JP2014163623A - 全熱交換素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】
熱交換性およびおよび湿度交換効率に優れ、様々な使用環境で使用可能な全熱交換素子を提供すること。
【解決手段】
ライナ部材と、コルゲート部材とからなる片面ダンボール構造シートが層毎に交差積層された形状を有する全熱交換素子であって、前記コルゲート部材の温度20℃、湿度65%RHでの吸湿率が3%以下であり、JISB0601(2001)粗さ曲線の算術平均高さRaが10μm以上の不織布であることを特徴とする全熱交換素子。
【選択図】なし
熱交換性およびおよび湿度交換効率に優れ、様々な使用環境で使用可能な全熱交換素子を提供すること。
【解決手段】
ライナ部材と、コルゲート部材とからなる片面ダンボール構造シートが層毎に交差積層された形状を有する全熱交換素子であって、前記コルゲート部材の温度20℃、湿度65%RHでの吸湿率が3%以下であり、JISB0601(2001)粗さ曲線の算術平均高さRaが10μm以上の不織布であることを特徴とする全熱交換素子。
【選択図】なし
Description
本発明は、室内からの空気と、室外からの空気の熱と水蒸気を交換しながら換気する全熱交換器に使用される全熱交換素子に関する。
室内からの空気と、室外からの空気の熱と水蒸気を交換しながら換気する全熱交換器は、省エネルギー対策として住宅、ビル、工場に普及している。全熱交換効率の性能向上は、全熱交換器内にある全熱交換素子の高性能化が必須である。全熱交換素子は、片面段ボール加工機により得られた片面段ボールシートを層毎に交互に直交積層して積層体としたものである。室内からの空気と室外からの空気をそれぞれ空気の流路を仕切るライナ部材とライナ部材の間隔を保持し空気の流路となるコルゲート部材に流通させ熱交換を行わせるものである。
全熱交換素子のライナ部材とコルゲート部材は、代表的にはパルプを原料とする紙が使用されており、更に、湿度交換効率の性能向上を目的に、ライナ部材の紙に水溶性吸湿剤を含浸させている。しかしながら、パルプのコルゲート部材は、寸法安定性が悪く、一方の空気が氷点下であり、他方の空気が高湿状態である場合に、パルプに吸湿した水分が凍結し、ライナ部材が損傷を受け、素子寸法の変形や熱交換効率や温度交換効率の変動し、性能の安定性に劣るという課題があった。この課題を解決するために特許文献1に記載された発明が提案されている。
特許文献1は、ライナ部材の間に設置されているコルゲート部材に厚さ100〜200μmの硬質の高分子シートを波板状に加工したものを開示している。また、特許文献1を改良したものが特許文献2、特許文献3、特許文献4に開示されている。
それぞれ、コルゲート部材に多孔質材に気体遮蔽性を備えた薄膜を重合させたもの(特許文献2)や、コルゲート部材に気体遮蔽性を備えた薄膜を重合させたものに接着層を形成したもの(特許文献3)や、コルゲート部材に軟化点の高い繊維と軟化点の低い樹脂を混合した抄紙を用いたもの(特許文献4)などが開示されている。しかしながらこれらの方法では、コルゲート部材が吸湿する可能性があり、素子寸法の変形の抑制や熱交換効率や温度交換効率の性能を安定させるにはまだ十分とはいえない状況にあった。
それぞれ、コルゲート部材に多孔質材に気体遮蔽性を備えた薄膜を重合させたもの(特許文献2)や、コルゲート部材に気体遮蔽性を備えた薄膜を重合させたものに接着層を形成したもの(特許文献3)や、コルゲート部材に軟化点の高い繊維と軟化点の低い樹脂を混合した抄紙を用いたもの(特許文献4)などが開示されている。しかしながらこれらの方法では、コルゲート部材が吸湿する可能性があり、素子寸法の変形の抑制や熱交換効率や温度交換効率の性能を安定させるにはまだ十分とはいえない状況にあった。
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものであり、熱交換性および湿度交換効率に優れ、様々な使用環境で使用可能な全熱交換素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、次のいずれかの手段を採用するものである。
(1)ライナ部材と、コルゲート部材とからなる片面ダンボール構造シートが層毎に交差積層された形状を有する全熱交換素子であって、前記コルゲート部材の温度20℃、湿度65%RHでの吸湿率が3%以下であり、JISB0601(2001)粗さ曲線の算術平均高さRaが10μm以上の不織布であることを特徴とする全熱交換素子、
(2)前記不織布が、JIS L10968.20.1A法(1999)曲げ反発性(ガーレ法)が0.05mN以上であることを特徴とする前記の全熱交換素子、
(3)前記不織布が、密度0.10〜0.80g/cm3であることを特徴とする前記いずれかに記載の全熱交換素子、
(4)前記不織布が、JIS K7133(1999)120℃15分間加熱による寸法変化率±3%以下であることを特徴とする前記いずれかに記載の全熱交換素子、
(5)前記不織布が、軟化点120℃以下の共重合ポリエステルを含むことを特徴とする前記いずれかに記載の全熱交換素子、
(6)前記ライナ部材が水溶性吸湿剤を含むことを特徴とする前記いずれかに記載の全熱交換素子、
(7)前記水溶性吸湿剤が塩化リチウム又は塩化カルシウムであることを特徴とする前記いずれかに記載の全熱交換素子、
(8)前記ライナ部材が透湿度70g/m2/hr以上であることを特徴とする前記いずれかに記載の全熱交換素子、
(9)前記ライナ部材が熱可塑性樹脂からなるナノファイバーを含むことを特徴とする前記いずれかに記載の全熱交換素子。
(1)ライナ部材と、コルゲート部材とからなる片面ダンボール構造シートが層毎に交差積層された形状を有する全熱交換素子であって、前記コルゲート部材の温度20℃、湿度65%RHでの吸湿率が3%以下であり、JISB0601(2001)粗さ曲線の算術平均高さRaが10μm以上の不織布であることを特徴とする全熱交換素子、
(2)前記不織布が、JIS L10968.20.1A法(1999)曲げ反発性(ガーレ法)が0.05mN以上であることを特徴とする前記の全熱交換素子、
(3)前記不織布が、密度0.10〜0.80g/cm3であることを特徴とする前記いずれかに記載の全熱交換素子、
(4)前記不織布が、JIS K7133(1999)120℃15分間加熱による寸法変化率±3%以下であることを特徴とする前記いずれかに記載の全熱交換素子、
(5)前記不織布が、軟化点120℃以下の共重合ポリエステルを含むことを特徴とする前記いずれかに記載の全熱交換素子、
(6)前記ライナ部材が水溶性吸湿剤を含むことを特徴とする前記いずれかに記載の全熱交換素子、
(7)前記水溶性吸湿剤が塩化リチウム又は塩化カルシウムであることを特徴とする前記いずれかに記載の全熱交換素子、
(8)前記ライナ部材が透湿度70g/m2/hr以上であることを特徴とする前記いずれかに記載の全熱交換素子、
(9)前記ライナ部材が熱可塑性樹脂からなるナノファイバーを含むことを特徴とする前記いずれかに記載の全熱交換素子。
本発明によれば、熱交換性および湿度交換効率に優れ、様々な使用環境で長期にわたり使用可能な全熱交換素子を提供することができる。
以下、発明の実施の形態を詳細に説明する。
まずコルゲート部材について説明する。
