JP2014162064A - レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版及びその製造方法、並びに、フレキソ印刷版及びその製版方法 - Google Patents

レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版及びその製造方法、並びに、フレキソ印刷版及びその製版方法 Download PDF

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Abstract

【課題】彫刻感度が高く、彫刻カスの量が抑制され、更に、彫刻カスのリンス性が良好である優れたフレキソ印刷版を得ることができるレーザー彫刻用樹脂組成物、上記レーザー彫刻用樹脂組成物を用いたフレキソ印刷版原版及びその製造方法、それを用いたフレキソ印刷版の製版方法、並びに、それにより得られたフレキソ印刷版を提供すること。
【解決手段】(成分A)バインダーポリマー、及び、(成分B)架橋剤、を含有し、組成物から形成された架橋レリーフ形成層が解重合性であることを特徴とするレーザー彫刻用樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版及びその製造方法、並びに、フレキソ印刷版及びその製版方法に関する。
レリーフ形成層をレーザーにより直接彫刻し製版する、いわゆる「直彫りCTP方式」が多く提案されている。この方式では、フレキソ原版に直接レーザーを照射し、光熱変換によりレリーフ形成層に熱分解及び揮発を生じさせ、凹部を形成する。直彫りCTP方式は、原画フィルムを用いたレリーフ形成と異なり、自由にレリーフ形状を制御することができる。このため、抜き文字の如き画像を形成する場合、その領域を他の領域よりも深く彫刻する、又は、微細網点画像では、印圧に対する抵抗を考慮し、ショルダーをつけた彫刻をすることなども可能である。この方式に用いられるレーザーは高出力の炭酸ガスレーザーが用いられることが一般的である。炭酸ガスレーザーの場合、全ての有機化合物が照射エネルギーを吸収して熱に変換できる。一方、安価で小型の半導体レーザーが開発されてきているが、これらは可視及び近赤外光であるため、レーザー光を吸収して熱に変換することが必要となる。
従来のレーザー彫刻用樹脂組成物としては、例えば、特許文献1〜4に記載のものが知られている。
特開2010−253931号公報 特開2008−106213号公報 特開2009−255510号公報 特開2012−116008号公報
本発明の目的は、彫刻感度が高く、彫刻カスの量が抑制され、更に、彫刻カスのリンス性が良好である優れたフレキソ印刷版を得ることができるレーザー彫刻用樹脂組成物、上記レーザー彫刻用樹脂組成物を用いたフレキソ印刷版原版及びその製造方法、それを用いたフレキソ印刷版の製版方法、並びに、それにより得られたフレキソ印刷版を提供することである。
本発明の上記課題は以下の<1>、<14>、<15>、<17>及び<18>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<13>及び<16>と共に以下に記載する。
<1> (成分A)バインダーポリマー、及び、(成分B)架橋剤、を含有し、組成物から形成された架橋レリーフ形成層が解重合性であることを特徴とするレーザー彫刻用樹脂組成物、
<2> 成分Aが(成分A−1)解重合性のバインダーポリマーを含有する、<1>に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<3> 成分A−1が、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル酸エステルを単量体単位として50mol%以上含有する樹脂、及び、α−メチルスチレンを単量体単位として50mol%以上含有する樹脂よりなる群から選択されるいずれか1つを含有する、<2>に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<4> 成分A−1がポリ乳酸、ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸ブチル−b−ポリメタクリル酸メチルブロック共重合体、ポリα−メチルスチレン−b−ポリアクリル酸ブチル−b−ポリα−メチルスチレンブロック共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、メタクリル酸メチル/メタクリル酸アリル共重合体、ポリアクリル酸メチル、アクリル酸メチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、及び、アクリル酸メチル/メタクリル酸アリル共重合体よりなる群から選択される、<2>又は<3>に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<5> 成分Bが(成分B−1)解重合性の架橋剤を含有する、<2>〜<4>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<6> 成分A−1及び成分B−1の合計含有量がレーザー彫刻用樹脂組成物の固形分総量の80〜99質量%である、<5>に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<7> 上記成分B−1の含有量がレーザー彫刻用樹脂組成物の固形分総量の5〜90質量%である、<5>又は<6>に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<8> (成分C)光熱変換剤を更に含有する、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<9> 成分Cが成分A及び/又は成分Bと共有結合可能な基を有する、<8>に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<10> 成分Cがカーボンブラックである、<8>又は<9>に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<11> 成分Cの含有量がレーザー彫刻用樹脂組成物の固形分総量の10質量%以下である、<8>〜<10>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<12> (成分D)架橋触媒を更に含有する、<1>〜<11>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<13> (成分E)解重合触媒を含有する、<1>〜<12>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<14> <1>〜<13>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を光及び/又は熱により架橋した架橋レリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<15> <1>〜<13>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程、並びに、上記レリーフ形成層を光及び/又は熱により架橋し、架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程、を含むレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、
<16> 上記架橋工程が、上記レリーフ形成層を熱により架橋し、架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る工程である、<15>に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、
<17> <1>〜<13>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を光及び/又は熱により架橋した架橋レリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版をレーザー彫刻し、レリーフ層を形成する彫刻工程、を含むフレキソ印刷版の製版方法、
<18> <17>に記載のフレキソ印刷版の製版方法により製版されたレリーフ層を有するフレキソ印刷版。
本発明によれば、彫刻感度が高く、彫刻カスの量が抑制され、更に、彫刻カスのリンス性が良好である優れたフレキソ印刷版を得ることができるレーザー彫刻用樹脂組成物、上記レーザー彫刻用樹脂組成物を用いたフレキソ印刷版原版及びその製造方法、それを用いたフレキソ印刷版の製版方法、並びに、それにより得られたフレキソ印刷版を提供することができた。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書中、「xx〜yy」の記載は、xx及びyyを含む数値範囲を表す。また、「(成分A)解重合性のバインダーポリマー」等を単に「成分A」等ともいう。
「(メタ)アクリレート」等は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等と同義であり、以下同様とする。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
更に、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、更に好ましい。
(レーザー彫刻用樹脂組成物)
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)は、(成分A)バインダーポリマー、及び、(成分B)架橋剤、を含有し、組成物から形成された架橋レリーフ形成層が解重合性であることを特徴とする。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、レーザー彫刻が施されるフレキソ印刷版原版のレリーフ形成層用途以外にも、特に限定なく、他の用途にも広範囲に適用することができる。例えば、以下に詳述する凸状のレリーフ形成をレーザー彫刻により行う印刷版原版のレリーフ形成層のみならず、表面に凹凸や開口部を形成する他の材形、例えば、凹版、孔版、スタンプ等、レーザー彫刻により画像形成される各種印刷版や各種成形体の形成に適用することができる。
中でも、適切な支持体上に設けられるレリーフ形成層の形成に適用することが好ましい態様である。
本発明の樹脂組成物において、推定される作用機構を以下に記載する。
成分A及び成分Bを含む組成物より形成された架橋レリーフ形成層が、全体として解重合性であることにより、所謂熱分解に比べて、より低エネルギーでバインダーポリマー及び架橋剤の解重合による分解が生じる。これにより、高い彫刻感度が得られると推定される。
また、成分A及び成分Bは解重合によりモノマーレベルまで分解が生じると考えられる。そのため、彫刻後に版面に残存する彫刻カスの量が大幅に削減されると共に、版面上に発生した彫刻カスもリンス性に優れるものと推定している。すなわち、彫刻カスのトータル量とは、(1)気体レベルまで分解された彫刻カスの量、及び、(2)液状又は固体状で印刷版上に付着、残存する彫刻カスの量、の合計量である。上記(1)の彫刻カスは、彫刻機に搭載されている集塵システムにより浄化及び/又は回収される。一方、(2)の彫刻カスは、リンス液にて洗浄される。本発明では、解重合を主体とする分解機構を導入することで、(1)の彫刻カスの量を大幅に増加させ、その分、(2)の彫刻カスの量を低減させるものである。
また、本発明者は鋭意検討した結果、版面上の液体状又は固体状の彫刻カスのリンス性は、(i)版面上に残存する彫刻カスの量が少ないほど、また、(ii)版面上に残存する彫刻カスの親水性が高いほど、良化する(彫刻カス量が低減される)ことを見いだした。従来は、(ii)の観点からのリンス性の向上が図られ、例えば、レリーフ形成層用の樹脂組成物にシランカップリング剤を添加することによってリンス性を向上させることが報告されている。本発明では、(i)の観点からも、版面上に残存する彫刻カスの量を減らすものである。
また、成分A及び/又は成分Bと共重合可能な基を有する(成分C)光熱変換剤を併用した場合、光熱変換剤が一種の架橋点として振る舞うと考えられる。この場合、光熱変換剤が解重合のトリガー部位として機能することにより、より高い彫刻感度が得られると共に、彫刻カスの発生が更に抑制され、更に、発生した彫刻カスもよりリンス性に優れるものと推定している。
なお、本明細書では、フレキソ印刷版原版の説明に関し、成分A及び成分Bを含有し、レーザー彫刻に供する画像形成層としての、表面が平坦な層であり、かつ未架橋の架橋性層をレリーフ形成層と称し、上記レリーフ形成層を架橋した層を架橋レリーフ形成層と称し、これをレーザー彫刻して表面に凹凸を形成した層をレリーフ層と称する。
以下、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物に含有される成分について説明する。
(成分A)バインダーポリマー
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分A)バインダーポリマーを含有する。
なお、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物から形成された架橋レリーフ形成層は解重合性である。
解重合とは、重合体が単量体に分解する現象、すなわち、重合反応の逆反応に相当する反応である。
本発明において、「組成物から形成された架橋レリーフ形成層が解重合性である」とは、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物の層から必要に応じて溶剤を除去した後、熱及び/又は光により架橋した架橋レリーフ形成層を、炭酸ガスレーザーマーカーでレーザー彫刻した際に発生する、(1)気体状のカス、及び、(2)印刷版上に残存する固体状又は液体状の彫刻カス、をそれぞれ分析し、カスの全質量に占める原料モノマー又はそれらのモノマーの環状オリゴマーの割合が50質量%以上である場合を意味する。なお、(1)気体状のカスは、彫刻時に印刷版原版の近傍に気体捕集袋を設置して気体を回収し、ガスクロマトグラフィーにて分析することで定量可能である。また、(2)印刷版上に残存する固体状又は液体状の彫刻カスは、回収後に適当な溶媒に溶解し、高速液体クロマトグラフィーで分析することで、定量可能である。
本発明において、組成物から形成された架橋レリーフ形成層を解重合性とするために、(成分A)バインダーポリマーとして(成分A−1)解重合性のバインダーポリマーを使用することが好ましく、また、後述するように、(成分B)架橋剤として(成分B−1)解重合性の架橋剤を使用することが好ましい。
なお、バインダーポリマーが解重合性であるとは、以下のようにして判定する。(1)バインダーポリマーが固体状である場合には、バインダーポリマーを良溶媒に溶解し、アルミなどの金属基板上に塗布、乾燥して製膜したもの、又は、溶融プレス製膜したものに対して、炭酸ガスレーザーを照射する。(2)バインダーポリマーが液状又は高粘度オイル状である場合には、金属製の容器(例えば、アルミ製の浅いカップ)にバインダーポリマーを流し込み、これに直接炭酸ガスレーザーを照射する。炭酸ガスレーザーマーカーでレーザー照射(レーザー彫刻)した際に発生する、(1)気体状のカス、及び、(2)残存する固体状又は液体状の彫刻カス、をそれぞれ分析し、カスの全質量に占める原料モノマー又はそれらのモノマーの環状オリゴマーの割合が50質量%以上である場合をバインダーポリマーが解重合性であるとする。
また、成分Aは、ポリマーであり、重量平均分子量が10,000以上である。印刷時のインキ転移性の観点から、重量平均分子量は10,000〜300,000であることが好ましく、10,000〜250,000であることがより好ましく、10,000〜150,000であることが更に好ましい。
本発明において重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により、分子量既知のポリスチレンで換算することによって測定される。
成分Aとしては、(成分A−1)解重合性のバインダーポリマーを含有することが好ましい。
成分A−1は、分子鎖中に分解しやすいモノマー単位としてスチレン、α−メチルスチレン、α−メトキシスチレン、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、エステル化合物類、エーテル化合物類、ニトロ化合物類、カーボネート化合物類、カルバモイル化合物類、ヘミアセタールエステル化合物類、オキシエチレン化合物類、脂肪族環状化合物類等が含まれていることが好ましい。特にポリ(α−メチルスチレン)類、ポリ(アトロパ酸エステル)類、ポリ(α−アセトキシスチレン)類、ポリ(o−メトキシスチレン類)、ポリアルデヒド類、天井温度を低下させたポリ((メタ)アクリル酸エステル)類、ポリ(テトラヒドロフラン)類、2−ピペリドンモノマーの重合体であるポリ−δ−カプロラクタム類、2−ピロリドンモノマーの重合体であるポリ−γ−カプロラクタム類、ポリアリルアセテート類、ポリアリルアルコール類、ポリアリルエーテル類、ポリブテン類、ポリヘキセン類、ポリオキセパン類、ポリオキシアルキレンポリマー類、等が挙げらる。
成分A−1は、エチレン性不飽和化合物の付加重合体、又は、ポリエステルであることが好ましい。また、付加重合体は、ランダム重合体でも、ブロック共重合体でもよく、特に限定されない。なお、以下の説明において、ブロック共重合体は、各ブロックを「−b−」で区切って記載するものとし、特に説明がない共重合体は、ランダム共重合体である。
