与するクリアインク付与工程(1a)と、紫外線の照射によりクリアイン
ク1Aを硬化させるクリアインク硬化工程(1b)と、インクジェット法により第1のイ
ンク1Bを付与する第1のインク付与工程(1c)と、紫外線の照射により第1のインク
1Bを硬化させる第1のインク硬化工程(1d)と、インクジェット法により第2のイン
ク1Cを付与する第2のインク付与工程(1e)と、紫外線の照射により第2のインク1
Cを硬化させる第2のインク硬化工程(1f)と、インクジェット法により着色インク1
Dを付与する着色インク付与工程(1g)と、紫外線の照射により着色インク1Dを硬化
させる着色インク硬化工程(1h)とを有している。
まず、インクセットを構成する各インク(クリアインク1A、第1のインク1B、第2
のインク1C、および、着色インク1D)の吐出について説明する。インクセットを構成
する各インク(クリアインク1A、第1のインク1B、第2のインク1C、および、着色
インク1D)の吐出は、図2〜図5に示すような液滴吐出装置を用いて行う。
図2に示すように、インクの吐出に用いる液滴吐出装置100は、インク1(クリアイ
ンク1A、第1のインク1B、第2のインク1C、または、着色インク1D)を保持する
タンク101と、タンク101内のインク1を送液するチューブ(送液チューブ)110
と、チューブ110を介してタンク101からインク1が供給される吐出走査部102と
を備える。吐出走査部102は、複数の液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)114
をキャリッジ105に搭載してなる液滴吐出手段103と、液滴吐出手段103の位置を
制御する第1位置制御装置104(移動手段)と、記録媒体50を保持するステージ10
6と、ステージ106の位置を制御する第2位置制御装置108(移動手段)と、制御手
段112とを備えている。タンク101と、液滴吐出手段103における複数の液滴吐出
ヘッド114とは、チューブ110で連結されており、タンク101から複数の液滴吐出
ヘッド114のそれぞれにインク1が圧縮空気によって供給される。
第1位置制御装置104は、制御手段112からの信号に応じて、液滴吐出手段103
をX軸方向、およびX軸方向に直交するZ軸方向に沿って移動させる。さらに、第1位置
制御装置104は、Z軸に平行な軸の回りで液滴吐出手段103を回転させる機能も有す
る。本実施形態では、Z軸方向は、鉛直方向(つまり重力加速度の方向)に平行な方向で
ある。第2位置制御装置108は、制御手段112からの信号に応じて、X軸方向および
Z軸方向の双方に直交するY軸方向に沿ってステージ106を移動させる。さらに、第2
位置制御装置108は、Z軸に平行な軸の回りでステージ106を回転させる機能も有す
る。
ステージ106は、X軸方向とY軸方向との双方に平行な平面を有する。また、ステー
ジ106は、インク1を付与すべき記録媒体50をその平面上に固定、または保持できる
ように構成されている。
上述のように、液滴吐出手段103は、第1位置制御装置104によってX軸方向に移
動させられる。一方、ステージ106は、第2位置制御装置108によってY軸方向に移
動させられる。つまり、第1位置制御装置104および第2位置制御装置108によって
、ステージ106に対する液滴吐出ヘッド114の相対位置が変わる(ステージ106に
保持された記録媒体50と、液液滴吐出手段103とが相対的に移動する)。
制御手段112は、インク1を吐出すべき相対位置を表す吐出データを外部情報処理装
置から受け取るように構成されている。
図3に示すように、液滴吐出手段103は、それぞれほぼ同じ構造を有する複数の液滴
吐出ヘッド114と、これらの液滴吐出ヘッド114を保持するキャリッジ105とを有
している。本実施形態では、液滴吐出手段103に保持される液滴吐出ヘッド114の数
は8個である。それぞれの液滴吐出ヘッド114は、後述する複数のノズル118が設け
られた底面を有している。それぞれの液滴吐出ヘッド114のこの底面の形状は、2つの
長辺と2つの短辺とを有する多角形である。液滴吐出手段103に保持された液滴吐出ヘ
ッド114の底面はステージ106側を向いており、さらに、液滴吐出ヘッド114の長
辺方向と短辺方向とは、それぞれX軸方向とY軸方向とに平行である。
図4に示すように、液滴吐出ヘッド114は、X軸方向に並んだ複数のノズル118を
有する。これら複数のノズル118は、液滴吐出ヘッド114におけるX軸方向のノズル
ピッチHXPが所定の値となるように配置されている。ノズルピッチHXPの具体的な値
は、特に限定されないが、例えば、50〜90μmとすることができる。ここで、「液滴
吐出ヘッド114におけるX軸方向のノズルピッチHXP」は、液滴吐出ヘッド114に
おけるノズル118のすべてをY軸方向に沿ってX軸上に射像して得られた複数のノズル
像間のピッチに相当する。
本実施形態では、液滴吐出ヘッド114における複数のノズル118は、ともにX軸方
向に延びるノズル列116Aと、ノズル列116Bとをなす。ノズル列116Aと、ノズ
ル列116Bとは、間隔を空けて並行に配置されている。そして、本実施形態においては
、ノズル列116Aおよびノズル列116Bのそれぞれにおいて、90個のノズル118
が一定間隔LNPでX軸方向に一列に並んでいる。LNPの具体的な値は、特に限定され
ないが、100〜180μmとすることができる。
ノズル列116Bの位置は、ノズル列116Aの位置に対して、ノズルピッチLNPの
半分の長さだけX軸方向の正の方向(図4の右方向)にずれている。このため、液滴吐出
ヘッド114のX軸方向のノズルピッチHXPは、ノズル列116A(またはノズル列1
16B)のノズルピッチLNPの半分の長さである。
したがって、液滴吐出ヘッド114のX軸方向のノズル線密度は、ノズル列116A(
またはノズル列116B)のノズル線密度の2倍である。なお、本明細書において「X軸
方向のノズル線密度」とは、複数のノズルをY軸方向に沿ってX軸上に射像して得られた
複数のノズル像の単位長さ当たりの数に相当する。もちろん、液滴吐出ヘッド114が含
むノズル列の数は、2つだけに限定されない。液滴吐出ヘッド114はM個のノズル列を
含んでもよい。ここで、Mは1以上の自然数である。この場合には、M個のノズル列のそ
れぞれにおいて複数のノズル118は、ノズルピッチHXPのM倍の長さのピッチで並ぶ
。さらに、Mが2以上の自然数の場合には、M個のノズル列のうちの一つに対して、他の
(M−1)個のノズル列は、ノズルピッチHXPのi倍の長さだけ重複無くX軸方向にず
れている。ここで、iは1から(M−1)までの自然数である。
さて、本実施形態では、ノズル列116Aおよびノズル列116Bのそれぞれが90個
のノズル118からなるため、1つの液滴吐出ヘッド114は180個のノズル118を
有する。ただし、ノズル列116Aの両端のそれぞれ5ノズルは「休止ノズル」として設
定されている。同様に、ノズル列116Bの両端のそれぞれ5ノズルも「休止ノズル」と
して設定されている。そして、これら20個の「休止ノズル」からはインク1が吐出され
ない。このため、液滴吐出ヘッド114における180個のノズル118のうち、160
個のノズル118がインク1を吐出するノズルとして機能する。
図3に示すように、液滴吐出手段103においては、複数個の上記液滴吐出ヘッド11
4がX軸方向に沿って2列に配置されている。一方の列の液滴吐出ヘッド114と他方の
列の液滴吐出ヘッド114とは、休止ノズル分を考慮して、Y軸方向から見て一部重なる
ように配置されている。これにより、液滴吐出手段103においては、記録媒体50のX
軸方向の寸法分の長さに渡り、インク1を吐出するノズル118が前記ノズルピッチHX
PでX軸方向に連続するように構成されている。
本実施形態の液滴吐出手段103では、記録媒体50のX軸方向の寸法分の長さ全体を
カバーするように液滴吐出ヘッド114を配置しているが、本発明における液滴吐出手段
は、記録媒体50のX軸方向の寸法分の長さの一部をカバーするようにものでもよい。
図に示すように、それぞれの液滴吐出ヘッド114は、インクジェットヘッドである。
より具体的には、それぞれの液滴吐出ヘッド114は、振動板126と、ノズルプレート
128とを備えている。振動板126と、ノズルプレート128との間には、タンク10
