JP2014169392A - インクジェット記録用インク組成物、画像形成方法及び印画物 - Google Patents

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Abstract

【課題】形成された画像の耐ブロッキング性と、インク組成物の保存安定性とを適度な範囲に両立することができるインクジェット記録用インク組成物、該インク組成物を用いた画像形成方法、及び印画物を提供する。
【解決手段】(A)分子内にポリジメチルシロキサン構造を含み、主鎖末端と側鎖のそれぞれに、少なくとも一つの重合性基を有するポリウレタンと、(B)前記(A)ポリウレタンとは構造の異なる重合性化合物と、(C)重合開始剤と、を含むインクジェット記録用インク組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インク組成物、それを用いた画像形成方法、及び該画像形成方法により得られた印画物に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型、及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。例えば、インクジェット方式は、安価な装置で実施可能であり、且つ、必要とされる画像部のみにインクを射出して記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。更に、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
インクジェット方式によれば、普通紙のみならずプラスチックシート、金属板など非吸水性の記録媒体にも印字可能であるが、印字する際の高速化及び高画質化が重要な課題となっており、印字後の液滴の乾燥、硬化に要する時間が、印画物の生産性や印字画像の鮮鋭度に大きく影響する性質を有している。
インクジェット方式の一つとして、放射線の照射により、硬化可能なインクジェット記録用インクを用いた記録方式がある。この方法によれば、インク射出後直ちに又は一定の時間後に放射線照射し、インク液滴を硬化させることで、印字の生産性が向上し、鮮鋭な画像を形成することができる。
放射線の照射により硬化可能なインク組成物の一例として、特許文献1には、フッ素置換炭化水素基、シロキサン骨格、及び長鎖アルキル基から選択する部分構造とラジカル重合性基とを側鎖に有するポリマー、及び特定の増感色素を含むことにより、硬化性、吐出安定性、耐ブロッキング性を高めたインク組成物が開示されている。
また、特許文献2には、表面配向性の部分構造を有するポリマーと、重合性基を有するシリカ粒子とを含有するインク組成物が記載され、形成された画像の柔軟性に優れるとされ、該ポリマーには重合性基を有しうることが開示されている。
特開2010−18728号公報 特開2012−141582号公報
しかしながら、上記の各技術では、インク組成物に硬化膜の硬度を高めることは考慮されているが、高精細な画像形成の観点から吐出時において液滴の適度な広がりを維持しつつ、硬化性とのバランスを良好に維持して、インク画像の光沢や耐ブロッキング性を向上させることについては何ら検討されていない。また、高分子化合物に重合性基を導入するとインク組成物の硬化性は改善されるものの、インク組成物の保存安定性が低下する傾向があり、硬化性を維持しつつ、保存安定性を更に改良する技術が求められていた。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、形成された画像の耐ブロッキング性と、インク組成物の保存安定性とを適度な範囲に両立することができるインクジェット記録用インク組成物、該インク組成物を用いた画像形成方法、及び印画物を提供することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> (A)分子内にポリジメチルシロキサン構造を含み、主鎖末端と側鎖のそれぞれに、少なくとも一つの重合性基を有するポリウレタンと、(B)前記(A)ポリウレタンとは構造の異なる重合性化合物と、(C)重合開始剤と、を含むインクジェット記録用インク組成物である。
<2> (A)ポリウレタンが有するポリジメチルシロキサン構造が、ポリウレタンの主鎖構造に導入されている<1>に記載のインクジェット記録用インク組成物である。
<3> (A)ポリウレタンの重量平均分子量が10000以上100000以下である<1>又は<2>に記載のインクジェット記録用インク組成物である。
<4> (A)ポリウレタンが有する重合性基濃度が0.3mmol/g〜2.5mmol/gである<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物である。
<5> (A)ポリウレタンが側鎖に有する重合性基がメタクリロイル基である<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物である。
<6> (A)ポリウレタンが主鎖末端に有する重合性基がアクリロイル基及びアクリルアミド基から選ばれる1種以上である<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物である。
<7> (A)ポリウレタンが主鎖末端に有する重合性基と、側鎖に有する重合性基との含有比率が、モル比で1:10〜1:100である<1>〜<6>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物である。
<8> <1>〜<7>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物を記録媒体上にインクジェット法により付与する工程と、付与したインクジェット記録用インク組成物にエネルギーを付与して硬化させ、インク画像を形成する工程と、を含む画像形成方法である。
<9> <1>〜<7>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物を用いて形成されたか、あるいは、<8>に記載の画像形成方法により得られた印画物である。
なお、以下に、上記の本発明の<1>〜<7>のいずれか1項に係るインクジェット記録用インク組成物における好ましい態様を挙げる。
<a> さらに、重合禁止剤を含有するインクジェット記録用インク組成物。
<b> さらに、着色剤を含有するインクジェット記録用インク組成物。
<c> (B)前記(A)ポリウレタンとは構造の異なる重合性化合物が、単官能重合性化合物を含むインクジェット記録用インク組成物。
本発明によれば、形成された画像の耐ブロッキング性と、インク組成物の保存安定性とを適度な範囲に両立することができるインクジェット記録用インク組成物、該インク組成物を用いた画像形成方法、及び印画物を提供することができる。
〔インク組成物〕
本発明のインク組成物は、(A)分子内にポリジメチルシロキサン構造を含み、主鎖末端と側鎖のそれぞれに、少なくとも一つの重合性基を有するポリウレタンと、(B)前記(A)ポリウレタンとは構造の異なる重合性化合物と、(C)重合開始剤と、を含み、所望によりその他の成分を含んでもよいインクジェット記録用インク組成物である。
以下、本発明のインク組成物を構成する必須の成分について説明する。なお、本明細書において「アクリレート」、「メタクリレート」の双方、或いはいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方或いはいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
本明細書において「〜」を用いる場合、その前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を表す。
<(A)分子内にポリジメチルシロキサン構造を含み、主鎖末端と側鎖のそれぞれに、少なくとも一つの重合性基を有するポリウレタン>
