JP2014171951A - 機能性複合膜及びその製造方法、並びに機能性複合膜を具備したイオン交換膜及びプロトン伝導膜 - Google Patents

機能性複合膜及びその製造方法、並びに機能性複合膜を具備したイオン交換膜及びプロトン伝導膜 Download PDF

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Abstract

【課題】選択透過性に優れ、透水率が低く、かつ破裂強度が高く、広範な用途に用いることができる、機能性複合膜機能性複合膜及びその製造方法、並びに機能性複合膜を具備したイオン交換膜及びプロトン伝導膜を提供する。
【解決手段】多孔質支持体を有し、架橋ポリマーが多孔質支持体の表面及び/又は孔部に埋め込まれた構造を有する機能性複合膜であって、複合膜の破裂強度が3.0kg/cm以上である機能性複合膜、その製造方法、イオン交換膜及びプロトン伝導膜。一般式(MA)の重合反応で得られる架橋ポリマー。
Figure 2014171951

[式中、RはHまたはアルキル基、ZはOまたは−NRa−。RaはHまたはアルキル基。Mは水素イオンまたはアルカリ金属イオン。]
【選択図】なし

Description

本発明は、機能性複合膜及びその製造方法、並びに機能性複合膜を具備したイオン交換膜及びプロトン伝導膜に関する。
機能性複合膜として、各種の機能を有する膜として、イオン交換膜、逆浸透膜、正浸透膜またはガス分離膜等が知られている。
例えば、イオン交換膜は、電気脱塩(EDI:Electrodeionization)、連続的な電気脱塩(CEDI:Continuous Electrodeionization)、電気透析(ED:Electrodialysis)、逆電気透析(EDR:Electrodialysis reversal)等に用いられる。
電気脱塩(EDI)は、イオン交換膜と電位を使用して、水性液体からイオンが取り除かれる水処理プロセスである。従来のイオン交換のような他の浄水技術と異なり、酸または苛性ソーダのような化学薬品の使用を要求せず、超純水を生産するために使用することができる。電気透析(ED)および逆電気透析(EDR)は、水および他の流体からイオン等を取り除く電気化学の分離プロセスである。
イオン交換膜では、輸率及びpH耐性の改良研究が行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、機能性複合膜としての更なる性能の向上が求められており、これ以外の機能性複合膜の特性の向上も要求されるようになってきている。
国際公開第2013/011272号パンフレット 国際公開第2011/073637号パンフレット 国際公開第2011/073639号パンフレット
本発明者らの研究では、従来の機能性複合膜に対して、機能性複合膜としての用途を格段に高めるためには、透水率をさらに低下させることが重要であることがわかった。さらに近年のイオン交換装置等の小型化に伴う機能性複合膜の薄膜化や抵抗をさらに低下させるための薄膜化により、膜の破裂強度が低下するため、従来にも増してこの膜強度を高めることが重要となる。
本発明は、選択透過性に優れ、透水率が低く、抵抗が低く、かつ破裂強度が高く、広範な用途に用いることができる機能性複合膜およびその製造方法を提供することを課題とする。その中でも特に、透水率が低く、しかもイオンの輸率に優れ、所定の破裂強度を有するイオン交換膜として優れた機能性複合膜を提供することを課題とする。さらには、このような優れた機能性複合膜を具備したイオン交換膜およびプロトン伝導膜を提供することを課題とする。
本発明者らは上記問題点に鑑み、機能性複合膜に適した重合性化合物について鋭意研究を行った。その結果、スルホフェニル構造を有する(メタ)アクリル系のポリマーが有効であることを見出し、これを手掛りに、特にイオン種に対する選択透過性、透水率、得られた膜の破裂強度の各項目に関して、置換基の置換様式をも含めて化合物構造との対応関係を調べ、ジスルホビフェニル構造を見いだした。本発明はこれらの知見に基づき成されるに至った。
すなわち、本発明の上記課題は下記の手段により解決された。
(1)多孔質支持体を有し、架橋ポリマーが前記多孔質支持体の表面および/または孔部に埋め込まれた構造を有する機能性複合膜であって、該架橋ポリマーが下記一般式(P1)で表される構造を含み、かつ該複合膜の破裂強度が3.0kg/cm以上である機能性複合膜。
Figure 2014171951
一般式(P1)中、Rは水素原子またはアルキル基を表し、Zは−O−または−NRa−を表す。ここで、Raは水素原子またはアルキル基を表す。Mは水素イオンまたはアルカリ金属イオンを表す。
(2)前記架橋ポリマーが、少なくとも下記部分構造[A]と[B]を含む下記一般式(CP1)で表される構造を含むポリマーである(1)に記載の機能性複合膜。
Figure 2014171951
一般式(CP1)中、R、ZおよびMは、前記一般式(P1)におけるR、ZおよびMと同義である。Rは水素原子またはアルキル基を表し、Rはエチレン性不飽和基を有さない有機基を表す。ここで、少なくとも1つの部分構造[A]の*1〜*4のいずれかと、少なくとも1つの部分構造[B]の**1または**2が結合している。
(3)前記Rおよび/またはRが水素原子であり、前記Zが−NRa−である(1)または(2)に記載の機能性複合膜。
(4)前記Mがナトリウムイオンである(1)〜(3)のいずれか1項に記載の機能性複合膜。
(5)前記部分構造[A]が、下記部分構造[A−1]である(1)〜(4)のいずれか1項に記載の機能性複合膜。
Figure 2014171951
部分構造[A−1]において、Mは水素イオンまたはアルカリ金属イオンを表す。また、*1〜*4は結合手を表す。
(6)前記部分構造[B]が、下記部分構造[B−2]である(2)〜(5)のいずれか1項に記載の機能性複合膜。
Figure 2014171951
部分構造[B−2]において、R、**1および**2は、前記部分構造[B]における、R、**1および**2と同義である。M は、水素イオンまたはアルカリ金属イオンを表す。
(7)膜厚が150μm以下である(1)〜(6)のいずれか1項に記載の機能性複合膜。
(8)(1)〜(7)のいずれか1項に記載の機能性複合膜を具備したイオン交換膜。
(9)(1)〜(7)のいずれか1項に記載の機能性複合膜を具備したプロトン伝導膜。
(10)下記一般式(MA)で表される化合物を含む組成物を、多孔質支持体の表面および/または孔部で、重合反応により、下記一般式(P1)で表される構造を含む架橋ポリマーを形成して、破裂強度が3.0kg/cm以上である機能性複合膜を製造する機能性複合膜の製造方法。
Figure 2014171951
一般式(MA)、(P1)中、Rは水素原子またはアルキル基を表し、Zは−O−または−NRa−を表す。ここで、Raは水素原子またはアルキル基を表す。Mは水素イオンまたはアルカリ金属イオンを表す。
(11)前記組成物中に、さらに下記一般式(MB)で表される化合物を含み、前記多孔質支持体の表面および/または孔部で、重合反応により、下記一般式(CP1)で表される構造を含む架橋ポリマーを形成して、破裂強度が3.0kg/cm以上である機能性複合膜を製造する(10)に記載の機能性複合膜の製造方法。
Figure 2014171951
一般式(MB)、(CP1)中、R、ZおよびMは、前記一般式(P1)におけるR、ZおよびMと同義である。Rは水素原子またはアルキル基を表し、Rはエチレン性不飽和基を有さない有機基を表す。ここで、少なくとも1つの部分構造[A]の*1〜*3のいずれかと、少なくとも1つの部分構造[B]の**1または**2が結合している。
