JP2014159749A - 減圧システム - Google Patents

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Abstract

【課題】水封式の真空ポンプと空気エゼクタとを用いた減圧システムにおいて、キャビテーションやそれに伴う騒音を防止する。
【解決手段】水封式の真空ポンプ3と、この真空ポンプ3による吸気路9に設けられる空気エゼクタ4と、真空ポンプ3への封水の温度を検出する封水温度センサ21とを備える。真空ポンプ3の吸込側圧力PS2が封水温度センサ21の検出温度THの飽和蒸気圧力より設定値だけ高い設定圧力(キャビテーション発生圧力)以下にならないように、設定圧力に近づくほど真空ポンプ3による排気速度を落として減圧を行い、設定タイミングで空気エゼクタ4を起動してさらに減圧する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被減圧部を減圧するための減圧システムに関し、特に、水封式の真空ポンプと空気エゼクタとを用いた減圧システムに関するものである。
従来、下記特許文献1に開示されるように、水封式の真空ポンプと空気エゼクタとを用いた減圧システムが知られている。この減圧システムは、まずは真空ポンプのみで減圧を進め、設定圧力まで減圧すると、空気エゼクタを起動する。但し、真空ポンプへの封水の温度によって真空ポンプの排気性能が変化することを考慮し、封水の温度に応じて前記設定圧力(空気エゼクタの起動圧力)を変更する。
特許第3957371号公報
しかしながら、従来技術では、真空ポンプのキャビテーションが全く考慮されていない。すなわち、真空ポンプにより減圧を進めると、真空ポンプ内では、局所的に圧力が封水の飽和蒸気圧力よりも低くなり水蒸気の気泡が発生するが、その気泡がポンプ内で押しつぶされて消滅することで、騒音を伴うキャビテーションが発生する。従って、封水温度を考慮すべきは、空気エゼクタの起動タイミングではなく、むしろそれ以前に発生し得るキャビテーションであるべきである。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、水封式の真空ポンプと空気エゼクタとを用いた減圧システムにおいて、キャビテーションやそれに伴う騒音を防止することにある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、水封式の真空ポンプと、この真空ポンプによる吸気路に設けられる空気エゼクタと、前記真空ポンプへの封水の温度を検出する封水温度センサと、前記真空ポンプの吸込側圧力が前記封水温度センサの検出温度の飽和蒸気圧力より設定値だけ高い設定圧力以下にならないように、前記設定圧力に近づくほど前記真空ポンプによる排気速度を落として減圧を行い、設定タイミングで前記空気エゼクタを起動する制御器とを備えることを特徴とする減圧システムである。
請求項1に記載の発明によれば、真空ポンプの吸込側圧力が封水温度相当の飽和蒸気圧力より設定値だけ高い設定圧力以下にならないように、その設定圧力に近づくほど真空ポンプによる排気速度を落として減圧を行うことで、真空ポンプにおけるキャビテーションを防止することができる。また、その後、設定タイミングで空気エゼクタを起動することで、所望圧力までの減圧を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、前記真空ポンプおよび前記空気エゼクタの内、少なくとも真空ポンプを複数備え、前記各空気エゼクタは、吸引口が被減圧部に接続され、吐出口が各真空ポンプの吸気口に接続され、ノズルが空気弁を介して外気と連通可能とされ、前記各真空ポンプは、吸気口が各空気エゼクタの吐出口に接続され、排気口がセパレータに接続され、給水口に封水弁を介して給水可能とされ、前記各空気エゼクタと前記各真空ポンプとの間に、ポンプ吸込圧力センサが設けられ、前記被減圧部またはその被減圧部と前記空気エゼクタとの間に、吸気圧力センサが設けられ、前記吸気圧力センサの検出圧力が要求圧力になるように、前記真空ポンプの運転台数および/または回転数を制御するが、前記ポンプ吸込圧力センサの検出圧力が前記設定圧力に近づくと、前記真空ポンプの運転台数および/または回転数を低下させ、変更後の運転台数および回転数に応じて求まる到達可能圧力が前記要求圧力に届かないと判定されると、運転中の真空ポンプの台数に応じた空気エゼクタを起動させて、前記吸気圧力センサの検出圧力が前記要求圧力になるまで減圧することを特徴とする請求項1に記載の減圧システムである。
