JP2006272355A - レーザー加工装置およびレーザー光の位置合わせ方法。 - Google Patents

レーザー加工装置およびレーザー光の位置合わせ方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】被加工物の種類を問わずレーザー光の照射位置を高精度に調整することができ、従来よりも高精度の穴開け加工を実現できるレーザー加工装置を提供する。
【解決手段】カメラ5が載設されたθステージ4θを回転させ、カメラ5に対し相対移動するレーザー光LBの軌跡を撮像する。該撮像データで表現される円に存在する任意の3点を通る円の方程式を解くことにより、回転中心Rのカメラ座標系における座標値を算出する。次に、θステージ4θを停止させて撮像を行い、ビームスポットLの撮像画像を得る。該ビームスポットLのカメラ座標系における座標位置を特定して回転中心Rとの座標差ベクトルを算出し、該ベクトルの分だけXステージ4XとYステージ4Yとを移動させる。これにより、レーザー光LBのビームスポットLが回転中心Rと一致する。
【選択図】図1

Description

本発明は、本発明は、レーザー光を用いて所定の加工を行うレーザー加工装置におけるレーザー光の位置合わせ方法およびこれを実現するレーザー加工装置に関する。
YAGレーザーなどのレーザー光を利用した溶接や切断、穴あけなどの加工は、従来より広く用いられている(例えば、特許文献1。)。
特許文献1に開示された加工装置は、波長域が紫外から可視域で、出力が数百mW〜数十W、パルス幅が数ns〜数百ns、発振周波数が数kHz〜数百kHzのパルスレーザーを用い、レーザー光を集光光学系で基板表面付近に集光し、これを基板表面で(相対的に)走査させることで、サファイアなどの硬脆な材質よりなる基板や該基板を用いて作製されたデバイスに対するスクライブラインの形成や切断、貫通穴形成などに好適に用いられる。
また、ガルバノミラーを用いた光走査機構を有するレーザー加工装置であって、レーザー光スポット位置を補正する位置補正機構を備えたレーザー加工装置も公知である(例えば、特許文献2参照。)。
特開2004−114075号公報 特開2001−334376号公報
特許文献1に開示されたようなレーザー加工装置を用いて被加工物に対して穴開け加工を施す場合、穴の真円度を高めるには、被加工物に対し相対的に回転させつつレーザー光を照射するのが好ましい態様である。しかしながら、レーザービームの集光点と回転中心とにずれがあると、回転させた際にそのずれの分だけ穴径が大きくなってしまったり、穴ではなくリング状にレーザー光が照射されてしまったりすることから、所望の穴径にて精度よく穴開け加工を実現するには、その両者が一致するように所定の位置調整を行うことが必要となる。
例えば、被加工物の表面に何らかの模様がある場合、該被加工物を回転させるとその模様が移動するが、その際に不動点となっている位置があれば、その位置が回転中心となるので、当該位置にレーザー光の集光点を一致させるという手法(これを第1の手法と称する)が考えられる。
しかしながら、この第1の手法では、対象が模様を有する被加工物に限定されることはもちろんであるが、そのような被加工物の場合であっても、模様の移動の観察範囲外に回転中心があると位置調整が困難になる、という問題がある。また、レーザー光の集光点をあらかじめ特定しておく必要があるが、レーザー光の出射角度のゆらぎや装置の熱的な不安定性の影響を受けてその位置が変動する、という問題や、集光点を求める際のレーザー光の照射によって、被加工物を破壊してしまうおそれもある。
また、上述のようにリング状にレーザー光が照射される状態で、被加工物に加工を実際に行うと、リング状の加工痕が形成され、その中心が回転中心ということになるので、その位置を特定してそこにレーザー光の集光点を一致させることによっても、回転中心と集光点との一致を実現するという手法(これを、第2の手法と称する)も考えられる。
しかしながら、この第2の手法では、実際に破壊可能な被加工物を用意する必要がある、という問題がある。
さらに、回転するステージにピンホールを設け、下方から所定の光源によって該ピンホールから光を照射しつつ該ステージを回転させるとともにこれを観察し、このピンホールから照射される光の軌跡から回転中心を特定し、その位置にピンホールを一致させた上で、さらに当該位置にレーザー光の集光点を一致させる、という手法(これを、第3の手法と称する)も考えられる。
しかしながら、この第3の手法では、ピンホールと回転中心との精密な位置合わせが必要となり、さらに長期間その位置が一定に保たれることが必要となる、という問題がある。また、装置構成も複雑なものとなってしまう。
さらに、上述の第1ないし第3の手法のいずれを用いるかを問わず、レーザー光としてハイパワーの紫外光レーザーを用いる場合、試料への集光を担う集光用レンズに、可視光用の結像性能の良いものを使えないことが多く、紫外光用に設計した場合には色収差もあって可視光での分解能がたかだか数百μm程度となり、精度の良い位置調整は行えない、という問題もある。
