以下、本発明に係る遊技機の第一の実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1および図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(図3参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。発射機によって発射された遊技球は、遊技領域4内を流下する。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行する演出装置8が設けられている。演出装置8は、LCDからなる表示画面28を中央に備える。表示画面28は様々な映像を表示するが、特に大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である演出図柄81(図16(c)参照)を表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)の演出図柄81を変動させた後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄81の組合せを確定表示させる報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
演出装置8において、表示画面28の右上方に可動役物30が設けられている。可動役物30は、可動部を動作させることで各種演出を行う。演出装置8の左方には普通図柄作動ゲート12が設けられている。演出装置8の下方には第一始動口14および第二始動口15が設けられており、その下方には大入賞口16が設けられている。第二始動口15は、普通電動役物(後述する普通当たり判定の結果に基づき可動する役物)としての開閉部材を備え、開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球は第二始動口15に入賞できる。大入賞口16も開閉部材を備え、開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球は大入賞口16に入賞できる。各開閉部材はソレノイドによって電気的に開閉される。さらに遊技盤2には、上記以外に各種の電飾ランプ、入賞口、風車、および遊技くぎ等が設けられている。
遊技盤2の右斜め下部には、大当たり判定の結果および保留球数等を表示する図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LEDおよび普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部および第二特別図柄表示部は、それぞれ1つの7セグメントLEDからなり、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果を示す第一特別図柄および第二特別図柄を表示する。普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDおよび第二特別図柄記憶数表示LEDは、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「特別図柄作動保留球数」)を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「普通図柄作動保留球数」)を表示する。
次に、パチンコ機1における遊技の流れについて概略的に説明する。パチンコ機1では、普通当たり遊技および大当たり遊技が設けられている。パチンコ機1は、第一大当たり判定および第二大当たり判定において「大当たり」と判定される確率が約1/320である非確率変動状態と、約1/32である確率変動状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。また、第二始動口15の開閉部材が開放される割合が通常の割合である非時短状態と、割合が非時短状態よりも高くなる時短状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。パチンコ機1は、これらの組合せにより、「非確率変動非時短状態」(以下、「通常状態」という。)、「非確率変動時短状態」、および「確率変動時短状態」の3つの遊技状態を生起する。ただし、この実施形態に限られず、「確率変動非時短状態」等を加えた4つ以上の遊技状態に区分けしてもよい。これにより、遊技内容が多様となり、遊技者が遊技状態を予測することが困難な意外性のある遊技を提供することができる。
本実施形態では、確率変動大当たりと判定された場合、大当たり遊技の終了後から次回の大当たり遊技の実行開始まで、確率変動状態および時短状態が継続する。つまり、パチンコ機1の「確率変動時短状態」は、大当たり遊技の終了後から次回の大当たり遊技の実行開始まで継続する。また、非確率変動大当たりと判定された場合、次回の大当たり遊技の実行開始まで、または、第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和が規定回数(本実施形態では100回)に達するまで、時短状態が継続する。その後、遊技状態は「通常状態」へ移行する。つまり、パチンコ機1の「非確率変動時短状態」は、大当たり判定の回数の和が規定回数に達すること、または次回の大当たり遊技が実行開始されることによって終了する。なお、「非確率変動時短状態」および「確率変動時短状態」は、大当たり遊技開始時にも終了する。この場合、規定回数の計数はクリアされる。なお、「非確率変動時短状態」の継続回数は、本実施形態に限られない。また、確率変動状態の終了条件は、本実施形態の例に限られない。例えば、大当たり遊技の終了後に生起された確率変動状態が、大当たり判定の回数の和が規定回数に達することで終了する所謂回数切り確変機能を有する遊技機であってもよい。また、大入賞口16の内部に特定領域を設け、大当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過することを契機として、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起することとしてもよい。1回の大当たり判定ごとに確率変動状態を終了させる転落抽選を行い、転落抽選に当選した場合に確率変動状態を終了させてもよい。
図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、および中継基板47を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動口スイッチ72、および第二始動口スイッチ73に接続されている。出力ポート55は、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動口スイッチ72は、第一始動口14に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ73は、第二始動口15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9、およびスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、演出装置8の各種照明の動作および可動役物30の動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431、CGROM432等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
中継基板47には、普通電動役物開閉ソレノイド69、大入賞口開閉ソレノイド70、普通図柄作動スイッチ74、大入賞口スイッチ75および図柄表示部24が接続されている。普通電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材を開閉する。大入賞口開閉ソレノイド70は、大当たり遊技中に大入賞口16の開閉部材を開閉する。普通図柄作動スイッチ74は、普通図柄作動ゲート12を通過した遊技球を検出する。大入賞口スイッチ75は、大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41および遊技球発射装置37に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図4を参照して、RAM52の第一大当たり関係情報エリアについて説明する。第二大当たり関係情報記憶エリアの構成は、第一大当たり関係情報記憶エリアの構成と同じであるため、説明を簡略化する。第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図8から図10参照)において使用される。第一大当たり関係情報記憶エリアには複数の記憶エリアが設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞した際に、特別図柄作動保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。CPU51は、処理が未だ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号が小さい記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理(具体的には、判定結果を報知する報知演出、および、判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、次に番号が小さい記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
