JP2014167976A - 有機エレクトロニクス素子及びその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロニクス素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた特性を有する有機エレクトロニクス素子を提供すること。
【解決手段】陽極、(1)分岐構造を有し、かつ、少なくとも1つの重合可能な置換基を有する第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー、及び、イオン性化合物を含有する組成物を用いて形成された有機層、(2)分岐構造を有していない第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーを用いて形成された有機層、(3)電荷輸送機能以外の機能を備えた有機層、及び、陰極を、この順に有する有機エレクトロニクス素子。
【選択図】なし

Description

本発明の実施形態は、有機エレクトロニクス素子、有機エレクトロニクス素子の製造方法、有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子ともいう。)、表示素子、照明装置、及び表示装置に関する。
有機エレクトロニクス素子は、有機物を用いて電気的な動作を行う素子であり、省エネルギー、低価格、柔軟性といった特長を発揮できると期待され、従来のシリコンを主体とした無機半導体に替わる技術として注目されている。
有機エレクトロニクス素子の一例として有機EL素子、有機光電変換素子、有機トランジスタなどが挙げられる。
有機エレクトロニクス素子の中でも有機EL素子は、例えば、白熱ランプ、ガス充填ランプの代替えとして、大面積ソリッドステート光源用途として注目されている。また、フラットパネルディスプレイ(FPD)分野における液晶ディスプレイ(LCD)に置き換わる最有力の自発光ディスプレイとしても注目されており、製品化が進んでいる。
有機EL素子は、使用される有機材料から、低分子型有機EL素子及び高分子型有機EL素子の2つに大別される。高分子型有機EL素子では、有機材料として高分子材料が用いられ、低分子型有機EL素子では、低分子材料が用いられる。高分子型有機EL素子は、主に真空系で成膜が行われる低分子型有機EL素子と比較して、印刷やインクジェットなどの湿式プロセスによる簡易成膜が可能なため、今後の大画面有機ELディスプレイには不可欠な素子として期待されている。
このため、湿式プロセスに適した材料の開発が進められており、例えば、特許文献1や非特許文献1に記載されているような検討が行われている。
特開2006−279007号公報
廣瀬健吾、熊木大介、小池信明、栗山晃、池畑誠一郎、時任静士、第53回応用物理学関係連合講演会、26p−ZK−4(2006)
一般に、高分子材料を使用して湿式プロセスにより作製した有機EL素子は、低コスト化、大面積化が容易であるという特長を有している。しかし、有機EL素子の特性に関しては、高分子材料を用いて作製した薄膜を含む有機EL素子は、発光効率や寿命特性においてさらなる改善が望まれている。
本発明の実施形態は、上記に鑑み、優れた特性を有する有機エレクトロニクス素子、及び、有機エレクトロニクス素子の安定的かつ容易な製造方法を提供することを目的とするものである。また、本発明の実施形態は、発光効率及び寿命特性に優れた有機EL素子、並びに、それを用いた表示素子、照明装置、及び表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、優れた特性を有する有機エレクトロニクス素子の構成を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の実施形態は、陽極、下記有機層(1)、下記有機層(2)、下記有機層(3)、及び、陰極を、この順に有する有機エレクトロニクス素子に関する。
(1)分岐構造を有し、かつ、少なくとも1つの重合可能な置換基を有する第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー、及び、イオン性化合物を含有する組成物を用いて形成された有機層
(2)分岐構造を有していない第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーを用いて形成された有機層
(3)電荷輸送機能以外の機能を備えた有機層
前記第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの重量平均分子量は、前記第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの重量平均分子量より大きいことが好ましい。
また、本発明の他の実施形態は、陽極を形成する工程、下記工程(1)、下記工程(2)、下記工程(3)、及び、陰極を形成する工程を、この順に有する有機エレクトロニクス素子の製造方法に関する。
(1)分岐構造を有し、かつ、少なくとも1つの重合可能な置換基を有する第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー、イオン性化合物、及び、溶媒を含有する組成物を用いて塗布層を形成し、前記塗布層を硬化させ、有機層を形成する工程
(2)分岐構造を有していない第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー、及び、溶媒を含有する組成物を用いて有機層を形成する工程
(3)電荷輸送機能以外の機能を備えた化合物を用いて有機層を形成する工程
前記第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの重量平均分子量は、前記第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの重量平均分子量より大きいことが好ましい。
また、本発明の他の実施形態は、前記製造方法により作製された有機エレクトロニクス素子に関する。
さらに、本発明の他の実施形態は、前記有機エレクトロニクス素子を用いた有機エレクトロルミネセンス素子に関し、当該有機エレクトロルミネセンス素子を備えた表示素子及び照明装置、並びに、当該照明装置と表示手段として液晶素子とを備えた表示装置に関する。
本発明の実施形態によれば、優れた特性を有する有機エレクトロニクス素子、及び、有機エレクトロニクス素子の安定的かつ容易な製造方法を提供することができる。また、本発明の実施形態によれば、発光効率及び寿命特性に優れた有機EL素子、並びに、それを用いた表示素子、照明装置、及び表示装置を提供することができる。
有機EL素子の一例を示す模式図である。
本発明の実施形態について説明する。
<有機エレクトロニクス素子及びその製造方法>
本発明の実施形態である有機エレクトロニクス素子は、陽極、下記有機層(1)、下記有機層(2)、下記有機層(3)、及び、陰極を、この順に有する。
(1)分岐構造を有し、かつ、少なくとも1つの重合可能な置換基を有する第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー、及び、イオン性化合物を含有する組成物を用いて形成された有機層
(2)分岐構造を有していない第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーを用いて形成された有機層
(3)電荷輸送機能以外の機能を備えた有機層
有機エレクトロニクス素子は、有機層と有機層の間、又は、有機層と陽極若しくは陰極の間に、任意の層をさらに有していてもよい。
本発明の実施形態である有機エレクトロニクス素子の製造方法は、陽極を形成する工程、下記工程(1)、下記工程(2)、下記工程(3)、及び、陰極を形成する工程を、この順に有する。
(1)分岐構造を有し、かつ、少なくとも1つの重合可能な置換基を有する第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー、イオン性化合物、及び、溶媒を含有する組成物を用いて塗布層を形成し、前記塗布層を硬化させ、有機層を形成する工程
(2)分岐構造を有していない第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー、及び、溶媒を含有する組成物を用いて有機層を形成する工程
(3)電荷輸送機能以外の機能を備えた化合物を用いて有機層を形成する工程
有機エレクトロニクス素子の製造方法は、各工程の間に任意の工程をさらに有していてもよい。
[有機層(1)]
有機層(1)は、分岐構造を有し、かつ、少なくとも1つの重合可能な置換基を有する第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーとイオン性化合物とを含有する組成物を用いて形成された層である。イオン性化合物は、少なくとも1種のアニオンと少なくとも1種のカチオンとを含む化合物である。
有機層(1)は、例えば、第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー、イオン性化合物、及び、溶媒を含有する組成物を用いて塗布層を形成し、前記塗布層を硬化させることにより得ることができる。
(正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー)
