JP2014162539A - 蓋材 - Google Patents

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喜昭 武
Koji Takeshita
耕二 竹下
Kimiko Mitsuhashi
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Abstract

【課題】容器本体としてカップ状容器を使用し、蓋材として絞り成形された積層体から構成されている蓋材を使用する容器を前提として、この積層体の絞り成形のとき、あるいは、内容物をカップ状容器にホット充填し冷却したときに、ヒートシール層のひび割れを防止すること。
【解決手段】前記積層体として、基材とシーラントフィルムとから成り、基材が層構成中にアルミニウム箔9を含んでおり、かつ、シーラントフィルムの縦方向(MD)の破断強度σMDと、横方向(TD)の破断強度σTDとの比σMD:σTDが、σMD:σTD=2:3〜3:2の範囲内にあるものを使用する。破断強度のMDとTDの差が小さいため、成形でフィルムが伸ばされた時に生ずる残留応力のMD(タテ方向)とTD(ヨコ方向)の差も小さくなり、タテ、ヨコの応力バランスが取れ、割れ発生を抑えられる。
【選択図】図4

Description

本発明は、内容物をホット充填し密封する容器の蓋材に関するものである。より詳しく述べれば、本発明は、カップ状容器の蓋材として絞り成形されたものを使用することにより、ホット充填の後の冷却に伴う減圧を蓋材の変形で吸収して、容器本体の変形を防止する技術に関するものである。そして、本発明によれば、蓋材の絞り成形のときはもちろん、容器内部の減圧に伴う前記変形の際にも、蓋材のヒートシール層に対するダメージを最小限にすることが可能である。
内容物をホット充填し密封する容器では、冷却時の減圧による体積減少を吸収するため、種々の方法が取られている。例えばPETボトルでは側壁を均一に凹ませることで、体積を減少させる。金属缶や瓶では、容器を体積減少させずに、その剛度で減圧力に耐えるようにしてある。又圧力に耐えられない薄肉のスチール缶やアルミ缶では、内容物充填時に液体窒素等を滴下密封することで、冷却時の缶内圧力を、大気圧より高くして缶を保形している。
容器本体がカップ状容器の場合には、容器本体が角型の物では側壁を凹ませる方法も取ることができるが、円柱状、円錐台形状のものでは、積層体を絞り成形して凹み代を設けた成形蓋を使用することで、体積減少を吸収する方法が取られている(特許文献1)。図1はこの状態を示す断面説明図で、図中、2はカップ状容器本体、1は成形蓋を示しており、破線で示した3は、冷却して、容器内部の体積が減少したときの成形蓋を示している。このような容器では蓋はフランジにヒートシールされ、使用時には蓋をフランジから剥離して内容物を取り出し、食品であればそのまま飲食容器として使用されることがある。このような容器に使用される蓋材では、容器本体のフランジとヒートシールされる樹脂に、易開封性を持たせる必要がある。
易開封性を持たせる方法には、一般に、凝集剥離、層間剥離、界面剥離の三つの方法がある。凝集剥離はシール層又はシール層の次に配置された次層が凝集破壊して開封する技術である。層間剥離はシール層と次層の接着強度を弱く設計し、シール層が切れ、シール層と次層の層間で剥離する技術である。界面剥離はなんにでも接着しやすい樹脂、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を使用し、その酢酸ビニルの比率を調整することで接着と剥離の両性能を持たせる技術である。これらの技術のうち、ホット充填用蓋材に使用されるのは、凝集剥離と層間剥離で、熱による影響を受けやすい界面剥離は、チルド充填や常温充填で、高温保管されることがないものに使用される事が多い。
