JP2014172126A5 - - Google Patents

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ブラシ状砥石の製造方法、線状砥材およびブラシ状砥石
本発明は、無機長繊維が樹脂バインダーで固められた線状砥材がホルダに保持されたブラシ状砥石の製造方法に関するものである。なお、以下の説明において、線状砥材によってワークを研磨する際、線状砥材の先端部は研削に近い作用を発揮する。また、線状砥材によってワークのバリ取りを行う際も、線状砥材の先端部は研削に近い作用を発揮する。そこで、以下の説明では、「研磨」と「研削」とを区別せずに使用する。
ブラシ状砥石としては、アルミナ長繊維等の無機長繊維の集合糸を樹脂バインダーにより固めた線状砥材が複数本、束となってホルダに保持されたものが提案されている(特許文献1、2)。かかるブラシ状砥石によって、金属製ワークの表面にバリ取りや研磨等を行う場合、ブラシ状砥石を軸線周りに回転させながら、線状砥材の先端で研削や研磨を行う。上記の線状砥材を製造するにあたっては、特許文献1に記載されているように、無機長繊維の集合糸に樹脂バインダーを含浸した後、樹脂バインダーを加熱硬化させ、その後、集合糸を所定寸法に切断する。
特開2002−210662号公報 国際公開第2004/009293号
特許文献1、2等で開示されたブラシ状砥石では、線状砥材の先端部の研削能力を利用するが、研削能力は、線状砥材の腰の強さの影響を受ける。このため、ワークの表面等を研磨する際や、ワークの表面からバリを除去する際には、線状砥材の突出寸法を短めに設定して、線状砥材の撓みを抑制しながら研削作業を行う。これに対して、交差穴内のバリ取りを行う場合、交差穴の内部にブラシ状砥石を深く挿入するため、線状砥材の突出寸法を長くする必要があるため、線状砥材は、撓みやすい状態で使用されることになる。
また、本願発明者が検討した結果、ブラシ砥石の場合、線状砥材の腰の強弱は、線状砥材の突出寸法以外にも、線状砥材の断面形状の影響を受けるという知見を得た。例えば、断面が扁平な線状砥材は、断面が円形状である線状砥材より撓みやすく、折れにくい。従って、断面が扁平な線状砥材は、加工面に凹凸が多い表面等のバリ取りに適しているのに対して、断面が円形状の線状砥材は、凹凸の少ない表面や凹凸のない表面等の研磨に適している。また、断面が円形状の線状砥材は、線状砥材の突出寸法が長い状態でも線状砥材の腰の強さが必要とされる交差穴内のバリ取りに適している。
また、ブラシ砥石の場合、研磨能力や研削能力も線状砥材の断面形状の影響を受けるという知見を得た。例えば、断面が扁平な線状砥材は、断面の厚み方向が幅方向(長手方向)に対して薄いため、先端が壊れやすく新しい切れ刃を出す自生作用が活発である。また、断面が扁平な線状砥材は、断面の厚み方法と幅方向への撓みやすさが違うため、加工時の挙動が不規則となる。それ故、断面が扁平な線状砥材は、断面の幅方向(長手方向)のエッジ効果と合わさって研削能力が高いという利点がある。逆にいえば、断面が扁平な線状砥材は、傷を発生させやすく仕上がりの面粗度が粗いといえる。
一方、断面が円形状の線状砥材は、断面のどの方向も一定の厚みがあるため、先端が壊れにくく、自生作用は断面が扁平な線材に比較して低い。また、断面が円形状の線状砥材
は、撓みやすさがどの方向でも一定であるため、加工時の挙動が規則的となるとともに、エッジ効果もない。従って、断面が円形状の線状砥材は、研削力が適度に抑えられる。逆にいえば、断面が円形状の線状砥材は、傷が発生しにくく仕上がり面粗度が細かい。それ故、断面が円形状の線状砥材は、仕上がり面粗度が重要な表面等の研磨に適している。また、断面が円形状の線状砥材は、先端が交差穴のエッジで衝撃を受けやすい交差穴内のバリ取りに適している。
しかしながら、特許文献1に記載されているように、無機長繊維の集合糸に樹脂バインダーを含浸した後、樹脂バインダーを加熱硬化させる方法では、線状砥材の断面形状を適正に制御することが困難である。すなわち、無機長繊維の集合糸をローラー等にかけて駆動する場合、集合糸がローラーに緩く押し付けられると、集合糸が円形状の断面形状になり、断面形状が円形状の線状砥材が製造される。これに対して、集合糸がローラーに強く押し付けられると、集合糸が扁平な断面形状になり、断面形状が扁平な線状砥材が製造される。それ故、従来の製造方法では、線状砥材の断面形状を制御しにくく、線状砥材の特性を制御しにくいという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、線状砥材の断面形状を容易に制御することのできるブラシ状砥石の製造方法を提供することにある。また、かかる製造方向により製造された線状砥材およびブラシ状砥石を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、無機長繊維の集合糸が樹脂バインダーによって固められた線状砥材が複数本、束となってホルダに保持されたブラシ状砥石の製造方法において、前記線状砥材を製造するにあたっては、前記集合糸に未硬化の樹脂バインダーを含浸する含浸工程と、当該樹脂バインダーを含浸した前記集合糸をダイスに通して当該集合糸の断面形状を整形する整形工程と、前記整形工程の後、または前記整形工程と同時に前記樹脂バインダーを硬化させる樹脂硬化工程と、を行うことを特徴とする。