1から孔131を介して供給されるインク1が常に充填される液たまり129が位置して
いる。
また、振動板126と、ノズルプレート128との間には、複数の隔壁122が位置し
ている。そして、振動板126と、ノズルプレート128と、1対の隔壁122とによっ
て囲まれた部分がキャビティ120である。キャビティ120はノズル118に対応して
設けられているため、キャビティ120の数とノズル118の数とは同じである。キャビ
ティ120には、1対の隔壁122間に位置する供給口130を介して、液たまり129
からインク1が供給される。
振動板126上には、それぞれのキャビティ120に対応して、振動子124が位置す
る。振動子124は、ピエゾ素子124Cと、ピエゾ素子124Cを挟む1対の電極12
4A、124Bとを含む。この1対の電極124A、124Bとの間に駆動電圧を与える
ことで、対応するノズル118からインク1が吐出される。なお、ノズル118からZ軸
方向にインク1が吐出されるように、ノズル118の形状が調整されている。
制御手段112(図2参照)は、複数の振動子124のそれぞれに互いに独立に信号を
与えるように構成されていてもよい。つまり、ノズル118から吐出されるインク1の体
積が、制御手段112からの信号に応じてノズル118毎に制御されてもよい。また、制
御手段112は、塗布走査の間に吐出動作を行うノズル118と、吐出動作を行わないノ
ズル118とを設定することでもできる。
本明細書では、1つのノズル118と、ノズル118に対応するキャビティ120と、
キャビティ120に対応する振動子124とを含んだ部分を「吐出部127」と表記する
こともある。この表記によれば、1つの液滴吐出ヘッド114は、ノズル118の数と同
じ数の吐出部127を有する。
上記のような装置を用いることにより、優れた位置精度で、かつ、効率よく、所望の部
位にインク1を付与することができる。なお、図示の構成では、液滴吐出装置100は、
インク1を保持するタンク101、チューブ110等を1種類のインク分しか有していな
いが、これらの部材を、インクセットを構成するインクの種類数の分だけ有するものであ
ってもよい。また、記録物10の製造においては、インクセットを構成する複数種のイン
クに対応するように、複数台の液滴吐出装置100を用いてもよい。この場合、各駅的吐
出装置の構成は、同一であっても、異なるものであってもよい。
以下、各工程について詳細に説明する。
<クリアインク付与工程>
本工程では、記録媒体50上に、インクジェット法によりクリアインク1Aを付与する
(1a)。
これにより、記録媒体50が表面の凹凸の大きいもの(例えば、表面粗さRaが3μm
以上のもの)であっても、後の工程で、金属粉末を含むインク(第1のインク1B、第2
のインク1C)を、当該クリアインク1Aが付与された部位に重なるように付与すること
により、金属粉末を含むインク(第1のインク1B、第2のインク1C)を用いて形成さ
れる印刷部の表面の平滑性を優れたものとすることができ、記録物10の光沢感・高級感
を特に優れたものとすることができる。
記録媒体50としては、インク吸収性またはインク非吸収性のいずれを用いてもよく、
例えば、紙(普通紙、インクジェット用専用紙等)、プラスチック材料、金属、セラミッ
クス、木材、貝殻、綿、ポリエステル、ウール等の天然繊維・合成繊維、不織布等を用い
ることができる。
本工程では、クリアインク1Aを、記録媒体50の全面に付与してもよいし、記録媒体
50の一部のみに付与してもよいが、少なくとも、後の工程で、金属粉末を含むインク(
第1のインク1B、第2のインク1C)が付与されるべき部位に対応する部位に付与され
るものであるのが好ましい。これにより、上述したような効果がより確実に発揮される。
<クリアインク硬化工程>
次に、紫外線の照射により、記録媒体50に付与されたクリアインク1Aを硬化させ、
硬化部1A’を形成する(1b)。このように、他のインクの付与に先立ち、クリアイン
ク1Aを硬化させることにより、流動性を有するクリアインク1Aと他のインクとが重な
り合うことによる、不本意なインクの拡散をより効果的に防止することができ、目的とす
るパターンの印刷部をより確実に形成することができる。また、クリアインク1Aと重な
るように付与されるインク中における金属粉末や着色剤の含有率が比較的高いものである
場合において、他のインクの付与を付与した後にクリアインク1Aを硬化させようとした
場合には、前記金属粉末や着色剤が、クリアインク1Aの硬化を妨げ、クリアインク1A
の硬化が不十分となる、記録物10の生産性が低下する等の問題を生じる可能性があるが
、他のインクの付与に先立ちクリアインク1Aを硬化させることにより、このような問題
の発生をより確実に防止することができる。
紫外線源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオー
ド(UV−LED)、紫外線レーザダイオード(UV−LD)等を用いることができる。
中でも、小型、高寿命、高効率、低コストの観点から、紫外線発光ダイオード(UV−L
ED)および紫外線レーザダイオード(UV−LD)が好ましい。
また、本工程では、紫外線の照射とともに、加熱処理を行ってもよい。これにより、ク
リアインク1Aの硬化反応が促進され、記録物10の生産性を特に優れたものとすること
ができる。また、クリアインク1Aが非硬化性液体成分を含む場合に、当該非硬化性液体
成分を効率よくかつ確実に揮発させることができ、記録物10の生産性を特に優れたもの
とすることができるとともに、最終的に得られる記録物10に非硬化性液体成分が残存す
ることによる弊害の発生をより確実に防止することができる。
また、本工程では、減圧処理を施してもよい。これにより、クリアインク1Aが非硬化
性液体成分を含む場合に、当該非硬化性液体成分を効率よくかつ確実に揮発させることが
でき、記録物10の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、最終的に得ら
れる記録物10に非硬化性液体成分が残存することによる弊害の発生をより確実に防止す
ることができる。
本工程において、紫外線は、いかなる方向から照射してもよく、例えば、クリアインク
1Aの外表面側(記録媒体50に対向する面とは反対の面側)から照射してもよいし、ク
リアインク1Aの内表面側から照射(記録媒体50を介してクリアインク1Aに照射)し
てもよい。
<第1のインク付与工程>
本工程では、クリアインク1Aによる硬化部1A’が設けられた記録媒体50上に、イ
ンクジェット法により第1のインク1Bを付与する(1c)。
第1のインク1Bは、いかなる部位に付与されるものであってもよいが、図示の構成で
は、クリアインク1Aによる硬化部1A’上に付与されている。これにより、記録物10
の光沢感・高級感を特に優れたものとすることができる。これは、以下のような理由によ
るものであると考えられる。すなわち、記録媒体50そのものの表面が凹凸の大きいもの
(例えば、表面粗さRaが3μm以上のもの)である場合でも、クリアインク1Aによる
硬化部1A’により、第1のインク1Bが付与される表面の凹凸が緩和されたものとなっ
ている。その結果、第1のインク1B中に含まれる金属粉末を第1のインク1Bの表面付
近に好適に配列されることができ、結果として、記録物10の光沢感・高級感を特に優れ
たものとすることができる。
<第1のインク硬化工程>
次に、紫外線の照射により、第1のインク1Bを硬化させ、硬化部1B’を形成する(
1d)。
紫外線源としては、クリアインク硬化工程で説明したようなものを用いることができる
また、本工程では、紫外線の照射とともに、加熱処理を行ってもよい。これにより、第
1のインク1Bの硬化反応が促進され、記録物10の生産性を特に優れたものとすること
ができる。また、第1のインク1Bが非硬化性液体成分を含む場合に、当該非硬化性液体
成分を効率よくかつ確実に揮発させることができ、記録物10の生産性を特に優れたもの
とすることができるとともに、最終的に得られる記録物10に非硬化性液体成分が残存す
ることによる弊害の発生をより確実に防止することができる。
また、本工程では、減圧処理を施してもよい。これにより、第1のインク1Bが非硬化
性液体成分を含む場合に、当該非硬化性液体成分を効率よくかつ確実に揮発させることが