なお、特許文献2に開示された技術は、レーザー光の照射位置を補正する技術ではあるが、特許文献1に開示された装置は特許文献2に開示されたようなガルバノミラーを有さないことから、係る装置における照射位置調整の問題を解決する技術ではない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、被加工物の種類を問わずレーザー光の照射位置を高精度に調整することができ、従来よりも高精度の穴開け加工を実現できるレーザー加工装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、レーザー光を照射することによって被加工物に対し所定の加工を行うレーザー加工装置であって、所定の駆動機構によって駆動されることにより、水平面内の互いに直交する二軸方向への移動と、前記水平面内における回転とがそれぞれ独立して行えるように設けられてなるステージと、所定の光源から発せられたレーザー光を前記ステージに向けて照射する照射手段と、前記ステージが前記回転をする際の回転中心を撮像領域内に含むように前記ステージに載置された状態で、前記照射手段から照射されたレーザー光による像を所定の結像位置で撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された撮像画像に基づいて、前記回転中心の位置を特定する特定手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のレーザー加工装置であって、前記撮像手段は前記ステージが回転している際の前記ステージに対するレーザー光のビームスポットの相対軌跡を示す軌跡像を撮像可能であり、前記特定手段が、前記軌跡像に基づいて前記回転中心の位置を特定する、ことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2に記載のレーザー加工装置であって、前記特定手段は、前記軌跡像として得られる円もしくは円弧の中心位置を前記回転中心の位置として特定する、ことを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項2または請求項3に記載のレーザー加工装置であって、前記特定手段は、前記軌跡像の面積が極小となる前記レーザー光の照射位置を前記回転中心の位置として特定する、ことを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のレーザー加工装置であって、前記特定手段は、前記軌跡像の包絡線として得られる円の半径が極小となる前記レーザー光の照射位置を前記回転中心の位置として特定する、ことを特徴とする。
あた、請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のレーザー加工装置であって、前記照射手段と前記撮像手段との間に設けられ、前記レーザー光による像を変倍させる変倍手段、をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、第1の駆動機構によって駆動されることにより水平面内で回転可能に設けられたステージの回転中心と、所定の光源から発せられたレーザー光を所定の照射手段によって前記ステージに向けて照射させた際の照射位置とを一致させる、レーザー光の位置合わせ方法であって、前記回転中心が撮像領域内に含まれるように前記ステージに載置した所定の撮像手段により、前記照射手段から照射されたレーザー光による像を所定の結像位置において撮像する撮像工程と、前記撮像工程において撮像された撮像画像に基づいて、前記回転中心の位置を特定する特定工程と、第2の駆動機構によって前記ステージを前記レーザー光に対して相対的に移動させることにより、前記特定工程において特定された前記回転中心に前記レーザ光の照射位置を相対移動させる移動工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項7に記載のレーザー光の位置合わせ方法であって、前記撮像工程においては前記ステージが回転している際の前記ステージに対するレーザー光のビームスポットの相対軌跡を示す軌跡像を撮像可能であり、前記特定工程においては、前記軌跡像に基づいて前記回転中心の位置を特定する、ことを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項8に記載のレーザー光の位置合わせ方法であって、前記特定工程においては、前記軌跡像として得られる円もしくは円弧の中心位置を前記回転中心の位置として特定する、ことを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項8または請求項9に記載のレーザー光の位置合わせ方法であって、前記特定工程においては、前記軌跡像の面積が極小となる前記レーザー光の照射位置を前記回転中心の位置として特定する、ことを特徴とする。
また、請求項11の発明は、請求項8ないし請求項10のいずれかに記載のレーザー光の位置合わせ方法であって、前記特定工程においては、前記軌跡像の包絡線として得られる円の半径が極小となる前記レーザー光の照射位置を前記回転中心の位置として特定する、ことを特徴とする。
また、請求項12の発明は、請求項7ないし請求項11のいずれかに記載のレーザー光の位置合わせ方法であって、前記レーザー光による像を、所定の変倍手段によって変倍させたうえで前記撮像手段に撮像させる、ことを特徴とする。
請求項1ないし請求項12の発明によれば、撮像手段に対するレーザー光のビームスポットの相対移動の様子に基づいて、レーザー光の照射位置をステージの回転中心と一致させることができる。位置合わせの内容が被加工物に依存しないので、被加工物の種類を問わず、レーザー光の照射位置を精度良く回転中心と一致させることが出来る。これにより、ステージを回転させつつレーザー光を照射しても、その照射位置が回転中心からずれることがないので、真円度の高い穴開け加工が可能となる。
特に、請求項2ないし請求項4、および請求項8ないし請求項10の発明によれば、幾何学的な関係に基づいて回転中心を厳密に特定できるので、レーザー光の照射位置を精度良く回転中心と一致させることが出来る。
特に、請求項3および請求項9の発明によれば、簡単な演算処理によって回転中心を厳密に特定できる。
特に、請求項4、請求項5、請求項10および請求項11の発明によれば、回転中心に対して微小な位置ずれがあるレーザー光の照射位置を、正確に回転中心と一致させることが出来る。