本発明においては、線状砥材を製造する際、含浸工程において集合糸に未硬化の樹脂バインダーを含浸した後、樹脂硬化工程において樹脂バインダーを硬化させる前、あるいは樹脂硬化工程と同時に樹脂バインダーを含浸した集合糸をダイスに通して集合糸の断面形状を整形する整形工程を行う。このため、線状砥材の断面形状を容易に制御することができる。従って、表面の研磨や、交差穴のバリ取り等、用途に適した断面形状の線状砥材を備えたブラシ状砥石を実現することができる。
本発明において、前記ダイスに加熱装置を設け、前記整形工程と前記樹脂硬化工程とを同時に行うことが好ましい。かかる構成によれば、装置や製造工程の簡素化等を図ることができる。
本発明において、前記線状砥材の断面形状は、円形、正多角形、または扁平形状である。ここでいう円形とは真円あるいは略真円であり、正多角形とは正方形や正六角形等であり、扁平形状とは、楕円、長円あるいは長方形等である。
本発明において、前記含浸工程の前に前記集合糸に縒りをかける縒り工程を行うことが好ましい。かかる構成によれば、集合糸に縒りをかけた分、集合糸において無機長繊維が纏まった状態になるので、無機長繊維が互いに平行に延在している集合糸を用いる場合に比して、線状砥材の断面形状を制御しやすい。また、適正な縒りをかけると、線状砥材の縦割れ(線状砥材の長さ方向の割れ)を防止し、衝撃による摩耗を防止することができるという利点もある。
この場合、前記線状砥材の断面形状は、円形状正多角形であり、前記縒りの1周期当たりの前記線状砥材の長さ寸法は、1cmから4cmであることが好ましい。かかる構成によれば、縒りの1周期当たりの線状砥材の長さ寸法は4cm以下であるため、縒りの効果を発現させることができる。また、縒りの1周期当たりの線状砥材の長さ寸法は1cm以上であるため、縒りに起因する無機長繊維のケバ立ちを防止することができ、線状砥材を折れにくくすることができる。また、適正な縒りをかけると、線状砥材の縦割れを防止し、衝撃による摩耗を防止することができるという利点がある。
また、前記線状砥材の断面形状は、扁平形状であり、前記縒りの1周期当たりの前記線状砥材の長さ寸法は、10cmから20cmであることが好ましい。すなわち、線状砥材の断面形状が扁平形状である場合、線状砥材の断面形状が円形や正多角形である場合に比して、縒りの1周期当たりの線状砥材の長さ寸法を長くすることが好ましい。かかる構成によれば、縒りの1周期当たりの線状砥材の長さ寸法は20cm以下であるため、縒りの効果を発現させることができる。また、縒りの1周期当たりの線状砥材の長さ寸法は10cm以上であるため、縒りに起因する無機長繊維のケバ立ちを防止することができ、線状砥材を折れにくくすることができる。また、適正な縒りをかけると、線状砥材の縦割れを防止し、衝撃による摩耗を防止することができるという利点がある。
本発明の別の形態では、無機長繊維の集合糸が樹脂バインダーによって固められた線状砥材が複数本、束となってホルダに保持されたブラシ状砥石の製造方法において、前記線状砥材を製造するにあたっては、前記集合糸に1周期当たりの前記線状砥材の長さ寸法が1cmから4cmの縒りをかける縒り工程と、前記集合糸に未硬化の樹脂バインダーを含浸する含浸工程と、前記樹脂バインダーを硬化させる樹脂硬化工程と、を行って、前記線状砥材として、断面形状が円形の線状砥材を製造することを特徴とする。
本発明では、1周期当たりの線状砥材の長さ寸法が1cmから4cmの縒りを集合糸にかけると、集合糸において無機長繊維が断面円形に纏まった状態になる。このため、断面が円形の線状砥材を得ることができる。また、適正な縒りをかけると、線状砥材の縦割れを防止し、衝撃による摩耗を防止することができるという利点がある。
本発明のさらに別の形態では、無機長繊維の集合糸が樹脂バインダーによって固められた線状砥材が複数本、束となってホルダに保持されたブラシ状砥石の製造方法において、前記線状砥材を製造するにあたっては、前記集合糸に1周期当たりの前記線状砥材の長さ寸法が10cmから20cmの縒りをかける縒り工程と、前記集合糸に未硬化の樹脂バインダーを含浸する含浸工程と、前記樹脂バインダーを硬化させる樹脂硬化工程と、を行って、前記線状砥材として、断面形状が楕円形または長円形の線状砥材を製造することを特徴とする。
本発明では、1周期当たりの線状砥材の長さ寸法が10cmから20cmの縒りを集合糸にかけると、集合糸において無機長繊維が断面楕円形または断面長円形に纏まった状態になる。このため、断面が楕円形または長円形の線状砥材を得ることができる。また、適正な縒りをかけると、線状砥材の縦割れを防止し、衝撃による摩耗を防止することができるという利点がある。
次に、本発明は、無機長繊維の集合糸を樹脂バインダーによって固めた線状砥材において、断面形状が円形、正多角形または扁平形状であり、前記集合糸には縒りがかけられていることを特徴とする。
本発明において、円形または正多角形の断面形状を備え、前記縒りの1周期当たりの前記線状砥材の長さ寸法は、1cm以上、4cm以下であるものとすることができる。
本発明において、扁平形状の断面形状を備え、前記縒りの1周期当たりの前記線状砥材の長さ寸法は、10cm以上、20cm以下であるものとすることができる。
次に、本発明のブラシ状砥石は、複数本の線状砥材と、前記複数本の線状砥材を束として保持するホルダと、を有し、各線状砥材は、無機長繊維の集合糸が樹脂バインダーによって固められたものであり、各線状砥材の断面形状は、円形、正多角形または扁平形状であり、前記集合糸には縒りがかけられていることを特徴とする。
