JP2014168866A - 塗装建材 - Google Patents

塗装建材 Download PDF

Info

Publication number
JP2014168866A
JP2014168866A JP2013040904A JP2013040904A JP2014168866A JP 2014168866 A JP2014168866 A JP 2014168866A JP 2013040904 A JP2013040904 A JP 2013040904A JP 2013040904 A JP2013040904 A JP 2013040904A JP 2014168866 A JP2014168866 A JP 2014168866A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
receiving layer
building material
ink
printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013040904A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6116045B2 (ja
Inventor
Meiji Goto
明治 後藤
Seishi Okayama
誠史 岡山
Tomoyuki Nakai
智之 中井
Keiji Minamino
啓二 南野
Hideo Aikawa
英男 合川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KMEW Co Ltd
Original Assignee
KMEW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KMEW Co Ltd filed Critical KMEW Co Ltd
Priority to JP2013040904A priority Critical patent/JP6116045B2/ja
Publication of JP2014168866A publication Critical patent/JP2014168866A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6116045B2 publication Critical patent/JP6116045B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Finishing Walls (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

【課題】インクの発色性が低下しにくい塗装建材を提供する。
【解決手段】窯業系の基材1と、この基材1の表面に形成される受理層2と、この受理層2の表面にインクジェット印刷により形成される印刷層3と、この印刷層3の表面側にクリアー層4と無機塗料層5と機能性塗料層6とを有する塗装建材に関する。前記受理層2は、造膜後のガラス転移点が40〜80℃である。
【選択図】図1