(12)前記組成物中に含有する全重合性化合物の全モル数を100としたとき、前記一般式(MA)で表される化合物の含有モル数が28以上である(10)または(11)に記載の機能性複合膜の製造方法。
(13)前記組成物中に溶媒を含有し、該溶媒の含有量が5〜50質量%である(10)〜(12)のいずれか1項に記載の機能性複合膜の製造方法。
(14)前記重合反応を、紫外線もしくは電子線照射、または熱、もしくはこれらの組合せた条件で行う(10)〜(13)のいずれか1項に記載の機能性複合膜の製造方法。
本明細書において「破裂強度」とは、ミューレン型破裂強度測定機で測定された強度をいう。
また、本明細書において「〜」とは、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、「解離基」とは、その成分原子、イオン、原子団等に可逆的に分解することができる基をいう。
本発明において、「(メタ)アクリル」等の記載は、−C(=O)CH=CHおよび/または−C(=O)C(CH)=CHを意味するものであり、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドを、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよび/またはメタクリレートを、それぞれ表す。
また、各一般式において、特に断りがない限り、複数存在する同一符号の基がある場合、これらは互いに同一であっても異なってもよく、同じく、複数の部分構造の繰り返しがある場合は、これらの繰り返しが同一の繰り返しでも、また規定する範囲で異なった繰り返しの混合の両方を意味するものである。
さらに、各一般式における二重結合の置換様式である幾何異性体は、表示の都合上、異性体の一方を記載したとしても、特段の断りがない限り、E体であってもZ体であっても、これらの混合物であっても構わない。
本発明によれば、透水率および膜の電気抵抗が低く、膜強度のうち特に破裂強度に優れた機能性複合膜を提供することがでる。さらに、本発明によれば、イオン交換膜として主要な性質である、透水率を低く抑え、しかもイオンの輸率に優れ、薄膜化しても十分な破裂強度を有する機能性複合膜及びその製造方法、並びにこの機能性複合膜を具備したイオン交換膜及びプロトン伝導膜を提供することができる。
膜の透水率を測定するための装置の流路の模式図である。
本発明の機能性複合膜(以下、単に「膜」と称することもある。)は、少なくとも一般式(I)で表される構造を有するポリマーを含有する。
本発明の膜は、(A)一般式(MA)で表される重合性化合物を必須成分として含有し、必要に応じて更に、(B)他の共重合モノマー、(C)重合開始剤、(D)共増感剤、(E)重合禁止剤、(F)溶媒及び(G)アルカリ金属化合物等を含有する組成物を多孔質支持体の表面に塗布した後、または多孔質支持体の孔部に含浸させた後に硬化反応、すなわち、重合反応して形成されるものである。また、本発明の膜は、組成物を多孔質支持体の表面に塗布し、かつ、多孔質支持体の孔部に含浸させた後に硬化反応して形成することもできる。
本発明の機能性複合膜は、イオン交換、イオンの選択的透過、プロトン伝導、燃料電池、及びタンパク質凝集物若しくはウイルス除去等を行うために用いることができる。以下、本発明の好ましい実施形態について、前記機能性複合膜がカチオン交換膜としての機能を有する場合を例に挙げて説明する。
[多孔質支持体]
本発明の機能性複合膜は、多孔質支持体を有するカチオン交換膜である。
本発明において、とりわけ良好な機械的強度を有する膜を提供するため、多孔質支持体を用いる。この多孔質支持体は、前記組成物を塗布および/または含浸させた後硬化反応させることにより膜の一部を構成する。
補強材料としての多孔質支持体としては、例えば、合成織布または合成不織布、スポンジ状フィルム、微細な貫通孔を有するフィルム、紙等が挙げられる。本発明の多孔質支持体を形成する素材は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミドおよびそれらのコポリマーであるか、あるいは、例えばポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエーテルミド(polyethermide)、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、酢酸セルロース、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレンおよびそれらのコポリマーであるか、セルロースなどのバイオマス材料に基づく多孔質膜であることができる。市販の多孔質支持体および補強材料は、例えば、Freudenberg Filtration Technologies(Novatexx材料)およびSefar AGから市販されている。
膜の厚さは、支持体を含めて、好ましくは150μm以下、より好ましくは5〜150μm、さらに好ましくは10〜130μmである。膜の厚さを小さくする(薄くする)と膜の破裂強度は低下する。ここでいう膜の厚とは、膜を0.5MのNaCl水溶液に含浸させ飽和した状態における膜の厚さである。
本発明において膜の破裂強度は、3.0kg/cm以上であり、3.5kg/cm以上であることが好ましい。破裂強度が3.0kg/cmを下回ると、膜を積み重ねてスタックを組み上げる際に亀裂が生じたり、膜と膜の間にイオン交換樹脂を充填する際に穴が空いたり、脱塩運転中の水の圧力を上げた際に亀裂が生じたりして、脱塩効率が低下したり、エネルギーをロスするという問題が生じる。破裂強度の上限値に特に制限はないが、20kg/cm以下であることが実際的である。
本発明の機能性複合膜は、膜ならびに得られる膜と接触し続けている多孔質支持体および任意の多孔質補強材料の全乾燥質量に対して、好ましくは0.5meq/g以上、より好ましくは0.8meq/g以上、特に好ましくは1.2meq/g以上のイオン交換容量を有する。
本発明の機能性複合膜(カチオン交換膜)において、Naなどのカチオンに対する選択透過性は、好ましくは0.9を超え、より好ましくは0.93を超え、特に好ましくは0.95を超え、最も好ましくは0.96を超える。
本発明の機能性複合膜の電気抵抗(膜抵抗)は、好ましくは10Ω・cm未満、より好ましくは5Ω・cm未満、最も好ましくは3Ω・cm未満である。電気抵抗は低いほど好ましく、実現できる範囲で最も低い値とすることが本発明の効果を奏する上で好ましい。
本発明の機能性複合膜の水中での膨潤率(膨潤による寸法変化率)は、好ましくは30%未満、より好ましくは15%未満、最も好ましくは8%未満である。膨潤率は、硬化段階で適切なパラメーターを選択することにより制御することができる。
本発明の機能性複合膜の吸水量は、乾燥膜の質量に対して、好ましくは70%未満、より好ましくは50%未満、特に好ましくは40%未満である。
膜の電気抵抗、選択透過性および水中での膨潤率%は、Membrane Science,319,217〜218(2008)、中垣正幸著、膜学実験法,193〜195頁(1984)に記載されている方法により測定することができる。
本発明の機能性複合膜の透水率は、14×10―5mL/m/Pa/hr以下であることが好ましく、12×10―5mL/m/Pa/hr以下であることがより好ましく、10×10―5mL/m/Pa/hr以下であることが最も好ましい。
本発明の機能性複合膜を構成するポリマーの平均質量分子量は、三次元架橋が形成されているため数十万以上であり、実質的に測定できない。一般的には無限大とみなされる。