本発明の全熱交換素子に使用されるコルゲート部材は、温度20℃、相対湿度65%における吸湿率が3%以下であり、JIS B0601(2001)に規定される粗さ曲線の算術平均高さRaが10μm以上の不織布である。吸湿率が3%以下であれば、素子周辺の温度が氷点下以下になった場合にコルゲート部材内部の空気中の水分が凍結したとしても、コルゲート部材に損傷を与えることなく、その形態を維持することができる。また、コルゲート部材の粗さ曲線の算術平均高さRaが10μm以上の不織布を用いることによって、素子内部を流通する空気の流れを乱流とすることができ、熱交換効率を向上することが可能となる。すなわち、2枚のライナ部材の間をコルゲート部材によって形成され、熱交換される空気の流路において、そのコルゲート部材の表面に粗さ曲線の算術平均高さRaが10μm以上の凹凸があることで、空気の流れを乱流にすることができる。空気の流れを乱流にすることでライナ部材と空気の接触機会を増やし、熱交換効率を促進することができる。また、空気の流れを乱流にするためには、コルゲート部材表面の少なくとも一部分に凹凸を有することでも可能となる。その際には、コルゲート部材の粗さ曲線の最大高さRzが100μm以上のコルゲート部材を用いることによって同様の効果を発現することができる。
本発明のコルゲート部材の不織布を構成する繊維としては、熱可塑性繊維(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、アラミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)、炭素繊維、金属繊維、ガラス繊維、NパルプやLパルプの天然繊維などが適宜使用できる。これらのなかでも吸湿しにくく、共重合ポリエステルとの相性からポリエチレンテレフタレートが好ましい。
また、繊維の断面形状としては、丸断面の繊維のみならず、中空断面繊維や異形断面繊維を配合させることもできる。例えば、中空断面、多孔中空断面、三葉断面(三角断面、Y断面、T断面など)等の多葉断面、扁平断面、W断面、X断面等を採用することもできる。
本発明の粗さ曲線の算術平均高さRaを有するコルゲート部材は、カレンダーロールを通過することにより得ることができる。具体的には、不織布をロール表面に凹凸の彫刻を施された一対のロールで押圧する方法である。またコルゲート部材を構成する繊維を2種類以上とし、大きい繊維径と小さい繊維径の差が10μm以上となるように混合し、不織布を製造することで得ることができる。
コルゲート部材の不織布の曲げ反発性は、ライナ部材とコルゲート部材を用いて片面ダンボール加工する際のコルゲート形状の成型性に大きく関係する。曲げ反発性が0.05mN以上の硬いシートを用いることにより、一定のコルゲート形状を安定して成型することが可能となる。より好ましくは0.1mN以上であり、更に好ましくは0.2mN以上である。一方、曲げ反発性が小さいシートは、山の折り目を作る際に必要な剛性が低下するため、コルゲートの形状が不安定になり、山の大きさが不均一に成型され、接着剤を使用して積層して素子としたとき層間で剥離や換気空気の漏れなどが起きる場合もありうる。
コルゲート部材の不織布の曲げ反発性は、ライナ部材とコルゲート部材を用いて片面ダンボール加工する際のコルゲート形状の成型性に大きく関係する。曲げ反発性が0.05mN以上の硬いシートを用いることにより、一定のコルゲート形状を安定して成型することが可能となる。より好ましくは0.1mN以上であり、更に好ましくは0.2mN以上である。一方、曲げ反発性が小さいシートは、山の折り目を作る際に必要な剛性が低下するため、コルゲートの形状が不安定になり、山の大きさが不均一に成型され、接着剤を使用して積層して素子としたとき層間で剥離や換気空気の漏れなどが起きる場合もありうる。
コルゲート部材の不織布の密度は、下の方の値としては0.1g/cm3以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.3g/cm3以上である。密度が小さい不織布では、不織布内部の空隙を大きくなり、素子として使用時において、換気空気の漏出する懸念がある。一方、上のほうの値としては0.8g/cm3以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.5g/cm3以下である。密度が大きすぎると素子の質量が大きくなる。
コルゲート部材の不織布の厚さとしては、0.08〜1.5mmの範囲であることが好ましい。小さいとでは前述の曲げ反発性が小さくなり、コルゲート形状の成型が安定することができない。また、厚みが大きすぎると片面段ボールシートに成型したときのシート厚みが厚くなり、素子に組み立てたときの段数が少なくなり、熱交換効率が低くなるといった問題や圧力損失が大きくなるといった問題が発生する。
コルゲート部材の不織布の目付としては、特に規定するものではないが、下の方の値としては、20/m2以上が好ましく、さらに好ましくは30g/m2以上である。20g/m2未満であると前述の曲げ反発性の特性が得られにくいことや換気する空気の漏出が懸念される。一方、上限値としては、120g/m2以下が好ましく、さらに好ましくは100g/m2以下である。120g/m2を超えると熱交換素子の質量が大きくなる。
コルゲート部材の不織布は、JIS K7133(1999)によって求められる加熱寸法変化率は120℃、15分の条件で±3%の範囲内であることが好ましい。加熱寸法変化率は、ライナ部材とコルゲート部材を用いて片面段ボール加工する際のロール熱による収縮が大きく関係する。片面段ボール加工の加工温度である120℃において、シートの加熱寸法変化率が小さいことにより、コルゲート形状が安定して成型することが可能となる。より好ましくは±3%以下、さらに好ましくは±2%以下である。一方、加熱寸法変化率が±3%を超える場合には、加工時にシートの収縮や膨張などによりシワが発生し、コルゲート形状が不安定になり、山の高さや大きさが安定しない。それにより、前述のような素子の層間の接着不良が発生し、熱交換効率の低下や圧力損失の上昇に繋がるため好ましくない。
コルゲート部材の不織布としては、特に規定するものではないが、軟化点120℃以下の共重合ポリエステルを含むことが好ましい。より好ましくは共重合ポリエステルが繊維形状である。さらに好ましくは、共重合ポリエステルが鞘部である芯鞘型の繊維である。軟化点120℃以下の共重合ポリエステルが不織布の繊維交点を接着させることにより、不織布としてのシートにムラを抑制し、さらには、前述の曲げ反発性や寸法変化率を安定して発現できる。
次にライナ部材について説明する。
本発明に用いられるライナ部材の材料には、Nパルプ、Lパルプなどの天然繊維、熱可塑性合成繊維(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、アラミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)、炭素繊維、金属繊維、ガラス繊維が例示される。これらを単独で用いても良いがこれらの中のから選ばれる1種以上の繊維が含まれていることが好ましい。この中でもパルプと熱可塑性合成繊維の組み合わせがより好ましい。熱可塑性繊維としてはナノファイバーが好ましい。全熱交換素子は、水蒸気分圧の異なる空間が、ライナ部材により仕切られている。水蒸気は、材料中を通り、水蒸気分圧の高いほうから低いほうへ移行していく。その際、材料内部の微細空隙において、凝集と蒸散を繰り返すとされる。そのような凝集と蒸散は毛細管現象が大きく寄与する。ナノファイバーは、パルプが重なり合うことにより生じるわずかな空間に入り込むことで、毛細管現象を更に促進することが可能となる。パルプの一部がフィブリル化した隙間にナノファイバーが入り込む特徴的な構成となる。ナノファイバーはナノ径を有する微細な繊維であるため、パルプの緻密性及び気体遮蔽性を阻害することもない。さらに、熱可塑性繊維であるので、パルプのように、湿潤時、強度が大きく低下することがない。そのため、原紙は長期にわたり、全熱交換素子の安定した寸法安定性を保つことができるため好ましい。
