JP2014171284A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力変換装置の開発スピードを向上する。
【解決手段】電力変換装置は、絶縁外装被覆で覆われて絶縁外装被覆から一対の端子が突設されたフィルムコンデンサと、フィルムコンデンサが固定される台座を備えている。台座は、底面とは反対側の面から底面に向かって凹んでいる凹部であってフィルムコンデンサを配置する台座側コンデンサ収容凹部と、台座側コンデンサ収容凹部の底部から底面まで貫通する一対の端子用貫通孔とを有し、フィルムコンデンサは、台座側コンデンサ収容凹部と一部が当接した状態で第1凹部との間の空間に充填された絶縁封止材により台座に固定され、一対の端子は、一対の端子用貫通孔を介し底面から台座の外部に突出して導体板の回路に電気的に接続されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、フィルムコンデンサ及びそれを用いたインバータ装置等の電力変換装置に関する。
インバータ装置を代表とする電力変換装置が、各種家電製品をはじめ、産業機器、電力機器、ハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(EV)等の自動車機器等にも応用展開されている。HEV、EVに使用されるインバータ装置は、低燃費化、低電費化と小スペース化実現のため、装置の高電圧化と小型高密度化が求められている。これらインバータ装置は、IGBT等のパワー半導体素子を内蔵したパワー半導体モジュール、バスバー、コイル等の他、直流電力を平滑化させるためのコンデンサ等の部品から成り立っている。特にHEV、EV用インバータ装置のコンデンサとしては、使用される電圧が数百ボルトと高いため、高耐圧なフィルムコンデンサが主として使用されるケースが多い。
フィルムコンデンサは、金属が蒸着された有機誘電体フィルムを2枚重ねて巻回した巻回体と、巻回体の両端面に形成した集電電極(メタリコン電極)とを有するフィルムコンデンサ素子、および、両端の集電電極にそれぞれ接続された一対の端子を備えている。HEV、EV用インバータ装置では、上記のように端子が接続されたフィルムコンデンサ素子を樹脂ケース内に収納し、樹脂ケースとフィルムコンデンサ素子との空間を絶縁封止樹脂(ポッティング樹脂)で封止し、コンデンサモジュールとして製作される(特許文献1参照)。
特開2012−161242号公報
車種や出力容量等によって種々のインバータ装置を用意する必要がある。また、フィルムコンデンサ素子を収納する樹脂ケースをインバータの機種毎に専用に設計して、機種毎専用のコンデンサモジュールを製造する必要があった。そのため、インバータ装置の開発スピードが向上し難くなるとともに、コスト増となるおそれがあった。
請求項1に記載の電力変換装置は、直流電力を交流電力とを相互に変換するパワー半導体モジュールと、絶縁外装被覆で覆われて絶縁外装被覆から一対の端子が突設された直流電力を平滑化するフィルムコンデンサと、パワー半導体モジュールとフィルムコンデンサとを電気的に接続する回路が形成された板状の導体板と、フィルムコンデンサが固定される台座と、パワー半導体モジュールを収容するパワー半導体収容部と、台座に固定されたフィルムコンデンサを収容する筐体側コンデンサ収容部を有し、パワー半導体モジュールを固定するとともに、導体板の板面と台座の底面とを向かい合わせた状態で導体板と台座とを固定する筐体とを備え、台座は、底面とは反対側の面から底面に向かって凹んでいる凹部であってフィルムコンデンサを配置する台座側コンデンサ収容凹部と、台座側コンデンサ収容凹部の底部から底面まで貫通する一対の端子用貫通孔とを有し、フィルムコンデンサは、台座側コンデンサ収容凹部と一部が当接した状態で第1凹部との間の空間に充填された絶縁封止材により台座に固定され、一対の端子は、一対の端子用貫通孔を介し底面から台座の外部に突出して導体板の回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、電力変換装置の開発スピードを向上できる。
第1の実施の形態の電力変換装置(インバータ装置)の外観を示す斜視図である。 インバータ装置の分解図である。 フィルムコンデンサの外観斜視図である。 導体板、台座、フィルムコンデンサ、およびパワー半導体モジュールの筐体への取り付け状態を模式的に示す断面図である。 台座の上面側から見た台座の斜視図である。 台座の底面側から見た台座の斜視図である。 第2の実施の形態の導体板、台座、フィルムコンデンサ、およびパワー半導体モジュールの筐体への取り付け状態を模式的に示す断面図である。 台座の上面側から見た第2の実施の形態の台座の斜視図である。 台座の底面側から見た第2の実施の形態の台座の斜視図である。 第3の実施の形態の導体板、台座、フィルムコンデンサ、およびパワー半導体モジュールの筐体への取り付け状態を模式的に示す断面図である。 台座の上面側から見た第3の実施の形態の台座の斜視図である。 台座の底面側から見た第3の実施の形態の台座の斜視図である。 比較例1についての電力変換装置の主回路部分の断面構造を示す図である。 比較例2についての電力変換装置の主回路部分の断面構造を示す図である。 振動解析の結果を示す図である。 振動解析の結果を示す図である。 耐湿性試験の結果を示す図である。