各記憶エリアには、第一大当たり判定カウンタの値が記憶される第一大当たり乱数欄、第一特別図柄決定カウンタの値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、および、第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数は第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間を示す第一変動パターンを決定するために用いられる。なお、RAM52には、普通図柄作動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。
図5を参照して、ROM53に記憶されている第一特別図柄変動パターン決定テーブルについて説明する。前述したように、第一変動パターンは、図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間を示す。パチンコ機1において、第一特別図柄および第二特別図柄の変動時間は、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主基板41で決定された第一変動パターンおよび第二変動パターンに従って報知演出を制御する。すなわち、表示画面28、可動役物30、スピーカ48等によって、第一変動パターンおよび第二変動パターンと同期した報知演出が実行される。
第一特別図柄変動パターン決定テーブルには、第一大当たり判定時の遊技状態(非確率変動非時短状態中、非確率変動時短状態中、または確率変動時短状態中)、および第一大当たり判定の結果(大当たりまたははずれ)に応じて複数のテーブルが設けられている。それぞれのテーブルには複数種類の第一変動パターンが割り当てられており、各第一変動パターンと第一変動パターン決定乱数の値(0〜511)とが対応付けられている。第一大当たり判定が行われると、その時点の遊技状態と判定結果とに応じたテーブルが参照され、第一大当たり乱数とともに取得されている第一変動パターン決定乱数の値によって第一変動パターンが1つ決定される。主基板41は、決定された第一変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された第一変動パターンに応じて表示画面28およびスピーカ48等を制御する。また、主基板41は、決定した第一変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一特別図柄を変動させる。なお、図示しないが、第二特別図柄変動パターン決定テーブルも、第一特別図柄変動パターン決定テーブルの構成と同様に構成される。第二大当たり判定が行われると、その時点の遊技状態と判定結果とに応じたテーブルが参照され、第二大当たり乱数とともに取得されている第二変動パターン決定乱数の値によって変動パターンが1つ決定される。主基板41は、決定された第二変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。
本実施形態では、第一大当たり判定の結果がはずれの場合、リーチ演出を実行しない「非リーチ」の第一変動パターンが決定される割合が最も高い。一方、第一大当たり判定の結果が当たりの場合には、「非リーチ」の第一変動パターンが選択されることはない。また、「疑似2回」は、1回の報知演出において、大当たり以外の演出図柄81の組合せが一旦仮停止され、その後再び演出図柄81が変動した後に大当たり判定の結果を示す演出図柄81の組合せが停止表示される、所謂疑似連演出による報知演出である。「非リーチ」および「疑似2回」以外の第一変動パターンでは、リーチ演出が実行される。リーチ演出は、複数の演出図柄81のうちの一部を停止させた状態で行われる演出を含む報知演出である。本実施形態におけるリーチ演出には、ノーマルリーチ演出A,B、リーチ演出A,B、SPリーチ演出A,B,Cがある。図5に示すように、第一大当たり判定の結果が大当たりの場合には、疑似2回、ノーマルリーチ演出A,B、リーチ演出A,B、SPリーチ演出A,B,Cの順で、決定される割合が高くなる。逆に、判定結果がはずれの場合には、疑似2回、ノーマルリーチ演出A,B、リーチ演出A,B、SPリーチ演出A,B,Cの順で、決定される割合が低くなる。従って、報知演出において示される第一大当たり判定の結果が大当たりとなる期待度は、疑似2回、ノーマルリーチ演出A,B、リーチ演出A,B、SPリーチ演出A,B,Cの順に高くなる。
図6を参照して、上記の第一変動パターンと第一大当たり判定の結果が大当たりとなる期待度との対応を説明する。本実施形態の第一変動パターンは、判定結果が大当たりとなる期待度別に、三段階に分類されている。最も期待度の低い「低期待度」には、非リーチが分類される。低期待度の報知演出は、はずれの判定結果が得られる場合にのみ実行される。「低期待度」よりも期待度の高い「中期待度」には、疑似2回、ノーマルリーチ演出A,B、リーチ演出A,Bが分類される。「中期待度」の第一変動パターンは、全ての第一変動パターンにおいて、判定結果が大当たりの場合の約30%、判定結果がはずれの場合の約36%をそれぞれ占める。「中期待度」よりも期待度の高い「高期待度」には、SPリーチ演出A,B,Cが分類される。「高期待度」の第一変動パターンは、全ての第一変動パターンにおいて、判定結果が大当たりの場合の約70%、判定結果がはずれの場合の約11%をそれぞれ占める。
図7から図11を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図7参照)は、割込信号発生回路57(図3参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、普通図柄作動ゲート12、各入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタの値が減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作(主に大入賞口16の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理とが行われる。詳細には、大当たり種別が確率変動大当たりの場合、確率変動フラグおよび時短フラグが、大当たり遊技終了後に「ON」となる。大当たり種別が非確率変動大当たりの場合、時短フラグが、大当たり遊技終了後に「ON」となる。なお、大当たり遊技において、1回の当たり遊技中に大入賞口16が開閉される回数の合計(所謂「ラウンド数」)は、第一特別図柄および第二特別図柄の大当たり種別に応じて決定される。本実施形態の大当たり種別には、ラウンド数が16の「16ラウンド大当たり」と、ラウンド数が4の「4ラウンド大当たり」の二つがある。後述する大当たり遊技状態フラグが「ON」となっている場合、大当たり遊技が実行される。本実施形態では、全てのラウンドにおいて、大入賞口16が最大開放時間29秒で開放される。そして、一旦開放された大入賞口16は、最大開放時間の経過、および9個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定、および遊技状態の移行処理等が行われる(図8から図11参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く、第二始動口15の開閉部材を開放させる。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ74が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。時短状態中に普通当たりと判定される確率(本実施形態では99/100)は、非時短状態中に普通当たりと判定される確率(本実施形態では4/100)よりも高い。また、普通図柄の変動時間は、非時短中の変動時間(本実施形態では10秒)よりも時短状態中の変動時間(本実施形態では2秒)の方が短い。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータに各種の情報が出力される。
図8から図11を参照して、特別図柄処理(S14、図7参照)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確率変動フラグ、時短フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。特別図柄表示状態フラグは、二つの特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、両方とも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。確率変動フラグは、確率変動状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。時短フラグは、時短状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。