ここで、「正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー」について詳細に説明する。なお、ここでの正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーに関する説明は、第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー、及び、後述する第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーに対して適用される。正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーとは、市販のものでもよく、当業者公知の方法で合成したものであってもよく、特に制限はない。また、「正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー」は、正孔を輸送する能力を有する原子団を含んでいればよく、特に限定されないが、芳香環を有するアミン(芳香族アミン)構造、カルバゾール構造、又はチオフェン構造を有する単位を含むことが好ましい。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーは、例えば、正孔輸送性に優れるという観点から、下記式(1a)〜(84a)で表される単位を有していることが好ましい。
<式(1a)〜(84a)>
Figure 2014167976
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式中、Eは、それぞれ独立に、−R、−OR、−SR、−OCOR、−COOR、−SiR、式(1)〜(3)(ただし、R〜R11は、水素原子、炭素数1〜22個の直鎖、環状もしくは分岐アルキル基、または炭素数2〜30個のアリール基もしくはヘテロアリール基を表し、a、bおよびcは、1以上の整数、好ましくは1〜4の整数を表す。)、または置換基群(A)〜(N)において表される基のいずれかを表す。
Figure 2014167976
Arは、それぞれ独立に、炭素数2〜30個のアリール基もしくはヘテロアリール基、または炭素数2〜30個のアリーレン基もしくはヘテロアリーレン基を表す。Arは置換基を有していてもよく、置換基としては、前記Eと同様の基が挙げられる。
ここで、アルキル基は置換基を有していてもよく、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
アリール基とは、芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた原子団であり、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル、ビフェニル−イル、ターフェニル−イル、ナフタレン−イル、アントラセン−イル、テトラセン−イル、フルオレン−イル、フェナントレン−イル等が挙げられる。
ヘテロアリール基とは、ヘテロ原子を有する芳香族化合物から水素原子1個を除いた原子団であり、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン−イル、ピラジン−イル、キノリン−イル、イソキノリン−イル、アクリジン−イル、フェナントロリン−イル、フラン−イル、ピロール−イル、チオフェン−イル、オキサゾール−イル、オキサジアゾール−イル、チアジアゾール−イル、トリアゾール−イル、ベンゾオキサゾール−イル、ベンゾオキサジアゾール−イル、ベンゾチアジアゾール−イル、ベンゾトリアゾール−イル、ベンゾチオフェン−イル等が挙げられる。
アリーレン基とは、芳香族炭化水素から水素原子2個を除いた原子団であり、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン、ビフェニル−ジイル、ターフェニル−ジイル、ナフタレン−ジイル、アントラセン−ジイル、テトラセン−ジイル、フルオレン−ジイル、フェナントレン−ジイル等が挙げられる。
ヘテロアリーレン基とは、ヘテロ原子を有する芳香族化合物から水素原子2個を除いた原子団であり、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン−ジイル、ピラジン−ジイル、キノリン−ジイル、イソキノリン−ジイル、アクリジン−ジイル、フェナントロリン−ジイル、フラン−ジイル、ピロール−ジイル、チオフェン−ジイル、オキサゾール−ジイル、オキサジアゾール−ジイル、チアジアゾール−ジイル、トリアゾール−ジイル、ベンゾオキサゾール−ジイル、ベンゾオキサジアゾール−ジイル、ベンゾチアジアゾール−ジイル、ベンゾトリアゾール−ジイル、ベンゾチオフェン−ジイル等が挙げられる。
なお、ここでの置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基(−(NH)−COR)、イミド基(−N(COR))、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基、一価の複素環基等が挙げられる。
XおよびZは、それぞれ独立に、二価の連結基であり、特に制限はないが、前記E(但し、置換基群(A)〜(N)を除く)のうち水素原子を1つ以上有する基から、さらに1つの水素原子を除去した基や、連結基群(A)〜(C)において表される基が好ましい。xは0〜2の整数を表す。
Yは、三価の連結基であり、特に制限はないが、前記E(但し、置換基群(A)〜(N)を除く)のうち、水素原子を2つ以上有する基から2つの水素原子を除去した基が好ましい。
<置換基群(A)〜(N)>
Figure 2014167976
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<連結基群(A)〜(C)>
Figure 2014167976
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式中、Rとしては、前記Eと同様の基が挙げられる。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーは、分岐構造を有する場合と分岐構造を有していない場合がある。分岐構造とは、ポリマー又はオリゴマー鎖が分岐部を有し、ポリマー又はオリゴマー鎖を構成する単位を分岐部から3方向以上に向かって有する構造をいう。すなわち、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーは、主鎖が1つの分岐部を有する構造であってもよいし、複数の分岐部を有する構造であってもよいし、直鎖状の構造であってもよい。正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーが分岐部を有する構造である場合、分子量の大きなポリマー又はオリゴマーが容易に得られるという観点から好ましい。直鎖状の構造である場合、合成に必要なモノマーの入手が容易である、また、分子量を小さくかつ精密に制御できるという観点から好ましい。正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーが分岐部を有する場合の、分岐の起点となる構造としては、分岐起点構造(1b)〜(10b)で表される構造が挙げられる。
<分岐起点構造(1b)〜(10b)>
Figure 2014167976
式中、Arは、それぞれ独立に2価の連結基を表し、好ましくは前記(1a)〜(84a)におけるArと同様である。Arは置換基を有していてもよく、置換基としては、前記Eと同様の基が挙げられる。
Wは、三価の連結基を表し、好ましくは前記アリーレン基またはヘテロアリーレン基からさらに水素原子1個を除いた原子団であり、置換基を有していてもよい。
Yは、それぞれ独立に、二価の連結基を表し、好ましくは前記連結基群(C)において表される基である。
Zは、炭素原子、ケイ素原子、またはリン原子のいずれかを表す。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーは、溶解度や耐熱性、電気的特性の調整のため、前記式(1a)〜(84a)で表される単位の他に、前記アリーレン基またはヘテロアリーレン基、あるいは、前記連結基群(A)及び(B)において表される基(但し、前記式(1a)〜(84a)で表される単位と同じ構造を有する基を除く)を共重合単位として有していてもよい。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーが共重合体である場合、共重合体は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する共重合体、例えば、ブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。
また、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーは、分子内に1つ以上の重合可能な置換基を有していてもよい。「重合可能な置換基」(重合性置換基)とは、重合反応を起こすことにより2分子以上の分子間で結合を形成することが可能な置換基のことである。
重合可能な置換基としては、炭素−炭素多重結合を有する基(例えば、ビニル基、アセチレン基(エチニル基)、ブテニル基、アクリル基(アクリロイル基)、アクリレート基(アクリロイルオキシ基)、アクリルアミド基(アクリロイルアミノ基)、メタクリル基(メタクリロイル基)、メタクリレート基(メタクリロイルオキシ基)、メタクリルアミド基(メタクリロイルアミノ基)、アリール基、アリル基、ビニルエーテル基(ビニルオキシ基)、ビニルアミノ基、フラン−イル基、ピロール−イル基、チオフェン−イル基、シロール−イル基等)、小員環を有する基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、エポキシ基(オキシラニル基)、オキセタン基(オキセタニル基)、ジケテン基、エピスルフィド基等)、ラクトン基、ラクタム基、またはシロキサン誘導体を含有する基等が挙げられる。また、上記基の他に、エステル結合やアミド結合を形成することが可能な基の組み合わせなども利用できる。例えば、エステル基とアミノ基、エステル基とヒドロキシル基などの組み合わせである。重合可能な置換基としては、特に、オキセタン基、エポキシ基、ビニル基、ビニルエーテル基、アクリレート基、メタクリレート基が反応性の観点から好ましく、オキセタン基が最も好ましい。