本発明のインク組成物は、(A)分子内にポリジメチルシロキサン構造を含み、主鎖末端と側鎖のそれぞれに、少なくとも一つの重合性基を有するポリウレタン(以下、適宜「(A)ポリウレタン」と称する)を含有するものであるが、まず、(A)ポリウレタンが有するポリジメチルシロキサン構造、あるいは、(A)ポリウレタンの好ましい主鎖構造、側鎖構造などについて順次説明する。
(A)ポリウレタンは、好ましくは、下記一般式(I)で表される構造を有する。
上記一般式(I)中、Z及びZはそれぞれ独立に、水素原子又は少なくとも1つのラジカル重合性基を有する1価の置換基を表し、Z及びZのうち少なくとも一方は、ラジカル重合性基を有する1価の置換基である。
及びLはそれぞれ独立に2価の連結基を表す。Lはn+1価の連結基を表し、Lはm+1価の連結基を表し、n及びmはそれぞれ独立に1〜3の整数を表す。L及びLがそれぞれ複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。
PUは、ポリジメチルシロキサン構造を含むポリウレタンを表す。ポリウレタンとしては、下記一般式(II)及び一般式(III)で表される部分構造をそれぞれ1種以上含む、ポリウレタンが好ましい。
Wrはイソシアナート構造から得られる2価または3価の連結基を表し、Yqは多価アルコールから得られる2価または3価の連結基を表し、Wr及びYqの少なくとも1つは、3価の連結基を表す。
及びXは、それぞれ独立に、水素原子、又はラジカル重合性基を含む1価の置換基を表す。
及びLはそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表す。
即ち、(A)ポリウレタンは側鎖に重合性基を有することを要するために、Wr及びYqから選ばれる少なくとも1つの3価の連結基に連結するX及びXのうち少なくとも1つは、ラジカル重合性基を含む1価の置換基である。また、ラジカル重合性基を有しないジオール又はジイソシアネートに由来する繰り返し単位では、Wr及びYqから選ばれる連結基は2価の連結基を表し、該2価の連結基に結合するL又はLは単結合であり、かつ、L又はLとしての単結合に連結するX及びXは水素原子である。
本発明にかかる(A)ポリウレタンは、主鎖末端、即ち前記一般式(I)におけるZ及びZのうち少なくとも一方に重合性基を有し、且つ、側鎖、即ち一般式(II)又は一般式(III)におけるX及びXの少なくとも1つに重合性基を有する。
ここで、Z及びZと、X及びXに含まれる重合性基は同じであっても互いに異なるものであってもよいが、硬化性と保存安定性のバランスが良好であるという観点からは互いに異なる重合性基を有することが好ましい。
詳細には、Z及びZに含まれる重合性基としては、メタクリロイル基、アクリロイル基、アクリルアミド基、スチリル基などが好ましい。
また、X及びXに含まれる重合性基としては、ビニルエーテル、スチリル基、メタクリロイル基などが好ましく、なかでも、保存安定性と重合感度の観点から、メタクリロイル基が好ましい。
ここで、Z、Zにおける重合性基と、X、Xにおける重合性基との好ましい組み合わせを挙げれば、Z、Zにおける重合性基が、X、Xにおける重合性基よりも反応性の高い重合性基である組み合わせが好ましく、具体的な組み合わせとしては、Z、Zがアクリルアミド基である場合には、X、Xは、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルエーテル基などが好ましく、Z、Zがアクリロイル基である場合には、X、Xは、メタクリロイル基、ビニルエーテル基などが好ましい。
本発明に係る(A)ポリウレタンは、前記一般式(II)で表されるジイソシアネート由来の繰り返し単位及び一般式(III)で表されるジオール由来の繰り返し単位をそれぞれ1種のみ含んで構成されてもよく、これらを2種以上を含んで構成されてもよい。また、側鎖に重合性基を有する場合においても、互いに異なる重合性基を有する繰り返し単位を含んでいてもよい。
本発明に係る(A)ポリウレタンにおけるラジカル重合性基の含有量は、0.3mmol/g以上であることが好ましく、より好ましくは、0.5mmol/g〜6mmol/g、更に好ましくは、1mmol/g〜3mmol/gである。
(A)ポリウレタンに含まれるラジカル重合性基の含有量は、NMR測定により、測定することができる。
ラジカル重合性基を表面偏析ポリマーに導入する方法としては、ラジカル重合性基の二重結合を用いて直接ポリマー化する方法の他、ラジカル重合性二重結合に保護基を用いて反応を封止したモノマーを用い、このモノマーを共重合させ、保護基を取り除いてラジカル重合性基(二重結合)とする方法や、ラジカル重合性基を有する低分子化合物を表面偏析ポリマーに高分子反応で導入する方法が挙げられる。
(A)ポリウレタンにおけるポリジメチルシロキサン構造は、分子内において主鎖、及び、側鎖の少なくともいずれかに有していればよく、一般式(I)〜一般式(III)においては、Wr、Yq、L及びLから選ばれる少なくとも1つの連結基中に含まれていればよい。なかでも、形成された画像の光沢性に優れるという観点から、ポリウレタン主鎖、即ち、一般式(II)におけるWr、一般式(III)におけるYqの少なくともいずれかに有することが好ましい。
本発明におけるポリジメチルシロキサン構造としては、下記構造(IV)のジメチルシロキサン繰り返し単位を複数含む構造であれば直鎖、分岐、環状に特に制限はなく、例えば、一般式(V)で表されるような直鎖構造が挙げられる。下記式中p及びqは、それぞれ独立に、2〜50を表す。
上記構造をポリウレタンの主鎖に導入する場合には、水酸基やアミノ基などの活性水素をジメチルシロキサンの両末端に有する化合物の重付加反応を行う、などの方法をとればよい。
本発明に係る(A)ポリウレタンは、主鎖構造中にウレタン結合(−NHCOO−、又は−OCONH−)を含むため、側鎖にポリジメチルシロキサン構造を導入するには、片末端にジオール、又はジアミン構造を有する化合物を用いることで導入することができる。例として以下に示す如き化合物をジオール成分として用いることができる。なお、例示化合物中、xは5〜100の整数である。
前記化合物としては、市販の化合物を適宜選択して、そのまま側鎖にポリジメチルシロキサン構造を導入する反応に用いることができ、例えば、x−22−176DX、X−22−176F(いずれも、信越化学工業(株)社製)、FM−DA11、FM−DA21、FM−DA26(いずれも、JNC(株)社製)、などの片末端反応性シリコーンが挙げられる。
主鎖中へシリコーンを導入したポリウレタンは、以下に示す構造を有する如きポリジメチルシロキサン構造の両末端に水酸基、またはアミノ基などの活性水素を有する化合物を用いて重縮合反応を行うことで得られる。なお、例示化合物中、xは5〜100の整数である。
前記構造の化合物としては、市販の化合物を適宜選択して、そのまま、主鎖中へシリコーンを導入したポリウレタンの合成に用いることができ、例えば、x−22−160AS、KF−6001、KF−6002、KF−6003(いずれも、信越化学工業(株)社製)、FM−4411、FM−4421、FM−4425(いずれも、JNC(株)社製)、などの片末端反応性シリコーンが挙げられる。
ポリジメチルシロキサン構造の好ましい含有率は(A)ポリウレタン全重量中、1質量%〜20質量%、より好ましくは2質量%〜15質量%、最も好ましくは3質量%〜10質量%である。(A)ポリウレタン中のポリジメチルシロキサン構造の含有率は、例えば、NMRにより測定することができる。
本発明に係る(A)ポリウレタンの重量平均分子量は、5000〜200000が好ましく、10000〜100000がより好ましく、10000〜40000が最も好ましい。重量平均分子量を上記範囲とすることでインクの吐出安定性が良好となる。
なお、本明細書において(A)ポリウレタンの重量平均分子量は、後述する実施例に記載された条件にてGPC法により測定した値を用いている。
以下に、本発明のインク組成物に含有される(A)ポリウレタンの具体例(例示化合物A−1〜A−14)を、(A)ポリウレタンが有する繰り返し単位とその含有量(モル比)、及び重量平均分子量によって示すが、本発明の主旨を超えない限り、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。
