JP6221230B2 - 有機エレクトロニクス素子及びその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロニクス素子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロニクス素子、有機エレクトロニクス素子の製造方法、有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子ともいう。)、表示素子、照明装置、及び表示装置に関する。
有機エレクトロニクス素子は、有機物を用いて電気的な動作を行う素子であり、省エネルギー、低価格、柔軟性といった特長を発揮できると期待され、従来のシリコンを主体とした無機半導体に替わる技術として注目されている。
有機エレクトロニクス素子の一例として有機EL素子、有機光電変換素子、有機トランジスタなどが挙げられる。
有機エレクトロニクス素子の中でも有機EL素子は、例えば、白熱ランプ、ガス充填ランプの代替えとして、大面積ソリッドステート光源用途として注目されている。また、フラットパネルディスプレイ(FPD)分野における液晶ディスプレイ(LCD)に置き換わる最有力の自発光ディスプレイとしても注目されており、製品化が進んでいる。
有機EL素子は、使用される有機材料から、低分子型有機EL素子及び高分子型有機EL素子の2つに大別される。高分子型有機EL素子では、有機材料として高分子材料が用いられ、低分子型有機EL素子では、低分子材料が用いられる。高分子型有機EL素子は、主に真空系で成膜が行われる低分子型有機EL素子と比較して、印刷やインクジェットなどの湿式プロセスによる簡易成膜が可能なため、今後の大画面有機ELディスプレイには不可欠な素子として期待されている。
このため、湿式プロセスに適した材料の開発が進められており、例えば、特許文献1や非特許文献1に記載されているような検討が行われている。
特開2006−279007号公報
廣瀬健吾、熊木大介、小池信明、栗山晃、池畑誠一郎、時任静士、第53回応用物理学関係連合講演会、26p−ZK−4(2006)
一般に、高分子材料を使用して湿式プロセスにより作製した有機EL素子は、低コスト化、大面積化が容易であるという特長を有している。しかし、有機EL素子の特性に関しては、高分子材料を用いて作製した薄膜を含む有機EL素子は、駆動電圧、発光効率、及び発光寿命においてさらなる改善が望まれている。
本発明の実施形態は、上記に鑑み、駆動電圧が低く、発光効率及び発光寿命に優れる有機エレクトロニクス素子、及び、有機エレクトロニクス素子の安定的かつ容易な製造方法を提供することを目的とするものである。また、本発明の実施形態は、駆動電圧が低く、発光効率及び発光寿命に優れる有機EL素子、並びに、それを用いた表示素子、照明装置、及び表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、低い駆動電圧を有するとともに発光効率に優れ、長い発光寿命を有する有機エレクトロニクス素子を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の実施形態は、陽極、下記有機層(1)、下記有機層(2)、下記有機層(3)、及び、陰極を、この順に有する有機エレクトロニクス素子に関する。
(1)芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物を用いて形成された有機層
(2)正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物、及び、イオン性化合物を含む組成物を用いて形成された有機層
(3)電荷輸送機能以外の機能を備えた有機層
前記イオン性化合物は、ハロゲン原子を有するアニオンを含むことが好ましい。
また、本発明の他の実施形態は、陽極を形成する工程、下記工程(1)、下記工程(2)、下記工程(3)、及び、陰極を形成する工程を、この順に有する有機エレクトロニクス素子の製造方法に関する。
(1)重合可能な置換基を有し、かつ、芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物、イオン性化合物、及び、溶媒を含有する組成物を用いて塗布層を形成し、前記塗布層を硬化させ、有機層を形成する工程
(2)正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物、イオン性化合物、及び、溶媒を含有する組成物を用いて有機層を形成する工程
(3)電荷輸送機能以外の機能を備えた化合物を用いて有機層を形成する工程
工程(2)で用いられる組成物に含まれるイオン性化合物は、ハロゲン原子を有するアニオンを含むことが好ましい。
また、本発明の他の実施形態は、前記製造方法により作製された有機エレクトロニクス素子に関する。
さらに、本発明の他の実施形態は、前記有機エレクトロニクス素子を用いた有機エレクトロルミネセンス素子に関し、当該有機エレクトロルミネセンス素子を備えた表示素子および照明装置、並びに、当該照明装置と表示手段として液晶素子とを備えた表示装置に関する。
本発明の実施形態によれば、駆動電圧が低く、発光効率及び発光寿命に優れる有機エレクトロニクス素子、及び、有機エレクトロニクス素子の安定的かつ容易な製造方法を提供することができる。また、本発明の実施形態によれば、駆動電圧が低く、発光効率及び発光寿命に優れる有機EL素子、並びに、それを用いた表示素子、照明装置、及び表示装置を提供することができる。
有機EL素子の一例を示す模式図である。
本発明の実施形態について説明する。
<有機エレクトロニクス素子及びその製造方法>
本発明の実施形態である有機エレクトロニクス素子は、陽極、下記有機層(1)、下記有機層(2)、下記有機層(3)、及び、陰極を、この順に有する。
(1)芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物を用いて形成された有機層
(2)正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物、及び、イオン性化合物を含む組成物を用いて形成された有機層
(3)電荷輸送機能以外の機能を備えた有機層
有機エレクトロニクス素子は、有機層と有機層の間、又は、有機層と陽極若しくは陰極の間に、任意の層をさらに有していてもよい。
また、本発明である有機エレクトロニクス素子の製造方法は、陽極を形成する工程、下記工程(1)、下記工程(2)、下記工程(3)、及び、陰極を形成する工程を、この順に有する。
(1)重合可能な置換基を有し、かつ、芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物、イオン性化合物、及び、溶媒を含有する組成物を用いて塗布層を形成し、前記塗布層を硬化させ、有機層を形成する工程
(2)正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物、イオン性化合物、及び、溶媒を含有する組成物を用いて有機層を形成する工程
(3)電荷輸送機能以外の機能を備えた化合物を用いて有機層を形成する工程
有機エレクトロニクス素子の製造方法は、各工程の間に任意の工程をさらに有していてもよい。
[有機層(1)]
有機層(1)は、少なくとも芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物を用いて形成された層である。有機層(1)を、芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物と、低分子正孔輸送性化合物、イオン性化合物及び/又は溶媒とを含む組成物を用いて形成してもよい。イオン性化合物とは、少なくとも1種のカチオンと少なくとも1種のアニオンとを含む化合物である。
(芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物)
芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物は、市販のものでもよく、当業者公知の方法で合成したものであってもよく、特に制限はない。また、芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物は、芳香環を有するアミンを含む構造単位を有していればよく、特に限定されないが、例えば、下記一般式(1a)〜(14a)で表される構造単位を有する化合物であることが好ましい。
<式(1a)〜(14a)>
式中、Arは、それぞれ独立に、炭素数2〜30個のアリール基もしくはヘテロアリール基、または炭素数2〜30個のアリーレン基もしくはヘテロアリーレン基を表す。Arは置換基を有していてもよく、置換基としては、後述するEと同様の基が挙げられる。
Xは、二価の連結基であり、特に制限はないが、後述するE(但し、置換基群(A)〜(N)を除く)のうち水素原子を1つ以上有する基から、さらに1つの水素原子を除去した基や、下記連結基群(A)〜(C)において表される基が好ましい。
