以下、本発明に係る遊技機の第一の実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1および図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の上面には操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行する演出装置8が設けられている。演出装置8の左方には普通図柄作動ゲート12が設けられている。演出装置8の下方には第一特別図柄始動入賞口14および第二特別図柄始動電動役物15が配設されており、その下方には大入賞口16が設けられている。第二特別図柄始動電動役物15は開閉部材を備え、開閉部材が開放されると遊技球の入賞が容易になる。大入賞口16も開閉部材を備え、開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球は大入賞口16に入賞できる。各開閉部材はソレノイドによって電気的に開閉される。
演出装置8について説明する。図2に示すように、演出装置8は、LCDからなる表示画面28を中央に備える。表示画面28には様々な映像が表示されるが、特に大当たり判定の結果を遊技者に報知するためのデモ図柄81が表示される。パチンコ機1は、デモ図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄81の組合せを確定表示させる演出(以下、「報知演出」という。)を行うことで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。なお、確定表示とは、大当たり判定の結果を示すデモ図柄81の組合せが確定された表示状態のことである。特に、デモ図柄81の組合せの確定表示とは、表示画面28に形成されるデモ図柄81の組合せが表示されるラインである有効ライン上に、デモ図柄が三つ揃って停止表示される表示状態をいう。
表示画面28の右方には可動役物30が設けられている。可動役物30は、可動部を可動させることで各種演出を行う。遊技盤2の右斜め下部には、大当たり判定の結果および保留球数を表示する図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、特別図柄表示部、普通図柄表示部、特別図柄記憶数表示LED、および普通図柄記憶数表示LEDを備える。特別図柄表示部は、2つの7セグメントLEDからなり、大当たり判定の結果を示す特別図柄を表示する。普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。特別図柄記憶数表示LEDは、大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「特別図柄作動保留球数」)を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「普通図柄作動保留球数」)を表示する。
次に、第一の実施形態のパチンコ機1における遊技の流れについて概略的に説明する。パチンコ機1では、普通当たり遊技および大当たり遊技が設けられている。パチンコ機1は、第一大当たり判定および第二大当たり判定において「大当たり」と判定される確率が約1/100である非確率変動状態と、約1/10である確率変動状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。また、第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材が開放される割合が通常の割合である非時短状態と、割合が非時短状態よりも高くなる時短状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。パチンコ機1は、これらの組合せにより、「非確率変動非時短状態」(以下、「通常状態」という。)、「非確率変動時短状態」、および「確率変動時短状態」の3つの遊技状態を生起する。ただし、この第一の実施形態のパチンコ機1に限られず、「確率変動非時短状態」等を加えた4つ以上の遊技状態に区分けしてもよい。これにより、遊技内容が多様となり、遊技者が遊技状態を予測することが困難な意外性のある遊技を提供することができる。
第一の実施形態であるパチンコ機1では、第一大当たり判定および第二大当たり判定によって「大当たり」と判定された場合は、100%の確率にて大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起される。生起された確率変動状態は、第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和が規定回数(以下、「確変回数」という。)に達すると終了し、非確率変動状態へ移行する。パチンコ機1では、確変回数は8回である。つまり、パチンコ機1の確率変動状態は、大当たり判定の回数の和が確変回数に達することで、所謂回数切り確変機能の作動によって終了する。なお、確率変動状態の継続回数は、パチンコ機1の8回に限られない。また、回数切り確変機能を有する遊技機にも限られない。大当たり遊技の終了後に確率変動状態を生起し、次に大当たりと判定された場合に確率変動状態を終了させる所謂ループタイプの遊技機によっても、本発明は実現できる。
第一の実施形態であるパチンコ機1では、次回の大当たり遊技の実行開始まで、または、第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和が規定回数(以下、「時短回数」という。)に達するまで時短状態が継続する。パチンコ機1では、第一大当たり判定または第二大当たり判定によって「大当たり」と判定された場合は、100%の確率で時短状態が生起される。パチンコ機1では、時短回数は40回である。なお、時短回数は、パチンコ機1の40回に限られない。パチンコ機1は、大当たりと判定された際に決定される特別図柄と、大当たり判定時に生起されている遊技状態とに応じて、大当たり遊技終了後に生起する時短状態の時短回数を、複数の時短回数の中から決定してもよい。複数の時短回数の1つに、時短回数「0回」が含まれていてもよい。
つまり、パチンコ機1の「確率変動時短状態」は、次回の大当たり遊技の実行開始まで、または、確変回数が8回に達するまで継続する。その後、遊技状態は「非確率変動時短状態」へ移行する。「非確率変動時短状態」は、次回の大当たり遊技の実行開始まで、または、大当たり判定の回数の和が時短回数である40回に達するまで継続する。その後、遊技状態は「通常状態」へ移行する。なお、「非確率変動時短状態」、および「確率変動時短状態」は、大当たり遊技開始時にも終了する。この場合、確変回数および時短回数の計数はクリアされる。
「通常状態」中(つまり、非時短状態中)には、第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材が開放される割合は時短状態中よりも低い。よって、遊技者は、第二特別図柄始動電動役物15よりも第一特別図柄始動入賞口14の方が容易に遊技球を入賞させることができる。第一特別図柄始動入賞口14へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われる。「確率変動時短状態」中および「非確率変動時短状態」中(つまり、時短状態中)には、第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材が開放される割合は非時短状態中よりも高い。従って、第一特別図柄始動入賞口14よりも第二特別図柄始動電動役物15の方が容易に遊技球を入賞させることができる。
図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、および中継基板47を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動口スイッチ72、および第二始動口スイッチ73に接続されている。出力ポート55は、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動口スイッチ72は、第一特別図柄始動入賞口14に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ73は、第二特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9、およびスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、各種照明の動作および可動役物30等を制御する。演出制御基板43は、CPU43a等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞品球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
中継基板47には、普通図柄作動スイッチ74、大入賞口開閉ソレノイド70、普通電動役物開閉ソレノイド69、大入賞口スイッチ75、および図柄表示部24が接続されている。普通図柄作動スイッチ74は、普通図柄作動ゲート12を通過した遊技球を検出する。大入賞口開閉ソレノイド70は、大当たり遊技中に大入賞口16の開閉部材を開閉する。普通電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開閉する。大入賞口スイッチ75は、大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41および遊技球発射装置37に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(パチンコ機1では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図4を参照して、RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。第二大当たり関係情報記憶エリアの構成は、第一大当たり関係情報記憶エリアの構成と同じであるため、説明を簡略化する。第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図8から図11参照)において使用される。第一大当たり関係情報記憶エリアには複数の記憶エリアが設けられている。第一特別図柄始動入賞口14に遊技球が入賞した際に、特別図柄作動保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の若い記憶エリアから順に乱数が記憶される。CPU51は、処理が未だ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号が若い記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理(具体的には、判定結果を報知する報知演出、および、判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、次に番号が若い記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
各記憶エリアには、第一大当たり判定カウンタの値が記憶される第一大当たり乱数欄、第一特別図柄決定カウンタの値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、および、第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一特別図柄始動入賞口14に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数は、第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、大当たり判定の結果を報知する報知演出の演出パターン(デモ図柄81の変動パターン)を決定するために用いられる。なお、RAM52には、普通図柄作動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。
また、パチンコ機1においては、第一大当たり関係情報記憶エリアと第二大当たり関係情報記憶エリアは別々に設けられているが、始動入賞の順番は特定可能とされており、遊技球の入賞順に第一大当たり判定及び第二大当たり判定の判定結果が報知される。よって、第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアの両方に特別図柄作動保留球が記憶されている場合には、入賞の順番が早い方の乱数についての判定結果が報知される。
