JP2014168771A - 感応式サイクロン分離機 - Google Patents
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Abstract
【課題】上から下に向けて太くなる上部切頭円錐筒と、上から下に向けて細くなる下部切頭円錐筒とを備える感応式サイクロン分離機を提供する。
【解決手段】上部切頭円錐筒の下端は、噴付孔が形成されたリング形状蓋板を介して下部切頭円錐筒の上端に連結し、噴付孔にパルス噴付装置が設けられており、パルス噴付装置は、パルス弁と噴付管とを含み、噴付管は、パルス弁の出口と噴付孔とを接続する。気体中の粘性不純物を効果的に分離し、間欠的な噴付によって感応式サイクロン分離機内で気体が流動する領域への影響を小さくすることができ、分離効率が高い。さらに、感応式サイクロン分離機の切頭円錐筒の内壁に粘性不純物が蓄積しにくく、長時間に亘って高効率で稼働することができ、過度なメンテナンスを必要としない。そのため、メンテナンス回数と時間を減少させることができ、ランニングコストの軽減を図ることができる。
【選択図】図2
【解決手段】上部切頭円錐筒の下端は、噴付孔が形成されたリング形状蓋板を介して下部切頭円錐筒の上端に連結し、噴付孔にパルス噴付装置が設けられており、パルス噴付装置は、パルス弁と噴付管とを含み、噴付管は、パルス弁の出口と噴付孔とを接続する。気体中の粘性不純物を効果的に分離し、間欠的な噴付によって感応式サイクロン分離機内で気体が流動する領域への影響を小さくすることができ、分離効率が高い。さらに、感応式サイクロン分離機の切頭円錐筒の内壁に粘性不純物が蓄積しにくく、長時間に亘って高効率で稼働することができ、過度なメンテナンスを必要としない。そのため、メンテナンス回数と時間を減少させることができ、ランニングコストの軽減を図ることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、サイクロン分離機に係り、特に燃焼気体除塵分野に応用する感応式サイクロン分離機に関する。
サイクロン分離機は、高速に旋回した気流において、密度の大きい液滴や塵埃粒子を、遠心力により分離機の壁に集め、さらに重力により降下させることで、気体と固体との分離、及び気体と液体との分離を実現している。これにより、気体中から固体不純物及び液体不純物が除去され、気体の純度を高めている。このようなサイクロン分離機の原理は、既に本分野の技術者に周知されている。同様に、サイクロン分離機の一般的構造も、本分野の技術者に知られている。すなわち、サイクロン分離機は、円柱筒と、円柱筒に連結し、下方に向けて細くなった円錐筒の先端を切り取った形状の切頭円錐筒とを備えている。また、円柱筒の中央には排気口が設けられ、垂直の円柱筒の筒壁に対して水平方向に延びた給気口が設けられている。不純物を効率的に分離するサイクロン分離機の別の構造としては、下方に向けて太くなった切頭円錐筒を上述の円柱筒に代えて設置したもので、気体に混入した種々の固体粒子または液滴を、より効果的に分離することができる。
このような従来のサイクロン分離機は、非粘性不純物、または低粘性不純物を気体から分離するのには比較的高い効果を発揮し、分離機の内壁を比較的長い時間に亘って清潔に保つことができ、過度な手入れを必要としない。一方で、粘性不純物を気体から分離する際には、いくつかの問題を生じる。これらの問題は主に下記のようなものである。粘性不純物は、遠心力によって分離機の内壁に集められて蓄積し、特に上部筒体と下部筒体の連結箇所に蓄積しやすい。同様に下部の切頭円錐筒の内面においても、重力により降下した粘性不純物が粘着しやすく、長時間に亘って粘性不純物が粘着することによって、分離機の分離効率に悪影響を与える。さらには、粘着した粘性不純物が通気路を塞ぎ、設備の正常稼働を妨げるため頻繁に手入れをする必要がある。これによって、設備の稼働時間が減少し、多くの人手を必要とすると共に稼動コストも増大する。
ゆえに、サイクロン分離機において、粘性不純物を気体から分離する際に、粘性不純物が内壁に粘着してしまうという問題、特に上下筒体の連結箇所に粘性不純物が蓄積してしまうという問題を効果的に解決することが望まれている。