ここで、アリール基とは、芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた原子団であり、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル、ビフェニル−イル、ターフェニル−イル、ナフタレン−イル、アントラセン−イル、テトラセン−イル、フルオレン−イル、フェナントレン−イル等が挙げられる。
ヘテロアリール基とは、ヘテロ原子を有する芳香族化合物から水素原子1個を除いた原子団であり、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン−イル、ピラジン−イル、キノリン−イル、イソキノリン−イル、アクリジン−イル、フェナントロリン−イル、フラン−イル、ピロール−イル、チオフェン−イル、オキサゾール−イル、オキサジアゾール−イル、チアジアゾール−イル、トリアゾール−イル、ベンゾオキサゾール−イル、ベンゾオキサジアゾール−イル、ベンゾチアジアゾール−イル、ベンゾトリアゾール−イル、ベンゾチオフェン−イル等が挙げられる。
アリーレン基とは、芳香族炭化水素から水素原子2個を除いた原子団であり、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン、ビフェニル−ジイル、ターフェニル−ジイル、ナフタレン−ジイル、アントラセン−ジイル、テトラセン−ジイル、フルオレン−ジイル、フェナントレン−ジイル等が挙げられる。
ヘテロアリーレン基とは、ヘテロ原子を有する芳香族化合物から水素原子2個を除いた原子団であり、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン−ジイル、ピラジン−ジイル、キノリン−ジイル、イソキノリン−ジイル、アクリジン−ジイル、フェナントロリン−ジイル、フラン−ジイル、ピロール−ジイル、チオフェン−ジイル、オキサゾール−ジイル、オキサジアゾール−ジイル、チアジアゾール−ジイル、トリアゾール−ジイル、ベンゾオキサゾール−ジイル、ベンゾオキサジアゾール−ジイル、ベンゾチアジアゾール−ジイル、ベンゾトリアゾール−ジイル、ベンゾチオフェン−ジイル等が挙げられる。
なお、ここでの置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基(−(NH)−COR)、イミド基(−N(COR))、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基、一価の複素環基等が挙げられる。
<連結基群(A)〜(C)>
式中、Rとしては、後述するEと同様の基が挙げられる。
芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物は、分岐構造を有していない場合と分岐構造を有する場合がある。分岐構造とは、ポリマー又はオリゴマー鎖が分岐部を有し、ポリマー又はオリゴマー鎖を構成する単位を分岐部から3方向以上に向かって有する構造をいう。すなわち、芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物は、直鎖状の構造であってもよいし、主鎖が1つの分岐部を有する構造であってもよいし、複数の分岐部を有する構造であってもよい。直鎖状の構造である場合、合成に必要なモノマーの入手が容易であるという観点から好ましい。分岐部を有する構造である場合、正孔輸送性に優れる、分子量を大きくすることが容易であるという観点から好ましい。ポリマー又はオリゴマー化合物が分岐部を有する場合の、分岐の起点となる構造としては、下記分岐起点構造(1b)〜(10b)で表される構造が挙げられる。
<分岐起点構造(1b)〜(10b)>
式中、Arは、それぞれ独立に2価の連結基を表し、好ましくは前記(1a)〜(84a)におけるArと同様である。Arは置換基を有していてもよく、置換基としては、後述するEと同様の基が挙げられる。
Wは、三価の連結基を表し、好ましくは前記アリーレン基またはヘテロアリーレン基からさらに水素原子1個を除いた原子団であり、置換基を有していてもよい。
Yは、それぞれ独立に、二価の連結基を表し、好ましくは前記連結基群(C)において表される基である。
Zは、炭素原子、ケイ素原子、またはリン原子のいずれかを表す。
芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物は、溶解度や耐熱性、電気的特性の調整のため、前記構造単位の他に、前記アリーレン基またはヘテロアリーレン基、あるいは、前記連結基群(A)及び(B)において表される基(但し、前記式(1a)〜(14a)で表される単位と同じ構造を有する基を除く)を共重合単位として有していてもよい。
芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物中の前記式(1a)〜(14a)で表される単位の割合としては、十分な正孔輸送性を得るという観点から、0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、5%以上が最も好ましい。また、式(1a)〜(14a)で表される単位の割合は、100%とすることも可能であるし、あるいは、分岐の起点となる構造を導入する、諸特性の調整を行うことなどを考慮した場合、99.9%以下が好ましく、99%以下がより好ましく、95%以下が最も好ましい。なお、単位の割合は、ポリマー又はオリゴマーを合成するために使用した各単位に対応するモノマーの仕込み量比(モル比)により求めることができる。
芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物が前記分岐起点構造(1b)〜(10b)で表される単位を含む場合、その割合としては、正孔輸送性を向上させるという観点から、0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、5%以上が最も好ましい。また、ポリマー又はオリゴマーの合成を良好に行うという観点から、99.9%以下が好ましく、99%以下がより好ましく、95%以下が最も好ましい。
芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物が前記共重合単位を含む場合、その割合としては、諸特性の調整を行うという観点から、0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、5%以上が最も好ましい。また、十分な正孔輸送性を得るという観点から、99.9%以下が好ましく、99%以下がより好ましく、95%以下が最も好ましい。
芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物が共重合体である場合、共重合体は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する共重合体、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。
また、芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物は、溶解度を変化させるために、1つ以上の重合可能な置換基を含んでいることが好ましい。「重合可能な置換基」(重合性置換基)とは、重合反応を起こすことにより2分子以上の分子間で結合を形成することが可能な置換基のことである。
重合可能な置換基としては、炭素−炭素多重結合を有する基(例えば、ビニル基、アセチレン基(エチニル基)、ブテニル基、アクリル基(アクリロイル基)、アクリレート基(アクリロイルオキシ基)、アクリルアミド基(アクリロイルアミノ基)、メタクリル基(メタクリロイル基)、メタクリレート基(メタクリロイルオキシ基)、メタクリルアミド基(メタクリロイルアミノ基)、アリール基、アリル基、ビニルエーテル基(ビニルオキシ基)、ビニルアミノ基、フラン−イル基、ピロール−イル基、チオフェン−イル基、シロール−イル基等)、小員環を有する基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、エポキシ基(オキシラニル基)、オキセタン基(オキセタニル基)、ジケテン基、エピスルフィド基等)、ラクトン基、ラクタム基、またはシロキサン誘導体を含有する基等が挙げられる。また、上記基の他に、エステル結合やアミド結合を形成することが可能な基の組み合わせなども利用できる。例えば、エステル基とアミノ基、エステル基とヒドロキシル基などの組み合わせである。重合可能な置換基としては、特に、オキセタン基、エポキシ基、ビニル基、ビニルエーテル基、アクリレート基、メタクリレート基が反応性の観点から好ましく、オキセタン基が最も好ましい。
重合可能な置換基の自由度を上げ、硬化反応を生じさせやすくする観点から、ポリマー又はオリゴマー化合物においては、重合可能な置換基が、炭素数1〜8のアルキル鎖に結合していることが好ましい。また、ITOなどの親水性電極との親和性を向上させる観点からは、重合可能な置換基が親水性基に結合していることが好ましい。親水性基としては、例えば、エチレングリコール鎖やジエチレングリコール鎖などの炭素数2〜8のアルキレンオキシ鎖が挙げられる。また、重合可能な置換基を有するポリマー又はオリゴマー化合物の調製が容易になる観点という観点からは、前記アルキル鎖又はアルキレンオキシ鎖の末端部、すなわち重合可能な置換基との連結部または正孔輸送性構造(芳香族アミン構造)との連結部において、エーテル結合を有していてもよい。重合可能な置換基を含む基は、具体的には、下記置換基群(A)〜(N)で表される。
芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物は、重合可能な置換基を、分子鎖の末端に有することが好ましい。この場合、重合可能な置換基を導入するためのモノマーとして、下記置換基群(A)〜(N)において表される基を有するモノマーを用いることができる。具体的には、下記置換基群(A)〜(N)において表される基を有し、かつ、芳香族炭化水素構造又はヘテロ原子を有する芳香族化合物構造を有するモノマーが挙げられる。
<置換基群(A)〜(N)>
芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物が重合可能な置換基を有する場合、芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物1分子に含まれる重合可能な置換基数は特に限定されないが、溶解度を変化させるためには2つ以上の重合可能な置換基が含まれていることが好ましく、3つ以上の重合可能な置換基が含まれていることがさらに好ましい。
芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物が有する1分子あたりの重合可能な置換基数を、重合可能な置換基を有する単位の割合で表せば、芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物に2つ以上の重合可能な置換基を導入するという観点から、0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、3%以上が最も好ましい。前記範囲は、芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物の溶解度を変化させるという観点からも好ましい。また、良好な正孔輸送性を得るという観点から、70%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、50%以下がさらに好ましい。前記範囲は、十分な分子量を有するポリマー又はオリゴマー化合物を得るという観点からも好ましい。
芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物の数平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性を考慮して適宜、調整することができる。正孔輸送性に優れるという観点から、数平均分子量は、500以上であることが好ましく、1,000以上であることがより好ましく、2,000以上であることがさらに好ましい。また、溶媒への良好な溶解性を保ち、塗布溶液や塗布インクの調製を容易にするという観点から、数平均分子量は、1,000,000以下であることが好ましく、100,000以下であることがより好ましく、50,000以下であることがさらに好ましい。数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算の数平均分子量をいう。
また、芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物の重量平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性を考慮して適宜、調整することができる。正孔輸送性に優れるという観点から、重量平均分子量は、1,000以上であることが好ましく、5,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることがさらに好ましい。また、溶媒への良好な溶解性を保ち、塗布溶液や塗布インクの調製を容易にするという観点から、重量平均分子量は、1,000,000以下であることが好ましく、700,000以下であることがより好ましく、400,000以下であることがさらに好ましい。重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量をいう。
芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物の割合は、良好な成膜性を得る観点から、低分子正孔輸送性化合物及び/又はイオン性化合物の合計に対し、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。上限は、低分子正孔輸送性化合物及び/又はイオン性化合物の使用量に応じ、適宜定めることとする。
(イオン性化合物)
イオン性化合物の例には、芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物(又は、有機層(2)においては正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物)に対して電子受容体として作用し得る化合物及びポリマー又はオリゴマー化合物に対して重合開始剤として作用し得る化合物が含まれる。
具体的には、無機物及び有機物のいずれも用いることができ、例えば、特許文献(特開2003−031365号公報、特開2006−233162号公報)に記載された電子受容性化合物、特許第3957635号公報に記載されたスーパーブレンステッド酸化合物および誘導体のほか、例えば、以下のカチオンから選択される1種と、以下のアニオンから選択される1種を含むオニウム塩を用いることができる。
(カチオン)
カチオンとしては、例えば、H、カルベニウムイオン、アンモニウムイオン、アニリニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピロリジニウムイオン、キノリニウムイオン、イモニウムイオン、アミニウムイオン、オキソニウムイオン、ピリリウムイオン、クロメニリウム、キサンチリウムイオン、ヨードニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン、トロピリウムイオン、遷移金属を有するカチオンなどが挙げられ、カルベニウムイオン、アンモニムイオン、アニリニウムイオン、アミニウムイオン、ヨードニウムイオン、スルホニウムイオン、トロピリウムイオンが好ましい。組成物の硬化性及び保存安定性との両立の観点から、アンモニウムイオン、アニリニウムイオン、ヨードニウムイオン、スルホニウムイオンがより好ましい。
(アニオン)
アニオンとしては、例えば、F、Cl、Br、Iなどのハロゲンイオン;OH;ClO ;FSO 、ClSO 、CHSO 、CSO 、CFSO などのスルホン酸イオン類;HSO 、SO 2−などの硫酸イオン類;HCO 、CO 2−などの炭酸イオン類;HPO 、HPO 2−、PO 3−などのリン酸イオン類;PF 、PFOHなどのフルオロリン酸イオン類;[(CFCFPF、[(CFCFCFPF、[((CFCF)PF、[((CFCF)PF、[((CFCFCFPF、[((CFCFCFPFなどのフッ素化アルキルフルオロリン酸イオン類;(CFSO、(CFSOなどのフルオロアルカンスルホニルメチド、イミドイオン類;BF 、B(C 、B(CCF などのホウ酸イオン類;SbF 、SbFOHなどのフルオロアンチモン酸イオン類;AsF 、AsFOHなどのフルオロヒ素酸イオン類;AlCl 、BiF 等が挙げられる。なかでも、PF 、PFOHなどのフルオロリン酸イオン類、[(CFCFPF、[(CFCFCFPF、[((CFCF)PF、[((CFCF)PF、[((CFCFCFPFおよび[((CFCFCFPFなどのフッ素化アルキルフルオロリン酸イオン類;(CFSO、(CFSOなどのフルオロアルカンスルホニルメチド,イミドイオン類、BF 、B(C 、B(CCF などのホウ酸イオン類、SbF 、SbFOHなどのフルオロアンチモン酸イオン類を含む化合物が好ましい。
有機層(1)の形成に用いられるイオン性化合物の好ましい例としては、正孔輸送性に優れる有機層が得られるという観点から、前記スーパーブレンステッド酸化合物および誘導体、PF 、PFOHなどのフルオロリン酸イオン類、(CFSO、(CFSOなどのフルオロアルカンスルホニルメチド,イミドイオン類、B(C 、B(CCF などのホウ酸イオン類、SbF 、SbFOHなどのフルオロアンチモン酸イオン類を含む化合物が好ましい。
イオン性化合物を用いる場合、その割合は、ポリマー又はオリゴマー化合物の重合開始を促進する、あるいは、正孔輸送性を向上させる観点から、芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物に対し、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましい。また、成膜性を良好に保つ観点から、芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物に対し、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。
(低分子正孔輸送性化合物)
