JP2014164063A - プラント運転教育支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、プラント機器からの入力信号と監視画面との関連を容易に把握することにより、計装制御システムの動作を容易に理解することを目的とする。
【解決手段】本発明は、検索ルール格納部7と、抽出部としての制御ロジック解析部4と、検索部としての監視画面検索部8とを備える。検索ルール格納部7には、制御ロジックの有向グラフを辿るためのルールを記述する検索ルールが格納されている。制御ロジック解析部4は、検索ルールに基づいて、複数のノードのうちで指定された第1ノードを起点として有向グラフを辿り、到達する第2ノードを抽出する。監視画面検索部8は、抽出した第2ノードに対応する画面画像を検索する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラントの運転員に対する教育を支援するプラント運転教育支援装置に関するものである。
一般に、発電プラント等における計装制御システムは、温度および圧力等の各種センサーの値を計測し、モーターまたは弁等の制御を行う制御装置と、制御装置から出力される情報を画面等に表示して運転員に提示する運転監視装置とから構成されている。
運転員は、プラントの起動および停止時、さらには通常運転時だけでなく、プラント機器の故障または制御の異常が発生した時にも原因の究明および迅速な対応ができることが求められている。そのために運転員には、プラント機器自体の動作原理および制御操作に加え、プラント機器の計装制御システムの挙動についても理解することが求められている。
一般に、プラント機器を制御するために制御装置で実行される制御ロジックは、制御ロジック図面と呼ばれる回路図のような図的言語で記述されることが多い。制御ロジックは、信号および演算子等をノードとし、信号と演算子とを向きを有する線(リンク)で結んだ有向グラフで表される。制御ロジックにはプロセス制御、警報発信または抑制等、さまざまな処理が記述されている。
制御ロジックにおける演算結果を示す一部の信号は、監視信号として運転監視装置に伝送される。そして監視信号は、監視画面上にグラフィカルな画面部品として表示される。例えば、数値の表示、「開」または「閉」の文字列、「運転」または「停止」の文字列の表示、弁、または、ポンプ等の図形表示、さらには数値変化を時系列に示すトレンドグラフ等がある。また監視信号は、警報として表示される。
運転員が監視画面を介して行った操作指示は、操作信号として制御装置に伝送される。そして、当該信号が制御装置における制御ロジックを経ることによって、プラント機器に対する指示がなされる。
運転員は、運転監視装置における監視画面を介して操作指示を行う訓練を受けている。ここで監視画面上の表示は、運転員が操作しやすいように配慮された設計となっている。
これに対し、制御装置で実行される制御ロジックは、プロセス工学の原理に基づいて記述されたプログラムであるため、制御ロジックの記述に不慣れな運転員には理解し難い場合がある。
また、大規模なプラントを扱う計装制御システムになると、制御するプラント機器の数が増えるため、制御ロジック図面の枚数が数千枚にも及ぶ。そのため、すべての制御ロジックを把握することは難しくなる。
また、監視画面、制御ロジックおよびプラント機器の情報は別々に作成および管理されており、プラント機器からの入力が監視画面に至るまで、もしくは、監視画面からの操作がプラント機器に至るまでの知識を体系的に学ぶことは容易ではなかった。
特許文献1では、監視画面上の画面部品(グラフィックシンボル)に関連する制御ロジック図面(ロジックシート)の図面番号(シート番号)を検索するシート番号検索手段を設けることにより、監視画面上の画面部品から関連する制御ロジック図面を検索し、制御ロジックの動作を可視化するロジックモニターの画面を呼び出す機能を実現している。
特開2011−237976号公報(第3頁[0006])
特許文献1によると、シート番号検索手段により、監視画面上の画面部品に割り付けられている信号の伝送元である制御ロジック図面を、その図面番号から検索することができる。また、検索結果にもとづき、画面部品から制御ロジックの動作を可視化するロジックモニターの画面を自動的に表示することができる。これにより、画面部品に関連する制御ロジックの演算状態を容易に確認することができる。
ここで検索対象となる信号(画面部品に割り付けられている信号)は、制御ロジックを表す有向グラフの末端で、運転監視装置への出力となる監視信号である。そのため、監視信号に至る有向グラフの起点であるプラント機器からの入力信号を検索したい場合には、さらに有向グラフを逆方向に辿る必要があった。また、入力信号から出力信号までの経路について知りたい場合にも、やはり有向グラフを逆方向に辿る必要があった。
また逆に、制御ロジック図面から関連する監視画面を検索する場合、シート番号検索手段が参照しているテーブルを逆引きすることで出力となる監視信号に対応する監視画面を検索することはできるが、制御ロジックにおける出力信号に対応する監視画面を検索することができるに過ぎなかった。