上記の従来技術における不備に対して、本発明の目的は、気体中の粘性不純物を分離するための感応式サイクロン分離機を提供し、粘性不純物が、分離機の内壁に粘着し蓄積して稼働効率に悪影響をきたし、さらには通気路を塞ぎ設備が正常運行できないという問題を解決することにある。
本発明の技術案は、下記である。上から下に向けて太く(径が大きく)なる上部切頭円錐筒と、上から下に向けて細く(径が小さく)なる下部切頭円錐筒とを備える感応式サイクロン分離機であって、前記上部切頭円錐筒の下端の径は、前記下部切頭円錐筒の上端の径より小さく、前記上部切頭円錐筒の下端は、噴付孔が形成されたリング形状蓋板を介して前記下部切頭円錐筒の上端に連結され、前記噴付孔にパルス噴付装置が設けられており、前記パルス噴付装置は、パルス弁と噴付管とを含み、前記噴付管は、前記パルス弁の出口と前記噴付孔とを連結することを特徴とする。
前記上部切頭円錐筒の中心軸と下部切頭円錐筒の中心軸とは、同一の直線上に位置しており、前記上部切頭円錐筒には、垂直の気体誘導管と該気体誘導管に対して水平方向の給気口とが設けられており、前記気体誘導管の上端は、前記上部切頭円錐筒の上端よりも高く位置し、前記気体誘導管の下端は、前記上部切頭円錐筒の下端より低く位置することが好ましい。
前記噴付孔は、リング形状蓋板の外縁に沿って等間隔に配列されていることが好ましい。
前記上部切頭円錐筒の内壁と前記下部切頭円錐筒の内壁とに、耐磨耗羽板が設けられていることが好ましい。
本発明に係る感応式サイクロン分離機は、粘性不純物が混入した気体を、水平方向の給気口から上部切頭円錐筒内に流入させ、上部切頭円錐筒内で高速に旋回させる。粘性不純物は、遠心力により上部切頭円錐筒の内壁に集められ、さらに重力により下部切頭円錐筒の内壁に向けて降下する。パルス噴付装置におけるパルス弁は、制御信号による制御の下で、間欠的に作動する。圧縮気体は、噴付管から噴付孔を通り間欠的に下部切頭円錐筒に流入し、下部切頭円錐筒の内壁に噴き付けられる。このような間欠的な噴付によれば、粘性不純物が円錐筒の内壁に集まるのを効果的に防止でき、感応式サイクロン分離機内で旋回する気体が流動する領域に対して間欠的な影響に限定することができるしたがって、本発明が提供する技術案の利点は、下記である。気体中の粘性不純物を効果的に分離し、間欠的な噴付によって、感応式サイクロン分離機内で旋回する気体が流動する領域への噴付けの影響を小さくすることができ、分離効率が高い。さらに、感応式サイクロン分離機の切頭円錐筒の内壁に粘性不純物が蓄積しにくく、長時間に亘って高効率で稼働することができ、過度なメンテナンスを必要としない。そのため、メンテナンスの回数と時間を減少させることができ、ランニングコストの軽減を図ることができる。
以下、実施例を参照して本発明をさらに説明する。ただし、これらの説明は、本発明を限定するものではない。
図1および図2に示すように、本実施形態の感応式サイクロン分離機は、図中上から下に向けて太くなる上部切頭円錐筒1と、図中上から下に向けて細くなる下部切頭円錐筒2とを備える。上部切頭円錐筒1の上部は封止されている。下部切頭円錐筒2は、上下両端が開口しており、下端に集塵ホッパー10が連結されている。上部切頭円錐筒1には、不純物を分離した後の気体を排出するための、図中上下方向に延びた垂直の気体誘導管3が設けられている。気体誘導管3の上端は、上部切頭円錐筒1の上端より高く位置し、気体誘導管3の下端は、上部切頭円錐筒1の下端より低く位置する。上部切頭円錐筒1には、さらに垂直の気体誘導管に対して水平方向の給気口4が設けられている。粘性不純物を含んだ気体は、該給気口4から水平方向に上部切頭円錐筒1に入り、気体誘導管3の周囲を旋回する。上部切頭円錐筒1の下端の径は、下部切頭円錐筒2の上端の径より小さい。上部切頭円錐筒1の下端は、噴付孔6が形成されたリング形状蓋板5を介して下部切頭円錐筒2の上端に連結する。噴付孔6には、噴付管8を介してパルス弁7が接続されている。パルス噴付装置は、パルス弁7と噴付管8とを含む。噴付管8は、パルス弁7の出口と噴付孔6とを接続する。本実施形態においてより一層、不純物を分離するために、上部切頭円錐筒1と下部切頭円錐筒2とは、同軸に設置されている。すなわち、上部切頭円錐筒1の中心軸と下部切頭円錐筒2の中心軸とは、同一の直線上に位置している。