JP2014166100A - 電圧均等化装置 - Google Patents

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渉 牧志
Shinji Hirose
慎司 広瀬
Mamoru Kuraishi
守 倉石
Takashi Konno
貴志 今野
Hiromasa Yoshizawa
宏昌 吉澤
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Abstract

【課題】直列接続される複数の電池の各電圧をトランスを用いて電圧均等化を行う際の電圧均等化にかかる時間の短縮化を図り、電池間のエネルギー授受の効率低下を抑えることが可能な電圧均等化装置を提供することを目的とする。
【解決手段】電圧Va〜Vcのうちの最も低い電圧Vcが2番目に低い電圧Vbに等しくなるように最も低い電圧Vcの電池Bcを充電させつつそれ以外の電池Ba、Bbを放電させた後、低い方の第1の電圧である電圧Vb、Vcが平均電圧Vaveよりオフセット電圧ΔVb、ΔVc分高くなるまで電池Bb、Bcを充電させるともに、高い方の第2の電圧である電圧Vaが平均電圧Vaveよりオフセット電圧ΔVa分低くなるまで電池Baを放電させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、直列接続される複数の電池の電圧均等化を行う電圧均等化装置に関する。
複数の充電可能な電池を直列に接続して高電圧のバッテリを実現する技術が実用化されている。この種のバッテリは、近年では、例えば、電動フォークリフト、ハイブリッド車、又は電気自動車などの車両への実装において注目されている。
ところで、複数の電池を直列に接続した状態で充電を行うと、各電池の電圧(充電容量)が不均一になることがある。また、上述のバッテリが車両に搭載される場合には、走行用モータの力行時のバッテリの放電や走行用モータの回生時のバッテリの充電が繰り返されるので、この充放電の繰り返しによっても各電池の電圧が不均一になることがある。そして、各電池の電圧の不均一は、一部の電池の劣化を促進させるおそれがあり、また、バッテリ全体として効率の低下を引き起こすことがある。なお、各電池の電圧の不均一は、各電池の製造ばらつきや経年劣化などにより生じ得る。
そのため、例えば、複数の電池のうち目標電圧よりも高い電圧の電池を放電させることにより、各電池の電圧均等化を行う電圧均等化装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、各電池からの放電電流をトランスを介して再び各電池に流すことにより、各電池の電圧均等化を行う電圧均等化装置が提案されている。
図8は、このように各電池からの放電電流をトランスを介して再び各電池に流すことにより、各電池の電圧均等化を行う電圧均等化装置の一例を示す図である。
図8に示す電圧均等化装置は、トランスTと、ダイオードDa〜Dcと、一次側スイッチSWpとを備え、直列接続される3つの電池Ba〜Bcの電圧均等化を行う。
トランスTは、一次側コイルLpと、二次側コイルLsa〜Lscとを備える。
一次側コイルLpは電池Ba〜Bc全体に一次側スイッチSWpを介して並列接続されている。また、二次側コイルLsaはダイオードDaを介して電池Baに並列接続され、二次側コイルLsbはダイオードDbを介して電池Bbに並列接続され、二次側コイルLscはダイオードDcを介して電池Bcに並列接続されている。なお、ダイオードDa〜Dcは、電池Ba〜Bcから二次側コイルLsa〜Lscへ放電電流が流れることを禁止する。
ここで、一次側スイッチSWpが継続してオン、オフすると、電池Ba〜Bc全体から一次側コイルLpへ間欠的に流れる電流により一次側コイルLpに電圧がかかり、二次側コイルLsa〜Lscにもそれぞれコイルの巻き線比に応じた電圧がかかる。例えば、電池Ba〜Bcの各電圧の平均電圧が二次側コイルLsa〜Lscにそれぞれかかる場合、電池Ba〜Bcの各電圧と平均電圧との差分に応じた電流が電池Ba〜Bcへそれぞれ流れ電池Ba〜Bcが充電される。そして、最終的に電池Ba〜Bcそれぞれの電圧が互いに等しくなると、一次側スイッチSWpのオン、オフを停止して電圧均等化を終了する。