本発明のインク組成物には、(A)ポリウレタンを1種のみ含有してもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)ポリウレタンの含有量は、インク組成物の固形分に対して0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.5質量%〜5質量%がより好ましく、1質量%〜4質量%が最も好ましい。
本発明の作用は明確ではないが、以下のように推定している。
本発明のインク組成物は、表面配向性を有し、比較的表面エネルギーが低い硬化膜を形成しうるポリジメチルシロキサン構造を有し、且つ、主鎖末端と側鎖の双方に重合性基を有する(A)ポリウレタンを含有することで、(A)ポリウレタンが画像の表面に配向して光沢と耐ブロッキング性に優れた画像を形成しうるものと考えられる、また、分子内にポリジメチルシロキサン構造とウレタン構造が含まれることで、インク中モノマー成分中にミクロな凝集構造ができウレタン中の重合性基が離間するため、保存安定性の低下が抑制されたものと考えている。ただし、上記のメカニズムは推察であり、本発明はこれに限定されない。
<(B)前記(A)ポリウレタンとは構造の異なる重合性化合物>
本発明のインク組成物には、前記(A)ポリウレタンに加えて、(A)成分とは構造の異なる、一般に硬化性組成物に用いられる公知の重合性化合物を含有する。すなわち、具体的には、分子内にポリシロキサン構造を含まず、かつ、有機化合物である重合性化合物を含有する。
このような重合性化合物を以下、適宜、(B)他の重合性化合物と称する。(B)他の重合性化合物は、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。
(B−1)ラジカル重合性化合物
(B)他の重合性化合物として用いられる(B−1)ラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であって、記述のジメチルポリシロキサン構造を含まない、有機化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品若しくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー、及びポリマーを用いることができる。
また、ラジカル重合性化合物としては、例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特開平9−134011号等の各公報に記載されている光重合性組成物に用いられる光硬化型の重合性化合物材料が知られており、これらも本発明のインク組成物に適用することができる。
更に、ラジカル重合性化合物として、ビニルエーテル化合物を用いることも好ましい。好適に用いられるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度の観点から、ジビニルエーテル化合物、トリビニルエーテル化合物が好ましく、特に、ジビニルエーテル化合物が好ましい。ビニルエーテル化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明のインク組成物全固形分中、(B)他の重合性化合物(好ましくは、(B−1)ラジカル重合性化合物)の含有量は、45質量%〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは50質量%〜80質量%であり、更に好ましくは、55質量%〜75質量%である。
例えば、本発明のインク組成物で形成された画像の柔軟性をより向上させるためには、(B)他の重合性化合物(好ましくは、ラジカル重合性化合物)中の単官能モノマー(単官能重合性化合物)の含有量を、60質量%〜100質量%とすることが好ましく、70質量%〜100質量%とすることがより好ましく、80質量%〜100質量%とすることが更に好ましい。
即ち、単官能モノマーの含有量を多くしてインク画像の柔軟性を向上させることで、本発明のインク組成物を用いて形成された画像は、加熱延伸加工に、より適した物性を有するに至る。
本発明のインク組成物は、表面偏析性を有し、比較的表面エネルギーが低い硬化膜を形成しうるポリジメチルシロキサン構造を有し、且つ、主鎖末端と側鎖の双方に重合性基を有する(A)ポリウレタンを含有することで、酸素による重合阻害を受け、硬化しにくい表面近傍が高感度で硬化されるとともに、Tgの低下に影響の大きいポリウレタンの主鎖末端が反応することで(A)ポリウレタンが固定化されるため、側鎖のみに重合性基を導入したポリウレタンを使用した場合に比べて、より耐ブロッキング性と光沢に優れた画像を形成しうる。さらに、(B)他の重合性化合物として、単官能重合性化合物を含有することで、(A)ポリウレタンに起因した表面の光沢と耐ブロッキング性に優れた硬化膜に対し、硬化膜の内層部では、前記(A)ポリウレタンの存在が比較的少ないものと考えられる。したがって、内層部においては、単官能モノマーの含有率が大きいことで柔軟性が維持され、画像表面における耐ブロッキング性、光沢と画像の柔軟性とが適度な範囲に調整されて、大きな応力に対しても画像部のひび割れを防止することができるものと考えられる。単官能モノマーを高濃度で含むことにより柔軟性がより向上された画像は、可撓性の記録媒体のたわみに追従してクラックなどが生じにくく、また、インク画像を形成した記録媒体に対して加熱延伸加工などを行っても画像の損傷が少ないという利点をも有するようになるものと考えられる。
前記単官能重合性化合物の好ましい例としては、フェノキシエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、テトラヒドロフルフリルアクリレート、サイクリックトリメチロールプロパンフォルマールアクリレート、イソボルニルアクリレート等をあげることができ、より好ましくはフェノキシエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、イソボルニルアクリレートを挙げることができる。
(B−2)開環重合反応部位とラジカル重合反応部位とを有する化合物
また、(B)他の重合性化合物として、開環重合反応部位とラジカル重合反応部位とを有する化合物を用いることもできる。このような化合物としては市販品として、ブレンマーG(日油(株)社製)、OXE−10(大阪有機化学工業(株)社製)、OXE−30(大阪有機化学工業(株)社製)、サイクロマーA400(ダイセル化学(株)社製)、4HBAGE(日本化成(株)社製)、GBLA(大阪有機化学工業(株)社製)、M−GMA(ダイセル化学(株)社製)、サイクロマーM100(ダイセルサイテック(株)社製)等が挙げられる。
開環重合性化合物であって、ラジカル重合性基を有する化合物としては、例えば下記に示すような化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されない。
本発明は、前記(A)ポリウレタン、前記(B)他の重合性化合物の合計含有量(TX)に対して、前記(A)ポリウレタンの含有量は、0.2質量%〜10質量%であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%であることがより好ましく、0.2質量%〜4質量%であることが更に好ましい。
また、前記合計含有量(TX)に対する前記(B)他の重合性化合物の含有量は、60質量%〜99.7質量%であることが好ましく、75質量%〜99.6質量%であることがより好ましく、87質量%〜99.5質量%であることが更に好ましい。
<(C)重合開始剤>
本発明のインク組成物は、(C)重合開始剤を含有する。(C)重合開始剤は、活性エネルギー線の照射により重合開始種を生成する化合物であり、公知の重合開始剤を適宜選択して使用することができる。
