JP2014157304A - 電気光学装置、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】TFTのリーク電流を小さくし、クロストークや表示ムラなどの表示不具合を抑制する。
【解決手段】下地絶縁膜10bで覆われた走査線3aと、データ線6aと、画素電極15と、走査線3aに下地絶縁膜10bを介して対向配置されデータ線側ソース・ドレイン領域30sと画素電極側ソース・ドレイン領域30dとチャネル領域30cとを有する半導体層30aと、半導体層30aを覆う第1絶縁膜11aと、半導体層30aに第1絶縁膜11aを介して対向配置されたゲート電極30gと、を含み、半導体層30aの画素電極側ソース・ドレイン領域30dは、ゲート電極30gとの間に形成された第1の寄生容量cd1と走査線3aとの間に形成された第2の寄生容量cd2とを有し、第2の寄生容量cd2は第1容量PC1と第2容量PC2とを有し、第1容量PC1の下地絶縁膜10bの厚みは第2容量PC2の下地絶縁膜10bの厚みより薄いことを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】下地絶縁膜10bで覆われた走査線3aと、データ線6aと、画素電極15と、走査線3aに下地絶縁膜10bを介して対向配置されデータ線側ソース・ドレイン領域30sと画素電極側ソース・ドレイン領域30dとチャネル領域30cとを有する半導体層30aと、半導体層30aを覆う第1絶縁膜11aと、半導体層30aに第1絶縁膜11aを介して対向配置されたゲート電極30gと、を含み、半導体層30aの画素電極側ソース・ドレイン領域30dは、ゲート電極30gとの間に形成された第1の寄生容量cd1と走査線3aとの間に形成された第2の寄生容量cd2とを有し、第2の寄生容量cd2は第1容量PC1と第2容量PC2とを有し、第1容量PC1の下地絶縁膜10bの厚みは第2容量PC2の下地絶縁膜10bの厚みより薄いことを特徴とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、薄膜トランジスターを備えた電気光学装置、電子機器に関する。
電気光学装置としての薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;以降、TFTと称す)を用いたアクティブ駆動型の液晶装置は、例えばプロジェクターのような投射型表示装置の光変調手段(ライトバルブ)に使用されている。ライトバルブ用途の液晶装置では、例えばフルハイビジョンの4倍以上の画素数を有する高精細液晶装置(4096×2160画素)が開発され、画素サイズも概略8μm〜9μm角とますます小さくなり、画素の高密度化や微細化などが進展している。
アクティブ駆動型の液晶装置は、TFTを有する素子基板と、対向電極を有する対向基板と、素子基板と対向基板との間に配置された液晶などを有している。素子基板には、TFTの他に、走査線、データ線、画素電極などが設けられ、走査線はTFTのゲートに、データ線はTFTのソースに、画素電極はTFTのドレインに、それぞれ接続されている。各画素には、画素電極と対向電極との間で形成される液晶容量と並列に、蓄積容量が配置される。画素電極と対向電極との間で所定の電圧が液晶に印加され、液晶を通過する光が変調される。
走査線から供給される走査信号によってTFTがオン状態(導通状態)になると、データ線から画像信号に対応する電位が、TFTを介して画素電極に印加される。その結果、画素電極の電位は画像信号に対応する電位となり、画素電極と対向電極との間で所望の電圧が液晶に印加され、液晶容量及び蓄積容量によって該所望の電圧が保持される。
例えば、TFTに光が入射すると、ソースとドレインとの間のリーク電流が大きくなり、TFTがオフ状態となった期間における画素電極の電位降下が大きくなり、クロストークや表示ムラなどの表示不良が生じる場合がある。このような表示不良を抑制するために、特許文献1にTFTの光リーク電流を抑制する方法が開示されている。
例えば、TFTに光が入射すると、ソースとドレインとの間のリーク電流が大きくなり、TFTがオフ状態となった期間における画素電極の電位降下が大きくなり、クロストークや表示ムラなどの表示不良が生じる場合がある。このような表示不良を抑制するために、特許文献1にTFTの光リーク電流を抑制する方法が開示されている。
蓄積容量は、TFTのソースとドレインとの間のリーク電流による画素電極電位の変化を抑制する役割を有している。ところが、液晶装置の高精細化(画素の高密度化や微細化など)に伴い、画素における蓄積容量の設置スペースや容量値が、ますます小さくなる傾向にある。蓄積容量の容量値が小さくなると、たとえ微小なリーク電流であっても画素電極電位の変化が大きくなり、クロストークや表示ムラという表示不良が生じる恐れがある。このため、特許文献1に記載されている方法だけでは充分と言えず、TFTのリーク電流の影響をさらに抑制する必要があるという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る電気光学装置は、第1の方向に沿って配置され誘電体層で覆われた走査線と、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って配置されたデータ線と、画素電極と、前記走査線に前記誘電体層を介して対向配置され前記データ線に電気的に接続されたデータ線側ソース・ドレイン領域と前記画素電極に電気的に接続された画素電極側ソース・ドレイン領域とチャネル領域とを有する半導体層と、前記半導体層を覆うゲート絶縁膜と、前記半導体層に前記ゲート絶縁膜を介して対向配置されたゲート電極と、を含み、前記画素電極側ソース・ドレイン領域は、前記ゲート電極との間に形成された第1の寄生容量と前記走査線との間に形成された第2の寄生容量とを有し、前記第1の方向と前記第2の方向とに交差する第3の方向から見て、前記第2の寄生容量は第1の領域及び第2の領域を有し、前記第1の領域の前記誘電体層の厚みは前記第2の領域の前記誘電体層の厚みより薄いことを特徴とする。
本適用例によれば、画素電極側ソース・ドレイン領域は、誘電体層を介して対向配置され走査線との間で、誘電体層の厚みが薄くなった第2の領域に寄生容量(第2の寄生容量)が形成されるので、寄生容量の容量値を大きくすることができる。一方、ゲート電極の信号によってチャネル領域の導通状態が変化すると、画素電極側ソース・ドレイン領域の寄生容量に蓄積された容量の再配分が生じ、画素電極側ソース・ドレイン領域の電位が変化する。画素電極側ソース・ドレイン領域の寄生容量の容量値が大きくなると、当該容量の再配分による画素電極側ソース・ドレイン領域の電位の変化が大きくなり、データ線側ソース・ドレイン領域と画素電極側ソース・ドレイン領域との間の電位差を小さくすることができる。データ線側ソース・ドレイン領域と画素電極側ソース・ドレイン領域との間の電位差が小さくなると、データ線側ソース・ドレイン領域と画素電極側ソース・ドレイン領域との間のリーク電流が小さくなり、リーク電流による性能の変化(劣化)を抑制することができる。
すなわち、半導体層30aに入射する光を遮ることによってデータ線側ソース・ドレイン領域と画素電極側ソース・ドレイン領域との間のリーク電流を抑制する方法に加えて、データ線側ソース・ドレイン領域と画素電極側ソース・ドレイン領域との間の電位差を小さくすることによって、データ線側ソース・ドレイン領域と画素電極側ソース・ドレイン領域との間のリーク電流をさらに抑制することができる。従って、本適用例の電気光学装置では、データ線側ソース・ドレイン領域と画素電極側ソース・ドレイン領域との間のリーク電流による性能変化(劣化)が抑制され、高品位の表示を安定して提供することができる。
すなわち、半導体層30aに入射する光を遮ることによってデータ線側ソース・ドレイン領域と画素電極側ソース・ドレイン領域との間のリーク電流を抑制する方法に加えて、データ線側ソース・ドレイン領域と画素電極側ソース・ドレイン領域との間の電位差を小さくすることによって、データ線側ソース・ドレイン領域と画素電極側ソース・ドレイン領域との間のリーク電流をさらに抑制することができる。従って、本適用例の電気光学装置では、データ線側ソース・ドレイン領域と画素電極側ソース・ドレイン領域との間のリーク電流による性能変化(劣化)が抑制され、高品位の表示を安定して提供することができる。
[適用例2]上記適用例に記載の電気光学装置において、前記半導体層のチャネル領域、前記半導体層の画素電極側ソース・ドレイン領域と前記画素電極とが電気的に接続されたコンタクト領域、及び前記第2の領域は、この順で前記第1の方向に沿って配置されていることが好ましい。
本適用例によれば、第2の寄生容量の構成要素である誘電体層は、第1の領域と第2の領域との間の境界で膜厚が変化し、段差が形成される。第1の方向に沿って、半導体層のチャネル領域と、半導体層の画素電極側ソース・ドレイン領域と画素電極とを電気的に接続させるコンタクト領域と、第2の領域とが配置されているので、チャネル領域とコンタクト領域との間には、当該誘電体層の段差が配置されない。よって、チャネル領域とコンタクト領域との間では、当該段差がない同じ厚さの誘電体層の上に半導体層が形成されるので、段差を覆って半導体層を形成した場合の不具合、例えば段差部で膜厚が薄くなることによる半導体層の抵抗増や、段切れによる半導体層の断線などを抑制することができる。その結果、ゲート信号によって半導体層のチャネル領域が導通状態になったときに、半導体層のデータ線側ソース・ドレイン領域から、半導体層のチャネル領域及び画素電極側ソース・ドレイン領域を経由して、画素電極に安定して画像信号が供給される。
[適用例3]上記適用例に記載の電気光学装置において、前記半導体層が配置された領域は、前記第3の方向から見て、前記走査線が配置された領域に含まれていることが好ましい。
本適用例によれば、半導体層が配置された領域は、第3の方向から見て走査線が配置された領域に含まれているので、第3の方向から半導体層に向かう光を走査線によって遮ることができる。
