JP2014172003A - 排水処理装置、および排水処理方法 - Google Patents

排水処理装置、および排水処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装置構成を簡略化でき高い窒素除去率を得ることができる排水処理装置、および排水処理方法を提供することを課題とする。
【解決手段】実施形態に係る排水処理装置は、嫌気性処理槽と、この嫌気性処理槽で処理された一次処理水を処理する好気性処理槽と、この好気性処理槽で処理された二次処理水を処理して最終処理水として排出する硫黄脱窒リアクタと、を有する。硫黄脱窒リアクタは、二次処理水を1度だけ通過させて、硫黄脱窒菌の作用により二次処理水に含まれる硝酸態窒素或いは亜硝酸態窒素を嫌気性処理槽から排出されるバイオガスに含まれる硫化水素で還元して二次処理水の窒素を除去する。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、例えば下水や工場排水などを処理する排水処理装置、および排水処理方法に関する。
下水や工場排水などの有機物を含む排水の処理では、生物学的処理が多く用いられている。生物学的処理は、嫌気性微生物を使用した嫌気性処理と、好気性微生物による好気性処理に分類することが出来る。
嫌気性処理は、酸素の供給が不要なため動力費が少ないこと、汚泥の発生量が少ないこと、可燃性ガスであるメタンガスを主成分としたバイオガスを回収できること、などのメリットがあるが、好気性処理と比較して有機物の除去性能が悪く、そのままでは河川等に放流することは困難である。また被処理水に硫酸などの硫黄成分が入っている場合には、嫌気性微生物のひとつである硫酸還元菌の作用により硫化水素が生成し、その硫化水素がバイオガス中に混入するため、バイオガスの有効利用を行う際には、何らかの脱硫処理を行う必要がある。
一方、好気性処理は、河川放流可能なレベルの処理水質を得ることが出来ると言ったメリットがあるが、好気性微生物による処理を行うため、酸素を供給する必要があり、そのための動力が必要となる。また、好気性微生物による処理を行なう場合、嫌気性微生物に比較して汚泥の発生量が多くなる。
そのため、上流側で嫌気性処理を行い、下流側で好気性処理を行う水処理プロセスが考案され、有機物除去を目的とした工場排水処理設備として実用化されている。
しかし、単純な嫌気性処理槽と好気性処理槽の組み合わせでは、富栄養化対策として除去することが求められている窒素の除去が行えないことから、後段の好気性処理として、窒素除去が可能な循環式硝化脱窒法などを用いた処理も採用されつつある。
図5には、後段に循環式硝化脱窒処理槽を備えた従来の排水処理プロセスの一例を示す。この例では、被処理水は、嫌気性処理槽1に流入し、ここで有機物が除去され、その後、脱窒槽14、好気槽2の順に送られる。被処理水中の窒素成分は、好気槽2にて硝酸態、あるいは亜硝酸態窒素に酸化され、硝化液循環ポンプ13にて脱窒槽14へ送られ、脱窒菌の作用により窒素ガスに還元され、系外に排出される。脱窒菌の反応式を下式に示す。
5CHCOO+8NO +8H→5CO+5HCO +4N+4H
上記反応において、硝酸態窒素を還元するためには、有機物が必要となり、BOD/N比が2.8以上となるように調整する必要がある。被処理水の水質および嫌気性処理槽のBOD除去性能によっては上記BOD/N比を満足することが出来なくなるため、排水の一部を嫌気性処理槽へバイパスさせることにより、脱窒槽のBOD/N比を調整する構成となっている。
また嫌気性処理槽から発生したバイオガス中に含まれる硫化水素は、脱硫装置17により処理される。
上記プロセスでは、被処理水の水質によっては嫌気性処理槽のバイパス量が増加するため、嫌気性処理のメリットが十分に発揮できず、運転コストの増大の原因となっている。
上記課題を解決する方法のひとつとして、硫黄脱窒反応を利用して被処理水中の窒素成分を除去する排水処理方法が提案されている。この方法では、嫌気性処理により発生する硫化水素を利用して脱窒効率を向上させている。
ここで図6を参照して上記排水処理方法を説明する。