請求項2に記載の発明によれば、吸気圧力センサの検出圧力が要求圧力になるように、真空ポンプの運転台数および/または回転数を制御するが、ポンプ吸込圧力センサの検出圧力が前記設定圧力に近づくと、真空ポンプの運転台数および/または回転数を低下させることで、真空ポンプにおけるキャビテーションを防止することができる。また、その後、現在の運転台数および回転数に応じて求まる到達可能圧力が前記要求圧力に届かないと判定されると、運転中の真空ポンプの台数に応じた空気エゼクタを起動させることで、要求圧力までの減圧を図ることができる。
請求項3に記載の発明は、性能の異なる前記空気エゼクタを複数備え、前記吸気圧力センサの検出圧力が要求圧力になるように、前記真空ポンプの運転台数および/または回転数を制御するが、前記ポンプ吸込圧力センサの検出圧力が前記設定圧力に近づくと、前記真空ポンプの運転台数および/または回転数を低下させ、変更後の運転台数および回転数に応じて求まる到達可能圧力が前記要求圧力に届かないと判定されると、運転中の真空ポンプの台数に応じた空気エゼクタを起動させることに代えて、運転中の真空ポンプの能力に応じて選定された一または複数の空気エゼクタを起動させて、前記吸気圧力センサの検出圧力が前記要求圧力になるまで減圧することを特徴とする請求項2に記載の減圧システムである。
請求項3に記載の発明によれば、吸気圧力センサの検出圧力が要求圧力になるように、真空ポンプの運転台数および/または回転数を制御するが、ポンプ吸込圧力センサの検出圧力が前記設定圧力に近づくと、真空ポンプの運転台数および/または回転数を低下させることで、真空ポンプにおけるキャビテーションを防止することができる。また、その後、現在の運転台数および回転数に応じて求まる到達可能圧力が前記要求圧力に届かないと判定されると、運転中の真空ポンプの能力に応じて選定された一つの空気エゼクタを単独で、または複数の空気エゼクタを組み合わせて起動させることで、要求圧力までの減圧を図ることができる。
さらに、請求項4に記載の発明は、前記各空気エゼクタからの吐出路に、その空気エゼクタの起動時に開かれるエゼクタ切替弁が設けられ、前記各真空ポンプへの吸気路に、その真空ポンプの作動時に開かれるポンプ切替弁が設けられ、前記被減圧部から前記各空気エゼクタへの吸気路と、前記各空気エゼクタから前記各真空ポンプへの吸気路とがバイパス路で接続されており、このバイパス路にはバイパス弁が設けられており、前記各空気エゼクタの起動前、前記各エゼクタ切替弁を閉じる一方、前記パイパス弁を開けて、前記バイパス路を介して前記真空ポンプにより排気し、いずれかの前記空気エゼクタの起動後、前記バイパス弁を閉じて、前記空気エゼクタを介して前記真空ポンプにより排気することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の減圧システムである。
請求項4に記載の発明によれば、すべてのエゼクタ切替弁を閉じる一方、パイパス弁を開けて、バイパス路を介して真空ポンプにより排気した後、いずれかの空気エゼクタの起動後、バイパス弁を閉じて、空気エゼクタを介して真空ポンプにより排気することで、安定した減圧を行うことができる。
本発明によれば、水封式の真空ポンプと空気エゼクタとを用いた減圧システムにおいて、キャビテーションやそれに伴う騒音を防止することができる。
本発明の減圧システムの実施例1を示す概略図である。 被減圧部の圧力と排気速度との関係を示す概略図である。 本発明の減圧システムの実施例2を示す概略図である。 本発明の減圧システムの実施例3を示す概略図である。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の減圧システム1の実施例1を示す概略図である。