特開2009−159794号公報
しかしながら、図8に示すように、トランスTを用いて電圧均等化を行う電圧均等化装置では、充放電後の電池Ba〜Bcの分極による電池Ba〜Bcの電圧変動を抑えるために、電池Ba〜Bcの各電圧が平均電圧に近づくにつれて電池Ba〜Bcへ流れる電流を徐々に小さくさせる必要があるが、この場合、電圧均等化にかかる時間が増大してトランスTなどで無駄に消費されてしまうエネルギーも多くなり、電池B間のエネルギー授受の効率が低下してしまう。
そこで、本発明は、直列接続される複数の電池の各電圧をトランスを用いて電圧均等化を行う際の電圧均等化にかかる時間の短縮化を図り、電池間のエネルギー授受の効率低下を抑えることが可能な電圧均等化装置を提供することを目的とする。
本発明の電圧均等化装置は、電圧検出部と、トランスと、一次側スイッチと、複数の二次側スイッチと、制御部とを備える。
前記電圧検出部は、互いに直列接続される複数の電池の各電圧を検出する。
前記トランスは、前記複数の電池全体に並列接続される一次側コイルと、前記複数の電池にそれぞれ並列接続される複数の二次側コイルとを備える。
前記一次側スイッチは、前記一次側コイルに接続される。
前記複数の二次側スイッチは、前記複数の電池と前記複数の二次側コイルとの間にそれぞれ設けられる。
前記制御部は、前記一次側スイッチをオン、オフさせている際、前記複数の二次側スイッチのうち常時オンさせている二次側スイッチに接続される電池を充電させるとともに、前記複数の二次側スイッチのうち常時オフさせている二次側スイッチに接続される電池を放電させる。
また、前記制御部は、前記電圧検出部により検出される各電圧のうち最も低い1つ以上の電圧が2番目に低い電圧と等しくなるように前記最も低い1つ以上の電圧の電池を充電させつつ少なくとも前記2番目に低い電圧の電池を放電させることを、前記電圧検出部により検出される各電圧がそれぞれ第1の電圧及びその第1の電圧よりも高い第2の電圧のどちらか一方になるまで繰り返した後、前記第1の電圧が目標電圧よりオフセット電圧分高くなるまで前記第1の電圧の電池を充電させるともに、前記第2の電圧が前記目標電圧よりオフセット電圧分低くなるまで前記第2の電圧の電池を放電させる。
これにより、各二次側スイッチの切替回数を低減させて電圧均等化にかかる時間の短縮化を図ることができるので、トランスなどで消費される無駄なエネルギーを低減させることができ、電池間のエネルギー授受の効率低下を抑えることができる。
また、充放電終了後、各電池の分極により各電圧がそれぞれ変動しても、各電圧を互いに等しくさせることができる。すなわち、各電池の分極を考慮して、各電池の各電圧が目標電圧に近づくにつれて各電池へ流す電流を徐々に小さくさせる必要がないので、各電圧の均等化にかかる時間が増大するおそれがなくなる。そのため、トランスなどで消費される無駄なエネルギーをさらに低減させることができ、電池間のエネルギー授受の効率低下をさらに抑えることができる。
本発明によれば、直列接続される複数の電池の各電圧をトランスを用いて均等化する電圧均等化装置において、電池間のエネルギー授受の効率低下を抑えることができる。
本実施形態の電圧均等化装置を示す図である。 制御部の電圧均等化動作を示すフローチャートである。 オフセット電圧の一例を示す図である。 電圧均等化時の各二次側スイッチの動作と各電池の電圧の増減の一例を示す図である。 電圧均等化時の各電池の電流と電圧の増減の一例を示す図である。 制御部の他の電圧均等化動作を示すフローチャートである。 電圧均等化時の各二次側スイッチの動作と各電池の電圧の増減の一例を示す図である。 既存の電圧均等化装置の一例を示す図である。
図1は、本実施形態の電圧均等化装置を示す図である。なお、図8に示す既存の電圧均等化装置と同じ構成には同じ符号を付しその構成の説明を省略する。
図1に示す電圧均等化装置1は、例えば、電動フォークリフト、ハイブリッド車、又は電気自動車などの車両に搭載されるバッテリ内で互いに直列接続される電池Ba〜Bc(例えば、リチウムイオン二次電池など)のそれぞれの電圧を互いに均等化する。なお、電池Ba〜Bcは、例えば、インバータ回路を介して走行用モータに電力を供給したり、照明、ヒーター、カーナビゲーション装置などの電装機器に電力を供給する。