図8に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一始動口14に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。第一始動口14に設けられた第一始動口スイッチ72が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読み込み処理(S11、図7参照)において、第一始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S21:NO)、処理はS31の判断へ移行する。第一始動口14に遊技球が入賞していれば(S21:YES)、第一特別図柄作動保留球数が「4」であるか否かが判断される(S22)。RAM52に記憶されている第一特別図柄作動保留球数が「4」であれば(S22:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS31の判断へ移行する。
第一特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S22:NO)、RAM52に記憶されている第一特別図柄作動保留球数に「1」が加算される(S23)。次いで、第一特別図柄作動保留球が増加したことをサブ制御基板58に通知するための第一保留球数増加通知コマンドがRAM52に記憶される(S24)。次いで、各種乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S25)。具体的には、第一大当たり乱数欄には第一大当たり判定カウンタの値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一特別図柄決定カウンタの値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値が、それぞれRAM52に記憶される。
次いで、S25において新たに記憶された乱数(保留乱数)についての情報を、実際に第一大当たり判定が行われるよりも前に先読みする乱数先読み処理が行われる(S26)。図11を参照して、乱数先読み処理(S26、図8参照)について詳細に説明する。まず、S25(図8参照)において新たに記憶された第一大当たり乱数が先読みされる(S91)。次いで、確率変動フラグの状態を参照して、現在の遊技状態が確率変動状態であるか否かを特定する。そして、確率変動状態が生起されているか否かに応じた判定テーブルが参照される(S92)。図示しないがROM53には、第一大当たり判定を行うためのテーブルとして、低確率判定テーブルと、高確率判定テーブルとが設けられている。低確率判定テーブルは、非確率変動状態中の第一大当たり判定に用いられるテーブルであり、「大当たり」および「はずれ」に各々対応する第一大当たり乱数の乱数値が定義されている。高確率判定テーブルは、確率変動状態中の第一大当たり判定に用いられるテーブルであり、「大当たり」および「はずれ」に各々対応する第一大当たり乱数の乱数値が定義されている。S92では、確率変動フラグの状態を参照して、現在の遊技状態が特定される。特定された遊技状態に対応して、低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルを参照して、S91で先読みされた第一大当たり乱数が「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかを示す情報が、先読み大当たり情報として取得される。取得された先読み大当たり情報が、先読み大当たり情報としてRAM52に記憶される(S93)。
次いで、S25(図8参照)において新たに記憶された第一変動パターン決定乱数が先読みされる(S94)。確率変動フラグおよび時短フラグの状態を参照して、現在の遊技状態が特定される。そして、特定された遊技状態とS93において記憶された先読み大当たり情報とに対応した第一特別図柄変動パターン決定テーブルが参照される(S95)。S95では、確率変動フラグおよび時短フラグの状態を参照して、現在の遊技状態が特定される。特定された遊技状態に対応した第一特別図柄変動パターン決定テーブルが選択される。選択された第一特別図柄変動パターン決定テーブルを参照して、S94で先読みされた第一変動パターン決定乱数がいずれの第一変動パターンに対応するかを示す情報が、先読み変動パターン情報として取得される。取得された先読み変動パターン情報が、先読み変動パターン情報としてRAM52に記憶される(S96)。記憶された先読み変動パターン情報は、S24(図8参照)で記憶された第一保留球数増加通知コマンドとともに、コマンド出力処理(S10、図7参照)によってサブ制御基板58に送信される。後述するサブ制御基板処理(図12から図15参照)では、先読みされた変動パターンについての情報等に応じて、特別演出を実行するか否かが決定される。処理は特別図柄処理(図8参照)に戻る。なお、本実施形態では、第一変動パターン決定乱数から先読みされた先読み変動パターン情報は、遊技状態が非時短状態の場合にのみ、サブ制御基板58に送信される。
なお、パチンコ機1では、遊技状態が変更された場合には、その時点で既に先読みされていた情報に応じて演出の処理を行うことがないように設定されている。例えば、乱数を取得した時点では確率変動状態であったが、実際の大当たり判定が実行されたのは、確率変動状態が終了した後であった場合等がこれにあたる。よって、乱数取得時(先読み時)の遊技状態と、実際の大当たり判定時の遊技状態とが異なる場合でも、演出に矛盾が生じることはない。
図8の説明に戻る。乱数先読み処理(S26)が終了すると、処理はS31の判断へ移行して、第二始動口15への遊技球の入賞に関する処理が行われる。まず、第二始動口15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S31)。第二始動口15に設けられた第二始動口スイッチ73に対応するフラグが「ON」となっていない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S31:NO)、処理はS41(図9参照)の判断へ移行する。第二始動口15に遊技球が入賞していれば(S31:YES)、第二特別図柄作動保留球数が「4」であるか否かが判断される(S32)。RAM52に記憶されている第二特別図柄作動保留球数が「4」であれば(S32:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS41(図9参照)の判断へ移行する。
第二特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S32:NO)、RAM52に記憶されている第二特別図柄作動保留球数に「1」が加算される(S33)。次いで、第二特別図柄作動保留球が増加したことをサブ制御基板58に通知するための第二保留球数増加通知コマンドがRAM52に記憶される(S34)。次いで、各種乱数が取得され、第二大当たり判定カウンタの値(第二大当たり乱数)と、第二特別図柄決定カウンタの値(第二特別図柄決定乱数)と、第二変動パターン決定カウンタの値(第二変動パターン決定乱数)とが取得され、それぞれRAM52に記憶される(S35)。
次いで、S35において新たに記憶された乱数(保留乱数)について、乱数先読み処理が行われる(S36)。S36の乱数先読み処理の流れは、S26の乱数先読み処理の流れと同様となる。つまり、S35において第二大当たり乱数および第二変動パターン決定乱数が先読みされる。先読みされた各乱数から、現在の遊技状態に応じて、新たに記憶された第二大当たり乱数についてその後に行われる第二大当たり判定の結果についての情報および新たに記憶された第二変動パターン決定乱数によって決定される第二変動パターンについての情報が先読みされる。先読みされた第二大当たり判定の結果についての先読み大当たり情報、および先読みされた第二変動パターンについて先読み変動パターン情報が、RAM52に記憶される。記憶された先読み変動パターン情報は、S34(図8参照)で記憶された第二保留球数増加通知コマンドとともに、コマンド出力処理(S10、図7参照)によってサブ制御基板58に送信される。処理はS41(図9参照)の判断へ移行する。なお、本実施形態では、第二変動パターン決定乱数から先読みされた先読み変動パターン情報は、遊技状態が時短状態の場合にのみ、サブ制御基板58に送信される。