−−−第1の実施の形態−−−
図1〜6を参照して、本発明による電力変換装置の第1の実施の形態を説明する。本実施の形態の電力変換装置は、ハイブリッド自動車(HEV)に限らず、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)あるいは電気自動車(EV)等の車両に搭載される電力変換装置にも適用でき、さらには、建設機械等の車両に用いられる電力変換装置にも適用できる。
図1は、本実施の形態の電力変換装置(インバータ装置)100の外観を示す斜視図であり、図2は、インバータ装置100の分解図である。インバータ装置100は、上蓋110と、交流バスバー120と、ゲート・制御基板130と、直流バスバー140と、基板ベース150と、導体板160とを備えている。また、インバータ装置100は、台座10と、複数個のフィルムコンデンサ1と、水路/ケース(筐体)20と、パワー半導体モジュール21と、下蓋170とを備えている。
インバータ装置100は、上蓋110と、水路/ケース20と、下蓋170とを有するインバータケース内に、インバータ装置100を構成する各部が収納されている。水路/ケース20は、後述するようにフィルムコンデンサ1やパワー半導体モジュール21を収容するケースである。以下の説明では、水路/ケース20を単に筐体20と呼ぶ。上蓋110は、筐体20の上蓋である。下蓋170は、筐体20の下蓋であり、パワー半導体モジュール21を冷却するための冷媒(たとえば水)が流れる水路を仕切る水路仕切板171が取り付けられ、筐体20内への冷媒の出入口172が設けられている。上蓋110、水路/ケース20、および下蓋170の材質は、たとえばアルミニウムである。
パワー半導体モジュール21は、パワー半導体素子により構成されるインバータ回路の上下アームの直列回路を内蔵したモジュールであり、交流電力のU相、V相、W相の3相に対応して備えられている。フィルムコンデンサ1は、直流電力を平滑化するためのコンデンサであり、台座10に固定された状態で、台座10とともに筐体20に固定される。フィルムコンデンサ1および筐体20については、後に詳述する。
導体板160は、不図示の正極導体板と負極導体板とをシート状の不図示の絶縁部材(絶縁紙や樹脂)を介して積層したラミネートバスバーである。なお、不図示の正極導体板および負極導体板は幅広の板状導体から成る。このように面積の大きな正極導体板および負極導体板を積層構造とすることにより、導体板160の抵抗値およびインダクタンスを低減できる。導体板160は、筐体20および筐体20に固定された台座10の上方に固定される。
基板ベース150は、筐体20および上蓋110との間に挟まれるアルミニウム製の板であり、ゲート・制御基板130で発生する熱を、筐体20を介して冷媒に逃がす役割を果たす。直流バスバー140は、導体板160と接続されたバスバーであり、外部の不図示の二次電池に接続される。交流バスバー120は、パワー半導体モジュール21の交流端子と接続されたバスバーであり、外部の不図示のモータジェネレータに接続される。ゲート・制御基板130は、インバータ装置100の制御回路やドライバ回路を内蔵する基板である。なお、制御回路は、不図示のモータジェネレータをモータとして運転するか発電機として運転するかを演算し、演算結果に基づいて制御パルスを発生し、その制御パルスをドライバ回路へ供給する。また、ドライバ回路は、供給された制御パルスに基づいて、インバータ回路を制御するための駆動パルスを発生する。
−−−本実施の形態で用いられるフィルムコンデンサ1について−−−
従来のHEV、EV用インバータ装置では、インバータの機種毎に用意された専用の樹脂ケースにあらかじめフィルムコンデンサ素子が収納されたコンデンサモジュールを用いていた。これに対して、本実施の形態で用いられるフィルムコンデンサ1は、図3に示すように、フィルムコンデンサ素子1aに一対の端子2,2が取り付けられて絶縁外装被覆3が被せられた、コンデンサの単体の部品である。なお、図3において、1bは、フィルムコンデンサ素子1aの集電電極(メタリコン電極)である。
フィルムコンデンサ素子1aは、金属が蒸着された有機誘電体フィルムを2枚重ねて巻回した断面が角丸長方形状(すなわち二つの等しい長さの平行線と二つの半円形からなるからなる形状)である巻回体と、巻回体の両端面に形成した集電電極(メタリコン電極)とを有する。このようにフィルムコンデンサ素子1aの断面が角丸長方形状であるので、絶縁外装被覆3が被せられたフィルムコンデンサ1も断面形状が角丸長方形状となる。説明の便宜上、以下の説明では、フィルムコンデンサ1の2つの電極2,2が設けられている面をフィルムコンデンサ1の端面と呼び、両端面の間で端子2と同じ方向に延在する平面部分をフィルムコンデンサ1の側面と呼ぶ。
図3に示したフィルムコンデンサ1の端子2,2は、導体板160に直接電気的に接続される。しかし、本実施の形態のインバータ装置100のように、HEVや、PHEV、EV等の車両に搭載される場合には、フィルムコンデンサ1に車両の振動が伝わる。そのため、フィルムコンデンサ1の端子2,2と導体板160との電気的および機械的な接続だけでは、フィルムコンデンサ素子1aと端子2との接続部(図3におけるA部)、あるいは図3では不図示の導体板160と端子2,2との接続部(図3におけるB部)が破断するおそれがある。