ここで活性エネルギー線とは、その照射によりインク組成物中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限はなく、α線、γ線、X線、紫外線、赤外線、可視光線、電子線などを包含する。これらのうち、硬化感度及び装置の入手容易性の観点からは、紫外線又は電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。したがって、本発明のインク組成物としては、活性エネルギー線として、紫外線を照射することにより硬化可能なものが好ましい。紫外線を発生させる光源としては、300nm〜400nmに発光波長を有するものが好ましく、公知の紫外線ランプである低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ショートアーク放電ランプ、紫外線発光ダイオード、半導体レーザー、蛍光灯などを使用することができ、開始剤に適した光量や波長により、高圧放電ランプに属する高圧水銀ランプやメタルハライドランプ、ショートアーク放電ランプに属するキセノンランプが好ましく用いられる。また、省エネルギーの観点から紫外線発光ダイオードも好ましく用いられる。
(C−1)ラジカル重合開始剤
前記(C)重合開始剤として、(C−1)ラジカル重合開始剤であることが好ましく、例えば、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィンオキシド化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び(m)アルキルアミン化合物等を挙げることができる。
これらのラジカル重合開始剤は、上記(a)〜(m)の化合物を単独もしくは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、及び、(e)チオ化合物が好ましい。これらの好ましい例としては、"RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY", J. P. FOUASSIER, J.F.RABEK(1993)、pp.77〜117記載のベンゾフェノン骨格又はチオキサントン骨格を有する化合物等が挙げられる。より好ましい例としては、特公昭47−6416号公報記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号公報記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号公報記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号公報記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号公報記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号公報記載のジアルコキシベンゾフェノン、特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報記載のベンゾインエーテル類、特公平1−34242号公報、米国特許第4,318,791号、ヨーロッパ特許0284561A1号記載のα−アミノベンゾフェノン類、特開平2−211452号公報記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号公報記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号公報記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号公報記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号公報記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報記載のクマリン類等を挙げることができる。
さらに、本発明において、重合開始剤としてアシルホスフィンオキサイド化合物を使用することが特に好ましく、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(Irgacure 819:BASFジャパン社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(Darocur TPO:BASFジャパン社製、Lucirin TPO:BASF社製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(Irgacure 907:BASFジャパン社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニ)−ブタノン−1(Irgacure 369:BASFジャパン社製)などが好ましい。
本発明における(C)重合開始剤の含有量は、本発明のインク組成物の全固形分に対して、1質量%〜50質量%の範囲が好ましく、2質量%〜40質量%の範囲がより好ましく、3質量%〜20質量%の範囲が更に好ましい。
〜その他の成分〜
本発明のインク組成物には、前記(A)〜(C)の成分に加え、本発明の効果を損なわない限りにおいて、物性向上などの目的で、他の成分を併用することができる。
以下、これら任意の成分について以下に説明する。
<(D)着色剤>
本発明のインク組成物は、(D)着色剤を添加することで、可視画像を形成することができる。ここで用いることのできる着色剤には、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の色材、(顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。例えば、耐候性に優れた画像を形成する場合には、顔料が好ましい。染料としては、水溶性染料及び油溶性染料のいずれも使用できるが、油溶性染料が好ましい。
(顔料)
本発明に好ましく使用される顔料について述べる。
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、又は顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、或いは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明において使用できる有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
赤或いはマゼンタ色を呈するものとして、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
青或いはシアン色を呈する顔料として、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
緑色を呈する顔料として、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)等の如きアゾ金属錯体顔料等が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
黒色を呈する顔料として、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCOPb(OH)、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、更に、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、Zeneca社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
インク組成物において、顔料などの諸成分の分散媒としては、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒で、低分子量成分である前記(B)他の重合性化合物を分散媒として用いてもよいが、無溶剤であることが好ましい。
顔料の平均粒径は、0.02μm〜0.4μmの範囲であることが好ましく、0.02μm〜0.1μmであることが更に好ましく、より好ましくは、0.02μm〜0.07μmの範囲である。顔料の平均粒径は、FPAR1000(大塚電子社製)にて、メチルエチルケトン(MEK)希釈して測定を行った値を用いている。