次いで、図9に示すように、大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S41)。大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合、大当たり遊技状態中であると判断されて(S41:YES)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合、大当たり遊技状態中でないと判断されて(S41:NO)、二つの特別図柄のいずれかが変動中であるか否かが判断される(S42)。特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合には、いずれも変動中でないと判断されて(S42:NO)、二つの特別図柄のいずれかが停止状態中であるか否かが判断される(S43)。特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合は、いずれも停止表示中でないと判断されて(S43:NO)、処理はS51(図10参照)へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
本実施形態では、大当たり判定において、第二大当り判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。図10に示すように、まず、第二特別図柄作動保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S51)。RAM52に記憶されている第二特別図柄作動保留球数が「1」以上である場合には(S51:YES)、第二大当り判定が行われるが、詳細は後述する。第二特別図柄作動保留球数が「0」である場合には(S51:NO)、第一特別図柄作動保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S52)。RAM52に記憶されている第一特別図柄作動保留球数が「0」であれば(S52:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一特別図柄作動保留球数が「1」以上である場合には(S52:YES)、RAM52に記憶されている第一特別図柄作動保留球数が「1」減算される(S53)。第一大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S55)。次いで、遊技状態に応じた第一大当たり判定が行われる(S56)。S56では、確率変動フラグの状態を参照して、現在の遊技状態が特定される。特定された遊技状態に対応して、前述の低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルを参照して、S55でシフトされた判定エリアに記憶されている第一大当たり乱数が「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第一大当たり乱数に基づく第一大当たり判定が、第一大当たり乱数の記憶された順に行われる。
第一大当たり判定によって大当たりと判定された場合には(S57:YES)、第一大当たり変動パターン決定処理において、遊技状態および判定結果に応じた第一特別図柄変動パターン決定テーブルが参照されて第一変動パターンが決定される(S58)。さらに、大当たりであることを示す第一特別図柄が決定される(S59)。処理はS71へ移行する。判定結果がはずれであれば(S57:NO)、第一はずれ変動パターン決定処理において、遊技状態および判定結果等に応じた変動パターンテーブルが参照されて変動パターンが決定される(S60)。処理はS71へ移行する。なお、はずれの場合の第一特別図柄は「−」の1種類である。
また、第二大当たり判定では、まず、第二特別図柄作動保留球数が「1」減算される(S61)。第二大当たり関係情報記憶エリアの判定エリアが次の番号の記憶エリアにシフトされる(S63)。次いで、遊技状態に応じた第二大当たり判定が行われる(S64)。S64では、確率変動フラグの状態を参照して、現在の遊技状態が特定される。特定された遊技状態に対応して、前述の低確率判定テーブルまたは高確率変動テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルを参照して、S63でシフトされた判定エリアに記憶されている第二大当り乱数が「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二大当たり乱数に基づく第二大当たり判定が、第二大当たり乱数の記憶された順に行われる。
第二大当たり判定によって大当たりと判定された場合には(S65:YES)、第二大当たり変動パターン決定処理において、遊技状態および判定結果に応じた第二変動パターン決定テーブルが参照されて第二変動パターンが決定される(S66)。さらに、大当たりであることを示す第二特別図柄が決定される(S67)。処理はS71へ移行する。判定結果がはずれであれば(S65:NO)、第二はずれ変動パターン決定処理において、遊技状態および判定結果等に応じた変動パターン決定テーブルが参照されて第二変動パターンが決定される(S68)。処理はS71へ移行する。なお、はずれの場合の第二特別図柄は「−」の1種類である。
第一変動パターンまたは第二変動パターンが決定されると、決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドがRAM52に記憶される(S71)。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)において、サブ制御基板58に送信される。決定された変動パターンに応じて決められている第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S72)。二つの特別図柄のいずれかが変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S73)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図9に示すS42の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されている場合には、二つの特別図柄のいずれかが変動中であると判断され(S42:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S74)。S72(図10参照)の処理においてセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には、変動時間が経過したと判断され(S74:YES)、RAM52に特別図柄停止コマンドが記憶される(S75)。このコマンドは、コマンド出力処理(S10、図7参照)によってサブ制御基板58および中継基板47に送信され、表示画面28の演出図柄81、および二つの特別図柄の変動停止を指示する。次いで、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.5秒)が特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S76)。二つの特別図柄のいずれかが停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S77)、処理はメイン処理へ戻る。一方、S74の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S74:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
また、S43の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されている場合には、二つの特別図柄のいずれかが停止表示中であると判断され(S43:YES)、S76においてセットされたカウンタの値によって、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S78)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には、停止表示時間がまだ経過していないと判断され(S78:NO)、処理はメイン処理へ戻る。停止表示時間が経過した場合には(S78:YES)、二つの特別図柄がともに変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S79)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S80)、処理はメイン処理へ戻る。なお、遊技状態移行処理では、大当たり判定の結果が大当たりである場合に大当たり遊技状態フラグが「ON」となり、遊技状態が大当たり遊技状態へ移行される。この場合、大当たり遊技を開始することを示す大当たり遊技開始コマンドがRAM52に記憶され、コマンド出力処理(S10、図7参照)によってサブ制御基板58に送信される。また、時短状態および確率変動状態の終了条件が満たされていれば、これらの遊技状態が終了し、遊技状態は非時短状態および非確率変動状態へ移行する。