また、上述したようにフィルムコンデンサ素子1aは絶縁外装被覆3で覆われているが、端子2,2と絶縁外装被覆3の樹脂の境界面から水分が浸入して、フィルムコンデンサ素子1aの金属化フィルムの薄膜電極が酸化されて、結果として容量が低下するおそれがある。さらに、複数個のフィルムコンデンサ1を一つずつ個々に導体板160に位置決めして、電気的に接続する必要があるため、生産性を阻害するおそれがある。
そこで、本実施の形態では、フィルムコンデンサ1をあらかじめ台座10に固定することで、上述した懸念を払拭した。以下、具体的に説明する。
−−−台座10について−−−
図4は、導体板160、台座10、フィルムコンデンサ1、およびパワー半導体モジュール21の筐体20への取り付け状態を模式的に示す断面図である。図5は、台座10の上面10a側から見た台座10の斜視図であり、図6は、台座10の底面10b側から見た台座10の斜視図である。本実施の形態の台座10では、1つのフィルムコンデンサ1を収納する台座側コンデンサ収容凹部(収容凹部)11が6箇所に設けられている。
収容凹部11は、上面10aから底面10bに向かって凹んでいる凹部であり、一対の端子用貫通孔14,14と、突起部15と、絶縁封止材挿入口16とを有する。図6に示すように、台座10の底面10bには、底面凹部12が設けられている。また、台座10には、後述するように導体板160とともに筐体20に対してボルト止めによって固定するためのボルト孔10cが設けられている。
収容凹部11は、たとえば、円柱を縦に2等分した半円柱形状に凹んでいる凹部である。収容凹部11の形状について、円柱の表面に相当する曲面の曲率半径は、角丸長方形状の断面を有するフィルムコンデンサ1の半円部分の断面における曲率半径より大きい。収容凹部11のうち、円柱の両端面に相当する壁面と円柱の表面に相当する曲面との境界近傍には、一対の端子用貫通孔14,14が設けられている。
一対の貫通孔14,14は、フィルムコンデンサ1を収容凹部11に配設したときに一対の端子2,2が挿通される孔である。突起部15は、収容凹部11の底部から突出した突起物であり、収容凹部1箇所につき、たとえば円柱の長手方向に離間して2つ設けられている。絶縁封止材挿入口16は、たとえば、図5に示すように収容凹部11の円柱の端面に相当する壁面に設けられた溝状の部位である。
底面凹部12は、端子用貫通孔14の底面側の開口の周囲を取り囲むように設けられた凹部であり、すべての端子用貫通孔14について設けられている。
−−−フィルムコンデンサ1の台座10への固定−−−
このように構成された台座10に対して、フィルムコンデンサ1は次のように固定される。まず、台座10の収容凹部11に形成した端子用貫通孔14,14に、フィルムコンデンサ1の一対の端子2,2を挿入貫通させ、フィルムコンデンサ1を台座10の収容凹部11に配置する。フィルムコンデンサ1が収容凹部11に配置されると、一対の端子2,2は、それぞれ一対の端子用貫通孔14,14に挿通されて、底面10bから突出する。
また、フィルムコンデンサ1が収容凹部11に配置されると、フィルムコンデンサ1の一対の端子2の間の部位が突起物15と当接するため、フィルムコンデンサ1は、収容凹部11の曲面から(特に収容凹部11の底部から)、突起物15の高さで規定される分だけ離間して隙間が形成される。
次いで、台座10の底面10bに形成された底面凹部12に、樹脂粘度が約85,000mPa・sのエポキシ系絶縁封止樹脂(第2絶縁封止材18)を流し込み、樹脂を固化させる。底面凹部12は、上述したように、底面10bに設けられた凹部であって、後述するように底面10bと対向して配設される導体板160に向かって突出した端子2の周囲を取り囲んで形成されている。そのため、底面凹部12に流し込んだ第2絶縁封止18を固化させることで、台座10とフィルムコンデンサ1とを仮固定でき、端子用貫通孔14と端子2との隙間が埋まる。このように、端子用貫通孔14と端子2との隙間を第2絶縁封止18で埋めることで、後述する第1絶縁封止材が端子用貫通孔14と端子2との隙間から流出を防止する。
次いで、台座10の収容凹部11に形成した絶縁封止材挿入口16に、樹脂粘度がたとえば約800mPa・sのエポキシ系絶縁樹脂(第1絶縁封止材17)を流し込む。第1絶縁封止材17の粘度が十分に低いため、第1絶縁封止材17は、突起物15によって形成された収容凹部11の底部とフィルムコンデンサ1との隙間にも流れ込む。なお、第1絶縁封止材17は、角丸長方形状の断面を有するフィルムコンデンサ1の半円部分と直線部分との境界付近の高さまで充填される。
第1絶縁封止材17の充填後、フィルムコンデンサ1が配置された台座10を高温槽内に入れて、第1絶縁封止材17を硬化させ、台座10とフィルムコンデンサ1とを第1絶縁封止材17で固定する。
その後、フィルムコンデンサ1が固定された台座10と、パワー半導体モジュール21とを筺体20にそれぞれ配置する。なお、図2,4に示すように、筐体20には、フィルムコンデンサ1および台座10を収容するコンデンサ・台座収容部20Aと、パワー半導体モジュール21を収容するパワー半導体モジュール収容部20Bとが設けられている。なお、パワー半導体モジュール収容部20Bは、冷媒の出入口172から出入りする冷媒が通過するように構成されている。