重合可能な置換基の自由度を上げ、硬化反応を生じさせやすくする観点から、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーにおいては、重合可能な置換基が、炭素数1〜8のアルキル鎖に結合していることが好ましい。また、ITOなどの親水性電極との親和性を向上させる観点からは、重合可能な置換基が親水性基に結合していることが好ましい。親水性基としては、例えば、エチレングリコール鎖やジエチレングリコール鎖などの炭素数2〜8のアルキレンオキシ鎖が挙げられる。また、重合可能な置換基を有する正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの調製が容易になるという観点からは、前記アルキル鎖又はアルキレンオキシ鎖の末端部、すなわち重合可能な置換基との連結部または正孔輸送性構造との連結部において、エーテル結合を有していてもよい。重合可能な置換基を含む基は、具体的には、前記置換基群(A)〜(N)で表される。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーは、重合可能な置換基を、分子鎖の末端に有することが好ましい。この場合、前記重合可能な置換基を導入するためのモノマーとして、前記置換基群(A)〜(N)において表される基を有するモノマーを用いることができる。具体的には、前記置換基群(A)〜(N)において表される基を有し、かつ、芳香族炭化水素構造又はヘテロ原子を有する芳香族化合物構造を有するモノマーが挙げられる。
(第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー)
「正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー」については以上に説明したとおりである。ここで、有機層(1)に用いられる第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーは、上述のとおり、分岐構造を有し、かつ、分子内に少なくとも1つの重合可能な置換基を有するものである。したがって、第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーとしては、上記において説明した「正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー」の中から、分岐構造を有し、かつ、少なくとも1つの重合可能な置換基を有するポリマー又はオリゴマーを選択して使用するものとする。
第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーが重合可能な置換基を有することにより、第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの溶解度を変化させることができる。これにより、有機層(1)に隣接する層を塗布により容易に形成することができる。第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーは、重合可能な置換基を、好ましくは3つ以上有する。
第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー中の前記式(1a)〜(84a)で表される単位の割合としては、十分な正孔輸送性を得るという観点から、20%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、40%以上が最も好ましい。また、分岐の起点となる構造を導入するという観点から、99%以下が好ましく、95%以下がより好ましく、90%以下が最も好ましい。なお、単位の割合は、ポリマー又はオリゴマーを合成するために使用した、各単位に対応するモノマーの仕込み量比(モル比)により求めることができる。
第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー中の前記分岐起点構造(1b)〜(10b)で表される単位の割合としては、陽極に起因する凹凸を十分に被覆するという観点から、1%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、10%以上が最も好ましい。また、ポリマー又はオリゴマーの合成を良好に行うという観点から、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下が最も好ましい。
第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーが前記共重合単位を含む場合、その割合としては、諸特性の調整を行うという観点から、0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、5%以上が最も好ましい。また、十分な正孔輸送性を得るという観点から、99.9%以下が好ましく、99%以下がより好ましく、95%以下が最も好ましい。
第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーが有する1分子あたりの重合可能な置換基数を、重合可能な置換基を有する単位の割合で表せば、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーに1つ以上の重合可能な置換基を導入するという観点から、0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、3%以上が最も好ましい。前記範囲は、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの溶解度を変化させるという観点からも好ましい。また、良好な正孔輸送性を得るという観点から、70%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、50%以下が最も好ましい。前記範囲は、十分な分子量を有するポリマー又はオリゴマーを得るという観点からも好ましい。
第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの数平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性を考慮して適宜、調整することができる。陽極上の凹凸を被覆し、短絡を抑制するという観点から、数平均分子量は、500以上であることが好ましく、1,000以上であることがより好ましく、2,000以上であることがさらに好ましい。また、溶媒への良好な溶解性を保ち、塗布溶液や塗布インクの調製を容易にするという観点から、数平均分子量は、1,000,000以下であることが好ましく、100,000以下であることがより好ましく、50,000以下であることがさらに好ましい。数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算の数平均分子量をいう。
また、第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの重量平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性を考慮して適宜、調整することができる。陽極上の凹凸を被覆し、短絡を抑制するという観点から、重量平均分子量は、1,000以上であることが好ましく、5,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることがさらに好ましい。また、溶媒への良好な溶解性を保ち、塗布溶液や塗布インクの調製を容易にするという観点から、重量平均分子量は、1,000,000以下であることが好ましく、700,000以下であることがより好ましく、400,000以下であることがさらに好ましい。重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量をいう。
(イオン性化合物)
次に、「イオン性化合物」について説明する。イオン性化合物の例には、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーに対して電子受容体として作用し得る化合物及び正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーに対して重合開始剤として作用し得る化合物が含まれる。イオン性化合物は、これらの両方として作用し得る化合物であってもよい。
具体的には、無機物及び有機物のいずれも用いることができ、例えば、特許文献(特開2003−031365号公報、特開2006−233162号公報)に記載された化合物等が挙げられるが、パーフルオロアリール基、パーフルオロアルキル基を有する化合物が好ましい。また、例えば、以下のカチオンから選択される1種と、以下のアニオンから選択される1種を含むオニウム塩も好ましく用いることができる。
[カチオン]