ここで言うナノファイバーとはナノメートル(nm)レベルの繊維径を有する繊維を意味し、定義するのであれば数平均繊維径が1nm以上、1000nm未満の繊維をいう。なお、繊維断面が円形でない異形断面の場合は同面積の円形に換算したときの繊維径に基づくものとした。ナノファイバーの数平均繊維径の上限としては、毛細管現象促進の観点から、500nm以下とすることが望ましく、300μm以下がより好ましい。一方、下限値としては、生産性の観点から1nm以上とすることが望ましい。より好ましくは、100nm以上の範囲である。ナノファイバーは、熱可塑性繊維の中でも吸水しやすく、セルロースとの親和性の観点からナイロンであることが好ましく、更に好ましくはナイロン6である。また、ナイロン以外の成分を共重合または混合していてもかまわない。なお、ナノファイバーは例えば、特開2005−299069号公報(段落[0045]〜[0057]、段落[0114]〜[0117]など)に記載された方法等により製造することができる。
熱可塑性合成繊維のナノファイバーのライナ部材に対する比率の下のほうとしては、1質量%以上であることが好ましい。より好ましくは15質量%以上である。さらに好ましくは30質量%以上である。1質量%以上とすることで、毛細管現象が促進され透湿度が高くすることが可能である。一方、上のほうとしては、80重量%以下であることが好ましい。より好ましくは65質量%以下である。さらに好ましくは50質量%以下である。多すぎると超極細繊維であるナノファイバーにより、ろ水性が低くなり、生産性が低下する傾向がある。
本発明に用いられるライナ部材の材料には、Nパルプ、Lパルプなどの天然繊維、熱可塑性合成繊維(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、アラミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)、炭素繊維、金属繊維、ガラス繊維が例示される。これらを単独で用いても良いがこれらの中のから選ばれる1種以上の繊維が含まれていることが好ましい。この中でもパルプと熱可塑性合成繊維の組み合わせがより好ましい。熱可塑性繊維としてはナノファイバーが好ましい。全熱交換素子は、水蒸気分圧の異なる空間が、ライナ部材により仕切られている。水蒸気は、材料中を通り、水蒸気分圧の高いほうから低いほうへ移行していく。その際、材料内部の微細空隙において、凝集と蒸散を繰り返すとされる。そのような凝集と蒸散は毛細管現象が大きく寄与する。ナノファイバーは、パルプが重なり合うことにより生じるわずかな空間に入り込むことで、毛細管現象を更に促進することが可能となる。パルプの一部がフィブリル化した隙間にナノファイバーが入り込む特徴的な構成となる。ナノファイバーはナノ径を有する微細な繊維であるため、パルプの緻密性及び気体遮蔽性を阻害することもない。さらに、熱可塑性繊維であるので、パルプのように、湿潤時、強度が大きく低下することがない。そのため、原紙は長期にわたり、全熱交換素子の安定した寸法安定性を保つことができるため好ましい。
ここで言うナノファイバーとはナノメートル(nm)レベルの繊維径を有する繊維を意味し、定義するのであれば数平均繊維径が1nm以上、1000nm未満の繊維をいう。なお、繊維断面が円形でない異形断面の場合は同面積の円形に換算したときの繊維径に基づくものとした。ナノファイバーの数平均繊維径の上限としては、毛細管現象促進の観点から、500nm以下とすることが望ましく、300μm以下がより好ましい。一方、下限値としては、生産性の観点から1nm以上とすることが望ましい。より好ましくは、100nm以上の範囲である。ナノファイバーは、熱可塑性繊維の中でも吸水しやすく、セルロースとの親和性の観点からナイロンであることが好ましく、更に好ましくはナイロン6である。また、ナイロン以外の成分を共重合または混合していてもかまわない。なお、ナノファイバーは例えば、特開2005−299069号公報(段落[0045]〜[0057]、段落[0114]〜[0117]など)に記載された方法等により製造することができる。
熱可塑性合成繊維のナノファイバーのライナ部材に対する比率の下のほうとしては、1質量%以上であることが好ましい。より好ましくは15質量%以上である。さらに好ましくは30質量%以上である。1質量%以上とすることで、毛細管現象が促進され透湿度が高くすることが可能である。一方、上のほうとしては、80重量%以下であることが好ましい。より好ましくは65質量%以下である。さらに好ましくは50質量%以下である。多すぎると超極細繊維であるナノファイバーにより、ろ水性が低くなり、生産性が低下する傾向がある。
本発明に用いられるライナ部材は、水溶性の吸湿剤を含むことが好ましい。吸湿剤は、水溶性吸湿剤の塩化リチウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウム及び塩化マグネシウム等のアルカリ土類金属塩を用いることが好ましい。この中でも、吸水率の高い塩化リチウム、塩化カルシウムがより好ましい。さらに好ましくは、少ない付着量で湿度交換効率を高めることができる塩化リチウムである。その他、ウレタン樹脂、ポリオキシエチレン、ポリエチレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリアクリルスルホン酸ナトリムなどを含んでも良い。さらには抗菌剤、制菌剤、難燃剤等の機能剤も含んでも良い。
吸湿剤の付着量は、下の方の値としてはライナ部材に対し3質量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは5質量%以上である。吸湿剤を3質量%以上付着させることでライナ部材の透湿度が高くなり、湿度交換効率が促進される。一方、上の方の値としては40質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは30質量%以下である。多すぎると、高湿条件下における原紙の強度が低下する傾向がある。
吸湿剤の付着量は、下の方の値としてはライナ部材に対し3質量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは5質量%以上である。吸湿剤を3質量%以上付着させることでライナ部材の透湿度が高くなり、湿度交換効率が促進される。一方、上の方の値としては40質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは30質量%以下である。多すぎると、高湿条件下における原紙の強度が低下する傾向がある。
ライナ部材の目付は、下の方の値としては20g/m2以上が好ましく、さらに好ましくは25g/m2以上であり、最も好ましくは30g/m2以上である。少ないと、原紙の強度が著しく低下すると共に、ライナ内部の空隙が大きくなり空気の漏出が発生おそれがある。一方、上限値としては50g/m2以下が好ましく、さらに好ましくは45g/m2以下であり、最も好ましくは40g/m2以下である。一定の目付以下とすることで、熱抵抗値を低くすることができ、更に透湿度を高くすることができるため、温度交換効率と湿度交換効率を向上することができる。
ライナ部材の厚さは、下の方の値としては20μm以上が好ましく、さらに好ましくは25μm以上であり、最も好ましくは30μm以上である。厚さが小さいと原紙の強度が低下すると共に、原紙内部の空隙が大きくなり空気の漏出が発生する傾向がある。一方、上限値としては50μm以下が好ましく、さらに好ましくは45μm以下であり、最も好ましくは40μm以下である。厚さを50μm以下とすることで、熱抵抗値を低くすることができ、更に透湿度を高くすることができるため、温度交換効率と湿度交換効率を向上することができる。
ライナ部材の透湿度は、70g/m2/hr以上が好ましく、さらに好ましくは80g/m2/hr以上であり、最も好ましくは90g/m2/hr以上である。前記範囲であると全熱交換素子として用いたときに潜熱交換効率が高くなる。
ライナ部材の透気度は、200秒/100ml以上であることが好ましく、さらに好もしくは500秒/100ml以上であり、最も好ましくは700秒/100ml以上である。低すぎると原紙内部の空隙が小さくなり空気遮蔽性が低くなる傾向がある。