図12から図17を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理と、本実施形態において実行される特定演出の詳細について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、大当たり判定の結果を報知するための報知演出が制御される。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581によって実行される。
サブ制御基板処理で使用されるフラグについて説明する。RAM582には、報知演出実行中フラグ、特定フラグ等が記憶されている。報知演出実行中フラグは、報知演出が実行中であることを示すフラグである。報知演出実行中フラグは、報知演出が実行中の場合には「1」が記憶されて「ON」となり、報知演出が実行されていない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。特定フラグは、後述する特定演出を実行するための設定がされていることを示すフラグである。特定演出を実行するための設定がされている場合には「1」が記憶されて「ON」となり、特定演出を実行するための設定がされていない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。
サブ制御基板処理が開始されると、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S101)。受信していない場合(S101:NO)、処理はS103の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信すると(S101:YES)、報知演出制御処理が実行されて(S102)、処理はS103の判断へ移行する。報知演出制御処理では、指定された変動パターンに応じて報知演出が制御される。また、特定演出を実行するための設定がされている場合に、特定演出の内容を決定して制御する処理等も実行される。報知演出制御処理の詳細については、図13を参照して後述する。
次いで、主基板41から第一保留球数増加通知コマンドまたは第二保留球数増加通知コマンドを受信したか否かが判断される(S103)。いずれも受信していなければ(S103:NO)、処理はS108の判断へ移行する。第一保留球数増加通知コマンドまたは第二保留球数増加通知コマンドを受信すると(S103:YES)、第一保留球数増加通知コマンドまたは第二保留球数増加通知コマンドとともに受信した先読み変動パターン情報をRAM582に記憶する(S105)。次いで、特定演出設定処理が実行される(S106)。特定演出設定処理では、記憶した保留乱数についての情報および実行中の報知演出の演出パターン等に応じて特定演出を実行するための設定が行われる。また、特定演出設定処理では、特定演出の導入部の演出として、実行中の報知演出とともに、特定導入用動画82(図16(b)参照)による演出を実行させるための処理も行われる。特定演出設定処理の詳細については、図14および図15を参照して後述する。処理はS108の判断へ移行する。
次いで、主基板41から特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S108)。受信していなければ(S108:NO)、処理はS112の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信すると(S108:YES)、第一大当たり判定または第二大当たり判定の結果を示す演出図柄81の組合せが確定表示される(S109)。次いで、報知演出制御処理(S102)においてRAM582に記憶された演出パターンについての情報が、報知演出の実行終了に伴い消去される(S110)。次いで、報知演出実行中フラグが「OFF」となり(S111)、処理はS112の判断に移行する。次いで、主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S112)。受信していなければ(S112:NO)、処理はS101の判断へ戻る。大当たり遊技開始コマンドを受信すると(S112:YES)、大当たり遊技演出処理が実行されて(S113)、処理はS101の判断へ戻る。
図13を参照して、報知演出制御処理(S102、図12参照)について詳細に説明する。報知演出制御処理が開始されると、S101(図12参照)において受信された変動パターン指定コマンドによって指定された第一変動パターンまたは第二変動パターンが、RAM582に記憶される(S121)。次いで、特定フラグが「ON」であるか否かが判断される(S122)。特定フラグが「OFF」である場合(S122:NO)、複数の演出パターン決定テーブルから、通常演出パターン決定テーブル(図17参照)が選択される(S130)。そして、選択された通常演出パターン決定テーブルが参照されて、報知演出の演出パターンが決定される。演出パターン決定テーブルの詳細については後述する。処理はS131へ移行する。
特定フラグが「ON」である場合(S122:YES)、RAM582に記憶されている特定カウンタが「1」減算される(S123)。特定カウンタとは特定フラグの制御のために使用されるカウンタである。次いで、特定カウンタの値が「0」であるか否かが判断される(S124)。特定カウンタの値が「0」でない場合(S124:NO)、複数の演出パターン決定テーブルから、特定演出パターン決定テーブル(図17参照)が選択される(S125)。そして、主基板41から指定された変動パターンと特定カウンタの値とに基づいて、報知演出の演出パターンが決定される(S126)。変動パターンと特定カウンタの値とに基づく演出パターンの決定の詳細については後述する。処理はS131へ移行する。
特定カウンタの値が「0」の場合(S124:YES)、特定フラグが「OFF」に設定される(S127)。次いで、複数の演出パターン決定テーブルから、通常演出パターン決定テーブル(図17参照)が選択される(S128)。選択された通常演出パターン決定テーブルが参照されて、報知演出の演出パターンが決定される。次いで、特定演出が終了したことを示す動画である特定終了用動画86を、決定された演出パターンとともに表示させる設定がされて(S129)、処理はS131へ移行する。
S131では、S126、S128およびS130において決定された演出パターンが、RAM582に記憶される。そして、記憶された演出パターンに基づいて、報知演出が制御される(S132)。次いで、RAM582において特別図柄作動保留球数を記憶するカウンタである保留球数カウンタの値が「1」減算される(S133)。次いで、報知演出実行中フラグが「ON」となり(S134)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
図14および図15を参照して、特定演出設定処理(S106、図12参照)について詳細に説明する。前述したように、特定演出設定処理では、記憶した保留乱数についての情報および実行中の報知演出の演出パターン等に応じて特定演出を実行するための設定が行われる。
特定演出設定処理が開始されると、報知演出が実行中であるか否かが判断される(S141)。報知演出実行中フラグが「OFF」である場合、報知演出は実行中でないと判断されて(S141:NO)、処理はサブ制御基板処理へ戻る(図15参照)。報知演出実行中フラグが「ON」である場合、報知演出は実行中であると判断されて(S141:YES)、処理はS142の判断へ移行する。次いで、特定フラグが「ON」であるか否かが判断される(S142)。特定フラグが「ON」である場合(S142:YES)、既に特定演出を実行するための設定がされているため、処理はサブ制御基板処理へ戻る(図15参照)。
特定フラグが「OFF」である場合(S142:NO)、S105(図12参照)においてRAM52に記憶された先読み変動パターン情報が参照される。前述したように、この先読み変動パターン情報は、第一保留球数増加通知コマンドまたは第二保留球数増加通知コマンドとともにサブ制御基板58に送信される。つまり、報知演出実行中に新たに記憶された先読み変動パターン情報が参照される。そして、参照された先読み変動パターン情報が、「高期待度」を示すか否かが判断される(S143)。前述したように、本実施形態では、変動パターンが期待度別に三段階に分類されている。つまり、先読み変動パターン情報が、SPリーチ演出A,B,Cのいずれかを示すか否かが判断される(図6参照)。先読み変動パターン情報が「高期待度」以外を示す場合(S143:NO)、処理はサブ制御基板処理へ戻る(図15参照)。
つまり、S143では、実行中の報知演出の終了後に実行される報知演出が高期待度であるか否かが判断される。この高期待度の報知演出が実行されるまでの間に実行される報知演出について特定演出を実行するか否かが、以下の処理に基づいて決定される。すなわち、先読み変動パターン情報が「高期待度」を示す場合(S143:YES)、現在実行中の報知演出の演出パターンが参照される(S144)。現在実行中の報知演出の演出パターンは、S131(図13参照)においてRAM582に記憶されている。次いで、参照された現在実行中の報知演出の演出パターンが、「中期待度」であるか否かが判断される(S145)。つまり、現在実行中の報知演出の演出パターンが、疑似2回、ノーマルリーチ演出A,B、リーチ演出A,Bのいずれかであるか否かが判断される(図6参照)。現在実行中の報知演出の演出パターンが、「中期待度」以外の演出パターンである場合(S145:NO)、処理はサブ制御基板処理へ戻る(図15参照)。