また、電圧均等化装置1は、トランスTと、一次側スイッチSWp(例えば、MOSFETなど)と、二次側スイッチSWsa〜SWsc(例えば、MOSFETや電磁式リレーなど)と、ダイオードDa〜Dcと、電圧検出部Sva〜Svcと、制御部2とを備える。
トランスTは、一次側コイルLpと、二次側コイルLsa〜Lscとを備える。
一次側コイルLpは電池Ba〜Bc全体に一次側スイッチSWpを介して並列接続されている。また、二次側コイルLsaはダイオードDa及び二次側スイッチSWsaを介して電池Baに並列接続され、二次側コイルLsbはダイオードDb及び二次側スイッチSWsbを介して電池Bbに並列接続され、二次側コイルLscはダイオードDc及び二次側スイッチSWscを介して電池Bcに並列接続されている。二次側スイッチSWsaが常時オンすることによって電池Baの正極端子とダイオードDaのカソード端子とが電気的に接続されても、ダイオードDaにより、電池Baから二次側コイルLsaへ放電電流が流れることを禁止する。また、二次側スイッチSWsbが常時オンすることによって電池Bbの正極端子とダイオードDbのカソード端子とが電気的に接続されても、ダイオードDbにより、電池Bbから二次側コイルLsbへ放電電流が流れることを禁止する。また、二次側スイッチSWscが常時オンすることによって電池Bcの正極端子とダイオードDcのカソード端子とが電気的に接続されても、ダイオードDcにより、電池Bcから二次側コイルLscへ放電電流が流れることを禁止する。
電圧検出部Svaは電池Baの電圧Vaを検出し、電圧検出部Svbは電池Bbの電圧Vbを検出し、電圧検出部Svcは電池Bcの電圧Vcを検出する。なお、1つの電圧検出部を切り替えて電圧Va〜Vdを検出してもよい。
制御部2は、電圧均等化時、電圧検出部Sva〜Svcにより検出される電圧Va〜Vcに基づいて、一次側スイッチSWpを継続してオン、オフさせたり、二次側スイッチSWsa〜SWscをそれぞれ常時オン又は常時オフさせたりする。例えば、制御部2は、電圧均等化時、一次側スイッチSWpを継続してオン、オフさせることにより、電池Ba〜Bc全体から一次側コイルLpへ間欠的に電流を流す。これにより、一次側コイルLpに電圧がかかり、ニ次側コイルLsa〜Lscにもそれぞれコイルの巻き線比に応じた電圧がかかる。このとき、制御部2により、二次側スイッチSWsaが常時オンされると、二次側コイルLsaから電池Baに電流が流れて電池Baが充電される。同様に、制御部2により、二次側スイッチSWsbが常時オンされると、二次側コイルLsbから電池Bbに電流が流れて電池Bbが充電され、二次側スイッチSWscが常時オンされると、二次側コイルLscから電池Bcに電流が流れて電池Bcが充電される。なお、一次側スイッチSWpが継続してオン、オフしているとき、二次側スイッチSWsa〜SWscのうちの何れかの二次側スイッチSWsが常時オフしている場合、その二次側スイッチSWsに接続される電池Bへは電流が流れないため、その電池Bは充電されず放電のみ行われる。また、制御部2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はプログラマブルなデバイス(FPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device))などにより構成され、不図示の記憶部に記憶されているプログラムをCPU又はプログラマブルなデバイスが読み出して実行することにより、電圧均等化を行う。
図2は、制御部2の電圧均等化動作を示すフローチャートである。
まず、制御部2は、電圧検出部Sva〜Svcにより電圧Va〜Vcを取得し、その取得した電圧Vaを電圧Va1、電圧Vbを電圧Vb1、電圧Vcを電圧Vc1とする(S11)。
次に、制御部2は、電圧Va1〜Vc1のうち最も高い電圧Vの電池Bに接続される二次側スイッチSWsを常時オフさせるとともに、それ以外の二次側スイッチSWsを常時オンさせた後(S12)、一定時間、一次側スイッチSWpをオン、オフさせて(S13)、再度、電圧検出部Sva〜Svcにより電圧Va〜Vcを取得し、その取得した電圧Vaを電圧Va2、電圧Vbを電圧Vb2、電圧Vcを電圧Vc2とする(S14)。例えば、電圧Va1が最も高く、電圧Vb1が2番目に高く、電圧Vc1が最も低い場合、二次側スイッチSWsaが常時オフされることにより電池Baが放電され、二次側スイッチSWsb、SWscがそれぞれ常時オンされることより電池Bb、Bcがそれぞれ充電される。そのため、電圧Va2が電圧Va1よりも低くなり、電圧Vb2、Vc2が電圧Vb1、Vbc1よりも高くなる。