本発明においては、線状砥材を製造する際、含浸工程において集合糸に未硬化の樹脂バインダーを含浸した後、樹脂硬化工程において樹脂バインダーを硬化させる前、あるいは樹脂硬化工程と同時に樹脂バインダーを含浸した集合糸をダイスに通して集合糸の断面形状を整形する整形工程を行う。このため、線状砥材の断面形状を容易に制御することができる。従って、表面の研磨や、交差穴のバリ取り等、用途に適した断面形状の線状砥材を備えたブラシ状砥石を実現することができる。
本発明において、集合糸に適正な縒りをかけて集合糸の断面形状(線状砥材の断面形状)を制御する。例えば、周期当たりの線状砥材の長さ寸法が1cmから4cmの縒りを集合糸にかければ、断面円形の線状砥材を得ることができる。また、1周期当たりの線状砥材の長さ寸法が10cmから20cmの縒りを集合糸にかければ、断面楕円形または断面長円形の線状砥材を得ることができる。また、適正な縒りをかけると、線状砥材の縦割れを防止し、衝撃による摩耗を防止することができるという利点がある。
本発明の第1例に係るブラシ状砥石の説明図である。 本発明の第2例に係るブラシ状砥石の説明図である。 本発明の第3例に係るブラシ状砥石の説明図である。 本発明の第1実施形態に係るブラシ状砥石の製造方法を示す説明図である。 本発明を適用したブラシ状砥石の構成を模式的に示す説明図である。 本発明を適用したブラシ状砥石の構成を模式的に示す説明図である。 本発明を適用したブラシ状砥石の構成を模式的に示す説明図である。 本発明を適用したブラシ状砥石の構成を模式的に示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係るブラシ状砥石の製造方法を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係るブラシ状砥石の製造方法において集合糸に縒りを加えた様子を模式的に示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係るブラシ状砥石の製造方法を示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るブラシ状砥石および研磨機用ブラシについて説明する。
[ブラシ状砥石の第1例]
(研磨機用ブラシの全体構成)
図1は、本発明の第1例に係るブラシ状砥石の説明図である。図1に示す研磨機用ブラシ10は、金属製ワークの表面にバリ取りや研磨等を行うためのツールであり、ブラシ状砥石1と、このブラシ状砥石1を保持するブラシケース2と、ブラシ状砥石1をブラシケース2に固定するための固定ねじ3とを備えている。
ブラシ状砥石1は、複数本の線状砥材11と、これらの線状砥材11の基端側を保持す
るホルダ12とを備えている。本形態において、複数本の線状砥材11は、複数本の線状砥材11からなる複数の束110としてホルダ12に保持されており、束110は、研磨機用ブラシ10の回転中心軸線Lの周りに等角度間隔で配置されている。
線状砥材11は、アルミナ繊維フィラメント等の無機長繊維の集合体にエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などのバインダー樹脂を含浸、硬化させて線状に形成したものである。集合糸は、例えば、繊維径が8〜50μmのアルミナ長繊維(無機長繊維)を250〜3000本、集合させたものであり、集合糸の径は、0.1mm〜2mmである。このため、線状砥材11の径は、集合糸の径と同様、0.1mm〜2mmである。なお、無機長繊維は、被研磨材に対して相対的に研磨性を有する材料、すなわち、研磨する材料よりも硬くてかつ脆い材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、アルミナ繊維の他、炭化ケイ素繊維、ボロン繊維、あるいはガラス繊維を用いることができる。なお、研磨する材料によってはこれらが混合していてもよく、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維は、鉄系、非鉄系金属に対する研磨性が非常によい。
ホルダ12は金属製であり、その外形は円柱状である。ホルダ12の一端側には、軸線方向に開口する円筒状の砥材保持部12aが形成されており、この砥材保持部12aの内部に線状砥材11の束110の基端部を挿入して接着固定することにより、線状砥材11とホルダ12が一体に結合されている。
ブラシケース2は、有底円筒状の周壁部21と、周壁部21の一端側から、周壁部21の中心軸線(回転中心軸線L)方向に延出された駆動用連結軸22とを備えており、周壁部21の内径寸法は、ホルダ12の外径寸法よりやや大きい。本形態において、ブラシケース2は金属製である。駆動用連結軸22は、研磨機用ブラシ10を研磨装置に取り付けるためのものであり、この駆動用連結軸22を介して研磨機用ブラシ10に回転駆動力が伝達され、研磨動作が行われる。研磨機用ブラシ10は、通常は回転中心軸線L周りに回転駆動されるが、回転に限らず、往復動作、オシレーション動作、揺動、あるいはこれらの動作を組み合わせた動きが行われることもある。
(ブラシケース2に対するブラシ状砥石1の固定構造)
本形態では、ブラシケース2にブラシ状砥石1を固定ねじ3により固定するにあたって、まず、ブラシケース2の周壁部21には、軸方向に沿って延びる長穴状の開口部21aが1箇所形成されている。また、周壁部21の内周面において、回転中心軸線Lを挟んで開口部21aと対向する領域には、軸方向に沿って延びる平坦面(図示せず)が形成されている。また、周壁部21には、他の部位よりも肉厚が薄い薄肉部21cが形成されている。かかる薄肉部21cは、周壁部21の外周面の一部を軸線方向に沿って所定長さ分だけ細長く平坦に削った形状になっている。本形態において、回転中心軸線Lを挟んで開口部21aと対向する位置の両側に2つの薄肉部21cが形成されている。このため、ブラシケース2は、周壁部21に開口部21aが形成されているが、2つの薄肉部21cの形成、および平坦面の形成によって、重心位置が回転中心軸線L上にある。