こうしたホット充填に使用され易開封性を持たせた蓋においては、冷間成形をして凹み代が設けられ、その材質構成は成形性と保形性を持たせるため、アルミニウム箔を基材とし、シーラントフィルムをシール層として、両者をラミネートされたものが一般に使用される。シーラントフィルムは易開封性を持たせるため、凝集剥離により開封するものでは、容器被着体樹脂と接着する成分と、接着しない成分を混合した層がシーラント層とされる。この易開封性シーラント層の構造は、図2に示すように、接着性樹脂4の中に、非接着性の樹脂5が点在するか、又は非接着性の樹脂の中に接着性樹脂が点在する構造を持ち、一般に海島構造と言われる。
ところで、このような蓋材は、その絞り成形のときや、冷却に伴って変形したときに、ヒートシール層にひび割れが生じ易い。
そして、一旦ヒートシール層にひび割れが発生すると、内容物がアルミニウム箔まで浸透して腐食を発生させ、また、ひび割れを拡大させることがある。このようにアルミニウム箔の腐食やひびの拡大が生じたときには、その蓋材は本来の機能を喪失し、例えば内容
物が食品の場合にはその腐敗につながる。また、内容物が非食品の場合でも機能成分の漏出を生じることがある。
特開2000−302159号公報
本発明は、このような技術的背景に基づいてなされたものであって、容器本体としてカップ状容器を使用し、蓋材として絞り成形された積層体から構成されている蓋材を使用する容器を前提として、この積層体の絞り成形のとき、あるいは、内容物をカップ状容器にホット充填し冷却したときに、ヒートシール層に対するダメージを最小限にして、そのひび割れを防止することを目的とする。
本発明は、このようなひび割れが、冷間絞り成形のときにシーラントフィルムに残る残留応力に起因するとの新たな知見を得て完成したものである。
すなわち、アルミニウム箔を基材とし、この基材にシーラントフィルムをラミネートした蓋材を冷間絞り成形すると、アルミ部分は塑性変形をするが、シーラントフィルムは残留応力を持った状態のままである。このシーラントフィルムの残留応力は収縮しようとする力であり、成形直後に割れを発生させることもあり、また、ホット充填の後、冷却に伴って変形したときにひび割れを発生させることもある。このひび割れは成膜時の樹脂の流れ方向(MD)に平行に発生し、樹脂の流れ方向と垂直方向(TD)には発生し難い(図3参照)。多層構造のシーラントフィルムにおいては一層にひび割れが生じると、それに隣接した層は保持力を失う形となり、ひび割れは連鎖的に全層に拡大してしまう可能性もある。
特に易開封性を有する多層フィルムにおいて、シール層を凝集剥離させるため海島構造としたものでは、海部と島部が異樹脂であることから、海部と島部では残留応力の大きさに差があるため、海島の界面でひび割れが発生し易い。また、層間剥離で易開封性を持たせるタイプの物でも、シール層は容器被着樹脂と同種の単一樹脂とすることができるが、次層はシール層と剥離可能とさせるため、シール層の樹脂と異樹脂を混在させた海島構造が採られることもある。また、シール層は開封時切れなければならないため、薄く脆く設計する必要があり、残留応力起因のひび割れも発生し易くなる。特に紙カップの蓋では、フランジ強度が弱いため、弱い力で開封できるよう設計せねばならず、採用できるシーラントも脆いものにならざるを得ない。
本発明は、このような知見に基づいて、冷間絞り成形された蓋材の残留応力を小さくすることにより、蓋材の絞り成形のときはもちろん、容器内部の減圧に伴う前記変形の際にも、蓋材のヒートシール層に対するダメージを最小限にすることにより、そのひび割れを防止することに成功したものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、カップ形状をした容器本体の開口部に適用して密封する蓋材であって、絞り成形された積層体から構成されている蓋材において、
前記積層体が基材とシーラントフィルムとから成り、基材が層構成中にアルミニウム箔を含んでおり、かつ、シーラントフィルムの縦方向(MD)の破断強度σMDと、横方向(TD)の破断強度σTDとの比σMD:σTDが、σMD:σTD=2:3〜3:2の範囲内にあることを特徴とする蓋材である。