本実施例の減圧システム1は、被減圧部(典型的には中空容器)2の気体を吸引排出して、被減圧部2の減圧を図るシステムであり、真空ポンプ3と空気エゼクタ4とをそれぞれ複数備える。図示例では、真空ポンプ3および空気エゼクタ4は、それぞれ三台ずつ設置されているが、各設置台数は適宜に変更可能である。
各真空ポンプ3は、水封式の真空ポンプであり、封水と呼ばれる水が供給されつつ運転される。各真空ポンプ3は、給水口3aから封水が供給され、吸気口3bから吸気して、排気口3cへ排出する。
各真空ポンプ3の給水口3aには、給水源から封水を供給する封水路5が接続されている。本実施例では、封水を貯留した封水タンク6と、各真空ポンプ3の給水口3aとが、封水路5で接続されている。各真空ポンプ3への封水路5には、封水弁7と定流量弁8とが順に設けられている。封水弁7を開くことで、給水源の水圧または封水路5に設けた給水ポンプ(図示省略)により、真空ポンプ3内に封水が供給される。
各真空ポンプ3の吸気口3bには、被減圧部2からの吸気路9が接続されている。一方、各真空ポンプ3の排気口3cには、排出路10が接続されており、吸気路9からの気体が封水を伴って排出される。その排出流体は、セパレータ11において気水分離され、排気路12へ排気される一方、排水路13へ排水される。排水路13の排水は、そのまま排水されてもよいし、所望により、熱交換器を通されて冷却を図られた後、封水タンク6へ戻されてもよい。
各空気エゼクタ4は、ノズル4aとディフューザ4bとを備え、大気圧との差圧によりノズル4aから外気をディフューザ4bへ向けて噴出させることで、吸引口4cから気体を吸引して、ノズル4aからの空気と混合して吐出口4dへ排出する。
各空気エゼクタ4のノズル4aには、外気導入路14が接続され、エアフィルタ15を介した空気が導入可能とされる。各空気エゼクタ4のノズル4aへの外気導入路14は、共通のエアフィルタ15を介した後、分岐して各空気エゼクタ4のノズル4aに接続されるが、その分岐路にそれぞれ空気弁16が設けられている。
各空気エゼクタ4の吸引口4cには、被減圧部2からの吸気路9(9a)が接続されている。より具体的には、被減圧部2からの吸気路9(9a)は、分岐されて各空気エゼクタ4の吸引口4cに接続されている。
各空気エゼクタ4の吐出口4dは、各真空ポンプ3の吸気口3bに接続される。より具体的には、各空気エゼクタ4の吐出口4dからの配管は、好ましくはエゼクタ切替弁17を介した後、共通管路9bにまとめられ、各真空ポンプ3の吸気口3bへ分岐して接続される。共通管路9bから各真空ポンプ3への分岐管には、好ましくはポンプ切替弁18が設けられる。
各空気エゼクタ4の上流側の吸気路9aと、各空気エゼクタ4の下流側の吸気路9bとは、バイパス路19によって接続されている。より具体的には、被減圧部2から各空気エゼクタ4の吸引口4cへの吸気路9aと、各空気エゼクタ4の吐出口4dから各真空ポンプ3の吸気口3bへの吸気路9b(より詳細には各エゼクタ切替弁17と各ポンプ切替弁18との間の共通管路9b)とは、バイパス路19によって接続されている。そして、そのバイパス路19には、バイパス弁20が設けられている。
各真空ポンプ3への封水の温度を検出するために、封水路5には封水温度センサ21が設けられている。また、各真空ポンプ3の吸込側圧力を検出するために、前記共通管路9bにはポンプ吸込圧力センサ22が設けられている。さらに、被減圧部2、または被減圧部2から各空気エゼクタ4への吸引口4cへの吸気路9aには、被減圧部2側の圧力を検出する吸気圧力センサ23が設けられている。
減圧システム1は、さらに制御器24を備える。制御器24は、真空ポンプ3、封水弁7、ポンプ切替弁18、空気弁16、エゼクタ切替弁17およびバイパス弁20の他、封水温度センサ21、ポンプ吸込圧力センサ22および吸気圧力センサ23に接続されている。そして、制御器24は、所定のプログラムに基づき、各センサ21〜23の検出信号などを用いて真空ポンプ3や前記各弁7,18,16,17,20を制御して、以下に述べるように、被減圧部2の減圧を行う。なお、減圧目標値としての要求圧力PS0が、制御器24に予め設定される。