次に、本発明の機能性複合膜を構成するポリマーについて説明する。
なお、本明細書において「化合物」という語を末尾に付して呼ぶとき、あるいは特定の化合物をその名称や式で示すときには、当該化合物そのものに加え、その化学構造式中に解離性の部分構造有するのであれば、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、本明細書において置換基に関して「基」という語を末尾に付して呼ぶとき、あるいは特定の化合物をその名称で呼ぶときには、その基もしくは化合物に任意の置換基を有していてもよい意味である。
本発明の機能性複合膜は、少なくとも1種の下記一般式(P1)で表される構造を含むポリマーを含有する。
Figure 2014171951
一般式(P1)中、Rは水素原子またはアルキル基を表し、Zは−O−または−NRa−を表す。ここで、Raは水素原子またはアルキル基を表す。Mは水素イオンまたはアルカリ金属イオンを表す。
におけるアルキル基は直鎖もしくは分岐のアルキル基で、炭素数は1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。アルキル基の具体例として、メチル、エチル、Iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−デシル、n−ヘキサデシルなどが挙げられる。
は水素原子またはメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
は−O−または−NRa−を表す。
ここで、Raは水素原子またはアルキル基を表すが、該アルキル基は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、炭素数は1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。アルキル基の具体例として、メチル、エチル、Iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−デシル、n−ヘキサデシルなどが挙げられる。
Raは水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
は、これらのなかでも−NRa−が好ましい。
は水素イオンまたはアルカリ金属イオンを表す。アルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオンが挙げられ、好ましい。
は、水素イオン、リチウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオンが好ましく、水素イオン、ナトリウムイオンがより好ましく、ナトリウムイオンがされに好ましい。
上記好ましい範囲内であると所望の硬化性、pH耐性、機械強度、柔軟性に優れる。
一般式(P1)で表される構造を有するポリマーは、下記一般式(MA)で表される多単官能重合性化合物を重合反応、すなわち硬化反応させて得られる。
以下に、一般式(MA)で表される化合物を説明する。
(A)一般式(MA)で表される重合性化合物
Figure 2014171951
一般式(MA)において、R、ZおよびMは、前記一般式(P1)におけるR、ZおよびMと同義であり、好ましい範囲も同じである。
以下、一般式(MA)で表される化合物の具体例を示すが、これによって本発明が限定されるものではない。
Figure 2014171951
これらの化合物は、後述の実施例で示す方法もしくはこれに準じた方法で合成することができる。
(A)一般式(P1)で表される構造を有するポリマーは、一般式(P1)で表される構造のみの繰返しであっても、(B)他の共重合モノマーとの共重合体であっても構わない。
本発明においては、他の共重合モノマーから得られる構造が組み込まれた構造のポリマーが好ましい。
ここで、(B)他の共重合モノマーは、本発明の機能性高分子膜の透水率と膜の電気抵抗のバランスの調整や、塗布液粘度の調整、塗布液の経時安定性の調整などの作用を行う。
このようなモノマーとしては、どのようなモノマーでも構わない。単官能重合性化合物であっても、前記の一般式(MA)で表される多官能重合性化合物とは異なる構造の多官能重合性化合物でも構わない。
本発明は、後述の一般式(MB)で表される単官能重合性化合物が好ましい。
一般式(MB)で表される単官能重合性化合物と一般式(MA)で表される多官能重合性化合物を共重合させることにより得られる下記一般式(CP1)で表される構造を有するポリマーが好ましい。
Figure 2014171951
一般式(CP1)中、R、ZおよびMは、前記一般式(P1)におけるR、ZおよびMと同義である。Rは水素原子またはアルキル基を表し、Rはエチレン性不飽和基を有さない有機基を表す。ここで、少なくとも1つの部分構造[A]の*1〜*3のいずれかと、少なくとも部分構造[B]の**1または**2が結合している。なお、一般式(CP1)において、部分構造[A]同士で結合している部分があってもよく、また、部分構造[B]同士で結合している部分があってもよい。
ここで部分構造[A]は一般式(MA)から得られる構造であり、部分構造[B]は、一般式(MB)から得られる構造である。
これらが重合反応することで、部分構造[A]の*1〜*3のいずれかと、部分構造[B]の**1または**2が結合する。
結合の様式は、特に限定されるものでなく、例えば、部分構造[A]と[B]とがブロック型に連結していても、ランダムに連結していても構わない。
(B)他の共重合モノマー
Figure 2014171951
一般式(MB)中、Rは水素原子またはアルキル基を表す。
は、一般式(MA)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同じである。
は、エチレン性不飽和基を有さない有機基を表す。
ここで、エチレン性不飽和基は、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基などのような重合反応が可能な基であり、一般式(MB)で表される化合物が単官能重合性化合物であることを意味する。また、有機基は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基などの有機の基であって、該有機基に、例えば、置換基として、エチレン性不飽和基が置換しない。
は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基などが挙げられ、アシルオキシ基、アシルアミノ基が好ましい。
一般式(MB)で表される化合物は、下記一般式(MB−α)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014171951
一般式(MB−α)中、Rは一般式(MB)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同じである。
は、Zと同義であり、好ましい範囲も同じである。Zは、なかでも−NRa−が好ましく、−NH−がさらに好ましい。
は、アルキル基、アリール基を表す。これらの基は置換基で、置換されていてもよく、該置換基としては、水酸基、スルホ基もしくはその塩、カルボキシル基もしくはその塩、オニオ基(アンモニオ基、ピリジニオ基、スルホニオ基など)、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基(アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アミド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル基、シアノ基などが挙げられ、好ましい。