さらに、上部切頭円錐筒1に設けられた気体誘導管3の中心軸も、同一の直線上に位置している。図3には、本実施形態に係る感応式サイクロン分離機のリング形状蓋板5の構造が示されている。噴付孔6は、リング形状蓋板5の外縁に沿って等間隔に配列されている。噴付管8は、これらの噴付孔6とパルス弁7とを連通し、パルス噴付装置の一部を構成する。パルス弁7は、沈没式パルス弁である。沈没式パルス弁は、電気が導通しないときは圧縮気体を遮断・貯蔵し、電気が導通した時に圧縮気体を噴出させ、噴付管8、およびリング形状蓋板5の噴付孔6を介して、下部切頭円錐筒2に圧縮空気を噴き付ける。なお、パルス弁7として、直角パルス弁を採用しても同様に、気体を噴き付ける効果を得ることができる。粘性不純物を含んだ気体による感応式サイクロン分離機の内壁の腐食、及び磨耗を防止するために、上部切頭円錐筒1の内壁及び下部切頭円錐筒2の内壁には、耐磨耗羽板9が設けられている。耐磨耗羽板9は、材質がC20であり、内壁に貼り付けられ、末端がボルトで締め付けられ、感応式サイクロン分離機の最高耐熱温度が650℃に達するようにする。
本実施形態において、感応式サイクロン分離機は、作動時に、空気吸引ファンによって、不純物を分離すべき気体を、上部切頭円錐筒の水平方向の給気口4から吸引する。給気口4の水平方向の設置によって、感応式サイクロン分離機に入った気体は、上部切頭円錐筒内で上部切頭円錐筒の軸線を中心として旋回する。遠心分離の原理によって、気体中の粘性不純物は、遠心力を受けて上部切頭円錐筒の内壁に集められるとともに徐々に降下する。上部切頭円錐筒の上から下に向けて太くなる形状は、不純物を分離するのに有利である。不純物は、上部切頭円錐筒で分離されて下部切頭円錐筒の内壁まで降下する。下部切頭円錐筒は、上から下に向けて細くなる形状である。そのため、粘性不純物は、重力を受けて円錐筒の内壁、特に上部切頭円錐筒と下部切頭円錐筒との連結箇所に蓄積しやすい。したがって、下部切頭円錐筒の内壁にパルス状に気体を噴き付けるパルス噴付装置が設けられている。このようにパルス状に気体を噴き付けることにより、粘性不純物が円錐筒の内壁に集まるのを防止できるとともに、間欠的にかつ短時間に気体を噴き付けることにより、感応式サイクロン分離機内で旋回する気体への影響も最小限に抑えることができる。そのため、噴き付けられた不純物が再び旋回する気体に戻ることにより、感応式サイクロン分離機の稼働効率が低下することを抑制できる。
Claims (4)
- 上から下に向けて太くなる上部切頭円錐筒(1)と、上から下に向けて細くなる下部切頭円錐筒(2)とを備える感応式サイクロン分離機であって、前記上部切頭円錐筒(1)の下端の径は、前記下部切頭円錐筒(2)の上端の径より小さく、前記上部切頭円錐筒(1)の下端は、噴付孔(6)が形成されたリング形状蓋板(5)を介して前記下部切頭円錐筒(2)の上端に連結され、前記噴付孔(6)にパルス噴付装置が設けられており、前記パルス噴付装置は、パルス弁(7)と噴付管(8)とを含み、前記噴付管(8)は、前記パルス弁(7)の出口と前記噴付孔(6)とを連結することを特徴とする感応式サイクロン分離機。
- 請求項1記載の感応式サイクロン分離機において、前記上部切頭円錐筒(1)の中心軸と下部切頭円錐筒(2)の中心軸とは、同一の直線上に位置しており、前記上部切頭円錐筒(1)には、垂直の気体誘導管(3)と該気体誘導管(3)に対して水平方向の給気口(4)とが設けられており、前記気体誘導管(3)の上端は、前記上部切頭円錐筒(1)の上端よりも高く位置し、前記気体誘導管(3)の下端は、前記上部切頭円錐筒(1)の下端より低く位置することを特徴とする感応式サイクロン分離機。
- 請求項2記載の感応式サイクロン分離機において、前記噴付孔(6)は、リング形状蓋板(5)の外縁に沿って等間隔に配列されていることを特徴とする感応式サイクロン分離機。
- 請求項1記載の感応式サイクロン分離機において、前記上部切頭円錐筒(1)の内壁と前記下部切頭円錐筒(2)の内壁とに、耐磨耗羽板(9)が設けられていることを特徴とする感応式サイクロン分離機。
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