請求項6および請求項12の発明によれば、変倍倍率に応じて撮像手段によるビームスポットの位置分解能を調整できる。例えばM倍に拡大する変倍手段を用いると、M倍の分解能でレーザー光の照射位置を特定することが出来る。
<第1の実施の形態>
<装置構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るレーザー加工装置100の構成を概略的に示す図である。レーザー加工装置100は、レーザー光源1から発したレーザー光LBを、ミラー2や集光レンズ3等の照射光学系によって所定のビーム径に調整したうえでステージ4に載設された被加工物Sの被加工部位に照射することによって、該被加工部位の加工を実現する装置である。なお、以降の説明において、レーザー加工装置100のうちレーザー光源1や照明光学系や、ステージ4などから構成される部分を特に、「本体部」と称することがある。
レーザー光源1としては、例えばNd:YAGレーザーを用いることができるが、Nd:YVO4レーザーやその他の固体レーザーを用いる態様であってもよい。レーザー光LBの波長は、例えば、150nm〜563nmの波長範囲から選択することができ、なかでもNd:YAGレーザーをレーザー光源1とする場合は、その3倍高調波(波長約355nm)を用いるのが好適な態様である。また、パルスの繰り返し周波数は、例えば、10kHz〜200kHzの範囲内で設定でき、パルス幅は、30nsec以上の範囲で設定できる。すなわち、本実施の形態に係るレーザー加工装置100は、紫外線繰り返しパルスレーザーを用いて加工を行うものである。
ステージ4は、水平面内において所定の一軸方向(これをX軸方向と称する)の所定範囲内で往復自在なXステージ4Xと、該水平面内で該X軸方向に直交するY軸方向の所定範囲内で往復自在なYステージ4Yと、該水平面に直交する高さ方向(Z軸方向)の所定範囲内で往復自在なZステージ4Zとを備える。Xステージ4XとYステージ4Yとは、被加工物の水平面内の平行移動を担う。Zステージ4Zは、デフォーカスな状態の実現も含め、被加工物Sに対するレーザー光の合焦つまりはピント合わせを担う。ステージ4はさらにその上部に、該水平面内で所定の回転中心の周り(θ軸方向)に矢印AR1およびAR2のように略360°回転自在なθステージ4θを備える。従って、ステージ4においては、θステージ4θの上面が、被加工物Sの載設面となる。それぞれのステージは、図示しない所定の駆動機構によって駆動されてなる。このような構成を有するステージ4は、その上に載設された被加工物Sを所定の範囲内で水平面内の任意の位置へと移動させることが可能であるとともに、当該位置において被加工物Sの高さ位置を所定範囲内の任意の位置に設定可能であり、かつ、被加工物Sに水平面内において任意の姿勢を与えることが可能である。これにより、直線状の加工(スクライブ加工など)、曲線状の加工(円状の加工など)、穴開け加工、あるいはこれらの組合せなど、自由度の高い自在な加工処理が実現される。
また、ステージ4の上には、より具体的にはθステージ4θの上には、カメラ5が着脱可能とされている。カメラ5は、後述するように、レーザー光の照射位置の位置合わせに使用するものであり、例えばCCDカメラを用いるのが好適な一態様である。カメラ5は、そのレンズ側(撮像側)がレーザー光LBの入射してくる側を向くようにステージ4に載設される。すなわち、θステージ4θの回転に伴ってカメラ5も移動することになる。なお、カメラ5の載設は、θステージ4θの回転中心がカメラ5の撮像範囲内にあるようにされる。また、好ましくは、カメラ5は、図示しない搬送機構によって、矢印AR3のようにステージ4上と所定の退避位置との間を移動自在とされるとともにステージ4上の載設位置において着脱可能とされてなる。さらに好ましくは、被加工物Sが、該搬送機構あるいは独立した異なる搬送機構によって、矢印AR4のようにステージ4上と所定の退避位置との間を移動自在とされるとともに、ステージ4上の載設位置において着脱可能とされてなる。むろん、作業者が手でカメラ5および被加工物Sをステージ4上に載設する態様であってもよい。なお、カメラ5が載設された状態においてもθステージ4θの略360°の回転動作は確保される必要があることから、カメラ5は、電源ケーブルや信号ケーブルなどといったケーブル線の接続が不要なものであること、例えば内蔵電源で動作すると共に所定の規格による無線通信にてカメラ5外との間で制御信号や撮像データを授受するものであることが好ましい。もちろん、θステージ4θの回転を妨げない構造であれば、有線で構成されていてもよいことは言うまでもない。
レーザー加工装置100は、さらに、コントローラ10を備える。コントローラ10は、本体部と別体に設けられることが可能であり、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどによって実現されるものである。コントローラ10は、本体部の種々の動作を実現するために必要な各種の処理を実行すると共に、必要な信号等を本体部を構成する各部との間で授受することによって、本体部における各種の動作、例えば所定の調整動作や加工動作を実現させる。コントローラ10は、通信手段11と、入力手段12と、表示手段13と、制御手段14と、記憶手段15と、位置合わせ処理手段16とを主として備える。図1においては図示を省略しているが、本体部とコントローラとの間は、必要な信号線等によって電気的に接続されてなる。
通信手段11は、カメラ5との間で、その動作命令や撮像データの授受などを行うにために備わるインターフェースである。上述のように、所定の規格による無線通信によってそれらを実現する態様が好ましい。