ところで、本実施例では、各真空ポンプ3は、インバータ25により回転数を制御される。つまり、制御器24は、インバータ25により、真空ポンプ3のモータへの電源周波数を変更することで、真空ポンプ3の回転数を変更することができる。これにより、たとえば、負荷率100%(全負荷運転)、90%、85%、80%などとして、負荷率(出力)を段階的にまたは連続的に変更して、排気速度を変更可能とされている。
封水弁7およびポンプ切替弁18は、真空ポンプ3の発停に連動して開閉される。つまり、封水弁7およびポンプ切替弁18は、運転中の真空ポンプ3に対応したものが開かれる一方、停止中の真空ポンプ3に対応したものが閉じられる。
空気弁16およびエゼクタ切替弁17は、空気エゼクタ4の作動の有無に連動して開閉される。つまり、空気弁16およびエゼクタ切替弁17は、作動用の空気エゼクタ4に対応したものが開かれ、停止中の空気エゼクタ4に対応したものが閉じられる。
以下、本実施例の減圧システム1の運転方法について説明する。
初期起動から定常立ち上げまでの運転について説明すると、まず、空気弁16およびエゼクタ切替弁17をすべて閉じる一方、バイパス弁20を開けた状態で、一または複数の真空ポンプ3を作動させる。運転中の真空ポンプ3と対応して、封水弁7およびポンプ切替弁18が開かれることは前述したとおりである。
吸気圧力センサ23の検出圧力PS1が要求圧力PS0になるように、真空ポンプ3の運転台数を変更したり、これに代えてまたはこれに加えて、運転中の真空ポンプ3の回転数をインバータ25で調整したりする。この際、真空ポンプ3におけるキャビテーションの発生を防止するために、ポンプ吸込圧力センサ22の検出圧力PS2が封水温度センサ21の検出温度TH相当の飽和蒸気圧力PHより設定値だけ高い設定圧力PX以下にならないように、設定圧力PXに近づくほど真空ポンプ3による排気速度を落として減圧を行う。
すなわち、キャビテーションの発生は、封水温度THと関係し、真空ポンプ3の吸込側圧力PS2が封水温度TH相当の飽和蒸気圧力PHよりも設定値だけ高い設定圧力PX以下になると発生する。設定値は、真空ポンプ3の特性やポンプ切替弁18の圧力損失などを考慮して設定される。結果的に、設定圧力PXは、封水温度THに、たとえば5℃〜15℃程度の設定温度を加算した温度の飽和蒸気圧力とされる。この際、封水温度THに加算する前記設定温度は、封水温度THが高いほど大きな値とされるのがよい。
このようにして、真空ポンプ3のみで、吸気圧力センサ23の検出圧力PS1を要求圧力PS0まで低下させることができる場合は、空気エゼクタ4を起動させる必要はないが、そうでない場合には、設定タイミングで、空気エゼクタ4を起動させる。この際、運転中の真空ポンプ3の台数に応じた空気エゼクタ4を作動させればよい。空気エゼクタ4の作動は、空気弁16とエゼクタ切替弁17とを開ければよい。また、この際、バイパス弁20を閉じ、以後は空気エゼクタ4を介して真空ポンプ3へ排気するのがよい。
前記設定タイミングは、適宜に設定され、また場合により固定値としてもよいが、好ましくは次のようにして設定される。すなわち、現在運転中の真空ポンプ3の運転台数および回転数に応じて求まる到達可能圧力が前記要求圧力PS0に届かないと判定したタイミングとされる。いずれにしても、設定タイミングで、運転中の真空ポンプ3の台数に応じた空気エゼクタ4を起動させて、吸気圧力センサ23の検出圧力PS1が要求圧力PS0になるまで減圧すればよい。
以上の制御の具体例を、図2に基づき、さらに詳細に説明する。
図2は、被減圧部2の圧力と排気速度との関係を示す概略図である。なお、被減圧部2の圧力は、ここでは吸気圧力センサ23の検出圧力PS1である。また、空気エゼクタ4の起動前、真空ポンプ3のみによる減圧中、ポンプ吸込圧力センサ22の検出圧力PS2は、吸気圧力センサ23の検出圧力PS1と同等と見ることができる。