ライナ部材の密度は、下の値としては0.5g/cm3以上であり、より好ましくは0.7g/cm3以上であり、最も好ましくは0.9g/cm3以上である。透気度は密度に大きく依存し、密度を一定以上とすることで、原紙内部の空隙を小さく抑えることができ、透気度が高くなる。すなわち、高い空気遮蔽性を得ることができる。一方、上のほうの値としては1.5g/cm3以下であることが好ましく、より好ましくは1.3g/cm3以下であり、最も好ましくは1.1g/cm3以下である。密度があまりに大きすぎると原紙内部の微細な空隙までもなくなり、ナノファイバーの毛細管現象による透湿性能を得ることが難しくなる傾向がある。
ライナ部材の密度をコントロールする手法としては、特に規定するものではないが、回転する一対のロール、または複数本のロールの間で押圧させるカレンダー装置やプレス装置により圧密化されることが好ましい。圧密化を行うことにより、原紙の紙厚を薄くすることができる。それにより熱抵抗値を低くすることができ、更に透湿度を高くすることができるため、温度交換効率と湿度交換効率を向上することができる。
ライナ部材は、抄紙により原紙を作成し、その原紙へ吸湿剤を付着させることにより製造することができる。まず、原紙の製造方法は、パルプやナノファイバー等の構成繊維を叩解する。ナノファイバーはアスペクト比が大きく、繊維同士が絡みやすいため、分散剤や浸透剤などを用いて、パルプ等の繊維とは別に行う。パルプは、叩解によりフィブリル化させる必要があるが、その指標としてはJISP8121−2(2012)で規定されるカナダ標準ろ水度試験で100mlを超えるものであることが望ましい。100mlを超えることで、ろ水性を向上させ、抄紙時の生産性を高めることができる。ただ、ろ水度が高いととパルプ間の空隙が、大きくなり空気遮蔽性が損なわれるため、ろ水度としては100〜500mlの範囲がより好ましい。叩解機は、ビーターやリファイナー等で分散させることができ、抄紙工程の直前で各構成繊維を混ぜ合わせることが好ましい。抄紙は、丸網抄紙機、短網抄紙機、長網抄紙機、ツインワイヤー、オントップやそれらの組み合わせた抄紙機などを用いることができる。また、ナノファイバーを抄紙の内部に均一に分散配置させるためには、サクション等による脱水機能を有する抄紙機がナノファイバーを抄紙内部で部分的に偏ることを抑制できるため好ましい。抄紙後、スーパーカレンダー処理、熱カレンダー処理することで原紙の表面均一性を向上させることができることから好ましい。
ライナ部材の透湿度は、70g/m2/hr以上が好ましく、さらに好ましくは80g/m2/hr以上であり、最も好ましくは90g/m2/hr以上である。前記範囲であると全熱交換素子として用いたときに潜熱交換効率が高くなる。
ライナ部材の透気度は、200秒/100ml以上であることが好ましく、さらに好もしくは500秒/100ml以上であり、最も好ましくは700秒/100ml以上である。低すぎると原紙内部の空隙が小さくなり空気遮蔽性が低くなる傾向がある。
ライナ部材の密度は、下の値としては0.5g/cm3以上であり、より好ましくは0.7g/cm3以上であり、最も好ましくは0.9g/cm3以上である。透気度は密度に大きく依存し、密度を一定以上とすることで、原紙内部の空隙を小さく抑えることができ、透気度が高くなる。すなわち、高い空気遮蔽性を得ることができる。一方、上のほうの値としては1.5g/cm3以下であることが好ましく、より好ましくは1.3g/cm3以下であり、最も好ましくは1.1g/cm3以下である。密度があまりに大きすぎると原紙内部の微細な空隙までもなくなり、ナノファイバーの毛細管現象による透湿性能を得ることが難しくなる傾向がある。
ライナ部材の密度をコントロールする手法としては、特に規定するものではないが、回転する一対のロール、または複数本のロールの間で押圧させるカレンダー装置やプレス装置により圧密化されることが好ましい。圧密化を行うことにより、原紙の紙厚を薄くすることができる。それにより熱抵抗値を低くすることができ、更に透湿度を高くすることができるため、温度交換効率と湿度交換効率を向上することができる。
ライナ部材は、抄紙により原紙を作成し、その原紙へ吸湿剤を付着させることにより製造することができる。まず、原紙の製造方法は、パルプやナノファイバー等の構成繊維を叩解する。ナノファイバーはアスペクト比が大きく、繊維同士が絡みやすいため、分散剤や浸透剤などを用いて、パルプ等の繊維とは別に行う。パルプは、叩解によりフィブリル化させる必要があるが、その指標としてはJISP8121−2(2012)で規定されるカナダ標準ろ水度試験で100mlを超えるものであることが望ましい。100mlを超えることで、ろ水性を向上させ、抄紙時の生産性を高めることができる。ただ、ろ水度が高いととパルプ間の空隙が、大きくなり空気遮蔽性が損なわれるため、ろ水度としては100〜500mlの範囲がより好ましい。叩解機は、ビーターやリファイナー等で分散させることができ、抄紙工程の直前で各構成繊維を混ぜ合わせることが好ましい。抄紙は、丸網抄紙機、短網抄紙機、長網抄紙機、ツインワイヤー、オントップやそれらの組み合わせた抄紙機などを用いることができる。また、ナノファイバーを抄紙の内部に均一に分散配置させるためには、サクション等による脱水機能を有する抄紙機がナノファイバーを抄紙内部で部分的に偏ることを抑制できるため好ましい。抄紙後、スーパーカレンダー処理、熱カレンダー処理することで原紙の表面均一性を向上させることができることから好ましい。
原紙への吸湿剤の付着方法は、コーティング等の塗工やディッピングなどの浸漬による加工で付着させることができる。
本発明のライナ部材と、コルゲート部材とからなる片面段ボールシートは、コルゲート部材の山の形状を形成する互いに噛み合って回転する一対の歯車状ロールと、コルゲート部材の山の頂点に接着剤を塗布するロールと、ライナ部材と接着剤が付着したコルゲート部材を押し付けるプレスロールよりなる装置によって製造することができる。歯車状ロールとプレスロールに加熱することによって安定したコルゲート形状を得ることができる。本発明のコルゲート部材を加工する際のロール表面の温度は、下限値としては60℃以上が好ましく、さらに好ましくは70℃以上であり、最も好ましくは80℃以上である。上限値としては120℃以下が好ましく、110℃以下であり、最も好ましくは100℃以下である。
片面ダンボールの山の高さ(段高)は、下の値としては1.0mm以上が好ましい、さらに好ましくは1.5mm以上、最も好ましくは2.0mm以上である。段高が前記範囲であることで全熱交換素子の圧力損失が低下し、全熱交換器のファンへの付加が少なくなるため好ましい。一方、上の値としては、5.0mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは4.0mm以下であり、最も好ましくは3.0mm以下である。段高を前記範囲とすることで、一定の全熱交換素子の大きさの中で、ライナ部材の枚数を増やすことができ、熱交換効率と湿度交換効率の面積が増えるため好ましい。
片面ダンボールの山の幅(ピッチ)は、下限値としては2.0mm以上が好ましく、さらに好ましくは2.5mm以上、最も好ましくは3.0mm以上である。ピッチを2.0mm以上とすることで山の数を少なくすることができ、それによりライナー部材への接着剤の面積が減るため、熱交換効率と湿度交換効率の面積が増えるため好ましい。一方、上限値としては、7.0mm以下が好ましく、さらに好ましくは6.0mm以下であり、最も好ましくは5.0mm以下である。ピッチを7.0mm以下とすることで、山の数が多くなるため、全熱交換素子の圧縮による強度が高くなるため好ましい。
そして本発明の全熱交換素子は片面ダンボール構造シートが層毎に交差積層された形状を有する。