次に、制御部2は、電圧Va1と電圧Va2との差分の絶対値をオフセット電圧ΔVaとして求め、電圧Vb1と電圧Vb2との差分の絶対値をオフセット電圧ΔVbとして求め、電圧Vc1と電圧Vc2との差分の絶対値をオフセット電圧ΔVcとして求める(S15)。
次に、制御部2は、電圧Va2〜Vc2のうち最も低い電圧Vの電池Bに接続される二次側スイッチSWsを常時オンさせ、それ以外の二次側スイッチSWsを常時オフさせた後(S16)、電圧Va2〜Vc2のうち最も低い電圧Vと2番目に低い電圧Vとが互いに等しくなるまで一次側スイッチSWpを継続してオン、オフさせる(S17)。これにより、電圧検出部Sva〜Svcにより取得される電圧Va〜Vcは、それぞれ、第1の電圧及び第1の電圧よりも高い第2の電圧の2種類の電圧のどちらか一方の電圧になる。
次に、制御部2は、第1の電圧の電池Bに接続される二次側スイッチSWsを常時オンさせ、第2の電圧の電池Bに接続される二次側スイッチSWsを常時オフさせる(S18)。
そして、制御部2は、第1の電圧が平均電圧Vave(目標電圧)よりオフセット電圧ΔV分高くなり、第2の電圧が平均電圧Vaveよりオフセット電圧ΔV分低くなるまで一次側スイッチSWpを継続してオン、オフさせる(S19)。これにより、充電後の電池Bの分極(主に抵抗分極)により第1の電圧が平均電圧Vaveまで下降していき、放電後の電池Bの分極(主に抵抗分極)により第2の電圧が平均電圧Vaveまで上昇していくため、第1及び第2の電圧を互いに等しくさせることができ、電圧Va〜Vcを均等化させることができる。
例えば、電圧Va1〜Vc1のうち電圧Va1が最も高く電圧Vbが2番目に高く電圧Vc1が最も低い場合の制御部2の電圧均等化動作について説明する。
まず、制御部2は、最も高い電圧Va1に対応する二次側スイッチSWsaを常時オフさせるとともに、それ以外の二次側スイッチSWsb、SWscを常時オンさせた後、一定時間、一次側スイッチSWpを継続してオン、オフさせて、電圧Va2〜Vc2を取得し、オフセット電圧ΔVa〜ΔVcを求める。なお、上記一定時間は、例えば、定電流で電池Ba〜Bcを放電(又は充電)する場合において、放電開始(又は充電開始)から単位時間あたりの電池Bの電圧Vの変化量が変わるときまでの時間とする。また、オフセット電圧ΔVaは、図3(a)に示すように、放電後の電池Baの分極(主に抵抗分極など)による電圧Vaの下降分と一致するものとする。また、オフセット電圧ΔVb、ΔVcは、それぞれ、図3(b)に示すように、充電後の電池Bb、Bcの分極(主に抵抗分極)による電圧Vb、Vcの上昇分と一致するものとする。
次に、制御部2は、図4(a)に示すように、最も低い電圧Vc2に対応する二次側スイッチSWscを常時オンさせるとともに、それ以外の二次側スイッチSWsa、SWsbを常時オフさせ、一次側スイッチSWpを継続してオン、オフさせる。すると、電池Bcが充電するとともに、電池Ba、Bbがそれぞれ放電するため、図5に示すように、電圧Vc(一点鎖線)が徐々に上昇し、電圧Va(実線)及び電圧Vb(破線)が徐々に下降していく。このとき、電池Bcに流れる電流を+Iとすると、電池Bb、Bcにそれぞれ流れる電流は−0.5Iになる。なお、厳密には、電池Ba〜Bcにそれぞれ流れる電流の総和はゼロにならないが、電圧Va〜Vcの互いの差が小さいため、ここでは、電池Ba〜Bcにそれぞれ流れる電流の総和をゼロとする。
次に、制御部2は、図4(b)に示すように、電圧Vbと電圧Vcとが互いに等しくなると、すなわち、電圧Va〜Vcのうち最も高い電圧Vaを残してそれ以外の電圧Vb、Vcが互いに等しくなると、その電圧Vaに対応する二次側スイッチSWsaを常時オフさせるとともに、それ以外の電圧Vb、Vcにそれぞれ対応する二次側スイッチSWsb、SWscを常時オンさせた後、一次側スイッチSWpを継続してオン、オフさせる。すると、電池Baが放電するとともに、電池Bb、Bcがそれぞれ充電するため、図5に示すように、電圧Va(実線)が徐々に下降し、電圧Vb(破線)及び電圧Vc(一点鎖線)が徐々に上昇していく。このとき、電池Bb、Bcにそれぞれ流れる電流を+Iとすると、電池Baに流れる電流は−2Iになる。