低分子正孔輸送性化合物は、市販のものでもよく、当業者公知の方法で合成したものであってもよく、特に制限はない。また、正孔を輸送する能力を有する原子団を含んでいればよく、特に限定されないが、正孔輸送性に優れるという観点から、芳香環を有するアミン(芳香族アミン)、カルバゾール、又はチオフェン構造を有する化合物であることが好ましく、例えば、以下の式(1)〜(58)で表される化合物であることがより好ましい。
<式(1)〜(58)>
式中、Eは、それぞれ独立に、−R、−OR、−SR、−OCOR、−COOR、−SiR、式(59)〜(61)(ただし、R〜R11は、水素原子、炭素数1〜22個の直鎖、環状もしくは分岐アルキル基、または炭素数2〜30個のアリール基もしくはヘテロアリール基を表し、a、bおよびcは、1以上の整数、好ましくは1〜4の整数を表す。)、または前記置換基群(A)〜(N)において表される基のいずれかを表す。
Arは、それぞれ独立に炭素数2〜30個のアリーレン基、もしくはヘテロアリーレン基を表す。Arは置換基を有していてもよく、置換基としては、前記Eと同様の基が挙げられる。
XおよびZは、それぞれ独立に、二価の連結基で、特に制限はないが、前記E(但し、置換基群(A)〜(N)を除く)のうち水素原子を1つ以上有する基から、さらに1つの水素原子を除去した基や、前記連結基群(A)〜(C)において表される基が好ましい。xは0〜2の整数を表す。
Yは、三価の連結基であり、特に制限はないが、前記E(但し、置換基群(A)〜(N)を除く)のうち、水素原子を2つ以上有する基から2つの水素原子を除去した基が好ましい。
ここで、アルキル基は置換基を有していてもよく、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
アリール基、ヘテロアリール基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、及び、置換基の例は、上述のとおりである。
低分子正孔輸送性化合物を用いる場合、その割合は、良好な成膜性を保つ観点から、芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物に対し、70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。
(溶媒)
溶媒としては、芳香族アミン構造を有するポリマー又はオリゴマーを用いて塗布層を形成することが可能な溶媒を用いることができ、好ましくは、芳香族アミン構造を有するポリマー又はオリゴマー化合物を溶解しうる溶媒を用いることができる。
溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ペンタン、ヘキサン、オクタン等のアルカン;シクロヘキサン等の環状アルカン;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン等の芳香族炭化水素;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトン、クロロホルム、塩化メチレンなどが挙げられる。好ましくは芳香族炭化水素、脂肪族エステル、芳香族エステル、脂肪族エーテル、及び芳香族エーテルである。
組成物における溶媒の含有量は、種々の塗布方法へ適用することを考慮して定めることができる。例えば、溶媒の含有量は、溶媒に対する芳香族アミン構造を有するポリマー又はオリゴマー化合物の割合が、0.1質量%以上となる量が好ましく、0.2質量%以上となる量がより好ましく、0.5質量%以上となる量がさらに好ましい。また、溶媒の含有量は、溶媒に対する芳香族アミン構造を有するポリマー又はオリゴマー化合物の割合が、10質量%以下となる量が好ましく、5質量%以下となる量がより好ましく、3質量%以下となる量がさらに好ましい。
有機層(1)及び有機層(2)の成膜法として、当業者公知の方法用いることができ、特に制限は無いが、塗布法が、量産性や製造コスト面で有利であるため好ましい。
組成物を塗布する方法としては、例えば、インクジェット法、キャスト法、浸漬法、凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、平版印刷、凸版反転オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷法、スピンコーティング法などの公知の方法が挙げられる。また、塗布後、得られた塗布層を、ホットプレート又はオーブンによって乾燥させ、溶媒を除去してもよい。
重合を開始させる契機としては、光照射、加熱等の方法が一般的であり特に制限はないが、プロセスが簡便である観点から加熱が好ましい。加熱温度・時間は、重合反応を十分に進行させることが可能であればよく、特に制限はないが、温度については、種々の基板を適用できることから、好ましくは300℃以下、より好ましくは250℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。また、重合速度を早める観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、さらに好ましくは60℃以上である。時間は、生産性を上げる観点から、好ましくは2時間以下、より好ましくは1時間以下、さらに好ましくは30分以下である。また、重合を完全に進行させる観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上、さらに好ましくは5分以上である。
光照射には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、蛍光灯、発光ダイオード、太陽光等の光源を用いることができ、加熱は、ホットプレート上又はオーブン内で行うことができる。
有機層(1)の厚さは、陽極と有機層(2)間の短絡を防ぐ観点から、0.1nm以上であることが好ましく、1nm以上であることがより好ましく、5nm以上であることがさらに好ましい。また、膜の電気抵抗による駆動電圧の上昇を防ぐ観点から、200nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。
[有機層(2)]
有機層(2)は、少なくとも正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物と、イオン性化合物とを含む組成物を用いて形成された層である。正孔輸送性とは、正孔を輸送する能力を有することをいう。有機層(2)を、低分子正孔輸送性化合物及び/又は溶媒をさらに含む組成物を用いて形成してもよい。
(正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物)
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物は、市販のものでもよく、当業者公知の方法で合成したものであってもよく、特に制限はない。また、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物は、正孔を輸送する能力を有する原子団を含んでいればよく、特に限定されないが、正孔輸送性に優れるという観点から、芳香環を有するアミン(芳香族アミン)、カルバゾール、又はチオフェン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物であることが好ましく、例えば、前記式(1a)〜(14a)および下記式(15a)〜(84a)で表される構造単位を有する化合物や、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン等であることがより好ましい。
<式(15a)〜(84a)>
式中、Eは、それぞれ独立に、−R、−OR、−SR、−OCOR、−COOR、−SiR、式(59)〜(61)(ただし、R〜R11は、水素原子、炭素数1〜22個の直鎖、環状もしくは分岐アルキル基、または炭素数2〜30個のアリール基もしくはヘテロアリール基を表し、a、bおよびcは、1以上の整数、好ましくは1〜4の整数を表す。)、または前記置換基群(A)〜(N)において表される基のいずれかを表す。
Arは、それぞれ独立に、炭素数2〜30個のアリーレン基もしくはヘテロアリーレン基を表す。Arは置換基を有していてもよく、置換基としては、前記Eと同様の基が挙げられる。
XおよびZは、それぞれ独立に、二価の連結基であり、特に制限はないが、前記E(但し、置換基群(A)〜(N)を除く)のうち水素原子を1つ以上有する基から、さらに1つの水素原子を除去した基や、前記連結基群(A)〜(C)において表される基が好ましい。xは0〜2の整数を表す。
Yは、三価の連結基であり、特に制限はないが、前記E(但し、置換基群(A)〜(N)を除く)のうち、水素原子を2つ以上有する基から2つの水素原子を除去した基が好ましい。
アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、及び、置換基の例は、上述のとおりである。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物は、分岐構造を有していない場合と分岐構造を有する場合とがある。すなわち、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物は、直鎖状の構造であってもよいし、主鎖が1つの分岐部を有する構造であってもよいし、複数の分岐部を有する構造であってもよい。直鎖状の構造である場合、合成に必要なモノマーの入手が容易であるという観点から好ましく、分岐部を有する構造である場合、分子量を大きくすることが容易であるという観点から好ましい。ポリマー又はオリゴマー化合物が分岐部を有する場合の、分岐の起点となる構造としては、前記分岐起点構造(1b)〜(10b)で表される構造が挙げられる。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物は、溶解度や耐熱性、電気的特性の調整のため、前記構造単位の他に、前記アリーレン基またはヘテロアリーレン基、あるいは、前記連結基群(A)及び(B)において表される基(但し、前記式(1a)〜(84a)で表される単位と同じ構造を有する基を除く)を共重合単位として有していてもよい。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物中の前記式(1a)〜(84a)で表される単位の割合としては、十分な正孔輸送性を得るという観点から、0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、5%以上が最も好ましい。また、式(1a)〜(84a)で表される単位の割合は、100%とすることも可能であるし、あるいは、分岐の起点となる構造を導入することなどを考慮した場合、99.9%以下が好ましく、99%以下がより好ましく、95%以下が最も好ましい。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物が前記分岐起点構造(1b)〜(10b)を含む場合、その割合としては、正孔輸送性を向上させるという観点から、0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、5%以上が最も好ましい。また、ポリマー又はオリゴマーの合成を良好に行うという観点から、99.9%以下が好ましく、99%以下がより好ましく、95%以下が最も好ましい。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物が前記共重合単位を含む場合、その割合としては、諸特性の調整を行うという観点から、0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、5%以上が最も好ましい。また、十分な正孔輸送性を得るという観点から、99.9%以下が好ましく、99%以下がより好ましく、95%以下が最も好ましい。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物が共重合体である場合、共重合体は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する共重合体、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物は、溶解度を変化させるために、1つ以上の重合可能な置換基を含んでいてもよい。重合可能な置換基の例は、上述のとおりである。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物は、重合可能な置換基を、分子鎖の末端に有することが好ましい。この場合、重合可能な置換基を導入するためのモノマーとして、前記置換基群(A)〜(N)において表される基を有するモノマーを用いることができる。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物が重合可能な置換基を有する場合、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物1分子に含まれる重合可能な置換基数は特に限定されないが、溶解度を変化させるためには2つ以上の重合可能な置換基が含まれていることが好ましい。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物が有する1分子あたりの重合可能な置換基数を、重合可能な置換基を有する単位の割合で表せば、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物に2つ以上の重合可能な置換基を導入するという観点から、0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、3%以上がさらに好ましい。前記範囲は、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物の溶解度を変化させるという観点からも好ましい。また、良好な正孔輸送性を得るという観点から、70%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、50%以下がさらに好ましい。前記範囲は、十分な分子量を有するポリマー又はオリゴマー化合物を得るという観点からも好ましい。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物の数平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性を考慮して適宜、調整することができる。結晶化を防止し、良好な成膜性を得るという観点から、数平均分子量は、1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましく、3,000以上であることがさらに好ましい。また、溶媒への良好な溶解性を保ち、塗布溶液や塗布インクの調製を容易にするという観点から、数平均分子量は、1,000,000以下であることが好ましく、900,000以下であることがより好ましく、800,000以下であることがさらに好ましい。
また、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物の重量平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性を考慮して適宜、調整することができる。結晶化を防止し、良好な成膜性を得るという観点から、重量平均分子量は、1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましく、3,000以上であることがさらに好ましい。また、溶媒への良好な溶解性を保ち、塗布溶液や塗布インクの調製を容易にするという観点から、重量平均分子量は、1,000,000以下であることが好ましく、900,000以下であることがより好ましく、800,000以下であることがさらに好ましい。
正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物の割合は、良好な成膜性を得る観点から、低分子正孔輸送性化合物及び/又はイオン性化合物に対し、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。上限は、低分子正孔輸送性化合物及び/又はイオン性化合物の使用量に応じ、適宜定めることとする。
(イオン性化合物)
イオン性化合物の例は上述のとおりである。有機層(2)の形成に用いられるイオン性化合物としては、有機エレクトロニクス素子の特性向上の観点から、ハロゲン原子を有するアニオンを含むイオン性化合物が好ましい。具体的には、有機エレクトロニクス素子の耐久性が優れるという観点から、PF 、PFOHなどのフルオロリン酸イオン類、(CFSO、(CFSOなどのフルオロアルカンスルホニルメチド,イミドイオン類、BF 、B(C 、B(CCF などのホウ酸イオン類、SbF 、SbFOHなどのフルオロアンチモン酸イオン類を含む化合物が好ましい。
イオン性化合物の割合は、正孔輸送性を向上させるという観点から、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物に対し、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましい。また、成膜性を良好に保つという観点から、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物に対し、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。
(低分子正孔輸送性化合物)
低分子正孔輸送性化合物の例は上述のとおりである。低分子正孔輸送性化合物の割合は、良好な成膜性を保つ観点から、正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物に対し、70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。
有機層(2)の厚さは、有機層(1)と有機層(3)間の短絡を防ぐ観点から、0.1nm以上であることが好ましく、1nm以上であることがより好ましく、5nm以上であることがさらに好ましい。また、膜の電気抵抗による駆動電圧の上昇を防ぐ観点から、200nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。
[有機層(3)]