このように破断強度のMD(タテ方向)とTD(ヨコ方向)の差を小さくすることでひび割れを最小限に抑えることができる。破断強度のMDとTDの差が小さいということは、成形でフィルムが伸ばされた時に生ずる残留応力のMD(タテ方向)とTD(ヨコ方向)の差も小さくすることになり、タテ、ヨコの応力バランスが取れ、ひび割れの発生を抑え
られる。
次に、請求項2に記載の発明は、カップ形状をした容器本体の開口部に適用して密封する蓋材であって、絞り成形された積層体から構成されている蓋材において、
前記積層体が基材とシーラントフィルムとから成り、基材が層構成中にアルミニウム箔を含んでおり、かつ、絞り成形の後、30℃以上の温度で24時間以上エージングされたものであることを特徴とする蓋材である。
このように絞り成形された蓋材をエージングすることにより、その残留応力を緩和することができる。そして、残留応力を緩和することでタテ、ヨコの応力バランスが取れ、ひび割れの発生を抑えられる。
次に、請求項3に記載の発明は、万一シーラントフィルムにひび割れが生じた場合にも、そのひび割れの拡大を防いで、内容物がアルミニウム箔まで浸透することを防止したものである。すなわち、請求項3に記載の発明は、前記基材とシーラントフィルムとが溶融状態の接着樹脂によって接着されたものであり、
前記接着樹脂が、メルトフローレートが5g/10min以下のポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓋材である。
なお、メルトフローレートが5g/10min以下のポリエチレン樹脂に代えて、メルトフローレートが20g/10min以下のポリプロピレン樹脂を使用した場合にも、ひび割れの拡大を防いで、内容物がアルミニウム箔まで浸透することを防止することができる。すなわち、請求項4に記載の発明は、前記基材とシーラントフィルムとが溶融状態の接着樹脂によって接着されたものであり、
前記接着樹脂が、メルトフローレートが20g/10min以下のポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓋材である。
また、内容物が浸透性の高い成分を含む場合、万一シーラントフィルムにひび割れが生じたときにあっても、そのひび割れの拡大を防いで前記高浸透性成分の浸透を防止するためには、アルミニウム箔とシーラントフィルムとの間に延伸フィルムを配置すればよい。
具体例では、ワインには亜硫酸塩が酸化防止剤として、搾汁時と充填時に、添加使用されているが、この成分はポリオレフィン層を透過しアルミニウムを腐食させる作用があるが、アルミニウム箔とシーラントフィルムとの間に延伸フィルムを配置することにより、アルミニウム箔の腐食を防止することができる。
使用する延伸フィルムは、汎用性のある延伸ポリエステルフィルム、又は延伸ナイロンフィルムが好適である。延伸したナイロン層又はポリエステル層に割れは発生し難く、種々内容物成分の透過を防ぎ、内容物成分のアルミニウム箔へのアタックを防止できる。すなわち、請求項5に記載の発明は、前記基材が多層構造を有していて、その層構成中にアルミニウム箔に加えて、延伸フィルムを含んでおり、この延伸フィルムがアルミニウム箔とシーラントフィルムとの間に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蓋材である。
また、延伸フィルムの代わりに溶融状態で積層されたポリエステル樹脂層又はポリアミド樹脂層を配置してもよい。すなわち、請求項6に記載の発明は、前記基材が多層構造を有していて、その層構成中にアルミニウム箔に加えて、ポリエステル樹脂層又はポリアミド樹脂層を含んでおり、このポリエステル樹脂層又はポリアミド樹脂層がアルミニウム箔とシーラントフィルムとの間に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蓋材である。この場合には、ポリアミド樹脂又はポリエステル樹脂をシーラントフィルム構成樹脂と共に共押し出しする方法もある。例えば、「シーラント層/保持層/基材層/接着性樹脂層/ポリアミド樹脂又はポリエステル樹脂」の5種5層とするか、ポリアミド樹脂又はポリエステル樹脂の外側に「接着性樹脂層/基材層」を重ねた5種7層としても良い。この共押し出しフィルムをアルミニウム箔とラミネートすれば、シーラント層にひび割れが生じても、ポリアミド層又はポリエステル樹脂層にひび割れは発生し難く、種々内容物成分の透過を防ぎ、高浸透性成分のアルミニウム箔へのアタックを防止できる。