ホルダ12の上端側部分には、回転中心軸線Lを通り、かつ、回転中心軸線Lに対して直交する方向にねじ穴12bが貫通形成されている。ねじ穴12bは、ブラシ状砥石1をブラシケース2に組み付ける際、固定ねじ3を螺着するためのものである。本形態では、固定ねじ3として、六角穴付き止めねじが用いられており、固定ねじ3の端部には、六角レンチ5の先端を嵌合するための六角穴31が形成されている。
このように構成したブラシ状砥石1および研磨機用ブラシ10は、線状砥材11の先端部をワークの表面に押し当てた状態で、回転中心軸線L周りに回転させ、成形時や加工時に発生したバリ取りやワークの表面の研磨を行う。ワークは、例えば、マグネシウムやア
ルミニウムのダイキャスト品である。また、ワークは、エンドミル、ドリル、ダイス、タップなどのツールを用いて加工された鋼製の部材であってもよい。
(研磨機用ブラシの組立方法、線状砥材の突出寸法調整方法)
本発明を適用した研磨機用ブラシ10を組み立てるにあたって、ブラシ状砥石1をブラシケース2に組み付けて固定ねじ3で固定する際には、まず、ブラシケース2内にブラシ状砥石1をホルダ12側から挿入する。そして、ブラシ状砥石1をブラシケース2内で軸方向にスライドさせることにより、線状砥材11の自由端側が周壁部21の一端側の開口から必要な長さだけ突き出すように組み付け位置の調整を行う。その際、ブラシケース2に形成された開口部21aからホルダ12のねじ穴12bの開口が見えるように周方向の位置を調整しながら挿入する。これにより、ホルダ12に設けられたねじ穴12bへの開口部21aからのアクセスが可能となる。
次に、開口部21aから固定ねじ3をねじ穴12bに螺入し、開口部21a側からねじ穴12bの奥側に向かって締め込む。固定ねじ3は、六角穴付き止めねじであるため、ねじ穴12bの内部に完全に収容されるまで締め込まれる。その結果、固定ねじ3の先端部30は、ねじ穴12bからわずかに突出し、ブラシケース2の内周面に形成された平坦面に突き当たる。従って、ブラシケース2の周壁部21内において、固定ねじ3およびホルダ12は径方向に突っ張った状態となり、ホルダ12は、周壁部21の開口部21a側の内周面に押し付け固定される。この状態で、固定ねじ3の基端部は、ねじ穴12b内に入り込んでいるので、固定ねじ3が周壁部21の外周面から一切、突出していない。
このようにして、ブラシ状砥石1のブラシケース2への固定が完了した研磨機用ブラシ10を研磨に使用していくと、線状砥材11の先端部が磨耗し、線状砥材11の突出寸法が短くなる。このような場合には、固定ねじ3を緩めてからホルダ12を軸線方向に移動させ、線状砥材11の突出寸法を最適な寸法、例えば、数mmから数十cm程度に調整した後、固定ねじ3を再び締め込んでホルダ12をブラシケース2内に固定する。
[ブラシ状砥石の第2例]
図2は、本発明の第2例に係るブラシ状砥石の説明図である。なお、本例の研磨機用ブラシの基本的な構成は、図1に示す形態と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
第1例に係るブラシ状砥石1においては、複数本の線状砥材11が複数の束110としてホルダ12に保持されていたが、図2に示すように、本形態では、複数本の線状砥材11が1つの束110としてホルダ12に保持されている。このように構成したブラシ状砥石1および研磨機用ブラシ10でも、図1を参照して説明した形態と同様、線状砥材11の先端部をワークの表面に押し当てた状態で、回転中心軸線L周りに回転させ、成形時や加工時に発生したバリ取りや、ワーク表面の研磨に用いられる。
[ブラシ状砥石の第3例]
図3は、本発明の第3例に係るブラシ状砥石の説明図である。なお、本例の研磨機用ブラシの基本的な構成は、図1に示す形態と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図3に示すブラシ状砥石1は、交差穴内のバリを除去するためのツールであり、複数本の線状砥材11が1つの束110としてホルダ12に保持されている。また、ホルダ12には、回転中心軸線L方向に延出された駆動用連結軸120が形成されており、駆動用連結軸20は、電動の回転駆動装置等に連結される。また、ホルダ12と線状砥材11の束110の根元に跨るように熱収縮チューブ40が被覆されている。
このように構成したブラシ状砥石1は、線状砥材11の束110を先端側から交差穴に差し込み、この状態で、ブラシ状砥石1を回転中心軸線L周りに回転させる。その結果、線状砥材11が遠心力によって径方向外側に広がった状態となり、交差穴に発生したバリを除去することができる。
[線状砥材11の製造方法の第1実施形態]
図4は、本発明の第1実施形態に係るブラシ状砥石1の製造方法を示す説明図であり、図4(a)、(b)には、含浸工程、および含浸工程以降の工程が表されている。図5、図6、図7および図8は、本発明を適用したブラシ状砥石1の構成を模式的に示す説明図である。なお、図5〜図8において、無機長繊維を円150にして集合糸15および線状砥材11の断面を表すにあたって、無機長繊維を集合糸15および線状砥材11より拡大して少なく表してあるため、無機長繊維を示す円150には、一部が欠けているものが含まれているが、集合糸15および線状砥材11において、無機長繊維の一部が欠けている訳ではない。