本発明においては、特に高分子膜の機能を付与するために、このアルキル基の置換基で機能を付与されていることも好ましい。このため、上記置換基のなかでも、解離基、極性の置換基が好ましく、解離基が特に好ましい。
解離基は上記で挙げた、水酸基(特に、フェノール性またはエノール性の水酸基)、スルホ基もしくはその塩、カルボキシル基もしくはその塩、リン酸基もしくはその塩が好ましく、スルホ基もしくはその塩がより好ましい。
ここで、スルホ基またはカルボキシル基における塩としては、アルカリ金属原子のカチオン、例えば、リチウムカチオン、カリウムカチオン、ナトリウムカチオンが好ましい。
一般式(MB−α)で表される化合物は、下記一般式(MB−β)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014171951
一般式(MB−β)中、Rは前記一般式(MB−α)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同じである。M は、水素原子またはアルカリ金属イオンを表し、前記Mと好ましい範囲が同じである。
前記一般式(MB−α)、(MB−β)で表される化合物から得られる構造(ポリマー中に組み込まれた構造)は、以下の構造となる。
ここで、下記部分構造[B−1]は、一般式(MB−α)で表される化合物から、下記部分構造[B−2]は、一般式(MB−β)で表される化合物から得られるものである。
Figure 2014171951
部分構造[B−1]、[B−2]において、R、**1および**2は、前記部分構造[B]における、R、**1および**2と同義である。M は、水素イオンまたはアルカリ金属イオンを表す。またZ、Rは、前記一般式(MB−α)におけるZ、Rと同義であり、好ましい範囲も同じである。
なお、Rは、前記部分構造[B]におけるRと同じである。
以下に、一般式(MB)で表される化合物を示すが、これによって、本発明が限定されるものではない。
Figure 2014171951
これらの化合物は、興人(株)、協和発酵ケミカル(株)、Fluka(株)、aldrich(株)、東亜合成(株)から市販されていたり、公知の方法で容易に合成できる。
本発明の機能性複合膜において、前記一般式(CP1)における部分構造[A]と部分構造[B]との組成比は、機能性膜を得るための組成物中の重合性化合物におけるモル比で決まる。
このような組成物中において、前記一般式(MA)で表される化合物は、該組成物中に存在する重合性化合物の全モル数を100としたとき、すなわち100モルとしたとき、28モル以上含有するのが好ましく、28〜95モル含有するのがより好ましく、30〜90モル含有するのがさらに好ましい。また残りの重合性化合物は前記一般式(MB)で表される化合物であるのが好ましい。
一般式(MA)で表される化合物、すなわち、機能性複合膜の膜を構成する架橋ポリマーの部分構造[A]、が多すぎると、膜の架橋密度が向上するため、透水率は低下するものの、膜抵抗は増大する傾向にあり、一方、部分構造[A]が少なすぎると架橋密度が低下するため、膜抵抗は低下するものの、透水率は増加する。透水率と膜抵抗は相関関係にあり、本発明の機能性複合膜は、前記一般式(CP1)における部分構造[A]と部分構造[B]のモル比の設定により、透水率、膜抵抗及び破裂強度を調整することができる。
(C)重合開始剤
本発明の機能性複合膜を製造するための組成物は、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤の中でも、本発明においては、エネルギー線照射で重合させることが可能な光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、芳香族ケトン類、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機化酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、並びにアルキルアミン化合物等が挙げられる。
芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキシド化合物、及び、チオ化合物の好ましい例としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」,p.77〜117(1993)に記載のベンゾフェノン骨格又はチオキサントン骨格を有する化合物等が挙げられる。より好ましい例としては、特公昭47−6416号公報に記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号公報に記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号公報に記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号公報に記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号公報に記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号公報に記載のジアルコキシベンゾフェノン、特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報記載のベンゾインエーテル類、特公平1−34242号公報、米国特許第4,318,791号明細書、欧州特許出願公開第0284561A1号明細書に記載のα−アミノベンゾフェノン類、特開平2−211452号公報に記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号公報に記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号公報に記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号公報に記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号公報に記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報に記載のクマリン類等を挙げることができる。また、特開2008−105379号公報、特開2009−114290号公報に記載の重合開始剤も好ましい。また、加藤清視著「紫外線硬化システム」(株式会社総合技術センター発行:平成元年)の第65〜148頁に記載されている重合開始剤などを挙げることができる。
本発明において、水溶性の重合開始剤が好ましく用いられる。
ここで、重合開始剤が水溶性であることは、25℃において蒸留水に0.5質量%以上溶解することを意味する。前記水溶性の光重合開始剤は、25℃において蒸留水に1質量%以上溶解することが更に好ましく、3質量%以上溶解することが特に好ましい。