カチオンとしては、例えば、H、カルベニウムイオン、アンモニウムイオン、アニリニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピロリジニウムイオン、キノリニウムイオン、イモニウムイオン、アミニウムイオン、オキソニウムイオン、ピリリウムイオン、クロメニリウム、キサンチリウムイオン、ヨードニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン、トロピリウムイオン、遷移金属を有するカチオンなどが挙げられ、カルベニウムイオン、アンモニムイオン、アニリニウムイオン、アミニウムイオン、ヨードニウムイオン、スルホニウムイオン、トロピリウムイオンが好ましい。組成物の硬化性及び保存安定性との両立の観点から、アンモニウムイオン、アニリニウムイオン、ヨードニウムイオン、スルホニウムイオンがより好ましい。
[アニオン]
アニオンとしては、例えば、F、Cl、Br、Iなどのハロゲンイオン;OH;ClO ;FSO 、ClSO 、CHSO 、CSO 、CFSO などのスルホン酸イオン類;HSO 、SO 2−などの硫酸イオン類;HCO 、CO 2−などの炭酸イオン類;HPO 、HPO 2−、PO 3−などのリン酸イオン類;PF 、PFOHなどのフルオロリン酸イオン類;[(CFCFPF、[(CFCFCFPF、[((CFCF)PF、[((CFCF)PF、[((CFCFCFPF、[((CFCFCFPFなどのフッ素化アルキルフルオロリン酸イオン類;(CFSO、(CFSOなどのフルオロアルカンスルホニルメチド、イミドイオン類;BF 、B(C 、B(CCF などのホウ酸イオン類;SbF 、SbFOHなどのフルオロアンチモン酸イオン類;AsF 、AsFOHなどのフルオロヒ素酸イオン類;AlCl 、BiF 等が挙げられる。前述のカチオンと組み合わせて用いたときの組成物の硬化性の観点から、PF 、PFOHなどのフルオロリン酸イオン類;[(CFCFPF、[(CFCFCFPF、[((CFCF)PF、[((CFCF)PF、[((CFCFCFPF、[((CFCFCFPFなどのフッ素化アルキルフルオロリン酸イオン類;(CFSO、(CFSOなどのフルオロアルカンスルホニルメチド、イミドイオン類;BF 、B(C 、B(CCF などのホウ酸イオン類;SbF 、SbFOHなどのフルオロアンチモン酸イオン類が好ましく、なかでもホウ酸イオン類が特に好ましい。
組成物におけるイオン性化合物の含有量は、重合を十分に起さしめる、あるいは、正孔輸送性を十分に向上させる観点から、第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの質量に対し、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。また、成膜性や耐熱性の観点から、第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの質量に対し、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。
(溶媒)
組成物は、溶媒をさらに含んでいてもよい。溶媒としては、組成物を用いて塗布層を形成することが可能な溶媒を用いることができ、好ましくは第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー及びイオン性化合物を溶解しうる溶媒を用いることができる。
溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ペンタン、ヘキサン、オクタン等のアルカン;シクロヘキサン等の環状アルカン;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン等の芳香族炭化水素;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトン、クロロホルム、塩化メチレンなどが挙げられる。好ましくは芳香族炭化水素、脂肪族エステル、芳香族エステル、脂肪族エーテル、及び芳香族エーテルである。
組成物における溶媒の含有量は、種々の塗布方法へ適用することを考慮して定めることができる。例えば、溶媒の含有量は、溶媒に対する第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの割合が、0.1質量%以上となる量が好ましく、0.2質量%以上となる量がより好ましく、0.5質量%以上となる量がさらに好ましい。また、溶媒の含有量は、溶媒に対する第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの割合が、10質量%以下となる量が好ましく、5質量%以下となる量がより好ましく、3質量%以下となる量がさらに好ましい。
組成物は、第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー以外の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーを含有していてもよい。例えば、分岐構造を有していないポリマー又はオリゴマーや、重合可能な置換基を有していないポリマー又はオリゴマーである。第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの割合として、陽極上の凹凸を十分に覆う観点から、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの全質量に対して、50質量%を超えることが好ましく、55質量%以上がより好ましく、60質量%以上が最も好ましい。
また、組成物は、正孔輸送性の低分子化合物を含んでいてもよい。この場合、第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの割合として、被覆性を向上させる観点から、正孔輸送性を有する化合物(低分子化合物と高分子化合物(ポリマー又はオリゴマー)とを含む)の全質量に対して、50質量%を超えることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が最も好ましい。
組成物を塗布する方法としては、例えば、インクジェット法、キャスト法、浸漬法、凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、平版印刷、凸版反転オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷法、スピンコーティング法などの公知の方法が挙げられる。また、塗布後、得られた塗布層を、ホットプレート又はオーブンによって乾燥させ、溶媒を除去してもよい。
重合を開始させる契機としては、光照射、加熱等の方法が一般的であり特に制限はないが、プロセスが簡便である観点から加熱が好ましい。加熱温度・時間は、重合反応を十分に進行させることが可能であればよく、特に制限はないが、温度については、種々の基板を適用できることから、好ましくは300℃以下、より好ましくは250℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。また、重合速度を早める観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、さらに好ましくは60℃以上である。時間は、生産性を上げる観点から、好ましくは2時間以下、より好ましくは1時間以下、さらに好ましくは30分以下である。また、重合を完全に進行させる観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上、さらに好ましくは5分以上である。
光照射には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、蛍光灯、発光ダイオード、太陽光等の光源を用いることができ、加熱は、ホットプレート上又はオーブン内で行うことができる。
有機層(1)の厚さは、陽極に起因する凹凸を覆い、短絡を抑制する観点から、0.1nm以上であることが好ましく、1nm以上であることがより好ましく、5nm以上であることがさらに好ましい。また、有機エレクトロニクス素子とした際の有機層の電気抵抗を小さくする観点から、500nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることがさらに好ましい。
[有機層(2)]
有機層(2)は、分岐構造を有していない第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーを用いて形成された層である。第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーは、重合可能な置換基を有していてもよい。また、有機層(2)の形成に、イオン性化合物をさらに用いてもよい。
有機層(2)は、例えば、第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー、及び、溶媒を含有する組成物を用いて塗布層を形成し、前記塗布層を乾燥させることにより得ることができる。または、第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーとして重合可能な置換基を有するポリマー又はオリゴマーを用いて塗布層を形成し、前記塗布層を硬化させることにより得ることも可能である。
(第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー)
有機層(2)に用いられる第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーは、分岐構造を有していないポリマー又はオリゴマーである。したがって、第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーとしては、上記において説明した「正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー」の中から、分岐構造を有していないポリマー又はオリゴマーを選択して使用するものとする。