図5を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、第一大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第一大当たり特別図柄と、第二大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第二大当たり特別図柄とを、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。第一大当たり特別図柄の種別には、「16R大当たり」、「4R大当たり」の2つがある。第二大当たり特別図柄の種別も同様である。「4R」および「16R」は、1回の当たり遊技中に大入賞口16が開閉される回数の合計(所謂「ラウンド数」)を示す。パチンコ機1では、第一大当たり判定および第二大当たり判定において大当たりと判定された場合には、16R大当たりとなる割合は5%、4R大当たりとなる割合は95%となっている。なお、前述したように、パチンコ機1では、第一大当たり判定および第二大当たり判定によって「大当たり」と判定された場合、確率変動状態が生起される割合は100%である。
図6を参照して、ROM53に記憶されている第一特別図柄変動パターン決定テーブルについて説明する。変動パターンとは、前述したように、第一大当たり判定および第二大当たり判定による判定結果を遊技者に報知する際に用いられるデモ図柄81の変動のパターン(演出パターン)である。この変動パターンによって、図柄表示部24に表示される特別図柄の変動時間(デモ図柄81の変動時間に等しい)と、特別図柄の変動に同期して表示画面28、可動役物30、スピーカ48等によって実行される報知演出のパターンとが決定される。サブ制御基板58は、主基板41で決定された変動パターンに従って報知演出を制御する。
第一特別図柄変動パターン決定テーブルには、第一大当たり判定時の遊技状態(非確率変動非時短状態中、非確率変動時短状態中、または確率変動時短状態中)、および第一大当たり判定の結果(大当たりまたははずれ)に応じて複数のテーブルが設けられている。それぞれのテーブルには複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値(0〜511)とが対応付けられている。第一大当たり判定が行われると、その時点の遊技状態と判定結果とに応じたテーブルが参照され、第一大当たり乱数と共に取得されている第一変動パターン決定乱数の値によって変動パターンが1つ決定される。主基板41は、決定された変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて表示画面28およびスピーカ48等を制御する。また、主基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一特別図柄を変動させる。なお、図示しないが、第二特別図柄変動パターン決定テーブルも、第一特別図柄変動パターン決定テーブルの構成と同様に構成される。第二大当たり判定が行われると、その時点の遊技状態と判定結果とに応じたテーブルが参照され、第二大当たり乱数と共に取得されている第二変動パターン決定乱数の値によって変動パターンが1つ決定される。主基板41は、決定された変動パターンを指定すると共に、第二特別図柄およびデモ図柄81の変動(報知演出の開始)を指示するための変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。
図7から図11を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図7参照)は、割込信号発生回路57(図3参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、普通図柄作動ゲート12、各入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、タイマカウンタの値が減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。特別電動役物処理では、大当たり遊技(主に、大入賞口16の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後の遊技状態に関する処理とが行われる。詳細には、大当たり遊技終了後に、確率変動フラグおよび時短フラグが「ON」とされる。大当たりの場合には、全ての大当たりラウンドにおいて大入賞口16が最大開放時間29秒で開放される大当たり遊技が実行される。そして、一旦開放された大入賞口16は、最大開放時間の経過、および9個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定、および遊技状態の移行処理等が行われる(図8から図11参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く第二特別図柄始動電動役物15を開放させる。なお、CPU51は、時短フラグが「ON」とされていれば、時短状態中であると判断する。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ74が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。時短状態中に普通当たりと判定される確率(パチンコ機1では99/100)は、非時短状態中に普通当たりと判定される確率(パチンコ機1では4/100)よりも高い。また、普通図柄の変動時間は、非時短中の変動時間(パチンコ機1では10秒)よりも時短状態中の変動時間(パチンコ機1では2秒)の方が短い。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞品球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータに各種の情報が出力される。
図8から図11を参照して、特別図柄処理(S14、図7参照)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確率変動フラグ、時短フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。特別図柄表示状態フラグは、2つの特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、両方とも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。確率変動フラグは、確率変動状態中に「1」が記憶されて「ON」とされる。時短フラグは、時短状態中に「1」が記憶されて「ON」とされる。
図8に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一特別図柄始動入賞口14に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。第一特別図柄始動入賞口14に設けられた第一始動口スイッチ72が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図7参照)において、第一始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」とされる。このフラグが「ON」とされておらず、遊技球が入賞していなければ(S21:NO)、処理はそのままS31の判断へ移行する。第一特別図柄始動入賞口14に遊技球が入賞していれば(S21:YES)、第一特別図柄作動保留球数が「4」であるか否かが判断される(S22)。RAM52に記憶されている第一特別図柄作動保留球数が「4」であれば(S22:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はそのままS31の判断へ移行する。
第一特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S22:NO)、RAM52に記憶されている第一特別図柄作動保留球数に「1」が加算される(S23)。次いで、各種乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も若い記憶エリアに記憶される(S24)。具体的には、第一大当たり乱数欄には第一大当たり判定カウンタの値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一特別図柄決定カウンタの値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値が、それぞれRAM52に記憶される。
次いで、S24で取得された乱数(保留乱数)についての情報を、実際に大当たり判定が行われるよりも前に先読みする、乱数先読み処理が行われる(S25)。S25では、新たに取得された第一大当たり乱数に対して実行される第一大当たり判定の結果についての情報が先読みされる。つまり、先読みされる情報は、取得された第一大当たり乱数についてその後に行われる第一大当たり判定の結果についての情報であり、「大当たり」および「はずれ」のいずれかの情報が先読みされることとなる。後述するサブ制御基板処理(図12から図15参照)では、大当たり判定の結果について先読みされた情報に応じて、特別ダブルリーチ演出を実行するか否かが決定される。特別ダブルリーチ演出の内容の詳細については、後述する。S25では、例えば変動パターンについての情報や、特別図柄に関する情報等の他の情報を先読みしてもよい。パチンコ機1では、第一大当たり判定を行うためのテーブルとして、非確率変動状態中に用いられる低確率判定テーブルと、確率変動状態中に用いられる高確率判定テーブルとが設けられている。そこで、乱数先読み処理(S25)では、その時点での遊技状態に応じたテーブルに乱数を当てはめることで得られる第一大当たり判定の結果についての情報が先読みされる。なお、パチンコ機1では、遊技状態が変更された場合には、その時点で既に先読みされていた情報に応じて演出の処理を行うことがないように設定されている。例えば、乱数を取得した時点では確率変動状態であったが、実際の大当たり判定が実行されたのは、回数切り確変機能の作動によって確率状態が終了した後であった場合等がこれにあたる。よって、乱数取得時(先読み時)の遊技状態と、実際の大当たり判定時の遊技状態とが異なる場合でも、演出に矛盾が生じることはない。次いで、先読みした情報をサブ制御基板58に通知するための先読み結果通知コマンドが、RAM52に記憶される(S26)。処理はS31の判断へ移行する。
次いで、第二特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞に関する処理が行われる。まず、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S31)。第二特別図柄始動電動役物15に設けられた第二始動口スイッチ73に対応するフラグが「OFF」となっており、遊技球が入賞していないと判断された場合には(S31:NO)、処理はそのままS41(図9参照)の判断へ移行する。第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞していれば(S31:YES)、第二特別図柄作動保留球数が「4」であるか否かが判断される(S32)。RAM52に記憶されている第二特別図柄作動保留球数が「4」であれば(S32:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はそのままS41(図9参照)の判断へ移行する。
第二特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S32:NO)、RAM52に記憶されている第二特別図柄作動保留球数に「1」が加算される(S33)。次いで、各種乱数が取得され、第二大当たり判定カウンタの値(第二大当たり乱数)と、第二特別図柄決定カウンタの値(第二特別図柄決定乱数)と、第二変動パターン決定カウンタの値(第二変動パターン決定乱数)とが取得され、それぞれRAM52に記憶される(S34)。次いで、S34で取得された乱数(保留乱数)について、乱数先読み処理が行われる(S35)。S35では、新たに取得された第二大当たり乱数に対して実行される第二大当たり判定の結果についての情報が先読みされる。先読みされる情報は、取得された第二大当たり乱数についてその後に行われる第二大当たり判定の結果についての情報であり、「大当たり」および「はずれ」のいずれかの情報が先読みされる。パチンコ機1では、第二大当たり判定を行うためのテーブルとして、非確率変動状態中に用いられる低確率判定テーブルと、確率変動状態中に用いられる高確率判定テーブルとが設けられている。そこで、乱数先読み処理(S35)では、その時点での遊技状態に応じたテーブルに乱数を当てはめることで得られる第二大当たり判定の結果についての情報が先読みされる。次いで、先読みされた情報をサブ制御基板58に通知するための先読み結果通知コマンドが、RAM52に記憶される(S36)。処理はS41(図9参照)の判断へ移行する。
次いで、図9に示すように、大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S41)。大当たり遊技状態フラグが「ON」とされており、大当たり遊技状態中であると判断された場合には(S41:YES)、処理はそのままメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「OFF」とされており、大当たり遊技状態中でないと判断された場合には(S41:NO)、2つの特別図柄のいずれかが変動中であるか否かが判断される(S42)。表示状態フラグが「1」でなく、いずれも変動中でなければ(S42:NO)、2つの特別図柄のいずれかが停止表示中であるか否かが判断される(S43)。表示状態フラグが「2」でなく、いずれも停止表示中でなければ(S43:NO)、処理はS51(図10参照)へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