本形態のブラシ状砥石1の製造方法において、線状砥材11を製造するにあたっては、まず、図4(a)に示す含浸工程において、無機長繊維の集合糸15に未硬化の樹脂バインダー16を含浸する。本形態において、集合糸15は、円筒状あるいは円柱状のボビン51に巻回された状態で供給され、樹脂バインダー16は、樹脂バインダー槽53に貯留されている。また、集合糸15は、ボビン52に巻回されながらボビン51から引き出されると、樹脂バインダー槽53の内部に配置されたローラーなどのガイド部材54、および樹脂バインダー槽53の外部に配置されたローラー等のガイド部材55、56に案内されながら進行する。また、集合糸15は、ボビン52に巻回されるまでの間に樹脂バインダー槽53に貯留されている樹脂バインダー16に浸漬され、樹脂バインダー16が含浸される。そして、樹脂バインダー16が含浸された集合糸15は、重ならないようにボビン52に巻回される。
次に、ボビン52に巻回された含浸済みの集合糸15は、図4(b)に示すように、整形工程として、ダイス61に通る際に断面形状が整形された後、樹脂硬化工程において、加熱炉62に通され、樹脂バインダー16が硬化される。その結果、複数本の無機長繊維の集合糸15が樹脂バインダー16によって固められた線状砥材11が得られる。このようにして得られた線状砥材11は、樹脂硬化工程の後、所定の寸法に切断される。また、線状砥材11は、ボビン(図示せず)に巻回された後、所定の寸法に切断されることもある。
ここで、ダイス61には、含浸済みの集合糸15が通る通路(図示せず)が形成されており、かかる通路は、ダイス61の両端面で開口している。このため、ダイス61の端面には通路の開口部610が設けられており、集合糸15はダイス61を通過する際、通路および開口部610の形状に対応する断面形状に整形される。その結果、ダイス61の通路および開口部610の形状に対応する断面形状の線状砥材11が得られる。
例えば、開口部610の形状が円形(真円)であれば、図5に示すように、断面形状が円形(真円または略真円)の線状砥材11(線状砥材11a)が得られる。また、開口部610の形状が楕円形あるいは長円形であれば、図6に示すように、断面形状が楕円形あるいは長円形の線状砥材11(線状砥材11b)が得られる。また、開口部610の形状が正多角形(例えば、正方形)であれば、図7に示すように、断面形状が正多角形(例えば、正方形)の線状砥材11(線状砥材11c)が得られる。また、開口部610の形状が長方形であれば、図8に示すように、断面形状が長方形の線状砥材11(線状砥材11d)が得られる。なお、ダイス61において、通路は、貫通孔、およびダイス61の側面
でも開口する溝のいずれの構成であってもよい。
上記の方法で製造した線状砥材11のうち、図5に示すように、断面形状が円形(真円または略真円)の線状砥材11(線状砥材11a)は、線状砥材11aの延在方向に直交するいずれの方向にも方向性がないため、腰が強い。このため、線状砥材11aは、凹凸の少ない表面や凹凸のない表面等の研磨に適している。また、線状砥材11aは、突出寸法が長い状態でも十分な腰の強さを有するため、強い腰が求められる交差穴内のバリ取りに適している。また、線状砥材11aは、断面はどの方向も一定の厚みがあるため、先端が壊れにくく、自生作用は断面が扁平な線材に比較して低い。また、線状砥材11aは、撓みやすさがどの方向でも一定であるため、加工時の挙動が規則的となるとともに、エッジ効果もない。従って、線状砥材11aは、研削力が適度に抑えられる。逆にいえば、線状砥材11aは、傷が発生しにくく仕上がり面粗度が細かい。それ故、線状砥材11aは、仕上がり面粗度が重要な表面等の研磨に適している。また、線状砥材11aは、先端が交差穴のエッジで衝撃を受けやすい交差穴内のバリ取りに適している。
また、図6に示すように、断面形状が楕円形または長円形の線状砥材11(線状砥材11b)は、扁平であるため、幅方向Wの寸法に比して、厚さ方向Tの寸法が小である。このため、線状砥材11bは、厚さ方向Tに撓みやすいので、折れにくい。従って、線状砥材11bは、加工面に凹凸が多い表面等のバリ取りに適している。また、線状砥材11bは、断面の厚み方向が幅方向(長手方向)に対して薄いため、先端が壊れやすく新しい切れ刃を出す自生作用が活発である。また、線状砥材11bは、断面の厚み方法と幅方向への撓みやすさが違うため、加工時の挙動が不規則となる。それ故、線状砥材11bは、断面の幅方向(長手方向)のエッジ効果と合わさって研削能力が高いという利点がある。従って、線状砥材11bは、加工面に凹凸が多いバリ取りに適している。また、線状砥材11bが薄いので、目詰まりを起こしにくいという利点もある。ここで、線状砥材11bの扁平率(厚さ方向Tの寸法/幅方向Wの寸法)は、1.6から15、好ましくは1.6から10、さらに好ましくは2.0から4.0であることが好ましい。
図7に示すように、断面形状が正方形の線状砥材11(線状砥材11c)は、図5に示す線状砥材11aと図6に示す線状砥材11bとの中間的な特性を有している。具体的には、線状砥材11cは、断面のX方向およびY方向で寸法が等しいので、撓みにくく、腰が強い。このため、線状砥材11cは、凹凸の少ない表面や凹凸のない表面等の研磨に適している。また、線状砥材11cは、突出寸法が長い状態でも十分な腰の強さを有するため、強い腰が求められる交差穴内のバリ取りに適している。また、線状砥材11cは、断面はどの方向も十分な厚みがあるため、先端が壊れにくく、自生作用は断面が扁平な線材に比較して低い。また、線状砥材11cは、撓みやすさがどの方向でも略一定であるため、加工時の挙動が規則的となる。従って、線状砥材11cは、研削力が適度に抑えられる。逆にいえば、線状砥材11cは、傷が発生しにくく仕上がり面粗度が細かい。それ故、線状砥材11cは、仕上がり面粗度が重要な表面等の研磨に適している。また、線状砥材11cは、先端が交差穴のエッジで衝撃を受けやすい交差穴内のバリ取りに適している。しかも、線状砥材11cは、断面の対角線方向では撓みにくく、エッジ効果もある。それ故、高い研削性を有している。