この処理方法では、嫌気性反応槽1にて処理した処理液を脱窒槽14に流入し、脱窒槽14と硝化槽2との間で循環運転を行って、脱窒処理を行う際に、嫌気反応槽1で発生したバイオガスをブロアによって脱窒槽14へ送る。脱窒槽14内では、硫黄脱窒細菌の作用により、循環水中の硝酸態窒素と、反応液内に溶解したバイオガス中の硫化水素が反応して脱窒処理が行われる。脱窒槽14にて硫化水素が除去されたバイオガスは脱硫設備に送られて有効利用される。
特開2000−189995号公報
しかし、上述した方法では、以下のような問題がある。
(1)被処理水の窒素除去率は、脱窒槽14と硝化槽2の間の循環水量比(循環比:R)とした場合、窒素除去率=(R/(1+R))の関係があり、工場排水などの高濃度の窒素を含む排水などの場合、窒素除去率を大きくする場合には、循環比を高くする必要があるため、循環ポンプの動力が大きくなる。
(2)窒素除去率を向上させるには循環比を増加させる必要があるが、窒素除去率は循環比と比例関係ではないため、窒素除去率90%以上とすることは困難である。
(3)循環運転により脱窒を行うため、硝化槽に流入する窒素成分の完全硝化を行う必要があり、硝化槽の曝気動力が大きくなる。
(4)脱窒槽では増殖速度の高い従属栄養細菌である脱窒菌と、増殖速度の遅い独立栄養細菌である硫黄脱窒菌が共生するため、脱窒槽内に硫黄脱窒菌を保持することが容易ではない。
よって、装置構成を簡略化でき高い窒素除去率を得ることができる排水処理装置、および排水処理方法の開発が望まれている。
実施形態に係る排水処理装置は、嫌気性処理槽と、この嫌気性処理槽で処理された一次処理水を処理する好気性処理槽と、この好気性処理槽で処理された二次処理水を処理して最終処理水として排出する硫黄脱窒リアクタと、を有する。硫黄脱窒リアクタは、二次処理水を1度だけ通過させて、硫黄脱窒菌の作用により二次処理水に含まれる硝酸態窒素或いは亜硝酸態窒素を嫌気性処理槽から排出されるバイオガスに含まれる硫化水素で還元して二次処理水の窒素を除去する。
図1は、第1の実施形態に係る排水処理装置を示す概略図である。 図2は、第2の実施形態に係る排水処理装置を示す概略図である。 図3は、第3の実施形態に係る排水処理装置を示す概略図である。 図4は、第4の実施形態に係る排水処理装置を示す概略図である。 図5は、嫌気処理と循環式硝化脱窒処理を組み合わせた従来の水処理装置を示す概略図である。 図6は、硫黄脱窒処理を組み合わせた従来の水処理装置を示す概略図である。
以下、図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る排水処理装置100の概略図を示す。
この排水処理装置100は、嫌気性処理槽1、好気性処理槽2、個液分離槽3、および硫黄脱窒リアクタ4を有する。
嫌気性処理槽1は、嫌気性微生物の作用により、例えば下水や工場排水などの被処理水を嫌気性処理する。この嫌気性処理では、有機物を分解してガス化するメタン発酵によりメタンガスを主成分としたバイオガスが発生する。この際、被処理水に硫黄成分が入っていると、嫌気性微生物のうち硫酸還元菌の作用により、硫化水素が生成する。そして、この硫化水素を含むバイオガスが、嫌気性処理槽1の気相からガスライン10を介して後段の処理部へ取り出される。
好気性処理槽2は、その底部近くに、多量の空気を吹き込むためのブロア5を有する。この好気性処理槽2では、嫌気性処理槽1にて処理された嫌気性処理水(一次処理水)を好気性微生物の作用により好気性処理し、嫌気性処理水中に含まれる窒素成分を硝酸態窒素或いは亜硝酸態窒素に酸化する。
個液分離槽3は、好気性処理槽2の越流水(好気性処理水)(二次処理水)から好気性微生物を分離し、分離した好気性微生物を含む汚泥を汚泥返送ポンプ6により好気性処理槽2に返送する。そして、好気性微生物が分離除去された硝酸態窒素或いは亜硝酸態窒素を含む好気性処理水(二次処理水)は、硫黄脱窒リアクタ4の底部から硫黄脱窒リアクタ4内へ導入される。