よって、プラント機器からの入力信号と監視画面との関連を把握することは困難であった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、プラント機器からの入力信号と監視画面との関連を容易に把握することにより、プラントを制御する計装制御システムの動作を容易に理解することができるプラント運転教育支援装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に関するプラント運転教育支援装置は、複数のノードからなる有向グラフで記述された、プラント機器の制御するための制御ロジックの、前記有向グラフを辿るためのルールを記述する検索ルールが格納された検索ルール格納部と、前記検索ルールに基づいて、複数の前記ノードのうちで指定された第1ノードを起点として前記有向グラフを辿り、到達する第2ノードを抽出する抽出部と、前記有向グラフにおける各前記ノードと対応し、かつ、プラント機器から入力される信号値に応じて表示態様が変化する複数の画面画像のうち、抽出した前記第2ノードに対応する前記画面画像を検索する検索部とを備えることを特徴とする。
本発明の上記態様によれば、第1ノードおよび検索ルールを指定することにより、制御ロジックの有向グラフを辿って到達する第2ノードに対応する監視画面の画面部品を検索することができる。このような動作により、有向グラフにおいて経由した経路を含めた制御ロジックの動作を、第2ノードに対応する画面画像と関連付けて理解することができる。よって運転員は、プラントを制御する計装制御システムの動作を、容易に理解することができる。
第1実施形態についてプラント運転教育支援装置を示すブロック図である。 第1実施形態について検索ルールの一例を示す図である。 第1実施形態について探索パターンの一例を示す図である。 第1実施形態について演算子の一例を示す図である。 第1実施形態について演算子の組み合わせの一例を示す図である。 第1実施形態について制御ロジック図面の一例を示す図である。 第1実施形態について制御ロジック図面の一例を示す図である。 第1実施形態について制御ロジック図面の一例を示す図である。 第1実施形態について監視画面の一例を示す図である。 第1実施形態について監視画面定義情報の一例を示す図である。 第1実施形態について信号情報テーブルの一例を示す図である。 第1実施形態についてプラント機器情報テーブルの一例を示す図である。 第1実施形態について検索処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態について表示情報の一例を示す図である。 第1実施形態について表示情報の一例を示す図である。 第1実施形態について表示情報の一例を示す図である。 第1実施形態について表示情報の一例を示す図である。 第2実施形態についてプラント運転教育支援装置を示すブロック図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<構成>
図1は、本発明の第1実施形態に関するプラント運転教育支援装置100の構成を概念的に示すブロック図である。なお本構成は、例えばコンピュータによって機能的に実現される。具体的には、CPUがソフトウェアに基づいてプログラム処理することによって実現される。
図1に示されるようにプラント運転教育支援装置100は、検索処理実行部3と、制御ロジック解析部4と、制御ロジック図面格納部5と、探索パターン格納部6と、検索ルール格納部7と、監視画面検索部8と、監視画面格納部9と、表示情報生成部10と、信号情報格納部11と、プラント機器情報格納部12とを備える。また、図1に示されるように、外部には、プラント運転教育支援装置100と通信可能な表示装置1と、入力装置2とが備えられる。
表示装置1は、表示情報生成部10からの出力信号に基づいて、表示を行う。
入力装置2は、信号の入力を受け付け、さらに入力された信号に基づいて検索処理実行部3に対して出力を行う。
制御ロジック図面格納部5は、制御ロジックを記述した制御ロジック図面を格納している。制御ロジック図面格納部5は、表示情報生成部10および制御ロジック解析部4に対して出力を行う。
探索パターン格納部6は、1または複数の探索パターンを格納している。制御ロジック解析部4に対して出力を行う。探索パターンについては後述する。
検索ルール格納部7は、検索ルールを格納している。検索処理実行部3および制御ロジック解析部4に対して出力を行う。検索ルールについては後述する。
信号情報格納部11は、図面番号を記述する信号情報を格納している。信号情報格納部11は、検索処理実行部3および制御ロジック解析部4に対して出力を行う。
制御ロジック解析部4は、信号情報格納部11に格納された信号情報が記述する図面番号を取得する。そして制御ロジック解析部4は、当該図面番号に基づいて、制御ロジック図面格納部5から制御ロジック図面を取り出す。