入力手段12は、作業者が所定の操作指示等を入力するために備わる。例えば、キーボードやマウス、あるいはタッチパネルなどといった所定の入力インターフェースである。
表示手段13は、レーザー加工装置100の種々の動作状態や加工状況、処理メニューなどを表示させるために備わるディスプレイ等である。
制御手段14は、本体部の各部の動作、具体的にはレーザー光源1、照射光学系、ステージ4、さらには図示しないカメラ5や被加工物Sの搬送機構をも含む各部の動作を制御するために備わる。例えば、レーザー光源1から発せられるレーザー光LBの波長や出力、パルスの繰り返し周波数、パルス幅、あるいはミラー2や集光レンズ3の配置位置、さらにはステージ4の移動動作などは、制御手段14によって制御される。制御手段14は、例えばコントローラ10を構成するコンピュータのCPU、ROM、RAMや、本体部の各構成要素に対応したドライバーやエンコーダなどを含んで実現される。
記憶手段15は、コントローラ10における種々の処理を実現するためのプログラム15Pや、種々の動作条件データ、あるいはカメラ5によって取得された撮像データなどを記録するために備わる、例えばストレージデバイスなどである。プログラム15Pがコントローラ10を構成するコンピュータのCPUによって実行されることにより、コントローラ10における種々の処理、ひいてはレーザー加工装置100全体の動作が実現される。
位置合わせ処理手段16は、レーザー光LBの位置合わせ処理のために必要な種々の処理、例えば、所定の画像処理や種々の座標位置等の算出処理などを担う。位置合わせ処理手段16は、例えばコントローラ10構成するコンピュータのCPU、ROM、RAMなどによって実現される。
<レーザー光の位置合わせ>
次に、レーザー加工装置100において被加工物に対して穴開け加工を施す場合に特に好適なレーザー光の位置合わせ方法について説明する。
穴開け加工を施す場合、レーザー光LBを、被加工物の水平面に直交する方向を回転軸として相対的に回転させながら照射した方が、照射位置に対するレーザー光LBの均一性が高まり、形成される加工穴の真円度も高くなるといえる。しかし、その一方で、係る回転の際の回転中心がレーザー光LBの照射位置とずれていると、レーザー光のLBの照射位置にずれが生じ、照射領域が拡がってしまう、あるいはずれが大きい場合にはレーザー光LBのビームスポットの軌跡が円弧を描くようになってしまう、という問題が生じる。従って、回転中心と照射位置とが一致するようにレーザー光LBの位置合わせを行う必要が生じる。
本実施の形態においては、θステージ4θが回転することによって、こうしたレーザー光LBの相対的な回転を実現する。また、カメラ5がθステージ4θ上に載設されθステージ4θの回転に伴って回転することから、レーザー光LBの相対的な回転は、カメラ5の観察像におけるレーザー光LBのビームスポットの軌跡(以下、軌跡像とも称する)として捉えることが出来る。
図2は、θステージ4θの回転角度が0°であるときのカメラ5の観察像(カメラ5が捉えた像を表示手段13で表示したものに相当)I0を、空間に固定した座標系(絶対座標系)と対応させて示す図である。図3は、θステージ4θが図2の状態から反時計回りに角度θだけ回転した状態の観察像I1を同じく絶対座標系と対応させて示す図である。ただし、図2および図3において、SX−SY座標系は絶対座標系を示しており、Xステージ4Xの移動方向をSX軸方向とし、Yステージ4Yの移動方向をSY軸とするものとする。cx−cy座標系は、カメラ5に固定した座標系(カメラ座標系)を示しており、そのcx軸方向が絶対座標系のSX軸方向と一致し、かつcy軸方向が絶対座標系のSY軸方向と一致する場合に、θステージ4θの回転角度、つまりはカメラ5の回転角度が0°であるとする。なお、図2および図3においてこれらの座標系などを示す線分は、説明のために示しているものであり、必ずしも実際の観察像に表示されるものではない。
なお、このように座標系を定める場合、カメラ5の回転中心をθステージ4θの回転中心と一致させる必要はなく、θステージ4θの回転の際にその回転中心がカメラ5の撮像領域内に存在し、回転中心に対するレーザー光のビームスポットの軌跡(相対軌跡)が特定されるようになっていさえすれば、本実施の形態に係る位置あわせ方法を実行することが可能である。例えば、カメラ5の表示解像度がVGA程度のサイズであれば(あるいは有効画素数が30万画素程度であれば)、カメラ5をこのような条件のもとに載設することは十分可能である。換言すれば、θステージ4θに対するカメラ5の載設に際し、精密な位置精度は要求されず、θステージ4θの回転中心の近傍にカメラ5の回転中心が位置するようにカメラ5を載設しさえすれば、実用的にはほとんど問題はない。上述のようなカメラ5を用いた場合、その一画素のサイズは通常、数μm〜10μm程度であるから、本実施の形態においては、係るサイズと同等の精度で位置合わせを行うことが出来る。
いま、図2の観察像I0にて確認される状態において、カメラ座標系の原点c0が、絶対座標系の座標原点S0に対しSX軸方向にΔxだけ、SY軸方向にΔyだけずれた位置に存在するものとする。すなわち、この状態では、絶対座標系に対しカメラ座標系は(Δx,Δy)だけ平行移動した位置にあるともいえる。また、絶対座標系においてP(X0,Y0)と表される位置にレーザー光LBが照射されビームスポットLが観察されるものとする。そして、カメラ座標系においてこの位置は、Pc0(cx0,cy0)と表されるものとする。さらに、θステージ4θの回転中心Rのカメラ座標系における座標位置を(a,b)とする。ただし、位置合わせを行う前の時点においては、この座標値は未知である。