[適用例4]上記適用例に記載の電気光学装置において、前記半導体層の画素電極側ソース・ドレイン領域に電気的に接続された蓄積容量を有し、前記第1の寄生容量の容量値及び第2の寄生容量の容量値の合計は、前記蓄積容量の容量値の1%から5%の範囲にあることが好ましい。
本適用例によれば、上述したように、ゲート電極の信号によってチャネル領域の導通状態が変化した場合に生じる画素電極側ソース・ドレイン領域の寄生容量の容量再配分によって、画素電極側ソース・ドレイン領域の電位を変化させ、データ線側ソース・ドレイン領域と画素電極側ソース・ドレイン領域との間の電位差を小さくし、データ線側ソース・ドレイン領域と画素電極側ソース・ドレイン領域との間のリーク電流を小さくしている。データ線側ソース・ドレイン領域と画素電極側ソース・ドレイン領域との間のリーク電流を小さくするためには、画素電極側ソース・ドレイン領域の寄生容量の容量値を、所定値以上に大きくする必要がある。すなわち、画素電極側ソース・ドレイン領域の寄生容量の容量値には、リーク電流を小さくするという効果を得るために必要な容量の下限値が存在する。画素電極側ソース・ドレイン領域の寄生容量の容量値が大きくなり、画素電極側ソース・ドレイン領域の電位変化が大きくなりすぎると、当該電位変化による悪影響を抑制する調整が難しくなる。すなわち、画素電極側ソース・ドレイン領域の寄生容量の容量値には、画素電極側ソース・ドレイン領域の電位変化が悪影響を及ぼさないように調整できる上限値が存在する。従って、画素電極側ソース・ドレイン領域の寄生容量の容量値(第1の寄生容量の容量値及び第2の寄生容量の容量値の合計)は、蓄積容量の容量値の1%から5%の範囲にあることが好ましい。
[適用例5]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする。
本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の電気光学装置を備え、当該電気光学装置では、データ線側ソース・ドレイン領域と画素電極側ソース・ドレイン領域との間のリーク電流による性能変化(劣化)が抑制され、高品位の表示を安定して提供することができる。例えば、投射型表示装置、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)、直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、POSなどの情報端末機器、及び電子手帳などの電子機器に、上記適用例に記載の電気光学装置を適用させることで、高品位の表示を安定して提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際とは異ならせしめてある。
(実施形態1)
「液晶装置の概要」
実施形態1に係る液晶装置100は、電気光学装置の一例であり、TFT30を備えた透過型の液晶装置である。本実施形態に係る液晶装置100は、例えば後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調素子として好適に使用することができるものである。
「液晶装置の概要」
実施形態1に係る液晶装置100は、電気光学装置の一例であり、TFT30を備えた透過型の液晶装置である。本実施形態に係る液晶装置100は、例えば後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調素子として好適に使用することができるものである。
まず、本実施形態に係る液晶装置100の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1(a)は液晶装置の構成を示す概略平面図、図1(b)は同図(a)のH−H’線で切った概略断面図である。図2(a)は液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図であり、図2(b)は画素の電気的な構成を示す等価回路図である。
図1(a)は液晶装置の構成を示す概略平面図、図1(b)は同図(a)のH−H’線で切った概略断面図である。図2(a)は液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図であり、図2(b)は画素の電気的な構成を示す等価回路図である。
図1(a)及び(b)に示すように、液晶装置100は、素子基板10、対向基板20、及び素子基板10と対向基板20とで挟持された液晶層50などを有する。
素子基板10は、対向基板20よりも一回り大きい。素子基板10と対向基板20とは、額縁状に配置されたシール材40を介して接着され、これら基板の間隙に正または負の誘電異方性を有する液晶層50が封入されている。シール材40は、例えば熱硬化性または紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤であり、一定の間隙を形成するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
額縁状に配置されたシール材40の内側には、同じく額縁状の遮光膜21が設けられている。遮光膜21は、例えば遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなり、遮光膜21の内側が表示領域Eとなる。表示領域Eには、マトリックス状に画素Pが複数配置されている。
素子基板10の複数の外部接続用端子104が配列された1辺部と該1辺部に沿ったシール材40との間には、データ線駆動回路101が設けられている。該1辺部に沿ったシール材40と表示領域Eとの間には、サンプリング回路70が設けられている。該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿ったシール材40と表示領域Eとの間には、走査線駆動回路102が設けられている。該1辺部と対向する他の1辺部のシール材40と表示領域Eとの間には、検査回路103や2つの走査線駆動回路102を繋ぐ複数の配線105が設けられている。これらデータ線駆動回路101、サンプリング回路70、及び走査線駆動回路102に繋がる配線は、該1辺部に沿って配列された複数の外部接続用端子104に接続されている。
以降、該1辺部に沿った方向をX方向、該1辺部と交差し(直交し)互いに対向する他の2辺部に沿った方向をY方向、及び素子基板10から対向基板20に向かう方向をZ方向として説明する。
なお、X方向は本発明における「第1の方向」の一例であり、Y方向は本発明における「第2の方向」の一例であり、Z方向は本発明における「第3の方向」の一例である。また、以降の説明ではZ方向から見ることを、平面視と表現する場合がある。
以降、該1辺部に沿った方向をX方向、該1辺部と交差し(直交し)互いに対向する他の2辺部に沿った方向をY方向、及び素子基板10から対向基板20に向かう方向をZ方向として説明する。
なお、X方向は本発明における「第1の方向」の一例であり、Y方向は本発明における「第2の方向」の一例であり、Z方向は本発明における「第3の方向」の一例である。また、以降の説明ではZ方向から見ることを、平面視と表現する場合がある。
図1(b)に示すように、素子基板10は、素子基板本体10a、並びに素子基板本体10aの液晶層50側の面に形成されたTFT30や画素電極15、及び画素電極15を覆う配向膜18などを有している。素子基板本体10aは、例えば石英やガラスなどの透明材料で構成されている。また、TFT30や画素電極15は、画素Pの構成要素である。画素Pの詳細は後述する。
対向基板20は、対向基板本体20a、並びに対向基板本体20aの液晶層50側の面に順に積層された遮光膜21、層間絶縁膜22、対向電極23、及び配向膜24などを有している。
対向基板本体20aは、例えば石英やガラスなどの透明材料で構成されている。
対向基板本体20aは、例えば石英やガラスなどの透明材料で構成されている。
遮光膜21は、図1(a)に示すように平面視で、走査線駆動回路102、検査回路103、及びサンプリング回路70と重なるように額縁状に設けられている。これにより対向基板20側から入射する光を遮り、これら周辺回路の光による誤動作を防止している。また、不必要な迷光が表示領域Eに入射しないように遮光して、表示領域Eの表示における高いコントラストを確保している。
層間絶縁膜22は、例えばシリコン酸化膜などの無機材料からなり、光透過性を有して遮光膜21を覆うように設けられている。また、層間絶縁膜22は、遮光膜21によって基板上に生ずる凹凸を緩和する平坦化層としても機能している。
対向電極23は、例えばITOなどの透明導電膜からなり、層間絶縁膜22を覆うと共に、表示領域Eに亘って形成される。対向電極23は、図1(a)に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部106により素子基板10側の配線に電気的に接続されている。
対向電極23には、共通電位Vcomが供給されている。
対向電極23には、共通電位Vcomが供給されている。
画素電極15を覆う配向膜18及び対向電極23を覆う配向膜24は、液晶装置100の光学設計に基づいて設定されており、シリコン酸化膜などの無機材料の斜め蒸着膜(無機配向膜)で構成されている。また、配向膜18,24は、ポリイミドなどの有機配向膜を使用してもよい。
図2に示すように、液晶装置100は、X方向に沿って配置された走査線3aと、Y方向に沿って配置されたデータ線6aとを有する。画素Pは、走査線3aとデータ線6aとで区画された領域にマトリックス状に配置される。画素Pには、TFT30、画素電極15、及び蓄積容量16などが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。詳細は後述するが、蓄積容量16は、第1電極16a、第2電極16c、及び第1電極16aと第2電極16cとで挟持された誘電体層16bで構成されている。
走査線3aは、TFT30のゲート及び走査線駆動回路102に電気的に接続されている。データ線6aは、TFT30のソース及びサンプリング回路70に電気的に接続されている。画素電極15は、TFT30のドレインに電気的に接続されている。