つまり、現在実行中の報知演出の演出パターンが「低期待度」または「高期待度」である場合(S145、:NO)、特定演出は実行されない。これにより、現在実行中の演出パターンが「高期待度」の場合には、特定演出の導入に優先して、遊技者の期待度が高い報知演出(現在実行中の高期待度の報知演出)を遊技者に提供できる。また、「低期待度」の演出パターンの場合には、報知演出の演出時間が比較的短いため、例えば特定演出の導入処理が間に合わず、円滑な特定演出の実行が妨げられることを防止できる。
現在実行中の報知演出の演出パターンが「中期待度」である場合(S145:YES)、RAM582に記憶されている保留球数カウンタの値が参照される(S146)。参照された保留球数カウンタの値が「2」以上であるか否かが判断される(S147)。保留球数カウンタの値が「2」未満の場合(S147:NO)、報知円演出実行中に新たに記憶された保留乱数よりも先に記憶された保留乱数が存在しない。この場合、処理はサブ制御基板処理へ戻る(図15参照)。これにより、報知演出実行中に新たに記憶された保留乱数よりも先に記憶された保留乱数が存在しない場合には、特定演出に必要な演出時間を確保することが困難であるため、特定演出は実行されない。
保留球数カウンタの値が「2」以上の場合(S147:YES)、報知演出実行中に新たに記憶された保留乱数以外にも保留乱数が存在する。この場合、報知演出実行中に新たに記憶された保留乱数よりも先に記憶されている保留乱数について、RAM52に記憶されている先読み変動パターン情報が参照される(S148)。次いで、先に記憶されている先読み変動パターン情報が「低期待度」を示すか否かが判断される(S149)。つまり、先に記憶されている先読み変動パターン情報が、非リーチを示すか否かが判断される(図6参照)。先に記憶されている先読み変動パターン情報が「低期待度」以外を示す場合(S149:NO)、処理はサブ制御基板処理へ戻る(図15参照)。これにより、現在実行中の報知演出終了直後に実行される演出パターンが「中期待度」または「高期待度」の場合には、特定演出の導入に優先して、遊技者の期待度が高い報知演出(現在実行中の報知演出終了直後に実行される中期待度または高期待度の報知演出)を遊技者に提供できる。
先に記憶されている先読み変動パターン情報が「低期待度」を示す場合(S149:YES)、現在の保留球数カウンタの値を特定カウンタの値としてセットする(S150)。次いで、特定フラグが「ON」と設定され(S151)、処理はS161(図15参照)の判断へ移行する。
S161では、実行中の報知演出とともに実行される特定導入用動画82による演出の実行開始時点である特定開始ポイントが、実行中の報知演出の演出パターンに備えられているか否かが判断される(S161)。特定開始ポイントが、実行中の報知演出の演出パターンに備えられているか否かの判断は、演出パターンの種類によって判別できる。また、現在実行中の報知演出の演出パターンは、RAM582に記憶されている。本実施形態では、中期待度に分類される各演出パターンのうち、「疑似2回」の演出パターンについては、特定開始ポイントが備えられていない。「疑似2回」の演出パターンは演出図柄81の変動による演出が複数回実行されることを遊技者に示すことによって遊技者の期待感を向上させる演出である。演出図柄81の変動表示の視認性が特定導入用動画82によって妨げられることによる遊技者の興趣の低下を避けるため、「疑似2回」の演出パターンには特定開始ポイントが備えられていない。従って、現在実行中の報知演出の演出パターンが「疑似2回」である場合(S161:NO)、特定導入用動画82による演出が設定されることはない。処理はS167へ移行する。
現在実行中の報知演出の演出パターンが「疑似2回」以外の中期待度の演出パターンである場合(S161:YES)、RAM582に記憶されている演出パターンが参照されて、演出パターンに備えられている特定開始ポイントについての時間情報が特定される(S162)。特定開始ポイントは、「疑似2回」以外の中期待度の演出パターンのそれぞれにおいて、特定導入用動画82を表示させるために必要な時間と、演出パターンごとの演出の流れとに応じて、特定導入用動画82の開始時点を示す時間情報として設けられている。この特定導入用動画82の開始時点を示す時間情報を特定開始ポイントとして特定する。次いで、現在実行中の報知演出の報知演出時間カウンタの値が参照される(S163)。本実施形態では、報知演出開始後の経過時間が、RAM582に記憶されるタイマカウンタである報知演出時間カウンタによって計測されている。従って、報知演出時間カウンタの値が参照されることによって、現在実行中の報知演出開始後からの経過時間情報が特定される。
次いで、S162において特定された特定開始ポイントについての時間情報と、S163の処置において特定された報知演出開始後の経過時間情報である報知演出時間カウンタの値とが比較される(S164)。この比較によって、報知演出開始後の経過時間が特定開始ポイントを既に経過していると判断された場合(S165:NO)、処理はS167へ移行する。
報知演出開始後の経過時間が特定開始ポイントをまだ経過していないと判断された場合(S165:YES)、特定開始ポイントから特定導入用動画82を表示させる制御が行われ(S166)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。一方、S167において、次回以降の報知演出において所定の条件が揃った場合に特定演出を設定するために、特定カウンタの値が0クリアされる。次いで、特定フラグが「OFF」となり(S168)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
図16および図17を参照して、特定演出の詳細について説明する。図16(a)には、特定導入用動画82(図16(b)参照)が表示された後に特定演出が実行され、さらに特定終了用動画86(図16(b)参照)が表示される一連の流れを時系列で示す。なお図16(a)は、遊技状態が非確率変動非時短状態であって、第一特別図柄作動保留球数が3個の状態において報知演出が実行されている間に、新たに4個目の第一特別図柄作動保留球が記憶された場合を例として説明する。ここで、報知演出の実行中に新たに記憶された第一特別図柄作動保留球は、高期待度の第一変動パターン情報を示す保留乱数である。本説明において、この保留乱数をターゲット保留と称することとする。
報知演出の実行中にターゲット保留が記憶されたタイミングは、主基板41からサブ制御基板58へ送信される第一保留球数増加通知コマンドによって特定できる。本時系列の場合、実行中の報知演出が中期待度の演出パターンの場合、実行中の報知演出からターゲット保留についての報知演出までの間に実行される3回の報知演出について、既に記憶されている先読み変動パターン情報が参照される(S148、図14参照)。参照された3回の報知演出の先読み変動パターン情報が低期待度を示す場合、3回の報知演出に亘って特定演出を実行することができる。次いで、実行中の報知演出において特定導入用動画82を表示することができるか否かが判断される。この判断は、ターゲット保留を記憶したタイミングである第一保留球数増加通知コマンドを受信したタイミングが特定開始ポイント経過前であるか否かによって行われる(S165、図15参照)。本時系列では第一保留球数増加通知コマンドの受信タイミングが特定開始ポイント経過前であるため、所定の特定開始ポイントから特定導入用動画82が表示画面28に表示される。なお、特定導入用動画82は、図16(b)に示すように、地面に種を蒔く様子についての動画表示である。
特定導入用動画82の動画表示による演出は、特定演出の実行を設定するための条件が揃った場合に、特定演出の導入部の演出として、実行中の報知演出とともに実行される。特定導入用動画82による演出を実行中の報知演出において行うことによって、実行中の報知演出が終了した後の報知演出から特定演出を初めて開始するよりも、高期待度の報知演出が実行されるまでの間に先読み演出を実行する機会を増やすことができる。また、詳細は後述するが、特定演出は特定導入用動画82による演出を発展的に変化させた態様の演出である。このため、特定導入用動画82による演出を実行中の報知演出において行った後に特定演出を実行することによって、実行中の報知演出から高期待度の報知演出が実行されるまでの間の遊技者の期待感を段階的に高めることができる。なお、特定導入用動画82は、実行中の報知演出に替えて実行されてもよい。
特定導入用動画82の動画表示が行われた報知演出が終了すると、特定演出による報知演出が実行される。本時系列は、特定演出が3回連続して実行されることが示されている。特定演出の演出パターンは、特定演出パターン決定テーブル(図17(b)参照)によって決定される。