一方、図3には、この観察像I0の状態からθステージ4θを反時計回りに角度θだけ回転した状態の観察像I1が、絶対座標系と対応させて示されている。すなわち、この状態においてはカメラ5も角度θだけ回転しているので、絶対座標系でみると、観察像I1も観察像I0に対し角度θだけ反時計回りに回転していることになる。このとき、レーザー光LB自体は全く動いていないので、絶対座標系で表した照射位置の座標はP(X0,Y0)のままである。一方、カメラ座標系でみた場合には異なる座標値を取ることになる。いま、これをPc1(cx1,cy1)とする。
図4は、この回転の前後について、カメラ座標系からみた場合のレーザー光LBのビームスポットの位置変化を示す図である。すなわち、カメラ5による観察像を見ている場合のビームスポットの見た目の位置変化を示す図に相当する。図4に示すように、θステージ4θが反時計回りに角度θだけ回転した場合、観察像上においては、未知の回転中心Rを中心としたある半径の円弧上を時計回りに位置Pc0から位置Pc1へとレーザー光LBのビームスポットが移動するように見えることになる。また、図5(a)は、位置合わせ前を行う前のビームスポットの軌跡像T1を示す図である。すなわち、回転角度θを連続的に変化させれば、つまりはθステージ4θを連続的に回転させれば、レーザー光LBの軌跡像は通常(すでに位置合わせが完了していない限り)、回転中心Rを中心とするある半径の円運動をするように観察されることになる。
よって、レーザー光LBの描く円(もしくは円弧、以下同様)の方程式を算出することにより、カメラ座標系で表したθステージ4θの回転中心R(a,b)の座標が特定されることになる。ひとたび回転中心R(a,b)が定まれば、ある状態におけるレーザー光LBのビームスポットLがR(a,b)の位置に来るようにステージ4を平行移動させることで、照射位置と回転中心との位置合わせが実現できることになる。図5(b)はこの状態におけるレーザー光LBのビームスポットの軌跡像T2を示す図である。すなわち、回転中心とレーザー光LBの照射位置(ビームスポットLの形成位置)とが一致すると、レーザー光LBの軌跡像は不動点となる。
図6は、このような原理に基づいて、本実施の形態に係るレーザー加工装置100においてレーザー光LBの位置合わせを実行する際の処理の流れを示す図である。まず、θステージ4θを回転させながら(ステップS1)、カメラ5により観察像上でレーザー光LBを撮像することにより、レーザー光LBのビームスポットがたどる円状の軌跡を示す第1撮像データを取得する(ステップS2)。これは、カメラ5による撮像に際しての露光時間(カメラ5に備わる図示しないシャッタの開放時間)を、レーザー光LBのビームスポットLが一周期分の円運動を行うのに要する時間よりも長く設定することにより可能である。該撮像データは通信手段11によってカメラ5から取得されいったん記憶手段15に記憶される。そして、位置合わせ処理手段16が、その撮像データで表現される円に存在する任意の3点についてのカメラ座標系における座標値を特定する(ステップS3)。その際には、当該画像に所定の2値化処理やシャープネス処理などを行い、円の形状をよりシャープなものとした上で、これを行う態様であってもよい。そして、位置合わせ処理手段16の作用によって係る3点の座標値を用いて円の方程式を解くことにより、回転中心Rのカメラ座標系における座標値(a,b)を算出する(ステップS4)。なお、円上の3点以上の点の座標値を取得し、最小二乗法によって円の方程式を算出する態様であってもよい。
次に、θステージ4θを停止させ(ステップS5)、この状態でカメラ5による撮像を行い、第2撮像データを取得する(ステップS6)。第2撮像データとして得られるのは、1点のビームスポットLが表現される撮像画像である。位置合わせ処理手段16がそのビームスポットLの座標位置を特定し(ステップS7)、回転中心R(a,b)との座標差(つまりは該ビームスポットLの位置から回転中心Rへ向かうベクトルの成分)を算出する(ステップS8)。例えば、回転角度0°の状態でθステージ4θを停止させた場合であれば、係る座標差は(a−cx0,b−cy0)である。なお、ステップS5からステップS7までの処理を、ステップS1からステップS4までの処理に先立って行っておいてもよい。その際は、ステップS5において、回転角度0°の状態でθステージ4θを停止させておく必要がある。
そして、算出された座標差の距離だけ、Xステージ4XとYステージ4Yとを移動させる(ステップS9)。これにより、レーザー光LBのビームスポットLが回転中心R(a,b)と一致することになる。すなわち、所望する位置合わせが実現できたことになる。
位置合わせが完了すると、所定の退避位置にカメラ5を退避させ、代わって被加工物をステージ4上に載置して、所望する被加工部位に対する穴開け加工を行うことになる。上述の手法によりレーザー光LBのビームスポットLの位置がθステージ4θの回転中心と一致しているので、所定の方法により被加工部位をビームスポットLの位置に一致させさえすれば、該被加工部位に対して、真円度がよく、高精度な穴開け加工を行うことができる。
以上、説明したように、本実施の形態に係るレーザー加工装置は、被加工物が載置されるステージ上に加工用のレーザー光を観察可能なカメラを載設可能とされてなるとともに、載設状態においてはステージの回転に併せて該カメラを回転させるよう構成されてなるので、カメラに対してレーザー光のビームスポットが相対移動する様子を観察しながら、レーザー光の照射位置がステージの回転中心と一致するようにステージの位置を調整することができる。調整内容が被加工物に依存しないので、被加工物の種類を問わず、レーザー光の照射位置を精度良く回転中心と一致させることが出来る。
<第2の実施の形態>