付加重合体としては、単量体として(メタ)アクリル酸エステル及び/又はα−メチルスチレンを用いて重合された付加重合体であることが好ましく、単量体として(メタ)アクリル酸エステル又はα−メチルスチレンを用いて重合された付加重合体であることがより好ましい。
また、付加重合体を構成する単量体単位の総量を100mol%としたとき、(メタ)アクリル酸エステル又はα−メチルスチレンを50mol%以上含有することが好ましく、65mol%以上含有することがより好ましく、75mol%以上含有することが更に好ましい。
単量体を上記の構成とすることにより、彫刻感度に優れ、彫刻カスが低減されるので好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルが好ましい。アルキル基としては、直鎖状又は分岐状のいずれでもよく、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることが更に好ましい。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらの中でも、メチル(メタ)アクリレートがより好ましく、メチルメタクリレートが特に好ましい。
また、その他の(メタ)アクリル酸エステルとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体のモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、ポリエステルは、多塩基酸(多価カルボン酸)と多価アルコール、又は、ヒドロキシ酸と、必要に応じて多塩基酸及び多価アルコールとの重縮合により得られる。
ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、オクタンジオール、トリシクロデカンジメチロール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、キシリレンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAポリエチレングリコールエーテル、ビスフェノールAポリプロピレングリコールエーテル、ビスフェノールAのエチレンオキシドやプロピレンオキシド付加物、水添ビスフェノールAのエチレンオキシドやプロピレンオキシド付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
また、多塩基酸としては、例えば、イソフタル酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、ダイマー酸等が挙げられる。
ヒドロキシ酸としては、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸、リシネライジン酸、セレブロン酸、キナ酸、シキミ酸、サリチル酸、クレオート酸、バニリン酸、シリング酸等が挙げられる。
また、ヒドロキシ酸から得られるポリエステルとしては、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ(ブチレンコハク酸)や、これらの誘導体又は混合物が挙げられる。
これらの中でも、ポリエステルとしては、ポリ乳酸が好ましい。
なお、ポリ乳酸等のヒドロキシ酸から得られるポリエステルを解重合すると、原料モノマーである乳酸ではなく、下記式のように、乳酸の環状オリゴマーであるラクチドが形成する場合がある。本発明において、このような反応も解重合に該当するものである。
Figure 2014162064
本発明において、成分A−1としては、ポリ乳酸、メタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸ブチル−b−メタクリル酸メチルブロック共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(メタクリル酸メチルの含有量が75mol%以上)、メタクリル酸メチル/メタクリル酸アリル共重合体(メタクリル酸メチルの含有量が75mol%以上)、ポリメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(アクリル酸メチルの含有量が75mol%以上)、ポリα−メチルスチレンが挙げられる。これらの中でも、ポリ乳酸、メタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸ブチル−b−メタクリル酸メチルブロック共重合体、ポリα−メチルスチレンが好ましく、ポリ乳酸が特に好ましい。
成分A−1のガラス転移温度は、150℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましく、80℃以下であることが更に好ましい。ガラス転移温度の下限は特に限定されない。
ガラス転移温度が上記範囲内であると、レリーフ形成層の成形が容易であり、得られる架橋膜が柔軟性に優れるので好ましい。
本発明において、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC測定)により測定することができる。具体的には、測定パンにサンプルを10mg入れ、窒素気流中で10℃/分で−50℃から180℃まで昇温した後(1st−run)、−50℃まで10℃/分で降温させ、この後再び−50℃から10℃/分で180℃まで昇温(2nd−run)し、2nd−runでベースラインが低温側から変位し始める温度をもってガラス転移温度(Tg)とする。
成分A−1は、樹脂組成物中に1種単独で含有していても、2種以上を含有していてもよい。
成分A−1の樹脂組成物中の含有量は、全固形分に対して、5〜90質量%であることが好ましく、15〜85質量%であることがより好ましく、30〜80質量%であることが更に好ましい。成分Aの含有量が上記範囲内であると、彫刻感度に優れ、また、彫刻カスの発生が抑制されると共に、彫刻カスのリンス性に優れるレリーフ層が得られるので好ましい。なお、樹脂組成物の固形分量とは、溶剤などの揮発性成分を除いた量を表す。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分A−2)解重合性ではないバインダーポリマー(樹脂成分)を含有してもよい。このようなバインダーポリマーとしては、特開2011−136455号公報に記載されている非エラストマーや、特開2010−208326号公報に記載されている不飽和基含有ポリマー等が例示される。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分A−1)解重合性のバインダーポリマーを(成分A)バインダーポリマーの主成分として含有することが好ましく、他のバインダーポリマーを含有する場合、成分A−1の成分A全体に対する含有量は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。なお、上限は特に限定されないが、100質量%、すなわち、バインダーポリマーとして解重合性のバインダーポリマーのみを含有することが好ましい。他のバインダーポリマーを含有する場合には、解重合性のバインダーポリマーの含有量は99質量%以下であることが好ましく、97質量%以下であることがより好ましく、95質量%以下であることが更に好ましい。
(成分B)架橋剤
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分B)架橋剤を含有する。本発明において、成分Bとして、(成分B−1)解重合性の架橋剤を含有することが好ましい。なお、以下の説明において、単に「架橋剤」という場合には、(成分B−1)解重合性の架橋剤、及び、(成分B−2)その他の架橋剤の総称である。
ここで、架橋剤が解重合性であるとは、バインダーポリマーが解重合性であるときと同様に判断する。具体的には、上述したように(1)架橋剤が固体状である場合には、架橋剤を良溶媒に溶解し、アルミなどの金属基板上に塗布、乾燥して製膜したもの、又は、溶融プレス製膜したものに対して、炭酸ガスレーザーを照射する。(2)架橋剤が液状又は高粘度オイル状である場合には、金属製の容器(例えば、アルミ製の浅いカップ)に架橋剤を流し込み、これに直接炭酸ガスレーザーを照射する。炭酸ガスレーザーマーカーでレーザー照射(レーザー彫刻)した際に発生する、(1)気体状のカス、及び、(2)残存する固体状又は液体状の彫刻カス、をそれぞれ分析し、カスの全質量に占める原料モノマー又はそれらのモノマーの環状オリゴマーの割合が50質量%以上である場合を架橋剤が解重合性であるとする。

本発明に用いることができる成分B−1としては、架橋が形成可能であり、かつ、解重合性であれば、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。
(成分B−1)解重合性の架橋剤
成分Bは架橋性基を有する。成分Bが有する架橋性基としては特に限定されず、成分B同士の架橋、成分Aと成分Bとの架橋、及び、成分Bと他の架橋剤との架橋よりなる群から選択されるいずれかの架橋が形成可能であればよい。これらの中でも、少なくとも成分B同士の架橋が形成可能であることが好ましい。すなわち、成分B−1は、成分B−1同士が架橋可能な官能基を有することが好ましい。
架橋性基としては、−SiR123、酸無水物残基、エチレン性不飽和基、イソシアナト基、ブロックイソシアナト基、アミノ基、ヒドロキシ基、−C(=O)−R4、エポキシ基、カルボン酸基、及び、メルカプト基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基が好ましく挙げられる。
−SiR123におけるR1〜R3はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は、1価の有機基を表し、R1〜R3のうち少なくとも1つは、アルキル基、アルコキシ基、又は、ハロゲン原子である。また、上記−C(=O)−R4におけるR4は、水素原子、又は、アルキル基を表す。
上記エチレン性不飽和基としては、メタクリロイル基、アクリロイル基、スチリル基、及びビニルオキシ基が好ましく挙げられる。
また、上記ブロックイソシアナト基とは、イソシアナト基とブロッキング剤とを反応させた基であり、かつ、熱により分解してイソシアナト基を再生可能な基である。上記ブロッキング剤としては、アルコール化合物、環状アミド化合物、ケトオキシム化合物、フェノール化合物、及び、第二級アミン化合物が挙げられる。また、ブロックイソシアナト基としては、特許第3095227号公報を参照することもできる。ブロックイソシアナト基からイソシアナト基を再生する温度としては、特に制限はなく、ブロックイソシアナト基の構造により選択すればよい。
架橋が形成される反応としては、具体的には、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基等の活性水素を有する基とイソシアナト基との反応、ヒドロキシ基又はアミノ基とカルボキシ基との反応、ヒドロキシ基又はアミノ基とエポキシ基との反応、エチレン性不飽和基同士の反応、加水分解性シリル基同士の反応、シラノール基同士の反応、加水分解性シリル基と、シラノール基との反応等が例示されるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これらの中でも、成分B−1は、少なくとも2つ(好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4、更に好ましくは2又は3、特に好ましくは2)のイソシアナト基と、ヒドロキシ基及びアミノ基よりなる群から選択された少なくとも2つ(好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4、更に好ましくは2又は3、特に好ましくは2)の基とを有する化合物、少なくとも2つ(好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4、更に好ましくは2又は3、特に好ましくは2)のエチレン性不飽和基を有する化合物、及び、少なくとも2つ(好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4、更に好ましくは2又は3、特に好ましくは2)のヒドロキシ基と、少なくとも2つ(好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4、更に好ましくは2又は3、特に好ましくは2)のカルボキシ基とを有する化合物よりなる群から選択されることが好ましい。
成分B−1の重量平均分子量は、10,000未満であり、1,000以上10,000未満であることが好ましい。2,000以上10,000未満であることがより好ましく、5,000以上〜10,000未満であることが更に好ましい。
成分B−1の分子量が上記範囲内であると、彫刻形状が良好であるので好ましい。
成分B−1はガラス転移温度(Tg)が低いことが好ましく、室温(20℃)以下であることがより好ましく、10℃以下であることが更に好ましく、0℃以下であることが特に好ましい。また、ガラス転移温度の下限は特に限定されない。
ガラス転移温度が室温以下であると、成分Bが可塑剤としての機能を有し、成分Aのガラス転移温度が室温以上であっても、別途可塑剤を添加することなく、柔軟性のある架橋レリーフ形成層が得られるので好ましい。また、可塑剤を添加しない場合には、可塑剤の染み出しによる版面の汚染等の問題が発生しないので好ましい。
一方、成分B−1のガラス転移温度が室温を超え、かつ、分子量が1,000未満の場合、又は、成分B−1が室温で固体状である場合、成分Aのガラス転移温度が室温以上であると、架橋膜(架橋レリーフ形成層)のガラス転移温度が室温以上となり、レリーフ層として必要な弾性(ゴム弾性)が発現しない場合がある。このような場合には、後述する可塑剤を添加して、架橋膜(架橋レリーフ形成層)としてのガラス転移温度を室温以下とすることが好ましい。
本発明において成分B−1は、分子量が1,000以上のポリマーに上記の架橋性基が導入された化合物であることが好ましい。すなわち、成分B−1は、繰り返し単位を有するポリマー部と、架橋性基を有する架橋性基含有部とを有する化合物であることが好ましく、ポリマー部の主鎖の両末端に架橋性基含有部を有することが好ましい。
また、成分B中のポリマー部の含有量は、40〜99質量%であることが好ましく、50〜99質量%であることがより好ましく、60〜99質量%であることが更に好ましい。成分B中のポリマー部の含有量が上記範囲内であると、彫刻感度が向上するので好ましい。
本発明において、成分Aと成分Bの主骨格の構造が類似していることが好ましい。すなわち、成分Bの有するポリマー部の主骨格の構造が、成分Aの主骨格の構造と類似していることが好ましい。成分Aと成分Bの主骨格の構造が類似していることにより、成分Aとの相溶性が向上し、その結果、成分Aと成分Bとのミクロ相分離に起因した膜強度(破断強度や破断伸び)の低下が抑制され、高い耐擦性が得られるので好ましい。
例えば、成分Aがエチレン性不飽和化合物の付加重合で得られたポリマーである場合、成分Bのポリマー部は同種のエチレン性不飽和化合物が数個以上連結した構造を有することが好ましい。また、例えば成分Aがポリエステルである場合、成分Bのポリマー部はエステル結合を分子構造中に複数有するポリエステル構造を有することが好ましく、成分Aと同種の繰り返し単位を有することがより好ましい。
特に、成分Aがメタクリル酸メチルに由来する単量体単位を50モル%以上含有する場合、成分Bのポリマー部はメタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位を有することが好ましい。また、成分Aがα−メチルスチレンに由来する単量体単位を50モル%以上含有する場合、成分Bのポリマー部はα−メチルスチレンに由来する繰り返し単位を有することが好ましい。更に、成分Aが重縮合成分として乳酸を50モル%以上有するポリエステル樹脂である場合、成分Bのポリマー部は乳酸に由来する繰り返し単位を有することが好ましい。
なお、成分Bが有する、成分Aと同種の繰り返し単位は、成分B全体の10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。同種の繰り返し単位が上記範囲内であると、彫刻感度に優れると共に、彫刻カスの発生が抑制され、かつ、彫刻カスのリンス性に優れるので好ましい。
すなわち、成分Aがポリ乳酸である場合、成分Bは乳酸に由来する繰り返し単位を有するポリエステルであることが好ましく、成分B全体の10質量%以上が乳酸に由来する繰り返し単位であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。
また、成分Aがメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸ブチル−b−メタクリル酸メチルブロック共重合体である場合、成分Bはメタクリル酸及び/又はアクリル酸ブチルに由来する繰り返し単位を有することが好ましく、成分Bの10質量%以上がメタクリル酸及び/又はアクリル酸ブチルに由来する繰り返し単位であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。
成分Bの好適な具体例としては、以下の(B−1)〜(B−3)が例示されるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2014162064
なお、(B−1)〜(B−3)において、n及びmは繰り返し単位のモル比を表し、n+m=100を満たし、n:m=50:50〜100:0であることが好ましい。
レーザー彫刻用樹脂組成物中に含まれる成分B−1の含有量は、固形分全量に対して1〜95質量%が好ましく、5〜90質量%がより好ましく、15〜75質量%が更に好ましく、30〜70質量%が特に好ましい。上記範囲であると、彫刻感度に優れると共に、彫刻カスの発生が抑制され、かつ、彫刻カスのリンス性に優れるので好ましい。