請求項1に記載の発明においては、シーラントフィルムの縦方向(MD)の破断強度σMDと、横方向(TD)の破断強度σTDとの比σMD:σTDが、σMD:σTD=2:3〜3:2の範囲内にあるため、タテ、ヨコの応力バランスが取れており、冷間絞り成形によるシーラントフィルムのひび割れを防止できる。更に内容物がホット充填され、体積減少分を吸収して変形させた際にも、シーラントフィルムのひび割れを防止できる。なお、蓋材に張力が掛かった状態で保存されても、内容物による脆化現象がフィルムに発生しなければ、長期保存をしてもひび割れの発生はない。
また、請求項2に記載発明においては、絞り成形の後、30℃以上の温度で24時間以上エージングしているため、その残留応力が緩和されており、冷間絞り成形によるシーラントフィルムのひび割れを防止できる。更に内容物がホット充填され、体積減少分を吸収して変形させた際にも、シーラントフィルムのひび割れを防止できる。また、蓋材に張力が掛かった状態で保存されても、内容物による脆化現象がフィルムに発生しなければ、長期保存をしてもひび割れの発生はない。
また、請求項3に記載の発明によれば、基材とシーラントフィルムとをメルトフローレートが5g/10min以下の溶融したポリエチレン樹脂で接着しており、また、請求項4に記載の発明によれば、基材とシーラントフィルムとをメルトフローレートが20g/10min以下の溶融したポリプロピレン樹脂で接着しているため、シーラントフィルムに発生したひび割れを、これらの樹脂層で止める事ができる。
次に、請求項5に記載の発明によれば、延伸フィルムがアルミニウム箔とシーラントフィルムとの間に位置しているから、ひび割れの拡大を防いで前記高浸透性成分の浸透を防止することができる。また、請求項6に記載の発明によれば、ポリエステル樹脂層又はポリアミド樹脂層がアルミニウム箔とシーラントフィルムとの間に位置しているから、ひび割れの拡大を防いで前記高浸透性成分の浸透を防止することができる。
凹み代が設けられた蓋が、ホット充填後冷却されて凹む状態を表す説明図。 シーラント層の海島構造を模式的に表す説明図。 成形蓋が凹んで変形した状態とシーラントフィルムに発生した割れを表す説明図。 実施例1の材質構成の説明図。 実施例2の材質構成の説明図。 実施例4の材質構成の説明図。 実施例5の材質構成の説明図。 実施例6の材質構成の説明図。
本発明に係る蓋材は、カップ状容器本体の開口部に適用して密封するもので、アルミニウム箔を含む基材とシーラントフィルムとから成る積層体を絞り成形したものである。その形状は、ホット充填冷却後の体積減少を吸収する凹み代を有するものが望ましい。
カップ状容器本体としては、紙を支持体として、その内面にポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等をラミネートして成形した紙カップを使用することができる。
基材は、その層構成中にアルミニウム箔を有する必要がある。アルミニウム箔単体であってもよいが、後述する実施例のように、さまざまな樹脂層をアルミニウム箔に積層した多層構造としてもよい。そして、積層する樹脂の種類や積層方法により、さまざまな特性を発揮することが可能である。
シーラントフィルムとしては、シール層とそれを保持する保持層の2層以上からなるものが使用できる。凝集剥離タイプではシール層が海島構造を持ち、開封時シール層層内で破壊され、易開封できるものである。このようなシール層としては、例えば、低密度ポリエチレン樹脂をマトリクス樹脂とし、低密度ポリエチレン樹脂と相溶性のないポリブテン樹脂をマトリクス樹脂中に点在させたものが例示できる。層間剥離タイプでは、シール層は容器フランジ被着体部と同種樹脂にし、開封時はシール層が破れ、シール層保持層間で剥離するか、保持層を海島構造とし、保持層を凝集破壊させることで易開封性を持たせればよい。