上述のように、第1の実施の形態による位置合わせ方法を用いることで、θステージ4θを回転させた場合であっても、レーザー光LBのビームスポットが図5(a)のような円状の軌跡像T1を与えるように移動することなく、図5(b)のように軌跡像T2が不動点となる状態、すなわちビームスポットの位置とθステージ4θの回転中心とが一致した状態を実現できる。
しかし、上述のような調整を行おうとしてθステージ4θを回転させたときに、ビームスポットLの軌跡が円状にはならないものの完全な不動点にはならない状況も生じうる。また、例えば、カメラ5の撮像視野のサイズに比してビームスポットの軌跡像T1の円の径が小さい場合など、第1の実施の形態による位置合わせ方法では必ずしも精密な位置合わせを実現できない場合もある。
図7は、そうした場合のレーザー光LBの照射状態を例示する図である。具体的には、θステージ4θを時計回りに回転させたときに、その回転の半径とビームスポットLの径との差が小さい場合の、カメラ座標系からみた場合のレーザー光LBのビームスポットLの変化を拡大して示す図である。係る場合、レーザー光LBのビームスポットLが矢印AR5として示すように反時計回りに回転移動するのは第1の実施の形態と同様であるが、カメラ5による撮像画像においては、図5(a)のように軌跡が円を描くように観察される代わりに、あたかも図7に点線で示す包絡線Cの内側でビームスポットLがわずかに偏心しつつ回転するように観察されてしまうことになる。ここで、包絡線Cは、ビームスポットLの外周の、回転中心から最も遠い位置の軌跡に相当する。こうした場合は、ビームスポットLの軌跡から回転中心を精度よく導くことができないので、第1の実施の形態に示した方法によっては正確な位置合わせが困難である。本実施の形態においては、こうした場合にも対処が可能な、第1の実施の形態よりもさらに厳密な位置合わせを実現できる態様について説明する。
図8は、本実施の形態に係る位置合わせ方法の原理を説明するための図である。いま、θステージ4θの回転角度は0°とし、図8(a)に示すように位置Pc0(cx0,cy0)に中心を持つレーザー光LBのビームスポットLが、回転中心R(a,b)を中心として回転する際の包絡線Cの半径をrc、回転中心R(a,b)と位置Pc0(cx0,cy0)との距離をdとする。そして、Xステージ4Xを移動させることによって、図8(b)に矢印AR6にて示すようにレーザー光のビームスポットLをcx軸方向(この場合はSX軸方向でもある)に沿って位置Pc0(cx0,cy0)から位置Pc0’(cx0’,cy0’)にまで移動させたとし、そのときに形成される包絡線C’の半径をrc’、回転中心Rと位置Lc0’との距離をd’とすると、d>d’ならばrc>rc’となる。すなわち、包絡線の半径の大小は、回転中心とビームスポットLとの距離の大小と正の相関があることになる。係る場合、ビームスポットLが直線cx=a上に存在するときに包絡線の半径dが最小値をとることになるので、包絡線Cの大きさが最小になる状態が、cx方向について、回転中心の座標とビームの照射位置とが一致した状態ということになる。
同様のことは、cy軸方向についても成り立つ。そこで、本実施の形態においては、この原理を利用し、まずcx軸方向について包絡線の大きさが最小となるXステージ4Xの位置を特定することによりビームスポットLを直線cx=a上に一致させ、引き続いてcy軸方向について包絡線が最小となるYステージ4Yの位置を特定することによりビームスポットLを直線cy=b上に一致させることで、レーザー光LBの照射位置と回転中心との位置合わせを実現する。このときには、包絡線Cの半径がその最小値であるビームスポットLの半径と一致していることになる。すなわち、本実施の形態に係る位置合わせ方法は、レーザー光LBの照射位置と回転中心とが一致する場合には、ビームスポットLは不動点となり、包絡線Cの円周はビームスポットLの円周そのものに他ならない、ということを利用して、位置合わせを行う方法である。
図9は、こうした原理に基づく、本実施の形態に係るレーザー光LBの位置合わせに係る処理の流れを示す図である。なお、位置合わせの前の状態においては、図8(a)に示したようにレーザー光LBのビームスポットLは、位置Pc0(cx0,cy0)に中心を持ち、θステージ4θの回転中心Rは未知の座標位置(a,b)にあり、ビームスポットLが回転中心の周りを回転する際の包絡線Cの半径がrcであるとする。
まず、cx軸方向についての位置合わせを行う。具体的には、ビームスポットLが存在する位置cx=cx0を基準位置とし、該基準位置を含め、Xステージ4Xを±Δxずつ移動させた位置でそれぞれθステージ4θを回転させて、そのときの包絡線の半径を測定する(ステップS11)。これは例えば、露光時間をレーザー光LBのビームスポットLが一周期分の回転運動を行うのに要する時間よりも長く設定してカメラ5により撮像を行い、その撮像画像を解析することにより可能である。
次に、このようにして得られた半径の値を、そのときのcx軸方向の座標位置に対してプロットする(ステップS12)。図10(a)は、このようにして得られるcx軸方向の座標位置に対する包絡線の半径との関係を示す図である。上述したように、Xステージ4Xの移動によって包絡線の半径は変化し、その最小値(極小値)が得られるのはビームスポットLが直線cx=a上にある時であるので、図10(a)に示すような関係が得られると、極小値を与えるcx軸方向の座標位置、つまりは、aの値が具体的に定まることになる。そこで、Xステージ4Xを移動させて、cx軸について係る座標位置とレーザー光の照射位置とを一致させる(ステップS13)。