第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーは、溶解度を変化させるために、分子内に1つ以上の重合可能な置換基を含んでいてもよい。第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの溶解度を変化させることが可能であれば、有機層(2)に隣接する層を塗布により形成する際に、溶媒の選択肢が広がるため好ましい。第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーが重合可能な置換基を有する場合、溶解度を変化させるという観点からは、重合可能な置換基が、2つ又は3つ以上含まれていることが好ましい。
第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー中の前記式(1a)〜(84a)で表される単位の割合としては、十分な正孔輸送性を得るという観点から、20%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、40%以上が最も好ましい。また、上限は100%とすることも可能であり、あるいは、末端に重合可能な置換基を導入する、また、諸特性の調整を行うという観点から、99%以下が好ましく、95%以下がより好ましく、90%以下が最も好ましい。
第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーが前記共重合単位を含む場合、その割合としては、諸特性の調整を行う、または、素子の特性を向上させるという観点から、0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、5%以上が最も好ましい。また、十分な正孔輸送性を得るという観点から、99.9%以下が好ましく、99%以下がより好ましく、95%以下が最も好ましい。
第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーが重合可能な置換基を有する場合、1分子あたりの重合可能な置換基数を、重合可能な置換基を有する単位の割合で表せば、硬化性を発現させるという観点から、1%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、5%以上が最も好ましい。また、正孔輸送に寄与しないと思われる重合可能な置換基数を調整するという観点から、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、35%以下が最も好ましい。
第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの数平均分子量は、結晶化を防止し、良好な成膜性を得るという観点から、500以上であることが好ましく、1,000以上であることがより好ましく、2,000以上であることがさらに好ましい。また、有機層(2)として有機層(1)よりも緻密な膜を形成する、溶媒への良好な溶解性を保ち、塗布溶液や塗布インクの調製を容易にするなどの観点から、数平均分子量は、200,000以下であることが好ましく、100,000以下であることがより好ましく、50,000以下であることがさらに好ましい。
また、第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの重量平均分子量は、結晶化を防止し、良好な成膜性を得るという観点から、1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましく、3,000以上であることがさらに好ましい。また、有機層(2)として有機層(1)よりも緻密な膜を形成する、溶媒への良好な溶解性を保ち、塗布溶液や塗布インクの調製を容易にするなどの観点から、重量平均分子量は、200,000以下であることが好ましく、150,000以下であることがより好ましく、100,000以下であることがさらに好ましい。
第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの重量平均分子量は、第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの重量平均分子量より大きいことが好ましい。
第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの重量平均分子量(Mw1)が、第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの重量平均分子量(Mw2)より大きいとは、下記式にて求められる比の値が、1.0未満となることである。
(比の値) = (Mw2/Mw1)
比の値としては、より耐久性に優れる素子を得る観点から、0.01以上0.9以下が好ましく、0.02以上0.8以下がより好ましく、0.03以上0.7以下が最も好ましい。
また、陽極から発光層までのHOMO(最高占有軌道)準位を階段状に変化させ、正孔の輸送を効率的に行う観点から、第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの仕事関数(eV)の絶対値は、第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの仕事関数(eV)の絶対値よりも小さいことが好ましい。
第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの仕事関数の絶対値が、第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの仕事関数の絶対値より小さいとは、下記式にて求められる差が0より大きいことである。仕事関数は、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーを用いて形成した薄膜を用い、紫外光電子分光法により測定することができる。
(仕事関数の絶対値の差) =
(第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの仕事関数の絶対値) −
(第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの仕事関数の絶対値)
仕事関数の絶対値の差としては、正孔の輸送を効率的に行う観点から、0.01eV以上が好ましく、0.05eV以上がより好ましく、0.1eV以上が最も好ましい。
第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの仕事関数(eV)の絶対値を、第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの仕事関数(eV)の絶対値よりも小さくするという観点から、第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーは、フルオレン構造を有する単位を含むこと、または、ポリマー又はオリゴマーを構成する単位が置換基としてハロゲン原子により置換されたアルキル基を有することが好ましい。
有機層(2)の形成には、第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーと、溶媒とを含む組成物を用いることができる。溶媒としては、組成物を用いて塗布層を形成することが可能な溶媒を用いることができ、好ましくは第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーを溶解しうる溶媒を用いることができる。具体的には、上述の溶媒を、上述と同様の含有量で用いることが可能である。
組成物は、第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー以外の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーを含有していてもよい。例えば、分岐構造を有するポリマー又はオリゴマーである。第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの割合として、緻密な膜を形成する観点から、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの全質量に対して、50質量%を超えることが好ましく、55質量%以上がより好ましく、60質量%以上が最も好ましい。
また、組成物は、正孔輸送性の低分子化合物を含んでいてもよい。第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの割合として、膜質を向上させる観点から、正孔輸送性を有する化合物(低分子化合物と高分子化合物(ポリマー又はオリゴマー)とを含む)の全質量に対して、50質量%を超えることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
組成物には、第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの溶解度を変化させるため、及び/又は、電荷輸送性を向上させるため、イオン性化合物を用いてもよい。具体的には、上述のイオン性化合物を、上述と同様の含有量で用いることが可能である。
有機層(2)は、有機層(1)と同様の方法により形成することが可能である。有機層(2)の厚さは、正孔輸送の効率を向上させる観点から、0.1nm以上であることが好ましく、1nm以上であることがより好ましく、3nm以上であることがさらに好ましい。また、有機エレクトロニクス素子とした際の有機層の電気抵抗を小さくする観点から、500nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることがさらに好ましい。
