JP2014163339A - 内燃機関の燃料供給制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料ポンプを駆動する駆動回路と、制御部とを含み、駆動回路は、異常発熱状態において燃料ポンプの駆動を停止すると共に、異常発熱状態であるか否かで異なる異常発熱検知信号を制御部に出力する。制御部は、異常発熱検知信号が駆動回路の異常を示すが、燃圧の低下異常が発生していない場合には、異常発熱検知信号にノイズが影響し、駆動回路の異常を誤判定したものとして、駆動回路が正常状態であると判定する。また、異常発熱検知信号が駆動回路の異常を示し、かつ、燃圧の低下異常が発生している場合には、駆動回路の復帰処理を行った前後での異常発熱検知信号の変化に基づき、駆動回路の異常の有無を判定する。
【選択図】図5
Description
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、燃料ポンプの駆動回路の異常検知信号にノイズが重畳しても、駆動回路が異常状態であるか否かを誤検出することを抑制できる、内燃機関の燃料供給制御装置を提供することを目的とする。
図1は、実施形態における内燃機関のシステム構成図である。
図1において、車両用の内燃機関(エンジン)1は、吸気通路(吸気ポート)2に燃料噴射弁3を備え、この燃料噴射弁3は、吸気通路2内に燃料を噴射する。
吸気通路2の燃料噴射弁3が配設される部分よりも上流側には、スロットルモータ9で開閉される電子制御スロットル10を設けてあり、この電子制御スロットル10の開度によって内燃機関1の吸入空気量が調整される。
燃料供給装置13は、燃料タンク11、燃料ポンプ12、燃料ギャラリー配管14、燃料供給配管15を含んで構成される。
燃料ポンプ12の吐出口には燃料供給配管15の一端が接続され、燃料供給配管15の他端は燃料ギャラリー配管14に接続され、更に、燃料ギャラリー配管14に燃料噴射弁3の燃料供給口が接続される。
ECM31及びFCM30は、図2に示すように、CPU、ROM、RAM、入出力回路などを含むマイクロコンピュータ(制御部)311、301をそれぞれ備えている。
燃料ポンプ12の駆動デューティ(%)は、1周期におけるオン時間割合であり、駆動デューティが大きいほど燃料ポンプ12の印加電圧が高くなって、燃料ポンプ12の回転速度が高くなるため、駆動デューティを変化させることで、燃料ポンプ12の吐出量を変化させ、燃料噴射弁3に供給される燃料圧力(燃料配管内の燃料圧力)を制御するように構成されている。
また、駆動回路302は、燃料ポンプ12への電力供給を制御するスイッチング素子302aと共に、回路温度を検出する温度センサ302bと、温度センサ302bの出力に基づき駆動回路302の異常発熱状態を検出し、異常発熱状態において燃料ポンプ12の駆動を停止すると共に、異常発熱状態であるか否かに応じて出力レベル(電圧レベル)が異なる異常発熱検知信号ISをマイクロコンピュータ301に出力する機能を有する過熱保護回路302cとを備えた、インテリジェントパワーデバイス(IPD)である。
尚、ECM31とFCM30とを統合し、ECM31の機能とFCM30の機能とを備える制御ユニット、つまり、マイクロコンピュータ(制御部)と、燃料ポンプ12の駆動回路とを備え、燃料ポンプ12の駆動を行うと共に、燃料噴射弁3による燃料噴射、点火プラグ6による点火動作、電子制御スロットル10の開度などを制御する制御ユニットを、ECM31及びFCM30に代えて設けることができる。
前述の各種センサとしては、燃料ギャラリー配管16(燃料配管)内の実燃圧FUPRを検出する燃料圧力センサ33、図外のアクセルペダルの踏み込み量(換言すれば、アクセル開度)ACCを検出するアクセル開度センサ34、内燃機関1の吸入空気流量QAを検出するエアフローセンサ35、内燃機関1の回転速度NEを検出する回転センサ36、内燃機関1の冷却水温度TW(機関温度)を検出する水温センサ37、排気中の酸素濃度に応じて内燃機関1の混合気の空燃比を検出する空燃比センサ38などを設けてある。
また、ECM31は、内燃機関1の運転状態(機関負荷、機関回転速度など)に基づいて点火時期(点火進角値)を演算し、該点火時期において点火プラグ6による火花放電がなされるように、図外の点火コイルへの通電を制御する。
また、ECM31は、内燃機関1の運転状態(アクセル開度ACCなど)に基づいて電子制御スロットル10の目標開度を演算し、実開度が目標開度に近づくようにスロットルモータ9を駆動制御する。
