JP2014157159A - 軸受摩擦測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定精度の一層の向上を図ることができる軸受摩擦測定方法及び軸受摩擦測定装置を提供する。
【解決手段】モータ36を駆動して測定対象の軸受20に支持された回転軸30に回転力を付与して回転軸30及び錘32から成る回転体を回転させる。その後、前記回転軸30に対する回転力の付与を停止して前記回転体を自走回転させ、そのときの回転角加速度を求める。摩擦トルクは、前記回転体の慣性モーメントと前記回転角加速度とから算出される。
【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンやタービン、モータ等の軸受の性能評価試験等に用いられる軸受摩擦測定方法に関する。
エンジン、タービン、モータ等の回転機械には多数の、また多種類の軸受が用いられている。このような軸受の性能評価試験の一つに摩擦試験がある。摩擦の少ない軸受は摩耗や破損が少ないため、これを用いる機械は効率が良く信頼性が高い。従って、軸受性能の一層の改良を図る上で、軸受に発生する摩擦を精度良く測定する方法や装置の開発は重要な課題である。
従来の摩擦試験では、例えば回転軸にトルク計を取り付けたり、軸受に荷重計を取り付けたりして、その測定値から摩擦トルクを求める方法が主に用いられていた。ところが、これらの摩擦測定方法は、回転軸や軸受等の構造体のひずみをひずみゲージで測定し、このひずみから摩擦トルクを求める方法であるため、摩擦のような微小トルクによる応力に対して感度が低い。また、残留ひずみによりゼロ点移動しやすく、摩擦測定時に軸や軸受など構造体に発生する振動や衝撃による変形に伴うひずみによっても誤差が発生し易い。
これに対して、軸受に支持された回転体を定常回転させた後、その慣性力で自走回転させ、自走開始点から停止点までの時間と回転体の回転角度との関係から摩擦トルクを求める方法が提案されている(特許文献1,2参照)。この方法では、ひずみゲージ式摩擦測定の問題点を解消し、摩擦トルクを測定できる。
特開平11-142263号公報([0008],図1,図3) 特開平11-241957号公報(図1,図2)
ところで、回転体の回転角速度や回転角加速度の変化に伴いすべり軸受では軸と軸受間の相対速度が変化し、軸受内の潤滑油膜のせん断抵抗が粘度と速度に比例するニュートン流体の性質から摩擦抵抗が変化する。速度変化に伴い軸受内の軸の軸心位置が変化し、これに伴い潤滑油膜の厚さも変化する。また、回転体の回転速度が変化すると遠心力が変化するため、回転体の荷重が変化する。ところが、上記した方法では、回転体の回転角速度や角加速度に関係なく摩擦抵抗を一定として摩擦トルクを求めているため、摩擦トルクの測定精度が十分に高いとはいえなかった。
本発明が解決しようとする課題は、測定精度の一層の向上を図ることができる軸受摩擦測定方法を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る軸受摩擦測定方法は、
測定対象の軸受に回転可能に支持された回転体に回転トルクを付与することにより前記回転体を回転させ、
前記回転体に対する回転トルクの付与を停止して前記回転体を自走回転させ、
前記回転体の自走回転時における回転角加速度を求め、
前記回転体の慣性モーメントと前記回転角加速度とに基き前記測定対象の軸受の摩擦トルクを求める軸受摩擦測定方法であって、
前記回転体の自走回転時における、15°以下の、角速度計算上の微小角度の回転時間から前記回転角速度を連続的に測定し、前記回転角速度の変化から前記回転角加速度を求め、
前記回転体の重心と回転中心軸との距離がr(但し、r>0)、前記回転体の慣性モーメントがI、前記回転体の質量がM、前記回転体の回転角加速度がαであるときは、
前記軸受の摩擦トルクTを、次の式
Figure 2014157159
(但し、gは重力加速度、θは水平線からの回転体の回転角度を示す。)
から求め、
任意の回転角度θとなる時刻をt、回転角度θとなる時刻をtとし、時刻ti(i=1〜n)における回転角度をθ、時刻tにおける回転角加速度をαとしたとき、前記回転体の慣性モーメントIを、次の式
Figure 2014157159
から求めることを特徴とする。
前記回転体の自走回転は軸受と軸間の摩擦抵抗や軸受内に生じる摩擦抵抗によって減速し、やがて停止する。従って、前記回転体の自走回転時の回転角速度を連続的に測定し、前記回転角加速度の変化から回転角加速度を求めるようにすると、回転体の摩擦トルクの変動や1回転の平均摩擦トルクを求めることができる。
また、前記回転体の自走回転時の微小時間における前記回転角速度の変化から前記回転角加速度を求めるようにすると、瞬時の摩擦トルクを求めることができる。
上記方法においては、前記回転体に着脱可能に取り付けられて当該回転体と一体的に回転し、慣性モーメントがI、重心が前記回転体の回転中心軸上に位置する付加回転体を備え、