このように易開封性を持ったシーラントフィルムは、元々脆さを有しているため、冷間絞り成形をすると引き伸ばされ固定されることで、ひび割れが発生し易い。このようなひび割れを防ぐため、本発明は、縦横の破断強度は一定範囲内にあるシーラントフィルムを使用するか、あるいは、絞り成形の後、一定条件下でエージングする必要がある。
すなわち、シーラントフィルムとして、縦方向(MD)の破断強度σMDと、横方向(TD)の破断強度σTDとの比σMD:σTDが、σMD:σTD=2:3〜3:2の範囲内にあるものを使用すればよい。
また、絞り成形の後、30℃以上の温度で24時間以上エージングしたものであってもよい。
(実施例1)
カップ状容器本体として、内面にポリオレフィンをラミネートした円形の紙カップを使用した。
蓋材1を構成する積層体の層構成は、図4の断面図に示すとおりである。すなわち、シーラントフィルムとして、「保持層12/保持層13/シーラント層14」の三層構造のフィルム(厚さ20μm〜70μm)を使用した。そして、シーラント層14を凝集剥離タイプとした。また、基材は、外側から、「耐熱オーバーコート層8/アルミニウム箔(厚さ20μm〜100μm)9」の層構成を有するものを使用した。そして、基材のアルミニウム箔9とシーラントフィルムの保持層12とを、ドライラミネート法によって接着して積層体とした。なお、アルミニウム箔9には予め印刷が施されている。
そして、この積層体を冷間絞り成形して、図2に示すような形状の蓋材とした。次に、前記紙カップに水をホット充填した後、その開口部に蓋材を重ね、ヒートシールして密封した。そして、こうして密封した状態で冷却して、その体積を減少させ、蓋材を変形させた。次に、この状態で、常温で1週間放置した。なお、シーラントフィルムとして、縦方向(MD)の破断強度σMDと、横方向(TD)の破断強度σTDとの比σMD:σTDが互いに異なる複数種類の蓋材を使用して、この実験を繰り返した。
破断強度の比σMD:σTDがσMD:σTD=2:3〜3:2の範囲外の蓋材を使用した場合には、蓋材にひび割れが見られたが、この範囲内にある蓋材を使用した場合には、蓋材にひび割れはなかった。
(実施例2)
蓋材1を構成する積層体として、図5の断面図に示すものを準備した。
すなわち、すなわち、シーラントフィルムとして、「保持層12/保持層13/シーラント層14」の三層構造のフィルム(厚さ20μm〜70μm)を使用した。そして、シーラント層14を凝集剥離タイプとした。また、基材は、外側から、「耐熱オーバーコート層8/アルミニウム箔(厚さ20μm〜100μm)9」の層構成を有するものを使用した。そして、低密度ポリエチレン樹脂をサンド樹脂として、溶融したサンド樹脂15を押し出し機から押し出し、このサンド樹脂15が溶融している間にその両面にアルミニウム箔9とシーラントフィルムとを重ねて接着して積層体とした。なお、アルミニウム箔9は、その接着面に接着剤10を塗布した後、サンド樹脂15に重ねて接着した。
そして、この積層体を冷間絞り成形して、図2に示すような形状の蓋材とした。次に、前記紙カップに水をホット充填した後、その開口部に蓋材を重ね、ヒートシールして密封した。そして、こうして密封した状態で冷却して、その体積を減少させ、蓋材を変形させた。次に、この状態で、常温で1週間放置した。なお、シーラントフィルムとして、縦方向(MD)の破断強度σMDと、横方向(TD)の破断強度σTDとの比σMD:σTDが互いに異なる複数種類の蓋材を使用すると共に、前記サンド樹脂15として、メルトフローレートが互いに異なる複数種類の低密度ポリエチレン樹脂を使用して、この実験を繰り返した。
この結果、シーラントフィルムとして破断強度の比σMD:σTDが前記範囲外のフィルムを使用すると、冷間絞り成形のときや密封後の冷却の際にシーラントフィルムにひび割れが発生したが、サンド樹脂15としてメルトフローレートが5g/10min以下の低密度ポリエチレン樹脂を使用した場合には、このひび割れの拡大がサンド樹脂15で防止できた。これに対して、サンド樹脂15としてメルトフローレートが5g/10minを超える低密度ポリエチレン樹脂を使用した場合には、前記ひび割れがサンド樹脂15を超えて拡大し、内容物(水)の浸透が接着剤10やアルミニウム箔9まで達していた。