図10に示すように、大当たり判定が行われる前に、第一特別図柄作動保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S51)。RAM52に記憶されている第一特別図柄作動保留球数が「1」以上であり、第一特別図柄作動保留球が存在すれば(S51:YES)、第二特別図柄作動保留球の数が「1」以上であるか否かが判断される(S52)。RAM52に記憶されている第二特別図柄作動保留球数が「0」であれば(S51:YES、S52:NO)、第一大当たり判定を先に行うため、処理はS55へ移行する。一方で、第一特別図柄作動保留球数および第二特別図柄作動保留球数が共に「1」以上である場合には(S51:YES、S52:YES)、入賞順の早い特別図柄作動保留球に関する大当たり判定から先に行われる。よって、いずれの特別図柄作動保留球の入賞が早いかの判断が行われる(S53)。第一特別図柄作動保留球の入賞が第二特別図柄作動保留球の入賞よりも早い場合には(S53:YES)、第一大当たり判定を先に行うため、S55の処理へ移行する。また、第二特別図柄作動保留球の入賞が第一特別図柄作動保留球の入賞よりも早い場合には(S53:NO)、第二大当たり判定を先に行うため、S61の処理へ移行する。
また、第一特別図柄作動保留球数が「0」であった場合にも(S51:NO)、第二特別図柄作動保留球の数が「1」以上であるか否かが判断される(S54)。RAM52に記憶されている第二特別図柄作動保留球数が「1」以上である場合には(S51:NO、S54:YES)、第二大当たり判定を先に行うため、S61の処理へ移行する。第一特別図柄作動保留球数および第二特別図柄作動保留球数が共に「0」である場合には(S51:NO、S54:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
第一大当たり判定では、まず、第一特別図柄作動保留球数が「1」減算され(S55)、遊技状態に応じた第一大当たり判定が行われる(S56)。第一大当たり判定を行うための判定テーブルには、非確率変動状態中に用いられる低確率判定テーブルと、大当たりと判定される確率が非確率変動状態中よりも高くなる高確率判定テーブルとが設けられている。第一大当たり判定は、確率変動状態中であるか否かに応じた判定テーブルが参照されて、RAM52に記憶された未判定の第一大当たり判定乱数によって、記憶された順に行われる。
第一大当たり判定によって第一大当たりと判定された場合には(S57:YES)、第一大当たり変動パターン決定処理において、遊技状態および判定結果に応じた変動パターンテーブルが参照されて変動パターンが決定される(S58)。さらに、大当たりであることを示す第一特別図柄が決定される。具体的には、特別図柄決定テーブル(図5参照)によって、第一大当たりであることを示す第一特別図柄のうちの1つが、第一大当たり特別図柄決定乱数によって決定される(S59)。処理はS71へ移行する。判定結果がはずれであれば(S57:NO)、第一はずれ変動パターン決定処理において、遊技状態および判定結果等に応じた変動パターンテーブルが参照されて変動パターンが決定される(S60)。処理はS71へ移行する。なお、はずれの場合の特別図柄は「−」の1種類である。
また、第二大当たり判定では、まず、第二特別図柄作動保留球数が「1」減算され(S61)、遊技状態に応じた第二大当たり判定が行われる(S62)。第二大当たり判定を行うための判定テーブルには、非確率変動状態中に用いられる低確率判定テーブルと、大当たりと判定される確率が非確率変動状態中よりも高くなる高確率判定テーブルとが設けられている。第二大当たり判定は、確率変動状態中であるか否かに応じた判定テーブルが参照されて、RAM52に記憶された未判定の第二大当たり判定乱数によって、記憶された順に行われる。
第二大当たり判定によって第二大当たりと判定された場合には(S63:YES)、第二大当たり変動パターン決定処理において、遊技状態および判定結果に応じた変動パターンテーブルが参照されて変動パターンが決定される(S64)。さらに、大当たりであることを示す第二特別図柄が決定される。具体的には、特別図柄決定テーブル(図5参照)によって、第二大当たりであることを示す第二特別図柄のうちの1つが、第二大当たり特別図柄決定乱数によって決定される(S65)。処理はS71へ移行する。判定結果がはずれであれば(S63:NO)、第二はずれ変動パターン決定処理において、遊技状態および判定結果等に応じた変動パターンテーブルが参照されて変動パターンが決定される(S66)。処理はS71へ移行する。なお、はずれの場合の特別図柄は「−」の1種類である。
変動パターンが決定されると、決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドが、RAM52に記憶される(S71)。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)において、サブ制御基板58に送信される。決定された変動パターンに応じて決められている特別図柄の変動時間が、タイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S72)。2つの特別図柄のいずれかが変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S73)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図9に示すS42の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されており、2つの特別図柄のいずれかが変動中であると判断された場合には(S42:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S74)。S72(図10参照)の処理においてセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっており、変動時間が経過したと判断された場合には(S74:YES)、RAM52に特別図柄停止コマンドが記憶される(S75)。このコマンドは、次のメイン処理においてサブ制御基板58および中継基板47に送信され、表示画面28のデモ図柄、および2つの特別図柄の変動停止を指示する。次いで、所定の特別図柄停止表示時間(例えば、0.5秒)が特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S76)。2つの特別図柄のいずれかが停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S77)、処理はメイン処理へ戻る。一方、S74の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S74:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
また、S43の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されており、2つの特別図柄のいずれかが停止表示中であると判断された場合には(S43:YES)、S76の処理においてセットされたカウンタの値によって、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S78)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でなく、停止表示時間がまだ経過していない場合には(S78:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。停止表示時間が経過した場合には(S78:YES)、2つの特別図柄が共に変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S79)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S80)、処理はメイン処理へ戻る。
図11を参照して、遊技状態移行処理(S80、図9参照)について詳細に説明する。遊技状態移行処理では、大当たりと判定された場合に大当たり遊技へ移行させるためのフラグの制御と、所定の終了条件が成立した場合に時短状態および確率変動状態を終了させるためのフラグの制御とが行われる。まず、大当たり判定の結果が大当たりであるか否かが判断される(S91)。大当たりであれば(S91:YES)、大当たり遊技中であることを示す「1」が大当たり遊技状態フラグに記憶されて「ON」とされる(S92)。パチンコ機1では、第一大当たり遊技および第二大当たり遊技のラウンド数は、特別図柄決定テーブル(図5参照)における特別図柄の大当たり種別に応じて決定される。第一大当たり遊技および第二大当たり遊技共に、ラウンド数は4ラウンドまたは16ラウンドである。よって、特別図柄の大当たり種別に応じたラウンド数が、ラウンド数を計数するラウンド数カウンタにセットされる(S93)。次いで、大当たり遊技を開始させることを示す大当たり遊技開始コマンドが、RAM52に記憶される(S94)。大当たり判定回数計数カウンタの値がクリアされる(S95)。大当たり判定回数計数カウンタは、前回の大当たり遊技の終了後に行われた大当たり判定の回数(連続してはずれと判定された回数)を計数するカウンタである。時短フラグおよび確率変動フラグが共に「OFF」とされる(S96、S97)。処理は特別図柄処理へ戻る。つまり、大当たり遊技中は、遊技状態が、確率変動時短状態または非確率変動時短状態から通常状態へと移行する。
大当たり判定の結果が大当たりでなければ(S91:NO)、大当たり判定回数計数カウンタの値に「1」が加算される(S98)。次いで、遊技状態が確率変動状態中であるか否かが判断される(S99)。確率変動フラグが「ON」であり、確率変動状態中である場合には(S99:YES)、大当たり判定回数計数カウンタの値によって、判定回数が確変回数である8回に達したか否かが判断される(S100)。8回に達していなければ(S100:NO)、処理はそのまま特別図柄処理へ戻る。8回に達した場合には(S100:YES)、確率変動フラグが「OFF」とされて(S101)、処理は特別図柄処理へ戻る。なお、S98の処理は、「通常状態」中には実行しなくてもよい。
一方、確率変動フラグが「OFF」であり、非確率変動状態中である場合には(S99:NO)、遊技状態が時短状態中であるか否かが判断される(S102)。時短フラグが「OFF」であり、非時短状態中である場合には(S102:NO)、処理はそのまま特別図柄処理へ戻る。時短フラグが「ON」であり、時短状態中である場合には(S102:YES)、大当たり判定回数計数カウンタの値によって、判定回数が時短回数である40回に達したか否かが判断される(S103)。40回に達していなければ(S103:NO)、処理はそのまま特別図柄処理へ戻る。40回に達した場合には(S103:YES)、時短フラグが「OFF」とされて(S104)、処理は特別図柄処理へ戻る。
図12から図15を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、大当たり判定の結果を報知するための報知演出が制御される。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581によって実行される。
サブ制御基板処理で使用されるフラグについて説明する。RAM582には、次当たりフラグ等が記憶されている。次当たりフラグは、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が発生することを示すフラグである。次当たりフラグは、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が発生する場合には「1」が記憶されて「ON」となり、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が発生しない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。