図17を参照して、ROM583に記憶されている演出パターン決定テーブルについて詳細に説明する。演出パターン決定テーブルでは、主基板41から指定されるそれぞれの変動パターンに、1または複数の演出パターンが対応付けられている。本実施形態では、通常演出決定テーブルと特定演出決定テーブルの二種類の演出決定テーブルが設けられている。特定フラグがOFFの場合、通常演出パターン決定テーブルが参照されて演出パターンが決定される(S128およびS130、図13参照)。特定フラグがONの場合、特定演出パターン決定テーブルが参照されて演出パターンが決定される(S125およびS126、図13参照)。なお、図17には、第一変動パターンに対する演出パターン決定テーブルが示されているが、第二変動パターンについても同様の二種類の演出パターンテーブルが設けられている。
通常演出パターン決定テーブルが参照される場合は、遊技状態が非確率変動非時短の状態のはずれの場合、主基板41から指定された第一変動パターンが保留球数「0〜1」のはずれ変動である場合には、演出時間が12秒のはずれ変動が演出パターンとして決定される。指定された第一変動パターンが保留球数「2〜3」のはずれ変動である場合には、演出時間が8秒の短縮はずれ変動1が演出パターンとして決定される。指定された第一変動パターンが保留球数「4」のはずれ変動である場合、演出時間が3秒の短縮はずれ変動2が演出パターンとして決定される(図17(a)参照)。
これに対し、特定フラグがONの場合、演出パターン決定のために参照される演出パターンテーブルが特定演出パターン決定テーブルに切り替えられる。特定演出パターン決定テーブルが参照される場合は、主基板41から指定された第一変動パターンが保留球数「0〜1」のはずれ変動である場合、演出時間が12秒の特定変動1が演出パターンとして決定される。指定された第一変動パターンが保留球数「2〜3」のはずれ変動である場合、演出時間が8秒の特定変動2が演出パターンとして決定される。指定された第一変動パターンが保留球数「4」のはずれ変動である場合、演出時間が3秒の特定変動3が演出パターンとして決定される(図17(b)参照)。
ここで、前述した特定カウンタは、実行される特定演出の内容を決定するためにも使用される。特定変動1、特定変動2および特定変動3には、特定カウンタの値に応じた3種類の演出パターンがそれぞれ設けられている。特定演出が連続して実行される回数は、ターゲット保留よりも先に記憶された保留乱数の個数によって定められ、その個数は遊技の状況によって様々である。従って、保留乱数の個数に応じた演出パターンを複数設け、多様な特定演出を円滑に実行できるようにしている。特定カウンタの値が「3」の報知演出においては、特定変動1、特定変動2および特定変動3のそれぞれの演出時間に応じて、特定導入用動画82において蒔かれた種が萌芽する様子についての演出である「萌芽」の演出パターンが決定される(図16(b)参照)。特定カウンタの値が「2」の報知演出においては、特定変動1、特定変動2および特定変動3のそれぞれの演出時間に応じて、萌芽した芽が成長してつぼみを付ける様子についての演出である「つぼみ」の演出パターンが決定される(図16(b)参照)。特定カウンタの値が「1」の報知演出においては、特定変動1、特定変動2および特定変動3のそれぞれの演出時間に応じて、つぼみが開花する様子についての演出である「開花」の演出パターンが決定される(図16(b)参照)。これらの「萌芽」、「つぼみ」および「開花」の演出パターンは、特定導入用動画82において蒔かれた種が成長していく様子を表現する演出内容であり、特定導入用動画82の内容を発展的に変化させた態様である。
図16(b)に示すように、「萌芽」、「つぼみ」および「開花」の演出パターンのそれぞれについて、二種類の演出パターンデータが設けられている。「萌芽」演出には芽の数が1個の萌芽演出データ83と、芽の数が3個の萌芽演出データ93とが設けられている。「つぼみ」演出および「開花」演出についても同様に、つぼみ演出データ84とつぼみ演出データ94、開花演出データ85と開花演出データ95が、それぞれ設けられている。それぞれの二種類の演出パターンデータは、演出制御基板43のCGROM432に記憶されており、ターゲット保留についての先読み変動パターン情報が示す期待度に応じて二種類のうちのいずれかが選択される。本実施形態では、ターゲット保留についての先読み変動パターン情報が、高期待度に分類される変動パターンのうち「SPリーチ演出A」または「SPリーチ演出B」を示す場合、80%の確率で図16(b)上段の萌芽演出データ83、つぼみ演出データ84、開花演出データ85が選択される。また、20%の確率で図16(b)下段の萌芽演出データ93、つぼみ演出データ94、開花演出データ95が選択される。一方、ターゲット保留についての先読み変動パターン情報が、高期待度に分類される変動パターンのうち「SPリーチ演出C」を示す場合、20%の確率で図16(b)上段の萌芽演出データ83、つぼみ演出データ84、開花演出データ85が選択される。また、80%の確率で図16(b)下段の萌芽演出データ93、つぼみ演出データ94、開花演出データ95が選択される。このようにすることで、高期待度に分類される複数変動パターンのそれぞれの期待度に応じて、実行される特定演出の態様をさらに変化させることができる。従って、特定演出に対する遊技者の興趣をさらに高めることができる。
所定回数の特定演出が終了すると、次いで実行されるターゲット保留についての報知演出が実行される。ターゲット保留についての報知演出では、特定終了用動画86が表示画面28に表示される。特定終了用動画86は、図16(b)に示すように、開花した花がさらに増加していく様子を表現する。この特定終了用動画86は、「萌芽」、「つぼみ」および「開花」といった特定演出の演出パターンの内容を発展的に変化させた態様である。
本実施形態では、ターゲット保留についての報知演出がリーチ状態に至るよりも前に、特定終了用動画86の動画表示が実行される。これは、ターゲット保留についての報知演出の序盤において特定終了用動画86を表示させることによって、特定演出実行の契機となったターゲット保留についての報知演出が実行されることを遊技者に示すためである。また、ターゲット保留についての報知演出は、高期待度の変動パターンに基づいて演出パターンが決定されるため、他の期待度に分類される演出パターンよりも期待度の高い演出が実行される。報知演出において、遊技者の期待感を特に煽るための演出は、主に演出図柄81がリーチ状態に至った後に実行される。このため、ターゲット保留についての報知演出では、リーチ状態に至るよりも前に特定終了用動画86を表示することとし、リーチ状態に至った以降の期待度の高い演出表示が特定終了用動画86によって妨げられることを防いでいる。(図16(c)参照)。
図16および図17を参照して、遊技状態が非確率変動非時短状態における特定演出の詳細について説明したが、時短状態が生起されている場合における特定演出についても同様の特定演出を実行することができる。本実施形態では、時短状態の場合にのみ、第二変動パターン決定乱数から先読みされた先読み変動パターン情報がサブ制御基板58に送信される。このため、時短状態が生起されている場合には、第二変動パターン決定乱数から先読みされた先読み変動パターン情報に基づいて、特定演出を制御すればよい。いずれの先読み変動パターン情報に基づいて特定演出が実行される場合であっても、報知演出の実行中に所定のタイミングでターゲット保留が記憶された場合にのみ、特定演出が実行される。このため、特定演出を実行させるためには、遊技者は報知演出の実行中に遊技球の発射を継続して、ターゲット保留を記憶させる必要がある。従って、本実施形態の特定演出を実行することによって、先読み演出としての特定演出の興趣を高めるとともに、遊技機の稼働を向上させることもできる。
以上説明したように、パチンコ機1は、報知演出の実行中に新たに記憶された保留乱数であるターゲット保留に基づく先読み変動パターン情報が高期待度を示す場合、実行されている中期待度の報知演出とともに、特定導入用動画82を表示画面28に表示させることができる。また、特定導入用動画82が表示される報知演出が終了した後に、ターゲット保留よりも前に記憶された保留乱数に係る報知演出に替えて、特定演出が実行されるように変更することができる。さらに、特定演出が終了した後に、ターゲット保留に係る報知演出とともに、特定終了用動画86が表示される報知演出が実行されるように変更することができる。一連の演出では、特定導入用動画82で蒔かれた種が特定演出において成長して開花し、特定終了用動画86では、開花した花がさらに増加していく様子が表現され、態様が発展的に順次変化する演出が実行される。これによって、ターゲット保留に基づく高期待度の報知演出よりも期待度の低い中期待度および低期待度の報知演出が実行される間の遊技者の興趣を高期待度の報知演出に向けて高めることができる。従って、パチンコ機1は、先読み演出中の遊技者の大当たりへの期待感を高め、遊技機の稼働を向上させることができる。
パチンコ機1は、報知演出の実行中にターゲット保留を記憶した場合、実行中の報知演出の経過時間と特定導入用動画82の特定開始ポイントまでの所要時間とを特定演出導入処理(図15参照)において比較することによって、実行中の報知演出の態様を特定導入用動画82が表示される態様へ変更可能であるか否かを判断することができる。これによって、実行中の報知演出の態様を円滑に変更することができる。