Description

本発明は、外壁材やコーナー部材等の外装材などとして使用可能な塗装建材に関するものである。
従来より、基材の表面に柄模様を塗装により形成した塗装建材が提案されている。また、意匠性の高い柄模様を形成するために、インクジェット印刷により塗装することが行われている(例えば、特許文献1参照)。この場合、インクの定着性の向上のために、基材の印刷面に受理層を形成し、この受理層にインクジェット印刷を行うようにしている。
特開2010−234366号公報
しかし、受理層にインクが浸透しすぎると、インクの発色性が低下する場合があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、インクの発色性が低下しにくい塗装建材を提供することを目的とするものである。
本発明に係る塗装建材は、窯業系基材と、この基材の表面に形成される受理層と、この受理層の表面にインクジェット印刷により形成される印刷層と、この印刷層の表面側にクリアー層と無機塗料層と機能性塗料層とを有する塗装建材であって、前記受理層は、造膜後のガラス転移点が40〜80℃であることを特徴とするものである。
本発明に係る他の塗装建材は、窯業系基材と、この基材の表面に形成される受理層と、この受理層の表面にインクジェット印刷により形成される印刷層と、この印刷層の表面側にクリアー層と無機塗料層と機能性塗料層とを有する塗装建材であって、前記受理層は、揮発成分の含有率が9.0%以下であることを特徴とするものである。
本発明にあっては、前記受理層が、架橋剤により架橋された塗料硬化物であることが好ましい。
本発明にあっては、前記架橋剤がオキサゾリン、アジリジン、カルボジイミド、イソシアネート、金属キレート、金属アルコキシドの群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
本発明にあっては、前記印刷層が紫外線硬化性インクで形成され、この紫外線硬化性インクの硬化条件が、波長300〜390nmの紫外線で照度0.2〜2.0W/cmで照射時間0.05〜5.00秒間であることが好ましい。
本発明は、上記のような受理層を有することにより、印刷層を形成するインクが受理層に浸透しにくくなり、インクの発色性が低下しにくいものである。
本発明の実施の形態の一例を示す概略の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本実施の形態の塗装建材は、基材1と受理層2と印刷層3とを有し、さらにクリアー層4と無機塗料層5と機能性塗料層6とを備えて形成されている。
基材1はセメントを主成分とする窯業系基材を用いることができる。基材1の化粧面(塗装される面)には下塗層1aが設けられている。下塗層1aは基材1の隠蔽性を向上させるものであり、公知のシーラー塗料を塗装して形成することができる。
受理層2は基材1の下塗層(化粧面)1aの表面に積層して形成されている。受理層2は印刷層3のインクの定着性や発色性を向上させるために設けられている。受理層2は受理層用塗料を塗装して形成することができる。
印刷層3は受理層2の表面に積層して形成されている。印刷層3はその柄模様により塗装建材を化粧して意匠性を向上させるために設けられている。印刷層3はインクジェット印刷機(インクジェットプリンタ)による塗装により形成することができる。印刷層3は、水性インク、油性インク、紫外線硬化性インクなどの硬化物で形成することができる。
クリアー層4は印刷層3の表面に積層して形成されている。クリアー層4は印刷層3の表面を覆って保護するために設けられている。クリアー層4は公知のクリアー塗料を塗装することにより形成することができる。
無機塗料層5はクリアー層4の表面に積層して形成されている。無機塗料層5は印刷層3の耐久性を向上させるために設けられている。無機塗料層5は公知の無機塗料を塗装することにより形成することができる。
機能性塗料層6は無機塗料層5の表面に積層して形成されている。機能性塗料層6は塗装建材の最外表面に親水性機能、撥水性機能、光触媒機能、熱線反射機能などを付与するために設けられている。機能性塗料層6は公知の機能性塗料を塗装することにより形成することができる。
本実施の形態において、受理層2は有機溶剤に対する耐溶剤性を発現するものである。ここで、「耐溶剤性」とはインクジェット印刷で塗装されるインクに含まれる有機溶剤が受理層2に浸透しにくい性質を指す。従って、受理層2は有機溶剤に対する耐溶剤性を発現するレベルまで造膜されているものである。受理層2の造膜性(造膜レベル)を表す指標としては、ガラス転移点(Tg)又は揮発成分の含有率が挙げられる。
受理層2のガラス転移点は、受理層用塗料を所定の乾燥条件で焼き付け硬化させた後、高い熱量を与えられた時の受理層2の造膜性が間接的に把握することができるものである。受理層2のガラス転移点は、受理層用塗料から受理層2を造膜した後、示差走査熱量測定(DSC)により測定可能である。受理層2のガラス転移点の測定方法は、具体的には、所定の方法で硬化乾燥させた塗膜をAlセルに所定量秤量後に封じ、空気中で10℃/minの速度で−50から+150℃まで加熱する。その際の吸熱量の変化(段差状のベースラインシフト)を読み取ることでTgを決定できる。
そして、本実施の形態において、造膜後の受理層2のガラス転移点は40〜80℃である。この範囲であれば、受理層2は耐溶剤性が高いものであり、印刷層3を形成するためのインクを受理層2に塗装した場合に、インクに含まれている有機溶剤が受理層2に浸透しにくくなり、またインクに含まれている樹脂成分の揮発を少なくすることができる。従って、受理層2に塗装されたインクの発色性が低下しにくいものであり、印刷層3の発色性が最大限に発揮されやすくなるものである。造膜後の受理層2のガラス転移点が40℃を下回ると雰囲気温度による軟化でインクの浸透性を上げてしまうことがあり、その結果発色性が悪くなるおそれがある。造膜後の受理層2のガラス転移点が80℃を超えるとインクの発色性は良くなるものの、サンシャインウエザオメータなどによる促進耐候性試験で基材や上層下層の塗膜伸縮の応力に耐え切れず受理層2に容易にクラックが発生するおそれがある。その結果、耐久性に乏しくなり無機塗料による高耐久性、機能性塗装による高機能性を大きく損なってしまう場合がある。
受理層2の揮発成分の含有率は、受理層用塗料を所定の乾燥条件で焼き付け硬化させた後に、受理層2に残存する受理層用塗料の揮発成分の比率で受理層2の造膜性が間接的に把握することができるものである。この揮発成分の測定方法は、市販のフッ素樹脂テープ上に所定の塗装方法で塗膜を形成し、所定の焼付硬化条件で乾燥硬化させる。その後、フッ素樹脂上に形成された乾燥塗膜だけを剥ぎ取り、耐熱性のケース(ガラス瓶など)に採取し、初期の塗膜重量を測定(A)する。その後、130℃24時間加熱し揮発分を揮発させた後、乾燥後の塗膜重量を測定(B)する。
揮発成分C(%)=(A−B)/A*100 (%)