さらに制御ロジック解析部4は、検索ルール格納部7に格納された検索ルールと、探索パターン格納部6に格納された探索パターンとを参照しながら、制御ロジックの有向グラフを辿る。
監視画面格納部9は、監視画面の情報、および、監視画面定義情報を格納している。表示情報生成部10および監視画面検索部8に対して出力を行う。
監視画面検索部8は、監視画面格納部9から検索対象となる信号に関連する監視画面を検索する。そして監視画面検索部8は、検索処理実行部3に対して出力を行う。
検索処理実行部3は、入力装置2からの出力信号、および、検索ルール格納部7の検索ルールに基づいて、制御ロジック解析部4および監視画面検索部8から必要な情報を抽出する。
さらに検索処理実行部3は、信号情報格納部11の信号情報およびプラント機器情報格納部12のプラント機器に関する情報を抽出して、これらに基づく出力を表示情報生成部10に対して行う。
表示情報生成部10は、監視画面格納部9、制御ロジック図面格納部5および検索処理実行部3からの出力に基づいて検索結果から運転員に提示する情報を生成し、さらに表示装置1に対して出力を行う。
プラント機器情報格納部12は、プラント機器に関する情報を格納する。
なお、上記の各格納部は、例えばHDDまたはメモリ等によって構成される。また各格納部は、プラント運転教育支援装置100の外部に設置された記憶領域であってもよい。
図2は、検索ルール格納部7に格納されている検索ルールの例を示した図である。
図2に示されるように検索ルールは、有向グラフを辿るためのルールを記述するデータであり、識別子となるIDと、それぞれのIDに対応する検索モードと、それぞれのIDに対応する検索手順と、制御ロジックの有向グラフを辿る際に利用する利用探索パターンとから構成されている。
図3は、探索パターン格納部6に格納されている探索パターンの例を示した図である。
図3に示されるように各探索パターンでは、制御ロジックの有向グラフを辿る際のパターンがそれぞれ定義されている。
図4は、図3に示された探索パターンの例で使われている演算子の例を示した図であり、図5は、その演算子の組合せの例を示した図である。
図4および図5に記述されている制御ロジックにおいて、破線矢印はアナログ値、実線矢印はデジタル値をそれぞれ表している。
図4に示された演算子41は上限検定演算子であり、入力信号41aの値がしきい値を超えていた場合に、出力信号41bがON状態(出力状態)となる。
演算子42は下限検定演算子であり、入力信号42aの値がしきい値を下回っていた場合に、出力信号42bがON状態(出力状態)となる。
演算子43はフリップフロップ演算子である。演算子43は、セット側の入力信号S(43a)がON状態になると出力信号43cがON状態となり、リセット側の入力信号R(43b)がON状態になると出力信号43cがOFF状態となる。
また、図5に示された演算子44はNOT演算子であり、演算子45はAND演算子である。演算子44には入力信号B(44a)が入力され、演算子44の出力信号は、演算子45へ入力されている。演算子45には、入力信号A(45a)も入力され、出力信号45bが出力される。
図3に示された探索パターン1(アナログ信号が入力された演算子の出力がデジタル信号である場合には、当該演算子以降の有向グラフを辿らない)で制御ロジックの有向グラフを辿る場合には、図4に示された演算子41および演算子42は探索パターンに合致するため、演算子41および演算子42以降は辿らないことになる。
一方で探索パターン2(アナログ信号が入力された検定演算子の出力であるデジタル信号を辿る)で制御ロジックの有向グラフを辿る場合には、演算子41および演算子42以降の制御ロジックの有向グラフを辿ることになる。
また探索パターン4(NOT演算子からAND演算子へ接続がなされている場合には、AND演算子の他方の入力を逆方向に辿る)で制御ロジックの有向グラフを辿る場合には、図5に示された演算子44および演算子45の組合せが該当するため、入力信号B(44a)を辿る場合、演算子45への他方の入力信号である入力信号A(45a)を逆方向に辿ることになる。
図6〜図8は、制御ロジックの例を示した図である。なお、図6〜図8に記述されている制御ロジックにおいて、破線矢印はアナログ値、実線矢印はデジタル値をそれぞれ表している。
図6は、プラント機器からのプロセス値(プラントの状態を表す状態量)の上限検定に関する制御ロジック図面の例を示した図である。
図7は、弁の開閉に関する制御ロジック図面の例を示した図である。
図8は、警報ブロックスイッチに関する制御ロジック図面の例を示した図である。
図9は、監視画面格納部9に格納されている監視画面の画面例を示した図である。
図9に示された画面S1では、アナログの信号の値に応じて数値表示81a(画面部品)の値が、デジタルの信号の値に応じて弁81b(画面部品)の表示がそれぞれ変更される。ここで、画面部品を含む監視画面に表示される画像を画面画像とする。