走査線駆動回路102から、各画素Pを選択する走査信号G1、G2、…、Gmが供給され、各画素Pが線順次に選択される。データ線駆動回路101及びサンプリング回路70から、走査信号による各画素の選択と同期して、画像信号(Vd1〜Vd6)が各データ線6aに供給され、TFT30を介して選択された画素Pの画素電極15に書き込まれる。
詳しくは、サンプリング回路70は、Nチャネル型のTFT、もしくは相補型のTFTから構成されたサンプリングトランジスター(以降、S−TFTと称する)71を複数備えている。6個のS−TFT71のゲートは1つに纏められ、1本の選択信号供給線61に接続されている。データ線駆動回路101から、選択信号S1,S2,…,Snが、選択信号供給線61を介して6個を1つの単位としたS−TFT71のゲートに供給される。1つの単位を構成する6個のS−TFT71のソースには、6本の画像信号線62のいずれかが接続されている。6本の画像信号線62は、画像信号(Vd1〜Vd6)が供給される信号線65に接続されている。S−TFT71のドレインには、データ線6aが接続されている。サンプリング回路70に選択信号S1,S2,…,Snが入力されると、1つの単位を構成する6個のS−TFT71に対応するデータ線6aに、画像信号(Vd1〜Vd6)が、順次供給される。
このように、選択信号S1,S2,・・・,Snによって、6相に相展開された画像信号(Vd1〜Vd6)が、6本のデータ線6aを一群の組として、一群のデータ線6a毎に供給される。一群のデータ線6a毎に駆動するため、駆動周波数を抑えることができる。なお、画像信号(Vd1〜Vd6)の相展開数は、6相に限られるものでなく、例えば9相、12相、24相などの複数相に展開された構成であっても良い。
以降、画像信号(Vd1〜Vd6)を、画像信号Vdと符号を付して説明する。また、画像信号Vdの電位は、ビデオセンターVcを基準電位(0V)として−5V〜5Vの範囲で変化するようになっている。
以降、画像信号(Vd1〜Vd6)を、画像信号Vdと符号を付して説明する。また、画像信号Vdの電位は、ビデオセンターVcを基準電位(0V)として−5V〜5Vの範囲で変化するようになっている。
このように、走査線駆動回路102からTFT30をオン状態(導通状態)とするゲートオン信号VH(走査信号)が供給され、このゲートオン信号VHが供給されるタイミングに同期して画像信号Vdが画素電極15に書き込まれる。次に、走査線駆動回路102からTFT30をオフ状態(非導通状態)とするゲートオフ信号VLが供給され、このゲートオフ信号VLが供給された期間、画素電極15に書き込まれた画像信号Vdが保持される。また、各画素Pには、画素電極15と対向電極23との間に形成される液晶容量と並列に、蓄積容量16が付加され、TFT30のリークによる各画素Pに蓄積された画像信号Vdの劣化が抑制されている。
画素電極15と対向電極23との間に画像信号Vdに対応した電圧が印加されると、液晶層50の配向状態が変化し、液晶層50を透過する光が変調される。液晶装置100は透過型であって、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも大きくて明表示となるノーマリーホワイトモードの光学設計が採用されている。換言すれば、液晶装置100では、画素電極15と対向電極23との間に印加された電圧に応じて光の透過率が減少し、例えば画像信号Vd=0Vで白表示(明表示)、画像信号Vd=±5Vで黒表示(暗表示)となる。
なお、液晶装置100は、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも小さくて暗表示となるノーマリーブラックモードの光学設計を採用しても良い。
なお、液晶装置100は、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも小さくて暗表示となるノーマリーブラックモードの光学設計を採用しても良い。
画素電極15と対向電極23との間で直流成分の電圧が印加されると、液晶層50に混入したイオン成分の偏りや液晶層50を構成する液晶分子の劣化などが生じるので、液晶装置100では、画素電極15と対向電極23との間で、直流成分の電圧が最小となるように交流駆動されている。すなわち、液晶層50には、対向電極23の電位Vcomを基準電位(0V)として、画素電極15の電位が正極性となるフィールド(以降、+フィールドと称す)の電圧波形と、画素電極15の電位が負極性となるフィールド(以降、−フィールドと称す)の電圧波形とが対称となった電圧が印加されている。
液晶装置100の1画面はフレーム単位で構成され、1フレームは+フィールドと−フィールドとで交互に書き込まれる。フレーム周波数は、例えば120Hzであり、1フレーム期間は概略8.3ミリ秒(ms)である。また、前記期間のうちの各フィールドにおいて、ゲートオン信号VHが供給されている期間(以降、ゲートオン期間と称す)は、おおよそ1フレーム期間を垂直方向の解像度で割った時間となり、概略10マイクロ秒(μs)である。よって、1フレームのほとんどの期間は、ゲートオフ信号VLが供給されている期間(以降、ゲートオフ期間と称す)となる。
また、図1(a)に示す検査回路103には、データ線6aが接続されており、液晶装置100の製造過程において、上記画像信号Vdを検出することで液晶装置100の動作欠陥などを確認できる構成となっているが、図2の等価回路では図示を省略している。
「画素の具体的な構成」
次に、図3と図4とを参照して、画素Pの構成を詳細に説明する。
図3(a)は、走査線3aとデータ線6aとの交差部付近の画素Pの拡大平面図である。図3(b)は、蓄積容量16と画素電極15とのコンタクト部付近の画素Pの拡大平面図である。図4は、図3(a)のA−A’線に沿った画素Pの概略断面図である。
次に、図3と図4とを参照して、画素Pの構成を詳細に説明する。
図3(a)は、走査線3aとデータ線6aとの交差部付近の画素Pの拡大平面図である。図3(b)は、蓄積容量16と画素電極15とのコンタクト部付近の画素Pの拡大平面図である。図4は、図3(a)のA−A’線に沿った画素Pの概略断面図である。
図3(a)に示すように、画素Pは、走査線3aとデータ線6aの交差部付近に形成されたTFT30を有している。TFT30は、データ線側ソース・ドレイン領域30sと、チャネル領域30cと、画素電極側ソース・ドレイン領域30dと、データ線側ソース・ドレイン領域30sとチャネル領域30cとの間に形成されたデータ線側接合領域30eと、チャネル領域30cと画素電極側ソース・ドレイン領域30dとの間に形成された画素電極側接合領域30fとを有するLDD(Lightly Doped Drain)構造の半導体層30aを有している。Z方向から見て、半導体層30aと走査線3aとは重なり、半導体層30aが配置された領域は、走査線3aが配置された領域に含まれている。
半導体層30aの下に配置された下地絶縁膜10b(図4参照)は、膜厚が小さくなった(薄くなった)凹部17を有している。凹部17は、Y方向に長くなった矩形状であり、Z方向から見て、凹部17と走査線3aとは重なり、凹部17が配置された領域は、走査線3aが配置された領域に含まれている。
半導体層30aの画素電極側ソース・ドレイン領域30dは、データ線側ソース・ドレイン領域30sと比べてX方向に長く、平面視で凹部17の少なくとも一部と重なるように配置されている。
走査線3aは、X方向に沿って配置され、データ線6aとの交差部において、X方向、Y方向に拡張された平面視で四角形の拡張部を有している。当該拡張部と平面的に重なると共に、画素電極側接合領域30f及び画素電極側ソース・ドレイン領域30dと重ならないように折れ曲がった形状のゲート電極30gが形成されている。
ゲート電極30gは、Y方向に延在した部分が平面的にチャネル領域30cと重なっている。また、ゲート電極30gは、チャネル領域30cと重なった部分から折り曲げられてX方向に延在した部分と走査線3aの拡張部との間に形成されたコンタクトホールCNT3,CNT4によって、走査線3aと電気的に接続されている。
コンタクトホールCNT3、CNT4は、平面視でX方向が長い矩形状であって、半導体層30aのチャネル領域30cと画素電極側接合領域30fと画素電極側ソース・ドレイン領域30dの一部とを挟むように、両側に形成されている。
データ線6aは、Y方向に配置され、走査線3aとの交差部において同じく四角形の拡張部を有し、当該拡張部からX方向に突出した突出部6cに形成されたコンタクトホールCNT1によって、データ線側ソース・ドレイン領域30sと電気的に接続している。コンタクトホールCNT1を含む部分がソース電極31となっている。一方、画素電極側ソース・ドレイン領域30dには、チャネル領域30cを挟んで、コンタクトホールCNT1と対向するコンタクトホールCNT2が形成されており、コンタクトホールCNT2を含む部分がドレイン電極32となっている。
コンタクトホールCNT2が配置された領域は、半導体層30aの画素電極側ソース・ドレイン領域30dと画素電極15とを電気的に接続するためのコンタクト領域であり、本発明における「画素電極側ソース・ドレイン領域と画素電極15とが電気的に接続されたコンタクト領域」の一例である。
走査線3aの配置方向(X方向)に沿って、コンタクトホールCNT2、凹部17、コンタクトホールCNT6、コンタクトホールCNT5、及びコンタクトホールCNT7が、この順に形成されている。コンタクトホールCNT2とコンタクトホールCNT5とは、島状に形成された第1中継電極6bを介して電気的に接続されている。コンタクトホールCNT6とコンタクトホールCNT7とは、同じく島状に形成された第2中継電極7bを介して電気的に接続されている。
また、半導体層30aのチャネル領域30c、コンタクトホールCNT2、及び凹部17は、この順でX方向に沿って配置されている。
また、半導体層30aのチャネル領域30c、コンタクトホールCNT2、及び凹部17は、この順でX方向に沿って配置されている。
詳細は後述するが、走査線3a、データ線6a及び配線7a(図4参照)は遮光性材料で構成され、画素P(表示領域E)における遮光領域を形成する。この遮光領域で囲まれた領域が、光を透過する開口領域となる。