サブ制御基板処理が開始されると、主基板41から先読み結果通知コマンドを受信したか否かが判断される(S111)。前述したように、主基板41のCPU51は、第一特別図柄始動入賞口14および第二特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞を契機として乱数を新たに取得すると、取得した乱数に基づいて、大当たり判定の結果についての情報を先読みする。大当たり判定の結果について先読みされた情報(以下、「先読み情報」という。)は、先読み結果通知コマンドによってサブ制御基板58に通知される。サブ制御基板処理では、先読み結果通知コマンドを受信すると(S111:YES)、コマンドによって通知された先読みされた情報が、通知順にRAM582に記憶される(S112)。先読み結果通知コマンドを受信していない場合には(S111:NO)、処理はそのままS113の判断へ移行する。なお、RAM582に記憶された先読み情報は、後述する報知演出制御処理において参照される。報知演出制御処理を確率変動状態中にのみ行う場合には、主基板41からの先読み結果通知コマンドの送信を、確率変動状態中のみ行うこととしてもよい。なお、通知順にRAM582に記憶された先読み情報は、先読み情報に対応する特別図柄作動保留球について大当たり判定の処理が終了した場合には、適宜消去される。
次いで、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S113)。受信していない場合(S113:NO)、処理はそのままS115の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信すると(S113:YES)、報知演出制御処理が実行されて(S114)、処理はS115の判断へ移行する。報知演出制御処理では、指定された変動パターンに応じて報知演出が制御される。また、保留連チャンが生じる場合に報知演出として特別ダブルリーチ演出を制御する処理も実行される。報知演出制御処理の詳細については、図13を参照して後述する。
次いで、主基板41から特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S115)。受信していなければ(S115:NO)、処理はそのままS117の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信すると(S115:YES)、大当たり判定の結果を示すデモ図柄81の組合せが確定表示されて(S116)、処理はS117の判断へ移行する。次いで、主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S117)。受信していなければ(S117:NO)、処理はそのままS111の判断へ戻る。大当たり遊技開始コマンドを受信すると(S117:YES)、大当たり遊技演出処理が実行されて(S118)、処理はS71の判断へ戻る。大当たり遊技演出処理の詳細については、図15を参照して後述する。
図13を参照して、報知演出制御処理(S114、図12参照)について詳細に説明する。前述したように、報知演出制御処理は、指定された変動パターンに応じて報知演出が制御され、保留連チャンが生じる場合には、報知演出として特別ダブルリーチ演出が制御される処理である。また、保留連チャンが付随した大当たり遊技が開始されてから、その後に実行される報知演出を経て、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が終了するまでを、あたかも一連の大当たり遊技が実行されているかのように遊技者に感じさせることができる演出も制御する。
報知演出制御処理が開始されると、S113(図12参照)の処理において受信された変動パターン指定コマンドによって指定された特別図柄変動パターンが、RAM582に記憶される(S131)。次いで、後述するS140の処理においてセットされる次当たりカウンタの値が、0を下限値として「1」減算される(S132)。次当たりカウンタは、報知演出制御処理において、大当たり判定の結果が大当たりであることを報知する報知演出が制御される場合に、先読み情報に含まれる大当たりを示す情報に応じて、値がセットされる。具体的には、報知演出の終了後に実行される大当たり遊技の終了後から、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が実行されるまでの間に実行される報知演出の実行回数を計数するために用いられるカウンタである。次当たりカウンタの値が「1」以上の場合は、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が実行されるまでの間に報知演出が1回以上実行されることとなる。つまり、次当たりカウンタの値が「1」以上の場合は、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が発生することが示される。一方、次当たりカウンタの値が「0」の場合は、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が実行されるまでの間に実行される報知演出の実行回数が0回である。つまり、次当たりカウンタの値が「0」の場合は、報知演出の終了後に実行される大当たり遊技の終了後には、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が発生しないこととなる。次いで、次当たりフラグが「ON」であるか否かが判断される(S133)。次当たりフラグが「OFF」であり、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が発生しない場合(S133:NO)、S135の判断へ移行する。S135では、S131の処理においてRAM582に記憶された特別図柄変動パターンが、確率変動状態中に決定される変動パターンであるか否かが判断される(S135)。確率変動状態中に決定される変動パターンでない場合(S135:NO)、処理はS154へ移行する。確率変動状態中に決定される変動パターンである場合には(S135:YES)、処理はS136の判断へ移行する。
なお、S135の判断は、確率変動状態中において保留連チャンが生じる場合にのみ、報知演出として特別ダブルリーチ演出を設定するために行われる。通常状態中の大当たり(所謂、初当たり)、および非確率変動時短状態中の大当たり(所謂、引き戻し)における報知演出の設定においては、比較的長時間の変動パターンによる多彩な報知演出が実行される頻度を高める手法が、一般に採用されやすい。また、回数切り確変機能を有し、確変回数が比較的少ない遊技機においては、特有のモード演出として、確率変動時短状態中の報知演出を実行する手法が存在する。確率変動状態が何回連続して生起されるか、つまり、確率変動状態中に再び確率変動大当たりを得ることができるか否かは、確率変動状態中の遊技者にとっての関心事の一つである。このため、パチンコ機1では、特別ダブルリーチ演出を、大当たりと判定される確率が非確率変動状態よりも高くなる確率変動状態中に特有の演出としている。これによって、保留連チャンが生じることに対する遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。しかし、特別リーチ演出が実行される遊技状態は、確率変動時短状態中に限られない。初当たりおよび引き戻しによる大当たりに保留連チャンが付随するか否かも、遊技者の関心事の一つだからである。また、パチンコ機1には存在しない非確率変動大当たりを有する遊技機においても、本発明は適用できる。非確率変動大当たりについても、保留連チャンが付随するか否かが遊技者の関心事であることには変わりはないからである。さらに、確率変動状態が生起されない遊技機によっても、本発明は実現できる。如何なる遊技機であっても、遊技において大当たりを得ることができるか、また、大当たりを何回連続して得ることができるかを効果的に演出することによって、遊技中の演出を興趣に富むものとすることができるからである。
一方、次当たりフラグが「ON」であり、保留連チャンによる新たな次の大当たり遊技が発生する場合は(S133:YES)、次当たり演出(変動中)を設定する(S134)。前述したように、次当たりフラグは、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が発生することを示すフラグである。S133の判断において次当たりフラグが「ON」である場合、制御される報知演出は、大当たり遊技終了後から保留連チャンによる新たな大当たり遊技が実行されるまでの間に実行される報知演出である。サブ制御基板のCPU581は、この間に実行される報知演出において、次当たり演出(変動中)を設定する。これにより、保留連チャンが付随した大当たり遊技が開始されてから、その後に実行される報知演出を経て、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が終了するまでを、あたかも一連の大当たり遊技が実行されているかのように遊技者に感じさせる演出を実行できる。具体的には、スピーカ48から流れるBGMを次当たり演出用の特定のBGMとし、また、表示画面28におけるデモ図柄81の背景画像を次当たり演出用の特定の背景画像とする演出を、次当たり演出として設定する。これにより、保留連チャンが生じることをわかりやすく告知し、遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。なお、次当たり演出(変動中)はパチンコ機1の例に限られず、可動役物30を用いた演出や、図示しないがパチンコ機1に備えられた電飾ランプによる演出等の各種演出を採用することができる。
次いで、RAM582に記憶された特別図柄変動パターンについて、大当たり判定の判定結果が大当たりの場合に決定される変動パターンであるか否かが判断される(S136)。大当たり判定の判定結果がはずれの場合に決定される変動パターンである場合(S136:NO)、処理はS154へ移行する。大当たり判定の判定結果が大当たりの場合に決定される変動パターンである場合(S136:YES)、S112(図12参照)の処理においてRAM582に記憶された先読み情報がロードされる(S137)。次いで、ロードされた先読み情報に大当たりを示す情報が含まれるか否かが判断される(S138)。先読み情報に大当たりを示す情報が含まれる場合(S138:YES)、ロードされた先読み情報のうち、最も古くRAM582に記憶された先読み情報から数えて何番目の先読み情報が大当たりを示す先読み情報であるかを特定する(S139)。CPU581は、特定された順番の値を、RAM582に記憶される次当たりカウンタの値としてセットする(S140)。ロードされた先読み情報に、大当たりを示す情報が2個以上含まれる場合には、最も古くRAM582に記憶された先読み情報から数えて、最も値が小さい順番となる大当たりを示す先読み情報を特定して、次当たりカウンタの値としてセットする。次いで、制御する報知演出が大当たりを報知するものであり、且つ、先読み情報に大当たりを示す情報が含まれることから、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が発生することを示す次当たりフラグが「ON」とされる(S141)。処理はS142へ移行する。
S142の処理では、RAM582に記憶された特別図柄変動パターンに応じて、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)の実行が制御される。特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)の演出内容の詳細については後述するが、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知する報知演出において、保留連チャンが生じることを予告することができる演出である。パチンコ機1では、S113(図12参照)の処理において受信された変動パターン指定コマンドによって指定された特別図柄変動パターンに応じて決められている時間だけ、報知演出が実行される。そこで、S142では、特別図柄変動パターンに応じて決められている時間を変更することなく、報知演出の演出パターン(デモ図柄81の変動パターン)のみを特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)とするように制御される。具体的には、サブ制御基板58のCPU581は、報知演出の演出パターン(デモ図柄81の変動パターン)を特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)とするコマンドである特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)実行コマンドを、演出制御基板43に送信する。演出制御基板43のCPU43aは、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)実行コマンドを受信すると、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知する報知演出において通常用いられる画像または映像に変えて、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)に用いられる画像または映像を表示画面28に表示させる。このような特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)の制御によって、主基板41における変動パターン決定処理の内容を変更することなく、報知演出の演出内容を変更することができる。よって、上記の制御には、主基板41で実行される処理負担を増加することなく、報知演出の演出内容を変更できる効果がある。その後、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