そして、制御部2は、図4(c)や図5に示すように、電圧Vaが平均電圧Vaveよりオフセット電圧ΔVa分低くなり、電圧Vb、Vcがそれぞれ平均電圧Vaveよりオフセット電圧ΔVb、ΔVc分高くなると、一次側スイッチSWpのオン、オフを停止させるとともに、二次側スイッチSWsa〜SWscをそれぞれ常時オフさせて、電池Baの放電や電池Bb、Bcの充電を終了させる。
その後、図5に示すように、放電後の電池Baの分極により電圧Vaが平均電圧Vaveまで徐々に上昇するとともに、充電後の電圧Vb、Vcの分極により電圧Vb、Vcがそれぞれ平均電圧Vaveまで徐々に下降していく。
すなわち、制御部2は、電圧Vaが電圧Va〜Vcの平均電圧Vaveよりもオフセット電圧ΔVa分低い電圧になるまで電池Baを放電させることにより、放電後の電圧Vaを平均電圧Vaveまで変動させている。また、制御部2は、電圧Vb、Vcが平均電圧Vaveよりもオフセット電圧ΔVb、ΔVc分高い電圧になるまで電池Bb、Bcを充電させることにより、充電後の電圧Vb、Vcを平均電圧Vaveまで変動させている。これにより、図4(d)や図5に示すように、電圧Va〜Vcを均等化させることができる。
本実施形態の電圧均等化装置1では、電圧Va〜Vcのうち最も低い電圧Vと2番目に低い電圧Vとを互いに等しくさせた後、第1及び第2の電圧を互いに等しくさせることにより電圧Va〜Vcの均等化を行っているため、二次側スイッチSWsa〜SWscの2度の切り替え動作のみで電圧Va〜Vcを互いに均等化することができる。このように、本実施形態の電圧均等化装置1では、二次側スイッチSWsa〜SWscの切替回数を低減させて電圧均等化にかかる時間の短縮化を図ることができるので、トランスTなどで消費される無駄なエネルギーを低減させることができ、電池Ba〜Bc間のエネルギー授受の効率低下を抑えることができる。
また、本実施形態の電圧均等化装置1では、電圧Va〜Vcのうち最も低い電圧Vと2番目に低い電圧Vとを互いに等しくさせた後、低い方の第1の電圧が平均電圧Vaveよりオフセット電圧ΔV分高くなるまで、その低い方の電圧の電池Bを充電させるとともに、高い方の電圧が平均電圧Vaveよりオフセット電圧ΔV分低くなるまで、その高い方の電圧の電池Bを放電させる。これにより、充放電後、電池Ba〜Bcの分極により電圧Va〜Vcがそれぞれ変動しても、電圧Va〜Vcを互いに等しくさせることができる。すなわち、本実施形態の電圧均等化装置1では、電池Ba〜Bcの分極を考慮して、電池Ba〜Bcの各電圧が平均電圧に近づくにつれて電池Ba〜Bcへ流す電流を徐々に小さくさせる必要がないので、電圧Va〜Vcの均等化にかかる時間が増大するおそれがなくなる。そのため、トランスTなどで消費される無駄なエネルギーをさらに低減させることができ、電池Ba〜Bc間のエネルギー授受の効率低下をさらに抑えることができる。
なお、上述の電圧均等化装置1では、最も低い電圧Vと2番目に低い電圧Vとを互いに等しくさせた後、第1及び第2の電圧を互いに等しくさせる構成であるが、最も高い電圧Vと2番目に高い電圧Vとを互いに等しくさせた後、第1及び第2の電圧を互いに等しくさせるように構成してもよい。
図6は、そのように構成する場合における制御部2の電圧均等化動作を示すフローチャートである。
まず、制御部2は、電圧検出部Sva〜Svcにより電圧Va〜Vcを取得し、その取得した電圧Vaを電圧Va1、電圧Vbを電圧Vb1、電圧Vcを電圧Vc1とする(S21)。
次に、制御部2は、電圧Va1〜Vc1のうち最も低い電圧Vの電池Bに接続される二次側スイッチSWsを常時オンさせるとともに、それ以外の二次側スイッチSWsを常時オフさせた後(S22)、一定時間、一次側スイッチSWpをオン、オフさせて(S23)、再度、電圧検出部Sva〜Svcにより電圧Va〜Vcを取得し、その取得した電圧Vaを電圧Va2、電圧Vbを電圧Vb2、電圧Vcを電圧Vc2とする(S24)。例えば、電圧Va1が最も高く、電圧Vb1が2番目に高く、電圧Vc1が最も低い場合、二次側スイッチSWsa、SWsbがそれぞれ常時オフされることにより電池Ba、Bbがそれぞれ放電され、二次側スイッチSWscが常時オンされることにより電池Bcが充電される。そのため、電圧Va2、Vb2が電圧Va1、Vb1よりも低くなり、電圧Vc2が電圧Vc1よりも高くなる。