硫黄脱窒リアクタ4は、硫黄脱窒菌を高濃度に保持した担体7を液中に有する。担体7は、微生物が根付き易い表面を有する素材であることが望ましく、例えば、ひも状のものを吊るしたり、水より比重の軽いものを使用したりすることが考えられる。なお、担体7は、後述するバイオガスや好気性処理水を効果的に接触させて通過させるため、硫黄脱窒リアクタ4の液中の上層部に隙間無く充填されることが望ましい。反面、後述するバイオガスの流れによる流動が可能な程度の空間的な余裕があることが望ましい。
また、硫黄脱窒リアクタ4は、その液中で担体7の下方から、ブロア8によって嫌気性処理槽1から送り込まれたバイオガスを供給する散気装置9を有する。つまり、嫌気性処理槽1で発生した硫化水素を含むバイオガスは、ブロア8により、担体7の下方から、散気装置9を介して、硫黄脱窒リアクタ4に吹き込まれる。
このとき、好気性処理槽2で生成した硝酸態窒素は、嫌気性処理槽1から発生するバイオガス中に含まれる硫化水素により、硫黄脱窒リアクタ4内の担体7によって保持された硫黄脱窒菌の作用により還元処理され、窒素ガスとして系外に排出される。一方、バイオガス中に含まれる硫化水素は、単体硫黄あるいは硫酸に酸化される。硫黄は、担体7の表面に析出して付着する。
硫黄脱窒リアクタ4に導かれる好気性処理水は、固液分離槽3により好気性微生物が分離されているため、好気性処理槽2中の汚泥に含まれる脱窒菌などの好気性微生物の硫黄脱窒リアクタ4内への流入を抑制できる。このため、硫黄脱窒リアクタ4内で担体7によって保持した硫黄脱窒菌の他に、比較的増殖速度の高い従属栄養細菌である脱窒菌を硫黄脱窒リアクタ4内で共生させる必要がなく、硫黄脱窒菌だけを増殖させることができる。特に、硫黄脱窒リアクタ4へ導入される好気性処理水は、好気性処理により有機物が少なくなっているため、仮に従属栄養細菌である脱窒菌が硫黄脱窒リアクタ4内に流入した場合であっても、その増殖が制限されるため、硫黄脱窒菌を硫黄脱窒リアクタ4内で優先的に増殖させることができる。
硫黄脱窒リアクタ4内では、好気性処理水とバイオガスが底部から上方に向けて同じ方向に(平行流で)供給されるため、担体7の下方に保持された硫黄脱窒菌の方が上方のものより反応効率が高くなる。つまり、担体7の下方では上方より高濃度な硫化水素と硝酸体窒素とが反応するため、反応効率が高くなる。このため、硫化水素が単体硫黄に酸化されると、担体7の下方により多くの単体硫黄が付着される。
このように、担体7の下方により多く付着した単体硫黄は、散気装置9を介して吹き込まれたバイオガスによって担体7を流動させることによって、担体7から容易に剥離される。このため、担体7に付着した単体硫黄によって硫黄脱窒リアクタ4が閉塞する不具合を防止することができる。
以上のように、本実施形態の排水処理装置100によると、好気性処理槽2で処理された好気性処理水を硫黄脱窒リアクタ4に一度だけ通過させる一過性の処理を行っているため、硫黄脱窒リアクタ4に循環ポンプを設置する必要が無く、装置構成を簡略化できるとともに循環ポンプを作動させるための動力を削減することができ、装置の製造コストおよびランニングコストを低減できる。
また、本実施形態によると、硫黄脱窒リアクタ4で処理された硫黄脱窒処理水(最終処理水)は、好気性処理水中の硝酸体窒素を除去した水であるため、そのまま河川等に排出でき、嫌気性処理槽1や好気性処理槽2へ返流する必要がない。よって、その分、処理工程を簡略化でき、返流のためのポンプ等の構成も不要となる。また、一方で、リアクタ4から排出された水を嫌気性処理槽1や好気性処理槽2へ戻さないことで、各槽1、2における処理に影響を及ぼすことがない。
さらに、本実施形態によると、硫黄脱窒リアクタ4に流入する窒素と硫黄の比率を適当な値に設定することによって、窒素除去率を90%以上に高めることができ、理論的には100%の窒素除去率を得ることが可能となる。
図2は、第2の実施形態に係る排水処理装置110の概略図を示す。