また図9に示された画面S2では、アナログの信号の値に応じてトレンドグラフ82(画面部品)の表示が変更される。
また図9に示された画面S3では、アナログの信号の値に応じて棒グラフ83(画面部品)の表示が変更される。
また図9に示された画面S4では、弁を開閉するための操作器84(画面部品)が示されている。
図10は、監視画面格納部9に格納されている監視画面定義情報の例を示した図である。図10に示されるように監視画面定義情報は、画面番号と、それぞれの画面番号に対応する部品番号と、それぞれの画面番号に対応する表示種別と、各画面部品に割り付けられている信号と、各画面部品の表示に関する情報である表示情報(図10では表示位置に関する情報)とから構成されている。監視画面上に表示される画面部品には一意の部品番号が割り振られている。
図11は、信号情報格納部11に格納されている信号情報のテーブルの例を示した図である。図11に示されるように信号情報は、信号名と、各信号名に対応する図面番号と、各信号のアナログとデジタルとの識別と、信号種別(計器入力信号、監視信号、警報信号または操作信号等)と、信号表示名(出口温度または給水弁等)とから構成されている。
図12は、プラント機器情報格納部12に格納されているプラント機器に関する情報のテーブルの例を示した図である。図12に示されるようにプラント機器に関する情報は、機器番号と、各機器番号に対応する機器名と、機器情報と、信号名と、各信号のアナログとデジタルとの識別と、各信号の入力と出力との識別とから構成されている。
次に、図6〜図8に記載されている制御ロジックについて詳細に説明する。
図6では、温度センサーからの値である入力信号PAI0001(501)が既定値(しきい値)を上回った場合、警報信号AL0001(503)が出力される。これは、入力信号PAI0001が上限検定演算子502に接続(入力)され、その出力が警報信号AL0001に接続(出力)されることにより記述されている。また、入力信号PAI0001の値が、そのままアナログの監視信号TA0001(504)としても出力されている。
図7は、運転員が監視画面上の操作器から弁の開ボタンまたは閉ボタンを押した場合の、弁からの出力される開閉状態を示す信号について記述する制御ロジックである。
弁の開ボタンが押された場合は、開操作信号DO001O(601)がON状態となり、接続されたフリップフロップ演算子603のセット側に入力される。さらに、接続された機器への閉操作信号PDO001(604)がON状態となり、弁の開操作信号がON状態となる。
一方で、弁の閉ボタンが押された場合は、閉操作信号DO001C(602)がOFF状態となり、接続されたフリップフロップ演算子603のリセット側に入力される。これによって、弁の開操作信号がOFF状態となる。
また、弁の開状態を示す入力信号PDI001L(605)、および、弁の閉状態を示す入力信号PDI001H(606)はそれぞれ、弁の開状態を示す監視信号DI001L(607)、および、弁の閉状態を表す監視信号DI001H(608)として運転監視装置へ伝送される。
図8は、警報ブロックスイッチに関する制御ロジック図面の例を示した図である。ここで警報ブロックスイッチとは、例えばメンテナンス中でプラント機器が正常に動作していない場合に、不要な警報を抑制するためのスイッチである。
図8では、警報ブロックスイッチが押された場合、押下信号PBL0001(701)が出力され、接続された警報ブロック信号BL0001(702)がON状態となる。押下信号PBL0001(701)はNOT演算子703に接続され、NOT演算子703の出力が3つのAND演算子に接続されている。
各AND演算子は、それぞれ入力信号DI0002(704)、入力信号DI0003(705)または入力信号DI0004(706)を他方の入力として有し、出力としてそれぞれ警報信号AL0002(707)、警報信号AL0003(708)または警報信号AL0004(709)に接続されている。
押下信号PBL0001(701)がON状態の場合、NOT演算子703の出力値、すなわちOFFの値が各AND演算子の入力値となり、AND演算子の出力値はすべてOFF状態となる。これはすなわち、警報信号AL0002(707)、警報信号AL0003(708)または警報信号AL0004(709)それぞれの入力元である入力信号DI0002(704)、入力信号DI0003(705)または入力信号DI0004(706)を無効化する処理となっている。なお図8では省略しているが、入力信号DI0002(704)、入力信号DI0003(705)および入力信号DI0004(706)の先には入力となる接続が存在している。
<動作>
次に、上記の各具体例について、本実施形態に関するプラント運転教育支援装置の機能を説明する。当該説明において、図1に示された構成を随時参照する。
まず入力装置2が、運転員から入力される検索モードと入力信号とを受け付ける。