なお、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、成分B−1を成分Bの主成分として含有することが好ましく、後述する(成分B−2)その他の架橋剤を含有する場合、成分B−1の成分B全体に対する含有量は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。なお、上限は特に限定されないが、100質量%、すなわち、成分Bとして成分B−1のみを含有することが好ましい。他の架橋剤を含有する場合、成分B−1の含有量は、成分B全体の99質量%以下であることが好ましく、97質量%以下であることがより好ましく、95質量%以下であることが更に好ましい。
本発明において、レーザー彫刻用樹脂組成物中の成分A−1及び成分B−1の合計量の割合は、固形分全量に対して60〜100質量%であることが好ましく、80〜99質量%であることがより好ましい。成分A及び成分Bの含有量の合計が上記範囲内であると、特に彫刻カスの発生が抑制されるので好ましい。
(成分B−2)その他の架橋剤
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、成分B−1以外に、(成分B−2)その他の架橋剤を含有してもよい。その他の架橋剤とは、解重合性ではない(非解重合性の)架橋剤である。
その他の架橋剤としては、架橋が形成可能であれば、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。具体的には、エチレン性不飽和化合物、シラン化合物、ポリカルボン酸化合物、ポリカルボン酸ハライド化合物、ポリオール化合物、ポリアミン化合物、ポリイソシアネート化合物、酸無水物化合物、及び、ヒドロキシカルボン酸化合物が好ましく例示できる。
その他の架橋剤におけるシラン化合物としては、後述する加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物であることが好ましい。
また、その他の架橋剤におけるエチレン性不飽和化合物は、多官能エチレン性不飽和化合物であることが好ましい。
これらの中でも、その他の架橋剤は、エチレン性不飽和化合物、及び/又は、加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物であることが好ましく、エチレン性不飽和化合物、及び、加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物であることがより好ましく、(メタ)アクリレート誘導体、及び、加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物であることが更に好ましい。上記態様であると、水性インキ及び溶剤インキに対する膨潤抑制性及び耐刷性に優れたフレキソ印刷版を得ることができる。
その他の架橋剤に用いることができるエチレン性不飽和化合物、シラン化合物、ポリカルボン酸化合物、ポリカルボン酸ハライド化合物、ポリオール化合物、ポリアミン化合物、ポリイソシアネート化合物、酸無水物化合物、及び、ヒドロキシカルボン酸化合物としては、成分Aにおいて前述した逐次重合性モノマー及び連鎖重合性モノマーが挙げられる。
中でも、エチレン性不飽和化合物、及び、シラン化合物としては、以下に示す化合物を好ましく挙げることができる。
また、本発明に用いることができる重合性化合物は、分子量(又は重量平均分子量)が5,000未満であることが好ましい。
エチレン性不飽和化合物とは、エチレン性不飽和基を1個以上有する化合物である。エチレン性不飽和化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、エチレン性不飽和化合物に属する化合物群は当産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に制限なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又は、それらの共重合体、並びにそれらの混合物などの化学的形態をもつ。
上記エチレン性不飽和化合物としては、多官能エチレン性不飽和化合物が好ましく使用される。これらの多官能エチレン性不飽和化合物の分子量は、200〜2,000であることが好ましい。
多官能エチレン性不飽和化合物としては、末端エチレン性不飽和基を2個〜20個有する化合物が好ましい。
多官能エチレン性不飽和化合物におけるエチレン不飽和基が由来する化合物の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシ基や、アミノ基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナト基や、エポキシ基、等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能又は多官能のアルコール類、アミン類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、ビニル化合物、アリル化合物、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
上記の多官能エチレン性不飽和化合物に含まれるエチレン性不飽和基は、反応性の観点でアクリレート、メタクリレート、ビニル化合物、アリル化合物の各残基が好ましく、アクリレート、メタクリレートが特に好ましい。また、耐刷性の観点からは多官能モノマーはエチレン性不飽和基を3個以上有することがより好ましい。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等が挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等が挙げられる。中でも、トリメチロールプロパントリメタクリレートが特に好ましい。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号各公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
上記エステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(i)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R)COOCH2CH(R’)OH (i)
(ただし、R及びR’は、それぞれ、H又はCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号各公報に記載される、分子内にアミノ構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、短時間で硬化組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの中でも、多官能エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート誘導体を含むことが好ましく、アルキレンジオールジ(メタ)アクリレートを含むことがより好ましく、アルキレンジオールの炭素数が4〜12であるアルキレンジオールジ(メタ)アクリレートを含むことが更に好ましく、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートを含むことが特に好ましい。上記態様であると、水性インキ及び溶剤インキに対する膨潤抑制性及び耐刷性に優れたフレキソ印刷版を得ることができる。
また、その他の架橋剤としては、加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物を含むことが好ましく、エチレン性不飽和化合物と、加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物とを含むことがより好ましい。上記態様であると、彫刻カスのリンス性に優れ、水性インキ及び溶剤インキに対する膨潤抑制性及び耐刷性に優れたフレキソ印刷版を得ることができる。
加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物における「加水分解性シリル基」とは、加水分解性を有するシリル基のことであり、加水分解性基としては、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、イソプロペノキシ基等を挙げることができる。シリル基は加水分解してシラノール基となり、シラノール基は脱水縮合してシロキサン結合が生成する。このような加水分解性シリル基又はシラノール基は下記式(B−1)で表されるものが好ましい。
Figure 2014162064
上記式(B−1)中、Rh1〜Rh3の少なくともいずれか1つは、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、及び、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基、又は、ヒドロキシ基を表す。残りのRh1〜Rh3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は、1価の有機基(例えば、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基を挙げることができる。)を表す。
上記式(B−1)中、ケイ素原子に結合する加水分解性基としては、特にアルコキシ基、ハロゲン原子が好ましく、アルコキシ基がより好ましい。
アルコキシ基としては、リンス性及び耐刷性の観点から、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましい。より好ましくは炭素数1〜15のアルコキシ基、更に好ましくは炭素数1〜5、特に好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基、最も好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。
また、ハロゲン原子としては、F原子、Cl原子、Br原子、I原子が挙げられ、合成のしやすさ及び安定性の観点で、好ましくはCl原子及びBr原子であり、より好ましくはCl原子である。
加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物は、上記式(B−1)で表される基を1つ以上有する化合物であることが好ましく、2つ以上有する化合物であることがより好ましい。特に加水分解性シリル基を2つ以上有する化合物が好ましく用いられる。すなわち、分子内に加水分解性基が結合したケイ素原子を2つ以上有する化合物が好ましく用いられる。加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物中に含まれる加水分解性基が結合したケイ素原子の数は、1以上6以下が好ましく、1又は2が最も好ましい。
上記加水分解性基は1個のケイ素原子に1〜4個の範囲で結合することができ、式(B−1)中における加水分解性基の総個数は2又は3の範囲であることが好ましい。特に3つの加水分解性基がケイ素原子に結合していることが好ましい。加水分解性基がケイ素原子に2個以上結合するときは、それらは互いに同一であっても、異なっていてもよい。
好ましい上記アルコキシ基として、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基などを挙げることができる。これらの各アルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよいし、異なるアルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよい。
アルコキシ基の結合したアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基などのトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基などのジアルコキシモノアルキルシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基などのモノアルコキシジアルキルシリル基を挙げることができる。
加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物は、硫黄原子、エステル結合、ウレタン結合、エーテル結合、ウレア結合、又は、イミノ基を少なくとも有することが好ましい。
中でも、加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物は、架橋性の観点から、硫黄原子を含有することが好ましく、また、彫刻カスの除去性(リンス性)の観点から、アルカリ水で分解しやすいエステル結合、ウレタン結合、又は、エーテル結合(特にオキシアルキレン基に含まれるエーテル結合)を含有することが好ましい。硫黄原子を含有する加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物は、加硫処理時に、加硫剤や加硫促進剤として機能し、共役ジエン単量体単位を含有する重合体の反応(架橋)を促進する。その結果、印刷版として必要なゴム弾性を発現させる。また、熱硬化層及びレリーフ層の強度を向上させる。
また、本発明における加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物は、エチレン性不飽和結合を有していない化合物であることが好ましい。
加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物は、複数の上記式(B−1)で表される基が2価の連結基を介して結合している化合物が挙げられ、このような2価の連結基としては、効果の観点からスルフィド基(−S−)、イミノ基(−N(R)−)、ウレア基、又は、ウレタン結合(−OCON(R)−又は−N(R)COO−)を有する連結基が好ましい。なお、Rは水素原子又は置換基を表す。Rにおける置換基としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、又は、アラルキル基が例示できる。
加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物の合成方法としては、特に制限はなく、公知の方法により合成することができる。一例としては、特開2011−136429号公報の段落0019〜0021に記載の方法が挙げられる。
加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物としては、下記式(B−A−1)又は式(B−A−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2014162064
(式(B−A−1)及び式(B−A−2)中、RBはエステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、又は、イミノ基を表し、Lk1はnB価の連結基を表し、Lk2は2価の連結基を表し、Ls1はmB価の連結基を表し、Lk3は2価の連結基を表し、nB及びmBはそれぞれ独立に1以上の整数を表し、Rk1〜Rk3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は、1価の有機基を表す。ただし、Rk1〜Rk3の少なくともいずれか1つは、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、及び、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基、又は、ヒドロキシ基を表す。)
上記式(B−A−1)及び式(B−A−2)におけるRk1〜Rk3は、上記式(B−1)におけるRh1〜Rh3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記RBは、リンス性及び膜強度の観点から、エステル結合又はウレタン結合であることが好ましく、エステル結合であることがより好ましい。
上記Lk1〜Lk3における2価又はnB価の連結基は、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子から構成された基であることが好ましく、炭素原子、水素原子、酸素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子から構成された基であることがより好ましい。上記L1〜L3の炭素数は、2〜60であることが好ましく、2〜30であることがより好ましい。
上記Ls1におけるmB価の連結基は、硫黄原子と、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子とから構成された基であることが好ましく、アルキレン基、又は、アルキレン基、スルフィド基及びイミノ基を2以上組み合わせた基であることがより好ましい。上記Ls1の炭素数は、2〜60であることが好ましく、6〜30であることがより好ましい。
上記nB及びmBはそれぞれ独立に、1〜10の整数であることが好ましく、2〜10の整数であることがより好ましく、2〜6の整数であることが更に好ましく、2であることが特に好ましい。
k1のnB価の連結基及び/又はLk2の2価の連結基、又は、Lk3の2価の連結基は、彫刻カスの除去性(リンス性)の観点から、エーテル結合を有することが好ましく、オキシアルキレン基に含まれるエーテル結合を有することがより好ましい。
式(B−A−1)又は式(B−A−2)で表される化合物の中でも、架橋性等の観点から、式(B−A−1)において、Lk1のnB価の連結基及び/又はLk2の2価の連結基が硫黄原子を有する基であることが好ましい。