そして、ECM31は、算出した駆動デューティを指示する信号FPCを、FCM30に出力し、FCM30は、指示された駆動デューティで燃料ポンプ12への通電のオン/オフを制御する。
また、FCM30内では、駆動回路(IPD)302が異常発熱状態であるか否かに応じて出力レベル(電圧レベル)が異なる異常発熱検知信号ISが、駆動回路(IPD)302(過熱保護回路302c)からマイクロコンピュータ301に送信される。
異常発熱検知信号ISの電圧レベルは、例えば、非異常発熱状態(正常状態)では電圧V1(V1>0)に設定され、異常発熱状態(異常状態)では電圧V2(V2>V1)に設定され、マイクロコンピュータ301は、閾値Vth(V2>Vth>V1)と異常発熱検知信号ISの電圧VTとを比較し、電圧VT>閾値Vthであれば駆動回路302が異常状態(異常発熱状態)であると判定し、電圧VT<閾値Vthであれば駆動回路302が正常状態(非異常発熱状態)であると判定する。
図3に示すように、異常発熱検知信号ISに対してノイズの影響がない場合、異常発熱状態での異常発熱検知信号ISの電圧VTのばらつき範囲と、正常状態での異常発熱検知信号ISの電圧VTのばらつき範囲とは重ならず、両範囲の中間に、異常判定のための閾値を設定すれば、閾値と異常発熱検知信号ISの電圧VTとを比較することで、駆動回路302が異常発熱状態であるか否かを判定できる。
上記のようにして閾値Vthを設定した場合、正常状態での電圧VTがノイズの影響で増大方向にシフトした場合に、異常発熱状態であると誤判定してしまうことを抑制することができないので、後述するようにして、異常発熱状態の判定結果の検証を行って、誤って異常発熱状態であると判定してしまうことを抑制できるようにしてある。
図5のフローチャートは、ECM31における、駆動回路302の異常判定処理の流れを示す。
そして、診断信号DIAGが、駆動回路302の正常状態を示す場合には、ステップS502へ進み、燃圧の低下異常が発生しているか否かを判別する。
換言すれば、燃圧の低下異常とは、実燃圧FUPRが目標燃圧TGFUPRを下回る状態が解消されない異常であり、目標燃圧TGFUPRの増大変化に対して実燃圧FUPRが追従変化する場合には、燃圧の低下異常として判定されないように、設定圧FPSL及び設定時間TSLを設定してある。
そこで、ステップS502で燃圧の低下異常がないと判定した場合には、ステップS503へ進み、異常発熱検知信号ISの電圧VTに基づき駆動回路302が正常状態であると判定した結果をそのまま採用し、最終的に駆動回路302の正常判定を行う。
一方、ステップS502で燃圧の低下異常が発生していると判定した場合、ステップS501で駆動回路302が正常状態であると判定しているので、燃圧の低下異常の要因は、駆動回路302の異常発熱に因る燃料ポンプ12の駆動停止ではなく、燃料ポンプ12の電源供給ラインの断線や燃料フィルタの目詰まりなどであるものと判断し、ステップS504へ進んで、最終的に駆動回路302の正常判定を行う。
従って、ステップS501における駆動回路302の正常状態の判定結果は、ノイズ影響で誤判定されたものではなく、係る状態での燃圧の低下異常は、駆動回路302の異常発熱による燃料ポンプ12の停止を要因とするものではないと判定できる。
ステップS501で駆動回路302が異常状態であると判定すると、ステップS505へ進み、燃圧の低下異常が発生しているか否かを判別する。
そこで、ステップS505で燃圧の異常低下がないと判断すると、ステップS506へ進み、診断信号DIAGは駆動回路302の異常状態を示しているものの、係る診断信号DIAGを無効とし、最終的に駆動回路302は正常状態であると判定する。
一方、ステップS505で、燃圧の低下異常が判定される場合としては、駆動回路302の異常発熱に基づき燃料ポンプ12の駆動が停止されている場合と、それ以外を要因として燃圧が低下している場合(駆動回路302の異常判定が誤っている場合)とがある。
ステップS507では、FCM30側に、駆動回路302の復帰処理(リセット)の実施を指示する信号を出力する。復帰処理の実施指令は、例えば、FCM30への駆動デューティの指示信号の周期を切り替えることで、FCM30に送信される構成とすることができる。
図6のフローチャートにおいて、ステップS601では、フラグfFCMNJCが立っている(fFCMNJC=1)か、落ちている(fFCMNJC=0)かを判別する。