一方、先読み情報に大当たりを示す情報が含まれない場合には(S138:NO)、報知演出として特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)を実行するか否かが抽選される(S151)。特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)の演出内容の詳細については後述するが、前述した特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)と類似した演出であるが、保留連チャンが生じない場合に実行される演出である。つまり、特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)は、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)が実行される可能性を遊技者に期待させるために実行される演出であり、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)対しての所謂ガセ演出である。次いで、抽選の結果が判断される(S152)。特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)が実行される旨の判断がされた場合には(S152:YES)、RAM582に記憶された特別図柄変動パターンに応じて、特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)の実行が制御される。具体的には、サブ制御基板58のCPU581は、報知演出の演出パターン(デモ図柄の変動パターン)を特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)とするコマンドである特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)実行コマンドを、演出制御基板43に送信する。演出制御基板43のCPU43aは、特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)実行コマンドを受信すると、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知する報知演出において通常用いられる画像または映像に変えて、特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)に用いられる画像または映像を表示画面28に表示させる。その後、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
また、特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)が実行されない旨の判断がされた場合には(S152:NO)、処理はS154へ移行する。RAM582に記憶された特別図柄変動パターンに応じて報知演出の実行が制御されて(S154)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。確率変動状態中に決定される変動パターンでない場合(S135:NO)、および大当たり判定の判定結果がはずれの場合に決定される変動パターンである場合(S136:NO)も同様に、RAM582に記憶された特別図柄変動パターンに応じて報知演出の実行が制御されて(S154)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
報知演出制御処理において決定される報知演出のパターンのうち、遊技状態が確率変動時短状態の報知演出のパターンについてまとめたものが、図14である。大当たり判定結果が大当たりであることを報知する報知演出の決定においては、先読み情報に大当たりを示す情報が含まれない場合には(S138:NO、図13参照)、報知演出として特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)を実行するか否かが抽選される(S151:図13参照)。抽選の結果が当選である場合には(S152:YES、図13参照)、RAM582に記憶された特別図柄変動パターンに応じて、特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)が設定される(S153、図13参照)。RAM582に記憶された特別図柄変動パターンが「リーチ演出F」である場合には、特別ダブルリーチショート演出(シングル大当たり)が報知演出のパターンとして決定される。特別図柄変動パターンが「リーチ演出G」である場合には、特別ダブルリーチロング演出(シングル大当たり)が報知演出のパターンとして決定される。なお、特別ダブルリーチショート演出と特別ダブルリーチロング演出とは、RAM582に記憶された特別図柄変動パターンが異なることにより、対応するデモ図柄81の変動時間が異なるのみで、実行される特別ダブルリーチ演出の演出内容は同様である。抽選の結果が非当選である場合には(S152:NO、図13参照)、RAM582に記憶された特別図柄変動パターンに応じて報知演出のパターンが決定される。また、先読み情報に大当たりを示す情報が含まれる場合(S138:YES、図13参照)、RAM582に記憶された特別図柄変動パターンが「リーチ演出F」である場合には、特別ダブルリーチショート演出(ダブル大当たり)が報知演出のパターンとして決定される。特別図柄変動パターンが「リーチ演出G」である場合には、特別ダブルリーチロング演出(ダブル大当たり)が報知演出のパターンとして決定される。なお、大当たり判定結果がはずれであることを報知する報知演出の決定においては(S136:NO、図13参照)、RAM582に記憶された特別図柄変動パターンに応じて報知演出のパターンが決定される。
図15を参照して、大当たり遊技演出処理(S118、図12参照)について詳細に説明する。大当たり遊技演出処理は、大当たり遊技中の演出である大当たり遊技演出を制御する処理である。大当たり遊技演出処理が開始されると、次当たりフラグが「ON」であるか否かが判断される(S161)。次当たりフラグが「OFF」であり、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が発生しない場合(S161:NO)、処理はS165へ移行する。次当たりフラグが「ON」であり、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が発生する場合(S161:YES)、次当たり演出(大当たり中)を設定する(S162)。前述したように、次当たりフラグは、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が発生することを示すフラグである。S161において次当たりフラグが「ON」である場合、制御される大当たり遊技演出は、保留連チャンによる新たな大当たり遊技について実行される大当たり遊技演出である。サブ制御基板のCPU581は、この場合に実行される大当たり遊技演出として次当たり演出(大当たり中)を設定する。これにより、保留連チャンが付随した大当たり遊技が開始されてから、その後に実行される報知演出を経て、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が終了するまでを、あたかも一連の大当たり遊技が実行されているかのように遊技者に感じさせる演出を実行できる。具体的には、スピーカ48から流れるBGMを次当たり演出用の特定のBGMとし、表示画面28におけるデモ図柄81の背景画像を次当たり演出用の特定の背景画像とする演出を、次当たり演出として設定する。これにより、実行される大当たり遊技が保留連チャンによる大当たりであることをわかりやすく告知し、遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。なお、次当たり演出(大当たり中)はパチンコ機1の例に限られず、可動役物30を用いた演出や、図示しないがパチンコ機1に備えられた電飾ランプによる演出等の各種演出を採用することができる。
次いで、次当たりカウンタの値が「1」以上であるか否かが判断される(S163)。次当たりカウンタの値が「1」以上であり、大当たり遊技終了後から保留連チャンによる新たな大当たり遊技が終了するまでの間に報知演出が1回以上実行される場合には(S163:YES)、処理はS165へ移行する。次当たりカウンタの値が「0」である場合は(S163:NO)、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が終了するまでの間に実行される報知演出の実行回数が0回であることから、大当たり遊技終了後に保留連チャンによる新たな大当たり遊技は発生しないこととなる。よって、次当たりフラグが「OFF」とされる(S164)。次いで、大当たり遊技演出が開始されて(S165)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
図16および図17を参照して、第一の実施形態であるパチンコ機1において実行される特別ダブルリーチ演出の態様について説明する。特別ダブルリーチとは、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知する報知演出において、保留連チャンが生じることを予告することができる演出である。パチンコ機1では、主基板41で先読みされた先読み情報に応じて特別ダブルリーチ演出が制御される。詳細には、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知する報知演出を決定する際に、先読み情報に大当たりを示す情報が含まれる場合には、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)が実行される。
図16および図17に示すように、パチンコ機1の特別ダブルリーチ演出は、表示画面28において実行される。パチンコ機1の特別ダブルリーチ演出には、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)と特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)とが設けられている。特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)は、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知する報知演出において、保留連チャンが生じることを予告する場合に実行される特別ダブルリーチ演出である。特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)は、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)と類似した演出であるが、保留連チャンが生じない場合に実行される演出である。つまり、特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)は、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)が実行される可能性を遊技者に期待させるために実行される演出であり、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)に対してのガセ演出である。
特別ダブルリーチ演出について説明する。図16に示すように、報知演出において特別ダブルリーチ演出が実行される場合、まず、デモ図柄81の変動が開始される(図16(a)参照)。特別ダブルリーチ演出では、表示画面28上に上段・中段・下段に分けて配されたデモ図柄81が、遊技者から見て右方向から左方向に向かって横方向に変動する、所謂横スクロール変動によって、デモ図柄81が変動する。次いで、まず、上段のデモ図柄81が停止表示される(図16(b)参照)。