cx軸方向についての位置合わせが終了すると、引き続いて、cy軸方向についての位置合わせを同様に行う。すなわち、ビームスポットLが存在する位置cy=cy0を基準位置とし、該基準位置を含め、Yステージ4Yを±Δyずつ移動させた位置でそれぞれθステージ4θを回転させて、そのときの包絡線の半径を測定する(ステップS14)。半径の値を、そのときのcy軸方向の座標位置に対してプロットする(ステップS15)。図10(b)は、このようにして得られるcy軸方向の座標位置に対する包絡線の半径との関係を示す図である。図10(b)に示すような関係が得られると、極小値を与えるcy軸方向の座標位置、つまりは、bの値が具体的に定まることになる。そこで、Yステージ4Yを移動させて、cy軸について係る座標位置とレーザー光の照射位置とを一致させる(ステップS16)。これにより、レーザー光の照射位置がθステージ4θの回転中心と一致することになる。すなわち、所望する位置合わせが実現できたことになる。
なお、包絡線の半径を対象とする代わりに、レーザー光が照射される領域の面積を算出し、これを極小とする位置を、回転中心位置として特定する態様であってもよい。露光時間を長くとると、ビームスポットの揺らぎによって、見かけ上のビームスポット(露光される領域全体)の面積が実際のビームスポットの面積よりも大きくなることから、ビームスポットの位置ずれがごくわずかな場合などに係る処理の適用は好適である。
よって、本実施の形態に係る位置合わせ方法によれば、第1の実施の形態による位置合わせ方法では必ずしも精密な位置合わせを実現できない、回転中心に対して微小な位置ずれがあるレーザー光の照射位置を、正確に回転中心と一致させることが出来る。よって、係る位置合わせ方法を用いることによっても、真円度がよく、高精度な穴開け加工を行うことができる。
<第3の実施の形態>
上述のようなレーザー光の位置合わせを実現するレーザー加工装置は、図1に示すような構造を有するものに限られない。本実施の形態においては、レーザー光の位置合わせの精度をより向上させる構造を有するレーザー加工装置200について説明する。
図11は、本実施の形態に係るレーザー加工装置200の構成を概略的に示す図である。レーザー加工装置200は、基本的にはレーザー加工装置100と共通する構成要素を有しており、これらについては同一の符号を付してその説明を省略する。
レーザー加工装置200において特徴的なのは、内部に変倍光学系を備えた変倍ユニット6を、カメラ5の上に設けてなる点である。変倍ユニット6は、被加工物を着脱自在に載置可能な保持部7と、変倍光学系を構成する変倍レンズ8とスリット9とを主として備える。保持部7は、被加工物が載置されない場合には集光レンズ3からのレーザー光を変倍レンズ8へと導く開口を有すると共に、被加工物が載置された場合には集光レンズ3から照射されたレーザー光の焦点F1の高さ位置と該被加工物の表面の高さ位置とが一致するように設けられる。変倍レンズ8は、集光レンズ3の焦点F1と共役な焦点F2がカメラ5上に形成されるように配置され、集光レンズ3からのレーザー光をM倍(Mは実数)に変倍(拡大又は縮小)してカメラ5へと照射する。スリット9は、変倍レンズ8から入射するレーザー光の分解能を高めるべく、その入射方向を制限するために備わる。
本実施の形態に係るレーザー加工装置200においては、このような構造を有することから、第1および第2の実施の形態に示したようなレーザー光の位置合わせに際しては、集光レンズ3からの光をいったん変倍した上で、カメラ5に入射させる。よって、変倍レンズ8が像を拡大させてカメラ5へと投影する拡大レンズである場合、例えばθステージ4θを回転させることによってビームスポットが描く軌跡の回転半径もM倍となる。これはすなわち、カメラ5におけるレーザー光の照射位置の分解能を、レーザー加工装置100のM倍としたことに相当する。よって、第1および第2の実施の形態にて示した位置合わせ方法を適用する場合に、その精度をさらにM倍とすることが出来る。ただし、レーザー加工装置200において第1および第2の実施の形態に示した位置合わせを行う場合、実際にステージ4を移動させる距離は、カメラ5の撮像画像から求められる座標差の1/M倍となる。
なお、位置合わせがなされた後には、図示しない所定の搬送機構によって、被加工物Sを矢印AR7に示すように載置するとともに加工を所望する被加工部位をレーザー光の照射位置(つまりは回転中心)と一致させることで、真円度がよく、高精度な穴開け加工を行うことができる。
<変形例>
第1の実施の形態においては回転中心の座標を求めた上で、その位置へとレーザー光のビームスポットLの位置を移動させる態様を示したが、これに代わり、θステージ4θを回転させてその状態を表示手段14にて観察しつつ、その軌跡が不動点になる状態をXステージ4XおよびYステージ4Yを適宜に移動させることで、位置合わせを実現する態様であってもよい。
上述の実施の形態においては、カメラ5による撮像画像は、回転中心の位置合わせの際に用いられているが、z軸方向の位置合わせ、つまりはZステージ4Zを駆動させることによるピント合わせに利用することも出来る。
第1の実施の形態に係るレーザー加工装置100の構成を概略的に示す図である。 θステージ4θが回転動作を行う場合の、回転角度が0°の状態のカメラ5の観察像I0を絶対座標系と対応させて示す図である。 θステージ4θが図2の状態から反時計回りに角度θだけ回転した状態を示す図である。 回転の前後について、カメラ座標系からみた場合のレーザー光LBの照射位置の変化を示す図である。 レーザー光LBの位置合わせ前後のビームスポットの軌跡の変化を示す図である。 レーザー加工装置100においてレーザー光LBの位置合わせを実行する際の処理の流れを示す図である。 θステージ4θを回転させたときに、ビームスポットLの軌跡が円状にはならないものの完全には一致していないレーザー光LBの照射状態を例示する図である。 第2の実施の形態に係る位置合わせ方法の原理を説明するための図である。 第2の実施の形態に係るレーザー光の位置合わせに係る処理の流れを示す図である。 レーザー光の照射位置座標と包絡線の半径の関係を示す図である。 第3の実施の形態に係るレーザー加工装置200の構成を概略的に示す図である。