[有機層(3)]
有機層(3)は、電荷輸送機能以外の機能を備えた有機層である。有機層(3)は、好ましくは、電荷輸送機能と、電荷輸送機能以外の機能とを備えている。電荷輸送機能以外の機能とは電荷を輸送する以外の何らかの機能であり、特に限定されないが、例えば有機EL素子では発光機能、電荷発生機能が、有機薄膜太陽電池では、電荷発生機能、電荷分離機能が挙げられる。有機層(3)の例である発光層の詳細は、後述のとおりである。
以下により本発明の実施形態である有機エレクトロニクス素子が限定されることはなく、また、詳細は定かではないが、分岐構造を有する第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーが陽極に起因する凹凸を十分に覆うとともに、分岐構造を有していない第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーが、第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーと比較して緻密な膜を形成するために、全体として耐久性および正孔の輸送性に優れる素子が得られると考えられる。また、第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーが分岐構造を有することにより、陽極および有機層間の短絡が抑制され、また、重合可能な置換基を有することにより、耐熱性に優れる素子が得られると考えられる。
<有機EL素子>
本発明の実施形態である有機エレクトロニクス素子は、既述の構成を含むことをその特徴とするものである。有機エレクトロニクス素子の例として、有機EL素子、有機光電変換素子、有機トランジスタなどが挙げられる。有機EL素子は、既述の構成を備えていれば特に限定されず、その他の層を有していてもよい。有機EL素子は、有機層(1)を正孔注入層、有機層(2)を正孔輸送層、有機層(3)を発光層として有することが好ましい。その他の層としては、電子注入層、電子輸送層などが挙げられる。また、有機EL素子は、通常、基板を有している。
以下、各層について詳細に説明する。
[発光層]
電荷輸送機能以外の機能を備えた化合物として、公知の発光層に用いる材料を使用することが可能である。発光層に用いる材料としては、低分子化合物であっても、ポリマー又はオリゴマーであってもよく、デンドリマー等も使用可能である。蛍光発光を利用する低分子化合物としては、ペリレン、クマリン、ルブレン、キナクリドン、色素レーザー用色素(例えば、ローダミン、DCM1等)、アルミニウム錯体(例えば、Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(III)(Alq))、スチルベン、これらの誘導体が挙げられる。蛍光発光を利用するポリマー又はオリゴマーとしては、ポリフルオレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン(PPV)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、フルオレンーベンゾチアジアゾール共重合体、フルオレン−トリフェニルアミン共重合体、及びこれらの誘導体や混合物が好適に利用できる。
一方、近年、有機EL素子の高効率化のため、燐光有機EL素子の開発も活発に行われている。燐光有機EL素子では、一重項状態のエネルギーのみならず三重項状態のエネルギーも利用することが可能であり、内部量子収率を原理的には100%まで上げることが可能となる。燐光有機EL素子では、燐光を発するドーパントとして、白金やイリジウムなどの重金属を含む金属錯体系燐光材料を、ホスト材料にドーピングすることで燐光発光を取り出す(M. A. Baldo et al., Nature, vol. 395, p. 151 (1998)、M. A. Baldo et al., Applied Physics Letters, vol. 75, p. 4 (1999)、M. A. Baldo et al., Nature, vol. 403, p. 750 (2000)参照。)。
本発明の実施形態である有機EL素子においても、高効率化の観点から、発光層に燐光材料を用いることが好ましい。燐光材料としては、IrやPtなどの中心金属を含む金属錯体などが好適に使用できる。具体的には、Ir錯体としては、例えば、青色発光を行うFIr(pic)〔イリジウム(III)ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジネート−N,C]ピコリネート〕、緑色発光を行うIr(ppy)〔ファク トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム〕(前記M. A. Baldo et al., Nature, vol. 403, p. 750 (2000)参照)、又は赤色発光を行う(btp)Ir(acac){ビス〔2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナート−N,C〕イリジウム(アセチル−アセトネート)}(Adachi et al., Appl. Phys. Lett., 78 no. 11, 2001, 1622参照)、Ir(piq)〔トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム〕等が挙げられる。
Pt錯体としては、例えば、赤色発光を行う2、3、7、8、12、13、17、18−オクタエチル−21H、23H−フォルフィンプラチナ(PtOEP)等が挙げられる。燐光材料は、低分子又はデンドライト種、例えば、イリジウム核デンドリマーが使用され得る。またこれらの誘導体も好適に使用できる。
また、発光層に燐光材料が含まれる場合、燐光材料の他に、ホスト材料を含むことが好ましい。ホスト材料としては、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよく、デンドリマーなども使用できる。
低分子化合物としては、例えば、α−NPD(N,N'-Di(1-naphthyl)-N,N'-diphenylbenzidine)、CBP(4,4'-Bis(carbazol-9-yl)-biphenyl)、mCP(1,3-Bis(9-carbazolyl)benzene)、CDBP(4,4'-Bis(carbazol-9-yl)-2,2'-dimethylbiphenyl)などが、高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフルオレンなどが使用でき、これらの誘導体も使用できる。
発光層は、蒸着法により形成してもよく、塗布法により形成してもよい。
塗布法により形成する場合、有機EL素子を安価に製造することができ、より好ましい。発光層を塗布法によって形成するには、燐光材料と、必要に応じてホスト材料を含む溶液を、例えば、インクジェット法、キャスト法、浸漬法、凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、平版印刷、凸版反転オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷法、スピンコーティング法などの公知の方法で所望の基体上に塗布することで行うことができる。
[陰極]
陰極材料としては、例えば、Li、Ca、Mg、Al、In、Cs、Ba、Mg/Ag、LiF、CsF等の金属又は金属合金であることが好ましい。
[陽極]
陽極としては、金属(例えば、Au)又は金属導電率を有する他の材料、例えば、酸化物(例えば、ITO:酸化インジウム/酸化錫)、導電性高分子(例えば、ポリチオフェン−ポリスチレンスルホン酸混合物(PEDOT:PSS))を使用することもできる。
[電子輸送層、電子注入層]
電子輸送層、電子注入層としては、例えば、フェナントロリン誘導体(例えば、2,9-Dimethyl-4,7-diphenyl-1,10-phenanthroline(BCP))、ビピリジン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレン、ペリレンなどの縮合環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体(例えば、2-(4-Biphenylyl)-5-(4-tert-butylphenyl-1,3,4-oxadiazole)(PBD))、アルミニウム錯体(例えば、Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(III)(Alq))などが挙げられる。さらに、前記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も用いることができる。
[基板]
有機EL素子に用いることができる基板として、ガラス、プラスチック等の種類は特に限定されることはない。また、透明の基板が好ましく、ガラス、石英、光透過性樹脂フィルム等が好ましく用いられる。樹脂フィルムを用いた場合には、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能であり(つまり、フレキシブル基板)、特に好ましい。
樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルムが挙げられる。