でき、記録物10の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、最終的に得ら
れる記録物10に非硬化性液体成分が残存することによる弊害の発生をより確実に防止す
ることができる。
本工程において、紫外線は、いかなる方向から照射してもよく、例えば、第1のインク
1Bの外表面側(記録媒体50に対向する面とは反対の面側)から照射してもよいし、第
1のインク1Bの内表面側から照射(記録媒体50を介して第1のインク1Bに照射)し
てもよい。
<第2のインク付与工程>
本工程では、クリアインク1Aによる硬化部1A’、および、第1のインク1Bによる
硬化部1B’が設けられた記録媒体50上に、インクジェット法により第2のインク1C
を付与する(1e)。
このように、本実施形態では、第1のインク付与工程、第1のインク硬化工程の後に、
第2のインク付与工程を行い、さらにその後に第2のインク硬化工程を行う。これにより
、ラメ調の外観(キラキラした外観)と、鏡面のような外観(ピカピカした外観)との作
り分けを、より好適に行うことができる。
第2のインク1Cは、いかなる部位に付与されるものであってもよいが、図示の構成で
は、クリアインク1Aによる硬化部1A’上に付与されている。これにより、記録物10
の光沢感・高級感を特に優れたものとすることができる。これは、以下のような理由によ
るものであると考えられる。すなわち、記録媒体50そのものの表面が凹凸の大きいもの
(例えば、表面粗さRaが3μm以上のもの)である場合でも、クリアインク1Aによる
硬化部1A’により、第2のインク1Cが付与される表面の凹凸が緩和されたものとなっ
ている。その結果、第2のインク1C中に含まれる金属粉末を第2のインク1Cの表面付
近に好適に配列されることができ、結果として、記録物10の光沢感・高級感を特に優れ
たものとすることができる。
また、図示の構成では、第2のインク1Cは、第1のインク1Aによる硬化部1A’に
隣接する領域(平面視した際に、硬化部1A’に接触する領域であって、硬化部1A’と
重なり合わない領域)に付与されている。これにより、最終的に得られる記録物10にお
いて、より高い階調の表現が可能となる。
また、図示の構成では、第2のインク1Cは、平面視した際に、硬化部1B’と重なり
合う領域であって、硬化部1B’の縁部と接触しない領域に付与されている。これにより
、最終的に得られる記録物10において、より高い階調の表現が可能となる。
<第2のインク硬化工程>
次に、紫外線の照射により、第2のインク1Cを硬化させ、硬化部1C’を形成する(
1f)。
紫外線源としては、クリアインク硬化工程で説明したようなものを用いることができる
また、本工程では、紫外線の照射とともに、加熱処理を行ってもよい。これにより、第
2のインク1Cの硬化反応が促進され、記録物10の生産性を特に優れたものとすること
ができる。また、第2のインク1Cが非硬化性液体成分を含む場合に、当該非硬化性液体
成分を効率よくかつ確実に揮発させることができ、記録物10の生産性を特に優れたもの
とすることができるとともに、最終的に得られる記録物10に非硬化性液体成分が残存す
ることによる弊害の発生をより確実に防止することができる。
また、本工程では、減圧処理を施してもよい。これにより、第2のインク1Cが非硬化
性液体成分を含む場合に、当該非硬化性液体成分を効率よくかつ確実に揮発させることが
でき、記録物10の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、最終的に得ら
れる記録物10に非硬化性液体成分が残存することによる弊害の発生をより確実に防止す
ることができる。
本工程において、紫外線は、いかなる方向から照射してもよく、例えば、第2のインク
1Cの外表面側(記録媒体50に対向する面とは反対の面側)から照射してもよいし、第
2のインク1Cの内表面側から照射(記録媒体50を介して第2のインク1Cに照射)し
てもよい。
<着色インク付与工程>
本工程では、クリアインク1Aによる硬化部1A’、第1のインク1Bによる硬化部1
B’、および、第2のインク1Cによる硬化部1C’が設けられた記録媒体50上に、イ
ンクジェット法により着色インク1Dを付与する(1g)。
第2のインク1Cは、いかなる部位に付与されるものであってもよいが、図示の構成で
は、金属粉末を含むインク(第1のインク1B、第2のインク1C)による硬化部(硬化
部1B’、硬化部1C’)上に付与されている。これにより、異なる材質の金属(例えば
、単体金属としての、金および白金等)の色調を好適に表現することができ、記録物10
の審美性、高級感を特に優れたものとすることができる。
<着色インク硬化工程>
次に、紫外線の照射により、着色インク1Dを硬化させ、硬化部1D’を形成する(1
h)。これにより、記録物10が得られる。
紫外線源としては、クリアインク硬化工程で説明したようなものを用いることができる
また、本工程では、紫外線の照射とともに、加熱処理を行ってもよい。これにより、着
色インク1Dの硬化反応が促進され、記録物10の生産性を特に優れたものとすることが
できる。また、着色インク1Dが非硬化性液体成分を含む場合に、当該非硬化性液体成分
を効率よくかつ確実に揮発させることができ、記録物10の生産性を特に優れたものとす
ることができるとともに、最終的に得られる記録物10に非硬化性液体成分が残存するこ
とによる弊害の発生をより確実に防止することができる。
また、本工程では、減圧処理を施してもよい。これにより、着色インク1Dが非硬化性
液体成分を含む場合に、当該非硬化性液体成分を効率よくかつ確実に揮発させることがで
き、記録物10の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、最終的に得られ
る記録物10に非硬化性液体成分が残存することによる弊害の発生をより確実に防止する
ことができる。
本工程において、紫外線は、いかなる方向から照射してもよく、例えば、着色インク1
Dの外表面側(記録媒体50に対向する面とは反対の面側)から照射してもよいし、着色
インク1Dの内表面側から照射(記録媒体50を介して着色インク1Dに照射)してもよ
い。
[第2実施形態]
以下、本発明の記録物の製造方法の第2実施形態についてについて、前述した実施形態
との相違点を中心に説明し、同様の事項の説明は省略する。
図1は、本発明の記録物の製造方法の第1実施形態を説明するための断面図である。
本実施形態の記録物の製造方法は、記録媒体50上に、インクジェット法によりクリア
インク1Aを付与するクリアインク付与工程(2a)と、紫外線の照射によりクリアイン
ク1Aを硬化させるクリアインク硬化工程(2b)と、インクジェット法により第2のイ
ンク1Cを付与する第2のインク付与工程(2c)と、紫外線の照射により第2のインク
1Cを硬化させる第2のインク硬化工程(2d)と、インクジェット法により第1のイン
ク1Bを付与する第1のインク付与工程(2e)と、紫外線の照射により第1のインク1
Bを硬化させる第1のインク硬化工程(2f)と、インクジェット法により着色インク1
Dを付与する着色インク付与工程(2g)と、紫外線の照射により着色インク1Dを硬化
させる着色インク硬化工程(2h)とを有している。
すなわち、本実施形態の記録物の製造方法は、第2のインク付与工程および第2のイン
ク硬化工程を、第1のインク付与工程、第1のインク硬化工程よりも前に行う以外は、前
述した第1実施形態と同様である。このように、第2のインク付与工程および第2のイン
ク硬化工程を、第1のインク付与工程、第1のインク硬化工程よりも前に行うことにより
、記録媒体の表面の凹凸が比較的大きい場合であっても、ラメ調の外観(キラキラした外
観)と、鏡面のような外観(ピカピカした外観)との作り分けを好適に行うことができる
また、本実施形態では、第2のインク1Cの付与に先立ち、記録媒体50上に、金属粉
末を含まないクリアインク1Aを付与する工程を有している。
これにより、記録媒体50が表面の凹凸の大きいもの(例えば、表面粗さRaが3μm
以上のもの)であっても、後の工程で、金属粉末を含むインク(第2のインク1C、第1
のインク1B)を、当該クリアインク1Aが付与された部位に重なるように付与すること