この排水処理装置110は、硫黄脱窒リアクタ4から排出されたガス(硫化水素が減ったバイオガス)を嫌気性処理槽1(および嫌気処理循環槽11)へ戻すためのバイオガス循環ライン12を有する以外、上述した第1の実施形態の排水処理装置100と略同じ構造を有する。よって、ここでは、第1の実施形態と同様に機能する構成要素には、同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態において、ガスライン10、ブロア8、および散気装置9を介して、硫黄脱窒リアクタ4に投入されたバイオガスは、担体7を通過した後、バイオガス循環ライン12を介して、嫌気性処理槽1に返送される。バイオガス循環ライン12により返送されたバイオガスは、硫黄脱窒リアクタ4にて硫化水素が除去されたガスであるため、このガスを嫌気性処理槽1の上部へ供給すると、嫌気性処理槽1の上部にある気相部の硫化水素濃度が減少する。
このように、嫌気性処理槽1の気相部における硫化水素濃度が低下すると、嫌気性処理槽1の液相中に溶解している硫化水素が、気液平衡によりバイオガス中(気相)に移動する。つまり、この場合、液相に溶けている溶存硫化物と気相中の硫化水素濃度が平衡状態になるまで、液相から気相へ硫化水素が抽出される。
このように嫌気性処理槽1の液相から回収した硫化水素は、ブロア8によりガスライン10を介して硫黄脱窒リアクタ4内の散気装置9へ送られ、散気装置9を介して硫黄脱窒リアクタ4の底部へ導入される。つまり、本実施形態によると、第1の実施形態と比較して、硫黄脱窒リアクタ4に供給する硫化水素量を増加することが出来る。これにより、硫黄脱窒リアクタ4における脱窒効率を向上させることが出来る。
一方、上述したように、嫌気性処理槽1の液相に溶けていた硫化水素を抽出することで、嫌気性処理槽1の液相における硫化水素濃度を低くすることができる。上述したように、嫌気性処理槽1の気相に、硫黄脱窒リアクタ4から、硫化水素が薄くされたガスを送り込むだけでも、嫌気性処理槽1の液相における硫化水素濃度を低くすることができるが、本実施形態では、さらに、嫌気性処理槽1に並設してつなげた嫌気処理循環槽11の気相にも硫化水素が薄くされたガスを送り込むようにした。
嫌気性処理槽1の液相(被処理水)に含まれる硫黄成分が非常に多い場合、生成した硫化水素により嫌気性処理槽1内に存在する嫌気性菌、特にメタン生成菌に悪影響を及ぼすことがある。このような場合、本実施形態のように、嫌気処理循環槽11の上部(気相)に、硫黄脱窒リアクタ4にて脱硫したバイオガスを循環させることにより、嫌気性処理槽1の液相に含まれる硫化水素の濃度を低減させることができ、硫化水素濃度が減少した嫌気性処理水を嫌気性処理槽1へ循環させることができる。これにより、硫化水素による嫌気性菌の阻害を防止することも可能となる。
以上のように、本実施形態によると、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏することができることに加えて、被処理水に含まれる硫黄成分の嫌気性処理により精製される硫化水素を、嫌気性処理槽1内の処理水から除去し、硫黄脱窒リアクタ4に導くことが可能となるため、嫌気性処理槽1の硫化水素による阻害を防止するとともに、硫黄脱窒リアクタ4における脱窒効率を向上させることが出来る。
図3は、第3の実施形態に係る排水処理装置120の概略図を示す。
この排水処理装置120は、嫌気処理循環槽11を取り除いて、好気性処理槽2の処理水を循環させて脱窒するための脱窒槽14を追加した以外、上述した第2の実施形態の排水処理装置110と略同じ構造を有する。よって、ここでは、第2の実施形態と同様に機能する構成要素には、同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態によると、嫌気性処理槽1で処理された嫌気性処理水は、後段に設けられた脱窒槽14を介して好気性処理槽2へ導かれる。そして、好気性処理槽2で生成した硝酸態窒素を含む好気性処理水は、固液分離槽3にて好気性微生物が除去されて、硫黄脱窒リアクタ4へ導かれる。
また、好気性処理槽2内の処理水の一部は、循環ポンプ13によって脱窒槽14に返送され、再び好気性処理槽2へ循環される。硫黄脱窒リアクタ4の廃液口には、全窒素計15(窒素濃度測定計)が設置されており、硫黄脱窒リアクタ4から排出される最終処理水の窒素濃度が測定されるようになっている。