また、樹脂フィルムを用いる場合、水蒸気や酸素等の透過を抑制するために、樹脂フィルムへ酸化珪素や窒化珪素等の無機物をコーティングして用いてもよい。
[封止]
有機EL素子は、外気の影響を低減させて長寿命化させるため、封止されていてもよい。封止に用いる材料としては、ガラス、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、PET、PEN等のプラスチックフィルム、酸化珪素、窒化珪素等の無機物等を用いることができる。
封止の方法としては、特に限定されないが、たとえば、真空蒸着、スパッタ、塗布法等により有機EL素子上に直接形成する方法、ガラス又はプラスチックフィルムを接着剤により有機EL素子に貼り合わせる方法等が使用可能である。
[発光色]
有機EL素子における発光色は特に限定されるものではないが、白色発光素子は家庭用照明、車内照明、時計や液晶のバックライト等の各種照明器具に用いることができるため好ましい。
白色発光素子を形成する方法としては、現在のところ単一の材料で白色発光を示すことが困難であることから、複数の発光材料を用いて複数の発光色を同時に発光させて混色させることで白色発光を得ている。複数の発光色の組み合わせとしては、特に限定されるものではないが、青色、緑色、赤色の3つの発光極大波長を含有するもの、青色と黄色、黄緑色と橙色等の補色の関係を利用した2つの発光極大波長を含有するものが挙げられる。また発光色の制御は、燐光材料の種類と量を調整することによって行うことができる。
<表示素子、照明装置、表示装置>
本発明の実施形態である表示素子は、既述の有機EL素子を備えている。
例えば、赤・緑・青(RGB)の各画素に対応する素子として、記述の有機EL素子を用いることで、カラーの表示素子が得られる。
画像の形成には、マトリックス状に配置した電極でパネルに配列された個々の有機EL素子を直接駆動する単純マトリックス型と、各素子に薄膜トランジスタを配置して駆動するアクティブマトリックス型とがある。前者は、構造は単純ではあるが垂直画素数に限界があるため文字などの表示に用いる。後者は、駆動電圧は低く電流が少なくてすみ、明るい高精細画像が得られるので、高品位のディスプレイ用として用いられる。
また、本発明の実施形態である照明装置は、既述の有機EL素子を備えている。さらに、本発明の実施形態である表示装置は、照明装置と、表示手段として液晶素子と、を備えている。バックライト(白色発光光源)として上述の照明装置を用い、表示手段として液晶素子を用いた表示装置、すなわち液晶表示装置としてもよい。この構成は、公知の液晶表示装置において、バックライトのみを上述の照明装置に置き換えた構成であり、液晶素子部分は公知技術を転用することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<Pd触媒の調製>
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、室温下、サンプル管にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(73.2mg、80μmol)を秤取り、アニソール(15mL)を加え、30分間撹拌した。同様に、サンプル管にトリス(t−ブチル)ホスフィン(129.6mg、640μmol)を秤取り、アニソール(5mL)を加え、5分間撹拌した。これらの溶液を混合し室温で30分間撹拌し触媒とした。すべての溶媒は30分以上窒素バブルにより脱気した後、使用した。
<正孔輸送性ポリマー1の合成>
三口丸底フラスコに、下記モノマー1(4.0mmol)、下記モノマー2(5.0mmol)、下記モノマー3(2.0mmol)、及びアニソール(20mL)を加え、さらに調製したPd触媒溶液(7.5mL)を加えた。30分撹拌した後、10%テトラエチルアンモニウム水酸化物水溶液(20mL)を加えた。すべての溶媒は30分以上窒素バブルにより脱気した後、使用した。この混合物を2時間、加熱還流した。ここまでの全ての操作は窒素気流下で行った。
Figure 2014167976
反応終了後、有機層を水洗し、有機層をメタノール−水(9:1)に注いだ。生じた沈殿を吸引ろ過し、メタノール−水(9:1)で洗浄した。得られた沈殿をトルエンに溶解し、メタノールから再沈殿した。得られた沈殿を吸引ろ過し、トルエンに溶解し、Triphenylphosphine,polymer-bound on styrene-divinylbenzene copolymer(Strem Chemicals社、ポリマー100mgに対して200mg、以下「金属吸着剤」という。)を加えて、一晩撹拌した。撹拌終了後、金属吸着剤と不溶物をろ過して取り除き、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。濃縮液をトルエンに溶解した後、メタノール−アセトン(8:3)から再沈殿した。生じた沈殿を吸引ろ過し、メタノール−アセトン(8:3)で洗浄した。得られた沈殿を真空乾燥し、正孔輸送性ポリマー1を得た。
正孔輸送性ポリマー1の分子量を、溶離液にTHFを用いたGPC(ポリスチレン換算)により測定した。正孔輸送性ポリマー1の数平均分子量は7,800、重量平均分子量は31,000であった。正孔輸送性ポリマー1は、置換基群(B)において表される基を有する単位(モノマー1に対応)、式(1a)の単位(モノマー2に対応)、及び分岐起点構造(1b)(モノマー3に対応)を有しており、それぞれの単位の割合は、36.4%、45.5%、及び18.2%であった。
また、正孔輸送性ポリマー1の仕事関数を測定した。正孔輸送性ポリマー1のトルエン溶液(1質量%)を、窒素雰囲気中、3000min−1で石英板へスピンコートし、80℃で5分間乾燥させて、厚さ40nmの薄膜を得た。この薄膜を、大気中、表面分析装置(AC−1 理研計器株式会社製)を用い、照射光量50nWの条件で仕事関数の測定を行ったところ、5.00eVであった。以降の正孔輸送性ポリマーについても仕事関数の測定を同様に行った。
数平均分子量及び重量平均分子量の測定条件は以下のとおりである。以降の正孔輸送性ポリマーについても同様に測定を行った。
送液ポンプ :L-6050 (株)日立ハイテクノロジーズ
UV-Vis検出器 :L-3000 (株)日立ハイテクノロジーズ
カラム :Gelpack (R) GL-A160S/GL-A150S 日立化成(株)
溶離液 :THF(和光純薬製, HPLC用, 安定剤不含)
流速 :1 mL/min
カラム温度 :室温
分子量標準物質:標準ポリスチレン
<正孔輸送性ポリマー2の合成>
正孔輸送性ポリマー1におけるモノマー1、モノマー2及びモノマー3を、下記モノマー4(2.0mmol)、下記モノマー2(5.0mmol)及び下記モノマー5(4.0mmol)に変えた以外は同様にして、正孔輸送性ポリマー2の合成を行った。得られた正孔輸送性ポリマー2の数平均分子量は5,600、重量平均分子量は9,200、仕事関数は5.03eVであった。正孔輸送性ポリマー2は、置換基群(A)において表される基を有する単位(モノマー4に対応)及び式(1a)の単位(モノマー2及びモノマー5に対応)を有しており、それぞれの単位の割合は、18.2%及び81.8%であった。
Figure 2014167976
<正孔輸送性ポリマー3の合成>
正孔輸送性ポリマー2の合成におけるモノマー2をモノマー6、モノマー5をモノマー7に変えた以外は同様にして、正孔輸送性ポリマー3の合成を行った。得られた正孔輸送性ポリマー3の数平均分子量は5,600、重量平均分子量は10,000、仕事関数は5.20eVであった。正孔輸送性ポリマー3は、置換基群(A)において表される基を有する単位(モノマー4に対応)、連結基群(A)において表される基を有する単位(モノマー6に対応)、及び式(4a)の単位(モノマー7に対応)を有しており、それぞれの単位の割合は、18.2%、45.5%、及び36.4%であった。
Figure 2014167976
<正孔輸送性ポリマー4の合成>
正孔輸送性ポリマー2の合成におけるモノマー5をモノマー8に変えた以外は同様にして、正孔輸送性ポリマー4の合成を行った。得られた正孔輸送性ポリマー4の数平均分子量は5,000、重量平均分子量は9,700、仕事関数は5.45eVであった。正孔輸送性ポリマー4は、置換基群(A)において表される基を有する単位(モノマー4に対応)、式(1a)の単位(モノマー2に対応)、及び式(1a)の単位(モノマー8に対応)を有しており、それぞれの単位の割合は、18.2%、45.5%、及び36.4%であった。
Figure 2014167976
<正孔輸送性ポリマー5の合成>
正孔輸送性ポリマー3の合成におけるモノマー7をモノマー5に変えた以外は同様にして、正孔輸送性ポリマー5の合成を行った。得られた正孔輸送性ポリマー5の数平均分子量は6,000、重量平均分子量は10,400、仕事関数は5.25eVであった。正孔輸送性ポリマー5は、置換基群(A)において表される基を有する単位(モノマー4に対応)、連結基群(A)において表される基を有する単位(モノマー6に対応)、及び式(1a)の単位(モノマー5に対応)を有しており、それぞれの単位の割合は、18.2%、45.5%、及び36.4%であった。
Figure 2014167976
<有機EL素子の作製>
[実施例1]
窒素雰囲気下で、ITOを1.6mm幅にパターニングしたガラス基板上に、上記正孔輸送性ポリマーの合成で得た正孔輸送性ポリマー1(10.0mg)、下記イオン性化合物(0.5mg)、及びトルエン(2.3mL)からなるインク組成物を、3000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で220℃、10分間加熱して硬化させ、正孔注入層(30nm)を形成した。
Figure 2014167976