有機層(3)は、電荷輸送機能以外の機能を備えた有機層である。有機層(3)は、好ましくは、電荷輸送機能と、電荷輸送機能以外の機能とを備えている。電荷輸送機能以外の機能とは電荷を輸送する以外の何らかの機能であり、特に限定されないが、例えば有機EL素子では発光機能、電荷発生機能が、有機薄膜太陽電池では、電荷発生機能、電荷分離機能が挙げられる。有機層(3)の例である発光層の詳細は、後述のとおりである。
以下により本発明の実施形態である有機エレクトロニクス素子が限定されることはなく、また、詳細は定かではないが、有機層(2)の形成に用いられる正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物とイオン性化合物との組み合わせにより、イオン性化合物を用いずに有機層(2)を形成する場合よりも、正孔と電子の輸送バランスが良好に調整され、全体として耐久性および正孔の輸送性に優れる素子が得られると考えられる。
<有機EL素子>
本発明の実施形態である有機エレクトロニクス素子は、既述の構成を含むことをその特徴とするものである。有機エレクトロニクス素子の例として、有機EL素子、有機光電変換素子、有機トランジスタなどが挙げられる。有機EL素子は、既述の構成を備えていれば特に限定されず、その他の層を有していてもよい。有機EL素子は、有機層(1)を正孔注入層、有機層(2)を正孔輸送層、有機層(3)を発光層として有することが好ましい。その他の層としては、電子注入層、電子輸送層などが挙げられる。また、有機EL素子は、通常、基板を有している。
以下、各層について詳細に説明する。
[発光層]
電荷輸送機能以外の機能を備えた化合物として、公知の発光層に用いる材料を使用することが可能である。発光層に用いる材料としては、低分子化合物であっても、ポリマーまたはオリゴマーであってもよく、デンドリマー等も使用可能である。蛍光発光を利用する低分子化合物としては、ペリレン、クマリン、ルブレン、キナクリドン、色素レーザー用色素(例えば、ローダミン、DCM1等)、アルミニウム錯体(例えば、Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(III)(Alq))、スチルベン、これらの誘導体があげられる。蛍光発光を利用するポリマーまたはオリゴマーとしては、ポリフルオレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン(PPV)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、フルオレンーベンゾチアジアゾール共重合体、フルオレン−トリフェニルアミン共重合体、及びこれらの誘導体や混合物が好適に利用できる。
一方、近年、有機EL素子の高効率化のため、燐光有機EL素子の開発も活発に行われている。燐光有機EL素子では、一重項状態のエネルギーのみならず三重項状態のエネルギーも利用することが可能であり、内部量子収率を原理的には100%まで上げることが可能となる。燐光有機EL素子では、燐光を発するドーパントとして、白金やイリジウムなどの重金属を含む金属錯体系燐光材料を、ホスト材料にドーピングすることで燐光発光を取り出す(M. A. Baldo et al., Nature, vol. 395, p. 151 (1998)、M. A. Baldo et al., Applied Physics Letters, vol. 75, p. 4 (1999)、M. A. Baldo et al., Nature, vol. 403, p. 750 (2000)参照。)。
本発明の実施形態である有機EL素子においても、高効率化の観点から、発光層に燐光材料を用いることが好ましい。燐光材料としては、IrやPtなどの中心金属を含む金属錯体などが好適に使用できる。具体的には、Ir錯体としては、例えば、青色発光を行うFIr(pic)〔イリジウム(III)ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジネート−N,C]ピコリネート〕、緑色発光を行うIr(ppy)〔ファク トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム〕(前記M. A. Baldo et al., Nature, vol. 403, p. 750 (2000)参照)、又は赤色発光を行う(btp)Ir(acac){ビス〔2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナート−N,C〕イリジウム(アセチル−アセトネート)}(Adachi et al., Appl. Phys. Lett., 78 no. 11, 2001, 1622参照)、Ir(piq)〔トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム〕等が挙げられる。
Pt錯体としては、例えば、赤色発光を行う2、3、7、8、12、13、17、18−オクタエチル−21H、23H−フォルフィンプラチナ(PtOEP)等が挙げられる。燐光材料は、低分子又はデンドライト種、例えば、イリジウム核デンドリマーが使用され得る。またこれらの誘導体も好適に使用できる。
また、発光層に燐光材料が含まれる場合、燐光材料の他に、ホスト材料を含むことが好ましい。ホスト材料としては、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよく、デンドリマーなども使用できる。
低分子化合物としては、例えば、α−NPD(N,N'-Di(1-naphthyl)-N,N'-diphenylbenzidine)、CBP(4,4'-Bis(carbazol-9-yl)-biphenyl)、mCP(1,3-Bis(9-carbazolyl)benzene)、CDBP(4,4'-Bis(carbazol-9-yl)-2,2'-dimethylbiphenyl)などが、高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフルオレンなどが使用でき、これらの誘導体も使用できる。
発光層は、蒸着法により形成してもよく、塗布法により形成してもよい。
塗布法により形成する場合、有機EL素子を安価に製造することができ、より好ましい。発光層を塗布法によって形成するには、燐光材料と、必要に応じてホスト材料を含む溶液を、例えば、インクジェット法、キャスト法、浸漬法、凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、平板印刷、凸版反転オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷法、スピンコーティング法などの公知の方法で所望の基体上に塗布することで行うことができる。
[陰極]
陰極材料としては、例えば、Li、Ca、Mg、Al、In、Cs、Ba、Mg/Ag、LiF、CsF等の金属又は金属合金であることが好ましい。
[陽極]
陽極としては、金属(例えば、Au)又は金属導電率を有する他の材料、例えば、酸化物(例えば、ITO:酸化インジウム/酸化錫)、導電性高分子(例えば、ポリチオフェン−ポリスチレンスルホン酸混合物(PEDOT:PSS))を使用することもできる。
[電子輸送層、電子注入層]
電子輸送層、電子注入層としては、例えば、フェナントロリン誘導体(例えば、2,9-Dimethyl-4,7-diphenyl-1,10-phenanthroline(BCP))、ビピリジン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体(2-(4-Biphenylyl)-5-(4-tert-butylphenyl-1,3,4-oxadiazole)(PBD))、アルミニウム錯体(例えば、Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(III)(Alq))などが挙げられる。さらに、前記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も用いることができる。
[基板]
有機EL素子に用いることができる基板として、ガラス、プラスチック等の種類は特に限定されることはない。また、透明の基板が好ましく、ガラス、石英、光透過性樹脂フィルム等が好ましく用いられる。樹脂フィルムを用いた場合には、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能であり(つまり、フレキシブル基板)、特に好ましい。
樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルムが挙げられる。
また、樹脂フィルムを用いる場合、水蒸気や酸素等の透過を抑制するために、樹脂フィルムへ酸化珪素や窒化珪素等の無機物をコーティングして用いてもよい。
[封止]
有機EL素子は、外気の影響を低減させて長寿命化させるため、封止されていてもよい。封止に用いる材料としては、ガラス、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、PET、PEN等のプラスチックフィルム、酸化珪素、窒化珪素等の無機物等を用いることができる。