符号の説明
1 レーザー光源
3 集光レンズ
4 ステージ
5 カメラ
6 変倍ユニット
7 保持部
8 変倍レンズ
9 スリット
10 コントローラ
100、200 レーザー加工装置
C 包絡線
I0、I1 カメラ5による観察像
L ビームスポット
LB レーザー光
R 回転中心
S 被加工物

Claims (12)

  1. レーザー光を照射することによって被加工物に対し所定の加工を行うレーザー加工装置であって、
    所定の駆動機構によって駆動されることにより、水平面内の互いに直交する二軸方向への移動と、前記水平面内における回転とがそれぞれ独立して行えるように設けられてなるステージと、
    所定の光源から発せられたレーザー光を前記ステージに向けて照射する照射手段と、
    前記ステージが前記回転をする際の回転中心を撮像領域内に含むように前記ステージに載置された状態で、前記照射手段から照射されたレーザー光による像を所定の結像位置で撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段によって撮像された撮像画像に基づいて、前記回転中心の位置を特定する特定手段と、
    を備えることを特徴とするレーザー加工装置。
  2. 請求項1に記載のレーザー加工装置であって、
    前記撮像手段は前記ステージが回転している際の前記ステージに対するレーザー光のビームスポットの相対軌跡を示す軌跡像を撮像可能であり、
    前記特定手段が、前記軌跡像に基づいて前記回転中心の位置を特定する、
    ことを特徴とするレーザー加工装置。
  3. 請求項2に記載のレーザー加工装置であって、
    前記特定手段は、前記軌跡像として得られる円もしくは円弧の中心位置を前記回転中心の位置として特定する、
    ことを特徴とするレーザー加工装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載のレーザー加工装置であって、
    前記特定手段は、前記軌跡像の面積が極小となる前記レーザー光の照射位置を前記回転中心の位置として特定する、
    ことを特徴とするレーザー加工装置。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のレーザー加工装置であって、
    前記特定手段は、前記軌跡像の包絡線として得られる円の半径が極小となる前記レーザー光の照射位置を前記回転中心の位置として特定する、
    ことを特徴とするレーザー加工装置。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のレーザー加工装置であって、
    前記照射手段と前記撮像手段との間に設けられ、前記レーザー光による像を変倍させる変倍手段、
    をさらに備えることを特徴とするレーザー加工装置。
  7. 所定の光源から発せられたレーザー光を所定の照射手段によって照射することによって被加工物に対し所定の加工を行うレーザー加工装置において、第1の駆動機構によって駆動されることにより水平面内で回転可能に設けられたステージの回転中心と、前記レーザー光を前記ステージに向けて照射させた際の照射位置とを一致させるレーザー光の位置合わせ方法であって、
    前記回転中心が撮像領域内に含まれるように前記ステージに載置した所定の撮像手段により、前記照射手段から照射されたレーザー光による像を所定の結像位置において撮像する撮像工程と、
    前記撮像工程において撮像された撮像画像に基づいて、前記回転中心の位置を特定する特定工程と、
    第2の駆動機構によって前記ステージを前記レーザー光に対して相対的に移動させることにより、前記特定工程において特定された前記回転中心に前記レーザ光の照射位置を相対移動させる移動工程と、
    を備えることを特徴とするレーザー光の位置合わせ方法。
  8. 請求項7に記載のレーザー光の位置合わせ方法であって、
    前記撮像工程においては前記ステージが回転している際の前記ステージに対するレーザー光のビームスポットの相対軌跡を示す軌跡像を撮像可能であり、
    前記特定工程においては、前記軌跡像に基づいて前記回転中心の位置を特定する、
    ことを特徴とするレーザー光の位置合わせ方法。
  9. 請求項8に記載のレーザー光の位置合わせ方法であって、
    前記特定工程においては、前記軌跡像として得られる円もしくは円弧の中心位置を前記回転中心の位置として特定する、
    ことを特徴とするレーザー光の位置合わせ方法。
  10. 請求項8または請求項9に記載のレーザー光の位置合わせ方法であって、
    前記特定工程においては、前記軌跡像の面積が極小となる前記レーザー光の照射位置を前記回転中心の位置として特定する、
    ことを特徴とするレーザー光の位置合わせ方法。
  11. 請求項8ないし請求項10のいずれかに記載のレーザー光の位置合わせ方法であって、
    前記特定工程においては、前記軌跡像の包絡線として得られる円の半径が極小となる前記レーザー光の照射位置を前記回転中心の位置として特定する、
    ことを特徴とするレーザー光の位置合わせ方法。
  12. 請求項7ないし請求項11のいずれかに記載のレーザー光の位置合わせ方法であって、
    前記レーザー光による像を、所定の変倍手段によって変倍させたうえで前記撮像手段に撮像させる、
    ことを特徴とするレーザー光の位置合わせ方法。
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