これらのなかでも、本発明の機能性複合膜を製造するための組成物に好適な光重合開始剤は、芳香族ケトン類(特に、α−ヒドロキシ置換ベンゾイン化合物)又はアシルホスフィンオキサイド化合物である。特に、p−フェニルベンゾフェノン(和光純薬工業社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(Irgacure 819、BASF・ジャパン社製)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(Darocur TPO、BASF・ジャパン社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(Irgacure 369、BASF・ジャパン社製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(Irgacure 907、BASF・ジャパン社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(Irgacure 2959、BASF・ジャパン社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(Darocur 1173、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)が好ましく、水溶性と加水分解耐性の観点から、Irgacure 2959(BASF・ジャパン社製)、Darocur 1173(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)が最も好ましい。
本発明において、重合開始剤の含有量は、組成物中の全固形分質量100質量部に対し、0.1〜10質量部か好ましく、0.1〜5質量部がより好ましく、0.3〜2質量部がさらに好ましい。
(D)共増感剤
更に本発明の機能性複合膜の作製プロセスにおいて、感度を一層向上させる、又は酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として、更に、加えてもよい。
このような共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著,Journal of Polymer Society,第10巻,3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure,33825号に記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
別の例としてはチオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報に記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報に記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報に記載の水素供与体、特開平6−308727号公報に記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報に記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特開平8−65779号公報に記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
(E)重合禁止剤
本発明においては、塗布液の安定性を付与するために、重合禁止剤を含むことも好ましい。
重合禁止剤としては、公知の重合禁止剤が使用でき、フェノール化合物、ハイドロキノン化合物、アミン化合物、メルカプト化合物などが挙げられる。
フェノール化合物の具体例としては、ヒンダードフェノール(オルト位にt−ブチル基を有するフェノールで、代表的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールが挙げられる)、ビスフェノールが挙げられる。ハイドロキノン化合物の具体例としては、モノメチルエーテルハイドロキノンが挙げられる。
なお、これらの重合禁止剤は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
重合禁止剤の含有量は、組成物中の全固形分質量100質量部に対し、0.01〜5質量部か好ましく、0.01〜1質量部がより好ましく、0.01〜0.5質量部がさらに好ましい。
(F)溶媒
本発明の機能性複合膜を製造するための組成物は、溶媒を含んでいてもよい。組成物中の(F)溶媒の含有量は、全組成物に対し、5〜50質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましい。
溶媒を含むことで、硬化(重合)反応が、均一にしかもスムーズに進行する。また、多孔質支持体へ組成物の含浸させる場合に含浸がスムーズに進行する。
溶媒が少なすぎると、組成物の粘度が上昇し、均一な複合膜を製造できなくなる場合がある。また、溶媒が多すぎると支持体に固定される固形分が少なくなるためピンホール(微小な欠陥穴)ができやすくなるという問題がある。
溶媒は、水に対する溶解度が5質量%以上であるものが好ましく用いられ、さらには水に対して自由に混合するものが好ましい。このため、水および水溶性溶媒から選択される溶媒が好ましい。
水溶性溶媒としては、特に、アルコール系溶媒、非プロトン性極性溶媒であるエーテル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、スルホン系溶媒、二トリル系溶媒、有機リン系溶媒が好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。これらは1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。
また、非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、ジオキサン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミド、ピリジン、プロピオニトリル、ブタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジアセテート、γ−ブチロラクトン等が好ましい溶剤として挙げられ、中でもジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、アセトン又はアセトニトリル、テトラヒドロフランが好ましい。これらは1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。
(G)アルカリ金属化合物
本発明の機能性複合膜を製造するための組成物は、前記(メタ)アクリルアミド構造を有する化合物の溶解性を向上させるためにアルカリ金属化合物を含んでいてもよい。アルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウムの水酸化物塩、塩化物塩、硝酸塩等が好ましい。中でも、リチウム化合物がより好ましく、その具体例としては、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硝酸リチウム、ヨウ化リチウム、リチウム塩素酸塩、チオシアン酸リチウム、過塩素酸リチウム、リチウム・テトラフルオロボラート、リチウム・ヘキサフルオロホスファート、リチウム・ヘキサフルオロアルセナートが挙げられる。
ここで、アルカリ金属化合物は、組成物、組成物溶液混合物を中和するために使用することも好ましい。
これらのアルカリ金属化合物は水和物であってもよい。また、1種単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルカリ金属化合物を添加する場合の添加量は、組成物中の全固形分質量100質量部に対し、0.1〜20質量部か好ましく、1〜20質量部がより好ましく、5〜20質量部がさらに好ましい。
本発明の機能性複合膜は、スルホン酸基(SO3−)を有し、電解質膜(イオン交換膜)として用いることができ、NaClのような塩を含む水におけるカチオンNaを交換することができる。