フィルムコンデンサ1が固定された台座10はコンデンサ・台座収容部20Aへ、パワー半導体モジュール21はパワー半導体モジュール収容部20Bへそれぞれ配置される。なお、フィルムコンデンサ1が固定された台座10は、収容凹部11に固定されたフィルムコンデンサ1を筐体20側に向けて状態でコンデンサ・台座収容部20Aに配置される。
その後、導体板160を台座10の底面10bと向かい合わせとなるように配置し、導体板160および台座10をボルト24により筺体20に固定する。そして、導体板160とフィルムコンデンサ1の端子2、導体板160とパワー半導体モジュールの端子22とを、たとえば溶接にて電気的に接続する。これにより、インバータ装置100の主回路部分が完成する。
さらに、交流バスバー120および直流バスバー140と、基板ベース150と、ゲート・制御基板130とを取り付けて、電気的な接続を行い、上蓋110を被せて不図示のボルトで固定することで、インバータ装置100が完成する。
本実施の形態のインバータ装置100では、次の作用効果を奏する。
(1) フィルムコンデンサ素子1aに一対の端子2,2が取り付けられて絶縁外装被覆3が被せられただけの部品としてのフィルムコンデンサ1を、収納凹部11を有する台座10に第1絶縁封止材17によって固定した。そして、フィルムコンデンサ1が固定された台座10を導体板160とともにボルト24で筐体20に固定した。
これにより、車両の振動に起因する、端子2とフィルムコンデンサ素子1aや導体板160との接続部での破断のおそれがなくなり、端子2,2と絶縁外装被覆3との境界面から浸入した水分によるフィルムコンデンサ素子1aの金属化フィルムの薄膜電極酸化のおそれがなくなる。さらに、複数個のフィルムコンデンサ1の導体板160に対する位置決めが容易となり、生産性にも寄与する。したがって、フィルムコンデンサ素子1aに一対の端子2,2が取り付けられて絶縁外装被覆3が被せられただけの部品としてのフィルムコンデンサ1を導体板160に直接実装できるようになる。これにより、開発スピードの向上、コスト低減を図れる。
(2) 台座10の底面10bと導体板160とを向かい合わせに配置して、台座10から突出したフィルムコンデンサ1の端子2を導電板160に直接接続した。これにより、端子2を導体板160に直接接続でき、配線長を短縮してインダクタンスを低減できるので、損失が低下する。
(3) 収容凹部11の底部に突起物15を設けるように構成した。これにより、フィルムコンデンサ1が収容凹部11に配置されると、フィルムコンデンサ1が収容凹部11の底部から突起物15の高さで規定される分だけ離間して隙間が形成される。したがって、粘度が低い第1絶縁封止材17がフィルムコンデンサ1と収容凹部11の曲面との隙間に流れ込むので、絶縁外装被覆3が端子2との境界面で剥離等することを防止できる。これにより、端子2と絶縁外装被覆3との境界面から水分が浸入しないので、フィルムコンデンサ1の容量低下を防止でき、耐久性を向上できる。また、フィルムコンデンサ1と台座10との固定強度を十分確保でき、振動に対するインバータ装置100の耐久性を向上できる。
(4) 台座10の底面10bに形成された底面凹部12に、樹脂粘度が高い第2絶縁封止材18を流し込み、樹脂を固化させるように構成した。これにより、端子2と台座10との固定強度が向上する。したがって、端子2と導電板160との接続部分への不所望な応力が作用することを抑制でき、端子2と導電板160との接続部分の信頼性、耐久性を向上できる。また、端子用貫通孔14と端子2との隙間が第2絶縁封止18で埋まるので、第1絶縁封止材が端子用貫通孔14と端子2との隙間から流出を防止でき、フィルムコンデンサ1を台座10へ固定する工程での生産性を向上できる。
−−−第2の実施の形態−−−
図7〜9を参照して、本発明による電力変換装置の第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、主に、突起部15が設けられていない点で、第1の実施の形態と異なる。
図7は、本実施の形態における導体板160、台座10、フィルムコンデンサ1、およびパワー半導体モジュール21の筐体20への取り付け状態を模式的に示す断面図である。図8は、台座10の上面10a側から見た台座10の斜視図であり、図9は、台座10の底面10b側から見た台座10の斜視図である。本実施の形態の台座10では、突起部15が設けられていない。
そして、本実施の形態の台座10では、各端子用貫通孔14の収容凹部11の底部での開口近傍に、この開口の周囲を取り囲むように設けられた凹部である、コンデンサ端子基端側凹部(端子基端側凹部)13がそれぞれ設けられている。その他の点については、第1の実施の形態の台座10と本実施の形態の台座10とで変更点はない。
−−−フィルムコンデンサ1の台座10への固定−−−
このように構成された本実施の形態の台座10に対して、フィルムコンデンサ1は次のように固定される。まず、台座10の収容凹部11に形成した端子用貫通孔14,14に、フィルムコンデンサ1の一対の端子2,2を挿入貫通させ、フィルムコンデンサ1を台座10の収容凹部11に配置する。フィルムコンデンサ1が収容凹部11に配置されると、一対の端子2,2は、それぞれ一対の端子用貫通孔14,14に挿通されて、底面10bから突出する。