図3(b)において、画素電極15は、略四角形の島状の形状を有し、上述した開口領域を覆い、外縁部が遮光領域に掛かるように配置されている。画素電極15は、コンタクトホールCNT7を介して第1中継電極6bと電気的な接続を図るための突出部15aを有している。
上述したように、蓄積容量16は、一対の透光性を有する第1電極16a及び第2電極16cと、一対の透光性電極(第1電極16a、第2電極16c)で挟持された誘電体層16bとで構成されている。
第1電極16aは、画素電極15と平面的に重なるように、島状に形成されている。第1電極16aは、コンタクトホールCNT6を介して第1中継電極6bと電気的な接続を図るための突出部16aaを有している。コンタクトホールCNT6と第1中継電極6bとコンタクトホールCNT7とによって、第1電極16aと画素電極15とは電気的に接続され、画像信号Vdが供給されている。
第1電極16aは、画素電極15と平面的に重なるように、島状に形成されている。第1電極16aは、コンタクトホールCNT6を介して第1中継電極6bと電気的な接続を図るための突出部16aaを有している。コンタクトホールCNT6と第1中継電極6bとコンタクトホールCNT7とによって、第1電極16aと画素電極15とは電気的に接続され、画像信号Vdが供給されている。
これに対して、第2電極16cは、X方向及びY方向にマトリクス状に配置された複数の画素Pに跨り、表示領域Eを覆って形成されている。第2電極16cは、画素Pごとに開口部16chを有し、第1電極16aが電気的に接続されるコンタクトホールCNT6と、画素電極15が電気的に接続されるコンタクトホールCNT7とに重ならないようになっている。第1電極16aと第2電極16cとが平面的に重なった領域で、蓄積容量16が形成される。
第2電極16cは、表示領域Eの周辺にも配置され、第2電極16cの外周縁部でコモン電位源と電気的に接続され、共通電位Vcomが供給されている。
第2電極16cは、表示領域Eの周辺にも配置され、第2電極16cの外周縁部でコモン電位源と電気的に接続され、共通電位Vcomが供給されている。
次に、図4を参照して画素Pの層構造の詳細を説明する。
図4に示すように、素子基板本体10aの液晶層50側の面に、走査線3aが設けられている。走査線3aは、半導体層30aを遮光する遮光膜を兼ねており、例えばAl、Ti、Cr、W、Ta、Moなどの金属のうちの少なくとも1つを含む金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、ナイトライド、あるいはこれらが積層されたものを用いることができ、遮光性を有している。
上述したように、Z方向から見て、半導体層30aが配置された領域は走査線3aが配置された領域に含まれるので、素子基板本体10a側から半導体層30aに向かう光は、走査線3aによって遮られる。
図4に示すように、素子基板本体10aの液晶層50側の面に、走査線3aが設けられている。走査線3aは、半導体層30aを遮光する遮光膜を兼ねており、例えばAl、Ti、Cr、W、Ta、Moなどの金属のうちの少なくとも1つを含む金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、ナイトライド、あるいはこれらが積層されたものを用いることができ、遮光性を有している。
上述したように、Z方向から見て、半導体層30aが配置された領域は走査線3aが配置された領域に含まれるので、素子基板本体10a側から半導体層30aに向かう光は、走査線3aによって遮られる。
走査線3aを覆って、下地絶縁膜10bが設けられる。下地絶縁膜10bは、例えばシリコン酸化膜で構成され、下地絶縁膜10bの膜厚は概略450nmである。そして、下地絶縁膜10bには、膜厚が小さくなった(薄くなった)凹部17を有している。凹部17は、公知技術(ドライエッチングなど)によって、局所的に下地絶縁膜10bの膜厚を薄くすることによって形成される。また、下地絶縁膜10bを第1の誘電体膜と第2の誘電体膜とで構成し、凹部17に対応する領域の第1誘電体膜をエッチング除去した後に、第2の誘電体膜を堆積するという方法によっても、凹部17を形成することができる。なお、凹部17における下地絶縁膜10bの膜厚は概略50nmである。
下地絶縁膜10bは、本発明における「誘電体層」の一例である。
下地絶縁膜10bは、本発明における「誘電体層」の一例である。
下地絶縁膜10b上には、島状に半導体層30aが設けられている。半導体層30aは、例えば多結晶シリコン膜で構成され、下地絶縁膜10bを介して走査線3aに対向配置される。半導体層30aには、不純物イオンが注入され、上述したデータ線側ソース・ドレイン領域30s、データ線側接合領域30e、チャネル領域30c、画素電極側接合領域30f、及び画素電極側ソース・ドレイン領域30dが形成される。データ線側ソース・ドレイン領域30s及び画素電極側ソース・ドレイン領域30dでは、データ線側接合領域30e及び画素電極側接合領域30fと比べて不純物濃度が高くなっている。
半導体層30aを覆って、第1絶縁膜11aが設けられている。第1絶縁膜11aは、例えばシリコン酸化膜で構成される。さらに、ゲート電極30gが、第1絶縁膜11aを介して半導体層30aのチャネル領域30cに対向配置される。ゲート電極30gは、例えば多結晶シリコン膜を用いて形成される。ゲート電極30gは、下地絶縁膜10bと第1絶縁膜11aとを貫通して形成されたコンタクトホールCNT3,CNT4(図3(a)参照)を介して、走査線3aに電気的に接続されている。
第1絶縁膜11aは、本発明における「ゲート絶縁膜」の一例である。
第1絶縁膜11aは、本発明における「ゲート絶縁膜」の一例である。
半導体層30aの画素電極側ソース・ドレイン領域30dと、ゲート電極30gとの間に、第1の寄生容量cd1が形成される(図4参照)。
さらに、半導体層30aの画素電極側ソース・ドレイン領域30dと、下地絶縁膜10bを介して対向配置された走査線3aとの間に、第2の寄生容量cd2が形成される(図4参照)。具体的には、図3(a)に示す破線で囲まれた領域C、すなわち画素電極側ソース・ドレイン領域30dと走査線3aとが平面的に重なった領域に、第2の寄生容量cd2が形成される。
図4に示すように、第2の寄生容量cd2は、第1容量PC1と第2容量PC2とで構成される。第1容量PC1は、凹部17の中で、半導体層30aの画素電極側ソース・ドレイン領域30dと走査線3aとが平面的に重なった領域に形成される。第2容量PC2は、凹部17以外で、半導体層30aの画素電極側ソース・ドレイン領域30dと走査線3aとが平面的に重なった領域に形成される。
第1容量PC1が形成された領域における下地絶縁膜10bの膜厚は、第2容量PC2が形成された領域における下地絶縁膜10bの膜厚よりも小さく(薄く)なっている。第1容量PC1や第2容量PC2の容量値は、容量を形成する電極の面積(画素電極側ソース・ドレイン領域30dと走査線3aとが平面的に重なった領域の面積)に比例し、容量を形成する電極の間隔(下地絶縁膜10bの膜厚)に反比例する。上述したように、第1容量PC1が形成された領域の下地絶縁膜10bの膜厚(凹部17の下地絶縁膜10bの膜厚)は概略50nmであり、第2容量PC2が形成された領域の下地絶縁膜10bの膜厚は概略450nmである。第1容量PC1が形成された領域の下地絶縁膜10bの膜厚は、第2容量PC2が形成された領域の下地絶縁膜10bの膜厚の概略1/9と非常に小さくなっているので、第1容量PC1の容量値は、第2容量PC2の容量値よりも大きくなる。すなわち、下地絶縁膜10bが薄くなった凹部17の中に第1容量PC1を設けることによって、凹部17(第1容量PC1)を形成せず第2容量PC2だけで第2の寄生容量を構成する場合と比べて、第2の寄生容量cd2の容量値を大きくすることができる。
なお、第1容量PC1が形成された領域は、本発明における「第1の領域」の一例である。第2容量PC2が形成された領域は、本発明における「第2の領域」の一例である。
なお、第1容量PC1が形成された領域は、本発明における「第1の領域」の一例である。第2容量PC2が形成された領域は、本発明における「第2の領域」の一例である。
ゲート電極30gと第1絶縁膜11aとを覆って、例えばシリコン酸化膜などからなる第2絶縁膜11bが設けられている。半導体層30aのデータ線側ソース・ドレイン領域30sに重なる第1絶縁膜11aと第2絶縁膜11bとを貫通するコンタクトホールCNT1が設けられている。同じく、半導体層30aの画素電極側ソース・ドレイン領域30dに重なる第1絶縁膜11aと第2絶縁膜11bとを貫通するコンタクトホールCNT2が設けられている。続いて、第2絶縁膜11bの上に、例えばAlなどの遮光性の金属からなるデータ線6a及び第1中継電極6bが設けられている。データ線6aは、コンタクトホールCNT1を介してデータ線側ソース・ドレイン領域30sに電気的に接続される。第1中継電極6bは、コンタクトホールCNT2を介して画素電極側ソース・ドレイン領域30dに電気的に接続される。
上述したように、半導体層30aのチャネル領域30c、コンタクトホールCNT2、及び凹部17は、この順でX方向に沿って配置されている。仮に、半導体層30aのチャネル領域30cとコンタクトホールCNT2との間に凹部17が配置されると、半導体層30aの画素電極側ソース・ドレイン領域30dは凹部17を跨いで形成され、データ線側ソース・ドレイン領域30sからの画像信号Vdは、凹部17を跨いで形成された半導体層30aの画素電極側ソース・ドレイン領域30dを経由して、第1中継電極6b(画素電極15)に供給されることになる。このとき、半導体層30aの画素電極側ソース・ドレイン領域30dの段差被覆性が悪いと、凹部17の段差部において、膜厚が薄くなったことによる画素電極側ソース・ドレイン領域30dの抵抗増や、段切れによる画素電極側ソース・ドレイン領域30dの断線などの不具合が発生する恐れがある。その結果、チャネル領域30cが導通状態になったときに、データ線側ソース・ドレイン領域30sから画素電極側ソース・ドレイン領域30dを経由して供給される画像信号Vdが劣化するという不具合が発生する。半導体層30aのチャネル領域30cと凹部17との間にコンタクトホールCNT2を配置すると、このような不具合を抑制することができる。すなわち、半導体層30aのチャネル領域30c、コンタクトホールCNT2、及び凹部17を、この順でX方向に沿って配置することが好ましい。