図中、圧力PS0は、要求圧力であり、吸気圧力センサ23の検出圧力PS1の目標圧力である。また、圧力PXは、封水温度THから求められたキャビテーションの発生が予想される圧力(以下、キャビテーション発生圧力という。)である。制御器24は、封水温度センサ21の検出温度TH相当の飽和蒸気圧力PHより設定値だけ高い圧力を、キャビテーション発生圧力PXとして設定する。なお、制御の途中で封水温度THに変化があれば、それに伴い、キャビテーション発生圧力PXも変更される。
図中、太線で示すように、減圧システム1の初期起動時、真空ポンプ3は、基本的に負荷率100%で運転される。但し、ポンプ吸込圧力センサ22の検出圧力PS2がキャビテーション発生圧力PX以下にならないように、キャビテーション発生圧力PXより余裕値αだけ高い圧力までくると、真空ポンプ3の負荷率を下げる。図示例では、負荷率90%に下げる。これにより、排気速度は下がるが、それにより前記余裕値αを小さくすることができ、さらに減圧を進めることができる。そして、再び、キャビテーション発生圧力PXより余裕値αだけ高い圧力までくると、真空ポンプ3の負荷率を下げる。図示例では、負荷率85%に下げる。
なお、ここでは、減圧に伴って、真空ポンプ3の回転数を段階的に減少させる例を示しているが、回転数を連続的に減少させてもよい。また、真空ポンプ3の回転数を減少させることに代えてまたはこれに加えて、真空ポンプ3の運転台数を減少させてもよい。典型的には、真空ポンプ3を全台、全負荷運転して減圧を開始し、キャビテーション防止のために、回転数の減少と運転台数の減少とを組み合わせながら、排気速度を落としていくことになる。
このようにして、吸気圧力センサ23の検出圧力PS1が要求圧力PS0になるように、真空ポンプ3を用いて減圧を進めるが、ポンプ吸込圧力センサ22の検出圧力PS2がキャビテーション発生圧力PXに近づくと、真空ポンプ3の運転台数および/または回転数を低下させていく。
ところが、真空ポンプ3の運転台数および/または回転数を低下させていくと、やがてその運転台数および回転数では、要求圧力PS0まで減圧できない場合が生じる。つまり、運転中の真空ポンプ3の運転台数および回転数に応じて求まる到達可能圧力が要求圧力PS0に届かないと判定される。この際、所望の排気速度以上で要求圧力PS0に届かないことを要件とすることもできる。たとえば、図2の場合、負荷率85%以下の場合、要求圧力PS0に到達できないことが分かる。そこで、負荷率をそれよりも下げずに、次は空気エゼクタ4を起動させて、要求圧力PS0まで到達させる。
このように、運転中の真空ポンプ3の運転台数および回転数に応じて求まる到達可能圧力が要求圧力に届かないと判定されたタイミングで、運転中の真空ポンプ3の台数に応じた空気エゼクタ4を起動させて、吸気圧力センサ23の検出圧力PS1が要求圧力PS0になるまで減圧すればよい。このようにして、キャビテーションを防止しつつ、迅速に効率よく、要求圧力PS0までの減圧を図ることができる。
以後、被減圧部2の圧力を要求圧力PS0に維持するように、上述と同様に、封水温度THの変化によるキャビテーションの発生を回避しながら、真空ポンプ3の運転台数および/または回転数の他、空気エゼクタ4の作動台数を制御すればよい。
なお、本実施例1では、真空ポンプ3と空気エゼクタ4とを一対一の関係としたが、後述の実施例2や実施例3で述べるように、真空ポンプ3と空気エゼクタ4とを必ずしも一対一の関係とする必要はない。また、真空ポンプ3同士の性能を互いに異なったものとしたり、空気エゼクタ4同士の性能を互いに異なったものとしたりすることもできる。
図3は、本発明の減圧システム1の実施例2を示す概略図である。
本実施例2の減圧システム1も、基本的には前記実施例1と同様である。そこで、以下においては、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
本実施例2では、真空ポンプ3と空気エゼクタ4の設置台数が互いに異なる。図示例の場合、真空ポンプ3が三台、空気エゼクタ4が二台設置される。また、本実施例2では、空気エゼクタ4として、互いに能力の異なる複数の空気エゼクタ4A,4Bが設置される。ここでは、第一空気エゼクタ4Aと第二空気エゼクタ4Bとが設置されている。
