JP2014163898A - 施工対象物の孔位置取得方法、及びこれを用いた遮熱コーティング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面に孔部が形成された施工対象物の該表面を、レーザ光によって走査して該施工対象物の表面形状を取得する取得工程S21と、取得した前記表面形状に基づいて、前記施工対象物の基準位置からの前記孔部の中心位置を演算する演算工程S22と、撮像部の光軸が前記中心位置に一致するように該撮像部を案内して、該撮像部によって前記孔部の画像を撮像する撮像工程S23と、前記孔部の画像に基づいて、前記孔部の中心位置を補正する補正工程S24と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明の一態様に係る施工対象物の孔位置取得方法は、表面に孔部が形成された施工対象物の該表面を、レーザ光によって走査して該施工対象物の表面形状を取得する取得工程と、取得した前記表面形状に基づいて、前記施工対象物の基準位置からの前記孔部の中心位置を演算する演算工程と、撮像部の光軸が前記中心位置に一致するように該撮像部を案内して、該撮像部によって前記孔部の画像を撮像する撮像工程と、前記孔部の画像に基づいて、前記孔部の中心位置を補正する補正工程と、を備えることを特徴とする。
図1に示すように、第一本実施形態の遮熱コーティング方法S1は、施工対象物であるタービン翼1に遮熱コーティングを行い、タービン翼1の表面に遮熱層を形成している。本実施形態で用いられる施工対象物は、タービン翼1であり、図2に示すように、表面に多数の冷却孔10が孔部として設けられている。
孔部である冷却孔10は、断面が円形状をなす円形冷却孔11と、施工対象物の表面における開口形状が放射状に広げられたシェイプト孔12とを有している。
円形冷却孔11は、施工対象物であるタービン翼1の表面に対して一定の角度で傾斜するよう形成され、タービン翼1の表面から内部まで同一の円形断面をなしている。
シェイプト孔12は、円形冷却孔11と同様に、タービン翼1の表面に対して一定の角度で傾斜するように形成され、タービン翼1の内部では円形断面をなしており、タービン翼1の表面では放射状に広がるような形状をなしている。即ち、シェイプト孔12は、タービン翼1の表面における開口形状は放射状をなし、タービン翼1の内部における断面形状は円形をなすように、開口形状と断面形状とが異なる形状で形成されている。
遮熱コーティング施工装置は、溶射材を溶射する溶射ガンを先端に有する溶射アームと、溶射アームの位置を調整する溶射ロボットと、施工対象物であるタービン翼1を固定する溶射固定台とを備えている。遮熱コーティング施工装置は、溶射固定台に固定されるタービン翼1の表面まで溶射ロボットが溶射アームを案内し、溶射アームの先端の位置を調整して溶射ガンで溶射材を溶射することによって、遮熱コーティングを行いタービン翼1の表面に遮熱層を形成している。
冷却孔穴あけ装置は、エアモータによって駆動するドリルを先端に有するアームと、アームの位置を調整するコントローラと、ドリルを駆動させるエアモータに空気を供給する空気供給源とを備えている。冷却孔穴あけ装置は、冷却孔計測装置の旋回テーブルに固定されたタービン翼1の表面の指定位置までコントローラでアームを案内して、タービン翼1の表面の冷却孔10に対してドリルを当て穴あけ加工を実施している。
基準位置50は、予め定めておいた施工対象物であるタービン翼1の表面上の任意の点であり、目視で容易に判別できる点が好ましい。例えば、冷却孔10を有していないタービン翼1のシュラウド部や翼根部の角部を設定しても良く、任意の冷却孔10を設定しても良い。基準位置50は、任意の一点だけでも良いが、複数点とすることが好ましく、複数点とすることで複雑な立体形状をなす施工対象物であるタービン翼1であっても、冷却孔10の中心位置101の位置データの精度を向上させることができる。
閾値は、施工対象物であるタービン翼を作製時の設計データに基づいて算出され、設計データにおけるタービン翼1の基準翼面51及びタービン翼1に形成した冷却孔10の表面からの深さより予め定めておく。
開口部52は、取得工程S21で取得した点群データの中で基準翼面51との距離の大きさが閾値を超えた点群データであり、タービン翼1の基準翼面51の中で他の面よりも閾値以上くぼんでいる領域内の点群データである。開口部52となっている点群データが集まることで、タービン翼1の表面における冷却孔10の開口形状を示す点群データとなる。
一方、図3(c)に示すように、取得した冷却孔10の開口形状の点群データである開口部52が台形形状をなしている場合、冷却孔10はシェイプト孔12であり、開口部52が楕円形状をなしておらず台形形状からでは中心位置101を取得することができない。そこで、シェイプト孔12の設計データより予め定めた孔部テンプレートAと比較し合わせることで、孔部である冷却孔10の暫定中心位置100を求める。そして、基準位置50から冷却孔10の暫定中心位置100までを演算し、基準位置50から暫定中心位置100までの位置データを取得する。