本発明において、アクリルアミド架橋性基を有することでUV硬化性が付与されるため短時間で架橋性の機能性複合膜が得られ、生産性に優れ低コストで電解質膜を作製することできる。
理想的なイオン交換膜は、低膜抵抗、低透水率、高輸率(カチオン/アニオン交換分離選択性)である。単位構造分子量あたりの電荷密度が高いほど一般的には膜の抵抗は低下し、輸率が高くなり、架橋密度が大きいほど透水率を低下させることができる。
本発明において、架橋性の重合性化合物(二官能以上のアクリルアミド)に電荷性基(スルホン酸基)を多く有することで、低膜抵抗、低透水率、かつ、高輸率である機能性複合膜を得られることを見出した。
さらに、架橋性の重合性化合物が剛直性のフェニルアクリルアミド構造単位を2つ有することで、本発明の機能性複合膜は力学強度に優れる。また、フェニルアクリルアミド構造は、疎水性であるため、透水率が低下することにも寄与していると考えられる。
〔その他の成分等〕
本発明の機能性複合膜には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することもできる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。
また、液物性調整のためにノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤や、有機フルオロ化合物などを添加することもできる。
界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩、高級アルコールエーテルのスルホン酸塩、高級アルキルスルホンアミドのアルキルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩などのアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、グリセリンのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、また、この他にもアルキルベタインやアミドベタインなどの両性界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などを含めて、従来公知である界面活性剤及びその誘導体から適宜選ぶことができる。
高分子分散剤として、具体的にはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド等が挙げられ、中でもポリビニルピロリドンを用いることも好ましい。
上記アルカリ金属化合物以外に、必要により、例えば、界面活性剤、粘度向上剤、表面張力調整剤、防腐剤を含有してもよい。
[機能性複合膜の製造方法]
本発明の機能性複合膜は、モノマーとして前記一般式(MA)で表される重合性化合物を含む塗布液を多孔質支持体に塗布し、塗布後の支持体に活性放射線を照射する、又は熱を付与することにより架橋反応させ、形成されることが望ましい。
本発明の機能性複合膜の製造方法の一例として、前記一般式(MA)で表される重合性化合物を含有する塗布液を多孔質支持体に塗布し、塗布後の支持体を、活性放射線を照射することにより形成する方法が挙げられる。
本発明の機能性複合膜を形成する条件に特に制限はないが、温度は−30〜100℃が好ましく、−10〜80℃がより好ましく、5〜60℃が特に好ましい。
本発明においては、膜を形成時に空気や酸素などの気体を共存させてもよいが、不活性ガス雰囲気下であることが望ましい。
本実施形態の機能性複合膜は、固定された支持体を用いてバッチ式で調製することが可能であるが、移動する多孔質支持体を用いて連続式で膜を調製することもできる。多孔質支持体は、連続的に巻き戻されるロール形状でもよい。なお、連続式で膜を調整する場合、連続的に動かされるベルト上に多孔質支持体を載せ、膜を調製するができる(または、これらの方法の組み合わせ)。そのような技術を用いると、上記組成物を連続式で多孔質支持体に施用することができ、または、それを大規模なバッチ式で施用することができる。
上記組成物は、任意の適した方法、例えば、カーテンコーティング、押し出しコーティング、エアナイフコーティング、スライドコーティング、ニップロールコーティング、フォワードロールコーティング、リバースロールコーティング、浸漬コーティング、キスコーティング、ロッドバーコーティングまたは噴霧コーティングにより、多孔質支持体層に施用することができる。多層のコーティングは、同時または連続して行うことができる。多層の同時コーティングには、カーテンコーティング、スライドコーティング、スロットダイコーティングおよび押し出しコーティングが好ましい。
従って、好ましい方法では、上記組成物を、移動している多孔質支持体に連続的に、より好ましくは、組成物塗布部と、この組成物を硬化するための照射源と、膜収集部と、支持体を前記組成物塗布部から照射源および膜収集部に移動させるための手段とを含む製造ユニットにより、製造する。
本製造例では、(i)上記組成物を多孔質支持体に塗布および/または含浸し(ii)当該組成物を光照射により硬化反応させるという過程を経て本実施形態の機能性複合膜が作成される。
組成物塗布部は照射源に対し上流の位置に置くことができ、照射源は複合膜収集部に対し上流の位置に置かれる。
高速コーティング機による施用に十分な流動性を有するために、上記組成物は、好ましくは35℃で測定して4000mPa.s未満、より好ましくは35℃で測定して1〜1000mPa.sの粘度を有する。上記組成物の粘度は、35℃で測定して1〜500mPa.sであることが、最も好ましい。スライドビードコーティングのようなコーティング法の場合、好ましい粘度は、35℃で測定して1〜100mPa.sである。
適したコーティング技術を用いると、上記組成物を、15m/minを超える速度、例えば、20m/minを超える速度で移動する多孔質支持体に塗布することができる。
特に支持体を膜に残して機械的強度をもたらすため、上記組成物を支持体の表面に施用する前に、この支持体を、例えば支持体の湿潤性および付着力を改善するために、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理などに付してもよい。
硬化反応中に、一般式(MA)で表される重合性化合物が重合してポリマーを形成する。硬化反応は、30秒以内に膜を形成するのに十分な迅速さで硬化が起こるという条件で、光照射(好ましくは紫外線)、電子線照射または熱、もしくはこれらを組み合わせた条件により行うことができる。なかでも光照射(好ましくは紫外線)、電子線照射が好ましく、光照射が特に好ましい。
上記組成物の硬化反応は、上記組成物を支持体層に施用して好ましくは60秒以内、より好ましくは15秒以内、特に5秒以内、最も好ましくは3秒以内に開始する。
硬化反応は、組成物に好ましくは10秒未満、より好ましくは5秒未満、特に好ましくは3秒未満、最も好ましくは2秒未満にわたり光を照射することにより達成する。連続法では照射を連続的に行い、組成物が照射ビームを通過して移動する速度が、硬化反応時間の期間を主として決定する。
強度の高いUV光を硬化反応に用いる場合、かなりの量の熱が生じる可能性がある。したがって、過熱を防ぐために、冷却用空気をランプおよび/または支持体/膜に施用してもよい。しばしば、著しい線量のIR光がUVビームと一緒に照射される。一態様では、硬化を、IR反射性石英プレートに通してフィルタリングしたUV光を用いる照射により実施する。