続いて、データ線6a及び第1中継電極6bを覆うように第1層間絶縁膜12が設けられている。第1層間絶縁膜12は、例えばシリコンの酸化物や窒化物あるいは酸窒化物からなり、TFT30が形成された領域を覆うことによって生ずる表面の凹凸を平坦化する平坦化処理が施される。具体的には、第1層間絶縁膜12は、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下CMPと略す)によって、平坦化処理が施されている。
第1中継電極6bと重なる位置に第1層間絶縁膜12を貫通するコンタクトホールCNT5が設けられている。このコンタクトホールCNT5を被覆すると共に、第1層間絶縁膜12の上に、例えばAlなどの遮光性の金属からなる配線7a及び第2中継電極7bが設けられている。第2中継電極7bは、コンタクトホールCNT5を介して第1中継電極6bに電気的に接続される。配線7aは、平面的にTFT30の半導体層30aやデータ線6aと重なるように形成され、固定電位(例えば、共通電位Vcom)が与えられてシールド層として機能するものである。
配線7aと第2中継電極7bとを覆うように第2層間絶縁膜13が設けられている。第2層間絶縁膜13は、例えばボロンシリケートガラスで構成される。第2層間絶縁膜13はCMPによって、平坦化処理が施されている。
第2中継電極7bと重なる位置に第2層間絶縁膜13を貫通するコンタクトホールCNT6が設けられている。このコンタクトホールCNT6を被覆すると共に第2層間絶縁膜13を覆うように、例えばITOなどの透明導電膜が成膜され、これをパターニングすることにより、突出部16aaを有する第1電極16aが形成される。第1電極16aは突出部16aa及びコンタクトホールCNT6を介して第2中継電極7bと電気的に接続される。
第1電極16aのうち少なくとも第2電極16cと対向する部分に誘電体膜16bが設けられている。誘電体膜16bは、例えばアルミナ(Al2O3)で構成される。誘電体膜16bとしては、アルミナ(Al2O3)の他に、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化タンタル(Ta2O5)などの単層膜、またはこれらの単層膜のうち少なくとも2種の単層膜を積層した多層膜を用いることができる。
誘電体膜16bを覆うように例えばITOなどの透明導電膜が成膜され、これをパターニングすることにより、表示領域Eを覆う第2電極16cが形成される。これによって、誘電体膜16bを挟んで第1電極16aと第2電極16cとが対向配置され、透明な蓄積容量16が構成される。
蓄積容量16を覆って第3層間絶縁膜14が設けられている。第3層間絶縁膜14は、例えばシリコン酸化膜で構成される。第3層間絶縁膜14には、CMPによって平坦化処理が施されている。
次に、第2中継電極7bと重なる位置に第2層間絶縁膜13と第3層間絶縁膜14とを貫通するコンタクトホールCNT7が設けられている。コンタクトホールCNT7を被覆すると共に、第3層間絶縁膜14を覆う例えばITOなどの透明導電膜が成膜され、これをパターニングすることにより、コンタクトホールCNT7を介して第2中継電極7bに電気的に接続される画素電極15が設けられている。
このような素子基板10の配線構造によれば、TFT30のドレイン電極32は、第1中継電極6b、コンタクトホールCNT5、第2中継電極7b、コンタクトホールCNT7を介して画素電極15と電気的に接続される。さらに、TFT30のドレイン電極32は、第1中継電極6b、コンタクトホールCNT5、第2中継電極7b、コンタクトホールCNT6を介して蓄積容量16の第1電極16aと電気的に接続される。
「TFTを構成する電極の電位状態」
図5は、1フレーム期間におけるゲート電極及びドレイン電極の電位状態を示す模式図である。縦軸は、ビデオセンターVcを基準電位(0V)としたときの電位であり、横軸は時間である。また、画像信号Vdは、黒表示に対応する電位(±5V)であるとする。
図中の△V1は、サンプリング回路70のS−TFT71がオフ状態となった時に発生するフィードスルー電圧を示している。△V2は、表示領域EのTFT30がオフ状態となった時のフィールスルー電圧を示している。また、△V3は、+フィールドのゲートオフ期間におけるドレイン電極電位の最大変化量を示し、△V4は−フィールドのゲートオフ期間におけるドレイン電極電位の最大変化量を示している。図中のVs1は、ゲートオフ期間におけるソース電極31の最小電位を示し、Vs2はゲートオフ期間におけるソース電極31の最大電位を示している。
以下、図5を参照して、黒表示におけるTFT30の電極の電位状態を説明する。また、説明を分かりやすくするために、電位の単位を省略する場合がある。
図5は、1フレーム期間におけるゲート電極及びドレイン電極の電位状態を示す模式図である。縦軸は、ビデオセンターVcを基準電位(0V)としたときの電位であり、横軸は時間である。また、画像信号Vdは、黒表示に対応する電位(±5V)であるとする。
図中の△V1は、サンプリング回路70のS−TFT71がオフ状態となった時に発生するフィードスルー電圧を示している。△V2は、表示領域EのTFT30がオフ状態となった時のフィールスルー電圧を示している。また、△V3は、+フィールドのゲートオフ期間におけるドレイン電極電位の最大変化量を示し、△V4は−フィールドのゲートオフ期間におけるドレイン電極電位の最大変化量を示している。図中のVs1は、ゲートオフ期間におけるソース電極31の最小電位を示し、Vs2はゲートオフ期間におけるソース電極31の最大電位を示している。
以下、図5を参照して、黒表示におけるTFT30の電極の電位状態を説明する。また、説明を分かりやすくするために、電位の単位を省略する場合がある。
最初に、ドレイン電極32(画素電極15)の電位状態を説明する。
上述したように、液晶装置100の1フレーム期間は約8.3msであり、1フレームは+フィールドと−フィールドとで交互に書き込まれる。TFT30が導通状態となるゲートオン期間において、サンプリング回路70からデータ線6aとTFT30とを介して画像信号Vdがドレイン電極32(画素電極15)に供給され、蓄積容量16に所定の電荷が蓄積される。TFT30を非導通状態となるゲートオフ期間において、画素電極15に書き込まれた画像信号Vdが保持される。
上述したように、液晶装置100の1フレーム期間は約8.3msであり、1フレームは+フィールドと−フィールドとで交互に書き込まれる。TFT30が導通状態となるゲートオン期間において、サンプリング回路70からデータ線6aとTFT30とを介して画像信号Vdがドレイン電極32(画素電極15)に供給され、蓄積容量16に所定の電荷が蓄積される。TFT30を非導通状態となるゲートオフ期間において、画素電極15に書き込まれた画像信号Vdが保持される。
ゲートオン期間では、+フィールドで5Vの画像信号Vdが、及び−フィールドで−5Vの画像信号Vdが、サンプリング回路70のS−TFT71を介してドレイン電極32に供給される。詳しくは、データ線駆動回路101からの選択信号によってS−TFT71が導通状態となった期間に、黒表示対応する画像信号Vdがドレイン電極32に供給される。S−TFT71が非導通状態になると、S−TFT71の寄生容量に蓄積された電荷の再配分によってフィードスルー電圧△V1が生じ、ドレイン電極32の電位が△V1降下する。すなわち、ゲートオン期間のドレイン電極32の電位は、+フィールドで5Vから5−△V1に変化し、−フィールドで−5Vから−5−△V1に変化する。
ゲートオフ期間では、TFT30が非導通状態になると、TFT30の寄生容量(第1の寄生容量cd1、第2の寄生容量cd2)に蓄積された電荷の再配分によってフィードスルー電圧△V2が生じ、ドレイン電極32の電位が△V2降下する。その結果、TFT30が非導通状態になった直後のドレイン電極32の電位は、+フィールドで5−△V1−△V2となり、−フィールドで−5−△V1−△V2となる。TFT30の微小なリーク電流によって、蓄積容量16に蓄積された電荷は徐々に放電され、ドレイン電極32の電位が徐々に降下する。すなわち、+フィールドで最大△V3の電位降下、−フィールドで最大△V4の電位降下が生じる。その結果、ゲートオフ期間のドレイン電極の電位は、+フィールドで5−△V1−△V2から5−△V1−△V2−△V3まで変化し、−フィールドで−5−△V1−△V2から−5−△V1−△V2−△V4まで変化する。
次に、ソース電極31の電位について説明する。
ゲートオン期間のソース電極31には、サンプリング回路70を介して黒表示の画像信号Vdが供給される。サンプリング回路70のS−TFT71が導通状態となる期間は短いので、実質的にソース電極31の電位は、画像信号Vdからフィードスルー電圧△V1を差し引いた電位となる。すなわち、ソース電極31の電位は、+フィールドで5−△V1、−フィールドで−5−△V1となる。
ゲートオン期間のソース電極31には、サンプリング回路70を介して黒表示の画像信号Vdが供給される。サンプリング回路70のS−TFT71が導通状態となる期間は短いので、実質的にソース電極31の電位は、画像信号Vdからフィードスルー電圧△V1を差し引いた電位となる。すなわち、ソース電極31の電位は、+フィールドで5−△V1、−フィールドで−5−△V1となる。
上述したように、各画素Pを選択する走査信号G1、G2、…、Gm、すなわちゲートオン信号VHは、走査線3aに線順次で供給されている。このため、ゲートオン期間において、複数の走査線3aの中の一の走査線3aにゲートオン信号VHが供給され、当該一の走査線3aに対応する画素電極15に画像信号Vdが書き込まれる。ゲートオフ期間において、当該一の走査線3aと異なる走査線3aにゲートオン信号VHが供給され、当該一の走査線3aと異なる走査線3aに対応する画素電極15に画像信号Vdが書き込まれる。