顔料粒子の平均粒径を上記好ましい範囲となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。
(染料)
本発明に用いる染料は、油溶性のものが好ましい。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解する色素の質量)が1g以下であるものを意味し、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下である。従って、所謂、水に不溶性の油溶性染料が好ましく用いられる。
本発明に用いる染料は、インク組成物に必要量溶解させるために上記記載の染料母核に対して油溶化基を導入することも好ましい。
油溶化基としては、長鎖、分岐アルキル基、長鎖、分岐アルコキシ基、長鎖、分岐アルキルチオ基、長鎖、分岐アルキルスルホニル基、長鎖、分岐アシルオキシ基、長鎖、分岐アルコキシカルボニル基、長鎖、分岐アシル基、長鎖、分岐アシルアミノ基長鎖、分岐アルキルスルホニルアミノ基、長鎖、分岐アルキルアミノスルホニル基及びこれら長鎖、分岐置換基を含むアリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールアミノカルボニル基、アリールアミノスルホニル基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。
また、カルボン酸、スルホン酸を有する水溶性染料に対して、長鎖、分岐アルコール、アミン、フェノール、アニリン誘導体を用いて油溶化基であるアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基、アリールアミノスルホニル基に変換することにより染料を得てもよい。
油溶性染料としては、融点が200℃以下のものが好ましく、融点が150℃以下であるものがより好ましく、融点が100℃以下であるものが更に好ましい。融点が低い油溶性染料を用いることにより、インク組成物中での色素の結晶析出が抑制され、インク組成物の保存安定性が良くなる。
また、退色、特にオゾンなどの酸化性物質に対する耐性や硬化特性を向上させるために、酸化電位が貴である(高い)ことが望ましい。このため、本発明で用いる油溶性染料として、酸化電位が1.0V(vsSCE)以上であるものが好ましく用いられる。酸化電位は高いほうが好ましく、酸化電位が1.1V(vs SCE)以上のものがより好ましく、1.15V(vs SCE)以上のものが特に好ましい。
イエロー色の染料としては、特開2004−250483号公報の記載の一般式(Y−I)で表される構造の化合物が好ましい。
特に好ましい染料は、特開2004−250483号公報の段落番号[0034]に記載されている一般式(Y−II)〜(Y−IV)で表される染料であり、具体例として特開2004−250483号公報の段落番号[0060]から[0071]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(Y−I)の油溶性染料はイエローのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
マゼンタ色の染料としては、特開2002−114930号公報に記載の一般式(3)、(4)で表される構造の化合物が好ましく、具体例としては、特開2002−114930号公報の段落[0054]〜[0073]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0084]から[0122]に記載されている一般式(M−1)〜(M−2)で表されるアゾ染料であり、具体例として特開2002−121414号公報の段落番号[0123]から[0132]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(3)、(4)、(M−1)〜(M−2)の油溶性染料はマゼンタのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどの如何なる色のインクに用いてもよい。
シアン色の染料としては、特開2001−181547号公報に記載の式(I)〜(IV)で表される染料、特開2002−121414号公報の段落番号[0063]から[0078]に記載されている一般式(IV−1)〜(IV−4)で表される染料が好ましいものとして挙げられ、具体例として特開2001−181547号公報の段落番号[0052]から[0066]、特開2002−121414号公報の段落番号[0079]から[0081]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0133]から[0196]に記載されている一般式(C−I)、(C−II)で表されるフタロシアニン染料であり、更に一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料が好ましい。この具体例としては、特開2002−121414号公報の段落番号[0198]から[0201]に記載の化合物が挙げられる。尚、前記式(I)〜(IV)、(IV−1)〜(IV−4)、(C−I)、(C−II)の油溶性染料はシアンのみでなく、ブラックインクやグリーンインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
着色剤を用いる場合には、インク組成物中、固形分換算で1質量%〜20質量%添加されることが好ましく、2質量%〜10質量%がより好ましい。
着色剤の含有量が上記範囲において、色濃度が十分に得られ、本発明のインク組成物が有する適切な硬化性が維持されるため好ましい。
<(E)重合禁止剤>
本発明のインク組成物には、重合禁止剤を含有することが好ましい。重合禁止剤を含むことで、インク組成物の熱重合に対する保存安定性がより向上する。
インクジェット記録用インク組成物は、インクジェット記録装置により、40℃〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して吐出することが好ましとされ、通常は上記温度範囲で吐出されることが多いが、加熱された場合の所望されない熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキキシピペリジン(TEMPOL)、アルミニウム−クペロン錯体(クペロンAl)等が挙げられる。
本発明のインク組成物に重合禁止剤を含有する場合の含有量は、インク組成物全量に対し、200ppm〜20,000ppmの範囲であることが好ましい。
<紫外線吸収剤>
本発明においては、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、本発明の効果を損なわない範囲で紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.5質量%〜15質量%程度である。
<増感剤>
本発明のインク組成物には、感光波長の長波長化の目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。増感剤としては、重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものであれば、何れでもよい。
<酸化防止剤>
インク組成物の安定性向上のため、本発明の効果を損なわない範囲で酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.1質量%〜8質量%程度である。
<褪色防止剤>
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.1質量%〜8質量%程度である。
<導電性塩類>
本発明のインク組成物には、射出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
<溶剤>