本実施の形態では突起物15が設けられていないので、フィルムコンデンサ1が収容凹部11に配置されると、フィルムコンデンサ1の一対の端子2の間の部位が収容凹部11の底部と当接する。しかし、収容凹部11を形成する曲面の曲率半径は、上述したように、角丸長方形状の断面を有するフィルムコンデンサ1の半円部分の断面における曲率半径より大きい。そのため、フィルムコンデンサ1が収容凹部11に配置されると、フィルムコンデンサ1は、(収容凹部11の最も深い底部近傍を除いて)収容凹部11の曲面から離間して隙間が形成される。
次いで、台座10の底面10bに形成された底面凹部12に、樹脂粘度が約85,000mPa・sである第2絶縁封止材18を流し込み、樹脂を固化させる。底面凹部12に第2絶縁封止材18を充填することによる作用効果は、第1の実施の形態と同じである。
次いで、台座10の収容凹部11に形成した絶縁封止材挿入口16に、樹脂粘度がたとえば約500mPa・sのエポキシ系絶縁樹脂(第1絶縁封止材17)を流し込む。第1絶縁封止材17の粘度が十分に低いため、第1絶縁封止材17は、収容凹部11とフィルムコンデンサ1との隙間、および、端子基端側凹部13にも流れ込む。なお、第1絶縁封止材17は、角丸長方形状の断面を有するフィルムコンデンサ1の半円部分と直線部分との境界付近の高さまで充填される。また、本実施の形態の第1絶縁封止材17の粘度(約500mPa・s)が第1の実施の形態の第1絶縁封止材17の粘度(約800mPa・s)よりも低いが、第1の実施の形態の第1絶縁封止材17の粘度(約800mPa・s)と同等であってもよい。
第1絶縁封止材17の充填後、第1の実施の形態と同様に、フィルムコンデンサ1が配置された台座10を高温槽内に入れて、第1絶縁封止材17を硬化させ、台座10とフィルムコンデンサ1とを第1絶縁封止材17で固定する。なお、この後に行われるフィルムコンデンサ1が固定された台座10と、パワー半導体モジュール21とを筺体20にそれぞれ配置する工程などは第1の実施の形態と同じである。
本実施の形態のインバータ装置100では、第1の実施の形態における作用効果に加えて、次の作用効果を奏する。
(1) 収容凹部11の底部での端子用貫通孔14の開口近傍に、端子基端側凹部13を設けるように構成した。これにより、突起部15を設けなくても、端子基端側凹部13に充填される第1絶縁封止材17が、絶縁外装被膜3から突出する端子2の基端部(フィルムコンデンサ1の端子2の根元部分)を覆う。したがって、車両の振動に起因する、端子2とフィルムコンデンサ素子1aとの接続部での破断のおそれがなくなり、端子2,2と絶縁外装被覆3との境界面から浸入した水分によるフィルムコンデンサ素子1aの金属化フィルムの薄膜電極酸化のおそれがなくなる。
(2) 突起部15が設けられていないため、収容凹部11へのフィルムコンデンサ1の挿入深さが突起部15の高さ分だけ第1の実施の形態よりも深くなる。そのため、第1の実施の形態と同様に、第1絶縁封止材17を、角丸長方形状の断面を有するフィルムコンデンサ1の半円部分と直線部分との境界付近の高さまで充填しても、充填に要する第1絶縁封止材17の量を減らすことができ、コストダウンに貢献する。
−−−第3の実施の形態−−−
図10〜12を参照して、本発明による電力変換装置の第3の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1および第2の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1および第2の実施の形態と同じである。本実施の形態では、主に、台座10の底面10bに底面凹部12が設けられていない点で、第1および第2の実施の形態と異なる。
図10は、本実施の形態における導体板160、台座10、フィルムコンデンサ1、およびパワー半導体モジュール21の筐体20への取り付け状態を模式的に示す断面図である。図11は、台座10の上面10a側から見た台座10の斜視図であり、図12は、台座10の底面10b側から見た台座10の斜視図である。本実施の形態の台座10では、上述したように、台座10の底面10bに底面凹部12が設けられていない(図12)。
−−−フィルムコンデンサ1の台座10への固定−−−
このように構成された台座10に対して、フィルムコンデンサ1は次のように固定される。まず、フィルムコンデンサ1を収容凹部11に配置するのに先だって、フィルムコンデンサ1の端子2と外装絶縁被覆3との境界部分、すなわち、絶縁外装被膜3から突出する端子2の基端部(フィルムコンデンサ1の端子2の根元部分)に、樹脂粘度がたとえば約150,000mPa・sのエポキシ系絶縁樹脂(第2絶縁封止材18)を塗布する。
その後、台座10の収容凹部11に形成した端子用貫通孔14,14に、フィルムコンデンサ1の一対の端子2,2を挿入貫通させ、フィルムコンデンサ1を台座10の収容凹部11に配置して、第2絶縁封止材18を固化させる。このように、絶縁外装被膜3から突出する端子2の基端部にあらかじめ第2絶縁封止材18を塗布して、フィルムコンデンサ1の配置後に、第2絶縁封止材18を固化させることで、第1の実施の形態における底面凹部12に、第2絶縁封止材18を流し込んで固化させた場合と同様の作用効果を奏する。