次に、サンド樹脂15としてポリプロピレン樹脂を使用して同様に実験を繰り返したところ、シーラントフィルムにひび割れが発生した場合でも、メルトフローレートが20g/10min以下のポリプロピレン樹脂をサンド樹脂15として使用した場合には、このひび割れの拡大がサンド樹脂15で防止できた。これに対して、サンド樹脂15としてメルトフローレートが20g/10minを超えるポリプロピレン樹脂を使用した場合には、前記ひび割れがサンド樹脂15を超えて拡大し、内容物(水)の浸透が接着剤10やアルミニウム箔9まで達していた。
(実施例3)
実施例1と2の蓋材を、冷間絞り成形後30℃以上、使用している材料の融点以下の雰囲気中に、24時間以上エージングした。好適な放置条件は40℃、24時間以上である。
(実施例4)
この例は、基材として、外側から、「耐熱オーバーコート層8/アルミニウム箔(厚さ20μm〜100μm)9/接着剤10/延伸ポリエステルフィルム又は延伸ポリアミドフィルム16」の層構成を有するものを使用した例である(図6参照)。その他は実施例1と同様である。すなわち、基材とシーラントフィルムとの接着は、ドライラミネート法によって行った。
この積層体を冷間絞り成形して、図2に示すような形状の蓋材とし、実施例1と同様に水をホット充填した紙カップに重ね、ヒートシールして密封した。そして、こうして密封した状態で冷却して、その体積を減少させ、蓋材を変形させた。次に、この状態で、常温で1週間放置した。破断強度の比σMD:σTDがσMD:σTD=2:3〜3:2の範囲外のシーラントフィルムを使用した場合には、蓋材にひび割れが見られたが、この範囲内
にある蓋材を使用した場合には、蓋材にひび割れはなかった
次に、亜硫酸塩を酸化防止剤として添加したワインを前記紙カップに充填した後、その開口部に蓋材を重ね、ヒートシールして密封し、保存して、強浸透性成分に対する耐性を検査した。この結果、アルミニウム箔9とシーラントフィルムの間に延伸ポリエステルフィルム又は延伸ポリアミドフィルム16を配置することにより、強浸透性成分を含む内容物を収容した場合にも、アルミニウム箔9の腐食を防止できることが確認できた。
(実施例5)
この例は、基材として実施例4と同じものを使用した例であり、その他は実施例2と同様である。すなわち、基材として、外側から、「耐熱オーバーコート層8/アルミニウム箔(厚さ20μm〜100μm)9/接着剤10/延伸ポリエステルフィルム又は延伸ポリアミドフィルム16」の層構成を有するものを使用した(図7参照)。また、基材とシーラントフィルムとの接着は、サンド樹脂によって行った。
この積層体を冷間絞り成形して、図2に示すような形状の蓋材とし、実施例1と同様に水をホット充填した紙カップに重ね、ヒートシールして密封した。そして、こうして密封した状態で冷却して、その体積を減少させ、蓋材を変形させた。次に、この状態で、常温で1週間放置した。破断強度の比σMD:σTDがσMD:σTD=2:3〜3:2の範囲外のシーラントフィルムを使用した場合には、蓋材にひび割れが見られたが、この範囲内にある蓋材を使用した場合には、蓋材にひび割れはなかった。
また、この例でも、強浸透性成分を含む内容物を充填した場合にも、アルミニウム箔9の腐食を防止できることが確認できた。
(実施例6)
この例は、基材として、ポリエステル樹脂層又はポリアミド樹脂層を含む多層構造のフィルムを使用した例である。すなわち、基材として、外側から、「耐熱オーバーコート層8/アルミニウム箔(厚さ20μm〜100μm)9/接着剤10/保持層12/変性ポリオレフィン層18/ポリエステル樹脂層又はポリアミド樹脂層19/変性ポリオレフィン層18」の層構成を有するものを使用し、シーラントフィルムとして、「保持層12/保持層13/シーラント層14」の層構成を有するものを使用した(図8参照)。なお、基材の一部とシーラントフィルムは、共押し出し法によって一体に成膜し、その後、基材の残部と接着剤10により接着して積層体を製造した。共押し出し法によって成膜したものは、「保持層12/変性ポリオレフィン層18/ポリエステル樹脂層又はポリアミド樹脂層19/変性ポリオレフィン層18/保持層12/保持層13/シーラント層14」の層構成を有する5種7層のフィルム17である。そして、基材の残部は「耐熱オーバーコート層8/アルミニウム箔(厚さ20μm〜100μm)9」である。