加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物としては、シリル基におけるケイ素原子上に少なくともアルコキシ基を有する化合物であることが好ましく、シリル基におけるケイ素原子上に少なくとも2つのアルコキシ基を有する化合物であることがより好ましく、シリル基におけるケイ素原子上に3つのアルコキシ基を有する化合物であることが更に好ましい。
また、加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物の具体例としては、特開2011−136429号公報の段落0025〜0037に記載の方法が挙げられる。
これらの中でも、加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物は、メルカプト基又はスルフィド結合を有する化合物であることが好ましく、スルフィド結合を有する化合物であることが特に好ましい。
また、加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物における加水分解性シリル基及びシラノール基の総数は、1〜6であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、2であることが特に好ましい。
(成分C)光熱変換剤
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、更に、(成分C)光熱変換剤を含有することが好ましい。すなわち、本発明における光熱変換剤は、レーザーの光を吸収し発熱することで、レーザー彫刻時の硬化物の熱分解を促進すると考えられる。このため、彫刻に用いるレーザー波長の光を吸収する光熱変換剤を選択することが好ましい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を用いて製造したレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版を、700〜1,300nmの赤外線を発するレーザー(YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー、面発光レーザー等)を光源としてレーザー彫刻に用いる場合に、光熱変換剤としては、700〜1,300nmに極大吸収波長を有する化合物を用いることが好ましい。
本発明における光熱変換剤としては、種々の染料又は顔料が用いられる。
光熱変換剤のうち、染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、700〜1,300nmに極大吸収波長を有するものが挙げられ、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、ジインモニウム化合物、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が好ましく挙げられる。本発明において好ましく用いられる染料としては、ヘプタメチンシアニン色素等のシアニン系色素、ペンタメチンオキソノール色素等のオキソノール系色素、フタロシアニン系色素及び特開2008−63554号公報の段落0124〜0137に記載の染料を挙げることができる。
本発明において使用される光熱変換剤のうち、顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。また、顔料としては、特開2009−178869号公報の段落0122〜0125に記載の顔料が例示できる。
これらの顔料のうち、好ましいものはカーボンブラックである。
カーボンブラックは、組成物中における分散性などが安定である限り、ASTMによる分類のほか、用途(例えば、カラー用、ゴム用、乾電池用など)の如何に拘らずいずれも使用可能である。カーボンブラックには、例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラックなどが含まれる。なお、カーボンブラックなどの黒色着色剤は、分散を容易にするため、必要に応じて分散剤を用い、予めニトロセルロースやバインダーなどに分散させたカラーチップやカラーペーストとして使用することができ、このようなチップやペーストは市販品として容易に入手できる。また、カーボンブラックとしては、特開2009−178869号公報の段落0130〜0134に記載されたものが例示できる。
光熱変換剤は、成分A及び/又は成分Bと共有結合可能な基を有することが好ましく、光熱変換剤の表面に成分A及び/又は成分Bと共有結合可能な基を有することが好ましい。光熱変換剤が上記の基を有すると、光熱変換剤が成分A同士、成分B同士、又は成分Aと成分Bとの一種の架橋点として振る舞うと考えられる。この場合、光熱変換剤が解重合のトリガー部位として機能することにより、より高い彫刻感度が得られると共に、彫刻カスの発生が更に抑制され、また、発生した彫刻カスもよりリンス性に優れるものと考えられる。
共有結合可能な基の組み合わせとしては、(イソシアナト基/ヒドロキシ基又はアミノ基)、(エチレン性不飽和結合/エチレン性不飽和結合)、(ヒドロキシ基/カルボキシ基)、(エポキシ基/水酸基)等が好ましく例示されるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これらの中でも、入手容易性の観点から、光熱変換剤は表面にヒドロキシ基(OH基)及び/又はカルボキシ基(COOH基)を有するものであることが好ましい。
本発明において、光熱変換剤が表面に有するヒドロキシ基、カルボキシ基又は両官能基の和は、0.001meq/g以上であることが好ましい。0.005〜10.0meq/gであることがより好ましく、0.010〜7.0meq/gであることがより好ましく、0.020〜5meq/gであることが更に好ましい。また、これらの官能基の含有量は、特開2012−196900号公報の段落0016〜0017に記載のBoehm滴定法により測定される。
光熱変換剤の成分A及び/又は成分Bと共有結合可能な基を導入する方法としては、特許第5057261号公報、特許第4692740号公報、特許第4826886号公報、特許第5093733号公報、特許第5057265号公報等が参照される。
表面に成分A及び/又は成分Bと共有可能な基を有する光熱変換剤としては、上市されている製品を使用してもよく、具体的には、アメリカン・ダイ・ソース社製の赤外線吸収剤であるシアニン色素(例えば、ADS820HO)等が例示される。
本発明の樹脂組成物における光熱変換剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
レーザー彫刻用樹脂組成物中おける光熱変換剤の含有量は、その分子固有の分子吸光係数の大きさにより大きく異なるが、上記樹脂組成物の固形分全質量の0.01〜30質量%の範囲が好ましく、0.05〜20質量%がより好ましく、0.1〜10質量%が特に好ましい。
また、光熱変換剤が、成分A及び/又は成分Bと共有結合可能な基を有する場合、レーザー彫刻用樹脂組成物中における光熱変換剤の含有量は、樹脂組成物の固形分全質量の30質量%以下であることが好ましく、0.1〜25質量%であることがより好ましく、0.5〜20質量%であることが更に好ましく、1.0〜10質量%であることが特に好ましい。
光熱変換剤が成分A及び/又は成分Bと共有結合可能な基を有する場合、光熱変換剤が光を熱として変換する部位、及び、解重合を引き起こす架橋点として振る舞い、従来よりも少量の光熱変換剤の添加で、十分に彫刻可能である。
(成分D)架橋触媒
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分D)架橋触媒を含有することが好ましい。成分Dを含有することにより、成分Bによる架橋の形成が促進されるので好ましい。なお、本発明において、架橋触媒とは、架橋剤による架橋の形成が促進される化合物であれば特に限定されず、反応の前後で自身は変化しない、所謂触媒のみならず、重合開始剤のように反応の前後でその化学構造が変化するものであってもよい。
架橋剤として、エチレン性不飽和化合物を使用する場合には成分Dは重合開始剤を含むことが好ましい。重合開始剤としてはラジカル重合開始剤が好ましい。また、光重合開始剤及び熱重合開始剤のいずれでもよいが、熱重合開始剤であることが好ましい。
また、架橋剤としてヒドロキシ基及びカルボキシ基を有する化合物を使用する場合には、成分Dは重縮合触媒を含むことが好ましい。
更に、架橋剤として、シラン化合物、特に加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物を含有する場合、成分Dはシランカップリング触媒を含むことが好ましい。
<重合開始剤>
本発明において、好ましいラジカル重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、(l)アゾ系化合物等が挙げられる。以下に、上記(a)〜(l)の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明においては、彫刻感度と、フレキソ印刷版原版のレリーフ形成層に適用した際にはレリーフエッジ形状を良好とするといった観点から、(c)有機過酸化物及び(l)アゾ系化合物がより好ましく、(c)有機過酸化物が特に好ましい。
上記(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、及び(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物としては、特開2008−63554号公報の段落0074〜0118に挙げられている化合物を好ましく用いることができる。
また、(c)有機過酸化物及び(l)アゾ系化合物としては、以下に示す化合物が好ましい。
(c)有機過酸化物
本発明に用いることができる重合開始剤として好ましい(c)有機過酸化物としては、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系が好ましい。
(l)アゾ系化合物
本発明に用いることができる重合開始剤として好ましい(l)アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロピオニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等を挙げることができる。
なお、本発明においては、上記(c)有機過酸化物が本発明における重合開始剤として、膜(レリーフ形成層)の架橋性及び彫刻感度向上の観点で特に好ましい。
彫刻感度の観点からは、この(c)有機過酸化物と、エチレン性不飽和結合を有する架橋剤及び光熱変換剤とを組み合わせた態様が特に好ましい。
これは、有機過酸化物を用いてレリーフ形成層を熱架橋により硬化させる際、ラジカル発生に関与しない未反応の有機過酸化物が残存するが、残存した有機過酸化物は、自己反応性の添加剤として働き、レーザー彫刻時に発熱的に分解する。その結果、照射されたレーザーエネルギーに発熱分が加算されるので彫刻感度が高くなったと推定される。
なお、光熱変換剤の説明において詳述するが、この効果は、光熱変換剤としてカーボンブラックを用いる場合に著しい。これは、カーボンブラックから発生した熱が(c)有機過酸化物にも伝達される結果、カーボンブラックだけでなく有機過酸化物からも発熱するため、成分A等の分解に使用されるべき熱エネルギーの発生が相乗的に生じるためと考えている。
<重縮合触媒>
本発明のレーザー彫刻樹脂組成物が架橋剤としてヒドロキシ基及びカルボキシ基を有する化合物を含有する場合、エステル化反応及び/又はエステル交換を促進するために、重縮合触媒を含有することが好ましい。
重縮合触媒は、一般的に用いられるものであれば特に限定なく適用できる。
重縮合触媒としては、通常のエステル化反応及びエステル交換反応において使用される、ジブチル錫オキサイド、モノブチル錫−2−エチルヘキサノエート、ジブチル錫ジラウレート、酢酸錫、酢酸亜鉛、酢酸鉛、ナフテン酸鉛、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム、水酸化リチウム等が挙げられる。これらの重縮合触媒は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
<シランカップリング触媒>
本発明に用いることができるレーザー彫刻用組成物にその他の架橋剤としてシラン化合物を使用する場合、シラン化合物の重合反応を促進するため、シランカップリング触媒を含有することが好ましい。
シランカップリング触媒は、一般に用いられる反応触媒であれば、限定なく適用できる。また、シランカップリング触媒は、重縮合触媒として使用してもよい。
以下、代表的なシランカップリング触媒である酸あるいは塩基性触媒、及び、金属錯体触媒について順次説明する。
−酸あるいは塩基性触媒−
シランカップリング触媒としては、酸あるいは塩基性化合物をそのまま用いるか、あるいは水又は有機溶媒などの溶媒に溶解させた状態のもの(以下、それぞれ酸性触媒、塩基性触媒と称する。)を用いることが好ましい。溶媒に溶解させる際の濃度については特に限定はなく、用いる酸、あるいは塩基性化合物の特性、触媒の所望の含有量などに応じて適宜選択すればよい。
酸性触媒あるいは塩基性触媒の種類は特に限定されないが、具体的には、酸性触媒としては、塩酸などのハロゲン化水素、硝酸、硫酸、亜硫酸、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、蟻酸や酢酸などのカルボン酸、そのRCOOHで表される構造式のRを他元素又は置換基によって置換した置換カルボン酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸、リン酸などが挙げられ、塩基性触媒としては、アンモニア水などのアンモニア性塩基、エチルアミンやアニリンなどのアミン類などが挙げられる。層中でのシラン化合物の縮合反応を速やかに進行させる観点で、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウムp−トルエンスルホネート、リン酸、ホスホン酸、酢酸、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、ヘキサメチレンテトラミンが好ましく、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ヘキサメチレンテトラミンがより好ましく、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、リン酸が特に好ましい。
−金属錯体触媒−
本発明においてシランカップリング触媒として用いられる金属錯体触媒は、好ましくは、周期律表の2、4、5及び13族よりなる群から選ばれる金属元素とβ−ジケトン(アセチルアセトンなどが好ましい。)、ケトエステル、ヒドロキシカルボン酸又はそのエステル、アミノアルコール、及び、エノール性活性水素化合物よりなる群から選ばれるオキソ又はヒドロキシ酸素化合物から構成されるものである。
更に、構成金属元素の中では、Mg、Ca、St、Baなどの2族元素、Ti、Zrなどの4族元素、並びに、V、Nb及びTaなどの5族元素、Al、Gaなどの13族元素が好ましく、それぞれ触媒効果の優れた錯体を形成する。その中でも、Zr、Al又はTiから得られる錯体が好ましく、オルトチタン酸テトライソプロピルが特に好ましい。
これらは水系塗布液での安定性、及び、加熱乾燥時のゾルゲル反応でのゲル化促進効果に優れているが、中でも、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、ジ(アセチルアセトナト)チタニウム錯塩、ジルコニウムトリス(エチルアセトアセテート)が特に好ましい。
本発明の樹脂組成物における成分Dは、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物中に含まれる成分Dの含有量は、全固形分量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.3〜10質量%がより好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。成分Dの含有量が上記範囲内であると、リンス性及びインキ転移性に優れるので好ましい。
(成分E)解重合触媒及び/又は解重合触媒前駆体
本発明において、解重合触媒及び/又は解重合触媒前駆体を含有してもよい。具体的には、酸を発生する化合物(酸発生剤)、塩基を発生する化合物(塩基発生剤)、ラジカルを発生する化合物(ラジカル発生剤)、金属化合物に分類することができる。成分A又は成分Bが付加重合体である場合には、酸発生剤、塩基発生剤、又は、ラジカル発生剤を含有することが好ましく、ポリエステル等の重縮合樹脂である場合には、金属化合物を含有することが好ましい。なお、成分A又は成分Bがポリエステル等の重縮合樹脂である場合、重縮合触媒として用いた金属化合物が、解重合触媒としても機能する。
<酸を発生する化合物>
本発明において用いられる上記酸発生剤は、光又は熱により酸を発生する化合物であり、たとえば特開平10−282644号公報の〔0039〕〜〔0063〕に記載されている化合物などを挙げることができる。
