JP2014162341A - 車両用シート - Google Patents

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Masaru Sakata
大 坂田
美都子 ▲濱▼
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Abstract

【課題】反力支持箇所を移動可能な2点で受けることにより、シートクッションの前端部を押動する構成の簡素化を可能として装備の軽量化を図る。
【解決手段】シートクッションの前端部箇所には、シートクッションの前端部を前後方向に伸縮移動させる伸縮移動機が備えられており、座面長さを変更することが可能とされた構成となっている。そして、前記伸縮移動機構は押圧部材22を備え、該押圧部材22は2本の支持軸22B,22Cが箱部材の側壁に設けられた曲率の異なる2本のガイド溝30を移動することにより、押圧部位22Aにより座面が伸縮移動する構成とされている。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両用シートに関する。詳しくは、シートクッションの座面長さが調整可能とされた車両用シートに関する。
従来から、車両用シートの乗り心地を改善することが試みられている。しかしながら、通常、標準的な体型の着座者を想定してシートの座り心地を改善しようとするため、標準的な体型の着座者には改善されたシートであっても、標準的な体型とは異なる着座者にとっては、必ずしも座り心地がよいシートとはいえなかった。
そこで、着座者の体型に適応させてシート形状を変えることで、座り心地の良いシートを提供することが試みられている。例えば、体の大きな人(大腿部の長い人)と体が小さな人(大腿部が長くない人)とが同じシートに座った場合、シートの座面が大腿部を支える割合が異なり、座り心地に差が生じる。このため、座面長さを調整可能とすることが行なわれている。
具体的な方法として、シートバックを移動させずに、シートクッションの着座状態における前端部位置を伸縮させて、座面長さを調節することが行われている。このようにシートバックを移動させずにシートクッションの前端部を前後方向に伸縮する場合には、着座者がシートに着座した状態のままシートクッションの座面長さを適切な長さに調節することができ、便宜である。このシートクッションの前端部を伸縮させて座面長さを調節することは、シートクッションの前側下部にシートクッションの前端部を押動するためのリンク機構を装備させて、このリンク機構によりシートクッションの前端部を下方位置から上方位置に回動動作させることにより行なうようになっている。そして、リンク機構に設けられるシートクッションの前端部を回動押動する押動部材の反力は幅方向(水平方向)に配設された一軸の支持軸により受けられる構成とされている(特許文献1参照)。
特開2006−130998号公報
上述したようにシートクッションの前端部を押動する反力を幅方向(水平方向)に配設された一軸の支持軸で受け、且つシートクッションの前端部を回動可能にリンク機構を構成する場合には、リンク機構が複雑になり、且つ大掛かりな構成となり、重量が重くなるという問題がある。
本発明は、上述した問題に鑑みて創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、反力支持箇所を移動可能な2点で受けることにより、シートクッションの前端部を押動する構成の簡素化を可能として装備の軽量化を図ることにある。
上記課題を解決するために、本発明の車両用シートは次の手段をとる。
先ず、基本構成は、シートクッションに配設されるクッションパッドの着座状態での前端部箇所には、該クッションパッドの前端部を前後方向に伸縮移動させる伸縮移動機構が備えられており、該伸縮移動機構は適宜駆動手段により作動させられてシートクッションの座面長さを変更することが可能とされた構成となっている。
そして、前記伸縮移動機構はクッションパッドの前端部を前方向に押圧移動させることのできる押圧部材を備え、該押圧部材はクッションパッドの前端部を前方向に押圧する反力の支持をシートクッションの幅方向に平行に配設される2軸を介して、シートクッションのベース側部材で受けて前記反力を支持することのできる構成とされている。そして、更に、前記ベース側部材には前記押圧部材の2軸を案内して該押圧部材によりクッションパッドの前端部を前後方向に伸縮移動可能とするガイド手段が設けられていることを特徴とする構成である。
本発明は、上述のように押圧部材の反力の支持をシートクッションの幅方向に平行に配設される2軸で行なっている。これにより反力を2軸で分担して受けることでき、それぞれの軸の支持剛性を軽減化することができて、全体構成の簡素化を図ることができる。
また、2軸を案内するガイド手段が設けられて、軸が移動しながらガイド手段により反力を支持するようになっている。これにより反力の支持構成の簡素化を図ることができる。