硫黄脱窒リアクタ4内における硫黄脱窒菌による脱窒反応を下式(1)に示す。
5HS+8NO +3H→5SO 2−+4N+4HO・・・(1)
式(1)から分かるように、硫黄脱窒リアクタ4に流入する窒素成分と硫黄成分の比率(N/S比)が0.7以下の場合に脱窒が可能となる。しかし、この装置で処理する被処理水の成分が、窒素成分に対して硫黄成分が少ない場合、計画している窒素除去率を得ることが出来ない。
一方、嫌気性処理水にはBOD(biochemical oxygen demand)成分が残存しているため、好気性処理槽2で生成した硝酸を含んだ処理水を循環ポンプ13で脱窒槽14に返送して脱窒槽14にて脱窒する。
この際、硫黄脱窒リアクタ4から出る最終処理水に含まれる窒素濃度を全窒素計15で測定し、その測定値に基づいて、循環ポンプ13による循環流量を調整し、硫黄脱窒リアクタ4における脱窒と、脱窒槽14における脱窒の比率を調整する。
実際には、全窒素計15による計測値が基準値より大きくなった場合に循環ポンプ13による流量を増加させて脱窒槽14における脱窒を増加させ、計測値が基準値より小さくなった場合に循環ポンプ13による流量を減少させる。
このような調整により、この装置で処理する被処理水に含まれる硫黄成分濃度および窒素成分濃度が変動した場合においても、安定した最終処理水を得ることが出来る。また、循環ポンプ13の動作をコントロールして装置全体の脱窒量をコントロールするため、硫黄脱窒リアクタ4を持たない装置と比較して、循環ポンプ13による処理水の循環流量を少なくすることができ、循環ポンプの動力を削減することが出来る。
以上のように、本実施の形態によれば、被処理水中の硫黄成分濃度、窒素成分濃度が変動した場合においても安定した最終処理水を得ることが出来るとともに、循環ポンプの流量を少なくすることが出来るため、循環ポンプの動力を削減することが出来る。また、本実施形態によると、硫黄脱窒菌による硫黄脱窒リアクタ4と硝化脱窒菌による脱窒槽14を別体に設けたため、種類の異なる脱窒菌を1つの反応槽で共生させる必要がない。
図4は、第4の実施形態に係る排水処理装置130の概略図を示す。
この排水処理装置130は、硫黄脱窒リアクタ4から排出される最終処理水に含まれる硝酸態窒素濃度を測定するための硝酸計16(硝酸濃度測定計)を有する以外、上述した第1の実施形態の排水処理装置100と略同じ構造を有する。よって、ここでは、第1の実施形態と同様に機能する構成要素には、同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の排水処理装置130は、硫黄脱窒リアクタ4から排出される最終処理水に含まれる硝酸態窒素濃度を硝酸計16を介して測定し、その測定結果に基づいて、好気性処理槽2のブロア5によって好気性処理槽2に供給する空気量を調整することを特徴としている。
この排水処理装置130では、好気性処理槽2において、好気性微生物によって嫌気性処理水中に含まれるBOD成分が酸化された後、硝化細菌によって処理水のアンモニア態窒素が硝酸態窒素に酸化される。そのため、好気性処理槽2で生成される硝酸態窒素の量は、ブロア5によって好気性処理槽2に投入される酸素量に比例することになる。
一方、好気性処理槽2で生成した硝酸態窒素は、一過式で硫黄脱窒リアクタ4により脱窒処理される。このため、ブロア8によって硫黄脱窒リアクタ4に流入される硫化水素の全量で除去可能な硝酸態窒素は全量除去されることとなる。つまり、好気性処理槽2で生成すべき硝酸態窒素の量は、硫黄脱窒リアクタ4で除去できる量とすることが望ましい。
そこで、本実施形態では、硫黄脱窒リアクタ4から排出される最終処理水の中に含まれる硝酸態窒素濃度を硝酸計16で測定し、その値が一定になるようにブロア5で好気性処理槽2へ送り込む空気の量を調整するようにした。これにより、過剰な硝酸態窒素の生成をやめることができ、好気性処理槽2に投入すれる曝気風量を削減することが可能となる。つまり、本実施形態によると、好気性処理槽2のブロア5の動力を削減することが出来る。