次いで、下段のデモ図柄81が停止表示される。上段および下段のデモ図柄81が停止表示されることによって、表示画面28には、デモ図柄81の組合せが表示されるラインである第一有効ライン82と第二有効ライン83とが形成される(図16(c)参照)。ここで、第一有効ライン82上には、数字の「6」を示すデモ図柄81が、上段と下段のそれぞれに停止している。第一有効ライン82上の中段に数字の「6」を示すデモ図柄81が最後に停止した場合には、表示されるデモ図柄81の組合せは、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを示すデモ図柄81の組合せとなる。図16(c)においては、中段のデモ図柄81は未だ変動中であり、第一有効ライン82上には、上段および下段に表示される数字の「6」を示すデモ図柄81によってリーチ状態が構成されている。同様に、第二有効ライン83上には、数字の「7」を示すデモ図柄81が、上段と下段のそれぞれに停止している。第二有効ライン83上の中段に数字の「7」を示すデモ図柄81が最後に停止した場合には、表示されるデモ図柄81の組合せは、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを示すデモ図柄81の組合せとなる。図16(c)においては、中段のデモ図柄81は未だ変動中であり、第二有効ライン83上には、上段および下段に数字の「7」を示すデモ図柄81によってリーチ状態が構成されている。図16(c)に示されるように、表示画面28上にリーチ状態を構成する有効ラインが二つ形成されている状態を、ダブルリーチ状態とする。
さらに中段のデモ図柄81が変動した結果、第一有効ライン82上に数字の「6」を示すデモ図柄81が中段に停止し、第一有効ライン82上に数字の「6」を示すデモ図柄81が三つ揃って停止表示される(図16(d)参照)。第一有効ライン82上に、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを示すデモ図柄81の組合せが確定表示された状態となる。
特別ダブルリーチ演出の態様についてさらに説明する前に、まず、一般的なダブルリーチ演出の態様について説明する。一般的なダブルリーチ演出の例を、図17(e)に示す。一般に、ダブルリーチ状態となった後(図16(c)参照)、表示画面28上に形成された二つの有効ラインのうちいずれかの有効ラインに大当たり判定の判定結果が大当たりであることを示すデモ図柄81の組合せが確定表示された場合には(図16(d)参照)、その時点ですべてのデモ図柄81は変動を終了する。表示画面28上には大当たり判定の判定結果を示すデモ図柄81の組合せが最終的に確定表示され、報知演出が終了する(図17(e)参照)。
一方、パチンコ機1における特別ダブルリーチ演出では、一般的なダブルリーチとは異なる態様によって、大当たり判定の判定結果を示すデモ図柄81の組合せが最終的に確定表示される。具体的には、表示画面28上に形成された二つの有効ラインのうち一方の有効ラインに大当たり判定の判定結果が大当たりであることを示すデモ図柄81の組合せが確定表示された後、他方の有効ライン上のデモ図柄81は変動を終了せず、さらに変動表示を継続する。パチンコ機1の特別ダブルリーチ演出においては、ダブルリーチ状態となった後(図16(c)参照)、まず、第一有効ライン82上に大当たり判定の判定結果が大当たりであることを示すデモ図柄81の組合せが確定表示される(図16(d)参照)。そして、第一有効ライン82上にデモ図柄81の組合せが確定表示された後も、第二有効ライン83上のデモ図柄81は変動を終了せず、中段に配されたデモ図柄81がさらに変動表示を継続する。先読み情報に大当たりを示す情報が含まれる場合には、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)が実行される。特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)では、リーチ状態が構成されたまま変動表示が継続されていた第二有効ライン83上に、数字の「7」を示すデモ図柄81が中段に停止する。よって、第一有効ライン82の確定表示に加えて、第二有効ライン83上に数字の「7」を示すデモ図柄81が三つ揃って確定表示される(図17(f)参照)。つまり、第一有効ライン82と第二有効ライン83との両方に、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを示すデモ図柄81の組合せが確定表示される。
また、先読み情報に大当たりを示す情報が含まれない場合には、特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)が実行される。ダブルリーチ状態となった後(図16(c)参照)、第一有効ライン82上に大当たり判定の判定結果が大当たりであることを示すデモ図柄81の組合せが確定表示される(図16(d)参照)。次いで、第二有効ライン83上のデモ図柄81がさらに変動表示を継続した後に、第二有効ライン83上に、数字の「2」を示すデモ図柄81が中段に停止する。つまり、第二有効ライン83上には、大当たり判定の判定結果がはずれであることを示すデモ図柄81の組合せが確定表示される(図17(g)参照)。
パチンコ機1の特別ダブルリーチ演出では、前述したように、まず、第一有効ライン82上にデモ図柄81の組合せが確定表示された後に、時間差を持って、第二有効ライン83にデモ図柄81の組合せが確定表示される。先読み情報に大当たりを示す情報が含まれる場合には、第一有効ライン82の大当たりの判定結果を示す確定表示に加えて、第二有効ライン83にも大当たりを示す確定表示がされるダブル大当たり表示によって、デモ図柄81が最終的に確定表示される。先読み情報に大当たりを示す情報が含まれない場合には、第一有効ライン82に大当たりの判定結果を示す確定表示がされ、第二有効ライン83にはずれの結果を示す確定表示がされるシングル大当たり表示によって、デモ図柄81が最終的に確定表示される。
パチンコ機1の特別ダブルリーチ演出では、大当たりの判定結果を報知する報知演出において、第一有効ライン82が確定表示されるタイミングと、第二有効ライン83が確定表示されるタイミングとの間に時間差が設けられている。遊技者は、第一有効ライン82に確定表示された大当たりの判定結果を示すデモ図柄81の組合せを目にすることによって、報知演出において大当たりの判定結果が報知されることを認識することができる。次いで、第二有効ライン83上のデモ図柄81がさらに変動表示を継続することを目にすることで、一般的なダブルリーチ演出(図17(e)参照)とは異なる報知演出が実行されていることを認識することができる。さらに、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)の場合には、第二有効ライン83上にも大当たりを示すデモ図柄81の組合せが確定表示される。ダブル大当たり表示を目にすることで、遊技者は通常の大当たりよりも有利な大当たりを得ることができた期待感を抱くことができる。特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)の終了後に大当たり遊技が実行される。大当たり遊技の終了後には、保留連チャンによる新たな大当たりがさらに生じる。よって、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)において得た、通常の大当たりよりも有利な大当たりを得ることができたといった期待感は、保留連チャンが付随した大当たりを得たことによるものであることを、遊技者は理解することができる。
また、特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)の場合には、第一有効ライン82における大当たりの判定結果を示すデモ図柄81の組合せの確定表示に遅れて、第二有効ライン83上にはずれを示すデモ図柄81の組合せが確定表示される。この場合、遊技者は、保留連チャンが付随した大当たりを得ることはできなかったものの、大当たりを得ることができたことを認識することができる。従って、特別ダブルリーチ演出は、大当たりの判定結果を報知する報知演出において、大当たりの判定結果のみならず、先読み情報に大当たりを示す情報が含まれるか否かも、遊技者に明確に告知することができる。つまり、特別ダブルリーチ演出は、大当たり判定の判定結果が大当たりであることと、先読み情報に大当たりを示す情報が含まれるか否かを、一回の報知演出が実行される間に遊技者に明確に告知することができる。
特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)が実行された場合には、保留連チャンの付随した大当たりを得ることはできなかった点においては、遊技者を落胆させてしまう可能性がある。しかし、遊技者は、保留連チャンは付随しないものの、大当たりを得ていることから、その落胆の度合いは、大当たり判定の判定結果がはずれであることを報知する報知演出から得られる落胆の度合いよりは低いものである。よって、特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)によって、円滑な遊技の進行を害される虞も、大当たり判定の判定結果がはずれであることを報知する報知演出より低くなる。一方、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)が実行された場合には、遊技者は、通常の大当たりを得たことに加えて、先読み情報に大当たりを示す情報が含まれることを認識できる。よって、パチンコ機1は、大当たり遊技が終了した後に、さらに保留連チャンによる新たな大当たりが生じることに対する遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。
なお、図示しないが、大当たり判定の判定結果がはずれの場合に特別ダブルリーチ演出を実行し、図16(c)のようなダブルリーチ状態に至った後、最終的にはずれを示すデモ図柄81の組合せにてデモ図柄を確定表示させる演出を行ってもよい。大当たり判定の判定結果がはずれの場合であっても、特別ダブルリーチ演出が実行された場合には、遊技者は、報知演出において、大当たりおよび大当たり遊技後の保留連チャンへの期待を持つことができる。
パチンコ機1では、特別ダブルリーチ演出において、第一有効ライン82が確定表示されるタイミングと、第二有効ライン83が確定表示されるタイミングとの間に時間差が設けられている。しかし、第一有効ライン82が確定表示されるタイミングと、第二有効ライン83が確定表示されるタイミングとの間の時間差が設けられない場合であっても、本発明は実現できる。前述したように、一般的なダブルリーチ演出の場合、二つの有効ラインのうちいずれかの有効ラインに大当たり判定の判定結果が大当たりであることを示すデモ図柄81の組合せが確定表示された時点で、すべてのデモ図柄81は変動を終了する。つまり、一般的なダブルリーチ演出において、大当たりを示すデモ図柄81の組合せが最終的に確定表示される有効ラインは一つであるのが一般的である。これに対し、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)の場合には、第一有効ライン82および第二有効ライン83のいずれにも、大当たりを示すデモ図柄81の組合せが確定表示される。ダブル大当たり表示において、第一有効ライン82が確定表示されるタイミングと、第二有効ライン83が確定表示されるタイミングとの間に時間差が設けられなくても、通常のダブルリーチ演出とは最終的な確定表示の態様は異なる。よって、第一有効ライン82が確定表示されるタイミングと、第二有効ライン83が確定表示されるタイミングとの間の時間差は設けられなくてもよい。
前述したように、パチンコ機1では、第一大当たり判定および第二大当たり判定によって「大当たり」と判定された場合は、100%の確率にて大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起される。生起された確率変動状態は、第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和が所定の確変回数に達すると終了する。100%の確率にて大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起されるパチンコ機1において特別ダブルリーチ演出を実行することは、報知演出の態様によって、大当たりの判定結果の報知に変化をつけることができる点において意義がある。
ループタイプの遊技機においては、確率変動大当たりを得た場合には、一般的に、次回大当たりまで確率変動状態が継続する。つまり、確率変動大当たりの判定結果を報知する報知演出が実行された時点で、遊技者には次回の大当たり(所謂連チャンによる大当たり)が保障される。このため、ループタイプの遊技機においては、報知演出において、デモ図柄の変動の態様および停止表示されるデモ図柄の組合せの態様によって、確率変動大当たりであるか否かを煽る演出が行われるのが一般的である。デモ図柄の変動の態様および確定表示されるデモ図柄の組合せの態様に応じて、遊技者を一喜一憂させることができるため、デモ図柄の表示に趣向を凝らした遊技機が開発されている。100%の確率にて大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起される従来の遊技機においても、大当たりと判定された際に決定される特別図柄等によって、大当たり遊技のラウンド数や、大当たり遊技終了後の時短回数を複数の中から決定することができる。よって、大当たり遊技のラウンド数や、大当たり遊技終了後の時短回数に応じて、報知演出に変化をつけることは可能であった。しかし、100%の確率にて大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起される遊技機には、一般的に、回数切り確変機能が設けられる。回数切り確変機能を有する遊技機では、確率変動状態において確変回数以内に大当たりの判定結果が得られない限り、遊技者に連チャンによる次回の大当たりは保障されない。この点において、回数切り確変機能を有する遊技機は、デモ図柄の変動の態様および確定表示されるデモ図柄の組合せの態様に応じて、遊技者を一喜一憂させられる場面が、ループタイプの遊技機よりも少ないといえる。つまり、100%の確率にて大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起される遊技機において、報知演出におけるデモ図柄の変動態様やデモ図柄の組合せの確定表示の態様によって、遊技者に新たな大当たりが生ずるか否かを、明確に報知することができる遊技機は従来存在しなかった。