即ち、ECM31は、復帰処理を指令するか否かに応じて駆動デューティの指示信号の周期を切り替えるようになっており、FCM30は、ECM31から送信される駆動デューティの指示信号の周期を判別することで、駆動回路302の復帰処理(リセット)を実施するか否かを判定する。
まず、ステップS701では、ECM31から送られる駆動デューティの指示信号の周期が、駆動回路302の復帰処理(リセット)の実施を指令する周期であるか否かを判別する。
駆動回路302(過熱保護回路302c)の復帰処理(リセット)とは、異常発熱検知信号ISの電圧VTを正常状態における電圧V1にリセットし、燃料ポンプ12の駆動を再開させる処理である。
復帰処理前において、実際に駆動回路302が異常発熱状態で、異常発熱検知信号ISの電圧VTとして閾値Vthを超える高い電圧が出力されていたとすると、復帰処理に伴って電圧VTを正常状態に見合う電圧V1にまで低下させた場合に、復帰処理の前後で、異常発熱状態での設定電圧V2と正常状態での設定電圧V1との差に見合う電圧差ΔVTが生じることになり、かつ、復帰処理前後でノイズ影響による電圧VTのシフトがあっても、前記電圧差ΔVTは保持されることになる。
そして、電圧差ΔVTが閾値ΔVTth以上であれば、復帰処理前に閾値Vthを超える値であった異常発熱検知信号ISの電圧VTは、ノイズ影響で閾値Vthを超える値にまでシフトした結果ではなく、実際に駆動回路302が異常発熱状態であるために、電圧V2に設定された結果であったものと判定し、ステップS705へ進み、駆動回路302が異常状態(異常発熱状態)であることを示す診断信号DIAGをECM31に送信する。
図8において、時刻t1で駆動回路302の異常発熱を検知したことに基づき、異常発熱検知信号ISの電圧VTを立ち上げ、更に、燃料ポンプ12の駆動を停止し、係る燃料ポンプ12の駆動停止によって燃料圧力が低下する。
その後、時刻t2でノイズが発生し、係るノイズの影響で、マイクロコンピュータ301が受け取る異常発熱検知信号ISの電圧VTが増大方向にシフトしている。
異常発熱検知信号ISのリセット前後(時刻t3前後)でノイズの影響を受けており、ノイズが無い場合の電圧レベルとは異なる電圧値になっているが、異常発熱の検知に基づき立ち上げていた電圧VTを復帰処理によって低下させるので、一定レベル以上の電圧差が復帰処理の前後で生じることになり、異常発熱検知信号ISに基づく駆動回路302の異常判定は正しかったことを判定できる。
図9において、時刻t1でポンプ電源ラインの断線が生じたため燃圧が低下し、その後、時刻t2でノイズが発生して異常発熱検知信号ISの電圧VTが増大方向にシフトしている。
しかし、異常発熱検知信号ISは、駆動回路302の正常状態に対応する電圧に設定してあるから、正常復帰を実施しても、異常発熱検知信号ISの電圧VTは大きく変化することはなく、係る電圧VTの変化に基づき、閾値Vthを上回る電圧VTはノイズ影響に因るものであり、実際には駆動回路302に異常はないものと判定できる。
図10のフローチャートにおいて、ステップS801では、フラグfFCMNJCの判別を行い、フラグfFCMNJCが立っている場合にステップS802以降の診断に進む。
フラグfFCMNJCが落ちている場合には、図10のフローチャートに示すルーチンに代えて、図5のフローチャートに示すルーチンで異常判定処理が行われる。
ここで、診断信号DIAGが、駆動回路302の正常状態を示す場合には、ステップS803へ進んで、燃圧の低下異常が発生しているか否かを判別する。
燃圧の低下異常が発生していない場合には、ステップS804へ進み、ステップS503と同様に、最終的に駆動回路302の正常判定を行い、また、燃圧の低下異常もない状態であるから、異常状態に対応するためのフェイルセーフ処理は実施しない。
ここで、駆動回路302が異常状態(異常発熱状態)であれば、燃料ポンプ12の駆動が停止され、これに伴って燃圧の低下異常が発生することになるので、燃圧の低下異常が発生していない場合には、駆動回路302の異常判定がノイズの影響を受けた誤判定であるものと推定し、ステップS506と同様に、最終的に駆動回路302は正常状態(過電流が流れる異常はない状態)であると判定し、更に、燃圧の低下異常もない状態であるから、異常状態に対応するためのフェイルセーフ処理は実施しない。
従って、ステップS806で燃圧の低下異常が発生していると判定した場合には、少なくとも駆動回路302の異常状態であり、最終的に駆動回路302の異常判定を行い、更に、燃圧の低下異常が判定されているので、係る燃圧の低下異常に対応するためのフェイルセーフ処理を実施する。