図8に示すように、断面形状が長方形の線状砥材11(線状砥材11d)は、図6に示す線状砥材11bと同様、扁平であるため、幅方向Wの寸法に比して、厚さ方向Tの寸法が小である。このため、線状砥材11dは、厚さ方向Tに撓みやすい。このため、線状砥材11dは、厚さ方向Tに撓みやすいので、折れにくい。従って、線状砥材11dは、加工面に凹凸が多い表面等のバリ取りに適している。また、線状砥材11dは、断面の厚み方向が幅方向(長手方向)に対して薄いため、先端が壊れやすく新しい切れ刃を出す自生作用が活発である。また、線状砥材11dは、断面の厚み方法と幅方向への撓みやすさが
違うため、加工時の挙動が不規則となる。それ故、線状砥材11dは、断面の幅方向(長手方向)のエッジ効果と合わさって研削能力が高いという利点がある。従って、線状砥材11dは、加工面に凹凸が多いバリ取りに適している。また、線状砥材11dが薄いので、目詰まりを起こしにくいという利点もある。しかも、線状砥材11は、断面の対角線方向では撓みにくく、エッジ効果が大きい。それ故、高い研削性を有している。ここで、線状砥材11dの扁平率(厚さ方向Tの寸法/幅方向Wの寸法)は、1.6から15、好ましくは1.6から10、さらに好ましくは2.0から4.0であることが好ましい。
以上説明したように、本形態では、線状砥材11を製造するにあたっては、含浸工程において集合糸15に未硬化の樹脂バインダー16を含浸した後、樹脂硬化工程において樹脂バインダー16を硬化させる前の整形工程において樹脂バインダー16を含浸した集合糸15をダイス61に通して集合糸15の断面形状を整形する。このため、線状砥材11の断面形状を容易に制御することができる。従って、表面の研磨や、交差穴のバリ取り等、用途に適した断面形状の線状砥材を備えたブラシ状砥石1を実現することができる。
[線状砥材11の製造方法の第2実施形態]
図9は、本発明の第2実施形態に係るブラシ状砥石1の製造方法を示す説明図であり、図9(a)、(b)には、含浸工程、および含浸工程以降の工程が表されている。図10は、本発明の第2実施形態に係るブラシ状砥石1の製造方法において集合糸15に縒りを加えた様子を模式的に示す説明図であり、集合糸15を構成する無機長繊維のうち、2本の無機長繊維を各々、実線および二点鎖線で示してある。なお、図9に示す形態の基本的な構成は、図4を参照して説明した形態と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
本形態のブラシ状砥石1の製造方法において、線状砥材11を製造するにあたっては、まず、図4(a)を参照して説明した含浸工程と同様、図9(a)に示す含浸工程において、無機長繊維の集合糸15に未硬化の樹脂バインダー16を含浸する。本形態において、集合糸15は、円筒状あるいは円柱状のボビン51に巻回された状態で供給され、ボビン52に巻回されるまでの間に樹脂バインダー槽53に貯留されている樹脂バインダー16に浸漬され、樹脂バインダー16が含浸される。
ここで、ボビン51には、集合糸15の送り出し方向に延在する軸線P周りにボビン51を回転させる駆動装置59が設けられており、含浸工程を行う際、集合糸15の送り出しに同期して、駆動装置59は、ボビン51を軸線P周りに回転させる。従って、集合糸15には、図10に模式的に示すように、縒りが加えられる。縒りは、図5および図7に示すように、断面形状が真円形または正方形の線状砥材11を製造する場合、縒りの1周期当たりの線状砥材の長さ寸法Sは、1cmから4cmである。これに対して、図6および図8に示すように、断面形状が楕円形、長円形または長方形の線状砥材11を製造する場合、縒りの1周期当たりの線状砥材の長さ寸法Sは、10cmから20cmである。
次に、ボビン52に巻回された含浸済みの集合糸15は、図9(b)に示すように、整形工程として、ダイス61に通る際に断面形状が整形された後、樹脂硬化工程において、加熱炉62に通され、樹脂バインダー16が硬化される。その結果、複数本の無機長繊維の集合糸15が樹脂バインダー16によって固められた線状砥材11が得られる。かかる線状砥材11は、樹脂硬化工程の後、所定の寸法に切断される。また、線状砥材11は、ボビン(図示せず)に巻回された後、所定の寸法に切断されることもある。
ここで、ダイス61は、含浸済みの集合糸15が通る開口部610を有しており、集合糸15はダイス61を通過する際、開口部610の形状に対応する断面形状に整形される。その結果、図5〜図8を参照して説明した断面形状の線状砥材11が得られる。なお、
図6および図8を参照して説明した断面形状の線状砥材11の場合、本形態でも、線状砥材11の扁平率(厚さ方向Tの寸法/幅方向Wの寸法)は、1.6から15、好ましくは、1.6から10、さらに好ましくは2.0から4.0であることが好ましい。
以上説明したように、本形態では、線状砥材11を製造するにあたっては、含浸工程において集合糸15に未硬化の樹脂バインダー16を含浸した後、樹脂硬化工程において樹脂バインダー16を硬化させる前の整形工程において樹脂バインダー16を含浸した集合糸15をダイス61に通して集合糸15の断面形状を整形する。このため、線状砥材11の断面形状を容易に制御することができる。従って、表面の研磨や、交差穴のバリ取り等、用途に適した断面形状の線状砥材を備えたブラシ状砥石1を実現することができる。