片面ダンボールの積層は、ロールコーターなどを用いて片面段ボールシートの山の頂点に接着剤を塗布し、一枚ずつ交互に直交に積層させ、積層体の上から荷重をかけ、その後、乾燥機に入れ、接着剤を乾燥させる。積層体の上から荷重をかける際は、段高の山の形が全て潰れない範囲で荷重をかけ、段高を低くすることもできる。そうすることで、一定の全熱交換素子の大きさの中で、ライナ部材の枚数を増やすことができ、熱交換効率と湿度交換効率の面積が増えるため好ましい。
接着剤としては、水系接着剤、有機溶剤系接着剤、無溶剤系反応型接着剤、ホットメルト型接着剤などが挙げられる。中でも水系接着剤は汎用性があり、低コストであるため生産性に優れているため好ましい。
水系接着剤は、酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、でんぷん糊などが挙げられる。特に、酢酸ビニル系であって、エマルジョン分散型の接着剤は、速乾性と耐久性がり、更に低コストであるため好ましい。また、接着機能を損なわない範囲で接着剤中に吸湿剤、難燃剤、防カビ剤などの機能剤を混合しても構わない。
本発明のライナ部材と、コルゲート部材とからなる片面段ボールシートは、コルゲート部材の山の形状を形成する互いに噛み合って回転する一対の歯車状ロールと、コルゲート部材の山の頂点に接着剤を塗布するロールと、ライナ部材と接着剤が付着したコルゲート部材を押し付けるプレスロールよりなる装置によって製造することができる。歯車状ロールとプレスロールに加熱することによって安定したコルゲート形状を得ることができる。本発明のコルゲート部材を加工する際のロール表面の温度は、下限値としては60℃以上が好ましく、さらに好ましくは70℃以上であり、最も好ましくは80℃以上である。上限値としては120℃以下が好ましく、110℃以下であり、最も好ましくは100℃以下である。
片面ダンボールの山の高さ(段高)は、下の値としては1.0mm以上が好ましい、さらに好ましくは1.5mm以上、最も好ましくは2.0mm以上である。段高が前記範囲であることで全熱交換素子の圧力損失が低下し、全熱交換器のファンへの付加が少なくなるため好ましい。一方、上の値としては、5.0mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは4.0mm以下であり、最も好ましくは3.0mm以下である。段高を前記範囲とすることで、一定の全熱交換素子の大きさの中で、ライナ部材の枚数を増やすことができ、熱交換効率と湿度交換効率の面積が増えるため好ましい。
片面ダンボールの山の幅(ピッチ)は、下限値としては2.0mm以上が好ましく、さらに好ましくは2.5mm以上、最も好ましくは3.0mm以上である。ピッチを2.0mm以上とすることで山の数を少なくすることができ、それによりライナー部材への接着剤の面積が減るため、熱交換効率と湿度交換効率の面積が増えるため好ましい。一方、上限値としては、7.0mm以下が好ましく、さらに好ましくは6.0mm以下であり、最も好ましくは5.0mm以下である。ピッチを7.0mm以下とすることで、山の数が多くなるため、全熱交換素子の圧縮による強度が高くなるため好ましい。
そして本発明の全熱交換素子は片面ダンボール構造シートが層毎に交差積層された形状を有する。
片面ダンボールの積層は、ロールコーターなどを用いて片面段ボールシートの山の頂点に接着剤を塗布し、一枚ずつ交互に直交に積層させ、積層体の上から荷重をかけ、その後、乾燥機に入れ、接着剤を乾燥させる。積層体の上から荷重をかける際は、段高の山の形が全て潰れない範囲で荷重をかけ、段高を低くすることもできる。そうすることで、一定の全熱交換素子の大きさの中で、ライナ部材の枚数を増やすことができ、熱交換効率と湿度交換効率の面積が増えるため好ましい。
接着剤としては、水系接着剤、有機溶剤系接着剤、無溶剤系反応型接着剤、ホットメルト型接着剤などが挙げられる。中でも水系接着剤は汎用性があり、低コストであるため生産性に優れているため好ましい。
水系接着剤は、酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、でんぷん糊などが挙げられる。特に、酢酸ビニル系であって、エマルジョン分散型の接着剤は、速乾性と耐久性がり、更に低コストであるため好ましい。また、接着機能を損なわない範囲で接着剤中に吸湿剤、難燃剤、防カビ剤などの機能剤を混合しても構わない。
全熱交換素子の暖房条件による熱交換効率は、75%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上である。また、冷房条件による湿度交換効率は、50%以上であることが好ましく、より好ましくは60%以上である。この交換効率は風量120m3で測定した値とする。
全熱交換素子の圧力損失は、70Pa以下であることが好ましく、より好ましくは60Pa以下である。この圧力損失は風量120m3で測定した値とする。
全熱交換素子の圧力損失は、70Pa以下であることが好ましく、より好ましくは60Pa以下である。この圧力損失は風量120m3で測定した値とする。
以下、本発明を実施例を用いて説明する。本発明における各特性の定義および測定方法は以下のとおりである。
[測定方法]
(1)吸湿率
一辺25cmの正方形の試料を5枚採取し、110℃で24時間以上乾燥させ、ほぼ乾燥した状態とし、その後、20℃に調整したデシケータ内で24時間処理した試料の質量(W0)をそれぞれ測定する。その後、温度20℃、湿度65%RHに調整した恒温恒湿槽内で24時間処理した後のそれぞれの質量(W1)より、下記式を用いてそれぞれの吸湿率を求め、平均値とした。
吸湿率(%)=(W1−W0)/(W0)×100
(2)コルゲート部材の粗さ曲線の算術平均高さRa
JIS B0601(2001)に規定される粗さ曲線の算術平均高さRaの方法により測定を行った。測定装置としては、(株)東京精密社製SURFCOM(登録商標) FLEX50A(表面粗さ形状測定機)を用い、走査針としてはDM43801を用いて測定を行った。
また、測定サンプルとしては、コルゲート部材300mm角に切り出し、5箇所でそれぞれ40mmを評価長さとして測定し、それらの平均値とした。
(1)吸湿率
一辺25cmの正方形の試料を5枚採取し、110℃で24時間以上乾燥させ、ほぼ乾燥した状態とし、その後、20℃に調整したデシケータ内で24時間処理した試料の質量(W0)をそれぞれ測定する。その後、温度20℃、湿度65%RHに調整した恒温恒湿槽内で24時間処理した後のそれぞれの質量(W1)より、下記式を用いてそれぞれの吸湿率を求め、平均値とした。
吸湿率(%)=(W1−W0)/(W0)×100
(2)コルゲート部材の粗さ曲線の算術平均高さRa
JIS B0601(2001)に規定される粗さ曲線の算術平均高さRaの方法により測定を行った。測定装置としては、(株)東京精密社製SURFCOM(登録商標) FLEX50A(表面粗さ形状測定機)を用い、走査針としてはDM43801を用いて測定を行った。
また、測定サンプルとしては、コルゲート部材300mm角に切り出し、5箇所でそれぞれ40mmを評価長さとして測定し、それらの平均値とした。
(3)曲げ反発性
JIS L10968.20.1A法(1999)曲げ反発性(ガーレ法)の方法により測定を行った。試験片は長さ25mm、幅25mmでタテ方向、ヨコ方向にそれぞれ5枚採取した。ガーレ試験機を用い、試験片が振子から離れる目盛り(RG)、荷重取付位置と支点間の距離(a)、おもりの質量(Wa)より、下記式を用いて試験片の表裏の曲げ反発性を求めた。タテ方向及びヨコ方向の平均値を値とした。
曲げ反発性(mN)=RG×(a×Wa)×(25−12.7)2/25×3.375×10−5
(4)加熱寸法変化率