により、金属粉末を含むインク(第2のインク1C、第1のインク1B)を用いて形成さ
れる印刷部の表面の平滑性を優れたものとすることができ、記録物10の光沢感・高級感
を特に優れたものとすることができる。
《記録物》
次に、本発明の記録物について説明する。
本発明の記録物は、上述したような本発明のインクセットを用いて製造されたものであ
る。これにより、グラデーションのある金属調の印刷部を備えた記録物を提供することが
できる。
また、上述したように、本発明のインクセットは、重合性化合物を含むインクを備える
ものであるため、印刷部の記録媒体に対する密着性に優れている。したがって、本発明で
は、記録物の耐久性を優れたものとすることができる。
本発明の記録物は、いかなる用途のものであってもよく、例えば、装飾品やそれ以外に
適用されるものであってもよい。本発明の記録物の具体例としては、コンソールリッド、
スイッチベース、センタークラスタ、インテリアパネル、エンブレム、センターコンソー
ル、メーター銘板等の車両用内装品、各種電子機器の操作部(キースイッチ類)、装飾性
を発揮する装飾部、指標、ロゴ等の表示物等が挙げられる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
例えば、液滴吐出方式(インクジェット法の方式)としては、前述したようなピエゾ方
式に限らず、インクを加熱して発生した泡(バブル)によりインクを吐出させる方式等を
用いてもよい。
また、本発明の記録物は、前述したような方法を用いて製造されたものに限定されない
。例えば、各工程の順番は、前述したようなものに限定されない。より具体的には、前述
した実施形態では、クリアインク付与工程、クリアインク硬化工程を、第1のインク付与
工程、第2のインク付与工程よりも前に行う場合について説明したが、これらの工程は、
第1のインク付与工程よりも後、第2のインク付与工程よりも後に行うものであってもよ
い。また、着色インク付与工程、着色インク硬化工程を、クリアインク付与工程、第1の
インク付与工程、第2のインク付与工程の後に行う場合について説明したが、これらの工
程は、第2のインク付与工程よりも前、第1のインク付与工程よりも前、クリアインク付
与工程よりも前に行うものであってもよい。また、前述した実施形態では、第1のインク
付与工程、および、第2のインク付与工程を、それぞれ、1回ずつ行う場合について説明
したが、これらの工程は、複数回繰り返し行ってもよい。例えば、第1のインク付与工程
の後に、第2のインク付与工程を行い、さらにその後に、第1のインク付与工程、第2の
インク付与工程を行ってもよい。また、同様に、その他の工程(例えば、クリアインク付
与工程、着色インク付与工程等)も複数回繰り返し行うものであってもよい。また、本発
明の記録物の製造においては、上述した各工程に加えて、他の工程(前処理工程、中間処
理工程、後処理工程)を行ってもよい。例えば、前述した実施形態での各硬化工程(クリ
アインク硬化工程、第1のインク硬化工程、第2のインク硬化工程、着色インク硬化工程
)では、インクを完全に硬化させるものではなく、インクを半硬化(仮硬化)させるにと
どめ、後処理工程として、本硬化(完全硬化)させる工程を設けてもよい。
また、前述した実施形態では、第1のインクおよび第2のインクに加え、クリアインク
および着色インクもインクジェット方式により吐出するものとして説明したが、本発明に
おいては、第1のインクおよび第2のインクが、インクジェット方式により吐出されるも
のであればよく、インクセットを構成する他のインクの付与方法は、インクジェット方式
に限定されるものではない。
また、前述した実施形態では、インクセットが第1のインク、第2のインクに加え、着
色インクおよびクリアインクを備える場合について代表的に説明したが、本発明のインク
セットは、少なくとも第1のインクおよび第2のインクを備えていればよく、着色インク
、クリアインクを備えていないものであってもよい。
また、前述した実施形態では、インクセットを構成するインクが、いずれも、紫外線硬
化性を有する重合性化合物を含有する物である場合について説明したが、インクセットを
構成する第1のインクおよび第2のインクが重合性化合物を含有するものであればよく、
紫外線硬化性を有する重合性化合物を含有しないインクを備えるものであってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
[1]インクセットの製造
(実施例1)
<第1のインクの製造>
まず、表面が平滑なポリエチレンテレフタレート製のフィルム(表面粗さRaが0.0
2μm以下)を用意した。
次に、このフィルムの一方の面の全体にシリコーンオイルを塗布した。
次に、シリコーンオイルを塗布した面側に、蒸着法により、Alで構成された膜を形成
した。
次に、Alの膜が形成されたポリエチレンテレフタレート製のフィルム(基材)を、ジ
エチレングリコールジエチルエーテルで構成された液体中に入れ、超音波振動を付与した
。これにより、鱗片状のAl製の粒子(母粒子となるべき粒子)が得られた。
次に、上記のようにして得られたAl製の粒子をフッ素系リン酸エステルとしてのCF
(CF(CHO(P)(OH)の1質量%プロパノール溶液中に投入し
、10秒間攪拌することにより、フッ素系リン酸エステルによる表面処理を行い、その後
、濾別・乾燥することにより、金属粉末を得た。
このようにして得られた金属粉末の平均粒径は0.8μm、平均厚さは、60nmであ
った。
次に、金属粉末を、重合体としてのポリビニルピロリドン(重量平均分子量:1000
0)、非硬化性液体成分としてのエタノール、塩基性で重合体構造を有する分散剤(塩基
性高分子分散剤)としてのDISPERBYK−183(ビックケミー社製)、脂環構造
を有するモノマー(重合性化合物)としてのγ−ブチロラクトンアクリレート、脂環構造
を有さないモノマー(重合性化合物)としてのフェノキシエチルアクリレート、光重合開
始剤としてのIrgacure819(チバ・ジャパン社製)、光重合開始剤としてのS
peedcure TPO(ACETO社製)、光重合開始剤としてのSpeedcur
e DETX(Lambson社製)、および、下記式(6)で表される化学構造を有す
る物質Aと混合することにより、第1のインクを得た。
Figure 2014172986
<第2のインクの製造>
各成分の配合比率を変更した以外は、前記第1のインクと同様にして第2のインクを製
造した。
<クリアインクの製造>
金属粉末を用いず、その他の各成分の配合比率を変更した以外は、前記第1のインクと
同様にしてクリアインクを製造した。
<着色インクの製造>
金属粉末を用いず、着色剤としてのC.I.プグメントブルー15:6を用い、各成分
の配合比率を変更した以外は、前記第1のインクと同様にしてクリアインクを製造した。
(実施例2〜19)
金属粒子の構成(母粒子の組成および表面処理に用いる化合物(フッ素系化合物)の種
類)を表1〜表7に示すようにするとともに、インクの調製に用いる原料の種類・比率を
変更することにより、表1〜表7に示すような組成となるようにした以外は、前記実施例
1と同様にしてインクセットを製造した。
(比較例1)
本比較例では、複数種のインクを備えるインクセットではなく、第1のインクのみを用
意した。
(比較例2)
本比較例では、複数種のインクを備えるインクセットではなく、第2のインクのみを用
意した。
(比較例3)
表面処理を施していないAl製の粒子を金属粉末として用いた以外は、前記比較例1と
同様にしてインク(第1のインク)を製造した。
(比較例4)
金属粉末として、ガスアトマイズ法を用いて製造された球形状のAl粉末(表面処理を
施していないもの)を用いた以外は、前記比較例3と同様にしてインク(第1のインク)
を製造した。
(比較例5)
フッ素系リン酸エステルとしてのCF(CF(CHO(P)(OH)
の代わりに、フッ素系シラン化合物でもフッ素系リン酸エステルでもないNH−(CH
−Si(OCHを用いて表面処理を行い金属粉末を得た以外は、前記比較例
3と同様にしてインク(第1のインク)を製造した。
(比較例6)
重合体の含有率が0.4質量%となるようにし、インクの調製に用いる原料の種類・比
率を変更することにより、表7に示すような組成となるようにした以外は、前記比較例3