硬化では紫外線を用いることが好ましい。適した波長は、組成物中に包含される任意の光開始剤の吸収波長と波長が適合するという条件で、例えばUV−A(400〜320nm)、UV−B(320〜280nm)、UV−C(280〜200nm)である。
適した紫外線源は、水銀アーク灯、炭素アーク灯、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、旋回流プラズマアーク灯、金属ハロゲン化物灯、キセノン灯、タングステン灯、ハロゲン灯、レーザーおよび紫外線発光ダイオードである。中圧または高圧水銀蒸気タイプの紫外線発光ランプがとりわけ好ましい。これに加えて、ランプの発光スペクトルを改変するために、金属ハロゲン化物などの添加剤が存在していてもよい。大抵の場合、200〜450nmに発光極大を有するランプがとりわけ適している。
照射源のエネルギー出力は、好ましくは20〜1000W/cm、好ましくは40〜500W/cmであるが、所望の暴露線量を実現することができるならば、これより高いまたは低いことができる。暴露強度は、膜の最終構造に影響を及ぼす硬化度を制御するために用いることができるパラメーターの一つである。暴露線量は、High Energy UV Radiometer(EIT−Instrument Markets製のUV Power PuckTM)により、該装置で示されたUV−B範囲で測定して、好ましくは少なくとも40mJ/cm以上、より好ましくは100〜2000mJ/cm、もっとも好ましくは150〜1500mJ/cmである。暴露時間は自由に選ぶことができるが、短いことが好ましく、典型的には2秒未満である。
速いコーティング速度において所望の線量に到達させるためには、硬化性組成物が1より多くのランプに暴露されるように、1より多くのUVランプが必要である可能性がある。2以上のランプを使用する場合、すべてのランプが同等の線量をもたらすことができ、または各ランプが個々の設定を有することができる。例えば、第1のランプは、第2もしくは後続するランプより高い線量をもたらすことができ、または第1のランプの暴露強度はより低くてもよい。
[分離膜モジュール・イオン交換装置]
本発明の機能性複合膜は多孔質支持体と組み合わせた複合膜であり、これを用いた分離膜モジュールとすることが好ましい。また、本発明の機能性複合膜、機能性複合膜又は機能性複合膜モジュールを用いて、イオン交換又は脱塩、精製させるための手段を有するイオン交換装置とすることができる。燃料電池としても好適に用いることが可能である。
本発明の機能性複合膜はモジュール化して好適に用いることができる。モジュールの例としては、スパイラル型、中空糸型、プリーツ型、管状型、プレート&フレーム型、スタック型などが挙げられる。
本発明の機能性複合膜は、特にイオン交換に使用することを主として意図している。しかしながら、本発明の機能性複合膜はイオン交換に限定されるものではなく、燃料電池用のプロトン伝導膜、タンパク質・ウイルス除去にも好適に用いることができると考えられる。
以下に実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、文中「部」及び「%」とあるのは特に示さない限り質量基準とする。
〔合成例〕
<モノマー(MA−1)の合成>
Figure 2014171951
化合物(MA−1)の合成
5Lの三口フラスコに炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業製、製品番号:195−01303)288.29g(3.43mol)、イオン交換水1,343mLを加えて、室温下で攪拌しているところに、4,4’−ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸(東京化成工業製、製品番号:B0395)268.6g(0.78mol)を少しずつ加えた。室温下で30分攪拌した後、氷冷下に冷却し、攪拌を続けた。氷冷下で攪拌しているところに塩化アクリロイル(和光純薬工業製、製品番号:013−12485)138.7mL(1.53mol)を系内が10℃以下を保つように少しずつ滴下した。滴下終了後、氷冷却下で1時間、その後、室温下で3時間攪拌した。反応混合物にイソプロピルアルコール2,686mLを少しずつ加えて、生じた不溶物をろ過により取り除いた。得られたろ液を30Lのステンレスバケツに移し、室温下で攪拌しているところに、イソプロピルアルコール10,744mLを少しずつ加えた。得られた結晶をろ過し、その後、イソプロピルアルコール:水(5:1)の混合溶液1,074mLで結晶を洗浄し、目的の化合物(MA−1)を339g(収率:87%)得た。カールフィッシャー法で測定した化合物(MA−1)の含水率は15.8質量%であった。
H−NMR(300MHz、DMSO−d6)δ・=10.3(s,2H),8.09(d、J=2.4Hz、2H),7.71(dd,J=2.4、8.4Hz、2H),7.16(d,J=8.4Hz、2H),7.71(dd,J=2.4、8.4Hz、2H)
化合物(MA−2)の合成
化合物(MA−2)は上記で得られた化合物(MA−1)を硫酸で中和して得た。カールフィッシャー法で測定した化合物(MA−2)の含水率は14.3質量%であった。
実施例1(カチオン交換膜の作成)
下記表1に示す組成の組成物の塗布液をアルミ板に、150μmのワイヤ巻き棒を用いて、手動で約5m/minの速さで塗布し、続いて、不織布(Freudenberg社製 FO−2223−10、厚さ100μm)に塗布液を含浸させた。ワイヤの巻いていないロッドを用いて余分な塗布液を除去した。塗布時の塗布液の温度は約40℃であった。UV露光機(Fusion UV Systems社製、型式Light Hammer 10、D−バルブ、コンベア速度15m/min、100%強度)を用いて、前記塗布液含浸支持体を硬化することにより、カチオン交換膜を調製した。得られた膜をアルミ板から取り外し、0.1M NaCl溶液中で少なくとも12時間保存した。
(実施例2〜7)
実施例1のカチオン交換膜の作成において、それぞれ、組成を下記表1に記載の組成に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜7のカチオン交換膜を作成した。
(比較例1及び2)
国際公開第2013/011272号パンフレットを参照し、それぞれ、組成を下記表1に記載の組成に変えた以外は、実施例1と同様にして比較例1及び2のカチオン交換膜を作成した。
実施例1〜実施例7及び比較例1および2で作成したカチオン交換膜について、下記項目を評価した。結果を表2に示す。
[選択透過性(輸率)]
選択透過性は、静的膜電位測定により膜電位(V)を測定し、算出した。2つの電解槽(cell)は、測定対象の膜により隔てられている。測定前に、膜を0.05M NaCl水溶液中で約16時間平衡化した。その後、異なる濃度のNaCl水溶液を、測定対象の膜の相対する側の電解槽に、それぞれ、注いだ。
一方のcellに0.05M NaCl水溶液を100mL注いだ。また、他方のcellに0.5M NaCl水溶液100mLを注いだ。
恒温水槽により、cell中のNaCl水溶液の温度を25℃に安定化してから、両液を膜面に向かって流しながら、両電解槽とAg/AgCl参照電極(Metrohm社製)を、塩橋で接続して膜電位(V)を測定し、下記式(A)により輸率tを算出した。
なお、膜の有効面積は1cmであった。
t=(a+b)/2b 式(A)
前記式(A)における各符号の詳細を以下に示す。
a:膜電位(V)
b:0.5915log(f/f)(V)
,f:両cellのNaCl活量係数
,c:両cellのNaCl濃度(M)
[透水率(mL/m/Pa/hr)]