その結果、ゲートオフ期間のソース電極31には、当該一の走査線3aと異なる走査線3aに対応する画素電極15を書き込むための画像信号Vdが供給される。例えば、中間調表示であれば±2.5V、白表示であれば0Vなどの画像信号Vdが、ソース電極31に供給される。このため、ソース電極31には、+フィールドで0V〜5Vの範囲の画像信号Vdが、−フィールドで−5V〜0Vの範囲の画像信号Vdが供給される。よって、ゲートオフ期間のソース電極31の電位は、+フィールドで5−△V1から−△V1の範囲の電位となり、−フィールドで−△V1から−5−△V1の範囲の電位となる。従って、ゲートオフ期間のソース電極31の電位は、−5−△V1〜5−△V1の範囲で変化することになる。そして、ゲートオフ期間におけるソース電極31の最小電位Vs1は−5−△V1であり、ソース電極31の最大電位Vs2は5−△V1となる。
次に、ゲート電極30gの電位について説明する。
ゲート電極30gの電位は、ゲートオン期間でゲートオン信号VHに対応する電位(8.5V)となり、ゲートオフ期間でゲートオフ信号VLに対応する電位(−7V)となる。
ゲート電極30gの電位は、ゲートオン期間でゲートオン信号VHに対応する電位(8.5V)となり、ゲートオフ期間でゲートオフ信号VLに対応する電位(−7V)となる。
上述したように、液晶層50は対向電極23と画素電極15(ドレイン電極32)との間で交流駆動され、常に同一方向の電圧が印加されないようにする必要がある。ドレイン電極32は、ゲートオフ期間においてフィードスルー電圧(△V1+△V2)に対応する電位降下が生じる。このため、対向電極23に対して当該フィードスルー電圧(△V1+△V2)に対応した電位調整を行う。具体的には、対向電極23の電位Vcomが、Vc−(△V1+△V2)となるように調整する。この電位調整によって、もし後述するリーク電流△V3、△V4が殆どない場合は、対向電極23の電位Vcomを基準電位として、+フィールドの画素電極15の電位波形と−フィールドの画素電極15の電位波形とが対称となった交流駆動が実現される。
以降、対向電極23の電位Vcomの電位調整量をオフセット量Voと称す。S−TFT71のオフセット量Voは、S−TFT71のフィードスルー電圧△V1とTFT30のフィードスルー電圧△V2との和(△V1+△V2)となる。このような対向電極23の電位Vcomの調整は、外部回路(図示省略)によって行われる。なお、本実施形態ではゲートオフ信号VLが−7Vであるため、−フィールドの書き込み電圧がそれを下回らないよう、オフセット量Voを1V以下に設定する必要がある。
上述したように、ゲートオフ期間において、TFT30の微小なリーク電流によってドレイン電極32(画素電極15)の電位が変化し、+フィールドで最大△V3の電位降下が生じ、−フィールドで最大△V4の電位降下が生じる。ところが、+フィールドにおけるTFT30のリーク電流は、−フィールドにおけるTFT30のリーク電流よりも大きいため、+フィールドの最大降下電位△V3は、−フィールドの最大降下電位△V4よりも大きくなり、−フィールドに比べて+フィールドでドレイン電極32の急激な電位降下が生じる。このように、ゲートオフ期間におけるドレイン電極32の電位降下は、−フィールドと+フィールドとで異なるという非対称性を有する。
この非対称性のため、オフセット量Vo(△V1+△V2)で対向電極の電位Vcomの電位調整を行っても、+フィールドの画素電極15の電位波形と−フィールドの画素電極15の電位波形とは、対向電極23の電位Vcomを基準電位として対称にならない。このため、非対称性が最小となるオフセットを加えて、対向電極の電位Vcomの電位を調整する必要がある。また、+フィールドの最大降下電位△V3と−フィールドの最大降下電位△V4との間の差が大きくなると、液晶層50に印加される非対称性を調整できず、フリッカーなどの表示不具合となる場合がある。また、リーク電流そのものによるクロストークや表示ムラなどの表示不具合が発生する場合がある。
「TFTのリーク電流」
液晶装置100は、後述する液晶プロジェクターなどの電子機器に組み込まれて使用される。TFT30は遮光構造を有しているが、TFT30の半導体層30aへの光の入射を完全に抑制することは難しく、半導体層30aは電子機器の光源から発した光の影響を受け、光励起に基づくキャリアが発生し、光リーク電流が流れる。また、−フィールドに比べて+フィールドにおいて光リーク電流が大きくなる。
以下、図6及び図7を参照して、TFT30に流れるリーク電流(光リーク電流)の違いが生じる理由を説明する。
液晶装置100は、後述する液晶プロジェクターなどの電子機器に組み込まれて使用される。TFT30は遮光構造を有しているが、TFT30の半導体層30aへの光の入射を完全に抑制することは難しく、半導体層30aは電子機器の光源から発した光の影響を受け、光励起に基づくキャリアが発生し、光リーク電流が流れる。また、−フィールドに比べて+フィールドにおいて光リーク電流が大きくなる。
以下、図6及び図7を参照して、TFT30に流れるリーク電流(光リーク電流)の違いが生じる理由を説明する。
図6は、データ線側接合領域において光励起が生じた場合のキャリアの振る舞いを示す概念図である。図7は、画素電極側接合領域において光励起が生じた場合のキャリアの振る舞いを示す概念図である。縦軸は電子のポテンシャル、横軸は距離(半導体層30a)である。図中の符号eは電子を示し、符号hはホール(正孔)を示している。電子eはポテンシャルの高い側から低い側(電位の低い側から高い側)に移動する。ホールhはポテンシャルの低い側から高い側(電位の高い側から低い側)に移動する。
図6及び図7の縦軸の電位は、ビデオセンターVcを基準電位(0V)として示されている。また、中間階調の表示を想定して、画素電極15は−フィールドで−2.5V、+フィールドで2.5Vの電位に保持され、チャネル領域30cはゲートオフ信号VLに対応する電位(−7V)に保持されているとする。換言すれば、ソース電位(すなわち、ソース領域の電位)を−2.5V、ゲート電位(すなわち、チャネル領域の電位)を−7V、ドレイン電位(すなわち、ドレイン領域の電位)を2.5Vとしている。さらに、画素電極15が−フィールドの電位に保持される場合(図6)、画素電極側ソース・ドレイン領域30dはソースとなる。画素電極15に+フィールドの電荷が保持される場合(図7)、画素電極側ソース・ドレイン領域30dはドレインとなる。
図6において、画素電極15が−フィールドの電位に保持される場合には、画素電極側ソース・ドレイン領域30dがソース(あるいはエミッタ)となり、データ線側ソース・ドレイン領域30sがドレイン(あるいはコレクタ)となる。
ドレイン側接合領域であるデータ線側接合領域30eにおいて光励起が生じた場合、2つの電流成分からなる光リーク電流が発生する。第1の電流成分は、光励起によって生じた電子eが、ポテンシャルのより低いデータ線側ソース・ドレイン領域30sに移動することによる電流成分である。第2の電流成分は、光励起によって生じたホールhが、データ線側接合領域30eからエネルギーのより高いチャネル領域30cへ移動することによって発生するバイポーラ効果に起因する電流成分である。
ドレイン側接合領域であるデータ線側接合領域30eにおいて光励起が生じた場合、2つの電流成分からなる光リーク電流が発生する。第1の電流成分は、光励起によって生じた電子eが、ポテンシャルのより低いデータ線側ソース・ドレイン領域30sに移動することによる電流成分である。第2の電流成分は、光励起によって生じたホールhが、データ線側接合領域30eからエネルギーのより高いチャネル領域30cへ移動することによって発生するバイポーラ効果に起因する電流成分である。
バイポーラ効果に起因する第2の電流成分が生じ、チャネル領域30cのベースポテンシャルがポテンシャルLc1からポテンシャルLc2に引き下げられると、ソースである画素電極側ソース・ドレイン領域30dからドレインであるデータ線側ソース・ドレイン領域30sへ電子eが移動する。このときフローティング状態にある画素電極側ソース・ドレイン領域30dから電子eが抜き取られることになり、エミッタとしての画素電極側ソース・ドレイン領域30dのポテンシャルが、ポテンシャルLs1からポテンシャルLs2へと低下する(電位は、上昇する)。
すなわち、ドレイン側接合領域であるデータ線側接合領域30eにおいて光励起が生じた場合、ベースポテンシャルが低下すると共にエミッタとしての画素電極側ソース・ドレイン領域30dのポテンシャルも低下する。言い換えれば、データ線側接合領域30eにおいて光励起が生じた場合、ベース電位の上昇に伴ってエミッタ電位も上昇する。このため、ドレイン電流(即ち、コレクタ電流)が、抑制されることになる。
図7において、画素電極15が+フィールドの電位に保持される場合には、データ線側ソース・ドレイン領域30sがソース(あるいはエミッタ)となり、画素電極側ソース・ドレイン領域30dが、ドレイン(あるいはコレクタ)となる。
ドレイン側接合領域である画素電極側接合領域30fにおいて光励起が生じた場合、上述したように、光励起によって生じた電子eの移動による第1の電流成分と、バイポーラ効果に起因する第2の電流成分とが発生する。ここで、ソースとなるデータ線側ソース・ドレイン領域30sは、データ線6aと接続されているため、画素電極側ソース・ドレイン領域30dと異なりフローティング状態になく、電位の変化は生じない。
バイポーラ効果に起因する第2の電流成分が生じ、チャネル領域30cのベースポテンシャルがポテンシャルLc1からポテンシャルLc2に引き下げられ、ソースであるデータ線側ソース・ドレイン領域30sからドレインである画素電極側ソース・ドレイン領域30dへ電子eが移動すると、フローティング状態である画素電極側ソース・ドレイン領域30dに電子eが流れ込むことになり、コレクタとしての画素電極側ソース・ドレイン領域30dのポテンシャルが、ポテンシャルLd1からポテンシャルLd2へと上昇する(電位は、低下する)。しかし、コレクタとしての画素電極側ソース・ドレイン領域30dのポテンシャルの上昇は、上述したソースとしての画素電極側ソース・ドレイン領域30dのポテンシャルの低下とは異なり、ドレイン電流を抑制する働きは殆どない。ドレイン電流(即ち、コレクタ電流)は、エミッタ電位に対するベース電位の大きさよって殆ど決まるため、コレクタ電位が低下してもドレイン電流を抑制する働きは殆ど生じない。