また、本形態では、含浸工程の前に集合糸15に縒りをかける縒り工程を行うため、集合糸15に縒りをかけた分、集合糸15において無機長繊維が纏まった状態になる。従って、無機長繊維が互いに平行に延在している集合糸15を用いる場合に比して、線状砥材11の断面形状を制御しやすい。また、適正な縒りをかけると、線状砥材11の縦割れを防止し、衝撃による摩耗を防止することができるという利点がある。
また、線状砥材11の断面形状が円形または正多角形である場合、縒りの1周期当たりの線状砥材11の長さ寸法は、1cmから4cmである。このように、縒りの1周期当たりの線状砥材11の長さ寸法は4cm以下であるため、縒りの効果を発現させることができる。また、縒りの1周期当たりの線状砥材11の長さ寸法は1cm以上であるため、縒りに起因する無機長繊維のケバ立ちを防止することができ、線状砥材11を折れにくくすることができる。
また、線状砥材11の断面形状が扁平形状である場合、縒りの1周期当たりの線状砥材11の長さ寸法は、10cmから20cmである。すなわち、線状砥材11の断面形状が扁平形状である場合、線状砥材11の断面形状が円形や正多角形である場合に比して、縒りの1周期当たりの線状砥材11の長さ寸法が長い。従って、線状砥材11の断面形状が扁平形状である場合でも、厚さ方向および幅方向の双方において集合糸15では、無機長繊維が纏まった状態になる。従って、無機長繊維が互いに平行に延在している集合糸15を用いる場合に比して、線状砥材11の断面形状を制御しやすい。また、線状砥材11の断面形状が扁平形状である場合に縒りを加えると、厚さ方向に無機長繊維のケバ立ちが発生しやすいが、線状砥材11の断面形状が扁平形状である場合には、線状砥材11の断面形状が円形や正多角形である場合に比して、縒りの1周期当たりの線状砥材11の長さ寸法が長くしてあるため、無機長繊維のケバ立ちを防止することができる。特に本形態では、線状砥材11の断面形状が扁平形状である場合、縒りの1周期当たりの線状砥材11の長さ寸法は20cm以下であるため、縒りの効果を発現させることができる。また、縒りの1周期当たりの線状砥材11の長さ寸法は10cm以上であるため、縒りに起因する無機長繊維のケバ立ちを防止することができ、線状砥材11を折れにくくすることができる。
[線状砥材11の製造方法の第1実施形態および第2実施形態の変形例]
上記の第1実施形態および第2実施形態では、整形工程の後、樹脂硬化工程を行ったが、ダイス61に加熱装置を設け、整形工程と樹脂硬化工程とを同時に行ってもよい。
[線状砥材11の製造方法の第3実施形態]
図11は、本発明の第3実施形態に係るブラシ状砥石1の製造方法を示す説明図であり、図11(a)、(b)には、含浸工程、および含浸工程以降の工程が表されている。なお、図11に示す形態の基本的な構成は、図4や図9を参照して説明した形態と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
本形態のブラシ状砥石1の製造方法において、線状砥材11を製造するにあたっては、まず、図4(a)を参照して説明した含浸工程と同様、図11(a)に示す含浸工程において、無機長繊維の集合糸15に未硬化の樹脂バインダー16を含浸する。本形態において、集合糸15は、円筒状あるいは円柱状のボビン51に巻回された状態で供給され、ボビン52に巻回されるまでの間に樹脂バインダー槽53に貯留されている樹脂バインダー16に浸漬され、樹脂バインダー16が含浸される。
ここで、ボビン51には、集合糸15の送り出し方向に延在する軸線P周りにボビン51を回転させる駆動装置59が設けられており、含浸工程を行う際、集合糸15の送り出しに同期して、駆動装置59は、ボビン51を軸線P周りに回転させる。従って、集合糸15には、図10に模式的に示すように、縒りが加えられる。
本形態では、図5に示すように、断面形状が円形(真円または略真円)の線状砥材11を製造する場合、縒りの1周期当たりの線状砥材の長さ寸法Sは、1cmから4cmである。これに対して、図7に示すように、断面形状が楕円形または長円形の線状砥材11を製造する場合、縒りの1周期当たりの線状砥材の長さ寸法Sは、10cmから20cmである。
次に、ボビン52に巻回された含浸済みの集合糸15は、図11(b)に示すように、樹脂硬化工程として、加熱炉62に通され、樹脂バインダー16が硬化される。その結果、複数本の無機長繊維の集合糸15が樹脂バインダー16によって固められた線状砥材11が得られる。かかる線状砥材11は、樹脂硬化工程の後、所定の寸法に切断される。また、線状砥材11は、ボビン(図示せず)に巻回された後、所定の寸法に切断されることもある。
以上説明したように、本形態では、線状砥材11を製造するにあたっては、含浸工程の前に集合糸15に縒りをかける縒り工程を行うため、集合糸15に縒りをかけた分、集合糸15において無機長繊維が纏まった状態になる。また、集合糸15に適正な縒りをかけると、集合糸15の断面をある程度、制御することができる。例えば、縒りの1周期当たりの線状砥材11の長さ寸法を1cmから4cmとすると、線状砥材11の断面形状を円形とすることができる。また、縒りの1周期当たりの線状砥材11の長さ寸法を10cmから20cmとすると、線状砥材11の断面形状を楕円または長円とすることができる。また、適正な縒りをかけると、線状砥材11の縦割れを防止し、衝撃による摩耗を防止することができるという利点がある。