膜の透水率を図1に示す流路10を有する装置により測定した。図1において、符号1は膜を表し、符号3及び4は、それぞれ、フィード溶液(純水)及びドロー溶液(3M NaCl)の流路を表す。また、符号2の矢印はフィード溶液から分離された水の流れを示表す。
フィード溶液400mLとドロー溶液400mLとを、膜を介して接触させ(膜接触面積18cm)、各液はペリスタポンプを用いて符号5の矢印の向きに流速0.11cm/秒で流した。フィード溶液中の水が膜を介してドロー溶液に浸透する速度を、フィード液とドロー液の質量をリアルタイムで測定することによって解析し、透水率を求めた。
[膜の電気抵抗(Ω・cm)]
約2時間、0.5M NaCl水溶液中に浸漬した膜の両面を乾燥ろ紙で拭い、2室型セル(有効膜面積1cm、電極には白金電極を使用)に挟んだ。両室に0.5M NaClを20mL満たし、25℃の恒温水槽中に置いて平衡に達するまで放置し、セル中の液温が正しく25℃になってから、交流ブリッジ(周波数1,000Hz)により電気抵抗rを測定した。
次に膜を取り除き、0.5M NaCl水溶液のみとして両極間の電気抵抗rを測り、膜の電気抵抗R(Ω・cm)をr−rとして求めた。
表2では、「膜の電気抵抗」を「膜抵抗」と省略して記載した。
[破裂強度(kg/cm)]
破裂強度は、ミューレン型破裂試験機により測定した。
測定には東洋精機製作所製のミューレン破裂試験機(形式L)を使用した。実施例1〜実施例7及び比較例1および2で作成したカチオン交換膜から直径100mmの円状の膜を切り出して測定用試料とした。この試料全体のうち、任意の直径31.75mmの円の範囲に、試料が破裂するまで圧力を印加し、破裂した時点の圧力を破裂強度とした。
Figure 2014171951
Figure 2014171951
Figure 2014171951
[表1における略称の説明]
Genorad 16:商品名、Rahn AG社製
Darocur 1173:商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
Tego Glide 432:商品名、Evonik industries社製
なお、IPAは溶媒のイソプロパノールである。
表2から明らかなように、本発明の一般式(MA)で表される重合性化合物を用いて製造した、一般式(P1)で表される構造を含むポリマーを含有する実施例1〜7のカチオン交換膜は、いずれも、輸率、透水率および膜抵抗の全てについて良好な結果を示し、さらに破裂強度の値も3.0kg/cm以上で高かった。これに対し、従来公知の重合性化合物である架橋剤を用いた比較例1〜2のカチオン交換膜は、実施例1〜7のカチオン交換膜に対し、透水率において劣った。
1 膜
2 フィード溶液中の水が膜を介してドロー溶液に浸透することを示す矢印
3 フィード溶液の流路
4 ドロー溶液の流路
5 液体の進行方向
10 透水率測定装置の流路

Claims (14)

  1. 多孔質支持体を有し、架橋ポリマーが前記多孔質支持体の表面および/または孔部に埋め込まれた構造を有する機能性複合膜であって、該架橋ポリマーが下記一般式(P1)で表される構造を含み、かつ該複合膜の破裂強度が3.0kg/cm以上である機能性複合膜。
    Figure 2014171951
    一般式(P1)中、Rは水素原子またはアルキル基を表し、Zは−O−または−NRa−を表す。ここで、Raは水素原子またはアルキル基を表す。Mは水素イオンまたはアルカリ金属イオンを表す。
  2. 前記架橋ポリマーが、少なくとも下記部分構造[A]と[B]を含む下記一般式(CP1)で表される構造を含むポリマーである請求項1に記載の機能性複合膜。
    Figure 2014171951
    一般式(CP1)中、R、ZおよびMは、前記一般式(P1)におけるR、ZおよびMと同義である。Rは水素原子またはアルキル基を表し、Rはエチレン性不飽和基を有さない有機基を表す。ここで、少なくとも1つの部分構造[A]の*1〜*4のいずれかと、少なくとも1つの部分構造[B]の**1または**2が結合している。
  3. 前記Rおよび/またはRが水素原子であり、前記Zが−NRa−である請求項1または2に記載の機能性複合膜。
  4. 前記Mがナトリウムイオンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性複合膜。
  5. 前記部分構造[A]が、下記部分構造[A−1]である請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能性複合膜。
    Figure 2014171951
    部分構造[A−1]において、Mは水素イオンまたはアルカリ金属イオンを表す。また、*1〜*4は結合手を表す。
  6. 前記部分構造[B]が、下記部分構造[B−2]である請求項2〜5のいずれか1項に記載の機能性複合膜。
    Figure 2014171951
    部分構造[B−2]において、R、**1および**2は、前記部分構造[B]における、R、**1および**2と同義である。M は、水素イオンまたはアルカリ金属イオンを表す。
  7. 膜厚が150μm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の機能性複合膜。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の機能性複合膜を具備したイオン交換膜。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の機能性複合膜を具備したプロトン伝導膜。
  10. 下記一般式(MA)で表される化合物を含む組成物を、多孔質支持体の表面および/または孔部で、重合反応により、下記一般式(P1)で表される構造を含む架橋ポリマーを形成して、破裂強度が3.0kg/cm以上である機能性複合膜を製造する機能性複合膜の製造方法。
    Figure 2014171951
    一般式(MA)、(P1)中、Rは水素原子またはアルキル基を表し、Zは−O−または−NRa−を表す。ここで、Raは水素原子またはアルキル基を表す。Mは水素イオンまたはアルカリ金属イオンを表す。
  11. 前記組成物中に、さらに下記一般式(MB)で表される化合物を含み、前記多孔質支持体の表面および/または孔部で、重合反応により、下記一般式(CP1)で表される構造を含む架橋ポリマーを形成して、破裂強度が3.0kg/cm以上である機能性複合膜を製造する請求項10に記載の機能性複合膜の製造方法。
    Figure 2014171951
    一般式(MB)、(CP1)中、R、ZおよびMは、前記一般式(P1)におけるR、ZおよびMと同義である。Rは水素原子またはアルキル基を表し、Rはエチレン性不飽和基を有さない有機基を表す。ここで、少なくとも1つの部分構造[A]の*1〜*3のいずれかと、少なくとも1つの部分構造[B]の**1または**2が結合している。
  12. 前記組成物中に含有する全重合性化合物の全モル数を100としたとき、前記一般式(MA)で表される化合物の含有モル数が28以上である請求項10または11に記載の機能性複合膜の製造方法。
  13. 前記組成物中に溶媒を含有し、該溶媒の含有量が5〜50質量%である請求項10〜12のいずれか1項に記載の機能性複合膜の製造方法。
  14. 前記重合反応を、紫外線もしくは電子線照射、または熱、もしくはこれらの組合せた条件で行う請求項10〜13のいずれか1項に記載の機能性複合膜の製造方法。
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