例えば図6の例では、プラント機器からの入力信号PAI0001(501)に関連する画面部品(画面画像)を知りたい場合、検索モードのIDとして「1」を、信号として「PAI0001」をそれぞれ入力する。
ここで、本装置の具体的な動作について、図13に示されたプラント運転教育支援装置の動作を示すフローチャートに基づいて説明する。
検索処理実行部3は、検索ルールに記載されている検索手順に従って処理を進めていく。
まず、ステップS1では、検索処理実行部3が、制御ロジックから信号を抽出する必要があるか否かを判断する。当該判断は、検索ルール格納部7において格納されている検索ルールを参照することによって行われる。抽出する必要がある場合にはステップS2へ進み、抽出する必要がない場合はステップS4へ進む。
例えば図2を参照すると、IDが「1」の検索手順において、制御ロジックから信号を抽出する必要があるため、ステップS2に進む。
ステップS2では、検索処理実行部3が、制御ロジック解析部4に入力信号および検索ルールを指定し、制御ロジックから該当する信号を抽出するよう制御ロジック解析部4に依頼する。例えば、検索ルールのIDの「1」と入力信号「PAI0001」を指定する。
ステップS2での信号抽出処理の詳細について、さらに説明する。
抽出部としての制御ロジック解析部4は、信号情報格納部11に格納されている信号情報テーブルから入力信号が記述されている図面番号を取得し、当該図面番号に基づいて、制御ロジック図面格納部5から該当する制御ロジック図面を取り出す。図6では、図面Z1が該当する。そして制御ロジック解析部4は、取り出した制御ロジックにおける、第1ノードとしての入力信号PAI0001(501)を特定する。
次に制御ロジック解析部4は、検索ルールが利用する探索パターンを探索パターン格納部6から選択して取り出す。ここでは探索パターン1が該当する。なお、検索パターンが1つしか格納されていない場合には、その検索パターンを取り出す。そして制御ロジック解析部4は、取り出した検索パターンに従って、第1ノードとしての入力信号PAI0001(501)を起点として有向グラフを辿る。
図6では、入力信号PAI0001(501)は上限検定演算子502と監視信号TA0001(504)とに接続されているが、探索パターン1により、上限検定演算子502以降は追跡対象外となる。よって、監視信号TA0001(504)までの経路に限定される。
監視信号TA0001(504)は制御ロジックの末端の信号であるため、ここで検索処理を終了する。また、有向グラフを辿ることで到達した監視信号TA0001(504)は第2ノードに対応する。
ステップS3では、制御ロジック解析部4が、抽出された監視信号TA0001(504)に関して、信号情報格納部11に格納されている信号情報テーブルから信号情報を取得する。ここでは、アナログの監視信号であることがわかる。そのため検索結果として、監視信号TA0001(504)が抽出される。制御ロジック解析部4は、抽出した監視信号TA0001(504)と、入力信号PAI0001(501)から監視信号TA0001(504)に至る経路を検索処理実行部3に出力する。
ステップS4では、検索処理実行部3が、監視画面(画面画像)を検索する必要があるかを判断する。当該判断は、検索ルール格納部7において格納されている検索ルールを参照することによって行われる。検索する必要がある場合にはステップS5へ進み、検索する必要がない場合はステップS6へ進む。
ID「1」の検索ルールでは、検索手順において監視信号に関する監視画面(画面画像)を検索する必要があるためステップS5へ進む。
ステップS5では、検索処理実行部3が、抽出した監視信号が割り付けられている監視画面(画面画像)を検索するよう監視画面検索部8に依頼する。
ステップS5での処理の詳細について、さらに説明する。
監視画面検索部8は、監視画面格納部9に格納されている監視画面定義情報から、監視信号が割り付けられている画面部品、すなわち、第2ノードに対応する画面画像を検索する。このとき、例えばトレンドグラフ等の場合であれば、時系列データを扱うための信号として、加工された信号が割り付けられている場合がある。加工された信号についても割り付けられている画面部品(画面画像)を検索する。抽出結果は検索処理実行部3に出力する。
例えば、図10に示された監視画面定義情報から、画面番号S1の部品番号「1」および画面番号S3の部品番号「200」、さらには、加工された信号が登録された画面番号S2の部品番号「100」を抽出する。
ステップS6では、検索処理実行部3が、プラント機器情報を検索する必要があるかを判断する。検索する必要がある場合にはステップS7へ進み、検索する必要がない場合はステップS8へ進む。
ID「1」の検索ルールでは、検索手順においてこれに該当する処理がないため、ステップS8へ進む。
ステップS8では、表示情報生成部10が、制御ロジック解析部4の検索結果に基づき、制御ロジック図面格納部5から制御ロジック図面を取り出す。そして表示情報生成部10が、検索対象の信号と抽出された信号との経路がそれ以外の経路と判別できる制御ロジック表示情報を生成する。例えば、制御ロジック図面における経路の線の色または太さ等を他の経路とは異なるものとする等により強調表示する。