この場合、ターゲット保留の示す期待度に応じて、実行される特定演出の態様を変化させることができる。従って、ターゲット保留に基づく報知演出が実行されるまでの間の遊技者の興趣を高めることができる。
パチンコ機1は、特定終了用動画86の表示によって、高期待度の報知演出のリーチ演出内容が妨げられることを防ぐことができる。従って、特定導入用動画82が実行される報知演出から特定演出が実行された結果として実行される高期待度の報知演出を、効果的に実行することができる。
本実施形態において、第一始動口14および第二始動口15が、本発明の「始動口」に相当する。図8のS25およびS35において乱数を取得する主基板41のCPU51が、本発明の「乱数取得手段」として機能する。図8のS25およびS35において取得された乱数記憶する主基板41のRAM52が、本発明の「乱数記憶手段」に相当する。図10のS56およびS64において大当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「大当たり判定手段」として機能する。図13に示す報知演出制御処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、「報知演出実行手段」として機能する。図5に示す第一特別図柄変動パターン決定テーブルを記憶する主基板41のROM53が、本発明の「報知演出記憶手段」として機能する。図10のS58、S60、S66およびS68において変動パターンを決定する主基板41のCPU51が、本発明の「報知演出決定手段」として機能する。図11に示す乱数先読み処理において先読み大当たり情報および先読み変動パターン情報を取得する主基板41のCPU51が、本発明の「情報取得手段」として機能する。
図14のS143において報知演出実行中に新たに記憶された先読み変動パターン情報が高期待度を示す情報であるか否かを判断するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「第一情報判断手段」として機能する。図14のS144およびS145において現在実行中の報知演出の演出パターンが中期待度を示すか否かを判断するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「報知演出判断手段」として機能する。図14のS146およびS147においてRAM582に記憶されている保留球数カウンタの値が「2」以上であるか否かを判断するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「第二保留判断手段」として機能する。図14のS148およびS149において報知演出実行中に新たに記憶された保留乱数よりも先に記憶されている保留乱数についての先読み変動パターン情報が低期待度を示すか否かを判断するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「第二情報判断手段」として機能する。図15のS161からS168の処理において、特定に示す特定導入用動画82による演出の実行の可否を判断するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「変更可否判断手段」として機能する。図15のS166において特定開始ポイントから特定導入用動画82を表示させる制御を行うサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「第一実行手段」として機能する。図13のS124からS126において特定演出を決定するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「第二実行手段」として機能する。図13のS129において特定終了用動画86を表示させる設定をするサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「第三実行手段」として機能する。特定演出の演出パターンデータを記憶する演出制御基板43のCGROM432が、本発明の「第二特定演出記憶手段」として機能する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。上記実施形態では、第一変動パターン決定乱数から先読みされた先読み変動パターン情報は、遊技状態が非時短状態の場合にのみサブ制御基板58に送信される。また、第二変動パターン決定乱数から先読みされた先読み変動パターン情報は、遊技状態が時短状態の場合にのみサブ制御基板58に送信される。しかし、時短状態が生起されているか否かに関わらず、いずれの先読み変動パターン情報もサブ制御基板58に送信して、特定演出を行ってもよい。また、上記実施形態では大当たり判定において、第二大当り判定が第一大当たり判定よりも優先して行われるが、例えば遊技球の入賞順に第一大当たり判定および第二大当たり判定を行ってもよい。上記実施形態では、第一特別図柄作動保留球数および第二特別図柄作動保留球数の最大数はともに「4」である。このため、記憶できる先読み情報の最大数は、これらの合計数である「8」となる。この8個全ての特別図柄作動保留球を判断対象として、特定演出を連続して実行できるか否かを判断してもよい。この場合、特定演出をより連続して実行することができる。
上記実施形態では、低期待度に分類される変動パターンを「非リーチ」のみとしているが、分類の手法はこれに限られない。例えば上記実施形態の「疑似2回」の変動パターンを低期待度に分類してもよい。また、「非リーチ」の変動パターンのうち一部のみを低期待度に分類してもよい。特定演出を実行させる頻度等に応じて、様々な低期待度への分類手法を採用することができる。
上記実施形態では、中期待度に分類される変動パターンのうち、「疑似2回」は特定開始ポイントを備えないこととしている。しかし、中期待度に分類される変動パターンの全てに特定開始ポイントが備えられることとしてもよい。この場合、S161(図15参照)の判断処理を省略することができ、サブ制御基板処理における処理負担を軽減することができる。
上記実施形態では、三段階に分類された変動パターンの属する期待度を、大当たり判定による判定の結果が大当たりであることの期待度として参照し、特定演出の実行の可否を判断している。しかし、大当たり判定の判定結果および先読み大当たり情報に基づいて、またこれらと変動パターンの分類とを組み合わせて期待度を分類・判断してもよい。これ以外に、特別図柄決定乱数から特別図柄についての先読み情報を取得して、期待度の分類・判断の対象としてもよい。また、期待度の分類は三段階に限られず、四段階以上に分類してもよい。
上記実施形態では、主基板41から指定された変動パターンに対応する報知演出を決定する際に、特定フラグの状態に応じてサブ制御基板処理において参照される演出パターンテーブルを切り替えて、特定演出の内容を決定している。しかし、特定演出の内容の決定方法は、サブ制御基板処理において参照される演出パターンテーブルの切り替えによるものに限られない。例えば、特定演出に特有の動画等を準備しておいて、低期待度の演出パターンによる報知演出とともに、準備した動画を表示させることによって特定演出を決定して制御してもよい。
上記実施形態では、特定演出の実行を設定するためのすべての条件が揃った場合においてのみ、特定導入用動画82、特定演出、および特定終了用動画86による一連の演出が実行される。しかし、所定の条件がすべて揃わない場合にも、一連の演出の全部または一部を実行する所謂ガセ演出を実行してもよい。例えば、ターゲット保留についての先読み変動パターン情報が示す期待度が高期待度でない場合であっても、特定導入用動画82および特定演出による演出を実行し、特定終了用動画86については表示を行わないといった演出を実行してもよい。この場合、特定演出設定処理においてS143(図14参照)の判断を行わないこととした上で、報知演出制御手段のS128(図13参照)において決定された演出パターンが高期待度の場合にのみ、S129で特定終了用動画86の表示設定を行うこととすればよい。また、例えば、ターゲット保留についての先読み変動パターン情報が示す期待度が高期待度であり、且つ、先読み大当たり情報がはずれを示す場合には、特定演出の途中で一連の演出を中止することとしてもよい。この場合、報知演出制御処理においてS126(図13参照)の後にターゲット保留についての先読み大当たり情報がはずれを示すか否かを判断し、はずれを示す場合には、特定カウンタの値を0クリアして特定フラグがOFFとなるようにすればよい。
請求項、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、演出装置、図柄表示部、大入賞口、始動口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「演出装置」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項である。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施例に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。