具体的には、S. I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng., 18, 387 (1974)、T. S. Bal et al, Polymer, 21, 423 (1980) 等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、同4,069,056号明細書、特開平3−140,140号公報等に記載のアンモニウム塩、D. C. Necker et al,Macromolecules, 17, 2468 (1984)、C. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988) 、米国特許第4,069,055号明細書、同4,069,056号明細書等に記載のホスホニウム塩、J. V. Crivello et al, Macromolecules, 10 (6), 1307 (1977) 、Chem. & Eng. News,Nov. 28, p31 (1988) 、欧州特許第104,143号明細書、米国特許第339,049号明細書、同第410,201号明細書、特開平2−150,848号、特開平2−296,514号等に記載の ヨードニウム塩、J. V. Crivello et al, Polymer J. 17, 73 (1985) 、J. V. Crivello et al. J. Org. Chem., 43, 3055 (1978)、W. R. Watt et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 22, 1789 (1984)、J. V. Crivello et al, Polymer Bull., 14, 279 (1985)、J. V. Crivello et al, Macromolecules, 14 (5), 1141 (1981)、J. V. Crivello et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 2877 (1979)、欧州特許第370,693号明細書、米国特許3,902,114号明細書、欧州特許第233,567号明細書、同297,443号明細書、同297,442号明細書、米国特許第4, 933,377号明細書、同410,201号明細書、同339,049号明細書、同4,760,013号明細書、同4,734,444号明細書、同2,833,827号明細書、獨国特許第2, 904,626号明細書、同3,604,580号明細書、同3,604,581号明細書等に記載のスルホニウム塩、J. V. Crivello et al, Macromolecules, 10 (6), 1307 (1977) 、J. V. Crivello et al, J. Polymer Sci.,Polymer Chem. Ed., 17, 1047 (1979)等に記載のセレノニウム塩、C. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988) 等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特 開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報等に記載の有機ハロゲン化合物、K. Meier et al, J. Rad. Curing, 13 (4), 26 (1986)、T. P. Gill et al, Inorg. Chem., 19, 3007 (1980) 、D. Astruc, Acc. Chem. Res., 19 (12), 377 (1896) 、特開平2−161445号公報等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S. Hayase et al, J. Polymer Sci., 25, 753 (1987)、 E. Reichmanis et al, J. Pholymer Sci., Polymer Chem. Ed., 23, 1 (1985)、 Q. Q. Zhu et al, J. Photochem., 36, 85, 39, 317 (1987)、 B. Amit et al, Tetrahedron Lett., (24) 2205 (1973)、 D. H. R. Barton et al, J. Chem Soc.,3571 (1965)、 P. M. Collins et al, J. Chem. Soc., Perkin I, 1695 (1975)、 M. Rudinstein et al, Tetrahedron Lett., (17), 1445 (1975)、 J. W. Walker et al, J. Am. Chem. Soc., 110, 7170 (1988)、 S. C. Busman et al, J. Imaging Technol., 11 (4), 191 (1985)、 H. M. Houlihan et al, Macromolecules, 21, 2001 (1988)、 P. M. Collins et al, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 532 (1972)、 S. Hayase et al, Macromolecules, 18, 1799 (1985)、 E. Reichmanis et al, J. Electrochem. Soc., Solid StateSci. Technol., 130 (6)、 F. M. Houlihan et al, Macromolecules, 21, 2001 (1988)、 欧州特許第0290,750号明細書、同046,083号明細書、同156,535号明細書、同271,851号明細書、同0,388,343号明細書、米国特許第3,901,710 号明細書、同4,181,531号明細書、特開昭60−198538号公報、特開昭53−133022号公報等に記載のo−ニトロベンジル型保護基を有する酸発生剤、 M. TUNOOKA et al, Polymer Preprints Japan, 35 (8)、 G. Berneret al, J. Rad. Curing, 13 (4)、 W. J. Mijs et al, Coating Technol., 55 (697), 45 (1983), Akzo、 H. Adachi et al, Polymer Preprints, Japan, 37 (3)、欧州特許第0199,672号明細書、同84515号明細書、同199,672号明細書、同044,115号明細書、同0101,122号明細書、米国特許第4,618,564号明細書、同4, 371,605号明細書、同4,431,774号明細書、特開昭64−18143号公報、特開平2−245756号公報、特開平4−365048号公報等に記載のイミノスルフォネート等に代表される分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号公報等に記載のジスルホン化合物、特開昭50−36209号公報(米国特許第3969118号明細書)記載のo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハライド、特開昭55−62444号公報(英国特許第2038801号明細書)記載あるいは特公平1−11935号公報記載のo−ナフトキノンジアジド化合物を挙げることができる。
上記酸発生剤の中で、特に有効に用いられるものについて以下に例示する。
(1)下記の式(PAG3)で表されるヨードニウム塩、又は式(PAG4)で表されるスルホニウム塩、もしくはジアゾニウム塩。
Figure 2014162064
式中、Ar1、Ar2は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。好ましい置換基としては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、メルカプト基及びハロゲン原子が挙げられる。
3、R4、R5は各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。好ましくは炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8のアルキル基及びそれらの置換誘導体である。好ましい置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ニトロ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基及びハロゲン原子であり、アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基である。またR3、R4、R5のうちの2つ及びAr1、Ar2はそれぞれの単結合又は置換基を介して結合してもよい。
-は対アニオンを示し、例えばBF4 -、AsF6 -、PF6 -、SbF6 -、SiF6 2-、ClO4 -、CF3SO3 -,C49SO3 -等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等の結合多核芳香族スルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014162064
Figure 2014162064
式(PAG3)、(PAG4)で示される上記オニウム塩は公知であり、たとえばJ. W. Knapczyk et al, J. Am. Chem. Soc., 91, 145(1969) 、A. L. Maycok et al, J. Org. Chem., 35, 2532, (1970)、B. Goethas et al, Bull. Soc.Chem. Belg., 73, 546, (1964) 、H. M. Leicester, J. Am. Chem. Soc., 51,3587(1929) 、J. V. Crivello et al, J. Polym. Chem. Ed., 18, 2677(1980)、米国特許第2,807,648号及び同4,247,473号明細書、特開昭53−101331号公報等に記載の方法により合成することができる。
上記酸発生剤の使用量は、組成物中の全固形分に対して好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは1〜40質量%である。上記範囲内において、感度及び安定性が良好となる。
<塩基を発生する化合物>
本発明に用いられる塩基発生剤としては、特開平2−166450号公報の第6頁上段左2行目〜同頁上段右15行目に記載されているような化合物、具体的には、加熱により脱炭酸する有機酸と塩基との塩、分子内求核置換反応、ロッセン転移、ベックマン転移などの反応によってアミン類を放出する化合物など、加熱により何らかの反応を起こして塩基を放出するものが好ましく用いられる。
具体的には、塩基の酸塩が挙げられ、塩基としては、例えば、グアニジン、トリフェニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジン、ピペリジン、モルホリン、p−トルイジン、2−ピコリンなどが挙げられ、酸としては、例えば、酢酸、トリクロロ酢酸、フェニルスルホニル酢酸、4−メチルスルフォニルフェニルスルホニル酢酸、4−アセチルアミノメチルプロピオン酸、蓚酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、炭酸、重炭酸などが挙げられる。
これらの塩基発生剤は、後述のパターン形成材料における層中に、粒子状物として分散して導入してもよく、また後述するマイクロカプセルの中に内包された状態で導入してもよい。
具体例としては、以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014162064
Figure 2014162064
また、塩基発生剤の添加量は、組成物中の全固形分に対して好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは1〜40質量%である。上記範囲内において、感度及び安定性が良好となる。
<ラジカルを発生する化合物>
本発明に用いられるラジカル発生剤としては、公知の重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物から適宜、選択して用いることができる。ラジカルを発生する化合物を2種類以上併用してもよい。
ラジカルを発生する化合物は、特開2004−306582号公報に記載がある。ラジカルを発生する化合物の例は、ハロゲン化有機化合物、カルボニル化合物、有機過酸化物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オキシム塩化合物を含む。ヘキサアリールビイミダゾール化合物、オニウム塩が最も好ましい。
また、ラジカル発生剤の添加量は、組成物中の全固形分に対して好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは1〜40質量%である。上記範囲内において、感度及び安定性が良好となる。
<金属化合物>
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、解重合触媒又は解重合触媒前駆体として金属化合物を含有してもよく、周期表第1族〜第15族からなる群より選択される金属を含む金属化合物を含有することが好ましい。
ここで、本発明における「金属」とは、元素周期律表において金属に分類されるものを指す。具体的には、D. F. Shriver, P. W. Atkins, Inorganic Chemistry 3rd Ed., OXFORD University Press, 1999, P.283-に記載の周期律表において金属に分類されているものであり、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属、マグネシウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属、チタン、バナジウム、モリブデン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛などの遷移金属、及びアルミニウム、ガリウム、スズ、鉛、ビスマスなどの典型金属が挙げられる。
本発明における金属化合物は、周期表第1族〜第15族からなる群より選択される金属を含む化合物であれば、如何なるものをも用いることができるが、金属の単体や合金などは含まれない。金属化合物としては、具体的には、金属塩、金属錯体が好ましく用いられる。
以下、本発明に好適に用いられる金属化合物について、具体的に説明する。
本発明における金属化合物は、彫刻感度の観点から、周期表第1族、第2族、第4族、第12族、第13族、第14族、及び第15族からなる群より選択される少なくとも1つの金属を含むことが好ましい。
特に、彫刻感度と彫刻カスのリンス性の観点から、Na、K、Ca、Mg、Ti、Zr、Al、Zn、Sn、及びBiからなる群より選択される少なくとも1つの金属を含む金属化合物であることが好ましい。
また、本発明における金属化合物のアニオン部には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱安定性の観点から、酸化物、硫化物、ハロゲン化物、炭酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、アルコキシド、水酸化物、及び置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
特に、ハロゲン化物、カルボン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、及び置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体からなる群より選択される少なくとも1種である金属化合物が好ましい。
より具体的には、本発明における金属化合物は、周期表第1族、第2族、第4族、第12族、第13族、第14族、及び第15族からなる群より選択される少なくとも1つの金属を含み、金属の、酸化物、硫化物、ハロゲン化物、炭酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、アルコキシド、水酸化物、又は置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体であることが好ましい。
特に、Na、K、Ca、Mg、Ti、Zr、Al、Zn、Sn、及びBiからなる群より選択される少なくとも1つの金属を含み、金属の、酸化物、硫化物、ハロゲン化物、炭酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、アルコキシド、水酸化物、又は置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体である金属化合物が好ましい。
一方、周期表第1族、第2族、第4族、第12族、第13族、第14族、及び第15族からなる群より選択される少なくとも1つの金属を含み、金属の、ハロゲン化物、カルボン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、又は、置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体である金属化合物も好ましい。
これらの中でも、Na、K、Ca、Mg、Ti、Zr、Al、Zn、Sn、及びBiからなる群より選択される少なくとも1つの金属を含み、金属の、ハロゲン化物、カルボン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、又は置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体である金属化合物が特に好ましい。
次に、本発明における金属化合物について、金属とアニオン部との好ましい組み合わせの例を以下に示す。
Na:アルコキシド、カルボン酸塩、又は置換基を有していてもよいアセチルアセトナート基
K:アルコキシド、カルボン酸塩、又は置換基を有していてもよいアセチルアセトナート基