次に、制御部2は、電圧Va1と電圧Va2との差分の絶対値をオフセット電圧ΔVaとして求め、電圧Vb1と電圧Vb2との差分の絶対値をオフセット電圧ΔVbとして求め、電圧Vc1と電圧Vc2との差分の絶対値をオフセット電圧ΔVcとして求める(S25)。
次に、制御部2は、電圧Va2〜Vc2のうち最も高い電圧Vの電池Bに接続される二次側スイッチSWsを常時オフさせ、それ以外の二次側スイッチSWsを常時オンさせた後(S26)、電圧Va2〜Vc2のうち最も高い電圧Vと2番目に高い電圧Vとが互いに等しくなるまで一次側スイッチSWpを継続してオン、オフさせる(S27)。これにより、電圧検出部Sva〜Svcにより取得される電圧Va〜Vcは、それぞれ、第1の電圧及び第1の電圧よりも高い第2の電圧のどちらか一方の電圧になる。
次に、制御部2は、第1の電圧の電池Bに接続される二次側スイッチSWsを常時オンさせ、第2の電圧の電池Bに接続される二次側スイッチSWsを常時オフさせる(S28)。
そして、制御部2は、第1の電圧が平均電圧Vave(目標電圧)よりオフセット電圧ΔV分高くなり、第2の電圧が平均電圧Vaveよりオフセット電圧ΔV分低くなるまで一次側スイッチSWpを継続してオン、オフさせる(S29)。これにより、充電後の電池Bの分極(主に抵抗分極)により第1の電圧が平均電圧Vaveまで下降していき、放電後の電池Bの分極(主に抵抗分極)により第2の電圧が平均電圧Vaveまで上昇していくため、第1及び第2の電圧を互いに等しくさせることができ、電圧Va〜Vcを均等化させることができる。
例えば、電圧Va1〜Vc1のうち電圧Va1が最も高く電圧Vbが2番目に高く電圧Vc1が最も低い場合の制御部2の電圧均等化動作について説明する。
まず、制御部2は、最も低い電圧Vc1に対応する二次側スイッチSWscを常時オンさせるとともに、それ以外の二次側スイッチSWsa、SWsbを常時オフさせた後、一定時間、一次側スイッチSWpを継続してオン、オフさせて、電圧Va2〜Vc2を取得し、オフセット電圧ΔVa〜ΔVcを求める。
次に、制御部2は、図7(a)に示すように、最も高い電圧Va2に対応する二次側スイッチSWsaを常時オフさせるとともに、それ以外の二次側スイッチSWsb、SWscを常時オンさせ、一次側スイッチSWpを継続してオン、オフさせる。すると、電池Baが放電するとともに、電池Bb、Bcがそれぞれ充電するため、電圧Vaが徐々に下降し、電圧Vb、Vcが徐々に上昇していく。
次に、制御部2は、図7(b)に示すように、電圧Vaと電圧Vbとが互いに等しくなると、すなわち、電圧Va〜Vcのうち最も低い電圧Vcを残してそれ以外の電圧Va、Vbが互いに等しくなると、その電圧Vcに対応する二次側スイッチSWscを常時オンさせるとともに、それ以外の電圧Va、Vbにそれぞれ対応する二次側スイッチSWsa、SWsbを常時オフさせた後、一次側スイッチSWpを継続してオン、オフさせる。すると、電池Bcが充電するとともに、電池Ba、Bbがそれぞれ放電するため、電圧Vcが徐々に上昇し、電圧Va、Vbが徐々に下降していく。
そして、制御部2は、図7(c)に示すように、電圧Vcが平均電圧Vaveよりオフセット電圧ΔVc分高くなり、電圧Va、Vbがそれぞれ平均電圧Vaveよりオフセット電圧ΔVa、ΔVb分低くなると、一次側スイッチSWpのオン、オフを停止させるとともに、二次側スイッチSWsa〜SWscをそれぞれ常時オフさせて、電池Bcの充電や電池Ba、Bbの放電を終了させる。
その後、充電後の電池Bcの分極により電圧Vcが平均電圧Vaveまで徐々に下降するとともに、放電後の電圧Va、Vbの分極により電圧Va、Vbがそれぞれ平均電圧Vaveまで徐々に上昇していく。