また、本実施の形態では、収容凹部11に突起部15が形成されている。したがって、フィルムコンデンサ1が収容凹部11に配置されると、フィルムコンデンサ1の一対の端子2の間の部位が突起物15と当接し、フィルムコンデンサ1は、収容凹部11の曲面から、突起物15の高さで規定される分だけ離間して隙間が形成される。
次いで、台座10の収容凹部11に形成した絶縁封止材挿入口16に、樹脂粘度がたとえば約800mPa・sのエポキシ系絶縁樹脂(第1絶縁封止材17)を流し込む。第1絶縁封止材17の粘度が十分に低いため、第1絶縁封止材17は、突起物15によって形成された収容凹部11の底部とフィルムコンデンサ1との隙間にも流れ込む。なお、第1絶縁封止材17は、角丸長方形状の断面を有するフィルムコンデンサ1の半円部分と直線部分との境界付近の高さまで充填される。
第1絶縁封止材17の充填後、第1の実施の形態と同様に、フィルムコンデンサ1が配置された台座10を高温槽内に入れて、第1絶縁封止材17を硬化させ、台座10とフィルムコンデンサ1とを第1絶縁封止材17で固定する。
この後に行われるフィルムコンデンサ1が固定された台座10と、パワー半導体モジュール21とを筺体20にそれぞれ配置する工程などは第1の実施の形態と同じである。
なお、本実施の形態では、フィルムコンデンサ1が固定された台座10を筺体20に配置するにあたり、あらかじめ筐体20のコンデンサ・台座収容部20Aに、たとえば第1絶縁封止材17のように樹脂粘度が低い熱硬化性の絶縁樹脂を流し込んでおいてもよい。そして、フィルムコンデンサ1が固定された台座10をコンデンサ・台座収容部20Aへ、パワー半導体モジュール21をパワー半導体モジュール収容部20Bへそれぞれ配置する。
この場合には、その後、導体板160を台座10の底面10bと向かい合わせとなるように配置し、導体板160および台座10をボルト24により筺体20に固定する。その後、これらを高温槽内に入れて、コンデンサ・台座収容部20Aに流し込んだ絶縁樹脂を硬化させて、筺体20とフィルムコンデンサ1とを絶縁樹脂で固定する。そして、導体板160とフィルムコンデンサ1の端子2、導体板160とパワー半導体モジュールの端子22とを、たとえば溶接にて電気的に接続する。
このように、コンデンサ・台座収容部20Aに流し込んだ絶縁樹脂を硬化させて、筺体20とフィルムコンデンサ1とを絶縁樹脂で固定するようにしてもよい。また、本実施の形態に限らず、第1および第2の実施の形態において、筺体20とフィルムコンデンサ1とを絶縁樹脂で固定するようにしてもよい。なお、筺体20とフィルムコンデンサ1とを絶縁樹脂で固定することは必須ではない。
本実施の形態のインバータ装置100では、第1および第2の実施の形態における作用効果に加えて、次の作用効果を奏する。
(1) フィルムコンデンサ1を収容凹部11に配置するのに先だって、フィルムコンデンサ1の端子2と外装絶縁被覆3との境界部分に、たとえば第2絶縁封止材18を塗布するようにした。これにより、絶縁外装被覆3が端子2との境界面で剥離等することを防止できる。これにより、端子2と絶縁外装被覆3との境界面から水分が浸入しないので、フィルムコンデンサ1の容量低下を防止でき、耐久性を向上できる。
(2) 台座10で固定されているフィルムコンデンサ1の端部とは反対側の端部を絶縁樹脂によってコンデンサ・台座収容部20Aと固定することにより、筐体20とフィルムコンデンサ1との固定強度をさらに向上できる。これにより、車両の振動に起因する、端子2とフィルムコンデンサ素子1aや導体板160との接続部での破断のおそれがさらになくなり、端子2,2と絶縁外装被覆3との境界面から浸入した水分によるフィルムコンデンサ素子1aの金属化フィルムの薄膜電極酸化のおそれがさらになくなる。したがって、インバータ装置100の耐久性をさらに向上できる。
−−−比較例1−−−
図13は、比較例1として用いたフィルムコンデンサ1を直接導体板160に接続した電力変換装置の主回路部分の断面構造を示す図である。比較例1では、第1〜第3の実施の形態における台座10は存在しない。
−−−フィルムコンデンサ1の固定−−−
比較例1の電力変換装置では、フィルムコンデンサ1を次のように固定する。まず、フィルムコンデンサ1の一対の端子2,2を導体板160の所定に位置に配置し、溶接にて一対の端子2,2を導体板160にそれぞれ接続する。フィルムコンデンサ1は導体板160に一対の端子2との接続部分だけで支えられている。
パワー半導体モジュール21はパワー半導体モジュール収容部20Bへ配置される。その後、フィルムコンデンサ1が取り付けられた導体板160を配置する。これによりフィルムコンデンサ1は、筐体20に設けられたコンデンサ収容部20Cに配置される。
その後、導体板160をボルト24により筺体20に固定する。そして、導体板160とパワー半導体モジュールの端子22とを、溶接にて電気的に接続する。これにより、比較例1の電力変換装置の主回路部分が完成する。
−−−比較例2−−−
図14は、比較例1として用いたフィルムコンデンサ1を直接導体板160に接続した電力変換装置の主回路部分の断面構造を示す図である。比較例2では、比較例1と同様に第1〜第3の実施の形態における台座10は存在しない。
−−−フィルムコンデンサ1の固定−−−
比較例2の電力変換装置では、フィルムコンデンサ1を次のように固定する。まず、比較例1と同様に、フィルムコンデンサ1の一対の端子2,2を導体板160の所定に位置に配置し、溶接にて一対の端子2,2を導体板160にそれぞれ接続する。