なお、上述した手段における前記ベース側部材に設けられるガイド手段はガイド溝であり、該ガイド溝は曲率の異なる案内軌跡とされており、該案内軌跡は押圧部材の反力を支持できると共に押圧部材を前後方向に移動可能としている構成とするのが好ましい。
この様にガイド手段を曲率の異なる案内軌跡とされたガイド溝で構成することは、構成の簡素化に貢献する。
また、上述した手段における前記押圧部材の着座者の大腿部が当たる部位は、シートパッドと同性状材質とし、2軸が配設される部位はクッションパッドより剛性の高い材質で構成するのが好ましい。
この様に押圧部材の着座者の大腿部に対応する部位箇所をクッションパッドと同性状材質とすることにより、着座状態における座り心地を通常のシート同様の状態とすることができる。また、2軸の保持は剛性の高い材質で行なわれるので、崩れなくて、耐久性が良い。
また、上述した手段における前記ベース側部材は前記押圧部材を収納可能とする側壁を有し上方が開口した箱形状に構成されており、該側壁に前記ガイド手段としてガイド溝が形成されており、前記伸縮移動機構を作動させる駆動手段としてエアの供給による作動する空気袋が用いられており前記箱形状のベース部材内に装備されている構成とするのが好ましい。
この様にベース側部材を箱形状としてガイド手段としてのガイド溝を設け、また、この箱形状内に駆動手段として空気袋を配設する構成とすることにより、構成の簡素化を一層図ることが可能となる。
本発明によれば、上述した手段のように反力支持箇所を移動可能な2点で受けることにより、シートクッションの前端部を押動する構成の簡素化を可能として装備の軽量化を図ることができる。
実施形態の車両用シートを示す斜視図である。 伸縮作動機構によるシートクッションの前端部の伸縮作動を概略的に示す側面図である。 伸縮作動機構の具体的構成を示す側面図である。 伸縮作動機構の具体的構成を示す分解斜視図である。 伸縮作動機構の作動状態の変位を示す側面図である。
以下に、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。なお、この説明において、上下、左右、前後等方向表示は、車両用シートに着座した着座者から見た場合の方向を示している。
図1は車両用シートの側面図を示す。車両用シート10(以下、単に「シート10」と称することがある)は、一般に、着座者の座部となるシートクッション12と、着座者の背凭れとなるシートバック14と、着座者の頭部を受けるヘッドレスト16とから構成されている。
シートクッション12は、シート10の幅方向及び前後方向に延びる矩形形状を呈しており、車両のフロア上に載置されている。このシートクッション12は、シートクッション12の骨格を成すフレーム部材と座面12aを形成しシートクッションを形作るクッションパッド18とを有している。シートバック14は、シート10の幅方向及び高さ方向に延びる矩形形状を呈しており、シートクッション12の後縁部に沿ってシートクッション12上に載置されている。このシートバック14も、シートクッション12と同様に、フレーム及びクッションパッドを有している。
本実施形態におけるシート10は、シートクッション12の前端部12Fを、図1に破線で示す位置状態から仮想線で示す位置状態に上方に回動させることにより、シートクッションの着座面の長さを伸縮させることができる構成とされている。
図2は、シートクッション12の前端部12Fを伸縮させる作動の概要を示している。シートクッション12の前端部12Fのクッションパッド18Fは、伸縮移動機構20の押圧部材22により押動されるようになっており、押圧部材22の押動により前端部12Fのクッションパッド18Fは前方に伸長すると共に上方に回動する。押圧部材22の作動の詳細については後述するが、押圧部材22は断面視三角形状であり、先端の1点の押圧部位22Aが前端部12Fのクッションパッド18Fを下方の裏面側から前方に押すことができるように配設されている。後端の2点の支持軸22B,22Cは、図2では図示が省略されているガイド手段としてのガイド溝30により案内されて前後方向に移動可能に配設されている。そして、この支持軸22B,22Cがガイド溝30により案内されて移動する際に、押圧部位22Aによる押動反力を受けることができる構成とされている。
図3及び図4は、伸縮移動機構20の具体的構成を示し、図3は側面図を示し、図4は分解斜視図を示している。
伸縮移動機構20は、図3に良く示されるように、上方が開口した箱形状の箱部材24内に、押圧部材22、空気袋26、スプリング28が収納されて構成されている。伸縮移動機構20を収納構成する箱部材24は、クッションパッド18の前端部18Fの下方位置に配置されて構成されており、箱部材24はシートクッション12の前端部12Fに配設されるシートクッション12のフレーム部材と一体的関係にある板状の取付部材32にボルトナット或いはリベット等の締着具によって一体的に取付けられている。したがって、本実施形態における箱部材24が本発明のシートクッションのベース側部材に相当する。