封止の方法としては、特に限定されないが、たとえば、真空蒸着、スパッタ、塗布法等により有機EL素子上に直接形成する方法、ガラス又はプラスチックフィルムを接着剤により有機EL素子に貼り合わせる方法等が使用可能である。
[発光色]
有機EL素子における発光色は特に限定されるものではないが、白色発光素子は家庭用照明、車内照明、時計や液晶のバックライト等の各種照明器具に用いることができるため好ましい。
白色発光素子を形成する方法としては、現在のところ単一の材料で白色発光を示すことが困難であることから、複数の発光材料を用いて複数の発光色を同時に発光させて混色させることで白色発光を得ている。複数の発光色の組み合わせとしては、特に限定されるものではないが、青色、緑色、赤色の3つの発光極大波長を含有するもの、青色と黄色、黄緑色と橙色等の補色の関係を利用した2つの発光極大波長を含有するものが挙げられる。また発光色の制御は、燐光材料の種類と量を調整することによって行うことができる。
<表示素子、照明装置、表示装置>
本発明の実施形態である表示素子は、既述の有機EL素子を備えている。
例えば、赤・緑・青(RGB)の各画素に対応する素子として、記述の有機EL素子を用いることで、カラーの表示素子が得られる。
画像の形成には、マトリックス状に配置した電極でパネルに配列された個々の有機EL素子を直接駆動する単純マトリックス型と、各素子に薄膜トランジスタを配置して駆動するアクティブマトリックス型とがある。前者は、構造は単純ではあるが垂直画素数に限界があるため文字などの表示に用いる。後者は、駆動電圧は低く電流が少なくてすみ、明るい高精細画像が得られるので、高品位のディスプレイ用として用いられる。
また、本発明の実施形態である照明装置は、既述の有機EL素子を備えている。さらに、本発明の実施形態である表示装置は、照明装置と、表示手段として液晶素子と、を備えている。バックライト(白色発光光源)として上述の照明装置を用い、表示手段として液晶素子を用いた表示装置、すなわち液晶表示装置としてもよい。この構成は、公知の液晶表示装置において、バックライトのみを上述の照明装置に置き換えた構成であり、液晶素子部分は公知技術を転用することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<Pd触媒の調製>
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、室温下、サンプル管にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(73.2mg、80μmol)を秤取り、アニソール(15ml)を加え、30分間撹拌した。同様に、サンプル管にトリス(t−ブチル)ホスフィン(129.6mg、640μmol)を秤取り、アニソール(5mL)を加え、5分間撹拌した。これらの溶液を混合し室温で30分間撹拌し触媒とした。すべての溶媒は30分以上窒素バブルにより脱気した後、使用した。
<正孔輸送性ポリマー1の合成>
三口丸底フラスコに、下記モノマー1(4.0mmol)、下記モノマー2(5.0mmol)、下記モノマー3(2.0mmol)、及びアニソール(20mL)を加え、さらに調製したPd触媒溶液(7.5mL)を加えた。30分撹拌した後、10%テトラエチルアンモニウム水酸化物水溶液(20mL)を加えた。すべての溶媒は30分以上窒素バブルにより脱気した後、使用した。この混合物を2時間加熱・還流した。ここまでの全ての操作は窒素気流下で行った。
反応終了後、有機層を水洗し、有機層をメタノール−水(9:1)に注いだ。生じた沈殿を吸引ろ過し、メタノール−水(9:1)で洗浄した。得られた沈殿をトルエンに溶解し、メタノールから再沈殿した。得られた沈殿を吸引ろ過し、トルエンに溶解し、Triphenylphosphine,polymer-bound on styrene-divinylbenzene copolymer(Strem Chemicals社、ポリマー100mgに対して200mg、以下「金属吸着剤」という。)を加えて、一晩撹拌した。撹拌終了後、金属吸着剤と不溶物をろ過して取り除き、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。濃縮液をトルエンに溶解した後、メタノール−アセトン(8:3)から再沈殿した。生じた沈殿を吸引ろ過し、メタノール−アセトン(8:3)で洗浄した。得られた沈殿を真空乾燥し、正孔輸送性ポリマー1を得た。分子量は、溶離液にTHFを用いたGPC(ポリスチレン換算)により測定した。得られた正孔輸送性ポリマー1の数平均分子量は7,800、重量平均分子量は31,000であった。正孔輸送性ポリマー1は、置換基群(B)において表される基を有する単位(モノマー1に対応)、式(1a)の単位(モノマー2に対応)、及び分岐起点構造(1b)(モノマー3に対応)を有しており、それぞれの単位の割合は、36.4%、45.5%、及び18.2%であった。
数平均分子量及び重量平均分子量の測定条件は以下のとおりである。
送液ポンプ :L-6050 (株)日立ハイテクノロジーズ
UV-Vis検出器 :L-3000 (株)日立ハイテクノロジーズ
カラム :Gelpack (R) GL-A160S/GL-A150S 日立化成工業(株)
溶離液 :THF(和光純薬製, HPLC用, 安定剤不含)
流速 :1 mL/min
カラム温度 :室温
分子量標準物質:標準ポリスチレン
<正孔輸送性ポリマー2の合成>
三口丸底フラスコに前記モノマー1(3.0mmol)、前記モノマー2(5.0mmol)、前記モノマー3(2.0mmol)、下記モノマー4(1.0mmol)、及びアニソール(20ml)を加え、さらに調製したPd触媒溶液(7.5ml)を加えた。以降は正孔輸送性ポリマー1の合成と同様にして、正孔輸送性ポリマー2を合成した。得られた正孔輸送性ポリマー2の数平均分子量は22,900、重量平均分子量は169,000であった。正孔輸送性ポリマー2は、置換基群(B)において表される基を有する単位(モノマー1に対応)、式(1a)の単位(モノマー2に対応)、分岐起点構造(1b)(モノマー3に対応)、及び共重合単位(モノマー4に対応)を有しており、それぞれの単位の割合は、27.3%、45.5%、18.2%、及び9.1%であった。
<有機EL素子の作製>
[実施例1]
窒素雰囲気下で、ITOを1.6mm幅にパターニングしたガラス基板上に、上記正孔輸送性ポリマーの合成で得た正孔輸送性ポリマー1(10.0mg)、下記イオン性化合物(0.5mg)、及びトルエン(2.3mL)からなるインク組成物を、3000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で220℃、10分間加熱して硬化させ、正孔注入層(30nm)を形成した。
次に、上記操作で得た正孔注入層の上に、上記で得た正孔輸送性ポリマー2(20mg)、前記イオン性化合物(1.0mg)、及びトルエン(2.3mL)からなるインク組成物を、3000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で180℃、10分間加熱して乾燥させ、正孔輸送層(40nm)を形成した。正孔注入層を溶解させることなく、正孔輸送層を形成することができた。
上記で得た基板を、真空蒸着機中に移し、上記正孔輸送層上にCBP:Ir(ppy)(94:6、30nm)、BAlq(10nm)、Alq(30nm)、LiF(0.8nm)、Al(100nm)の順に蒸着法で成膜し、封止処理を行って有機EL素子を作製した。
[実施例2]
実施例1の有機EL素子における正孔輸送層の形成工程のインク組成物を、正孔輸送性ポリマー2(20mg)、トルエン(2.2mL)、及び下記イオン性化合物の10mg/mL酢酸ブチル溶液(100μL)からなるインク組成物に変えた以外は同様にして、有機EL素子を作製した。
[実施例3]
実施例1の有機EL素子における正孔輸送層の形成工程のインク組成物を、正孔輸送性ポリマー2(20mg)、トルエン(2.2mL)、及び下記イオン性化合物の10mg/mL酢酸ブチル溶液(100μL)からなるインク組成物に変えた以外は同様にして、有機EL素子を作製した。
[実施例4]
実施例1の有機EL素子における正孔輸送層の形成工程のインク組成物を、正孔輸送性ポリマー2(20mg)、トルエン(2.2mL)、及び下記イオン性化合物の10mg/mL酢酸ブチル溶液(100μL)からなるインク組成物に変えた以外は同様にして、有機EL素子を作製した。
[実施例5]
実施例1の有機EL素子における正孔輸送層の形成工程のインク組成物を、正孔輸送性ポリマー2(20mg)、トルエン(2.2mL)、及び下記イオン性化合物の10mg/mL酢酸ブチル溶液(100μL)からなるインク組成物に変えた以外は同様にして、有機EL素子を作製した。
[実施例6]
実施例1の有機EL素子における正孔輸送層の形成工程のインク組成物を、正孔輸送性ポリマー2(20mg)、トルエン(2.2mL)、及び下記イオン性化合物の10mg/mL酢酸ブチル溶液(100μL)からなるインク組成物に変えた以外は同様にして、有機EL素子を作製した。
[実施例7]
実施例1の有機EL素子における正孔輸送層の形成工程のインク組成物を、正孔輸送性ポリマー2(20mg)、トルエン(2.2mL)、及び下記イオン性化合物の10mg/mL酢酸ブチル溶液(100μL)からなるインク組成物に変えた以外は同様にして、有機EL素子を作製した。