と同様にしてインク(第1のインク)を製造した。
(比較例7)
重合体の含有率が20.2質量%となるようにし、インクの調製に用いる原料の種類・
比率を変更することにより、表7に示すような組成となるようにした以外は、前記比較例
3と同様にしてインク(第1のインク)を製造した。
(比較例8〜10)
重合体を用いずに、インクの調製に用いる原料の種類・比率を変更することにより、表
7に示すような組成となるようにした以外は、前記比較例3と同様にしてインク(第1の
インク)を製造した。
(比較例11)
重合体として、重量平均分子量が33000のものを用いた以外は、前記比較例3と同
様にしてインク(第1のインク)を製造した。
前記各実施例および比較例について、各インクの組成を、表1〜表7にまとめて示した
。なお、表中、第1のインクを「第1インク」、第2のインクを「第2インク」、CF
(CF(CHO(P)(OH)を「S1」、CF(CF(CH
O(P)(OH)(OCHCH)を「S2」、CF(CF(CH
O−PO(OH)を「S3」、CF(CF−CHCH−Si(OC
を「S4」、CF−CHCH−Si(OCHを「S5」、CF(CF
−CHCH−Si(OCHを「S6」、CF(CF(CH
O−PO(OH)(OC)を「S7」、CF(CF−CHCH−S
i(OCHを「S8」、NH−(CH−Si(OCHを「S’1」
、着色剤としてのC.I.プグメントブルー15:6を「PB15:6」、重合体として
のポリビニルピロリドン(重量平均分子量:10000)を「P1」、重合体としてのポ
リエチレングリコール(重量平均分子量:10000)を「P2」、重合体としてのポリ
ビニルブチラール(重量平均分子量:10000)を「P3」、重合体としてのポリビニ
ルピロリドン(重量平均分子量:33000)を「P4」、非硬化性液体成分(炭素数が
2以上4以下のアルコール)としてのエタノールを「AL1」、非硬化性液体成分(炭素
数が2以上4以下のアルコール)としての2−プロパノールを「AL2」、非硬化性液体
成分(炭素数が2以上4以下のアルコール)としての1−プロパノールを「AL3」、非
硬化性液体成分(炭素数が2以上4以下のアルコール)としての2−ブタノールを「AL
4」、非硬化性液体成分(炭素数が2以上4以下のアルコール)としての2−メチル−1
−プロパノールを「AL5」、非硬化性液体成分(炭素数が2以上4以下のアルコール)
としての2−メチル−2−プロパノールを「AL6」、非硬化性液体成分(炭素数が1の
アルコール)としてのメタノールを「AL7」、非硬化性液体成分(炭素数が5のアルコ
ール)としての1−ペンタノールを「AL8」、非硬化性液体成分(ポリエーテル系溶剤
)としてのジエチレングリコールジエチルエーテルを「PE1」、非硬化性液体成分(ポ
リエーテル系溶剤)としてのトリエチレングリコールジエチルエーテルを「PE2」、非
硬化性液体成分(ポリエーテル系溶剤)としてのテトラエチレングリコールジエチルエー
テルを「PE3」、非硬化性液体成分(ポリエーテル系溶剤)としてのトリエチレングリ
コールジメチルエーテルを「PE4」、非硬化性液体成分(ポリエーテル系溶剤)として
のジエチレングリコールジプロピルエーテルを「PE5」、非硬化性液体成分(ポリエー
テル系溶剤)としてのペンタエチレングリコールモノブチルエーテルを「PE6」、非硬
化性液体成分(ポリエーテル系溶剤)としてのジエチレングリコールメチルプロピルエー
テルを「PE7」、非硬化性液体成分(ヘテロ原子を有する脂環構造を備えた液体成分)
としてのγ−ブチロラクトンを「BL」、非硬化性液体成分(ヘテロ原子を有する脂環構
造を備えた液体成分)としてのN−メチル−2−ピロリドンを「NMP」、非硬化性液体
成分(ヘテロ原子を有する脂環構造を備えた液体成分)としての2−イミダゾリジノンを
「IZ」、非硬化性液体成分(ヘテロ原子を有する脂環構造を備えた液体成分)としての
1,3−ジオキサン−2−オンを「TMC」、非硬化性液体成分(ヘテロ原子を有する脂
環構造を備えた液体成分)としての2−オキサゾリジノンを「OZ」、非硬化性液体成分
としてのベンゼンを「BZ」、非硬化性液体成分としてのシクロヘキサノンを「cH」、
脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)としてのγ−ブチロラクトンアクリレートを
「BLA」、脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)としてのテトラヒドロフルフリ
ルアクリレートを「THFA」、脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)としてのN
−ビニルカプロラクタムを「VC」、脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)として
のN−ビニルピロリドンを「VP」、脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)として
のアクリロイルモルホリンを「AM」、脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)とし
てのトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを「TAOEI」、脂環
構造を有するモノマー(重合性化合物)としてのジシクロペンテニルオキシエチルアクリ
レートを「DCPTeOEA」、脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)としてのア
ダマンチルアクリレートを「AA」、脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)として
のジメチロールトリシクロデカンジアクリレートを「DMTCDDA」、脂環構造を有す
るモノマー(重合性化合物)としてのジメチロールジシクロペンタンジアクリレートを「
DMDCPTA」、脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)としてのジシクロペンテ
ニルアクリレートを「DCPTeA」、脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)とし
てのジシクロペンタニルアクリレートを「DCPTaA」、脂環構造を有するモノマー(
重合性化合物)としてのイソボルニルアクリレートを「IBA」、脂環構造を有するモノ
マー(重合性化合物)としてのシクロヘキシルアクリレートを「CHA」、脂環構造を有
するモノマー(重合性化合物)としてのジアクリル化イソシアヌレートを「DAI」、脂
環構造を有するモノマー(重合性化合物)としてのトリアクリル化イソシアヌレートを「
TAI」、脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)としてのγ−ブチロラクトンメタ
クリレートを「BLM」、脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)としてのテトラヒ
ドロフルフリルメタクリレートを「THFM」、脂環構造を有するモノマー(重合性化合
物)としてのジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートを「DCPTeOEM」、
脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)としてのアダマンチルメタクリレートを「A
M」、脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)としてのペンタメチルピペリジルメタ
クリレートを「PMPM」、脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)としてのテトラ
メチルピペリジルメタクリレートを「TMPM」、脂環構造を有するモノマー(重合性化
合物)としての2−メチル−2−アダマンチル メタクリレートを「MAM」、脂環構造
を有するモノマー(重合性化合物)としての2−エチル−2−アダマンチル メタクリレ
ートを「EAM」、脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)としてのメバロン酸ラク