次に、上記操作で得た正孔注入層の上に、上記で得た正孔輸送性ポリマー2(20mg)及びトルエン(2.3mL)からなるインク組成物を、3000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で180℃、10分間加熱して乾燥させ、正孔輸送層(40nm)を形成した。正孔注入層を溶解させることなく、正孔輸送層を形成することができた。
上記で得た基板を、真空蒸着機中に移し、上記正孔輸送層上にα−NPD:Ir(piq)(5:1、20nm)、BAlq(10nm)、Alq(20nm)、LiF(0.5nm)、Al(100nm)の順に蒸着法で成膜し、封止処理を行って有機EL素子を作製した。
[実施例2]
実施例1の有機EL素子における正孔輸送層の形成工程において、正孔輸送性ポリマー2を正孔輸送性ポリマー3に変えた以外は同様にして、有機EL素子を作製した。
[比較例1]
実施例1の有機EL素子における正孔輸送層の形成工程において、正孔輸送性ポリマー2を正孔輸送性ポリマー1に変えた以外は同様にして、有機EL素子を作製した。
実施例1、2および比較例1の正孔注入層及び正孔輸送層の構成を以下の表1に示す。
Figure 2014167976
実施例1、2および比較例1で得た有機EL素子に電圧を印加したところ赤色発光が確認された。それぞれの素子について、発光輝度1000cd/m時の発光効率および初期輝度2000cd/mにおける発光寿命(輝度半減時間)を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2014167976
表に示したとおり、実施例1及び2では、発光効率が高く、駆動安定性に優れた長寿命の素子が得られた。また、実施例1及び2において、安定的かつ容易に有機EL素子を製造することができた。
[実施例3]
窒素雰囲気下で、ITOを1.6mm幅にパターニングしたガラス基板上に、上記正孔輸送性ポリマーの合成で得た正孔輸送性ポリマー1(10.0mg)、前記イオン性化合物(0.5mg)、及びトルエン(2.3mL)からなるインク組成物を、3000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で220℃、10分間加熱して硬化させ、正孔注入層(30nm)を形成した。
次に、上記操作で得た正孔注入層の上に、上記で得た正孔輸送性ポリマー2(20mg)及びトルエン(2.3mL)からなるインク組成物を、3000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で180℃、10分間加熱して乾燥させ、正孔輸送層(40nm)を形成した。
上記で得た基板を、真空蒸着機中に移し、上記正孔輸送層上にCBP:Ir(ppy)(94:6、30nm)、BAlq(10nm)、Alq(30nm)、LiF(0.8nm)、Al(100nm)の順に蒸着法で成膜し、封止処理を行って有機EL素子を作製した。
[実施例4〜6]、[比較例2〜7]
実施例3の有機EL素子における正孔注入層および正孔輸送層に含まれるポリマーを表3に示す正孔輸送性ポリマーに変えた以外は同様にして、有機EL素子を作製した。
Figure 2014167976
実施例3〜6および比較例2〜7で得た有機EL素子に電圧を印加したところ緑色発光が確認された。それぞれの素子について、発光輝度1000cd/m時の発光効率および初期輝度3000cd/mにおける発光寿命(輝度半減時間)を測定した。測定結果を表4に示す。
Figure 2014167976
表に示したとおり、実施例3〜6では、発光効率が高く、駆動安定性に優れた長寿命の素子が得られた。また、実施例3〜6において、安定的かつ容易に有機EL素子を製造することができた。
<白色有機EL素子(照明装置)の作製>
[実施例7]
窒素雰囲気下で、ITOを1.6mm幅にパターニングしたガラス基板上に、上記正孔輸送性ポリマーの合成で得た正孔輸送性ポリマー1(10.0mg)、前記イオン性化合物(0.5mg)、及びトルエン(2.3mL)からなるインク組成物を、3000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で220℃、10分間加熱して硬化させ、正孔注入層(30nm)を形成した。
次に、上記操作で得た正孔注入層の上に、上記で得た正孔輸送性ポリマー2(20mg)及びトルエン(2.3mL)からなるインク組成物を、3000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で180℃、10分間加熱して硬化させ、正孔輸送層(40nm)を形成した。正孔注入層を溶解させることなく、正孔輸送層を形成することができた。
次に、窒素雰囲気下で、CDBP(15mg)、FIr(pic)(0.9mg)、Ir(ppy)(0.9mg)、(btp)Ir(acac)(1.2mg)、及びジクロロベンゼン(0.5mL)の混合物を、3000min−1にてスピンコートし、次いで80℃で5分間乾燥させて発光層(40nm)を形成した。さらに、BAlq(10nm)、Alq(30nm)、LiF(0.5nm)、Al(100nm)の順に蒸着し、封止処理して白色有機EL素子を作製した。白色有機EL素子は、照明装置として使用することができた。正孔輸送層を溶解させることなく、発光層を形成することができた。
[比較例8]
実施例7の白色有機EL素子の作製における正孔輸送層の形成工程において、正孔輸送性ポリマー2を正孔輸送性ポリマー1に変えた以外は同様にして、白色有機EL素子を作製した。
実施例7および比較例8で得た白色有機EL素子に電圧を印加して、初期輝度1000cd/mにおける発光寿命(輝度半減時間)を測定した。実施例7の発光寿命を1とすると、比較例8の発光寿命は0.3であった。実施例7の白色有機EL素子は、発光寿命が優れていた。
以上に実施例を用いて本発明の実施形態の効果を示した。実施例において用いた正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの組み合わせ以外にも、上記で説明した正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーから選択される組み合わせを用い、有機層(1)〜(3)を有する有機エレクトロニクス素子を得ることが可能であり、得られた有機エレクトロニクス素子は、同様に優れた効果を示すものである。
1 発光層
2 陽極
3 正孔注入層
4 陰極
5 電子注入層
6 正孔輸送層
7 電子輸送層
8 基板

Claims (11)

  1. 陽極、下記有機層(1)、下記有機層(2)、下記有機層(3)、及び、陰極を、この順に有する有機エレクトロニクス素子。
    (1)分岐構造を有し、かつ、少なくとも1つの重合可能な置換基を有する第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー、及び、イオン性化合物を含有する組成物を用いて形成された有機層
    (2)分岐構造を有していない第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーを用いて形成された有機層
    (3)電荷輸送機能以外の機能を備えた有機層
  2. 前記第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの重量平均分子量が、前記第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの重量平均分子量より大きい請求項1記載の有機エレクトロニクス素子。
  3. 陽極を形成する工程、下記工程(1)、下記工程(2)、下記工程(3)、及び、陰極を形成する工程を、この順に有する有機エレクトロニクス素子の製造方法。
    (1)分岐構造を有し、かつ、少なくとも1つの重合可能な置換基を有する第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー、イオン性化合物、及び、溶媒を含有する組成物を用いて塗布層を形成し、前記塗布層を硬化させ、有機層を形成する工程
    (2)分岐構造を有していない第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー、及び、溶媒を含有する組成物を用いて有機層を形成する工程
    (3)電荷輸送機能以外の機能を備えた化合物を用いて有機層を形成する工程
  4. 前記第1の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの重量平均分子量が、前記第2の正孔輸送性ポリマー又はオリゴマーの重量平均分子量より大きい請求項3記載の有機エレクトロニクス素子の製造方法。
  5. 請求項3又は4記載の製造方法により作製された有機エレクトロニクス素子。
  6. 請求項1、2及び5いずれか記載の有機エレクトロニクス素子を用いた有機エレクトロルミネセンス素子。
  7. フレキシブル基板をさらに有する請求項6記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  8. 樹脂フィルム基板をさらに有する請求項6記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  9. 請求項6〜8いずれか記載の有機エレクトロルミネセンス素子を備えた表示素子。
  10. 請求項6〜8いずれか記載の有機エレクトロルミネセンス素子を備えた照明装置。
  11. 請求項10に記載の照明装置と、表示手段として液晶素子と、を備えた表示装置。
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