回数切り確変機能を有するパチンコ機1は、特別ダブルリーチ演出によって、通常の大当たりと保留連チャンが付随した大当たりとを区別して報知演出を実行することができる。つまり、回数切り確変機能を有していても、パチンコ機1は、大当たりの判定結果の報知に変化をつけて、報知演出を実行することができる。特別ダブルリーチ演出には、従来の回数切り確変機能を有する遊技機に欠けていた、デモ図柄81の変動の態様および確定表示されるデモ図柄81の組合せの態様によって遊技者を煽る場面を補う効果もある。
以上説明したように、本発明に係る第一の実施形態であるパチンコ機1は、報知演出において大当たり判定による判定の結果が大当たりであることが報知される場合において、先読み情報に大当たりを示す情報が含まれる場合に、表示画面28に形成されるデモ図柄81の組合せが表示されるラインである有効ラインを二つ表示する所謂特別ダブルリーチ演出を実行させる。報知演出においてリーチ状態に至った場合、報知演出が大当たりの判定結果を示すものであるといった遊技者の期待を高めることができる。さらに、有効ラインを二つ表示された場合には、特別図柄作動保留球にも大当たりを示す先読み情報があるといった期待を高めやすくなる。よって、報知演出の終了後に実行される大当たり遊技の終了後に保留連チャンすることに対する期待を、報知演出が実行されている間に高めやすくなる。従って、パチンコ機1は、大当たり判定の結果が大当たりであることを報知する報知演出において、大当たり遊技終了後に保留連チャンが生じることに対する期待感を効果的に煽ることができる。
パチンコ機1では、一般的なダブルリーチとは異なる態様によって、大当たり判定の判定結果を示すデモ図柄81の組合せが最終的に確定表示される、特別ダブルリーチ演出が実行される。特別ダブルリーチ演出では、第一有効ライン82上に大当たり判定の判定結果が大当たりであることを示すデモ図柄81の組合せが確定表示される。また、先読み情報に大当たりを示す情報が含まれる場合には、デモ図柄81が第二有効ライン83上に表示される。よって、二つの有効ラインが表示画面28に形成された場合には、報知演出が大当たりの判定結果を示すものであるといった遊技者の期待を高めやすくなる。さらに、先読み情報に大当たりを示す情報が含まれるといった期待も高めやすくなる。ひいては、報知演出の終了後に実行される大当たり遊技の終了後の保留連チャンへの期待を高めやすくなる。従って、パチンコ機1は、大当たり判定の結果が大当たりであることを報知する報知演出において、大当たり遊技終了後に保留連チャンが生じることに対する期待感を効果的に煽ることができる。
特別ダブルリーチ演出において、第一有効ライン82上に確定表示されたデモ図柄81の組合せを見ることによって、遊技者は、まず、大当たり判定による判定の結果を認識できる。次いで、先読み情報に基づいて判定結果を報知するためのデモ図柄81が、第二有効ライン83上に確定表示される。つまり、パチンコ機1は、第一有効ライン82上に大当たりであることを示すデモ図柄81の組合せを確定表示することによって、大当たり判定の結果が大当たりであることを遊技者に認識させた後に、第二有効ライン83上に先読み情報に基づく大当たりを示すデモ図柄81の組合せを確定表示させることができる。このため、遊技者は、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)によって、通常の大当たりよりも有利な大当たりを得たことを認識しやすい。先読み情報に大当たりを示す情報が含まれているため、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)の終了後に実行される大当たり遊技の終了後に保留連チャンが生じる。よって、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)によって得た、通常の大当たりよりも有利な大当たりを得たという認識が、保留連チャンが付随した有利な大当たりを得たことにあたることを、遊技者に理解させやすくなる。ひいては、報知演出において二つの有効ラインが表示画面28に形成された場合には、先読み情報に大当たりを示す情報が含まれるといった期待を高めやすくなる。従って、パチンコ機1は、大当たり判定の結果が大当たりであることを報知する報知演出において、大当たり遊技終了後に保留連チャンが生じることに対する期待感を効果的に煽ることができる。
確率変動状態中は、大当たりと判定される確率が通常状態中よりも高くなる。報知演出の終了後に実行される大当たり遊技の終了後に確率変動状態が生起される場合には、報知演出が実行されている際に有していた特別図柄作動保留球について実際に大当たり判定が実行された場合に、大当たりの判定結果が得られる確率が高くなる。つまり、報知演出の終了後に実行される大当たり遊技の終了後に確率変動状態が生起される場合には、保留連チャンが生じやすくなる。よって、遊技者の保留連チャンへの期待は高まりやすくなる。ここで特別ダブルリーチ演出を実行させることによって、パチンコ機1は、遊技者の保留連チャンへの期待を効果的に高めることができる。
なお、第一の実施形態であるパチンコ機1における第一特別図柄始動入賞口14および第二特別図柄始動電動役物15が、本発明の「始動口」に相当する。図8のS24およびS34において大当たり乱数を取得する主基板41のCPU51が、本発明の「乱数取得手段」として機能する。図8のS24およびS34において取得された大当たり乱数を記憶する主基板41のCPU51が、本発明の「乱数記憶手段」として機能する。図10のS56およびS62において大当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「大当たり判定手段」として機能する。表示画面28が、本発明の「表示手段」に相当する。図13のS142、S153およびS154において報知演出を制御するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「報知演出実行手段」として機能する。第一特別図柄変動パターン決定テーブルおよび第二特別図柄変動パターン決定テーブルを記憶するROM53が、本発明の「報知演出記憶手段」として機能する。図10のS58、S60、S64およびS66において変動パターンを決定する主基板41のCPU51が、本発明の「報知演出決定手段」として機能する。図7のS13において大当たり遊技の動作(主に、大入賞口16の開閉部材の開閉動作)を制御する主基板41のCPU51が、本発明の「大当たり遊技実行手段」として機能する。図8のS25およびS35において大当たり乱数についての情報の先読みを行う主基板41のCPU51が、本発明の「情報取得手段」として機能する。図7のS13で確率変動状態を生起する主基板41のCPU51が、本発明の「確率変動生起手段」として機能する。
次に、本発明に係る第二の実施形態であるパチンコ機100について、図18および図19を参照して説明する。図18および図19は、パチンコ機100における、特別ダブルリーチ演出(ホールド演出)の態様について説明する説明図である。
なお、第二の実施形態であるパチンコ機100は、特別ダブルリーチ演出における演出内容の詳細がパチンコ機1と異なるのみであり、その他は第一の実施形態であるパチンコ機1と同じである。よって、パチンコ機1と共通する図1および図2に示す機械的構成の説明、図3から図6に示す電気的構成の説明、図7から図11に示す主基板41のCPU51が行う制御、図11から図15に示すサブ制御基板58のCPU581が行う制御の説明については省略する。
パチンコ機100は、特別ダブルリーチ演出(ホールド演出)を実行する。特別ダブルリーチ演出(ホールド演出)は、第一の実施形態であるパチンコ機1における特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)と同様に、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知する報知演出において、保留連チャンが生じることを予告する場合に実行される特別ダブルリーチ演出である。パチンコ機1の特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)における図16(a)から(d)の態様は、パチンコ機100の特別ダブルリーチ演出(ホールド演出)においても共通の態様であるため、説明を省略する。
パチンコ機100の特別ダブルリーチ演出(ホールド演出)では、第一有効ライン82上に大当たり判定の判定結果が大当たりであることを示すデモ図柄81の組合せが確定表示される。しかし、第二有効ライン83上には、リーチ状態を構成したまま、デモ図柄81の組合せが確定表示されることなく変動を終了する(図18(k)参照)。確定表示されることなく変動を終了した第二有効ライン83上に表示されたデモ図柄81は、報知演出の終了後に実行される大当たり遊技演出において、ホールド表示84として表示画面28に表示される(図18(l)参照)。ここで、ホールド表示84とは、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が発生することを、遊技者に示すために表示される予告表示である。ホールド表示84は、保留連チャンが付随した大当たり遊技が開始されてから、その後に実行される報知演出を経て、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が終了するまでを、あたかも一連の大当たり遊技が実行されているかのように遊技者に感じさせる役割も担う。ホールド表示84は、報知演出において表示されていたリーチ状態におけるデモ図柄81と比較して小さくなるように縮小表示される。よって、ホールド表示84は、大当たり遊技演出の進行を阻害することなく、大当たり遊技終了後に保留連チャンによる新たな大当たりが生じることを、遊技者に予告することができる。
パチンコ機100では、大当たり遊技終了後に実行される報知演出においても、ホールド表示84が表示画面28に表示される(図18(m)参照)。報知演出が保留連チャンによる新たな大当たりを報知する報知演出でない場合には、大当たり判定の判定結果がはずれであることを示すデモ図柄81の組合せが確定表示される(図18(n)参照)。この際にも、ホールド表示84は、表示画面28に表示される。次いで、報知演出がさらに実行される(図19(o)参照)。実行される報知演出が、保留連チャンによる新たな大当たりを報知する報知演出の場合には、ホールド表示84において縮小表示されていたデモ図柄81が、第一有効ライン82上に拡大表示される(図18(p)参照)。その後、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを示すデモ図柄81の組合せが確定表示されて、報知演出は終了する(図18(q)参照)。この報知演出が実行される際に、先読み情報に大当たりを示す情報がさらに含まれる場合もある。この場合、第一有効ライン82上に大当たり判定の判定結果が大当たりであることを示すデモ図柄81の組合せを確定表示させ、第二有効ライン83にはリーチ状態を構成したまま変動を終了させる特別ダブルリーチ演出(ホールド演出)をさらに実行してもよい(図18(r)参照)。
以上のように、パチンコ機100は、ホールド表示84を用いた特別ダブルリーチ演出(ホールド演出)によって、保留連チャンによる新たな大当たり遊技が発生することを、報知演出において遊技者に予告してもよい。特別ダブルリーチ演出(ホールド演出)を実行する場合、報知演出制御処理(図13参照)において次当たりフラグが「ON」とされている場合には、次当たり演出(変動中)としてホールド表示84を報知演出において表示させることを設定すればよい(S133:YES、S134、図13参照)。また、ホールド表示84を大当たり遊技演出において表示させる場合は、大当たり遊技演出処理(図15参照)においてホールド表示84を表示させることを設定すればよい。具体的には、次当たりフラグが「ON」とされており(S161:YES、図15参照)、且つ、次当たりカウンタの値が「1」以上の場合に(S163:NO、図15参照)、ホールド表示84を大当たり遊技演出において表示させることとすればよい。