JIS K7133(1999)加熱寸法変化率の方法により測定を行った。試験片は長さ120mm、幅120mmを5枚採取し、それぞれ試験片の内側に100mm各の正方形の標線を記載した。この試験片を20℃65%RH条件下で2時間処理し、その後、タテ方向とヨコ方向の標線間の距離(T0)を測定した。その試験片を120℃に設定した定温乾燥機にて15分間処理し、20℃65%RHの環境で1時間放置する。その後、試験片のタテ方向とヨコ方向の標線間の距離(T)を測定した。下記式にて加熱寸法変化率を求め、タテ方向及びヨコ方向の平均値を値とした。
加熱寸法変化率(%)=((T−T0)/T0)×100
(5)透湿度
JIS Z0208(1976)透湿度(カップ法)の方法により測定を行った。使用したカップはφ60mm、深さ25mmである。試験片はφ70mmの円形を5枚採取した。試験片は80℃に設定した乾燥機にて1時間処理し、20℃65%RHに設定した恒温恒湿槽内にて1時間処理した。その試験片を水分測定用塩化カルシウム(和光純薬工業製)33gの入ったカップに設置し、初期重量(T0)を測定。20℃65%RHに設定した恒温恒湿槽内にて1、2、3、4、5時間処理し、その際の重量(T1、T2、T3、T4、T5)を測定した。下記式にて透湿度を求め、5枚の平均値を値とした。
透湿度(g/m2/hr)={[(T−T0)/T0)+((T−T1)/T1)+((T−T2)/T2)+((T−T3)/T3)+((T−T4)/T4)+((T−T5)/T5)]/5}×100
(6)透気度
JIS P8117(1998)透気度(ガーレ試験機法)の方法により測定を行った。試験片は長さ150mm、幅150mmを5枚採取した。試験片は20℃65%RHに設定した恒温恒湿槽内にて1時間処理した。20℃65%RHの環境下にて、ガーレ式デンソメータ(型式G−B3C、(株)東洋精機製作所)に試験片を設置し、空気100mlが通過する時間を測定し、5枚の平均値を値(秒/100ml)とした。
JIS L10968.20.1A法(1999)曲げ反発性(ガーレ法)の方法により測定を行った。試験片は長さ25mm、幅25mmでタテ方向、ヨコ方向にそれぞれ5枚採取した。ガーレ試験機を用い、試験片が振子から離れる目盛り(RG)、荷重取付位置と支点間の距離(a)、おもりの質量(Wa)より、下記式を用いて試験片の表裏の曲げ反発性を求めた。タテ方向及びヨコ方向の平均値を値とした。
曲げ反発性(mN)=RG×(a×Wa)×(25−12.7)2/25×3.375×10−5
(4)加熱寸法変化率
JIS K7133(1999)加熱寸法変化率の方法により測定を行った。試験片は長さ120mm、幅120mmを5枚採取し、それぞれ試験片の内側に100mm各の正方形の標線を記載した。この試験片を20℃65%RH条件下で2時間処理し、その後、タテ方向とヨコ方向の標線間の距離(T0)を測定した。その試験片を120℃に設定した定温乾燥機にて15分間処理し、20℃65%RHの環境で1時間放置する。その後、試験片のタテ方向とヨコ方向の標線間の距離(T)を測定した。下記式にて加熱寸法変化率を求め、タテ方向及びヨコ方向の平均値を値とした。
加熱寸法変化率(%)=((T−T0)/T0)×100
(5)透湿度
JIS Z0208(1976)透湿度(カップ法)の方法により測定を行った。使用したカップはφ60mm、深さ25mmである。試験片はφ70mmの円形を5枚採取した。試験片は80℃に設定した乾燥機にて1時間処理し、20℃65%RHに設定した恒温恒湿槽内にて1時間処理した。その試験片を水分測定用塩化カルシウム(和光純薬工業製)33gの入ったカップに設置し、初期重量(T0)を測定。20℃65%RHに設定した恒温恒湿槽内にて1、2、3、4、5時間処理し、その際の重量(T1、T2、T3、T4、T5)を測定した。下記式にて透湿度を求め、5枚の平均値を値とした。
透湿度(g/m2/hr)={[(T−T0)/T0)+((T−T1)/T1)+((T−T2)/T2)+((T−T3)/T3)+((T−T4)/T4)+((T−T5)/T5)]/5}×100
(6)透気度
JIS P8117(1998)透気度(ガーレ試験機法)の方法により測定を行った。試験片は長さ150mm、幅150mmを5枚採取した。試験片は20℃65%RHに設定した恒温恒湿槽内にて1時間処理した。20℃65%RHの環境下にて、ガーレ式デンソメータ(型式G−B3C、(株)東洋精機製作所)に試験片を設置し、空気100mlが通過する時間を測定し、5枚の平均値を値(秒/100ml)とした。
(7)厚み
試料の異なる箇所から長さ200mm、幅200mmの試験片を3枚採取し、温度20℃、湿度65%RHにて24hr放置後、それぞれの中央と4隅の5点の厚さ(μm)を測定器(型式ID−112、(株)ミツトヨ)にて0.001μmまで測定し、平均値を値とした。
試料の異なる箇所から長さ200mm、幅200mmの試験片を3枚採取し、温度20℃、湿度65%RHにて24hr放置後、それぞれの中央と4隅の5点の厚さ(μm)を測定器(型式ID−112、(株)ミツトヨ)にて0.001μmまで測定し、平均値を値とした。
(8)目付
JIS L1906(2000)5.2の方法により目付を測定した。試料の異なる箇所から長さ200mm、幅250mmの試験片を3枚採取し、温度20℃、湿度65%RHにて24hr放置後、それぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表した。
JIS L1906(2000)5.2の方法により目付を測定した。試料の異なる箇所から長さ200mm、幅250mmの試験片を3枚採取し、温度20℃、湿度65%RHにて24hr放置後、それぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表した。
(8)軟化点
示差走査熱量計(島津製作所社製DSC−60型)を用い、試料2.0mgを昇温速度10℃/min、目標温度300℃にて測定した。得た融解吸熱曲線(昇温時)の極値の温度を軟化点(℃)とした。試験回数は5回とし、その平均値を値とした。
示差走査熱量計(島津製作所社製DSC−60型)を用い、試料2.0mgを昇温速度10℃/min、目標温度300℃にて測定した。得た融解吸熱曲線(昇温時)の極値の温度を軟化点(℃)とした。試験回数は5回とし、その平均値を値とした。
(9)ナノファイバーの数平均繊維径
数平均繊維径は以下のようにして求める。すなわち、走査型電子顕微鏡で撮影したナノファイバーの集合体の写真を画像処理ソフト(WINROOF)を用いて5mm角のサンプル内で無作為抽出した30本の単繊維直径をnm単位で小数の1桁目まで測定して少数の1桁目を四捨五入する。サンプリングは合計10回行って各30本の単繊維直径のデータを取り、合計300本の単繊維直径のデータを積算後、全数で除して単純平均値を求めたものを数平均繊維径とした。
数平均繊維径は以下のようにして求める。すなわち、走査型電子顕微鏡で撮影したナノファイバーの集合体の写真を画像処理ソフト(WINROOF)を用いて5mm角のサンプル内で無作為抽出した30本の単繊維直径をnm単位で小数の1桁目まで測定して少数の1桁目を四捨五入する。サンプリングは合計10回行って各30本の単繊維直径のデータを取り、合計300本の単繊維直径のデータを積算後、全数で除して単純平均値を求めたものを数平均繊維径とした。
(10)コルゲート成型性
片面ダンボールのコルゲートの成型性は、片面ダンボールの山をランダムで10個選び、段高とピッチをノギス(ミツトヨ製M型標準ノギスN)にて測定し、その差により評価した。評価は、下記の基準にて行った。
判定
○(山を一定の形で成型できる):10個全ての段高の最大最小差が0.5mm未満、10個全てのピッチの最大最小差が0.5mm未満
×(できあがった山の形が不均一):10個全ての段高の最大最小差が0.5mm以上、10個全てのピッチの最大最小差が0.5mm以上。
片面ダンボールのコルゲートの成型性は、片面ダンボールの山をランダムで10個選び、段高とピッチをノギス(ミツトヨ製M型標準ノギスN)にて測定し、その差により評価した。評価は、下記の基準にて行った。