このような現象は、特許文献1(特開2009─53477号公報)に記載されている。
従って、画素電極15が+フィールドの電位に保持される場合の方が、画素電極15が−フィールドの電位が保持される場合よりもドレイン電流(コレクタ電流)が流れやすく、光リーク電流が大きくなる。このため、+フィールドで蓄積容量16に蓄積された電荷は、−フィールドで蓄積容量16に蓄積された電荷よりも保持されにくく、ゲートオフ期間において−フィールドに比べて+フィールドでドレイン電極32の電位の大きな変化(降下)が生じる。
従って、画素電極15が+フィールドの電位に保持される場合の方が、画素電極15が−フィールドの電位が保持される場合よりもドレイン電流(コレクタ電流)が流れやすく、光リーク電流が大きくなる。このため、+フィールドで蓄積容量16に蓄積された電荷は、−フィールドで蓄積容量16に蓄積された電荷よりも保持されにくく、ゲートオフ期間において−フィールドに比べて+フィールドでドレイン電極32の電位の大きな変化(降下)が生じる。
「+フィールドにおけるTFTのリーク電流の抑制」
上述したように、+フィールドにおけるTFT30のリーク電流は、−フィールドにおけるTFT30のリーク電流よりも大きいため、ゲートオフ期間におけるドレイン電極32の電位変化が+フィールドと−フィールドとで異なるという非対称性が生じ、この非対称性によって液晶層50に直流成分の電圧が印加される。さらに、非対称性が大きくなると、クロストークや表示ムラなどの表示不具合が発生する恐れがある。このような表示不具合を抑制するためには、+フィールドにおけるTFT30のリーク電流を抑制(低減)することが重要である。
上述したように、+フィールドにおけるTFT30のリーク電流は、−フィールドにおけるTFT30のリーク電流よりも大きいため、ゲートオフ期間におけるドレイン電極32の電位変化が+フィールドと−フィールドとで異なるという非対称性が生じ、この非対称性によって液晶層50に直流成分の電圧が印加される。さらに、非対称性が大きくなると、クロストークや表示ムラなどの表示不具合が発生する恐れがある。このような表示不具合を抑制するためには、+フィールドにおけるTFT30のリーク電流を抑制(低減)することが重要である。
図6及び図7において、TFT30の光リーク電流は、光励起で発生するキャリア濃度、及び画素電極側ソース・ドレイン領域30d(ドレイン電極32)とデータ線側ソース・ドレイン領域30s(ソース電極31)との間のポテンシャル差(ソース電極31とドレイン電極32との間の電位差Vsd)に依存する。このため、以下の対策を講じることによって、TFT30の光リーク電流、すなわち+フィールド側のTFT30のリーク電流を抑制することができる。
1)TFT30に入射する光を抑制し、光励起によって発生するキャリア濃度を小さくする(対策1)。
2)ソース電極31とドレイン電極32との間の電位差Vsdを小さくする(対策2)。
特許文献1は、上記対策1を講じるために好適な構成、すなわちTFT30の光リーク電流を抑制するために好適な構成を有している。特許文献1に記載の方法(対策1)に加えて、上記対策2を講じることによって、TFT30の光リーク電流をさらに抑制することができる。
本発明は、上記対策2を講じるために好適な構成を有している。すなわち、特許文献1に記載の方法に加えて、本発明の構成を適用させることによって、+フィールドにおけるTFT30のリーク電流をさらに抑制することができる。以下に、その概要を説明する。
図8は、+フィールドにおけるドレイン電極及びソース電極の電位の状態を示す模式図であり、図5に対応している。図8において、+フィールドのゲートオフ期間におけるドレイン電極32及びソース電極31の電位の状態が実線で示され、それ以外の期間におけるドレイン電極32及びソース電極31の電位の状態は二点鎖線で示されている。図中の符号Vsdは、ソース電極31とドレイン電極32との間の電位差を示している。また、画像信号Vdは黒表示に対応する電位(Vd=±5V)であり、ソース電極31は最低電位(Vs1)に維持されているものとする。
図8に示すように、ドレイン電極32の電位は5−Vo(オフセット量)であり、ソース電極31の電位はVs1であるので、ソース電極31とドレイン電極32との間の電位差Vsdは、以下に示す式(1)で表される。
Vsd=5−Vo−Vs1…(1)
Vsd=5−Vo−Vs1…(1)
Vs1は−5−△V1であるので、Vsdは以下の式(2)で表される。
Vsd=10+△V1−Vo…(2)
Vsd=10+△V1−Vo…(2)
このように、ソース電極31が最低電位(Vs1)である場合には、+フィールドのゲートオフ期間におけるソース電極31とドレイン電極32との間の電位差Vsdは、10+△V1−Voとなる。
ソース電極31の電位をVSとし、画像信号の電位をVdとすると、ソース電極31とドレイン電極32との間の電位差Vsdは、以下の式(3)で表される。
Vsd=Vd−Vo−VS…(3)
Vsd=Vd−Vo−VS…(3)
上述したように、+フィールドにおけるソース電極31の電位は−5−△V1〜5−△V1の範囲にあり、画像信号Vdは0V〜5Vの範囲にある。すなわち、−5−△V1≦VS≦5−△V1、0≦Vd≦5という関係にあるので、Vsdは以下の式(4)で表される。
−5+△V1−Vo≦Vsd≦10+△V1−Vo…(4)
詳細は後述するが、Voは概略0.3V〜0.95Vの範囲にあり(図10参照)、△V1(S−TFT71のフィードスルー電圧)は概略0.1V〜0.3Vの範囲にあるので、△V1−Voは概略−0.85V〜0Vの範囲にある。よって、式(4)より、+フィールドのゲートオフ期間におけるソース電極31とドレイン電極32との間の電位差Vsdの最大値は、10+△V1−Voとなる。
−5+△V1−Vo≦Vsd≦10+△V1−Vo…(4)
詳細は後述するが、Voは概略0.3V〜0.95Vの範囲にあり(図10参照)、△V1(S−TFT71のフィードスルー電圧)は概略0.1V〜0.3Vの範囲にあるので、△V1−Voは概略−0.85V〜0Vの範囲にある。よって、式(4)より、+フィールドのゲートオフ期間におけるソース電極31とドレイン電極32との間の電位差Vsdの最大値は、10+△V1−Voとなる。
従って、+フィールドのゲートオフ期間において、ソース電極31とドレイン電極32との間に印加される電位差Vsdの最大値(10+△V1−Vo)を小さくすると、すなわち△V2を大きくすると、ソース電極31とドレイン電極32との間の電位差Vsdが小さくなり、TFT30のリーク電流を抑制することができる。
画像信号Vdは0V〜5Vの範囲で変化するので、ソース電極31とドレイン電極32との間の電位差Vsdも画像信号Vdに対応して変化する。このため、画像信号Vdの電位レベルによって、TFT30のリーク電流が異なる。例えば、中間調表示(Vd=±2.5V)に比べて黒表示(Vd=±5V)では、画像信号Vdの電位が大きく、ソース電極31とドレイン電極32との間の電位差Vsdが大きくなり、+フィールドにおけるTFT30のリーク電流も大きくなる。
画像信号Vdは0V〜5Vの範囲で変化するので、ソース電極31とドレイン電極32との間の電位差Vsdも画像信号Vdに対応して変化する。このため、画像信号Vdの電位レベルによって、TFT30のリーク電流が異なる。例えば、中間調表示(Vd=±2.5V)に比べて黒表示(Vd=±5V)では、画像信号Vdの電位が大きく、ソース電極31とドレイン電極32との間の電位差Vsdが大きくなり、+フィールドにおけるTFT30のリーク電流も大きくなる。
図9は、TFTの容量比、対向電極の電位のオフセット量、及びソース電極とドレイン電極との間の最大電圧(ソース電極とドレイン電極との間の電位差の最大値)を示す表である。図10は、TFTの容量比と対向電極の電位のオフセット量との関係を示す図である。ここで、TFT30の容量比とは、画素電極側ソース・ドレイン領域30dの寄生容量の容量値を蓄積容量16の容量値で除した指標であり、蓄積容量16の容量値に対する画素電極側ソース・ドレイン領域30dの寄生容量の容量値の割合に相当する。また、上述したように、画素電極側ソース・ドレイン領域30dの寄生容量は、第1の寄生容量cd1と第2の寄生容量cd2とで構成されるので、TFT30の容量比は、蓄積容量16の容量値に対する第1の寄生容量cd1の容量値及び第2の寄生容量cd2の容量値の合計値の割合に相当する。
図9及び図10の条件L及び条件Mは本実施形態に対応し、条件L及び条件Mの画素電極側ソース・ドレイン領域30dの第2の寄生容量cd2は、第1容量PC1と第2容量PC2とで構成される(図4参照)。さらに、条件Lの第2容量PC2の容量値は、条件Mの第2容量PC2の容量値よりも大きくなっている。より詳しくは、第1容量PC1が形成された領域、すなわち凹部17の中で画素電極側ソース・ドレイン領域30dと走査線3aとが平面的に重なった領域は、Z方向から見て条件Mよりも条件Lの方が広くなっている。
図9及び図10の条件Nは比較例に対応し、条件Nの画素電極側ソース・ドレイン領域30dの第2の寄生容量cd2は、第2容量PC2で構成され、第1容量PC1(すなわち凹部17)が形成されていない。
図9及び図10の条件Nは比較例に対応し、条件Nの画素電極側ソース・ドレイン領域30dの第2の寄生容量cd2は、第2容量PC2で構成され、第1容量PC1(すなわち凹部17)が形成されていない。