そして導体板160と一対の素子2,2との間にエポキシ系接着剤26を塗布し、絶縁外装被膜3から突出する端子2の基端部と導体板160とをエポキシ系接着剤26で接着固定する。フィルムコンデンサ1は導体板160に一対の端子2、2との接続部分とエポキシ系接着剤26とで支えられている。
パワー半導体モジュール21はパワー半導体モジュール収容部20Bへ配置される。その後、フィルムコンデンサ1が取り付けられた導体板160を配置する。これによりフィルムコンデンサ1は、筐体20に設けられたコンデンサ収容部20Cに配置される。
その後、導体板160をボルト24により筺体20に固定する。そして、導体板160とパワー半導体モジュールの端子22とを、溶接にて電気的に接続する。これにより、比較例2の電力変換装置の主回路部分が完成する。
−−−振動解析−−−
第1〜第3の実施の形態および比較例1,2の電力変換装置に対し、本願発明の効果を検証するために、発明者らは、振動時にフィルムコンデンサ素子1aと端子2との接続部(図3におけるA部)、および、導体板160と端子2,2との接続部(図3におけるB部)にかかる応力解析を実施した。
図15は、第1〜第3の実施の形態および比較例1,2の電力変換装置において、0〜2000Hzの周波数範囲の振動を与えた時のフィルムコンデンサ素子1aと端子2との接続部(図3におけるA部)に作用する最大応力の解析結果を示す図である。図15において、縦軸は、比較例1のフィルムコンデンサ1におけるX方向の応力を1(基準)とした場合の、応力の比を示している。なお、X方向とは、図13,14における紙面左右方向を指し、Y方向とは、図13,14における紙面奥行き方向を指し、Z方向とは、図13,14における紙面上下方向を指す。
比較例1では、フィルムコンデンサ1が一対の端子2と導体板160との溶接部分のみでしか支えられていないため、振動を与えると大きくフィルムコンデンサ1が揺さぶられ、フィルムコンデンサ素子1aと端子2との接合部に大きな応力が発生する。比較例2では、フィルムコンデンサ1が一対の端子2と導体板160との溶接部分、および、エポキシ系接着剤26によって導体板160に固定されているので、比較例1に対してY方向およびZ方向の応力が抑えられている。しかし、フィルムコンデンサ1が一対の端子2,2,および絶縁外装被覆3を介したフィルムコンデンサ素子1aの端子2の近傍でしか支えられていないためにX方向の応力は依然として高い値である。
第1および第2の実施の形態のフィルムコンデンサ1は、一対の端子2と導体板160との溶接部分で導体板160に固定され、第1絶縁封止材17が充填された部分を介して台座10に固定されている。この場合、X,Y、Z全ての方向において振動が抑制され、フィルムコンデンサ素子1aと端子2との接合部にかかる応力を抑制できる。
図16は、同じく第1〜第3の実施の形態および比較例1、2において、0〜2000Hzの範囲で振動を与えた場合のフィルムコンデンサ1の端子2と導体板160との接合部に作用する最大応力の解析結果である。フィルムコンデンサ1の端子2と導体板160との接合部に作用する応力も、比較例1、2に対し第1〜第3の実施の形態ではフィルムコンデンサ1が台座10と絶縁封止材17で固定されているため振動が抑えられ、応力が低減できる。
−−−耐湿性試験−−−
第1〜第3の実施の形態および比較例1,2の電力変換装置に対し、本願発明の効果を検証するために、発明者らは、フィルムコンデンサ1の耐湿性試験を実施した。図17は、耐湿性評価結果を示す図であり、第1および第2の実施の形態、および、比較例1の電力変換装置を85℃/85%RHの高温高湿槽内に置き、所定時間毎にフィルムコンデンサ1の容量を測定した結果である。
図17では、横軸は85℃/85%RHの雰囲気に曝された時間、縦軸は試験前初期のコンデンサ容量を1とした場合の容量変化率を表わしている。縦軸の値が負の値である場合にはコンデンサ容量が初期に比べて低下している。
図17から分かるように、比較例1では、時間経過とともに容量が低下傾向にある。これはフィルムコンデンサ1の外装絶縁被覆3と端子2との境界面から水分が浸入し、フィルムコンデンサ素子1aの金属化フィルムの薄膜電極が酸化されたためと考えられる。
比較例1に対し、第1および第2の実施の形態では、フィルムコンデンサ1の外装絶縁被覆3と端子2との境界部分(絶縁外装被膜3から突出する端子2の基端部)が台座10および絶縁封止材26で覆われているので、吸湿が抑えられ、容量の低下が抑制できる。
−−−変形例−−−
(1) 上述した第3の実施の形態では、台座10の底面10bに底面凹部12が設けられていないが、本発明はこれに限定されず、第3の実施の形態において、台座10の底面10bに底面凹部12を設けてもよい。そして、第1および第2の実施の形態のように、底面凹部12に第2絶縁封止材18を流し込み、樹脂を固化させるようにしてもよい。
(2) 上述の説明では、各絶縁封止材について具体的な樹脂粘度を挙げて説明しているが、これらの樹脂粘度の数値は一例であり、本発明はこれに限定されない。また、エポキシ系絶縁樹脂に限らず、電気絶縁性を有する各種の樹脂を用いてもよい。
(3) 上述の説明では、台座10に固定されるフィルムコンデンサ1の数がそれぞれ6つであるが、本発明はこれに限定されない。台座10に固定されるフィルムコンデンサ1の数は、要求される容量に応じてたとえば1つであってもよく、2個以上の任意の複数個であってもよい。