判定
○(山を一定の形で成型できる):10個全ての段高の最大最小差が0.5mm未満、10個全てのピッチの最大最小差が0.5mm未満
×(できあがった山の形が不均一):10個全ての段高の最大最小差が0.5mm以上、10個全てのピッチの最大最小差が0.5mm以上。
(11)熱交換効率、湿度交換効率
JIS B8628(2003)に規定される方法により、室外から全熱交換器に導入する空気(外気)と、室内から全熱交換器に導入する空気(還気)と、全熱交換器から室内に供給する空気(給気)の温度と湿度を測定し全熱交換効率を求めた。温度と湿度の測定は、温度・湿度データロガー(ティアンドデイ製「おんどとり」(登録商標)TR−71Ui)を使用した。温度と湿度の測定位置は全熱交換素子から30cm離れた位置で測定した。測定空気は冷房条件として、外気が温度35℃、湿度64%RHで風量120m3/hrとし、還気が温度27℃、湿度52%RHで風量120m3/hrとし、湿度交換効率を求めた。また、暖房条件として、外気が温度5℃、湿度58%RHで風量120m3/hrとし、還気が温度20℃、湿度51%RHで風量120m3/hrとし、熱交換効率を求めた。
JIS B8628(2003)に規定される方法により、室外から全熱交換器に導入する空気(外気)と、室内から全熱交換器に導入する空気(還気)と、全熱交換器から室内に供給する空気(給気)の温度と湿度を測定し全熱交換効率を求めた。温度と湿度の測定は、温度・湿度データロガー(ティアンドデイ製「おんどとり」(登録商標)TR−71Ui)を使用した。温度と湿度の測定位置は全熱交換素子から30cm離れた位置で測定した。測定空気は冷房条件として、外気が温度35℃、湿度64%RHで風量120m3/hrとし、還気が温度27℃、湿度52%RHで風量120m3/hrとし、湿度交換効率を求めた。また、暖房条件として、外気が温度5℃、湿度58%RHで風量120m3/hrとし、還気が温度20℃、湿度51%RHで風量120m3/hrとし、熱交換効率を求めた。
(12)圧力損失
圧力損失は、(11)熱交換効率、湿度交換効率測定時に外気と給気の風量の差を圧力損失計により測定し、冷房条件と暖房条件のそれぞれの測定値の平均値とした。
圧力損失は、(11)熱交換効率、湿度交換効率測定時に外気と給気の風量の差を圧力損失計により測定し、冷房条件と暖房条件のそれぞれの測定値の平均値とした。
(13)環境耐久性評価後の寸法変化率
全熱交換素子を温度50℃、湿度80%の環境下に6時間放置し、その後、温度―30℃の環境下に6時間放置させることを1サイクルとし、それを5サイクル繰り返した後、素子寸法を高さ、幅、奥行きをそれぞれ評価し、試験の前後での変化率を求めた。
全熱交換素子を温度50℃、湿度80%の環境下に6時間放置し、その後、温度―30℃の環境下に6時間放置させることを1サイクルとし、それを5サイクル繰り返した後、素子寸法を高さ、幅、奥行きをそれぞれ評価し、試験の前後での変化率を求めた。
(14)環境耐久性評価後の熱交換効率および湿度交換効率
上記(13)環境耐久性評価を実施した後の全熱交換素子を用いて、上記(11)熱交換効率、湿度交換効率の性能を実施し、それぞれの環境耐久性評価前後での変動率を求めた。
上記(13)環境耐久性評価を実施した後の全熱交換素子を用いて、上記(11)熱交換効率、湿度交換効率の性能を実施し、それぞれの環境耐久性評価前後での変動率を求めた。
[実施例1]
ナノファイバーは次の方法によって得た。融点220℃のナイロン6、40質量%と、融点170℃のポリL乳酸(光学純度99.5%以上)、60質量%を、2軸型の押出混練機を用いて220℃で溶融混練してポリマーアロイチップを得た。
ナノファイバーは次の方法によって得た。融点220℃のナイロン6、40質量%と、融点170℃のポリL乳酸(光学純度99.5%以上)、60質量%を、2軸型の押出混練機を用いて220℃で溶融混練してポリマーアロイチップを得た。
上記ポリマーアロイチップを、1軸型の押出機を備えたステープル用の溶融紡糸装置に投入し、235℃で溶融し、スピンブロックに導いた。そして、ポリマーアロイ溶融体を限界濾過径15μmの金属不織布に濾過させ、紡糸温度235℃で、孔径0.3mmの吐出孔を有し口金面温度215℃とした口金から吐出させた。吐出された線状の溶融ポリマーを冷却風で冷却固化し、油剤を付与し、紡糸速度1350m/分で引き取った。得られた未延伸糸を合糸した後、延伸温度90℃、延伸倍率3.04倍、熱セット温度130℃で延伸熱処理し、単繊維繊度3.0dtex、総繊度50万dtexのポリマーアロイ繊維のトウを得た。得られたポリマーアロイ繊維は、強度3.4cN/dtex、伸度45%であった。上記ポリマーアロイ繊維のトウを、95℃に保った2%水酸化ナトリウム水溶液に1時間浸漬し、ポリマーアロイ繊維中のポリL乳酸成分を加水分解除去(脱海)した。次いで酢酸で中和し、水洗、乾燥し、ナノファイバーの繊維束を得、この繊維束を1mm長にカットした。このカット繊維を、水10Lあたり30gの濃度で、熊谷理機工業(株)製、試験用ナイヤガラビーターに仕込み、5分間予備叩解し、水を切って回収した。次いでこの回収物を自動式PFIミル(熊谷理機工業(株)製)に仕込み、回転数1500rpmクリアランス0.2mmの条件で6分間叩解した。そして、水を含んで粘土状となった回収物を80℃の熱風乾燥機内で24時間乾燥させ、ナノファイバーを得た。得られたナノファイバーの繊維直径は110〜180nmで、その数平均繊維径は150nmであった。パルプは、広葉樹パルプを、水10Lあたり30gの濃度で、熊谷理機工業(株)製、試験用ナイヤガラビーターに仕込み、10分間叩解し、JISP8121(1995)に規定されるカナダ標準濾水度が300mlのパルプ繊維を得た。上記で得られた数平均繊維径150nmのナイロン6ナノファイバー30質量%と、パルプ繊維70質量%を、水中で攪拌し抄紙して、厚み37μm、坪量31.6g/m2のナノファイバー混抄紙からなる原紙を得た。
ライナ部材は、上記原紙に塩化リチウム水溶液を含浸し、マングルで絞り、熱ロールで乾燥させ、塩化リチウムが5質量%添加した厚み41μm、坪量37g/m2のライナ部材を得た。透湿度は71g/m2/hr、透気度は480秒/100mlであった。
コルゲート部材は、芯部がポリエチレンテレフタレートで鞘部が共重合ポリエステルの繊維径20μmでカット長51mmの芯鞘型繊維と繊維径34μmでカット長51mmの芯鞘型繊維を用い、3:2となるように混合し、ニードルパンチ不織布を得、その後、120℃でシリンダーロールドライヤーにて熱処理を行い、その後、温度を120℃とした片側が1辺1mm間隔で深さ0.5mmの格子が並んだ彫刻を施されたロールと平面のロールとの間を隙間80μmに調整したロールによって処理し、目付80g/m2、厚さ0.3mm、吸湿率0.50%のコルゲート部材を得た。また、粗さ曲線の算術平均高さRaについては、上述のように繊維径20μmと繊維径34μmの繊維を混合して用いることで粗さ曲線の算術平均高さRa26μm、粗さ曲線の最大高さRzが174μmのコルゲート部材を得た。
接着剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(固形分50%)を用いた。
これら、ライナ部材とコルゲート部材と接着剤を用いて、片面ダンボール製造機にて、段高2.0mm、ピッチ3.7mmの片面ダンボールを得た。片面ダンボールのコルゲートの成型性は、段高の最大最小差が0.5mm未満、ピッチの最大最小差が0.5mm未満であり、安定して成型することができた。
前記片面ダンボールの山の頂点に接着剤を塗布し、段目方向が一段ずつ直交するように積層し、縦200mm、横200mm、高さ440mmの全熱交換素子を作製した。
得られたコルゲート部材の特性については表1、熱交換素子の特性については表2にそれぞれ記載した。また、環境耐久性の特性については表3に記載した。