この積層体を冷間絞り成形して、図2に示すような形状の蓋材とし、実施例1と同様に水をホット充填した紙カップに重ね、ヒートシールして密封した。そして、こうして密封した状態で冷却して、その体積を減少させ、蓋材を変形させた。次に、この状態で、常温で1週間放置した。破断強度の比σMD:σTDがσMD:σTD=2:3〜3:2の範囲外のシーラントフィルムを使用した場合には、蓋材にひび割れが見られたが、この範囲内にある蓋材を使用した場合には、蓋材にひび割れはなかった。
また、この例でも、強浸透性成分を含む内容物を充填した場合にも、アルミニウム箔9の腐食を防止できることが確認できた。
1…成形された蓋
2…容器
3…凹んだ状態の蓋
4…海部
5…島部
6…内側から見た凹んだ状態の蓋
7…発生した割れ
8…印刷とオーバーコート層
9…アルミニウム
10…接着剤
11…シーラントフィルム(3層)
12…保持層1(ラミネート層)
13…保持層2(保持層、凝集破壊層、剥離層)
14…シーラント層(凝集破壊層、融着シール層)
15…サンド樹脂層
16…延伸ナイロンフィルム又は延伸PETフィルム
17…5種7層共押し出しフィルム
18…変性ポリオレフィン層
19…ナイロン樹脂又はPET樹脂

Claims (6)

  1. カップ形状をした容器本体の開口部に適用して密封する蓋材であって、絞り成形された積層体から構成されている蓋材において、
    前記積層体が基材とシーラントフィルムとから成り、基材が層構成中にアルミニウム箔を含んでおり、かつ、シーラントフィルムの縦方向(MD)の破断強度σMDと、横方向(TD)の破断強度σTDとの比σMD:σTDが、σMD:σTD=2:3〜3:2の範囲内にあることを特徴とする蓋材。
  2. カップ形状をした容器本体の開口部に適用して密封する蓋材であって、絞り成形された積層体から構成されている蓋材において、
    前記積層体が基材とシーラントフィルムとから成り、基材が層構成中にアルミニウム箔を含んでおり、かつ、絞り成形の後、30℃以上の温度で24時間以上エージングされたものであることを特徴とする蓋材。
  3. 前記基材とシーラントフィルムとが溶融状態の接着樹脂によって接着されたものであり、
    前記接着樹脂が、メルトフローレートが5g/10min以下のポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓋材。
  4. 前記基材とシーラントフィルムとが溶融状態の接着樹脂によって接着されたものであり、
    前記接着樹脂が、メルトフローレートが20g/10min以下のポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓋材。
  5. 前記基材が多層構造を有していて、その層構成中にアルミニウム箔に加えて、延伸フィルムを含んでおり、この延伸フィルムがアルミニウム箔とシーラントフィルムとの間に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蓋材。
  6. 前記基材が多層構造を有していて、その層構成中にアルミニウム箔に加えて、ポリエステル樹脂層又はポリアミド樹脂層を含んでおり、このポリエステル樹脂層又はポリアミド樹脂層がアルミニウム箔とシーラントフィルムとの間に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蓋材。
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