以上説明したように、本発明に係る第二の実施形態であるパチンコ機100は、特別ダブルリーチ演出(ホールド演出)を実行する。特別ダブルリーチ演出(ホールド演出)において、第一有効ライン82上に確定表示されたデモ図柄81の組合せを見ることによって、遊技者は、まず、大当たり判定による判定の結果を認識できる。大当たり判定による判定の結果に基づいて実行された大当たり遊技中には、第二有効ライン83上にリーチ状態にて表示されていたデモ図柄81がホールド表示84として縮小表示される。パチンコ機100は、特別ダブルリーチ演出に次いで実行される大当たり遊技演出中にデモ図柄81を縮小表示させるホールド表示84を行うことで、報知演出および大当たり遊技演出において、通常の大当たりよりも有利な大当たりを得たことを遊技者に認識させやすい。ここで、先読み情報には、大当たりを示す情報が含まれる。このため、特別ダブルリーチ演出(ホールド演出)の終了後に実行される大当たり遊技の終了後に、報知演出が実行されている際に有していた特別図柄作動保留球について実際に大当たり判定が実行されて大当たりの判定結果が得られることで、保留連チャンが生じる。保留連チャンが生じる際には、大当たり遊技演出中にホールド表示84において縮小表示されていたデモ図柄81が拡大表示されて、判定結果が大当たりであることを示すデモ図柄81の組合せが確定表示される。よって、特別ダブルリーチ演出および大当たり遊技演出によって得た、通常の大当たりよりも有利な大当たりを得たという認識が、保留連チャンが付随した有利な大当たりを得たことにあたることを、遊技者に理解させやすくなる。ひいては、報知演出において二つの有効ラインが表示画面28に形成された場合には、先読み情報に大当たりを示す情報が含まれるといった期待を高めやすくなる。従って、パチンコ機100は、大当たり判定の結果が大当たりであることを報知する報知演出において、大当たり遊技終了後に保留連チャンが生じることに対する期待感を効果的に煽ることができる。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。上記実施形態では、報知演出制御処理(図13参照)において、先読み情報に大当たりを示す情報があるか否かが判断される(S138)。先読み情報に大当たりを示す情報が含まれる場合には(S138:YES)、最も古くRAM582に記憶された先読み情報から数えて何番目の先読み情報が大当たりを示す先読み情報であるかを特定する(S139)。ここで、先読み情報に含まれる大当たりを示す情報の総数を計数し、総数の大小に応じて特別ダブルリーチ演出の態様を変化させてもよい。これにより、特別ダブルリーチ演出をより多様化することができる。
ループタイプの遊技機においても、先読み情報に含まれる大当たりを示す情報の総数を計数して、特別ダブルリーチ演出の態様を変化させてよい。この場合には、先読み情報に含まれる大当たりを示す情報の内、低確率判定テーブルおよび高確率判定テーブルのいずれに乱数を当てはめても大当たりを示す情報のみを計数することとしてもよい。ループタイプの遊技機において、先読み情報に大当たりを示す情報が複数含まれる場合、先に実行される大当たり判定の判定結果によっては、乱数を取得した時点では確率変動状態であったが、実際の大当たり判定が実行される時点では非確率変動状態となることが起こり得る。この場合であっても、低確率判定テーブルおよび高確率判定テーブルのいずれに乱数を当てはめても大当たりを示す情報のみを計数すれば、乱数取得時(先読み時)の遊技状態と、実際の大当たり判定時の遊技状態とが異なる場合でも、演出に矛盾が生ずることはない。また、ループタイプの遊技機において、パチンコ機1のように先読み情報に大当たりを示す情報が一つでも含まれる場合に特別ダブルリーチ演出を行う場合であっても、上記の手法を適用することで、遊技状態に係わらず、演出に矛盾が生ずることを防ぐことができる。
上記実施形態では、大当たり遊技の終了後に、100%の確率にて確率変動状態が生起される。しかし、確率変動状態の生起条件は、これに限られない。例えば、大入賞口16の内部に特定領域を設け、大当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過することを契機として、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起することとしてもよい。具体的には、大入賞口16を2個設け、一方の大入賞口16内に特定領域を設ける(以下、「Vアタッカー」という。)。大当たりラウンドのうち、最終ラウンド以外のラウンドにおいては内部に特定領域を有しない大入賞口16(以下、「通常アタッカー」という。)が開放される。最終ラウンドにおいては、Vアタッカーが開放される。大当たり遊技中にVアタッカー内の特定領域を遊技球が通過するか否かが判断される。特定領域を遊技球が通過したと判断された場合に、確率変動フラグが「ON」とされることとすればよい。
この場合、Vアタッカーの開放パターンに、Vアタッカーが長時間開放される長時間開放パターン(例えば最大13秒開放)と、短時間しか開放しない短時間開放パターン(例えば0.3秒開放)を設けてもよい。大当たり遊技が長時間開放パターンおよび短時間開放パターンのうちいずれによって行われるかを、特別図柄決定乱数に応じて決定してもよい。Vアタッカーが長時間開放パターンによって長時間開放する場合、大当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過することが容易であるため、確率変動状態が生起されやすい。対して、短時間開放パターンによる大当たり遊技においては、遊技球がVアタッカーへ入賞する確率が長時間開放パターンによる大当たり遊技よりも低くなる。よって、短時間開放パターンによる大当たり遊技において遊技球が特定領域を通過する確率は、長時間開放パターンによる大当たり遊技の場合に比べて大幅に低くなる。このように、少なくとも二種類の開放パターンを設け、特別図柄決定乱数に応じてVアタッカーの開放パターンを決定することによって、確率変動状態の生起される確率を調整することができる。なお、第一特別図柄決定乱数に応じて決定される長時間開放パターンの割合と、第二特別図柄決定乱数に応じて決定される長時間開放パターンの割合とを異なる割合とすることによって、確率変動状態の生起条件および連続条件をさらに多様化することもできる。
パチンコ機1においては、遊技球の入賞順に第一大当たり判定及び第二大当たり判定の判定結果が報知される。大当たり判定手段を複数有する遊技機においては、いずれかの大当たり判定が他の大当たり判定よりも優先して行われるものもある。例えば、第二大当たり判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる遊技機が存在する。このような遊技機では、取得された第一大当たり乱数から取得された先読み情報に大当たりを示す情報が含まれている場合であっても、第二大当たり乱数が取得されていれば、第二大当たり判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。よって、第一大当たり乱数から大当たりを示す先読み情報を取得した時点で特別ダブルリーチ演出を実行した場合、その後に第二大当たり乱数が追加して取得されると、第二大当たり判定が優先して行われ続けてしまう。従って、特別ダブルリーチ演出が実行された後、第二大当たり判定の判定結果を報知する報知演出が相当な回数実行された後に、特別ダブルリーチ演出によって報知された保留連チャンによる新たな大当たり遊技がようやく実行されるような事象も起こりうる。このことは、大当たり遊技の終了後の極めて短い期間において新たな次の大当たりが発生することである保留連チャンを報知する特別ダブルリーチ演出の意義を弱めかねない。このような遊技機において本発明を適用する場合には、取得された第二大当たり乱数についてその後に行われる第二大当たり判定の結果についての情報のみを先読みすることとすればよい。この場合、特別図柄処理(S14、図7参照)において、取得された第一大当たり乱数に対して実行される第一大当たり判定の結果についての情報を先読みするS25(図8参照)の処理を行わなければよい。または、取得された第一大当たり乱数についての先読み情報をサブ制御基板58に通知するための先読み結果通知コマンドの出力を、第二大当たり判定の実行頻度が高くなる時短状態中には行わないこととしてもよい。これにより、第二大当たり判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる遊技機において、特別ダブルリーチ演出による保留連チャンの報知内容と、実際の遊技との間に矛盾が生ずることを防ぐことができる。
上記実施形態では、報知演出制御処理(S114、図12参照)において、実行する報知演出のパターンを決定する際に、先読み情報に大当たりを示す情報が含まれるか否かの判断を行っている(S138、図13参照)。しかし、先読み情報に大当たりを示す情報が含まれるか否かの判断を報知演出が開始された後に設定し、先読み情報に応じて以降の報知演出を変更して特別ダブルリーチ演出を行う構成としてもよい。この場合、報知演出が開始されてから取得された大当たり乱数からも大当たり判定の結果についての情報を先読みすることができる。報知演出が開始されてから取得された大当たり乱数から大当たりを示す先読み情報を取得できた場合には、上記実施形態よりも早いタイミングで特別ダブルリーチ演出を実行することができる。
上記実施形態では、サブ制御基板58が受信した変動パターン指定コマンドによって指定された特別図柄変動パターンが大当たりを報知する変動パターンである場合、先読み情報等に応じて特別ダブルリーチ演出が設定される(S142、図13参照)。つまり、指定された特別図柄変動パターンを変更することなく、先読み情報等に応じて報知演出のパターンを変更することによって、特別ダブルリーチ演出を実行している。しかし、特別ダブルリーチ演出は、報知演出のパターンを変更することなく、表示画面28に表示されるデモ図柄81の変動表示および確定表示に関する制御のみを変更することによっても実現することができる。
上記実施形態では、サブ制御基板58が受信した変動パターン指定コマンドによって指定された特別図柄変動パターンが大当たりを報知する変動パターンであって、大当たりを示す先読み情報がない場合には、抽選によって特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)の実行が決定される。特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)は、特別ダブルリーチ演出(ダブル大当たり)対してのガセ演出である。指定された特別図柄変動パターンがはずれを報知する変動パターンである場合においても、特別ダブルリーチに類似する演出を行ってよい。はずれの判定結果が報知される報知演出においても、特別ダブルリーチ演出が実行されることに対する遊技者の期待感を煽ることができるためである。また、ガセ演出としての特別ダブルリーチ演出(シングル大当たり)を実行しないこととしても、本発明は実現できる。ガセ演出を排除して、大当たりの判定結果に保留連チャンが付随している場合にのみ特別ダブルリーチ演出を行うこととすることで、特別ダブルリーチ演出に対する遊技者の信頼の度合いを著しく向上させることができるからである。上記実施形態では、保留連チャンが付随した大当たりを報知する報知演出として、必ず特別ダブルリーチ演出が実行される。しかし、保留連チャンが付随した大当たりを報知する報知演出の一部についてのみ特別ダブルリーチ演出を実行してもよい。
上記実施形態では、特別ダブルリーチ演出において、横スクロール変動によってデモ図柄81が変動する。しかし、デモ図柄81の変動態様は横スクロール変動に限られず、多種多様なデモ図柄81の変動態様を採用することができる。また、表示画面28に形成される有効ラインも態様も、実施形態の態様に限られない。形成される有効ラインの数も二つに限られず、三つ以上の有効ラインを設けてよい。上記実施形態では、第一特別図柄作動保留球数および第二特別図柄作動保留球数の最大数はともに「4」である。このため、取得できる先読み情報の最大数は、これらの合計数である「8」となる。よって、有効ラインを8個設けることによって、全ての特別図柄作動保留球を対象として、大当たりを示す先読み情報があるか否か期待させる演出を実行することができる。複数の有効ラインを設ける方法として、例えば、表示画面28上の表示領域が複数に分割され、分割された表示毎に有効ラインが形成されてデモ図柄81の変動表示が行われる態様等が考えられる。特に、保留連チャンが付随した大当たりを報知する際に、先読み情報に含まれる大当たりを示す情報の総数に応じて特別ダブルリーチ演出の態様を変化させる場合には、大当たりを示す先読み情報の数に応じて、形成される有効ラインの数を増減させる演出を行ってもよい。を取得できるこれにより、特別ダブルリーチ演出を、より多様化することができる。
請求項、明細書および図面に記載される全ての要素は、明確に個数を限定する記載がない限り、単一であっても、複数であっても構わない。また、それらの要素を各々別体で構成するか、適宜一体的に構成するかは当業者であれば容易に考えられる事項であるため、そのレベルでの構成上の違いは、実施例に一方しか記載がないからといって、他方を採用することのみでは、本発明、或いは権利を回避したことにはならない。