本実施例2では、空気エゼクタ4を起動する際、運転中の真空ポンプ3の能力(運転台数および回転数)に応じて、排気速度が適切となる空気エゼクタ4が選定される。この場合において、一つの空気エゼクタ4を単独で起動させてもよいし、複数の空気エゼクタ4を組み合わせて起動させてもよい。つまり、図示例の場合、運転中の真空ポンプ3の能力に応じて、第一空気エゼクタ4Aを起動するか、第二空気エゼクタ4Bを起動するか、あるいは第一空気エゼクタ4Aと第二空気エゼクタ4Bとの双方を起動するかが選択される。
以下、より具体的に、制御の一例について説明する。まずは、前記実施例1と同様に、通常は全台の真空ポンプ3を全負荷運転して、減圧を開始する。この減圧中、封水温度センサ21の検出温度THを監視し、この封水温度THにより変動するキャビテーション発生圧力PX以下にポンプ吸込圧力センサ22の検出圧力PS2がならないように、前記実施例1と同様にして、インバータ制御により各真空ポンプ3の回転数を下げたり、真空ポンプ3の運転台数を減少したりして、設定圧力PXに近づくほど真空ポンプ3による排気速度を落として減圧を行う。
そして、前記実施例1と同様に、設定タイミングで空気エゼクタ4を起動させるのであるが、その際、たとえば、あるインバータ周波数で真空ポンプ3を二台運転中であり、しかもキャビテーション発生圧力PX以下にまで減圧する必要があるなら、第一空気エゼクタ4Aを起動する。あるいは、あるインバータ周波数で真空ポンプ3を三台運転中であり、しかもキャビテーション発生圧力PX以下にまで減圧する必要があるなら、第一空気エゼクタ4Aと第二空気エゼクタ4Bとの双方を起動するというように、現在の真空ポンプ3の運転台数および回転数に応じて選定された一または複数の空気エゼクタ4を起動させる。そして、吸気圧力センサ23の検出圧力が要求圧力になるまで減圧すればよい。その他の構成は、前記実施例1と同様のため、説明を省略する。
図4は、本発明の減圧システム1の実施例3を示す概略図である。
本実施例3の減圧システム1も、基本的には前記実施例1と同様である。そこで、以下においては、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
本実施例3では、真空ポンプ3と空気エゼクタ4の設置台数が互いに異なる。図示例の場合、真空ポンプ3が三台、空気エゼクタ4が一台設置される。この空気エゼクタ4は、所定圧力範囲において真空ポンプ3が全台稼働しても吸引できる能力を有する。
本実施例3でも、前記実施例1と同様に、通常は全台の真空ポンプ3を全負荷運転して、減圧を開始する。この減圧中、封水温度センサ21の検出温度THを監視し、この封水温度THにより変動するキャビテーション発生圧力PX以下にポンプ吸込圧力センサ22の検出圧力PS2がならないように、前記実施例1と同様にして、インバータ制御により各真空ポンプ3の回転数を下げたり、真空ポンプ3の運転台数を減少したりして、設定圧力PXに近づくほど真空ポンプ3による排気速度を落として減圧を行う。そして、前記実施例1と同様に、キャビテーション発生圧力PX以下にまで減圧する必要があるなら、設定タイミングで空気エゼクタ4を起動させ、吸気圧力センサ23の検出圧力が要求圧力になるまで減圧すればよい。その他の構成は、前記実施例1と同様のため、説明を省略する。
本発明の減圧システム1は、前記各実施例の構成に限らず適宜変更可能である。たとえば、前記各実施例において、真空ポンプ3や空気エゼクタ4の各設置台数は、適宜に変更可能である。これらは、少なくとも一台ずつあれば足りる。
また、前記各実施例において、場合により、バイパス路19およびバイパス弁20の設置を省略することができる。その場合、真空ポンプ3のみによる減圧時、空気弁16を閉じつつ空気エゼクタ4を介して減圧すればよい。
さらに、前記各実施例において、場合により、ポンプ吸込圧力センサ22の設置を省略して、吸気圧力センサ23により制御してもよい。
1 減圧システム
2 被減圧部
3 真空ポンプ
3a 給水口