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1質量%〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1質量%〜3質量%の範囲である。
<水>
また、本発明のインク組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、極微量の水を含んでいてもよいが、実質的に水を含有しない、非水性インク組成物であることが好ましい。具体的には、インク組成物全量に対して、水の含有量は3質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以下、最も好ましくは1質量%以下である。
<高分子化合物>
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。更に、高分子結合材の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
<界面活性剤>
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに重合性基を有さない有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
本発明のインク組成物は、射出時の温度において、インク粘度が7〜30mPa・sであることが好ましく、更に好ましくは7〜20mPa・sであり、上記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが好ましい。なお、25〜30℃でのインク粘度は、35〜500mPa・s、好ましくは35〜200mPa・sである。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な記録媒体を用いた場合でも、記録媒体中へのインク浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、更にインク液滴着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。
本発明のインク組成物の表面張力は、好ましくは20mN/m〜30mN/m、更に好ましくは23mN/m〜28mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで30mN/m以下が好ましい。
このようにして本発明のインクジェット記録用インク組成物が調製される。
本発明のインク組成物は、インクジェットプリンターにより記録媒体上に射出し、その後、射出されたインク組成物に活性エネルギー線を照射して硬化して記録を行う。
〔画像形成方法〕
次に、本発明のインク組成物に好適な画像形成方法について、以下説明する。
本発明による画像形成方法は、記録媒体上に、上記した本発明のインク組成物をインクジェット法により付与するインク付与工程と、付与したインク組成物に、活性エネルギー線を照射してインク組成物を硬化する硬化工程とを含むことを特徴とする。
本発明による画像形成方法においては、上記インク組成物を40℃〜80℃に加熱して、インク組成物の粘度を7mPa・s〜30mPa・sの範囲に調整した後、射出することが好ましく、この方法を用いることにより高い射出安定性を実現することができる。また、インク組成物温度の制御幅は設定温度±5℃とすることが好ましく、より好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
本発明による画像形成方法に好適なインクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが好ましく、一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、或いは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
次に、活性エネルギー線の照射条件について述べる。基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間をおいて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。WO99/54415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明においては、これらの照射方法を用いることが可能である。
また本発明では、インク組成物を一定温度に加温するとともに、着弾から照射までの時間を0.01秒〜0.5秒とすることが望ましく、好ましくは0.01秒〜0.3秒、更に好ましくは0.01秒〜0.15秒後に放射線を照射することにある。このように着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾インクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができる為、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。
上記説明した画像形成方法と本発明のインク組成物とを併せて用いることにより、大きな相乗効果をもたらすことになる。特に、25℃におけるインク粘度が35MP・s〜500MP・sのインク組成物を用いると大きな効果を得ることが出来る。このような記録方法を取ることで、表面の濡れ性が異なる様々な記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。
なお、本発明のインク組成物は、打滴時のインク液滴の記録媒体上での拡がり性と露光時の硬化性のバランスに優れているため、仮硬化のためのピニング露光部材を備えた記録装置にも好適に使用される。即ち、ピニング露光における仮硬化の際にインク液適が適度な拡がりを達成するためにベタ画像や多色画像を形成する際の白ヌケが抑制され、且つ、硬化性の高さに起因して多色インクを順次打滴し、ピニング露光しても、隣接する色画像間の離間や混色が抑制される。
本発明による画像形成方法に用いることができるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、市販のインクジェット記録装置が使用できる。即ち、本発明においては、市販のインクジェット記録装置を用いて記録媒体へ記録することができる。
(記録媒体)
本発明のインク組成物を適用しうる記録媒体としては、特に制限はなく、通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料あるいは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、二軸延伸ポリスチレン(OPS)フィルム、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、二軸延伸ポリアミド(ONy)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等が挙げられる。その他、記録媒体材料として使用しうるプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS)、ポリアセタール、ポリビニルアルコール(PVA)、ゴム類、またそれらの複合記録媒体などが挙げられる。また、金属類や、ガラス類も記録媒体として使用可能である。
(印画物)
本発明の印画物は、前記記録媒体と、前記インク組成物により前記記録媒体上に形成された画像とを有するものである。すなわち、例えば、前記インク組成物をインクジェットプリンターにより記録媒体に付与し、その後、好ましくは、付与されたインク組成物に活性エネルギー線を照射又は加熱して硬化することで、印画物を得ることができる。
なお、前記本発明のインク組成物は、インクによる画像形成以外に用いてもよい。特に、本発明のインク組成物は、紫外線などのエネルギー線照射により硬化し、強度の高い硬化膜が得られるため、例えば、インク組成物を平版印刷版のインク受容層(画像部)の形成などに使用してもよい。
(加熱延伸)