孔部テンプレートAは、シェイプト孔12の設計データに基づいて算出され、設計データにおけるタービン翼1の表面での冷却孔10の一つであるシェイプト孔12の開口形状より予め定めておく。
規定傾斜角αは、設計データに基づいて算出され、設計データにおけるタービン翼1に形成した冷却孔10の傾斜角より予め定めておく。
上記のような第一実施形態の孔位置取得方法S2によれば、取得工程S21で施工対象物であるタービン翼1の表面形状を取得し、演算工程S22で取得した表面形状に基づいて孔部である冷却孔10の大まかな中心位置101である暫定中心位置100の位置データを演算して求めることができる。そして、撮像工程S23によって演算した冷却孔10の一つであるシェイプト孔12の暫定中心位置100に一致するよう撮像部であるカメラ3を案内して孔部である冷却孔10の断面形状の画像を撮像し、断面形状を撮像した画像に基づいて補正工程S24で暫定中心位置100を補正することで非常に正確な孔部であるシェイプト孔12の中心位置101を求めることができる。これにより、施工対象物であるタービン翼1に設けられた孔部であるシェイプト孔12の位置を正確に取得することが可能となる。
第二実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を伏して詳細な説明を省略する。この第二実施形態の遮熱コーティング方法S1は、数カ所の冷却孔10の位置から全体の冷却孔10の位置を算出する点について、第一実施形態と相違する。
したがって、取得工程S21から補正工程S24までを繰り返すことで取得する孔部である冷却孔10の数を孔基準位置として必要な数に減らしながらも、取得工程S21から補正工程S24までを実施していない他の孔部である冷却孔10の位置を設計データによって算出することができる。これにより、取得工程S21から補正工程S24までの作業を伴って取得する冷却孔10の数を必要最低限とすることができ、取得工程S21から補正工程S24までを実施する回数を減らして作業時間を大幅に短縮することができる。
また、位置補正工程S12は、データ上でタービン翼1の位置を補正するだけに限定されるものではなく、例えば、直接溶射固定台を動かすことでタービン翼1の位置を補正しても良い。
さらに、本実施形態の遮熱コーティング方法S1は、遮熱コーティング施工装置と冷却孔取得装置と冷却孔穴あけ装置とのように別の装置で実施されることに限定されるものではなく、一体の装置によって実施されていても良く、逆に、さらに多くの装置によって実施されていても良い。
また、本実施形態で撮像工程S23や補正工程S24が実施される孔部である冷却孔10は、シェイプト孔12に限定されるものではなく、円形冷却孔11に対して実施しても良い。
Claims (7)
- 表面に孔部が形成された施工対象物の該表面を、レーザ光によって走査して該施工対象物の表面形状を取得する取得工程と、
取得した前記表面形状に基づいて、前記施工対象物の基準位置からの前記孔部の中心位置を演算する演算工程と、
撮像部の光軸が前記中心位置に一致するように該撮像部を案内して、該撮像部によって前記孔部の画像を撮像する撮像工程と、
前記孔部の画像に基づいて、前記孔部の中心位置を補正する補正工程と、
を備えることを特徴とする施工対象物の孔位置取得方法。 - 前記演算工程は、前記表面形状に基づいて前記孔部の開口形状を算出し、該開口形状と前記孔部の設計データとを比較することで前記中心位置を算出することを特徴とする請求項1に記載の施工対象物の孔位置取得方法。
- 前記撮像工程は、前記表面に対して予め定めた角度だけ前記光軸を傾けて、前記中心位置に一致するように案内することを特徴とする請求項1又は2に記載の施工対象物の孔位置取得方法。
- 前記施工対象物の孔位置取得方法において取得した複数の孔部の位置に基づいて、
前記施工対象物を作製時の設計データから他の孔部の位置を算出する設計データ比較算出工程を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の施工対象物の孔位置取得方法。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の施工対象物の孔位置取得方法を用いた遮熱コーティング方法であって、
前記施工対象物の孔位置取得方法の後に、前記施工対象物に遮熱コーティングを施す溶射工程と、
前記施工対象物の孔位置取得方法で得た孔部の位置に基づいて、前記溶射工程で塞がれた前記孔部を開口させる穴あけ工程とを備えることを特徴とする遮熱コーティング方法。 - 前記穴あけ工程を実施前に、前記溶射工程後の前記施工対象物の位置が前記孔位置取得方法を実施中の位置となるよう補正する位置補正工程を有していることを特徴とする請求項5に記載の遮熱コーティング方法。
- 前記位置補正工程は、前記基準位置に基づいて前記施工対象物の位置を前記溶射工程前の位置に補正することを特徴とする請求項6に記載の遮熱コーティング方法。
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