トン メタクリレートを「MLM」、脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)として
のジシクロペンテニルメタクリレートを「DCPTeM」、脂環構造を有するモノマー(
重合性化合物)としてのジシクロペンタニルメタクリレートを「DCPTaM」、脂環構
造を有するモノマー(重合性化合物)としてのイソボルニルメタクリレートを「IBM」
、脂環構造を有するモノマー(重合性化合物)としてのシクロヘキシルメタクリレートを
「CHM」、脂環構造を有さないモノマー(重合性化合物)としてのフェノキシエチルア
クリレートを「PEA」、脂環構造を有さないモノマー(重合性化合物)としてのアクリ
ル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを「AVEE」、脂環構造を有さないモノマ
ー(重合性化合物)としてのジプロピレングリコールジアクリレートを「DPGDA」、
脂環構造を有さないモノマー(重合性化合物)としてのトリプロピレングリコールジアク
リレートを「TPGDA」、脂環構造を有さないモノマー(重合性化合物)としての2−
ヒドロキシ3−フェノキシプロピルアクリレートを「HPPA」、脂環構造を有さないモ
ノマー(重合性化合物)としての4−ヒドロキシブチルアクリレートを「HBA」、脂環
構造を有さないモノマー(重合性化合物)としてのエチルカルビトールアクリレートを「
ECA」、脂環構造を有さないモノマー(重合性化合物)としてのメトキシトリエチレン
グリコールアクリレートを「MTEGA」、脂環構造を有さないモノマー(重合性化合物
)としてのイソブチルアクリレートを「IBA」、脂環構造を有さないモノマー(重合性
化合物)としてのt−ブチルアクリレートを「TBA」、脂環構造を有さないモノマー(
重合性化合物)としてのベンジルアクリレートを「BA」、脂環構造を有さないモノマー
(重合性化合物)としてのアクリル酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルを「VEE
A」、脂環構造を有さないモノマー(重合性化合物)としてのベンジルメタクリレートを
「BM」、脂環構造を有さないモノマー(重合性化合物)としてのウレタンアクリレート
を「UA」、DISPERBYK−182(ビックケミー社製、アミン価:13mgKO
H/g)を「D2」、DISPERBYK−2155(ビックケミー社製、アミン価:4
8mgKOH/g)を「D5」、上記式(6)で表される化合物(物質A)を「A1」、
下記式(7)で表される化合物(物質A)を「A2」、下記式(8)で表される化合物(
物質A)を「A3」、下記式(9)で表される物質Aを「A4」、Irgacure 8
19(チバ・ジャパン社製)を「ic819」、Speedcure TPO(ACET
O社製)を「scTPO」、Speedcure DETX(Lambson社製)を「
scDETX」、UV−3500(ビックケミー社製)を「UV3500」、ヒドロキノ
ンモノメチルエーテルを「MEHQ」、LHP−96(楠本化成社製)を「LHP」、L
F−1984(楠本化成社製)を「LF」で示した。また、表中、含有率についての「部
」とは「質量部」のことを表す。また、表中、重合体の重量平均分子量は、Mwで示した
。また、前記各実施例のインクセットを構成する各インク中に含まれる重合体は、いずれ
も、当該インクを構成する液体成分全体(複数種の液体成分を含む場合には、これらの混
合物):100gに対する20℃における溶解量、および、当該インクを構成する液体成
分のうち、重合体の溶解性に最も優れる1種の液体成分:100gに対する20℃におけ
る溶解量が、2.0g/100g以上のものであったのに対し、比較例12のインク中に
含まれる重合体は、当該インクを構成する液体成分全体(複数種の液体成分を含む場合に
は、これらの混合物):100gに対する20℃における溶解量、および、当該インクを
構成する液体成分のうち、重合体の溶解性に最も優れる1種の液体成分:100gに対す
る20℃における溶解量が、2.0g/100g未満のものであった。また、前記各実施
例では、インクを構成する重合体のうち分子量が1000以上30000以下のもののイ
ンク中における含有率は、いずれも、0.5質量%以上20.0質量%以下であった。ま
た、重合体の分子量分布、重量平均分子量は、HLC−8320GPC(東ソー社製)を
用いた測定により求めた。また、表中、実施例15について、母粒子の構成材料の組成は
、各元素の含有率を重量比で示した。また、前記各実施例を構成する第1のインクおよび
第2のインク、各比較例のインク中に含まれるそれぞれ任意の10個の金属粒子について
観察を行い、投影面積が最大となる方向から観察した際(平面視した際)の面積S[μ
]と、当該観察方向と直交する方向のうち観察した際の面積が最大となる方向から観
察した際の面積S[μm]に対する比率
(S/S)を求めたところ、前記各実施例では、S/Sの値は、いずれも、25
以上51以下の値であった。これに対し、比較例4では、S/Sの値は、1であった
。また、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定された前記各実施例
のインクセットを構成するインクの20℃における粘度は、いずれも、3mPa・s以上
15mPa・s以下の範囲内の値であった。なお、D2、D5は、いずれも、塩基性で重
合体構造を有するもの(塩基性高分子分散剤)である。
Figure 2014172986
Figure 2014172986
Figure 2014172986
Figure 2014172986
Figure 2014172986
Figure 2014172986
Figure 2014172986
Figure 2014172986
Figure 2014172986
Figure 2014172986
[2]液滴吐出の安定性評価(吐出安定性評価)
前記各実施例のインクセットを構成する第1のインクおよび第2のインク、比較例のイ
ンクを用いて、下記に示すような試験による評価を行った。
まず、チャンバー(サーマルチャンバー)内に設置した液滴吐出装置およびインクを用
意し、ピエゾ素子の駆動波形を最適化した状態で、25℃、50%RHの環境下で、各イ
ンクについて、液滴吐出ヘッドの各ノズルから、2000000発(2000000滴)
の液滴の連続吐出を行った。その後、液滴吐出装置の運転を停止し、液滴吐出装置の流路
に各インクが充填された状態で、25℃、50%RHの環境下に、360時間放置した。
その後、液滴吐出ヘッドの各ノズルから、25℃、50%RHの環境下で、40000
00発(4000000滴)の液滴の連続吐出を行った。上記360時間放置した後の、
液滴吐出ヘッドの中央部付近の指定したノズルから吐出された4000000発の液滴に
ついて、着弾した各液滴の中心位置の中心狙い位置からのズレ量dの平均値を求め、以下
の5段階の基準に従い、評価した。この値が小さいほど飛行曲がりの発生が効果的に防止
されていると言える。
A:ズレ量dの平均値が0.07μm未満。
B:ズレ量dの平均値が0.07μm以上0.14μm未満。
C:ズレ量dの平均値が0.14μm以上0.17μm未満。
D:ズレ量dの平均値が0.17μm以上0.21μm未満。
E:ズレ量dの平均値が0.21μm以上。
[3]インクの周波数特性
チャンバー(サーマルチャンバー)内に設置した液滴吐出装置および前記各実施例のイ
ンクセットを構成する第1のインクおよび第2のインク、比較例のインクを用意し、ピエ
ゾ素子の駆動波形を最適化した状態で、25℃、50%RHの環境下で、各インクについ
て、液滴吐出ヘッドの全ノズルから、ピエゾ素子の振動数(周波数)を変化させつつ、液
滴吐出を行った。各周波数での液滴吐出時間は20分間とした。20分間の吐出後時点で
未吐出のノズル数が全ノズル数の1%未満の周波数までを実使用可能な最高周波数として
、実使用可能な周波数範囲を以下の4段階の基準に従い、評価した。この値が大きいほど
周波数特性に優れていると言える。
A:15kHz以上。
B:10kHz以上15kHz未満。
C:5kHz以上10kHz未満。
D:5kHz未満。
[4]インクの保存安定性評価(長期安定性評価)
[4.1]外観の変化