次に表示情報生成部10は、監視画面検索部8の検索結果に基づいて監視画面格納部9から監視画面を取り出し、抽出した画面部品が判別できる監視画面表示情報を生成する。例えば、監視画面上の画面部品を破線で囲む、色を変える、または、太さを変える等により強調表示する。
続いて表示情報生成部10は、制御ロジック表示情報の検索対象の信号から、監視画面表示情報を辿ることが可能なリンク付けを行う。例えば、信号上をマウスクリックすることにより、抽出した信号の一覧がリスト表示されるようにリンク付けを行う。リストの要素を選択することにより、さらに監視画面の一覧がリスト表示されるようにしてもよい。また、リストの要素を選択することにより、対象となる監視画面がポップアップ表示されるようにしてもよい。ただし、表示情報の構成はこの例に限定されるものではない。
表示情報生成部10により生成される表示情報の例を図14に示す。
図14では、検索対象の機器入力信号PAI0001から抽出された信号TA0001が表示され、さらにそれと関連づけられて、信号TA0001から監視画面の一覧として画面S1、S2およびS3がリスト表示される。各画面を選択すると、該当する監視画面表示情報が表示される。
別の具体例として、プラント機器からの入力信号PAI0001に関連する警報を知りたい場合に、検索モードのIDとして「2」を選択する場合を説明する。
ステップS1では、検索処理実行部3が、制御ロジックから信号を抽出する必要があると判断し、ステップS2へ進む。
ステップS2では、制御ロジックを追跡する際に、探索パターン2により、制御ロジック解析部4が、図6の上限検定演算子502の出力である警報信号AL0001(503)を抽出する。
ステップS3では、制御ロジック解析部4が、警報信号AL0001(503)の信号情報を検索する。
ステップS4では、検索処理実行部3が、監視画面を検索する必要がないと判断し、ステップS6へ進む。
ステップS6では、検索処理実行部3が、プラント機器情報を検索する必要がないと判断し、ステップS8へ進む。
ステップS8で表示情報生成部10によって生成される表示情報の例を図15に示す。
図15では、信号PAI0001から抽出された警報の一覧がリスト表示される。ここでは1つの警報だけが表示されている。
別の具体例として、運転員が弁を開く操作に関する操作信号DO001Oに関連する機器情報を知りたい場合(検索モードのIDが5の場合)と、操作信号DO001Oに関する画面部品を知りたい場合(検索モードのIDが6の場合)について説明する。
まず、運転員が弁を開く操作に関する操作信号DO001Oに関連する機器情報を知りたい場合(検索モードのIDが5の場合)について説明する。
ステップS1では、検索処理実行部3が、制御ロジックから信号を抽出する必要があると判断し、ステップS2へ進む。
ステップS2では、検索モードのIDが「5」の場合、探索パターン7により、制御ロジック解析部4が、計器出力信号PDO0001を検索する。
ステップS3では、制御ロジック解析部4が、計器出力信号PDO0001の信号情報を検索する。
ステップS4では、検索処理実行部3が、監視画面を検索する必要がないと判断し、ステップS6へ進む。
ステップS6では、検索処理実行部3が、プラント機器情報を検索する必要があると判断し、プラント機器情報格納部12から信号の元となるプラント機器に関する情報を検索する。そしてステップS7へ進む。
ステップS7では、検索処理実行部3が、プラント機器情報を検索して抽出する。そして、ステップS8へ進む。
ステップS8で表示情報生成部10によって生成される表示情報の例を図16に示す。
図16では、操作信号DO001Oから抽出された計器出力信号PDO0001が表示され、さらに、計器出力信号PDO0001から計器情報が表示される。
次に、操作信号DO001Oに関する画面部品を知りたい場合(検索モードのIDが6の場合)について説明する。
ステップS1では、検索処理実行部3が、制御ロジックから信号を抽出する必要がないと判断し、ステップS4へ進む。
ステップS4では、検索処理実行部3が、監視画面を検索する必要があると判断し、ステップS5へ進む。
ステップS5では、検索処理実行部3が、抽出した監視信号が割り付けられている監視画面を検索するよう監視画面検索部8に依頼する。そして、弁の操作を行う操作器を含む監視画面の画面S4が抽出される。
ステップS6では、検索処理実行部3が、プラント機器情報を検索する必要がないと判断し、ステップS8へ進む。
ステップS8で表示情報生成部10によって生成される表示情報の例を図17に示す。
図17では、操作信号DO001Oから抽出された画面S4が表示される。さらに、画面S4の監視画面表示情報が表示される。
<効果>
本発明に関する実施形態によれば、プラント運転教育支援装置が、検索ルール格納部7と、抽出部としての制御ロジック解析部4と、検索部としての監視画面検索部8とを備える。