そして、本実施の形態において、造膜後の受理層2の揮発成分の含有率は9.0%以下である。この範囲であれば、受理層2は耐溶剤性が高いものであり、印刷層3を形成するためのインクを受理層2に塗装した場合に、インクに含まれている有機溶剤が受理層2に浸透しにくくなり、またインクに含まれている樹脂成分の揮発を少なくすることができる。従って、受理層2に塗装されたインクの発色性が低下しにくいものであり、印刷層3の発色性が最大限に発揮されやすくなるものである。尚、受理層2に残存する揮発成分の比率は小さいほうが好ましいので、受理層2の揮発成分の含有率の下限は0%である。
本実施の形態において、受理層2の造膜性を表す指標である受理層2のガラス転移点と受理層2の揮発成分の含有率のうち、少なくとも一つを上記の所定の条件にすることが好ましい。受理層2の造膜性を表す指標を上記の所定の条件にするためには、受理層2の造膜過程において、その架橋を制御することが好ましい。具体的には、カルボキシル基や水酸基などの官能基と反応する架橋剤の添加量で制御することが最も容易な方法である。例えば、受理層用塗料100部中の架橋剤の配合量を0.01〜10部とすることができる。このように架橋剤の添加量の増減に伴い、受理層2のガラス転移点を上昇させたり下降させたりして制御することができる。
本実施の形態において、受理層用塗料は樹脂成分と架橋剤とを含有して調製されている。この樹脂成分としてはアクリル系樹脂(アクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、アクリルシリコン樹脂など)を用いることができる。
また架橋剤としてはオキサゾリン及びその誘導体、アジリジン及びその誘導体、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、金属キレート、金属アルコキシドを用いることが好ましい。これらの架橋剤は樹脂の官能基と常温以上で短時間に反応する。したがって、工場での塗装生産時に添加するだけで容易に樹脂成分の架橋を促進することができ、Tgの上昇を促すことができる。
ここで、オキサゾリンの誘導体としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等を挙げることができ、これらの群から選ばれる1種あるいは2種以上の混合物を使用することができる。中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的に入手し易く好適である。
またアジリジンの誘導体としては、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、エチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ポリエチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、プロピレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ポリプロピレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、テトラメチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ポリテトラメチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]等が挙げられる。これらの中から1種または2種以上を用いることができる。このような化合物は、反応性が高く、効率よくポリエステルの重合度を高めることができ、また小割合の使用で末端カルボキシル基含量を著しく低減することができる。
またカルボジイミド化合物としては、水性ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、水性テトラメチルキシリレンカルボジイミド等が挙げられる。これらの中から1種または2種以上を用いることができる。
またイソシアネート化合物としては、反応性の面からはブロックイソシアネート化合物が好ましい。この架橋剤として用いるブロックイソシアネート化合物は、脂肪族及び/又は脂環式のイソシアネート化合物をブロック剤でブロックした化合物である。イソシアネート化合物が脂肪族及び/又は脂環式以外のイソシアネート化合物、例えば芳香族イソシアネート化合物の場合には塗膜の耐候性の劣化等を招くので好ましくない。脂肪族及び/又は脂環式のイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート等の脂肪族、脂環族のジイソシアネート化合物、またはそれらの2量体、3量体、及びこれらのイソシアネート化合物の過剰量にエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有化合物が挙げられる。一方、前記ブロック剤はイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロックイソシアネート化合物は常温において安定で、かつ約100℃から200℃に加熱した際、ブロック剤を解離してイソシアネート基を再生しうるものであることが望ましい。この様な条件を満たすブロック剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、γ−カプロラクタム等のラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系化合物;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコール系化合物などが挙げられる。
また金属キレートとしては、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)チタン、チタンラクテートアンモニウム塩などを用いることができる。また金属アルコキシドとしては、エチルシリケート、プロピルシリケートなどを用いることができる。
本実施の形態において、受理層2は、樹脂成分と架橋剤とを含有する受理層用塗料を適宜の溶剤で希釈した後、スプレー等の任意の塗装手段で受理層用塗料を基材1の下塗層1aの表面に塗布する。この後、塗布した受理層用塗料を乾燥し、焼き付け硬化することにより受理層2を形成(造膜)することができる。そして、塗布した受理層用塗料の焼付け硬化工程において、受理層用塗料中の樹脂成分を架橋剤で架橋させる。
また、本実施の形態において、紫外線硬化性インクを用いて印刷層を形成した場合は、この紫外線硬化性インクの硬化条件は、波長300〜390nmの紫外線で照度0.2〜2.0W/cmで照射時間0.05〜5.00秒間であることが好ましい。この条件であれば、紫外線硬化性インクを十分に硬化させることができ、インクの揮発や受理層2への溶剤の浸透を抑制することができるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1〜4)
基材としては、セメントを主成分とする板状の窯業系基材(ネオロック16mm)を用いる。この基材の化粧面には下塗層が形成されている。
受理層用塗料としては、樹脂エマルションAD77(樹脂分48.0%、アクリル−スチレンエマルジョン、ヘンケルテクノロジーズジャパン(株)製)100重量部、造膜助剤キョーワノールM(2,2,4−トリメチルー1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、協和発酵ケミカル(株)製)10重量部、白顔料分散体LIOFASTWHITE H201(顔料分60%、東洋インキ製造(株)製)55重量部、水10量部を加え10分間撹拌後、80メッシュで濾過し、この濾過後の溶液100重量部に架橋剤成分としてカルボジイミド(日清紡ケミカル(株)カルボジライトV02)を1重量配合したものを用いた。