前記各実施例のインクセットを構成する第1のインクおよび第2のインク、比較例のイ
ンクについて、40℃の環境下に、60日間放置した後、目視による観察を行い、以下の
基準に従い、評価した。
A:金属粉末の浮遊、沈降等が一切認められない。
B:金属粉末の液面への浮遊、沈降等がほとんど認められない。
C:金属粉末の液面への浮遊、沈降等がわずかに認められる。
D:金属粉末の液面への浮遊、沈降等がはっきりと認められる。
E:金属粉末の液面への浮遊、沈降等が顕著に認められる。
[4.2]粘度の上昇率
前記各実施例のインクセットを構成する第1のインクおよび第2のインク、比較例のイ
ンクについて、40℃の環境下に、60日間放置した後、振動式粘度計を用いて、JIS
Z8809に準拠して測定された前記各インクの20℃における粘度を測定し、製造直
後からの粘度の上昇率を求め、以下の基準に従い、評価した。
A:粘度の上昇率が5%未満。
B:粘度の上昇率が5%以上10%未満。
C:粘度の上昇率が10%以上18%未満。
D:粘度の上昇率が18%以上23%未満。
E:粘度の上昇率が23%以上、または、異物の発生が認められる。
[5]硬化性
前記各実施例のインクセットを構成する第1のインクおよび第2のインク、比較例のイ
ンクについて、エプソン製インクジェットプリンター;PM800Cへ導入し、記録媒体
として三菱樹脂(株)製、ダイアホイル G440E(厚さ38μm)を用いて、インク
量wet 9g/mにて、ベタ印刷を行い、印刷後、ただちにLED−UVランプ;フ
ォセオン社製 RX firefly(ギャップ6mm ピーク波長365nm 100
0mW/cm)を用いて紫外線の照射を行い、インクが硬化したか否かを確認し、以下
の5段階の基準に従い、評価した。硬化したか否かは、綿棒にて表面をこすって、未硬化
のインクが付着しないか否かで判断した。なお、下記A〜Eの照射量に該当するかどうか
は、ランプを何秒照射したかによって算出できる。
A:100mJ/cm未満の紫外線照射量にて硬化した。
B:100mJ/cm以上200mJ/cm未満の紫外線照射量にて硬化した。
C:200mJ/cm以上500mJ/cm未満の紫外線照射量にて硬化した。
D:500mJ/cm以上1000mJ/cm未満の紫外線照射量にて硬化した

E:1000mJ/cm以上の紫外線照射量にて硬化する。もしくはまったく硬化
しない。
[6]記録物の製造
各実施例のインクセットを用いて、それぞれ、以下のようにして、記録物としてのイン
テリアパネルを製造した。
まず、インクセットを構成する各インクをインクジェット装置に投入した。
次に、ポリカーボネート(旭硝子社製、C210C、カーボグラス ポリッシュ 0.
5mm厚)を用いて成形した曲面部を有する基材(記録媒体)上に、所定のパターンで、
クリアインクを吐出した(クリアインク付与工程。図1中の(1a)参照)。
次に、365nm、380nm、395nmの波長に極大値を有するスペクトルの紫外
線を、記録媒体のインクが付与された面側から、照射強度160mW/cmで10秒間
照射し、基材上のクリアインクを硬化させ、硬化部を形成した(クリアインク硬化工程。
図1中の(1b)参照)。
次に、クリアインクによる硬化部上の一部にのみ選択的に、第1のインクを吐出した(
第1のインク付与工程。図1中の(1c)参照)。
次に、365nm、380nm、395nmの波長に極大値を有するスペクトルの紫外
線を、記録媒体のインクが付与された面側から、照射強度160mW/cmで10秒間
照射し、吐出された第1のインクを硬化させ、硬化部を形成した(第1のインク硬化工程
。図1中の(1d)参照)。
次に、クリアインクによる硬化部上の領域であって第1のインクによる硬化部に隣接す
る領域(第1のインクによる硬化部が形成されていない領域)、および、第1のインクに
よる硬化部上の領域であって平面視した際に第1のインクによる硬化部の縁部と接触しな
い領域に選択的に、第2のインクを吐出した(第2のインク付与工程。図1中の(1e)
参照)。
次に、365nm、380nm、395nmの波長に極大値を有するスペクトルの紫外
線を、記録媒体のインクが付与された面側から、照射強度160mW/cmで10秒間
照射し、吐出された第2のインクを硬化させ、硬化部を形成した(第2のインク硬化工程
。図1中の(1f)参照)。
次に、第1のインクによる硬化部の表面および第2のインクによる硬化部の表面を含む
領域に、所定のパターンで、着色インクを吐出した(着色インク付与工程。図1中の(1
g)参照)。
次に、365nm、380nm、395nmの波長に極大値を有するスペクトルの紫外
線を、記録媒体のインクが付与された面側から、照射強度160mW/cmで10秒間
照射し、吐出された着色インクを硬化させ、硬化部を形成し、これにより、図1中の(1
h)で示されるような構成の記録物としてのインテリアパネルを得た(着色インク硬化工
程)。
上記のような方法を用いて、各実施例のインクセットを用いて、それぞれ、10個のイ
ンテリアパネル(記録物)を製造した。
また、比較例1、3〜12のインクについては、前述したクリアインク付与工程、クリ
アインク硬化工程、第2のインク付与工程、第2のインク硬化工程、着色インク付与工程
、および、着色インク硬化工程を省略した以外は、前記と同様にして記録物としてのイン
テリアパネルを製造した。
また、比較例2のインクについては、前述したクリアインク付与工程、クリアインク硬
化工程、第1のインク付与工程、第1のインク硬化工程、着色インク付与工程、および、
着色インク硬化工程を省略した以外は、前記と同様にして記録物としてのインテリアパネ
ルを製造した。
上記のような方法を用いて、各比較例のインクを用いて、それぞれ、10個のインテリ
アパネル(記録物)を製造した。
また、各実施例および比較例について、基材(記録媒体)として、ポリエチレンテレフ
タレート(三菱樹脂社製 ダイアホイル G440E 38μm厚)を用いて成形したも
の、低密度ポリエチレン(三井化学東セロ社製 T.U.X(L−LDPE) HC−E
#80)を用いて成形したもの、2軸延伸ポリプロピレン(三井化学東セロ社製 OP
U−1 #60)を用いて成形したもの、硬質塩化ビニル(アクリサンデー社製 サン
デーシート(透明)0.5mm厚)を用いて成形したものを用いた以外は、上記と同様に
して、それぞれ、10個ずつのインテリアパネル(記録物)を製造した。
[7]記録物の評価
上記のようにして得られた各記録物について、以下のような評価を行った。
[7.1]記録物のグラデーション評価
前記各実施例および比較例で製造した各記録物を目視により観察し、第1インクと第2
インクとを用いて形成され、第1インクと第2インクの付与量が連続的に変化する画像形
成領域における、グラデーションについて、以下の7段階の基準に従い、評価した。
A:グラデーション中に、段差、光沢むら、光沢欠如点が全くない。
B:グラデーション中に、段差、光沢むら、光沢欠如点がほとんどない。
C:グラデーション中に、段差、光沢むら、光沢欠如点がわずかに認められる。
D:グラデーション中に、段差、光沢むら、光沢欠如点が認められるものの、外観
上大きな問題がない。
E:グラデーション中に、段差、光沢むら、光沢欠如点が認められるものの、外観
上問題がある。
F:グラデーション中に、段差、光沢むら、光沢欠如点がはっきりと認められ、外
観上問題がある。
G:グラデーション中に、段差、光沢むら、光沢欠如点が顕著に認められ、外観上
問題がある。
[7.2]記録物の光沢感評価
前記各実施例および比較例で製造した各記録物を目視により観察し、以下の7段階の基
準に従い、評価した。
A:高級感に溢れる光沢感を有し、極めて優れた外観を有している。
B:高級感に溢れる光沢感を有し、非常に優れた外観を有している。
C:高級感のある光沢感を有し、優れた外観を有している。
D:高級感のある光沢感を有し、良好な外観を有している。
E:光沢感に劣り、外観がやや不良。
F:光沢感に劣り、外観が不良。
G:光沢感に劣り、外観が極めて不良。
[7.3]光沢度
前記各実施例および比較例で製造した各記録物のパターン形成部について、光沢度計(
MINOLTA MULTI GLOSS 268)を用い、煽り角度60°での光沢度
を測定し、以下の基準に従い評価した。
A:光沢度が400以上。
B:光沢度が300以上400未満。
C:光沢度が200以上300未満。