検索ルール格納部7には、制御ロジックの有向グラフを辿るためのルールを記述する検索ルールが格納されている。制御ロジックとは、複数のノードからなる有向グラフで記述された、プラント機器の制御するためのロジックである。
制御ロジック解析部4は、検索ルールに基づいて、複数のノードのうちで指定された第1ノードを起点として有向グラフを辿り、到達する第2ノードを抽出する。
監視画面検索部8は、有向グラフにおける各ノードと対応し、かつ、プラント機器から入力される信号値に応じて表示態様が変化する複数の画面画像(監視画面における画面部品)のうち、抽出した第2ノードに対応する画面画像を検索する。
このような構成によれば、プラント機器からの入力信号または監視画面からの操作信号等の制御ロジックに入力される信号、および、検索ルールを指定することにより、制御ロジックの有向グラフを辿って到達する信号に対応する監視画面の画面部品を検索することができる。このような動作により、有向グラフにおいて経由した経路を含めた制御ロジックの動作を、出力される信号に対応する監視画面の画面部品(さらには、警報情報、プラント機器の情報)と関連付けて理解することができる。よって運転員は、プラントを制御する計装制御システムの動作を、容易に理解することができる。
また、本発明に関する実施形態によれば、検索ルール格納部7が、検索ルールを複数格納する。また制御ロジック解析部4が、複数の検索ルールのうち指定された1つを選択し、当該検索ルールに基づいて第1ノードを起点として有向グラフを辿り、到達する第2ノードを抽出する。
このような構成によれば、制御ロジックの見方に応じて検索ルールを指定し、有向グラフの辿り方を変えることができる。このような動作により、検索ルールに応じて有向グラフにおいて経由した経路を変更し、出力される信号に対応する監視画面の画面部品(さらには、警報情報、プラント機器の情報)と関連付けて理解することもできる。
制御ロジックには、プロセス制御、警報発信、警報抑制、操作端への操作またはインタロック判定等の様々な処理が記述されている。そのため、プラント機器から入力されるプロセス値(プラントの状態を表す状態量)がどのように制御されているか、または、プロセス値に関してどのような警報が発生するか等、制御ロジックの見方が異なれば知りたい情報が異なってくる。
本構成によれば、制御ロジックの様々な処理に対する情報を検索ルールの選択によって適宜得ることができ、運転員は、プラントを制御する計装制御システムの動作をより容易に理解することができる。
また、本発明に関する実施形態によれば、プラント運転教育支援装置が、制御ロジックおよび画面部品が、互いに対応して表示される表示部としての表示装置1を備える。
このような構成によれば、有向グラフにおいて経由した経路を含めた制御ロジックの動作が、出力される信号に対応する監視画面の画面部品(さらには、警報情報、プラント機器の情報)と関連付けられて表示されるため、運転員は、プラントを制御する計装制御システムの動作を、より容易に理解することができる。
また、本発明に関する実施形態によれば、表示装置1において、辿った有向グラフにおける経路が、それ以外の経路と異なる態様で表示される。
このような構成によれば、指定した検索ルールで辿った、有向グラフにおける経路が容易に確認できる。
<第2実施形態>
<構成>
図18は、本発明の第2実施形態に関するプラント運転教育支援装置101の構成を概念的に示すブロック図である。図1と同様の構成については、同じ符号を付して図示し詳細な説明については省略する。図1と異なる構成については、以下に説明する。
図18に示されるようにプラント運転教育支援装置101は、図1に示された構成に加え、監視データ取得部13と、制御ロジック演算状態取得部14とを備える。なお図18では、説明のために、運転監視装置15と制御装置16とプラント模擬装置17とから構成される運転訓練シミュレータ102も図示されている。運転訓練シミュレータ102は、プラントの運転を模擬する装置であり、プラント運転教育支援装置101とネットワークを介して接続されている。
監視データ取得部13は、運転訓練シミュレータ102における運転監視装置15から監視画面のオンライン表示に必要な情報を取得する。そして、当該情報を表示情報生成部10に出力する。例えば、信号の現在値、トレンドグラフの表示に必要な信号の時系列の値、または、表示のためのロジック等を取得する。ロジックの例としては、信号の現在値の値に応じて画面部品の表示態様(色または形状等)を変更するためのロジック等がある。
制御ロジック演算状態取得部14は、運転訓練シミュレータ102における制御装置16から制御ロジックの演算状態を可視化するために必要な情報を取得する。例えば、制御ロジックの有向グラフ上の信号および演算子の値、または、信号線の状態等である。
表示情報生成部10は、監視データ取得部13から取得した情報、および、制御ロジック演算状態取得部14から取得した情報を加えることにより、運転訓練シミュレータ102で動作している計装制御システムの現在の状態を可視化した表示情報を生成することができる。