(4) 上述の説明では、フィルムコンデンサ1の断面が角丸長方形状であるが、本発明はこれに限定されない。たとえば、円形断面を有する円柱形状のコンデンサを用いてもよい。
(5) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、直流電力を交流電力とを相互に変換するパワー半導体モジュールと、絶縁外装被覆で覆われて絶縁外装被覆から一対の端子が突設された直流電力を平滑化するフィルムコンデンサと、パワー半導体モジュールとフィルムコンデンサとを電気的に接続する回路が形成された板状の導体板と、フィルムコンデンサが固定される台座と、パワー半導体モジュールを収容するパワー半導体収容部と、台座に固定されたフィルムコンデンサを収容する筐体側コンデンサ収容部を有し、パワー半導体モジュールを固定するとともに、導体板の板面と台座の底面とを向かい合わせた状態で導体板と台座とを固定する筐体とを備え、台座は、底面とは反対側の面から底面に向かって凹んでいる凹部であってフィルムコンデンサを配置する台座側コンデンサ収容凹部と、台座側コンデンサ収容凹部の底部から底面まで貫通する一対の端子用貫通孔とを有し、フィルムコンデンサは、台座側コンデンサ収容凹部と一部が当接した状態で第1凹部との間の空間に充填された絶縁封止材により台座に固定され、一対の端子は、一対の端子用貫通孔を介し底面から台座の外部に突出して導体板の回路に電気的に接続されていることを特徴とする各種構造の電力変換装置を含むものである。
1 フィルムコンデンサ、1a フィルムコンデンサ素子、2 端子、3 絶縁外装被覆、10 台座、11 台座側コンデンサ収容凹部(収容凹部)、12 底面凹部、13 コンデンサ端子基端側凹部(端子基端側凹部)、14 端子用貫通孔、15 突起部、16 絶縁封止材挿入口、17 エポキシ系絶縁樹脂(第1絶縁封止材)、18 エポキシ系絶縁封止樹脂(第2絶縁封止材)、20 水路/ケース(筐体)、21 パワー半導体モジュール、100 電力変換装置(インバータ装置)、160 導体板

Claims (5)

  1. 直流電力を交流電力とを相互に変換するパワー半導体モジュールと、
    絶縁外装被覆で覆われて前記絶縁外装被覆から一対の端子が突設された直流電力を平滑化するフィルムコンデンサと、
    前記パワー半導体モジュールと前記フィルムコンデンサとを電気的に接続する回路が形成された板状の導体板と、
    前記フィルムコンデンサが固定される台座と、
    前記パワー半導体モジュールを収容するパワー半導体収容部と、前記台座に固定された前記フィルムコンデンサを収容する筐体側コンデンサ収容部を有し、前記パワー半導体モジュールを固定するとともに、前記導体板の板面と前記台座の底面とを向かい合わせた状態で前記導体板と前記台座とを固定する筐体とを備え、
    前記台座は、前記底面とは反対側の面から前記底面に向かって凹んでいる凹部であって前記フィルムコンデンサを配置する台座側コンデンサ収容凹部と、前記台座側コンデンサ収容凹部の底部から前記底面まで貫通する一対の端子用貫通孔とを有し、
    前記フィルムコンデンサは、前記台座側コンデンサ収容凹部と一部が当接した状態で前記第1凹部との間の空間に充填された絶縁封止材により前記台座に固定され、
    前記一対の端子は、前記一対の端子用貫通孔を介し前記底面から前記台座の外部に突出して前記導体板の回路に電気的に接続されていることを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1に記載の電力変換装置において、
    前記台座は、前記底面に設けられた凹部であって前記底面から前記導体板に向かって突出した前記端子の周囲を取り囲んで形成された底面凹部をさらに有し、
    前記底面凹部は、絶縁封止材が充填されていることを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電力変換装置において、
    前記台座は、前記台座側コンデンサ収容凹部の底部から突出する突起部をさらに有し、
    前記フィルムコンデンサは、前記突起部と当接して前記突起の突出距離だけ前記台座側コンデンサ収容凹部の底部から離間した状態で前記台座に固定されることを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の電力変換装置において、
    前記台座は、前記台座側コンデンサ収容凹部の底部から前記底面に向かって凹んでいる凹部であって前記前記端子の基端側の周囲を取り囲んで形成されたコンデンサ端子基端側凹部をさらに有し、
    前記コンデンサ端子基端側凹部は、絶縁封止材が充填されることを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電力変換装置において、
    前記台座は、前記底面とは反対側の面を前記筐体側コンデンサ収容部に向けた状態で前記筐体に固定され、
    前記フィルムコンデンサは、前記筐体側コンデンサ収容部の底面と絶縁樹脂によって固定されていることを特徴とする電力変換装置。
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