D:光沢度が200未満。
[7.4]耐擦性
前記各実施例および比較例に係る記録物について、記録物の製造から48時間経過した
時点で、サウザーランドラブテスターを用い、JIS K5701に準じ、相紙としてポ
リエチレンテレフタレート製のフィルム(三菱樹脂社製、ダイアホイルG440E)を用
いた耐擦性試験を行い、上記[7.3]で述べたのと同様の方法により、耐擦性試験後の
記録物についても光沢度(煽り角度60°)を測定し、耐擦性試験前後での光沢度の低下
率を求め、以下の基準に従い評価した。
A:光沢度の低下率が5%未満。
B:光沢度の低下率が5%以上13%未満。
C:光沢度の低下率が13%以上23%未満。
D:光沢度の低下率が23%以上27%未満。
E:光沢度の低下率が27%以上、または、金属粒子が脱落して記録媒体の表面が
露出したもの。
これらの結果を表8、表9に示す。なお、表中、ポリカーボネート製の基材を用いて製
造された記録物を「M1」、ポリエチレンテレフタレート製の基材を用いて製造された記
録物を「M2」、低密度ポリエチレン製の基材を用いて製造された記録物を「M3」、2
軸延伸ポリプロピレン製の基材を用いて製造された記録物を「M4」、硬質塩化ビニル製
の基材を用いて製造された記録物を「M5」で示した。
Figure 2014172986
Figure 2014172986
表8、表9から明らかなように、本発明のインクセットを構成する各インクは、液滴の
吐出安定性、保存安定性および硬化性に優れていた。また、本発明では、優れた光沢感、
高級感を有し、高いグラデーション(階調)の印刷部を備えた記録物を得ることができた
。また、本発明では、記録物の耐擦性も優れたものとすることができた。また、本発明で
は、記録媒体の種類によらず、安定的に優れた結果が得られた。これに対して、比較例で
は、満足な結果が得られなかった。
また、前記各実施例のインクセットを用い、第2のインク付与工程および第2のインク
硬化工程を、第1のインク付与工程、第1のインク硬化工程よりも前に行うように変更し
た以外は、上記と同様の方法を用いることにより、図6に示すような構成の記録物として
のインテリアパネルを製造した。その結果、前記と同様の結果が得られた。
10…記録物 1…インク 1A…クリアインク 1B…第1のインク 1C…第2の
インク 1D…着色インク 1A’…硬化部 1B’…硬化部 1C’…硬化部 1D’
…硬化部 50…記録媒体 100…液滴吐出装置 101…タンク 102…吐出走査
部 103…液滴吐出手段 104…第1位置制御装置 105…キャリッジ 106…
ステージ 108…第2位置制御装置 110…チューブ 112…制御手段 114…
液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド) 116A、116B…ノズル列 118…ノ
ズル 120…キャビティ 122…隔壁 124…振動子 124A、124B…電極
124C…ピエゾ素子 126…振動板 127…吐出部 128…ノズルプレート
129…液たまり 130…供給口 131……孔 S……面積 S……面積

Claims (15)

  1. 紫外線硬化性を有する重合性化合物を含み、インクジェット方式により吐出されるイン
    クを複数種備えたインクセットであって、
    所定の濃度で金属粉末を含有する第1のインクと、
    金属粉末を、前記第1のインクよりも少ない含有率で含む第2のインクとを備えること
    を特徴とするインクセット。
  2. 前記第1のインク中に含まれる前記金属粉末の含有率をX[質量%]、前記第2のイ
    ンク中に含まれる前記金属粉末の含有率をX[質量%]としたとき、0.1≦X/X
    ≦0.5の関係を満足する請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記第1のインクおよび/または前記第2のインクは、前記金属粉末として、表面処理
    剤としてのフッ素系シラン化合物および/またはフッ素系リン酸エステルで表面処理され
    たものを含むものである請求項1または2に記載のインクセット。
  4. 前記金属粉末は、少なくとも表面が主としてAlで構成された粉末が、フッ素系シラン
    化合物および/またはフッ素系リン酸エステルで表面処理されたものである請求項3に記
    載のインクセット。
  5. 前記金属粉末は、下記式(1)で表される化学構造を有する前記フッ素系シラン化合物
    で表面処理されたものを含むものである請求項3または4に記載のインクセット。
    SiX (3−a) (1)
    (式(1)中、Rは、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された炭化水素基
    を表し、Xは、加水分解基、エーテル基、クロロ基または水酸基を表し、Rは、炭素
    数1以上4以下のアルキル基を表し、aは、1以上3以下の整数である。)
  6. 前記金属粉末は、下記式(2)で表される化学構造を有する前記フッ素系リン酸エステ
    ルで表面処理されたものを含むものである請求項3ないし5のいずれか1項に記載のイン
    クセット。
    POR(OH)3−n (2)
    (式(2)中、Rは、CF(CF−、CF(CF(CH−、CF
    (CF(CHO)−、CF(CF(CHCHO)−、CF
    (CFO−、または、CF(CF(CHO−であり、nは1以上3
    以下の整数であり、mは5以上17以下の整数であり、lは1以上12以下の整数である
    。)
  7. 前記金属粉末は、CF(CF(CHO(P)(OH)および/または
    CF(CF(CHO(P)(OH)(OCHCH)で表される前記フ
    ッ素系リン酸エステルで表面処理されたものを含むものである請求項3ないし6のいずれ
    か1項に記載のインクセット。
  8. 前記第1のインクおよび前記第2のインクに加え、着色剤を含む着色インクを備えてい
    る請求項1ないし7のいずれか1項に記載のインクセット。
  9. 前記第1のインクおよび前記第2のインクに加え、金属粉末、着色剤を含まず、紫外線
    硬化性を有する重合性化合物を含有するクリアインクを備えている請求項1ないし8のい
    ずれか1項に記載のインクセット。
  10. 紫外線硬化性を有する重合性化合物と金属粉末とを含む第1のインクおよび第2のイン
    クを、インクジェット法により吐出し、これらを紫外線照射により硬化させる方法であり

    前記第2のインク中における金属粉末の含有率は、前記第1のインク中における金属粉
    末の含有率よりも大きいものであることを特徴とする記録物の製造方法。
  11. インクジェット法により前記第1のインクを前記記録媒体上に付与し、紫外線の照射に
    より前記第1のインクを硬化させた後に、前記第2のインクをインクジェット法により付
    与し、紫外線の照射により前記第2のインクを硬化させる請求項10に記載の記録物の製
    造方法。
  12. 前記第1のインクの付与に先立ち、前記記録媒体上に、金属粉末を含まないクリアイン
    クを付与する工程を有する請求項11に記載の記録物の製造方法。
  13. インクジェット法により前記第2のインクを前記記録媒体上に付与し、紫外線の照射に
    より前記第2のインクを硬化させた後に、前記第1のインクをインクジェット法により付
    与し、紫外線の照射により前記第1のインクを硬化させる請求項10ないし12のいずれ
    か1項に記載の記録物の製造方法。
  14. 前記第2のインクの付与に先立ち、前記記録媒体上に、金属粉末を含まないクリアイン
    クを付与する工程を有する請求項13に記載の記録物の製造方法。
  15. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のインクセットを用いて製造されたことを特徴
    とする記録物。
JP2013046265A 2013-03-08 2013-03-08 インクセット、記録物の製造方法および記録物 Pending JP2014172986A (ja)

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