インクとしては、青顔料Blue P−BFS(C.I.Pigment Blue 15:4 銅フタロシアニン、クラリアントジャパン(株)製)3重量部、分散剤Disperbyk−168(高分子化合物、BykChemie製)を3重量部、反応性オリゴマーCN985B88(脂肪族ウレタンアクリレート、2官能、サートマー(株)製)を20重量部、反応性モノマーSR238F(1,6−へキサンジオールジアクリレート、2官能、サートマー(株)製)68.3重量部、光重合開始剤ダロキュア1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)5重量部、濡れ剤DOW CORNING TORAY 32 ADDITIVE(シリコーン系濡れ剤、東レダウコーニングシリコーン(株)製)0.7重量部を加え、ビーズミル分散機を用い分散した後、濾過を行って不純物除去し、均質なブルーUVインクを作製した。
クリアー塗料としては大日本塗料(株)会社製のVセラン#600のクリヤータイプを用いた。
無機塗料としては、以下の(A)成分の70重量部と、(B)成分の30重量部と、(C)成分の1重量部との混合物を用いた。(A)成分は、攪拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計を取付けたフラスコ中にメタノール分散コロイダルシリカゾルMA−ST(粒子径10〜20mμ、固形分30%、日産化学工業社製)100部、メチルトリメトキシシラン68部、水10.8部を投入して攪拌しながら65℃の温度で約5時間かけて部分加水分解反応を行い冷却して得た。(B)成分は、攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を取付けたフラスコにメチルトリイソプロポキシシラン209部とフェニルトリクロロシラン11部とトルエン150部との混合液を計り取り、水150部を上記混合液に20分で滴下してメチルトリイソプロポキシシランを加水分解した。滴下40分後に攪拌を止め、二層に分離した下層の水・イソプロピルアルコールの混合液を分液し、残ったシラノール基含有オルガノポリシロキサンのトルエン溶液を得た。(C)成分は、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランを用いた。
機能性塗料としては、メチルトリメトキシシラン100重量部に、テトラエトキシシラン10重量部、IPAオルガノシリカゾルを90重量部、ジメチルジメトキシシラン30重量部、イソプロピルアルコール(IPA)100重量部を混合した後に、水90重量部を添加し、攪拌した。これを、60℃の恒温槽中で重量平均分子量Mwを1500に調製した。そして、この調製したコーティング液に酸化チタンを20重量部添加して攪拌・分散することによって、光触媒含有のシリコーン系コーティング剤を得た。このとき、酸化チタンとして平均粒子径が20nmであり、DTA測定において400〜500℃の範囲に発熱のピークがなくアナタース型の結晶化が高いものを用いた。またこの酸化チタンを、アクリル系分散剤を5重量%含有する酸化チタン水分散体の状態で用い、酸化チタン水分散体をコーティング液に配合することによって、酸化チタンをコーティング液に分散させるようにした。
そして、基材の下塗層の表面に受理層用塗料を塗布し、乾燥後に焼付け硬化するようにして厚み50μmの受理層を形成する。次に、受理層の表面にインクジェット印刷機を用いてインクを印刷することによって、厚み10μmの印刷層を形成する。インクの硬化条件は、主な波長として365nmを含むメタルハライドランプから発せられる紫外線で照度2.0W/cmで照射時間1.00秒間とする。次に、印刷層の表面にクリアー塗料を塗布し、乾燥後に焼付け硬化するようにして厚み30μmのクリアー層を形成する。次に、クリアー層の表面に無機塗料を塗布し、乾燥後に焼付け硬化するようにして厚み5μmの無機塗料層を形成する。次に、無機塗料層の表面に機能性塗料を塗布し、乾燥後に焼付け硬化するようにして厚み1μmの機能性塗料層を形成する。このようにして塗装建材を形成した。
(実施例5)
架橋剤として、カルボジイミドの代わりに、イソシアネート(メイカネートTP−10、明成化学工業社製)を1重量部用いた以外は、実施例1と同様にして塗装建材を形成した。
(実施例6)
架橋剤として、カルボジイミドの代わりに、金属キレート(オルガチックスTC300(マツモトファインケミカル(株)製))を1重量部用いた以外は、実施例1と同様にして塗装建材を形成した。
(実施例7)
架橋剤として、カルボジイミドの代わりに、オキサゾリン(日本触媒(株)エポクロスWS−700)を1重量部用いた以外は、実施例1と同様にして塗装建材を形成した。
(実施例8)
架橋剤として、カルボジイミドの代わりに、金属アルコキシド(Nプロピルシリケート(コルコート製)90重量部、IPA10重量部の混合溶液)を1重量部用いた以外は、実施例1と同様にして塗装建材を形成した。
(実施例9)
架橋剤として、カルボジイミドの代わりに、アジリジン(日本触媒(株)ケミタイトDZ22E)を1重量部用いた以外は、実施例1と同様にして塗装建材を形成した。
(比較例1)
架橋剤を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして塗装建材を形成した。
(比較例2)
受理層形成時の焼付け条件の時間を2分間とした以外は、実施例9と同様にして塗装建材を形成した。
この塗装建材について、受理層のガラス転移点を測定した。受理層のガラス転移点の測定は、セイコーインスツルメンツ製 DSC220型を用いた。またインクの受理層への浸透を評価した。インクの受理層への浸透の評価は、レーザー顕微鏡(キーエンス製VK8700/8710)2000倍で塗膜断面を観察することでインク/受理層界面の浸み込みの有無を確認した。さらに印刷層の発色性を評価した。印刷層の発色性の評価は、ブルー50%のベタ印刷画像を印刷し、その画像を分光測色計SP64:エックスライト社で測定。測定されたa*、b*から彩度C*を算出(C*=(a*^2+b*^2)^0.5)した。C*が大きいほど発色が良く、評価が高い。受理層の揮発成分の含有量は、乾燥条件で変化させることが調整可能である。乾燥条件が130℃5分の場合で揮発成分の含有量を5.0%とすることができた。時間を長くすることで揮発成分の含有量は低くなり、短くすることで揮発成分の含有量は高くなる。サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機(SWOM)を用い、その運転時間5000Hr後の表面クラック観察とカーボン汚染試験(カーボン顔料5%水溶液を振りかけ、60秒後 水で洗い流す試験。)を実施し、耐久性と機能性を確認した。
結果を表1に示す。
Figure 2014168866
1 基材
2 受理層
3 印刷層
4 クリアー層
5 無機塗料層
6 機能性塗料層