駆動回路302の異常(異常発熱)により燃料ポンプ12の駆動が停止されていることを確認する手段として、前述の実施形態では、燃圧の低下異常の有無を判定したが、燃圧の低下を判定する構成に限定するものではなく、燃料ポンプ12の作動状態に応じて変化する状態量に基づき、燃料ポンプ12の駆動が停止されていることを判定することができる。
また、燃料ポンプ12の印加電圧や、ポンプ電流に基づき、燃料ポンプ12の駆動が停止されていることを判定できる。即ち、駆動回路302の異常判定がなされているのに、燃料ポンプ12に実際に印加されている電圧や、実際のポンプ電流が、ポンプの駆動状態を示す場合には、駆動回路302についての異常判定は、ノイズの影響を受けて誤ってなされたものであると認定することができる。
(イ)
内燃機関に燃料を圧送する燃料ポンプを駆動する駆動回路と、前記駆動回路を制御する制御部とを含み、
前記駆動回路は、異常状態において前記燃料ポンプの駆動を停止すると共に、異常状態であるか否かで出力レベルの異なる異常検知信号を前記制御部に出力し、
前記制御部は、異常検知信号の出力レベルと閾値とを比較して、前記駆動回路が異常状態であるか否かを判定し、当該判定結果と前記燃料ポンプの作動状態とに基づき、前記駆動回路が異常状態であるか否かを最終的に検出する、内燃機関の燃料供給制御装置。
上記発明によると、異常検知信号の出力レベルがノイズ影響で変化した場合に、駆動回路が異常状態であるか否かを判定に誤りが生じることを抑制できる。
請求項(イ)記載の内燃機関の燃料供給制御装置において、
前記閾値を、前記駆動回路の異常状態での異常検知信号の出力レベルのばらつき範囲に含まれない値に設定した、内燃機関の燃料供給制御装置。
上記発明によると、実際に駆動回路の異常状態であるのに、ノイズ影響による異常検知信号の出力レベルの変化で、正常判定されてしまうことを抑制できる。
内燃機関に燃料を圧送する燃料ポンプを駆動する駆動回路と、前記駆動回路を制御する制御部とを含み、
前記駆動回路は、異常状態において前記燃料ポンプの駆動を停止すると共に、異常状態であるか否かで異なる異常検知信号を前記制御部に出力し、
前記制御部は、前記異常検知信号と前記燃料ポンプの作動状態とに基づき、前記駆動回路が異常状態であるか否かを検出すると共に、前記燃料ポンプの作動状態として、燃料圧力、内燃機関の空燃比、前記燃料ポンプの印加電圧、前記燃料ポンプの駆動電流のうちの少なくとも1つを判定する、内燃機関の燃料供給制御装置。
上記発明によると、異常検知信号に基づく異常判定が正しいか否かを、燃料圧力、内燃機関の空燃比、燃料ポンプの印加電圧、燃料ポンプの駆動電流のうちの少なくとも1つに基づき判定して、異常検知信号に基づき異常の有無が誤判定することを抑制する。
Claims (3)
- 内燃機関に燃料を圧送する燃料ポンプを駆動する駆動回路と、前記駆動回路を制御する制御部とを含み、
前記駆動回路は、異常状態において前記燃料ポンプの駆動を停止すると共に、異常状態であるか否かで異なる異常検知信号を前記制御部に出力し、
前記制御部は、前記異常検知信号と前記燃料ポンプの作動状態とに基づき、前記駆動回路が異常状態であるか否かを検出する、内燃機関の燃料供給制御装置。 - 前記制御部は、前記異常検知信号が前記駆動回路の異常状態を示し、前記燃料ポンプの作動状態が正常である場合に、前記異常検知信号に基づく異常状態の検出を無効とし、前記駆動回路の正常状態を検出する、請求項1記載の内燃機関の燃料供給制御装置。
- 前記制御部は、前記異常信号が前記駆動回路の異常状態を示し、前記燃料ポンプの作動状態が異常である場合に、前記異常信号をリセットし、リセット前後での前記異常検知信号の変化が小さい場合には、前記異常検知信号に基づく異常状態の検出を無効とし、前記駆動回路の正常状態を検出し、リセット前後での前記異常検知信号の変化が大きい場合には、前記駆動回路の異常状態を検出する、請求項1又は2記載の内燃機関の燃料供給制御装置。
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KR102195845B1 (ko) * | 2019-08-06 | 2020-12-29 | (주)모토닉 | 자가진단 기능을 가지는 연료공급 펌프 컨트롤러 |
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