3b 吸気口
3c 排気口
4 空気エゼクタ
4a ノズル
4b ディフューザ
4c 吸引口
4d 吐出口
5 封水路
6 封水タンク
7 封水弁
8 定流量弁
9 吸気路
10 排出路
11 セパレータ
12 排気路
13 排水路
14 外気導入路
15 エアフィルタ
16 空気弁
17 エゼクタ切替弁
18 ポンプ切替弁
19 バイパス路
20 バイパス弁
21 封水温度センサ
22 ポンプ吸込圧力センサ
23 吸気圧力センサ
24 制御器
25 インバータ

Claims (4)

  1. 水封式の真空ポンプと、
    この真空ポンプによる吸気路に設けられる空気エゼクタと、
    前記真空ポンプへの封水の温度を検出する封水温度センサと、
    前記真空ポンプの吸込側圧力が前記封水温度センサの検出温度の飽和蒸気圧力より設定値だけ高い設定圧力以下にならないように、前記設定圧力に近づくほど前記真空ポンプによる排気速度を落として減圧を行い、設定タイミングで前記空気エゼクタを起動する制御器と
    を備えることを特徴とする減圧システム。
  2. 前記真空ポンプおよび前記空気エゼクタの内、少なくとも真空ポンプを複数備え、
    前記各空気エゼクタは、吸引口が被減圧部に接続され、吐出口が各真空ポンプの吸気口に接続され、ノズルが空気弁を介して外気と連通可能とされ、
    前記各真空ポンプは、吸気口が各空気エゼクタの吐出口に接続され、排気口がセパレータに接続され、給水口に封水弁を介して給水可能とされ、
    前記各空気エゼクタと前記各真空ポンプとの間に、ポンプ吸込圧力センサが設けられ、
    前記被減圧部またはその被減圧部と前記空気エゼクタとの間に、吸気圧力センサが設けられ、
    前記吸気圧力センサの検出圧力が要求圧力になるように、前記真空ポンプの運転台数および/または回転数を制御するが、
    前記ポンプ吸込圧力センサの検出圧力が前記設定圧力に近づくと、前記真空ポンプの運転台数および/または回転数を低下させ、
    変更後の運転台数および回転数に応じて求まる到達可能圧力が前記要求圧力に届かないと判定されると、運転中の真空ポンプの台数に応じた空気エゼクタを起動させて、前記吸気圧力センサの検出圧力が前記要求圧力になるまで減圧する
    ことを特徴とする請求項1に記載の減圧システム。
  3. 性能の異なる前記空気エゼクタを複数備え、
    前記吸気圧力センサの検出圧力が要求圧力になるように、前記真空ポンプの運転台数および/または回転数を制御するが、
    前記ポンプ吸込圧力センサの検出圧力が前記設定圧力に近づくと、前記真空ポンプの運転台数および/または回転数を低下させ、
    変更後の運転台数および回転数に応じて求まる到達可能圧力が前記要求圧力に届かないと判定されると、運転中の真空ポンプの台数に応じた空気エゼクタを起動させることに代えて、運転中の真空ポンプの能力に応じて選定された一または複数の空気エゼクタを起動させて、前記吸気圧力センサの検出圧力が前記要求圧力になるまで減圧する
    ことを特徴とする請求項2に記載の減圧システム。
  4. 前記各空気エゼクタからの吐出路に、その空気エゼクタの起動時に開かれるエゼクタ切替弁が設けられ、
    前記各真空ポンプへの吸気路に、その真空ポンプの作動時に開かれるポンプ切替弁が設けられ、
    前記被減圧部から前記各空気エゼクタへの吸気路と、前記各空気エゼクタから前記各真空ポンプへの吸気路とがバイパス路で接続されており、
    このバイパス路にはバイパス弁が設けられており、
    前記各空気エゼクタの起動前、前記各エゼクタ切替弁を閉じる一方、前記パイパス弁を開けて、前記バイパス路を介して前記真空ポンプにより排気し、
    いずれかの前記空気エゼクタの起動後、前記バイパス弁を閉じて、前記空気エゼクタを介して前記真空ポンプにより排気する
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の減圧システム。
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