Claims (5)

  1. 窯業系の基材と、この基材の表面に形成される受理層と、この受理層の表面にインクジェット印刷により形成される印刷層と、この印刷層の表面側にクリアー層と無機塗料層と機能性塗料層とを有する塗装建材であって、前記受理層は、造膜後のガラス転移点が40〜80℃であることを特徴とする塗装建材。
  2. 窯業系の基材と、この基材の表面に形成される受理層と、この受理層の表面にインクジェット印刷により形成される印刷層と、この印刷層の表面側にクリアー層と無機塗料層と機能性塗料層とを有する塗装建材であって、前記受理層は、揮発成分の含有率が9.0%以下であることを特徴とする塗装建材。
  3. 前記受理層が、架橋剤により架橋された塗料硬化物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗装建材。
  4. 前記架橋剤がオキサゾリン、アジリジン、カルボジイミド、イソシアネート、金属キレート、金属アルコキシドの群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項3に記載の塗装建材。
  5. 前記印刷層が紫外線硬化性インクで形成され、この紫外線硬化性インクの硬化条件が、波長300〜390nmの紫外線で照度0.2〜2.0W/cmで照射時間0.05〜5.00秒間であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の塗装建材。
JP2013040904A 2013-03-01 2013-03-01 塗装建材 Active JP6116045B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013040904A JP6116045B2 (ja) 2013-03-01 2013-03-01 塗装建材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013040904A JP6116045B2 (ja) 2013-03-01 2013-03-01 塗装建材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014168866A true JP2014168866A (ja) 2014-09-18
JP6116045B2 JP6116045B2 (ja) 2017-04-19