Ca:酸化物、ハロゲン化物、カルボン酸塩、硝酸塩、又は置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体
Mg:酸化物、ハロゲン化物、カルボン酸塩、硝酸塩、又は置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体
Ti:アルコキシド、又は置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体
Zr:アルコキシド、又は置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体
Al:塩化物、アルコキシド、水酸化物、カルボン酸塩、又は置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体
Zn:酸化物、ハロゲン化物、カルボン酸塩、又は置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体
Sn:ハロゲン化物、カルボン酸塩、又は置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体
Bi:ハロゲン化物、カルボン酸塩、又は置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体
本発明における金属化合物としてより具体的には、例えば、ナトリウムメトキシド、酢酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、(2,4−ペンタンジオナト)ナトリウム、カリウムブトキシド、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、(2,4−ペンタンジオナト)カリウム、フッ化カルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、酸化カルシウム、硫化カルシウム、酢酸カルシウム、2−エチルヘキサン酸カルシウム、リン酸カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、カルシウムエトキシド、ビス(2,4−ペンタンジオナト)カルシウム,フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫化マグネシウム、酢酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、マグネシウムエトキシド、ビス(2,4−ペンタンジオナト)マグネシウム、チタンエトキシド、ビス(2,4−ペンタンジオナト)チタンオキシド、ジルコニウムエトキシド、テトラキス(2,4−ペンタンジオナト)ジルコニウム、塩化バナジウム、酸化マンガン、ビス(2,4−ペンタンジオナト)マンガン、塩化鉄、トリス(2,4−ペンタンジオナト)鉄、臭化鉄、塩化ルテニウム、塩化コバルト、塩化ロジウム、塩化イリジウム、塩化ニッケル、ビス(2,4−ペンタンジオナト)ニッケル、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ビス(2,4−ペンタンジオナト)パラジウム、塩化白金、塩化銅、酸化銅、硫酸銅、ビス(2,4−ペンタンジオナト)銅、塩化銀、アルミニウムイソプロポキシド、ビス(酢酸)ヒドロキシアルミニウム、ビス(2−エチルヘキサン酸)ヒドロキシアルミニウム、ステアリン酸ジヒドロキシアルミニウム、ビスステアリン酸ヒドロキシアルミニウム、トリスステアリン酸アルミニウムトリス(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、ビス(2,4−ペンタンジオナト)亜鉛、2−エチルへキサン亜鉛、塩化スズ、2−エチルヘキサン酸スズ、ビス(2,4−ペンタンジオナト)スズジクロリド、塩化鉛、2−エチルヘキサン酸ビスマス、硝酸ビスマス、などが挙げられる。
上述のような金属化合物は、バインダーポリマーの種類に応じて、彫刻感度向上に関して効果的な化合物種が異なる。以下に、バインダーポリマーの種類と、好ましい金属化合物と、の組み合わせを示す。
ビニル系ポリマーに対しては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、スズ、又はビスマスを含む金属化合物が好ましく、中でも、それらの金属の酸化物、ハロゲン化物、カルボン酸塩、硝酸塩、水酸化物、又は置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体がより好ましく、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、酸化カルシウム、塩化カルシウム、ビス(2,4−ペンタンジオナト)カルシウム、ビス(2,4−ペンタンジオナト)マグネシウム、ビス(2−エチルヘキサン酸)ヒドロキシアルミニウム、酸化亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、2−エチルへキサン亜鉛、塩化スズ、又は2−エチルヘキサン酸スズが特に好ましい。
本発明の樹脂組成物における金属化合物の含有量は、彫刻感度と皮膜製の両立の観点から、好ましくは成分Aに対して0.01質量%〜50質量%であり、より好ましくは0.1質量%〜40質量%であり、特に好ましくは0.1質量%〜20質量%である。
また、本発明の樹脂組成物において、金属化合物の含有量は、彫刻感度と皮膜製の両立の観点から、好ましくは全樹脂組成物に対して0.01質量%〜30質量%であり、より好ましくは0.1質量%〜20質量%であり、特に好ましくは1質量%〜10質量%である。
以下、成分A〜成分E以外に、本発明の樹脂組成物が含有しうる各種成分について説明する。
<可塑剤>
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤は、レーザー彫刻用樹脂組成物により形成された膜を柔軟化する作用を有するものであり、バインダーポリマーに対して相溶性のよいものである必要がある。
可塑剤としては、例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、アジピン酸ビスブトキシエチル等や、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール(モノオール型やジオール型)、ポリプロピレングリコール(モノオール型やジオール型)等が好ましく用いられる。
これらの中でも、アジピン酸ビスブトキシエチルが特に好ましい。
本発明の樹脂組成物における可塑剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<溶媒>
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を調製する際に、溶媒を用いることが好ましい。
溶媒としては、有機溶媒を用いることが好ましい。
非プロトン性有機溶媒の好ましい具体例は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドが挙げられる。
プロトン性有機溶媒の好ましい具体例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオールが挙げられる。
これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましく例示できる。
<その他の添加剤>
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物には、公知の各種添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。例えば、充填剤、ワックス、プロセス油、金属酸化物、オゾン分解防止剤、老化防止剤、重合禁止剤、着色剤等が挙げられ、これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
充填剤としては、無機粒子が挙げられ、シリカ粒子が好ましく挙げられる。
無機粒子は、数平均粒子径が0.01μm以上10μm以下であることが好ましい。また、無機粒子は、多孔質粒子、又は、無孔質粒子であることが好ましい。
上記多孔質粒子とは、粒子中に細孔容積が0.1ml/g以上の微小細孔を有する粒子、あるいは微小な空隙を有する粒子と定義する。
上記多孔質粒子は、比表面積が10m2/g以上1,500m2/g以下、平均細孔径が1nm以上1,000nm以下、細孔容積が0.1ml/g以上10ml/g以下、吸油量が10ml/100g以上2,000ml/100g以下であることが好ましい。比表面積は−196℃における窒素の吸着等温線からBET式に基づいて求められる。また、細孔容積及び平均細孔径の測定には、窒素吸着法を用いることが好ましい。吸油量の測定は、JIS−K5101により好適に行うことができる。
多孔質粒子の数平均粒子径は、0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上8μm以下であることがより好ましく、1μm以上5μm以下であることが更に好ましい。
多孔質粒子の形状は、特に限定するものではなく、球状、扁平状、針状、無定形、あるいは表面に突起のある粒子などを使用することができる。
また、粒子の内部が空洞になっている粒子やシリカスポンジ等の均一な細孔径を有する球状顆粒体などを使用することも可能である。特に限定するものではないが、例えば、多孔質シリカ、メソポーラスシリカ、シリカ−ジルコニア多孔質ゲル、ポーラスアルミナ、多孔質ガラス等を挙げることができる。また、層状粘土化合物のように、層間に数nmから数百nmの空隙が存在するものについては、細孔径を定義できないため、本実施形態においては層間に存在する空隙の間隔を細孔径と定義する。
更に多孔質粒子の表面をシランカップリンング剤、チタンカップリング剤、その他の有機化合物で被覆し表面改質処理を行い、より親水性化あるいは疎水性化した粒子を用いることもできる。これらの多孔質粒子は、1種又は2種以上のものを選択できる。
上記無孔質粒子とは、細孔容積が0.1ml/g未満の粒子と定義する。無孔質粒子の数平均粒子径は、1次粒子を対象とする数平均粒子径であり、10nm以上500nm以下が好ましく、10nm以上100nm以下がより好ましい。
充填剤の添加量は特に制限されないが、成分A100質量部に対して、1〜100質量部が好ましい。
(レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版)
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の第1の実施態様は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を有する。
また、本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の第2の実施態様は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を架橋した架橋レリーフ形成層を有する。
本発明において「レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版」とは、レーザー彫刻用樹脂組成物からなる架橋性を有するレリーフ形成層が、架橋される前の状態、並びに、光及び/もしくは熱により硬化された状態の両方又はいずれか一方のものをいう。
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版は、熱架橋した架橋レリーフ形成層を有するものであることが好ましい。
本発明において「レリーフ形成層」とは、架橋される前の状態の層をいい、すなわち、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなる層であり、必要に応じ、乾燥が行われていてもよい。
本発明において「架橋レリーフ形成層」とは、上記レリーフ形成層を架橋した層をいう。上記架橋は、光及び/又は熱により行われることが好ましい。また、上記架橋は樹脂組成物が硬化される反応であれば特に限定されず、成分B同士の反応による架橋構造を含む概念であるが、成分Bが成分A等の他の成分と反応して架橋構造を形成していてもよい。 架橋レリーフ形成層を有する印刷版原版をレーザー彫刻することにより「フレキソ印刷版」が作製される。
また、本発明において「レリーフ層」とは、フレキソ印刷版におけるレーザーにより彫刻された層、すなわち、レーザー彫刻後の上記架橋レリーフ形成層をいう。
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版は、上記のような成分を含有するレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を有する。レリーフ形成層は、支持体上に設けられることが好ましい。
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版は、必要により更に、支持体とレリーフ形成層との間に接着層を、また、レリーフ形成層上にスリップコート層、保護フィルムを有していてもよい。
<レリーフ形成層>
レリーフ形成層は、上記本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなる層であり、架橋性の層である。
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版によるフレキソ印刷版の作製態様としては、レリーフ形成層を架橋させて架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版とした後、架橋レリーフ形成層(硬質のレリーフ形成層)をレーザー彫刻することによりレリーフ層を形成してフレキソ印刷版を作製する態様であることが好ましい。レリーフ形成層を架橋することにより、印刷時におけるレリーフ層の摩耗を防ぐことができ、また、レーザー彫刻後にシャープな形状のレリーフ層を有するフレキソ印刷版を得ることができる。
レリーフ形成層は、レリーフ形成層用の上記の如き成分を有するレーザー彫刻用樹脂組成物を、シート状又はスリーブ状に成形することで形成することができる。レリーフ形成層は、通常、後述する支持体上に設けられるが、製版、印刷用の装置に備えられたシリンダーなどの部材表面に直接形成したり、そこに配置して固定化したりすることもでき、必ずしも支持体を必要としない。
以下、主としてレリーフ形成層をシート状にした場合を例に挙げて説明する。
<支持体>
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の支持体に使用する素材は特に限定されないが、寸法安定性の高いものが好ましく使用され、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属、ポリエステル(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PAN(ポリアクリロニトリル))やポリ塩化ビニルなどのプラスチック樹脂、スチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ガラスファイバーで補強されたプラスチック樹脂(エポキシ樹脂やフェノール樹脂など)が挙げられる。支持体としては、PETフィルムやスチール基板が好ましく用いられる。支持体の形態は、レリーフ形成層がシート状であるかスリーブ状であるかによって決定される。
<接着層>
レリーフ形成層を支持体上に形成する場合、両者の間には、層間の接着力を強化する目的で接着層を設けてもよい。
接着層に用いることができる材料(接着剤)としては、例えば、I.Skeist編、「Handbook of Adhesives」、第2版(1977)に記載のものを用いることができる。
<保護フィルム、スリップコート層>
レリーフ形成層表面又は架橋レリーフ形成層表面への傷や凹み防止の目的で、レリーフ形成層表面又は架橋レリーフ形成層表面に保護フィルムを設けてもよい。保護フィルムの厚さは、25〜500μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。保護フィルムは、例えば、PETのようなポリエステル系フィルム、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)のようなポリオレフィン系フィルムを用いることができる。またフィルムの表面はマット化されていてもよい。保護フィルムは、剥離可能であることが好ましい。
保護フィルムが剥離不可能な場合や、逆にレリーフ形成層に接着しにくい場合には、両層間にスリップコート層を設けてもよい。スリップコート層に使用される材料は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、部分鹸化ポリビニルアルコール、ヒドロシキアルキルセルロース、アルキルセルロース、ポリアミド樹脂など、水に溶解又は分散可能で、粘着性の少ない樹脂を主成分とすることが好ましい。
(レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法)
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版におけるレリーフ形成層の形成は、特に限定されるものではないが、例えば、レーザー彫刻用樹脂組成物の塗布液を調製し、必要に応じて、このレーザー彫刻用塗布液組成物から溶剤を除去した後に、支持体上に溶融押し出しする方法が挙げられる。あるいは、レーザー彫刻用樹脂組成物を、支持体上に流延し、これをオーブン中で乾燥して樹脂組成物から溶剤を除去する方法でもよい。