箱部材24は、図4に示すように、長方形状に形成されており、シートクッション12の前端部12F下部の幅方向に配設されている。箱部材24には左右両側と中間位置の3箇所に側壁34(34A,34B,34C)が設けられている。この側壁34の上部位置が取付部材32と締着される部位となっており取付部材32に取付けられる。
押圧部材22は断面視三角形状であり、三角形の1点の先端縁がクッションパッド18の前端部18Fを押すことのできる押圧部位22Aとなっている。三角形の残り2点を結ぶ後面部22Dには、箱部材24の側壁34の位置に対応して切欠凹部36が3箇所形成されており、この切欠凹部36には同一軸線上位置に2本の支持軸22B、22Cが平行に配設されている。この2本の支持軸22B、22Cの軸線方向はシートクッション12の幅方向とされている。
そして、2本の支持軸22B、22Cに対応して、3個の側壁34A,34B,34Cにはガイド手段としての2個のガイド溝30B,30Cがそれぞれ形成されている。2個のガイド溝30B,30Cは曲率の異なる案内軌跡となるように形成されており、この2個のガイド溝30B,30Cに2本の支持軸22B、22Cが係合しながら移動することにより、押圧部材22に作用する荷重反力を支持できるようになっている。
図3に示されるように、押圧部材22はスプリング28により箱部材24の内部方向に引っ張られて収納されている。スプリング28は引張りスプリングであり、図4に示すように、左右の2箇所に配設されている。一端は箱部材24の後壁35の下端部の係止孔40に係止されており、他端部は押圧部材22の後面部22Dに形成された係止孔42に係止されており、これにより押圧部材22は箱部材24に向けてスプリング28により引張られて箱部材24の内部に向けて収納される。
押圧部材22は、クッションパッド18と当接する上面部22Eは、材質がクッションパッド18と同性状のウレタンパッド等の柔らかい材質で形成されている。これにより着座者が着座した際における座り心地を良好なものとすることができる。すなわち、通常、押圧部材22が配設される位置は着座者が着座した際に、大腿部の位置に対応する位置となっており、座り心地に影響を与える部位となっている。なお、後面部22D等のその他の押圧部材22の部位は上面部22Eより剛性の高い材質とされており、押圧部材22本来の押動する機能を果たすことができる構成とされている。
空気袋26は、上述したスプリング28により箱部材24内部に収納付勢されている押圧部材22を、逆に、箱部材24の外方(上方向)かつ前方に作動するように配設されている。空気袋26は、図3に示すように、押圧部材22の後面部22Dと箱部材24の底板33との間に配設されており、ヒンジ板44に挟まれて配設されている。ヒンジ板44は、図4に示すように、押圧部材22の中央の切欠凹部36Cの両側に2組配設されている。ヒンジ板44は2枚の板部材44A,44Bがヒンジ部44aで接続されて両端部44b、44cが開閉作動可能とされている。そして、端部44bが押圧部材22の後面部の支持軸22C側の端縁に係止されており、端部44cが箱部材24の底板33の前部位置に係止されている。
空気袋26は板部材44Aと板部材44Bの間に挟持される袋部位26Aと、板部材44Bと押圧部材22の底板33との間に挟持される袋部位26Bの2つの袋部位が連通部26Cで連通状態とされて形成されている。この空気袋26は袋部位26Bに接続された導入排出パイプ46によりエアが供給・排出されて作動し、ヒンジ板44を開閉作動し、押圧部材22を作動させる。
ヒンジ板44のヒンジ部44aには連通孔48が形成されており、空気袋26の連通部26Cが挿通されて、2つの袋部位26A、26Bが板部材44Bを挟んで配設されている。以上説明した本実施形態の空気袋26及びヒンジ板44が本発明の駆動手段に相当する。
3個の側壁34には、ガイド部位としての2本のガイド溝30B,30Cがそれぞれ形成されている。ガイド溝30B,30Cには押圧部材22の後面部22Dに設けられた2本の支持軸22B、22Cが嵌合して、ガイド溝30B,30Cに沿って移動可能とされている。2本のガイド溝30B,30Cは曲率の異なる案内軌跡として形成されており、その案内軌跡は、空気袋26へのエアの供給作動により押圧部材22が上方かつ前方へ移動可能で、更には、その際の押圧部材22に作用する荷重の反力を受けることのできる案内軌跡として形成されている。
次に、上述した伸縮移動機構20の作動を説明する。シートクッション12の前端部12Fを伸長させる場合について説明する。
空気袋26の導入排出パイプ46からエアを導入することにより、空気袋26の2個の袋部位26A,26Bにエアが導入されて膨張する。袋部位26A,26Bの膨張によりヒンジ板44の2枚の板部材44A、44Bが開き作動して押圧部材22の後面部22Dが押動される。