すなわち、制御部2は、電圧Vcが平均電圧Vaveよりもオフセット電圧ΔVc分高い電圧になるまで電池Bcを充電させることにより、充電後の電圧Vcを平均電圧Vaveまで変動させている。また、制御部2は、電圧Va、Vbが平均電圧Vaveよりもオフセット電圧ΔVa、ΔVb分低い電圧になるまで電池Ba、Bbを放電させることにより、放電後の電圧Va、Vbを平均電圧Vaveまで変動させている。これにより、図7(d)に示すように、電圧Va〜Vcを均等化させることができる。
このように構成しても、電圧Va〜Vcのうち最も高い電圧Vと2番目に高い電圧Vとを互いに等しくさせた後、第1及び第2の電圧を互いに等しくさせることにより電圧Va〜Vcの均等化を行っているため、二次側スイッチSWsa〜SWscの2度の切り替え動作のみで電圧Va〜Vcを互いに均等化することができる。このように、二次側スイッチSWsa〜SWscの切替回数を低減させて電圧均等化にかかる時間の短縮化を図ることができるので、トランスTなどで消費される無駄なエネルギーを低減させることができ、電池Ba〜Bc間のエネルギー授受の効率低下を抑えることができる。
また、電圧Va〜Vcのうち最も高い電圧Vと2番目に高い電圧Vとを互いに等しくさせた後、低い方の第1の電圧が平均電圧Vaveよりオフセット電圧ΔV分高くなるまで、その低い方の電圧の電池Bを充電させるとともに、高い方の電圧が平均電圧Vaveよりオフセット電圧ΔV分低くなるまで、その高い方の電圧の電池Bを放電させる。これにより、充放電後、電池Ba〜Bcの分極により電圧Va〜Vcがそれぞれ変動しても、電圧Va〜Vcを互いに等しくさせることができる。すなわち、電池Ba〜Bcの分極を考慮して、電池Ba〜Bcの各電圧が平均電圧に近づくにつれて電池Ba〜Bcへ流す電流を徐々に小さくさせる必要がないので、電圧Va〜Vcの均等化にかかる時間が増大するおそれがなくなる。そのため、トランスTなどで消費される無駄なエネルギーをさらに低減させることができ、電池Ba〜Bc間のエネルギー授受の効率低下をさらに抑えることができる。
また、上述の電圧均等化装置1では、3つの電池Ba〜Bcの各電圧Va〜Vcを均等化する構成であるが、4つ以上の電池Ba〜Bdの各電圧Va〜Vdを均等化するように構成としてもよい。なお、二次側コイルLs、二次側スイッチSWs、ダイオードD、電圧検出部Svもそれぞれ電池Bの個数nと同じ個数n必要になる。
例えば、制御部2は、複数の電圧検出部Svnにより検出される各電圧Vnのうち最も低い1つ以上の電圧Vが2番目に低い電圧Vと等しくなるように最も低い1つ以上の電圧Vの電池Bを充電させつつ少なくとも2番目に低い電圧Vの電池Bを放電させることを、複数の電圧検出部Svnにより検出される各電圧Vnがそれぞれ低い方の第1の電圧及び高い方の第2の電圧のどちらか一方になるまで繰り返した後、低い方の第1の電圧が平均電圧Vaveよりオフセット電圧ΔV分高くなるまでその第1の電圧の電池Bを充電させるともに、高い方の第2の電圧が平均電圧Vaveよりオフセット電圧ΔV分低くなるまでその第2の電圧の電池Bを放電させる。例えば、互いに直列接続される4つの電池Ba〜Bdの各電圧Va〜Vdのうち、電圧Vaが最も高く、電圧Vbが2番目に高く、電圧Vcが3番目に高く、電圧Vdが最も低い場合では、電圧Vc、Vdを互いに等しくさせた後、電圧Vbと電圧Vc、Vdとを互いに等しくさせることにより、電圧Vb〜Vdを低い方の第1の電圧にして、電圧Vaを高い方の第2の電圧にする。
また、制御部2は、複数の電圧検出部Svnにより検出される各電圧Vnのうち最も高い1つ以上の電圧Vが2番目に高い電圧Vと等しくなるように最も高い1つ以上の電圧Vの電池Bを放電させつつ少なくとも2番目に高い電圧Vの電池Bを充電させることを、複数の電圧検出部Svnにより検出される各電圧Vnがそれぞれ低い方の第1の電圧及び高い方の第2の電圧のどちらか一方になるまで繰り返した後、低い方の第1の電圧が平均電圧Vaveよりオフセット電圧ΔV分高くなるまでその第1の電圧の電池Bを充電させるともに、高い方の第2の電圧が平均電圧Vaveよりオフセット電圧ΔV分低くなるまでその第2の電圧の電池Bを放電させる。例えば、互いに直列接続される4つの電池Ba〜Bdの各電圧Va〜Vdのうち、電圧Vaが最も高く、電圧Vbが2番目に高く、電圧Vcが3番目に高く、電圧Vdが最も低い場合では、電圧Va、Vbを互いに等しくさせた後、電圧Va、Vbと電圧Vcとを互いに等しくさせることにより、電圧Vdを低い方の第1の電圧にして、電圧Va〜Vcを高い方の第2の電圧にする。