[比較例1]
実施例1の有機EL素子における正孔輸送層の形成工程のインク組成物を、前記イオン性化合物を含まないインク組成物に変えた以外は同様にして、有機EL素子を作製した。
実施例1〜7および比較例1で得た有機EL素子に電圧を印加したところ緑色発光が確認された。それぞれの素子について、発光輝度1000cd/m時の駆動電圧および発光効率、初期輝度3000cd/mにおける発光寿命(輝度半減時間)を測定した。測定結果を表1に示す。
表に示したとおり、実施例1〜7の有機EL素子は、低い駆動電圧、優れた発光効率、長い発光寿命を示しており、駆動安定性に優れていた。また、実施例〜7においては、安定的かつ容易に有機EL素子を製造することができた。
[実施例8]
実施例1の有機EL素子における正孔輸送層の形成工程のインク組成物を、ポリビニルカルバゾール(20mg)、トルエン(2.3mL)、及び前記イオン性化合物(1.0mg)からなるインク組成物に変えた以外は同様にして、有機EL素子を作製した。
[比較例2]
実施例8の有機EL素子における正孔輸送層の形成工程のインク組成物を、前記イオン性化合物を含まないインク組成物に変えたこと以外は同様にして、有機EL素子を作製した。
実施例8および比較例2で得た有機EL素子に電圧を印加したところ緑色発光が確認された。それぞれの素子について、発光輝度1000cd/m時の駆動電圧および発光効率、初期輝度3000cd/mにおける発光寿命(輝度半減時間)を測定した。測定結果を表2に示す。
表に示したとおり、実施例8の有機EL素子は、低い駆動電圧、優れた発光効率、長い発光寿命を示しており、駆動安定性に優れていた。
<白色有機EL素子(照明装置)の作製>
[実施例9]
窒素雰囲気下で、ITOを1.6mm幅にパターニングしたガラス基板上に、上記正孔輸送性ポリマーの合成で得た正孔輸送性ポリマー1(10.0mg)、前記イオン性化合物(0.5mg)、及びトルエン(2.3mL)からなるインク組成物を、3000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で220℃、10分間加熱して硬化させ、正孔注入層(30nm)を形成した。
次に、上記操作で得た正孔注入層の上に、上記で得た正孔輸送性ポリマー2(20mg)、前記イオン性化合物(1.0mg)、及びトルエン(2.3mL)からなるインク組成物を、3000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で180℃、10分間加熱して硬化させ、正孔輸送層(40nm)を形成した。正孔注入層を溶解させることなく、正孔輸送層を形成することができた。
次に、窒素中、CDBP(15mg)、FIr(pic)(0.9mg)、Ir(ppy)(0.9mg)、(btp)Ir(acac)(1.2mg)、及びジクロロベンゼン(0.5mL)の混合物を、3000min−1にてスピンコートし、次いで80℃で5分間乾燥させて発光層(40nm)を形成した。さらに、BAlq(10nm)、Alq(30nm)、LiF(0.5nm)、Al(100nm)の順に蒸着し、封止処理して白色有機EL素子を作製した。白色有機EL素子は、照明装置として使用することができた。正孔輸送層を溶解させることなく、発光層を形成することができた。
[比較例3]
実施例9の白色有機EL素子の作製における正孔輸送層の形成工程において、前記イオン性化合物を使用しないこと以外は同様にして、白色有機EL素子を作製した。
実施例9および比較例3で得た白色有機EL素子に電圧を印加して、初期輝度1000cd/mでの発光寿命を測定した。実施例9の駆動電圧、発光効率、発光寿命をそれぞれ1とすると、比較例3の駆動電圧、発光効率、発光寿命はそれぞれ、1.2、0.8、0.3であった。実施例9の白色有機EL素子は、駆動電圧、発光効率、及び発光寿命が優れていた。
以上に実施例を用いて本発明の実施形態の効果を示した。実施例において用いたポリマー又はオリゴマー化合物及びイオン性化合物以外にも、上記で説明したポリマー又はオリゴマー化合物及びイオン性化合物を用い、有機層(1)〜(3)を有する有機エレクトロニクス素子を得ることが可能であり、得られた有機エレクトロニクス素子は、同様に優れた効果を示すものである。
1 発光層
2 陽極
3 正孔注入層
4 陰極
5 電子注入層
6 正孔輸送層
7 電子輸送層
8 基板

Claims (12)

  1. 陽極、下記有機層(1)、下記有機層(2)、下記有機層(3)、及び、陰極を、この
    順に有する有機エレクトロニクス素子。
    (1)芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物、及び、イオン性化
    合物を含み、前記芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物が分岐構
    造を有する組成物を用いて形成された有機層
    (2)正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物、及び、イオン性化合物を含み、前記イオン性化合物が、フルオロリン酸イオン類、フルオロアルカンスルホニルメチドイオン類、フルオロアルカンスルホニルイミドイオン類、及びフルオロアンチモン酸イオン類からなる群から選択される少なくとも1種のアニオンを含む組成物を用いて形成された有機層
    (3)電荷輸送機能以外の機能を備えた有機層
  2. 前記芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物が、下記分岐起点構
    造(1b)〜(10b)からなる群から選択される少なくとも1種の構造を有する請求項
    1記載の有機エレクトロニクス素子。
    (式中、Arは、それぞれ独立に2価の連結基を表し、Wは、三価の連結基を表し、Yは
    、二価の連結基を表し、Zは、炭素原子、ケイ素原子、またはリン原子のいずれかを表す
    。)
  3. 有機層(1)の形成に用いられる組成物における低分子正孔輸送性化合物の含有量が、
    前記芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物に対し、0〜70質量
    %である請求項1又は2記載の有機エレクトロニクス素子。
  4. 陽極を形成する工程、下記工程(1)、下記工程(2)、下記工程(3)、及び、陰極
    を形成する工程を、この順に有する有機エレクトロニクス素子の製造方法。
    (1)芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物、イオン性化合物、
    及び、溶媒を含有し、前記芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物
    が、重合可能な置換基を有し、かつ、分岐構造を有する組成物を用いて塗布層を形成し、
    前記塗布層を硬化させ、有機層を形成する工程
    (2)正孔輸送性ポリマー又はオリゴマー化合物、イオン性化合物、及び、溶媒を含有し、前記イオン性化合物が、フルオロリン酸イオン類、フルオロアルカンスルホニルメチドイオン類、フルオロアルカンスルホニルイミドイオン類、及びフルオロアンチモン酸イオン類からなる群から選択される少なくとも1種のアニオンを含む組成物を用いて有機層を形成する工程
    (3)電荷輸送機能以外の機能を備えた化合物を用いて有機層を形成する工程
  5. 前記芳香族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物が、下記分岐起点構
    造(1b)〜(10b)からなる群から選択される少なくとも1種の構造を有する請求項
    記載の有機エレクトロニクス素子の製造方法。
    (式中、Arは、それぞれ独立に2価の連結基を表し、Wは、三価の連結基を表し、Yは
    、二価の連結基を表し、Zは、炭素原子、ケイ素原子、またはリン原子のいずれかを表す
    。)
  6. 工程(1)で用いられる組成物における低分子正孔輸送性化合物の含有量が、前記芳香
    族アミン構造単位を有するポリマー又はオリゴマー化合物に対し、0〜70質量%である
    請求項4又は5記載の有機エレクトロニクス素子の製造方法。
  7. 請求項1〜いずれか記載の有機エレクトロニクス素子を用いた有機エレクトロルミネ
    センス素子。
  8. フレキシブル基板をさらに有する請求項記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  9. 樹脂フィルム基板をさらに有する請求項記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  10. 請求項いずれか記載の有機エレクトロルミネセンス素子を備えた表示素子。
  11. 請求項いずれか記載の有機エレクトロルミネセンス素子を備えた照明装置。
  12. 請求項11記載の照明装置と、表示手段として液晶素子と、を備えた表示装置。
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