また、本実施形態によると、硝酸態窒素の除去と同時にバイオガス中に含まれる硫化水素も除去されるため、最終処理水に含まれる硝酸態窒素濃度を一定に調整することにより、硫化水素の確実な除去を行うことが可能となる。
本実施形態によれば、バイオガス中に含まれる硫化水素の除去を行いながら、好気性処理槽2で必要な曝気動力を削減することが出来る。
以上述べた少なくともひとつの実施形態の排水処理装置によれば、嫌気性処理槽1、好気性処理槽2の下流側に硫黄脱窒リアクタ4を持つことにより、装置構成を簡略化でき高い窒素除去率を得ることができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…嫌気性処理槽、2…好気性処理槽、3…個液分離槽、4…硫黄脱窒リアクタ、7…担体、9…散気装置、11…嫌気処理循環槽、12…バイオガス循環ライン、13…循環ポンプ、14…脱窒槽、15…全窒素計、16…硝酸計、100、110、120、130…排水処理装置。

Claims (10)

  1. 嫌気性処理槽と、
    この嫌気性処理槽で処理された一次処理水を処理する好気性処理槽と、
    この好気性処理槽で処理された二次処理水を処理して最終処理水として排出する硫黄脱窒リアクタと、を有し、
    上記硫黄脱窒リアクタは、上記二次処理水を1度だけ通過させて、硫黄脱窒菌の作用により上記二次処理水に含まれる硝酸態窒素或いは亜硝酸態窒素を上記嫌気性処理槽から排出されるバイオガスに含まれる硫化水素で還元して上記二次処理水の窒素除去を行う、
    排水処理装置。
  2. 上記二次処理水から好気性微生物を分離して上記好気性処理槽へ返送し、上記好気性微生物を分離した二次処理水を上記硫黄脱窒リアクタへ送り込む個液分離槽をさらに有する、
    請求項1の排水処理装置。
  3. 上記硫黄脱窒リアクタは、当該硫黄脱窒リアクタへ送り込まれた上記二次処理水中で上記硫黄脱窒菌を保持する担体を有し、当該硫黄脱窒リアクタの底部から上記二次処理水を導入し、上記担体の下方から上記バイオガスを注入する、
    請求項1または請求項2の排水処理装置。
  4. 上記硫黄脱窒リアクタで使用済のバイオガスを上記嫌気性処理槽の気相部に返流する、
    請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項の排水処理装置。
  5. 上記嫌気性処理槽の一次処理水を循環させる循環槽をさらに有し、
    上記使用済のバイオガスを上記循環槽にも返送する、
    請求項4の排水処理装置。
  6. 上記硫黄脱窒リアクタから排出される最終処理水の窒素濃度を測定する窒素濃度測定計と、
    上記好気性処理槽の二次処理水を循環させて脱窒する脱窒槽と、をさらに有し、
    上記窒素濃度測定計による測定結果に基づいて上記脱窒槽へ循環させる二次処理水の量を調整する、
    請求項1の排水処理装置。
  7. 上記硫黄脱窒リアクタから排出される最終処理水の硝酸濃度を測定する硝酸濃度測定計をさらに有し、
    上記硝酸濃度測定計による測定結果に基づいて上記好気性処理槽へ供給する空気の量を調整する、
    請求項1の排水処理装置。
  8. 被処理水を嫌気性処理槽で処理し、
    この嫌気性処理槽で処理した一次処理水を好気性処理槽で処理し、
    この好気性処理槽で処理した二次処理水を硫黄脱窒リアクタに一度だけ通過させて、硫黄脱窒菌の作用により上記二次処理水に含まれる硝酸態窒素或いは亜硝酸態窒素を上記嫌気性処理槽から排出されるバイオガスに含まれる硫化水素で還元して、最終処理水として排出する、
    排水処理方法。
  9. 上記硫黄脱窒リアクタから排出される最終処理水の窒素濃度を測定し、
    この測定結果に基づいて、上記好気性処理槽の二次処理水を脱窒槽へ循環させる量を調整する、
    請求項8の排水処理方法。
  10. 上記硫黄脱窒リアクタから排出される最終処理水の硝酸濃度を測定し、
    この測定結果に基づいて、上記好気性処理槽へ供給する空気の量を調整する、
    請求項8の排水処理方法。
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