この押動により押圧部材22はガイド溝30B,30Cに沿って案内されて上方かつ前方に移動していく。ガイド溝30B,30Cによる押圧部材22の2本の支持軸22B、22Cの移動案内は、本実施形態の場合は、図5に示すように行われる。図5に示すガイド溝30B,30Cの案内軌跡は、押圧部材22が押動された際に、押圧部材22はX1の状態では三角形状が上を向いた格好となっているが、X2状態、X3状態・・に進むにしたがって前方に傾いた形態となるように案内軌跡の曲率が形成されている。また、案内軌跡は押圧部材22の前方移動により生じる荷重反力を受けることができる軌跡として形成されている。
上述したように押圧部材22が上方かつ前方に移動していくことにより、押圧部材22の押圧部位22Aは前端部のクッションパッド18Fの裏面側を押して、図5に示すようにシートクッション12の座面の前端部12Fを伸長させる。
シートクッション12の座面を伸長させた状態から縮小させる場合は、空気袋26のエアを排出させることにより行われる。空気袋26のエアを導入排出パイプ46を通じて排出すると、その空気の排出に応じて押圧部材22がスプリング28により引張られて、X5状態からX4状態、X3状態・・に戻されて、シートクッション12の前端部12Fが縮小していく。
上述した本実施形態によれば、押圧部材22の反力の支持を2本の支持軸22B,22Cで行なっている。これにより反力を2軸で分担して受けることでき、それぞれの軸の支持剛性を軽減化することができて、伸縮移動機構20全体構成の簡素化を図ることができる。
また、支持軸22B,22Cが移動しながらガイド溝30B,30Cにより反力を支持するようになっている。これにより反力の支持構成の簡素化を図ることができる。
以上各実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態のほか、その他各種の形態で実施可能なものである。
例えば、押圧部材22を作動させる駆動手段として空気袋の場合について説明したが、その他、油圧を用いたり、電動モータにより作動させることもできる。
またガイド手段としてガイド溝を用いた場合について説明したが、支持軸を移動案内できる構成のものであれば各種手段が考えられるものである。
10 車両用シート
12 シートクッション
14 シートバック
16 ヘッドレスト
18 クッションパッド
20 伸縮移動機構
22 押圧部材
22A 押圧部位
22B、22C 支持軸
22D 後面部
22E 上面部
24 箱部材
26 空気袋(駆動手段)
28 スプリング
30,30B,30C ガイド溝(ガイド手段)
32 取付部材
33 底板
34 側壁
35 後壁
36 切欠凹部
40 係止孔
42 係止孔
44 ヒンジ板
44A,44B 板部材
44a ヒンジ部
46 導入排出パイプ
48 連通孔

Claims (4)

  1. シートクッションに配設されるクッションパッドの着座状態での前端部箇所には、該クッションパッドの前端部を前後方向に伸縮移動させる伸縮移動機構が備えられており、該伸縮移動機構は適宜駆動手段により作動させられてシートクッションの座面長さを変更することが可能とされた車両用シートであって、
    前記伸縮移動機構はクッションパッドの前端部を前方向に押圧移動させることのできる押圧部材を備え、該押圧部材はクッションパッドの前端部を前方向に押圧する反力の支持をシートクッションの幅方向に平行に配設される2軸を介して、シートクッションのベース側部材で受けて前記反力を支持することのできる構成とされており、
    前記ベース側部材には前記押圧部材の2軸を案内して該押圧部材によりクッションパッドの前端部を前後方向に伸縮移動可能とするガイド手段が設けられていることを特徴とする車両用シート。
  2. 請求項1に記載の車両用シートであって、
    前記ベース側部材に設けられるガイド手段はガイド溝であり、該ガイド溝は曲率の異なる案内軌跡とされており、該案内軌跡は押圧部材の反力を支持できると共に押圧部材を前後方向に移動可能としていることを特徴とする車両用シート
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用シートであって、
    前記押圧部材の着座者の大腿部に対応する部位箇所はクッションパッドと同性状材質とし、2軸が配設される部位はクッションパッドより剛性の高い材質で構成されていることを特徴とする車両用シート。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の車両用シートであって、
    前記ベース側部材は前記押圧部材を収納可能とする側壁を有し上方が開口した箱形状に構成されており、該側壁に前記ガイド手段としてガイド溝が形成されており、前記伸縮移動機構を作動させる駆動手段としてエアの供給による作動する空気袋が用いられており前記箱形状のベース部材内に装備されていることを特徴とする車両用シート。
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