本発明のインク組成物は加熱延伸性に優れる。加熱延伸性とは、熱により変形しうる記録媒体上に、インク組成物により画像形成した後、記録媒体を熱加工した場合に、インク画像が記録媒体の変形に追従するために必要な特性である。
なお、本発明において加熱延伸性に優れるとは、以下の条件を満たすことを言う。
インクジェット画像記録を、積算露光量:12,000mJ/cm、照度:2140mW/cmの条件で露光し、インク組成物の硬化膜を作製し、得られた硬化膜を軸長5cm×幅2.5cmにカットし、引っ張り試験機(島津製作所社製、オートグラフAGS−J)を用いて、170℃にて、速度20cm/minで延伸させ、硬化膜が破断する伸び率を測定した。初期長から2倍の長さまで伸びた状態を伸び率100%と定義した。
延伸率の許容範囲は、ロール状基材に対応するためには100%以上が必要であり、加熱による成型加工用途で使用する場合には200%以上であり、より好ましくは250%以上である。
本発明のインク組成物により形成された画像はいずれも、少なくとも上記評価による破断延び率が100%を超えるものである。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例における形態に限定されるものではない。
なお、特に断りのない限り、「部」、及び「%」は質量基準である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した。GPCは、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgeL SuperAWM−Hを(東ソー(株)製の商品名)を用いて3本直列に接続し、溶離液としてN−メチルピロリドンを用いた。また、条件としては、試料濃度を0.1質量%、流速を0.5ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、RI検出器を用いて行なった。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−80」、「F−10」、「F−2」、「A−2500」、「A−1000」の5サンプルから作製した。
(合成例1:(A)ポリウレタン樹脂A−1の合成)
コンデンサー及び撹拌機を備えた500mlの3つ口丸底フラスコに、テトラヒドロフラン160ml、サイラプレーンFM−DA11(商品名:JNC(株)社製、Mw=1000) 3.3g(1mmol)、ブレンマーGLM(商品名:日油(株)製) 14.85g(93mmol)、ジブチル錫ジラウリレート0.1gを投入した。これに、キシリレンジイソシアナート 3.46g(21mmol)を1時間かけ滴下し、その後60℃にて6時間加熱撹拌した。
JIS K 7301−1995記載のイソシアナート滴定方法により残存イソシアナートが2%となった段階で、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.17gを添加し、さらに2時間加熱撹拌を行った。再度イソシアナート滴定を行い、残存イソシアナートが検出限界以下であることを確認した。
反応溶液をn−ヘキサン3リットル中に撹拌しながら投入し、白色のポリマーを析出させた。このポリマーを濾別し、水で洗浄後、真空下、乾燥させることにより47gのポリマーを得た。合成された(A)ポリウレタンは、前記例示化合物(A−1)で表される構造を有する。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて分子量を測定したところ、重量平均分子量(ポリスチレン標準)で38000であった。
なお、(A)ポリウレタンの前記例示化合物(A−2)〜例示化合物(A−12)についても、出発物質であるイソシアナート成分とジオール成分を下記表1に記載のモノマーに変更した以外はほぼ同様にして合成した。
使用したモノマーの詳細は以下の通りである。
・サイラプレーンFM−DA11(商品名:JNC(株) 社製、片末端ジオールポリジメチルシロキサン)
・サイラプレーンFM−4411(商品名:JNC(株) 社製、両末端アルコールポリジメチルシロキサン)
・ブレンマーGLM(商品名:日油(株)製、部分構造としてメタクリロイル基を含むモノマー)
<顔料分散物の調製>
(1.顔料分散物1の調製)
まず、下記のような配合で顔料分散物1を作製した。
下記組成において、まず、アクリレートモノマーであるフェノキシエチルアクリレートに、顔料および顔料分散剤を投入し、ハイスピードミキサーで均一になるまで撹拌してミルベースを調製した。その後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散して、顔料分散物1(シアン:表中にはCと記載)を調製した。
(組成)
・IRGALITE BLUE GLVO
(シアン顔料、チバスペシャリティーケミカルズ(CSC)社製、
表面酸量:18.0、表面塩基量:34.0) 27部
・ソルスパーズ32000(ルーブリゾール社製 顔料分散剤) 9部
・フェノキシエチルアクリレート 64部
(2.顔料分散物2の調製)
下記組成で顔料分散物2(イエロー:表中にはYと記載)を調製した。分散物の製造方法は、前記顔料分散1と同様の方法を適用した。
(組成)
・Novoperm Yellow P−HG
(クラリアント社製 Benzimidazolone顔料) 35部
・ソルスパーズ32000(ルーブリソール社製 顔料分散剤) 7部
・フェノキシエチルアクリレート 58部
(3.顔料分散物3の調製)
下記組成で顔料分散物3(マゼンタ:表中にはMと記載)を調製した。分散物の製造方法は、前記顔料分散1と同様の方法を適用した。
(組成)
・CINQUASIA Magenta BRT−343−D
(チバ社製 キナクリドン顔料) 20部
・ソルスパーズ32000(ルーブリソール社製 顔料分散剤) 6部
・フェノキシエチルアクリレート 74部
(4.顔料分散物4の調製)
下記組成で顔料分散物4(ブラック:表中にはKと記載)を調製した。分散物の製造方法は、前記顔料分散1と同様の方法を適用した。
(組成)
・Special Black 350
(デグサ社製 カーボンブラック顔料) 30部
・ソルスパーズ32000(ルーブリソール社製 顔料分散剤) 6部
・フェノキシエチルアクリレート 64部
(5.顔料分散物5の調製)
下記組成で顔料分散物5(ホワイト:表中にはWと記載)を調製した。分散物の製造方法は、前記顔料分散1と同様の方法を適用した。
(組成)
・タイペークPF740(石原産業社製 シリカ処理1.0%、
アルミナ処理2.0%の白顔料) 40部
・アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製 顔料分散剤) 2部
・フェノキシエチルアクリレート 58部
〔実施例1〕
(インク組成物の調製)
下記成分を混合したものを2時間撹拌混合し、溶解残りがないことを確認し、メンブランフィルターでろ過を行い、粗大粒子を除去することにより実施例1のインク組成物を得た。なお、このインク組成物のインクの吐出温度(45℃)での粘度は、20mPa・sの範囲内であった。(ラジカル重合性化合物中の単官能モノマーの割合は100%)
・前記顔料分散物4〔(E)着色剤〕 10部
・n−ビニルカプロラクタム〔(B)他の重合性化合物〕 34部
・2−フェノキシエチルアクリレート〔(B)他の重合性化合物〕 18部
・イソボルニルアクリレート〔(B)他の重合性化合物〕 24部
・オクチルデシルアクリレート〔(B)他の重合性化合物〕 2部
・(A)ポリウレタン(A−1)(前記合成例1で得た化合物) 1部
・Lucirin TPO〔(C)重合開始剤〕 8.0部
・Irgacure 819〔(C)重合開始剤〕 2.0部
・BYK307〔界面活性剤〕 0.5部
・メトキシフェノール〔(D)重合禁止剤〕 0.5部
〔実施例2〜19〕
(実施例2〜19のインク組成物の調製)
実施例1のインク組成物の調製における各成分のうち、(A)特定重合性ポリマー、及び、顔料分散物を下記表2のように代えた以外は実施例1と同様にして、実施例2〜19のインク組成物を調製した。
〔実施例20〕