中でも、本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程、並びに、上記レリーフ形成層を光及び/又は熱により架橋し、架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程、を含む製造方法であることが好ましく、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程、並びに、上記レリーフ形成層を熱架橋し、架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程、を含む製造方法であることがより好ましい。
その後、必要に応じてレリーフ形成層の上に保護フィルムをラミネートしてもよい。ラミネートは、加熱したカレンダーロールなどで保護フィルムとレリーフ形成層を圧着することや、表面に少量の溶媒を含浸させたレリーフ形成層に保護フィルムを密着させることによって行うことができる。
保護フィルムを用いる場合には、先ず保護フィルム上にレリーフ形成層を積層し、次いで支持体をラミネートする方法を採ってもよい。
接着層を設ける場合は、接着層を塗布した支持体を用いることで対応できる。スリップコート層を設ける場合は、スリップコート層を塗布した保護フィルムを用いることで対応できる。
<層形成工程>
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程を含むことが好ましい。
レリーフ形成層の形成方法としては、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を調製し、必要に応じて、このレーザー彫刻用樹脂組成物から溶剤を除去した後に、支持体上に溶融押し出しする方法や、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を支持体上に流延し、これをオーブン中で乾燥して溶剤を除去する方法が好ましく例示できる。
レーザー彫刻用樹脂組成物は、例えば、成分A〜成分C、並びに、任意成分を適当な溶媒に溶解又は分散させることによって製造することが好ましい。
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版におけるレリーフ形成層の厚さは、架橋の前後において、0.05mm以上10mm以下が好ましく、0.05mm以上7mm以下がより好ましく、0.05mm以上3mm以下が更に好ましい。
<架橋工程>
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法は、上記レリーフ形成層を光及び/又は熱により架橋し、架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程を含む製造方法であることが好ましい。
レリーフ形成層が光重合開始剤を含有する場合には、光重合開始剤のトリガーとなる活性光線をレリーフ形成層に照射することで、レリーフ形成層を架橋することができる。
光は、レリーフ形成層全面に行うことが好ましい。光(「活性光線」ともいう。)としては可視光、紫外光、及び電子線が挙げられるが、紫外光が最も好ましい。レリーフ形成層の支持体等、レリーフ形成層を固定化するための基材側を裏面とすれば、表面に光を照射するだけでもよいが、支持体が活性光線を透過する透明なフィルムであれば、更に裏面からも光を照射することが好ましい。表面からの照射は、保護フィルムが存在する場合、これを設けたまま行ってもよいし、保護フィルムを剥離した後に行ってもよい。酸素の存在下では重合阻害が生じる恐れがあるので、レリーフ形成層に塩化ビニルシートを被せて真空引きした上で、活性光線の照射を行ってもよい。
レリーフ形成層が熱重合開始剤を含有する場合には(上記の光重合開始剤が熱重合開始剤にもなり得る。)、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版を加熱することで、レリーフ形成層を架橋することができる(熱により架橋する工程)。加熱手段としては、印刷版原版を熱風オーブンや遠赤外オーブン内で所定時間加熱する方法や、加熱したロールに所定時間接する方法が挙げられる。
レリーフ形成層の架橋方法としては、レリーフ形成層を表面から内部まで均一に硬化(架橋)可能という観点で、熱による架橋の方が好ましい。
レリーフ形成層を架橋することで、第1にレーザー彫刻後形成されるレリーフがシャープになり、第2にレーザー彫刻の際に発生する彫刻カスの粘着性が抑制されるという利点がある。未架橋のレリーフ形成層をレーザー彫刻すると、レーザー照射部の周辺に伝播した余熱により、本来意図していない部分が溶融、変形しやすく、シャープなレリーフ層が得られない場合がある。また、素材の一般的な性質として、低分子なものほど固形ではなく液状になり、すなわち粘着性が強くなる傾向がある。レリーフ形成層を彫刻する際に発生する彫刻カスは、低分子の材料を多く用いるほど粘着性が強くなる傾向がある。低分子である重合性化合物は架橋することで高分子になるため、発生する彫刻カスは粘着性が少なくなる傾向がある。
上記架橋工程が、光により架橋する工程である場合は、活性光線を照射する装置が比較的高価であるものの、印刷版原版が高温になることがないので、印刷版原版の原材料の制約がほとんどない。
上記架橋工程が、熱により架橋する工程である場合には、特別高価な装置を必要としない利点があるが、印刷版原版が高温になるので、高温で柔軟になる熱可塑性ポリマーは加熱中に変形する可能性がある等、使用する原材料は慎重に選択する必要がある。
熱架橋の際には、熱重合開始剤を加えることが好ましい。熱重合開始剤としては、遊離基重合(free radical polymerization)用の商業的な熱重合開始剤として使用され得る。このような熱重合開始剤としては、例えば、適当な過酸化物、ヒドロペルオキシド又はアゾ基を含む化合物が挙げられる。代表的な加硫剤も架橋用に使用できる。熱架橋性(heat−curable)の樹脂、例えばエポキシ樹脂、を架橋成分として層に加えることにより熱架橋も実施され得る。
(フレキソ印刷版及びその製版方法)
本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を光及び/又は熱により架橋した架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版をレーザー彫刻する彫刻工程、を含むことが好ましく、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を熱架橋した架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版をレーザー彫刻する彫刻工程、を含むことがより好ましい。
本発明のフレキソ印刷版は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなる層を架橋及びレーザー彫刻して得られたレリーフ層を有するフレキソ印刷版であり、本発明のフレキソ印刷版の製版方法により製版されたフレキソ印刷版であることが好ましい。
本発明のフレキソ印刷版は、水性インキを印刷時に好適に使用することができる。
本発明のフレキソ印刷版の製版方法における層形成工程及び架橋工程は、上記レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法における層形成工程及び架橋工程と同義であり、好ましい範囲も同様である。
<彫刻工程>
本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、上記架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版をレーザー彫刻する彫刻工程を含むことが好ましい。
彫刻工程は、上記架橋工程で架橋された架橋レリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程である。具体的には、架橋された架橋レリーフ形成層に対して、所望の画像に対応したレーザー光を照射して彫刻を行うことによりレリーフ層を形成することが好ましい。また、所望の画像のデジタルデータを元にコンピューターでレーザーヘッドを制御し、架橋レリーフ形成層に対して走査照射する工程が好ましく挙げられる。
この彫刻工程には、赤外線レーザー(IRレーザー)が好ましく用いられる。赤外線レーザーが照射されると、架橋レリーフ形成層中の分子が分子振動し、熱が発生する。赤外線レーザーとして炭酸ガスレーザーやYAGレーザーのような高出力のレーザーを用いると、レーザー照射部分に大量の熱が発生し、架橋レリーフ形成層中の分子は分子切断又はイオン化されて選択的な除去、すなわち、彫刻がなされる。レーザー彫刻の利点は、彫刻深さを任意に設定できるため、構造を3次元的に制御することができる点である。例えば、微細な網点を印刷する部分は、浅く又はショルダーをつけて彫刻することで、印圧でレリーフが転倒しないようにすることができ、細かい抜き文字を印刷する溝の部分は深く彫刻することで、溝にインキが埋まりにくくなり、抜き文字つぶれを抑制することが可能となる。
中でも、光熱変換剤の吸収波長に対応した赤外線レーザーで彫刻する場合には、より高感度で架橋レリーフ形成層の選択的な除去が可能となり、シャープな画像を有するレリーフ層が得られる。
彫刻工程に用いられる赤外線レーザーとしては、生産性、コスト等の面から、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)又は半導体レーザーが好ましい。特に、ファイバー付き半導体赤外線レーザー(FC−LD)が好ましく用いられる。一般に、半導体レーザーは、CO2レーザーに比べレーザー発振が高効率かつ安価で小型化が可能である。また、小型であるためアレイ化が容易である。更に、ファイバーの処理によりビーム形状を制御できる。
半導体レーザーとしては、波長が700〜1,300nmのものが好ましく、800〜1,200nmのものがより好ましく、860〜1,200nmのものが更に好ましく、900〜1,100nmのものが特に好ましい。
また、ファイバー付き半導体レーザーは、更に光ファイバーを取り付けることで効率よくレーザー光を出力できるため、本発明における彫刻工程には有効である。更に、ファイバーの処理によりビーム形状を制御できる。例えば、ビームプロファイルはトップハット形状とすることができ、安定に版面にエネルギーを与えることができる。半導体レーザーの詳細は、「レーザーハンドブック第2版」レーザー学会編、実用レーザー技術 電子通信学会等に記載されている。
また、本発明のフレキソ印刷版原版を用いたフレキソ印刷版の製版方法に好適に用いることができるファイバー付き半導体レーザーを備えた製版装置は、特開2009−172658号公報及び特開2009−214334号公報に詳細に記載され、これを本発明に係るフレキソ印刷版の製版に使用することができる。
本発明のフレキソ印刷版の製版方法では、彫刻工程に次いで、更に、必要に応じて下記リンス工程、乾燥工程、及び/又は、後架橋工程を含んでもよい。
リンス工程:彫刻後のレリーフ層表面を、水又は水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスする工程。
乾燥工程:彫刻されたレリーフ層を乾燥する工程。
後架橋工程:彫刻後のレリーフ層にエネルギーを付与し、レリーフ層を更に架橋する工程。
上記工程を経た後、彫刻表面に彫刻カスが付着しているため、水又は水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスして、彫刻カスを洗い流すリンス工程を追加してもよい。リンスの手段として、水道水で水洗する方法、高圧水をスプレー噴射する方法、感光性樹脂凸版の現像機として公知のバッチ式又は搬送式のブラシ式洗い出し機で、彫刻表面を主に水の存在下でブラシ擦りする方法などが挙げられ、彫刻カスのヌメリがとれない場合は、石鹸や界面活性剤を添加したリンス液を用いてもよい。
彫刻表面をリンスするリンス工程を行った場合、彫刻されたレリーフ形成層を乾燥してリンス液を揮発させる乾燥工程を追加することが好ましい。
更に、必要に応じてレリーフ形成層を更に架橋させる後架橋工程を追加してもよい。追加の架橋工程である後架橋工程を行うことにより、彫刻によって形成されたレリーフをより強固にすることができる。
本発明に用いることができるリンス液のpHは、9以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、11以上であることが更に好ましい。また、リンス液のpHは14以下であることが好ましく、13.5以下であることがより好ましく、13.2以下であることが更に好ましい。上記範囲であると、取り扱いが容易である。
リンス液を上記のpH範囲とするために、適宜、酸及び/又は塩基を用いてpHを調整すればよく、使用する酸及び塩基は特に限定されない。
本発明に用いることができるリンス液は、主成分として水を含有することが好ましい。
また、リンス液は、水以外の溶媒として、アルコール類、アセトン、テトラヒドロフラン等などの水混和性溶媒を含有していてもよい。
リンス液は、界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、彫刻カスの除去性、及び、フレキソ印刷版への影響を少なくする観点から、カルボキシベタイン化合物、スルホベタイン化合物、ホスホベタイン化合物、アミンオキシド化合物、又は、ホスフィンオキシド化合物等のベタイン化合物(両性界面活性剤)が好ましく挙げられる。
また、界面活性剤としては、公知のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等も挙げられる。更に、フッ素系、シリコーン系のノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。
界面活性剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、リンス液の全質量に対し、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがより好ましい。
以上のようにして、支持体等の任意の基材表面にレリーフ層を有するフレキソ印刷版が得られる。
フレキソ印刷版が有するレリーフ層の厚さは、耐磨耗性やインキ転移性のような種々の印刷適性を満たす観点からは、0.05mm以上10mm以下が好ましく、より好ましくは0.05mm以上7mm以下、特に好ましくは0.05mm以上3mm以下である。
また、フレキソ印刷版が有するレリーフ層のショアA硬度は、50°以上90°以下であることが好ましい。レリーフ層のショアA硬度が50°以上であると、彫刻により形成された微細な網点が凸版印刷機の強い印圧を受けても倒れてつぶれることがなく、正常な印刷ができる。また、レリーフ層のショアA硬度が90°以下であると、印圧がキスタッチのフレキソ印刷でもベタ部での印刷かすれを防止することができる。
なお、本明細書におけるショアA硬度は、25℃において、測定対象の表面に圧子(押針又はインデンタと呼ばれる)を押し込み変形させ、その変形量(押込み深さ)を測定して、数値化するデュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)により測定した値である。
本発明のフレキソ印刷版は、フレキソ印刷機による水性インキでの印刷に特に好適であるが、凸版用印刷機による水性インキ、油性インキ及びUVインキ、いずれのインキを用いた場合でも、印刷が可能であり、また、フレキソ印刷機によるUVインキでの印刷も可能である。本発明のフレキソ印刷版は、リンス性に優れており彫刻カスの残存がなく、かつ、得られたレリーフ層が弾性に優れるため、水性インキ転移性及び耐刷性に優れ、長期間にわたりレリーフ層の塑性変形や耐刷性低下の懸念がなく、印刷が実施できる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示すものとする。
なお、実施例におけるポリマーの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、特に断りのない限りにおいて、GPC法で測定し、分子量既知のスチレンにて換算した値を表示している。
(成分A)
・成分A−1:ポリ乳酸(Aldrich社製)、Tg=50℃、重量平均分子量=6.0万)
・成分A−2:PMMA−b−PBA−b−PMMAブロック共重合体(ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸n−ブチル−b−ポリメタクリル酸メチルブロック共重合体)((株)クラレ製、KURARITY LA2250)、Tg=−30℃、100℃、重量平均分子量6.7万)
<A−3の合成>
窒素雰囲気下、−20℃の条件で、α−メチルスチレン(αMSt、20ミリモル)を1,1−ジフェニルヘキシルリチウム(0.5ミリモル)と混合し3時間撹拌した。その後、n−ブチルアクリレート(BA、60ミリモル)を加えて−20℃で4時間撹拌後、更にαMSt(20ミリモル)加えて−20℃で2時間撹拌した。得られたポリマー(A−3)をそのまま実施例にて使用した(重量平均分子量:1.2万、Tg=−36℃と110℃の2つあり)。
・A−4:SBR(スチレンブタジエンゴム)(JSR(株)製、TR2000)、Tg=−50℃、100℃、重量平均分子量=5.6万
・A−5:ポリブチレンサクシネート(昭和電工(株)製、ビオノーレ1020MD)、Tg=35℃、重量平均分子量=3.9万
・A−6:液状ポリイソプレン((株)クラレ製、LIR−30)、Tg=−40℃、重量平均分子量=2.8万
上記A−1〜A−6が解重合性であるかについて、以下のようにして評価を行った。A−1〜A−5(全て固体状)は1wt%のTHF溶液を作製し、これを平滑なアルミ基板上に塗布し、室温で24時間乾燥し製膜し、これを測定サンプルとした。一方、A−6(液状)については、A−6をアルミカップに流し込んで、これを測定サンプルとした。用いた炭酸ガスレーザーは以降の彫刻感度評価で用いたものと彫刻条件含めて同じである。