図9に示すように、TFT30の容量比は、条件Lが3.6%であり、条件Mが1.0%であり、条件Nが0.6%である。オフセット量Voは、条件Lが0.8Vであり、条件Mが0.3Vであり、条件Nが0.2Vである。+フィールドにおけるソース電極31とドレイン電極32との間の最大電圧は、条件Lが9.2+△V1であり、条件Mが9.7+△V1であり、条件Nが9.8+△V1である。ここで、△V1は、S−TFT71のフィードスルー電圧であり、概略0.1V〜0.3Vである。従って、+フィールドにおけるソース電極31とドレイン電極32との間の最大電圧は、条件Lが9.3V〜9.5Vであり、条件Mが9.8V〜10Vであり、条件Nが9.9V〜10.1Vである。ソース電極31とドレイン電極32との間の最大電圧は、条件N、条件M、条件Lの順に小さくなっている。換言すれば、ソース電極31とドレイン電極32との間の電位差Vsdは、条件N、条件M、条件Lの順に小さくなっている。その結果、+フィールドにおけるTFT30のリーク電流は、条件N、条件M、条件Lの順に小さくなる。
液晶装置100の表示領域Eにおいて、白色の背景に黒色のウインドウを表示させたときに、比較例の条件Nにおいて白色の表示であるべき領域に、光の透過率が低下した領域(すなわちクロストーク領域)が観測された。同じ条件で表示させた時に、本実施形態の条件L及び条件Mでは、そのようなクロストーク領域が観測されなかった。すなわち、本実施形態(条件L、条件M)では、+フィールドにおけるTFT30のリーク電流が抑制されているので、クロストークや表示ムラなどの表示不具合が抑制されていた。従って、TFT30の容量比、すなわち蓄積容量16の容量値に対する画素電極側ソース・ドレイン領域30dの寄生容量の容量値の割合は条件M以上であることが好ましい。具体的には、蓄積容量16の容量値に対する画素電極側ソース・ドレイン領域30dの寄生容量の容量値の割合は、1%以上であることが好ましい。
図10に示すように、TFTの容量比が大きくなるとオフセット量Voが大きくなり、例えばTFTの容量比5%でオフセット量Voが概略0.95Vとなる。
ソース電極31とドレイン電極32との間に印加される最大電圧は、10+△V1−Voであるので、オフセット量Voが大きい方が、ソース電極31とドレイン電極32との間の最大電圧を小さくすることができ、+フィールドにおけるTFT30のリーク電流を小さくすることができる。よって、オフセット量Voは大きい方が好ましい。
ソース電極31とドレイン電極32との間に印加される最大電圧は、10+△V1−Voであるので、オフセット量Voが大きい方が、ソース電極31とドレイン電極32との間の最大電圧を小さくすることができ、+フィールドにおけるTFT30のリーク電流を小さくすることができる。よって、オフセット量Voは大きい方が好ましい。
上述したように、対向電極23の電位Vcomは、外部回路によってオフセット量Voの電位調整が施される。ところが、外部回路の電位調整範囲は最大1Vであり、オフセット量Voが1Vを超えると、対向電極23の電位Vcomを適正な電位に調整できなくなる。液晶装置100や外部回路の性能バラツキを踏まえると、オフセット量Voは0.95V以下が好ましい。従って、TFT30の容量比、すなわち蓄積容量16の容量値に対する画素電極側ソース・ドレイン領域30dの寄生容量の容量値の割合は、5%以下であることが好ましい。
以上述べたように、本実施形態では、下地絶縁膜10bが薄くなった凹部17の中に第1容量PC1を設けることによって、半導体層30aの画素電極側ソース・ドレイン領域30dの寄生容量(第1の寄生容量cd1、第2の寄生容量cd2)及び対向電極23の電位Vcomのオフセット量Voを大きくし、ソース電極31とドレイン電極32との間の電位差Vsdを小さくすることができる。その結果、+フィールドにおけるTFT30のリーク電流が小さくなり、+フィールドと−フィールドとにおける画素電極15の電位波形の非対称性を小さくし、当該非対称性に起因するフリッカーや、リーク電流そのものによるクロストークや表示ムラなどの表示不具合を抑制することができる。
(実施形態2)
「電子機器」
図11は電子機器としての投射型表示装置(液晶プロジェクター)の構成を示す概略図である。図11に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
「電子機器」
図11は電子機器としての投射型表示装置(液晶プロジェクター)の構成を示す概略図である。図11に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230に、上述した実施形態1の液晶装置100を適用させることによって、クロストークや表示ムラなどの表示不具合が抑制された高品位の表示を提供することができる。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う液晶装置100及び該液晶装置100を適用する電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)下地絶縁膜10bが薄くなった凹部17の中に第1容量PC1を設けることによって、半導体層30aの画素電極側ソース・ドレイン領域30dの寄生容量を大きくするというトランジスターの構成は、液晶装置100に適用させることに限定されず、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子を有する発光装置にも適用させることができる。これによれば、同様にソース電極とドレイン電極との間の最大電位差を小さくし、トランジスターのリーク電流を小さくするという実施形態1と同等の効果を得ることができる。
(変形例2)上記液晶装置100が適用される電子機器は、実施形態2の投射型表示装置1000に限定されない。投射型表示装置1000の他に、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、または電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、POSなどの情報端末機器、及び電子手帳などの電子機器に、実施形態1に係る液晶装置100を適用させることができる。
3a…走査線、6a…データ線、6b…第1中継電極、6c…突出した突出部、7a…配線、7b…第2中継電極、10…素子基板、10a…素子基板本体、10b…下地絶縁膜、11a…第1絶縁膜、11b…第2絶縁膜、12…第1層間絶縁膜、13…第2層間絶縁膜、13…第3層間絶縁膜、14…第3層間絶縁膜、15…画素電極、15a…突出部、16…蓄積容量、16a…第1電極、16b…誘電体膜、16c…第2電極、16ch…開口部、17…凹部、18…配向膜、20…対向基板、20a…対向基板本体、21…遮光膜、22…層間絶縁膜、23…対向電極、24…配向膜、30…TFT、30a…半導体層、30c…チャネル領域、30d…画素電極側ソース・ドレイン領域、30e…データ線側接合領域、30f…画素電極側接合領域、30g…ゲート電極、30s…データ線側ソース・ドレイン領域、31…ソース電極、32…ドレイン電極、40…シール材、50…液晶層、70…サンプリング回路、71…S−TFT、100…液晶装置、101…データ線駆動回路、102…走査線駆動回路、103…検査回路、103…示した検査回路、104…複数の外部接続用端子、105…複数の配線、106…上下導通部、cd1…第1の寄生容量、cd2…第2の寄生容量、PC1…第1容量、PC2…第2容量。
Claims (5)
- 第1の方向に沿って配置され、誘電体層で覆われた走査線と、
前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って配置されたデータ線と、
画素電極と、
前記走査線に前記誘電体層を介して対向配置され、前記データ線に電気的に接続されたデータ線側ソース・ドレイン領域と前記画素電極に電気的に接続された画素電極側ソース・ドレイン領域とチャネル領域とを有する半導体層と、
前記半導体層を覆うゲート絶縁膜と、
前記半導体層に前記ゲート絶縁膜を介して対向配置されたゲート電極と、
を含み、
前記画素電極側ソース・ドレイン領域は、前記ゲート電極との間に形成された第1の寄生容量と、前記走査線との間に形成された第2の寄生容量とを有し、前記第1の方向と前記第2の方向とに交差する第3の方向から見て、前記第2の寄生容量は第1の領域及び第2の領域を有し、前記第1の領域の前記誘電体層の厚みは前記第2の領域の前記誘電体層の厚みより薄いことを特徴とする電気光学装置。 - 前記半導体層のチャネル領域、前記半導体層の画素電極側ソース・ドレイン領域と前記画素電極とが電気的に接続されたコンタクト領域、及び前記第2の領域は、この順で前記第1の方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記半導体層が配置された領域は、前記第3の方向から見て、前記走査線が配置された領域に含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
- 前記半導体層の画素電極側ソース・ドレイン領域に電気的に接続された蓄積容量を有し、
前記第1の寄生容量の容量値及び第2の寄生容量の容量値の合計は、前記蓄積容量の容量値の1%から5%の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気光学装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気光学装置を有していることを特徴とする電子機器。
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JP2013028663A JP2014157304A (ja) | 2013-02-18 | 2013-02-18 | 電気光学装置、電子機器 |
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JP2013028663A JP2014157304A (ja) | 2013-02-18 | 2013-02-18 | 電気光学装置、電子機器 |
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JP (1) | JP2014157304A (ja) |
-
2013
- 2013-02-18 JP JP2013028663A patent/JP2014157304A/ja active Pending
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