1 電圧均等化装置
2 制御部
T トランス
Ba〜Bc 電池
SWp 一次側スイッチ
SWsa〜SWsc 二次側スイッチ
Da〜Dc ダイオード
Lp 一次側コイル
Lsa〜Lsc 二次側コイル
Sva〜Svc 電圧検出部

Claims (3)

  1. 互いに直列接続される複数の電池の各電圧を検出する電圧検出部と、
    前記複数の電池全体に並列接続される一次側コイルと、前記複数の電池にそれぞれ並列接続される複数の二次側コイルとを備えるトランスと、
    前記一次側コイルに接続される一次側スイッチと、
    前記複数の電池と前記複数の二次側コイルとの間にそれぞれ設けられる複数の二次側スイッチと、
    前記一次側スイッチをオン、オフさせている際、前記複数の二次側スイッチのうち常時オンさせている二次側スイッチに接続される電池を充電させるとともに、前記複数の二次側スイッチのうち常時オフさせている二次側スイッチに接続される電池を放電させる制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記電圧検出部により検出される各電圧のうち最も低い1つ以上の電圧が2番目に低い電圧と等しくなるように前記最も低い1つ以上の電圧の電池を充電させつつ少なくとも前記2番目に低い電圧の電池を放電させることを、前記電圧検出部により検出される各電圧がそれぞれ第1の電圧及びその第1の電圧よりも高い第2の電圧のどちらか一方になるまで繰り返した後、前記第1の電圧が目標電圧よりオフセット電圧分高くなるまで前記第1の電圧の電池を充電させるともに、前記第2の電圧が前記目標電圧よりオフセット電圧分低くなるまで前記第2の電圧の電池を放電させる
    ことを特徴とする電圧均等化装置。
  2. 互いに直列接続される複数の電池の各電圧を検出する電圧検出部と、
    前記複数の電池全体に並列接続される一次側コイルと、前記複数の電池にそれぞれ並列接続される複数の二次側コイルとを備えるトランスと、
    前記一次側コイルに接続される一次側スイッチと、
    前記複数の電池と前記複数の二次側コイルとの間にそれぞれ設けられる複数の二次側スイッチと、
    前記一次側スイッチをオン、オフさせている際、前記複数の二次側スイッチのうち常時オンさせている二次側スイッチに接続される電池を充電させるとともに、前記複数の二次側スイッチのうち常時オフさせている二次側スイッチに接続される電池を放電させる制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記電圧検出部により検出される各電圧のうち最も高い1つ以上の電圧が2番目に高い電圧と等しくなるように前記最も高い1つ以上の電圧の電池を放電させつつ少なくとも前記2番目に高い電圧の電池を充電させることを、前記電圧検出部により検出される各電圧がそれぞれ第1の電圧及びその第1の電圧よりも高い第2の電圧のどちらか一方になるまで繰り返した後、前記第1の電圧が目標電圧よりオフセット電圧分高くなるまで前記第1の電圧の電池を充電させるともに、前記第2の電圧が前記目標電圧よりオフセット電圧分低くなるまで前記第2の電圧の電池を放電させる
    ことを特徴とする電圧均等化装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電圧均等化装置であって、
    前記制御部は、前記電圧検出部により検出される各電圧の平均電圧を計算することにより前記目標電圧を求め、前記電圧検出部により検出される各電圧と一定時間充放電させた後に前記電圧検出部により検出される各電圧との差分を計算することにより前記オフセット電圧を求める
    ことを特徴とする電圧均等化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017063520A (ja) * 2015-09-24 2017-03-30 アイシン精機株式会社 蓄電デバイス
CN106849282A (zh) * 2017-04-14 2017-06-13 成都隆航科技有限公司 一种动力电池的主动均衡系统

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