Figure 2014162064
<B−1の合成>
乳酸(和光純薬工業(株)製)(75モル)と4−カルボキシブタノール(25モル)とDBTDL(東京化成工業(株)製)(0.05モル)をコンデンサーを取り付けた三口フラスコに入れて、170℃で6時間加熱撹拌した。その後、80℃まで冷却後、デュラネートTPA−100(イソシアヌレート型ポリイソシアネート、旭化成(株)製)を0.1モル加えて5時間撹拌し、更にその後、クロロメチルオキシラン(和光純薬工業(株)製)を0.1モル加えて3時間撹拌した。室温まで冷却し、高粘度液体B−1を得た(物性は表2参照)。
<B−2の合成>
乳酸(和光純薬工業(株)製)(75モル)と4−カルボキシブタノール(25モル)とDBTDL(東京化成工業(株)製)(0.05モル)をコンデンサーを取り付けた三口フラスコに入れて、170℃で6時間加熱撹拌した。その後、80まで冷却後、トリメチロールプロパン(東京化成製)を0.1モル加えて7時間撹拌し、更にその後、トリメリット酸(和光純薬工業(株)製)を0.1モル加えて10時間撹拌した。室温まで冷却し、高粘度液体B−2を得た(物性は表2参照)。
<B−3の合成>
メタクリル酸メチル(和光純薬工業(株)製)(6モル)、4−Cyano−4−(phenylcarbonothioylthio)pentanoic acid(アルドリッチ製)(0.05モル)及び4,4’−Azobis−4−cyanovaleric acid(大塚化学(株)製)(0.05モル)とメチルエチルケトン(4L)をコンデンサーを取り付けた三口フラスコに入れて、75℃で6時間加熱撹拌した。
その後、アクリル酸ブチル(4モル)と4,4’−Azobis−4−cyanovaleric acid(0.1モル)を加えて10時間加熱した。得られた反応液を室温まで冷却後、水酸化ナトリウム水溶液(1M)を50ml加えて、40℃で1時間加熱した。得られた溶液からメチルエチルケトンを減圧留去後、酢酸エチルと蒸留水を用いて分液操作後、酢酸エチル相を回収して酢酸エチルを減圧留去した。得られたオイル状液体を三口フラスコ(コンデンサー付き)に入れ、更にカレンズMOI(昭和電工製)(0.01モル)を加えて60℃で5時間撹拌した。更にその後、グリシジルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)(0.01モル)を加えて80℃で3時間撹拌した。
反応液を冷却して、目的の高粘度液体B−3を得た(物性は表2参照)。
Figure 2014162064
・B−4:エチレングリコールジメタクリレート、新中村化学工業(株)製
・B−5:主鎖末端ラジカル重合性基含有ポリエステルオリゴマー、EBECRYL 450(Cytec社製)
・B−6:デュラネートTPA−100、イソシアヌレート型ポリイソシアネート、旭化成(株)製
上記成分B−1〜成分B−6が解重合性であるかについて、バインダーポリマーと同様にして評価を行った。
Figure 2014162064
なお、表2中、「繰り返し単位の含有量」とは、分子中のポリマー部の含有量を意味する。
<重合開始剤>
・DBTDL:ジブチルスズジラウレート、東京化成工業(株)製
・PBZ:パーブチルZ、t−ブチルパーオキシベンゾエート、日本油脂(株)製
(成分C)光熱変換剤
・C−1:アメリカン・ダイ・ソース社製、ADS820HO、ヒドロキシ価:2.69meq/g
・C−2:アメリカン・ダイ・ソース社製、ADS817BI、ヒドロキシ価:0meq/g
・C−3:東海カーボン(株)製、Aqua−Black 162、表面官能基がカルボキシ基である自己分散型カーボンブラック
(実施例1)
1.レーザー彫刻用樹脂組成物の調製
撹拌羽及び冷却管をつけた3つ口フラスコ中に、成分AとしてA−1 50部、溶媒としてメチルエチルケトン 10部を入れ、撹拌しながら40℃で120分間加熱しポリマーを溶解させた。その後、溶液を70℃にし、更に成分BとしてB−1 45部、成分DとしてDBTDL 5部を添加して30分間撹拌した。この操作により、流動性のある架橋性レリーフ形成層用塗布液1(レーザー彫刻用樹脂組成物1)を得た。
2.レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の作製
PET基板上に所定厚のスペーサー(枠)を設置し、上記より得られた架橋性レリーフ形成層用塗布液1をスペーサー(枠)から流出しない程度に静かに流延し、70℃のオーブン中で3時間乾燥させた。その後120℃で3時間、更に150℃で3時間加熱してレリーフ形成層を熱架橋し、厚さがおよそ1mmのレリーフ形成層を設け、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版1を作製した。
3.フレキソ印刷版の作製
架橋後のレリーフ形成層(架橋レリーフ形成層)に対し、以下の2種のレーザーにより彫刻した。
炭酸ガスレーザー彫刻機として、レーザー照射による彫刻を、高品位CO2レーザーマーカML−9100シリーズ((株)キーエンス製)を用いた。炭酸ガスレーザー彫刻機で、出力:12W、ヘッド速度:200mm/秒、ピッチ設定:2,400DPIの条件で、1cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。
半導体レーザー彫刻機として、最大出力8.0Wのファイバー付き半導体レーザー(FC−LD)SDL−6390(JDSU社製、波長915nm)を装備したレーザー記録装置を用いた。半導体レーザー彫刻機でレーザー出力:7.5W、ヘッド速度:409mm/秒、ピッチ設定:2,400DPIの条件で、1cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。
フレキソ印刷版が有するレリーフ層の厚さはおよそ1mmであった。
また、レリーフ層のショアA硬度を、前述の測定方法により測定したところ、75°であった。
(実施例2〜8、及び、比較例1〜6)
1.レーザー彫刻用架橋性樹脂組成物の調製
実施例1で用いた成分A〜成分C、及び、下記成分Dを、下記表3に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にして、架橋性レリーフ形成層用塗布液(レーザー彫刻用樹脂組成物)2〜8、比較架橋性レリーフ形成層用塗布液(レーザー彫刻用樹脂組成物)1〜6を調製した。なお、(成分C)光熱変換剤は、成分A及び成分Bと共に5部添加した。
また、実施例1及び実施例4〜8で使用されている架橋触媒(DBTDL)は、後述するレーザー彫刻時には、解重合触媒としても作用するものである。
2.レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の作製
実施例1における架橋性レリーフ形成層用塗布液1を、架橋性レリーフ形成層用塗布液2〜7、比較架橋性レリーフ形成層用塗布液1〜5に各々変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版2〜7及び比較例のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版1〜5を得た。
3.フレキソ印刷版の作製
実施例のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版2〜7、及び、比較例のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版1〜5のレリーフ形成層を、実施例1と同様にして、熱架橋した後、彫刻してレリーフ層を形成することにより、実施例のフレキソ印刷版2〜7、及び、比較例のフレキソ印刷版1〜5を得た。
これらのフレキソ印刷版が有するレリーフ層の厚さはおよそ1mmであった。
また、レリーフ層のショアA硬度をそれぞれ、前述の測定方法により測定したところ、75°であった。
<フレキソ印刷版の評価>
以下の項目でフレキソ印刷版の性能評価を行い、結果を表3に示す。なお、彫刻深さ以外の評価については、炭酸ガスレーザーで彫刻を行った場合の評価結果と、半導体レーザーで彫刻を行った場合の評価結果は、同じであった。
(1)原料モノマー又は原料モノマーの環状オリゴマーの質量%
炭酸ガスレーザーマーカーでレーザー彫刻した際に発生する、(i)気体状のカス、及び、(ii)印刷版上に残存する固体状又は液体状の彫刻カス、をそれぞれ分析し、カスの全質量に占める原料モノマー又はそれらのモノマーの環状オリゴマーの割合を求めた。
すなわち、彫刻部(彫刻されて除去された部分)の総質量をX、実際に測定された原料モノマー又はそれらのモノマーの環状オリゴマーの総質量をYとすると、原料モノマー又は原料モノマーの環状オリゴマーの質量%(Z)は、以下の式で表される。
Z=Y/X×100
なお、気体状のカスの分析、及び、印刷版上に残存する固体状又は液体状の彫刻カスの分析は以下のようにして行った。
〔気体状のカスの分析〕
以下の器材を用いて気体状のカスの捕集をした。
・採取用吸引ボックス(近江オドエアーサービス(株)製)
・捕集バッグ (10L、近江オドエアーサービス(株)製)
気体状のカスの捕集条件は以下の通りである。
・ガス採取雰囲気:空気雰囲気下
・ガス捕集時間:5分間
・全捕集ガス量:3L
捕集ガスを下記条件でのガスクロマトグラフィーを用いて分析した。
原料モノマー又はそれらのモノマーの環状オリゴマーの標品(容易に入手(購入)可能)をガスクロマトグラフィーで測定して作成した検量線を基に、捕集ガス中の原料モノマー又はそれらのモノマーの環状オリゴマー量を算出した。
−条件−
・測定機器:GC−3200(ジーエルサイエンス(株)製)
・カラム:APS−1000(Teflon 3φ×6m)(ジーエルサイエンス(株)製)
・カラム温度:250℃
・キャリアガス:水素(水素ガス発生装置:HG260B、ジーエルサイエンス(株)製)
・注入量:1μL
〔印刷版上に残存する固体状又は液体状の彫刻カスの分析〕
印刷版上に残存する固体状又は液体状の彫刻カスを薬さじで1mgを採取し、それを5mlのテトラヒドロフラン(THF)に分散させたものを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定用サンプルとした。
なお、原料のモノマー又はそれらのモノマーの環状オリゴマーの標品(容易に入手(購入)可能)を下記条件でのHPLCで測定して作成した検量線を基に、測定サンプル中の原料のモノマー又はそれらのモノマーの環状オリゴマー量を算出した。測定サンプル中の原料のモノマー又はそれらのモノマーの環状オリゴマー量を基に、炭酸ガスレーザーマーカーでレーザー彫刻した際に発生する印刷版上に残存する固体状又は液体状の彫刻カスの全量に対する原料のモノマー又はそれらのモノマーの環状オリゴマー量を算出した。
−条件−
・測定機器:HPLC((株)島津製作所製)
・カラム:Shim−pack CLC−ODS、6.0×150mm
・カラム温度:40℃
・溶離液:アセトニトリル/イオン交換水(リン酸、トリエチルアミン各0.2%添加)=80/20
・流量:1mL/min
・検出波長:210nm
・測定時間:10min
・注入量:1μL
レーザー彫刻機及び条件は、上記方法で実施した。
(2)彫刻深さ
得られたレリーフ印刷版原版のレリーフ形成層を、炭酸ガスレーザー又は半導体レーザー(IRレーザー)によりレーザー彫刻し、得られたレリーフ層の「彫刻深さ」を、以下のように測定した。ここで、「彫刻深さ」とは、レリーフ層の断面を観察した場合の、彫刻された位置(高さ)と彫刻されていない位置(高さ)との差をいう。本実施例における「彫刻深さ」は、レリーフ層の断面を、超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK9510((株)キーエンス製)にて観察することにより測定した。彫刻深さが大きいことは、彫刻感度が高いことを意味する。結果は、彫刻に用いたレーザーの種類毎に表3に示す。
(3)印刷版上のカス量
印刷版上のカス量は、彫刻部の全質量に対する、印刷版上に残存するカス量(質量)を測定した。なお、彫刻部の全質量は、架橋レリーフ形成層の比重、彫刻により除去された体積等から測定可能であり、彫刻により除去された体積は、レーザー彫刻した面積と、彫刻深さから算出可能である。
(4)リンス性
レーザー彫刻した版を水に浸漬し、彫刻部を歯ブラシ(ライオン(株)製、クリニカハブラシ フラット)で10回こすった。その後、光学顕微鏡でレリーフ層の表面におけるカスの有無を確認した。カスがないものをA、ほとんどないものをB、カスが残存しているが、実用上問題のないレベルであるものをC、カスが除去できていないものをDとした。
Figure 2014162064

Claims (18)

  1. (成分A)バインダーポリマー、及び、
    (成分B)架橋剤、を含有し、
    組成物から形成された架橋レリーフ形成層が解重合性であることを特徴とする
    レーザー彫刻用樹脂組成物。
  2. 成分Aが(成分A−1)解重合性のバインダーポリマーを含有する、請求項1に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  3. 成分A−1が、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル酸エステルを単量体単位として50mol%以上含有する樹脂、及び、α−メチルスチレンを単量体単位として50mol%以上含有する樹脂よりなる群から選択されるいずれか1つを含有する、請求項2に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  4. 成分A−1がポリ乳酸、ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸ブチル−b−ポリメタクリル酸メチルブロック共重合体、ポリα−メチルスチレン−b−ポリアクリル酸ブチル−b−ポリα−メチルスチレンブロック共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、メタクリル酸メチル/メタクリル酸アリル共重合体、ポリアクリル酸メチル、アクリル酸メチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、及び、アクリル酸メチル/メタクリル酸アリル共重合体よりなる群から選択される、請求項2又は3に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  5. 成分Bが(成分B−1)解重合性の架橋剤を含有する、請求項2〜4のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  6. 成分A−1及び成分B−1の合計含有量がレーザー彫刻用樹脂組成物の固形分総量の80〜99質量%である、請求項5に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  7. 前記成分B−1の含有量がレーザー彫刻用樹脂組成物の固形分総量の5〜90質量%である、請求項5又は6に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  8. (成分C)光熱変換剤を更に含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  9. 成分Cが成分A及び/又は成分Bと共有結合可能な基を有する、請求項8に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  10. 成分Cがカーボンブラックである、請求項8又は9に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  11. 成分Cの含有量がレーザー彫刻用樹脂組成物の固形分総量の10質量%以下である、請求項8〜10のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  12. (成分D)架橋触媒を更に含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  13. (成分E)解重合触媒を含有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を光及び/又は熱により架橋した架橋レリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程、並びに、
    前記レリーフ形成層を光及び/又は熱により架橋し、架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程、を含む
    レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
  16. 前記架橋工程が、前記レリーフ形成層を熱により架橋し、架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る工程である、請求項15に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
  17. 請求項1〜13のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を光及び/又は熱により架橋した架橋レリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版をレーザー彫刻し、レリーフ層を形成する彫刻工程、を含む
    フレキソ印刷版の製版方法。
  18. 請求項17に記載のフレキソ印刷版の製版方法により製版されたレリーフ層を有するフレキソ印刷版。
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