Family

ID=51691668

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013040904A Active JP6116045B2 (ja) 2013-03-01 2013-03-01 塗装建材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6116045B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017201903A (ja) * 2016-05-10 2017-11-16 株式会社シマノ 装飾層を有する物品
JP2018003329A (ja) * 2016-06-28 2018-01-11 大日本塗料株式会社 建築板及び塗料組成物

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1128417A (ja) * 1997-07-02 1999-02-02 Arkwright Inc インクジェット記録媒体
JPH11227321A (ja) * 1998-02-13 1999-08-24 Nippon Shokubai Co Ltd インクジェット用記録媒体
JP2003335043A (ja) * 2002-05-20 2003-11-25 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用シート
JP2004209918A (ja) * 2003-01-08 2004-07-29 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用シート
JP2008057131A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 化粧建築板
JP2010112073A (ja) * 2008-11-06 2010-05-20 Seiren Co Ltd 建築板
JP2012213958A (ja) * 2011-04-01 2012-11-08 Seiko Epson Corp インクジェット記録媒体

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1128417A (ja) * 1997-07-02 1999-02-02 Arkwright Inc インクジェット記録媒体
JPH11227321A (ja) * 1998-02-13 1999-08-24 Nippon Shokubai Co Ltd インクジェット用記録媒体
JP2003335043A (ja) * 2002-05-20 2003-11-25 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用シート
JP2004209918A (ja) * 2003-01-08 2004-07-29 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用シート
JP2008057131A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 化粧建築板
JP2010112073A (ja) * 2008-11-06 2010-05-20 Seiren Co Ltd 建築板
JP2012213958A (ja) * 2011-04-01 2012-11-08 Seiko Epson Corp インクジェット記録媒体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017201903A (ja) * 2016-05-10 2017-11-16 株式会社シマノ 装飾層を有する物品
JP2018003329A (ja) * 2016-06-28 2018-01-11 大日本塗料株式会社 建築板及び塗料組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6116045B2 (ja) 2017-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20010052510A (ko) 발수막 피복물품의 제조방법, 발수막 피복물품 및 발수막피복용 액상조성물
WO2008013136A1 (fr) Compositions de revêtement durcissables à base d'eau contenant un photocatalyseur et leur procédé de production
JP2004000940A (ja) 断熱性塗膜の形成方法
JP3717868B2 (ja) 光触媒性コーティング剤及び光触媒性複合材並びにその製造方法
CN103998230A (zh) 气体阻隔膜
JP2004142161A (ja) 表面防汚性複合樹脂フィルム、表面防汚性物品、化粧板
JP6116045B2 (ja) 塗装建材
JP2004168057A (ja) フッ素系複合樹脂フィルム及び太陽電池
JP6154663B2 (ja) 塗装建材
JP2005179686A (ja) 光触媒性コーティング剤及び光触媒性複合材並びにその製造方法
CN108025542A (zh) 防雾性物品和汽车用玻璃
JP4985460B2 (ja) 有機−無機ハイブリッド樹脂水性分散体、塗料および塗装物
US20170165949A1 (en) Heat shielding material, heat shielding composition and heat shielding structure employing the same
JP2017109483A (ja) 遮熱材料、それを用いる遮熱組成物および遮熱構造
JP2008239944A (ja) 光触媒含有水性硬化性塗料組成物及びその製造方法
JP2002143765A (ja) 金属基材への塗装方法および塗装物品
JP2005154587A (ja) 水性硬化性樹脂組成物、水性塗料及び塗装物
JP5648023B2 (ja) 防水材並びにその製造方法、並びに防水工法
KR101808433B1 (ko) 방오성이 우수한 하드코팅조성물 및 이를 이용한 하드코팅물
JP5710178B2 (ja) 硬化性樹脂組成物およびハードコートフィルムまたはシート
US20170167807A1 (en) Heat shielding material, heat shielding composition and heat shielding structure employing the same
TWI667277B (zh) 顏料複合粒子、包含其之耐候塗料及耐候結構
JP2015072429A (ja) シリカ多孔質膜
JP2008297517A (ja) 有機−無機ハイブリッド樹脂水性分散体、硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物
JP2011105905A (ja) 水性硬化性塗料組成物およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170317

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6116045

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150