[実施例2]
ライナ部材は、実施例1と同様にして得られたものを用いた。
ライナ部材は、実施例1と同様にして得られたものを用いた。
コルゲート部材は、目付35g/m2、厚さ0.1mmの不織布とした以外は、実施例1と同様にして作製した。また、本コルゲート部材の吸湿率は0.54%、粗さ曲線の算術平均高さRaは17μm、粗さ曲線の最大高さRzは136μmであった。
その後、実施例1と同様にして、熱交換素子を作製した。
得られたコルゲート部材の特性については表1、熱交換素子の特性については表2にそれぞれ記載した。また、環境耐久性の特性については表3に記載した。
得られたコルゲート部材の特性については表1、熱交換素子の特性については表2にそれぞれ記載した。また、環境耐久性の特性については表3に記載した。
[実施例3]
ライナ部材は、実施例1のナノファイバー混抄紙からなる原紙に塩化リチウム水溶液を含浸し、マングルで絞り、熱ロールで乾燥させ、塩化リチウムが18質量%添加した厚み48μm、坪量39g/m2のライナ部材を得た。透湿度は90g/m2/hr、透気度は850秒/100mlであった。 と同様にして得られたものを用いた。
ライナ部材は、実施例1のナノファイバー混抄紙からなる原紙に塩化リチウム水溶液を含浸し、マングルで絞り、熱ロールで乾燥させ、塩化リチウムが18質量%添加した厚み48μm、坪量39g/m2のライナ部材を得た。透湿度は90g/m2/hr、透気度は850秒/100mlであった。 と同様にして得られたものを用いた。
コルゲート部材は目付65g/m2、厚さ0.25mmの不織布とした以外は、実施例1と同様にして作製した。また。本コルゲート部材の吸湿率は0.47%、粗さ曲線の算術平均高さRaは29μm、粗さ曲線の最大高さRzは192μmであった。
その後、実施例1と同様にして熱交換素子を作製した。
得られたコルゲート部材の特性については表1、熱交換素子の特性については表2にそれぞれ記載した。また、環境耐久性の特性については表3に記載した。
[比較例1]
ライナ部材は、実施例1と同様にして得られたものを用いた。
ライナ部材は、実施例1と同様にして得られたものを用いた。
コルゲート部材は、芯部がポリエチレンテレフタレートで鞘部が共重合ポリエステルの繊維径20μmでカット長51mmの芯鞘型繊維を用い、ニードルパンチ不織布を得、その後、120℃でシリンダーロールドライヤーにて熱処理を行い、その後、両側が平面ロールにて線圧10kN/mで処理を行い、目付80g/m2、厚さ0.4mm、吸湿率0.50%のコルゲート部材を得た。また、粗さ曲線の算術平均高さRaは、8μm、粗さ曲線の最大高さRzは35μmであった。
その後は、実施例1と同様にして熱交換素子を作製した。
得られたコルゲート部材の特性については表1、熱交換素子の特性については表2にそれぞれ記載した。また、環境耐久性の特性については表3に記載した。
[比較例2]
ライナ部材は、実施例1と同様にして得られたものを用いた。
ライナ部材は、実施例1と同様にして得られたものを用いた。
コルゲート部材は、天然パルプからなる抄紙を120℃線圧80kN/mでカレンダー処理を行い、坪量50g/m2、厚さ0.1mmの抄紙を用いた。また、本コルゲート部材の吸湿率は3.10%、粗さ曲線の算術平均高さRaは4μm、粗さ曲線の最大高さRzは29μmであった。
その後、実施例1と同様にして熱交換素子を作製した。
得られたコルゲート部材の特性については表1、熱交換素子の特性については表2にそれぞれ記載した。また、環境耐久性の特性については表3に記載した。
得られたコルゲート部材の特性については表1、熱交換素子の特性については表2にそれぞれ記載した。また、環境耐久性の特性については表3に記載した。
[比較例3]
ライナ部材は、実施例1と同様にして得られたものを用いた。
ライナ部材は、実施例1と同様にして得られたものを用いた。
コルゲート部材は、厚さ20μmの二軸延伸されたポリプロピレンのフィルムを用いた。また、本コルゲート部材の吸湿率は0%、粗さ曲線の算術平均高さRaは0.1μm、粗さ曲線の最大高さRzは0.3μmであった。
その後、実施例1と同様にして熱交換素子を作製した。
得られたコルゲート部材の特性については表1、熱交換素子の特性については表2にそれぞれ記載した。また、環境耐久性の特性については、コルゲート加工において、山の形状が安定せず、全熱交換素子が得られなかったため、評価結果を得ることができなかった。
得られたコルゲート部材の特性については表1、熱交換素子の特性については表2にそれぞれ記載した。また、環境耐久性の特性については、コルゲート加工において、山の形状が安定せず、全熱交換素子が得られなかったため、評価結果を得ることができなかった。
表1、表2および表3からも明らかなように、実施例1〜3の熱交換素子については、コルゲート成型性が良好であり、熱交換効率および湿度交換効率の熱交換性に優れた熱交換素子となった。また、多湿環境下、低温環境下に曝露された場合にも素子寸法変化、熱交換効率および湿度交換効率の変化も小さく、様々な環境で使用可能であることが分かる。一方、比較例1および比較例2は、熱交換効率および湿度交換効率が低く、全熱交換素子として劣るものとなった。さらに比較例2は環境耐久性評価後の特性において、特性値の変化が大きく、氷点下、高湿度環境下での性能安定性に劣ることが分かる。また、比較例3は、曲げ反発性が低く、コルゲート加工において山の形状が安定せず、全熱交換素子を得ることができなかった。
本発明の全熱交換素子は、熱交換性に優れ、様々な使用環境で使用可能であり、例えば住宅やビル等の建築構造物の空調部材、車両部材、船舶部材、電気・電子部材への利用が可能である。
Claims (10)
- ライナ部材と、コルゲート部材とからなる片面ダンボール構造シートが層毎に交差積層された形状を有する全熱交換素子であって、前記コルゲート部材の温度20℃、湿度65%RHでの吸湿率が3%以下であり、JISB0601(2001)粗さ曲線の算術平均高さRaが10μm以上の不織布であることを特徴とする全熱交換素子。
- 前記不織布が、JIS L1096 8.20.1A法(1999)曲げ反発性(ガーレ法)が0.05mN以上であることを特徴とする請求項1に記載の全熱交換素子。
- 前記不織布が、密度0.10〜0.80g/cm3であることを特徴とする請求項1又は2に記載の全熱交換素子。
- 前記不織布が、JIS K7133(1999)120℃15分間加熱による寸法変化率±3%以下であることを特徴とする請求項1〜3に記載の全熱交換素子。
- 前記不織布が、軟化点120℃以下の共重合ポリエステルを含むことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の全熱交換素子。
- 前記ライナ部材が水溶性吸湿剤を含むことを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の全熱交換素子。
- 前記水溶性吸湿剤が塩化リチウム又は塩化カルシウムであることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の全熱交換素子。
- 前記ライナ部材が透湿度70g/m2/hr以上であることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の全熱交換素子。
- 前記ライナ部材が熱可塑性樹脂からなるナノファイバーを含むことを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載の全熱交換素子。
- 前記コルゲート部材が、カレンダーロールを通過することにより得られたもの、または繊維径の差が10μm以上の2種以上の繊維を混合したものである請求項1〜9いずれかに記載の全熱交換素子。
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