<効果>
本発明に関する実施形態によれば、有向グラフには、信号または演算子に対応するノードが含まれ、プラント運転教育支援装置が、プラントの運転を模擬するプラント運転シミュレータから、信号または演算子に対応するノードの信号値または演算状態を示す値を取得する取得部としての監視データ取得部13および取得部としての制御ロジック演算状態取得部14を備える。そして、表示部としての表示装置1において、ノードの信号値または演算状態を示す値が表示される。
このような構成によれば、ノードの現在の信号値、演算子の値、信号線の状態、または、トレンドグラフの表示に必要な信号の時系列の値等を表示することができる。
また、本発明に関する実施形態によれば、表示装置1において、信号または演算子に対応するノードの信号値または演算状態に応じて、表示態様が変更される。
このような構成によれば、信号の現在値または演算子の値等により表示態様(色または形状等)を変更し、計装制御システムの現在の状態を可視化することができる。
なお本発明は、その発明の範囲内において、各実施形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 表示装置、2 入力装置、3 検索処理実行部、4 制御ロジック解析部、5 制御ロジック図面格納部、6 探索パターン格納部、7 検索ルール格納部、8 監視画面検索部、9 監視画面格納部、10 表示情報生成部、11 信号情報格納部、12 プラント機器情報格納部、13 監視データ取得部、14 制御ロジック演算状態取得部、15 運転監視装置、16 制御装置、17 プラント模擬装置、41,42,43,44,45 演算子、41a,42a,43a,43b,44a,45a,501,605,606,704,705,706 入力信号、41b,42b,43c,45b 出力信号、81a 数値表示、81b 弁、82 トレンドグラフ、83 棒グラフ、84 操作器、100,101 プラント運転教育支援装置、102 運転訓練シミュレータ、502 上限検定演算子、503,707,708,709 警報信号、504,607,608 監視信号、601,602,604 操作信号、603 フリップフロップ演算子、701 押下信号、702 警報ブロック信号、703 NOT演算子。

Claims (6)

  1. 複数のノードからなる有向グラフで記述された、プラント機器の制御するための制御ロジックの、前記有向グラフを辿るためのルールを記述する検索ルールが格納された検索ルール格納部と、
    前記検索ルールに基づいて、複数の前記ノードのうちで指定された第1ノードを起点として前記有向グラフを辿り、到達する第2ノードを抽出する抽出部と、
    前記有向グラフにおける各前記ノードと対応し、かつ、プラント機器から入力される信号値に応じて表示態様が変化する複数の画面画像のうち、抽出した前記第2ノードに対応する前記画面画像を検索する検索部とを備えることを特徴とする、
    プラント運転教育支援装置。
  2. 前記検索ルール格納部が、前記検索ルールを複数格納し、
    前記抽出部が、複数の前記検索ルールのうちの指定された1つを選択し、当該検索ルールに基づいて前記第1ノードを起点として前記有向グラフを辿り、到達する前記第2ノードを抽出することを特徴とする、
    請求項1に記載のプラント運転教育支援装置。
  3. 前記制御ロジックおよび前記画面画像が、互いに対応して表示される表示部をさらに備えることを特徴とする、
    請求項1または2に記載のプラント運転教育支援装置。
  4. 前記表示部において、前記抽出部において辿った前記有向グラフにおける経路が、それ以外の経路と異なる態様で表示されることを特徴とする、
    請求項3に記載のプラント運転教育支援装置。
  5. 前記有向グラフには、信号または演算子に対応するノードが含まれ、
    プラントの運転を模擬するプラント運転シミュレータから、信号または演算子に対応する前記ノードの信号値または演算状態を示す値を取得する取得部をさらに備え、
    前記表示部において、前記ノードの信号値または演算状態を示す値が表示されることを特徴とする、
    請求項3または4に記載のプラント運転教育支援装置。
  6. 前記表示部において、信号または演算子に対応する前記ノードの信号値または演算状態に応じて、表示態様が変更されることを特徴とする、
    請求項5に記載のプラント運転教育支援装置。
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JP2020135254A (ja) * 2019-02-18 2020-08-31 株式会社Ihi 制御システムのユーザインタフェース表示支援方法及び装置、並びに、制御システムのユーザインタフェース装置
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