また、線状砥材11の断面形状が扁平形状である場合に縒りを加えると、厚さ方向に無機長繊維のケバ立ちが発生しやすいが、線状砥材11の断面形状が扁平形状である場合には、線状砥材11の断面形状が円形や正多角形である場合に比して、縒りの1周期当たりの線状砥材11の長さ寸法が長くしてあるため、無機長繊維のケバ立ちを防止することができる。特に本形態では、線状砥材11の断面形状が扁平形状である場合、縒りの1周期当たりの線状砥材11の長さ寸法は20cm以下であるため、縒りの効果を発現させることができる。また、縒りの1周期当たりの線状砥材11の長さ寸法は10cm以上であるため、縒りに起因する無機長繊維のケバ立ちを防止することができ、線状砥材11を折れにくくすることができる。
1・・ブラシ状砥石
11、11a、11b、11c、11d・・線状砥材
12・・ホルダ
15・・線状砥材の集合糸
16・・樹脂バインダー
110・・線状砥材の束
150・・無機長繊維

Claims (14)

  1. 無機長繊維の集合糸が樹脂バインダーによって固められた線状砥材が複数本、束となってホルダに保持されたブラシ状砥石の製造方法において、
    前記線状砥材を製造するにあたっては、
    前記集合糸に未硬化の樹脂バインダーを含浸する含浸工程と、
    当該樹脂バインダーを含浸した前記集合糸をダイスに通して当該集合糸の断面形状を整形する整形工程と、
    前記整形工程の後、または前記整形工程と同時に前記樹脂バインダーを硬化させる樹脂硬化工程と、
    を行うことを特徴とするブラシ状砥石の製造方法。
  2. 前記ダイスに加熱装置を設け、前記整形工程と前記樹脂硬化工程とを同時に行うことを特徴とする請求項1に記載のブラシ状砥石の製造方法。
  3. 前記含浸工程の前に前記集合糸に縒りをかける縒り工程を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のブラシ状砥石の製造方法。
  4. 前記線状砥材の断面形状は、円形または正多角形であり、
    前記縒りの1周期当たりの前記線状砥材の長さ寸法は、1cmから4cmであることを特徴とする請求項3に記載のブラシ状砥石の製造方法。
  5. 前記線状砥材の断面形状は、扁平形状であり、
    前記縒りの1周期当たりの前記線状砥材の長さ寸法は、10cmから20cmであることを特徴とする請求項3に記載のブラシ状砥石の製造方法。
  6. 前記線状砥材の断面形状は、円形であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のブラシ状砥石の製造方法。
  7. 前記線状砥材の断面形状は、正多角形であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか
    一項に記載のブラシ状砥石の製造方法。
  8. 前記線状砥材の断面形状は、扁平形状であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のブラシ状砥石の製造方法。
  9. 無機長繊維の集合糸が樹脂バインダーによって固められた線状砥材が複数本、束となってホルダに保持されたブラシ状砥石の製造方法において、
    前記線状砥材を製造するにあたっては、
    前記集合糸に1周期当たりの前記線状砥材の長さ寸法が1cmから4cmの縒りをかける縒り工程と、
    前記集合糸に未硬化の樹脂バインダーを含浸する含浸工程と、
    前記樹脂バインダーを硬化させる樹脂硬化工程と、
    を行って、前記線状砥材として、断面形状が円形の線状砥材を製造することを特徴とするブラシ状砥石の製造方法。
  10. 無機長繊維の集合糸が樹脂バインダーによって固められた線状砥材が複数本、束となってホルダに保持されたブラシ状砥石の製造方法において、
    前記線状砥材を製造するにあたっては、
    前記集合糸に1周期当たりの前記線状砥材の長さ寸法が10cmから20cmの縒りをかける縒り工程と、
    前記集合糸に未硬化の樹脂バインダーを含浸する含浸工程と、
    前記樹脂バインダーを硬化させる樹脂硬化工程と、
    を行って、前記線状砥材として、断面形状が楕円形または長円形の線状砥材を製造することを特徴とするブラシ状砥石の製造方法。
  11. 無機長繊維の集合糸を樹脂バインダーによって固めた線状砥材において、
    断面形状が円形、正多角形または扁平形状であり、
    前記集合糸には縒りがかけられていることを特徴とする線状砥材。
  12. 請求項11において、
    円形または正多角形の断面形状を備え、
    前記縒りの1周期当たりの前記線状砥材の長さ寸法は、1cm以上、4cm以下であることを特徴とする線状砥材。
  13. 請求項11において、
    扁平形状の断面形状を備え、
    前記縒りの1周期当たりの前記線状砥材の長さ寸法は、10cm以上、20cm以下であることを特徴とする線状砥材。
  14. 複数本の線状砥材と、
    前記複数本の線状砥材を束として保持するホルダと、を有し、
    各線状砥材は、無機長繊維の集合糸が樹脂バインダーによって固められたものであり、
    各線状砥材の断面形状は、円形、正多角形または扁平形状であり、
    前記集合糸には縒りがかけられていることを特徴とするブラシ状砥石。
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