実施例20のインク組成物の調整
(ラジカル重合性化合物中の単官能モノマーの割合は87%)
・前記顔料分散物1〔(E)着色剤〕 10部
・n−ビニルカプロラクタム〔(B)他の重合性化合物〕 24部
・2−フェノキシエチルアクリレート〔(B)他の重合性化合物〕 18部
・イソボルニルアクリレート〔(B)他の重合性化合物〕 24部
・オクチルデシルアクリレート〔(B)他の重合性化合物〕 2部
・トリメチロールプロパントリアクリレート〔(B)他の重合性化合物〕 10部
・(A)ポリウレタン(A−1)(前記合成例1で得た化合物) 1部
・Lucirin TPO〔(C)重合開始剤〕 8.0部
・Irgacure 819〔(C)重合開始剤〕 2.0部
・BYK307〔界面活性剤〕 0.5部
・メトキシフェノール〔(D)重合禁止剤〕 0.5部
〔比較例1〕
(インク組成物の調製)
実施例1のインク組成物の調製における、(A)ポリウレタン(A−1)を用いなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1のインク組成物を調製した。
〔比較例2〜3〕
実施例1のインク組成物の調製における、(A)ポリウレタン(A−1)の代わりに、下記構造の比較ポリウレタン(B−1)又は比較ポリウレタン(B−2)をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2及び比較例3のインク組成物を調製した。
得られたインク組成物について、以下の評価を行った。結果を下記表2に併記する。
<画質評価:光沢性の評価>
Acuity LED 1600(搭載インクジェットヘッド:ピエゾ型インクジェットヘッドQ−class Sapphire QS−256/30(FUJIFILM DIMATIX社製、ノズル数256個、最小液滴量30pL、33kHz))を使用してインク液量30pL、吐出周波数15kHzにて、記録媒体〔特菱アート紙(坪量104g/m)、三菱製紙製〕上に、100%濃度ベタ画像の描画を行った。
得られた画像について、JIS Z8741に基づき、Sheen Instruments社製光沢度計を用い、測定角60°で光沢度の測定を行い、以下の基準にて評価した。下記評価において、Bランク以上は実用上許容できるレベルである。
A:光沢度20以上
B:光沢度10以上20未満
C:光沢度10未満
<画質評価:混色の評価>
光沢度評価において用いた記録媒体と記録装置とを用いて、上記同様の条件にて、高精細カラーデジタル標準画像データ(ISO/JIS−SCID JISX 9201準拠)カラーチャートS6を印刷した。得られたカラー画像を目視にて観察し、色境界における混色の有無を確認した。
A:混色の発生がない
B:混色の発生がある
<耐ブロッキング性の評価>
上記で得られた記録媒体上にベタ画像を形成した評価サンプルを3.5cm×4cmのサイズに裁断し、10cm×10cmのアクリル板(厚み7mm)の上に画像が形成された面上に、同じサイズに裁断した未印画の特菱アート紙(坪量104g/m)(三菱製紙(株)製)を10枚載せ、更に10cm×10cmのアクリル板(厚み7mm)を載せ、25℃、50%RHの環境条件下で12時間放置した。
放置後、最上部のアクリル板の上に1kgの分銅を載せて更に24時間放置した(加重700kg/mに相当)。
更に、25℃、50%RHの環境条件下で2時間保管した後、評価サンプル上の特菱アート紙を剥がした。このときの画像とアート紙との剥がれ易さ及び剥がした後のインク画像上へのアート紙の接着を目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。下記評価基準において、D評価が、実用上問題があるレベルである。
〜評価基準〜
A:剥がす際に引っかかりはなく、画像へのアート紙の接着は確認されなかった。
B:剥がす際に引っかかりはあったが、画像へのアート紙の接着は確認されなかった。
C:印画面において画像へのアート紙の接着が生じ、ルーペで観察すると、画像表面に紙の付着が確認できた。
D:印画面において画像へのアート紙の接着が生じ、画像表面における紙の付着が目視で確認できた。
<保存安定性の評価>
調製したインク組成物50mlを、遮光ボトルに入れ60℃、4週間の経時保管を行った後、E型粘度計(RE−85、東機産業社製)を用いて粘度測定を行い、経時前後での粘度上昇から保存安定性の評価を以下の基準で行った。
A:粘度上昇が1%未満
B:粘度上昇が1%以上5%未満
C:粘度上昇が5%以上
<吐出安定性の評価>
前述のようにして得られたインク組成物(ろ過後のもの)のヘッドノズルでの吐出安定性を以下のようにして評価した。
即ち、下記の条件でピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置により、60分の連続吐出におけるノズルロス個数を測定した。
−条件−
・チャンネル数:318/ヘッド
・駆動周波数:4.8kHz/dot
・インク滴:7滴、42pl
・温度:45℃
実験は、PET基板上にインク組成物を吐出した後、露光(露光量:1,000mW/cm)を行う方法を用い、その際のノズルロス数(ノズルが詰まってしまった数)を数えた。
−評価基準−
A:ノズルロス数が0以上5個未満
B:ノズルロス数が5個以上10個未満
C:ノズルロス数が10個以上
表2から明らかなように、本発明のインク組成物は、保存安定性に優れ、形成されたインク画像は、光沢と耐ブロッキング性に優れ、多色印刷をした場合でも隣接するインク画像同士の混色は抑制されていることがわかる。
他方、(A)ポリウレタンを含有しない比較例1、側鎖又は主鎖末端のいずれかのみに重合性基を有する比較ポリマーを用いた比較例2及び3は、画像の光沢や耐ブロッキング性が実施例に比べて劣ることがわかる。

Claims (9)

  1. (A)分子内にポリジメチルシロキサン構造を含み、主鎖末端と側鎖のそれぞれに、少なくとも一つの重合性基を有するポリウレタンと、
    (B)前記(A)ポリウレタンとは構造の異なる重合性化合物と、
    (C)重合開始剤と、を含むインクジェット記録用インク組成物。
  2. 前記(A)ポリウレタンが有するポリジメチルシロキサン構造が、ポリウレタンの主鎖構造に導入されている請求項1に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  3. 前記(A)ポリウレタンの重量平均分子量が10000以上100000以下である請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  4. 前記(A)ポリウレタンが有する重合性基濃度が0.3mmol/g〜2.5mmol/gである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  5. 前記(A)ポリウレタンが側鎖に有する重合性基がメタクリロイル基である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  6. 前記(A)ポリウレタンが主鎖末端に有する重合性基がアクリロイル基及びアクリルアミド基から選ばれる1種以上である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  7. 前記(A)ポリウレタンが主鎖末端に有する重合性基と、側鎖に有する重合性基との含有比率が、モル比で1:10〜1:100である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物を記録媒体上にインクジェット法により付与する工程と、
    付与したインクジェット記録用インク組成物にエネルギーを付与して硬化させ、インク画像を形成する工程と、
    を含む画像形成方法。
  9. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物を用いて形成されたか、あるいは、請求項8に記載の画像形成方法により得られた印画物。
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