前記回転体の質量M、偏心距離rが未知であり、前記回転体に前記付加回転体を取り付けた組立体の時刻t'における回転角加速度がα'のときは、前記回転体の慣性モーメントIを、次の式
Figure 2014157159
から求め、この求めたI又は既知のIを用いて前記回転体の重心の偏心距離rと前記回転体の質量Mと重力加速度gとの積を、次の式
Figure 2014157159
から求めると良い。
また、本発明に係る軸受摩擦測定方法は、
測定対象の軸受に回転可能に支持された回転体に回転トルクを付与することにより前記回転体を回転させ、
前記回転体に対する回転トルクの付与を停止して前記回転体を自走回転させ、
前記回転体の自走回転時における回転角加速度を求め、
前記回転体の慣性モーメントと前記回転角加速度とに基き前記測定対象の軸受の摩擦トルクを求める軸受摩擦測定方法であって、
前記回転体の自走回転時における、15°以下の、角速度計算上の微小角度の回転時間から前記回転角速度を連続的に測定し、前記回転角速度の変化から前記回転角加速度を求め、
前記回転体の重心と回転中心軸との距離がr(但し、r>0)、前記回転体の慣性モーメントがI、前記回転体の質量がM、前記回転体の回転角加速度がαであるときは、
前記軸受の摩擦トルクTを、次の式
Figure 2014157159
(但し、gは重力加速度、θは水平線からの回転体の回転角度を示す。)
から求め、
前記回転体の回転角加速度又は回転角速度を実験的に求め、これら回転角加速度又は回転角速度から抽出した振動成分の振幅と、前記回転体の慣性モーメントI、前記回転体の質量M、前記回転体の重心と回転中心軸との距離r、重力加速度gとの関係から前記回転体の慣性モーメントIを求めることを特徴とする。
上記方法においては、前記回転体に着脱可能に取り付けられて当該回転体と一体的に回転し、慣性モーメントがI、重心が前記回転体の回転中心軸上に位置する付加回転体を備え、前記回転体に前記付加回転体を取り付けた組立体の回転角加速度又は回転角速度を実験的に求め、これら回転角加速度又は回転角速度から抽出した振動成分の振幅と、I、I+I、M、r、gの関係を利用して慣性モーメントI及び前記回転体の重心の偏心距離rと前記回転体の質量Mと重力加速度gとの積を求めると良い。
さらに、本発明に係る軸受摩擦測定方法は、
測定対象の軸受に回転可能に支持された回転体に回転トルクを付与することにより前記回転体を回転させ、
前記回転体に対する回転トルクの付与を停止して前記回転体を自走回転させ、
前記回転体の自走回転時における回転角加速度を求め、
前記回転体の慣性モーメントと前記回転角加速度とに基き前記測定対象の軸受の摩擦トルクを求める軸受摩擦測定方法であって、
前記回転体の重心が回転中心軸上に位置するとき、前記回転体に着脱可能に取り付けられて当該回転体と一体的に回転する付加回転体を備え、
前記回転体に前記付加回転体を取り付けた組立体の自走回転時における、15°以下の、角速度計算上の微小角度の回転時間から前記組立体の回転角速度を連続的に測定し、前記回転角速度の変化から前記組立体の回転角加速度を求め、
前記組立体の回転角加速度がα、前記回転体の慣性モーメントがI−I、前記付加回転体の重心と前記回転体の回転中心軸との距離がr(r>0)、前記付加回転体の質量がM、前記付加回転体の慣性モーメントがIであるときは、
前記軸受の摩擦トルクTを、回転体の質量を付加回転体の質量M、回転体の重心と回転中心軸との距離を前記付加回転体の重心と前記回転体の回転中心軸との距離rに置き換えた次の式
Figure 2014157159
から求め、
前記回転体に前記付加回転体を取り付けた前記組立体の任意の回転角度θにおける時刻をt、回転角度θとなる時刻をtとし、時刻t(i=1〜n)における回転角加速度をαとすると、
前記組立体の慣性モーメントIを、回転体の質量を付加回転体の質量M、回転体の重心と回転中心軸との距離を前記付加回転体の重心と前記回転体の回転中心軸との距離rに置き換えた次の式
Figure 2014157159
から求め、
この前記組立体の慣性モーメントIから前記付加回転体の慣性モーメントIを引いた値を、前記回転体の慣性モーメントI−Iとすることを特徴とする
さらにまた、本発明に係る軸受摩擦測定方法は、
測定対象の軸受に回転可能に支持された回転体に回転トルクを付与することにより前記回転体を回転させ、
前記回転体に対する回転トルクの付与を停止して前記回転体を自走回転させ、
前記回転体の自走回転時における回転角加速度を求め、
前記回転体の慣性モーメントと前記回転角加速度とに基き前記測定対象の軸受の摩擦トルクを求める軸受摩擦測定方法であって、
前記回転体の重心が回転中心軸上に位置するとき、前記回転体に着脱可能に取り付けられて当該回転体と一体的に回転する付加回転体を備え、
前記回転体に前記付加回転体を取り付けた組立体の自走回転時における、15°以下の、角速度計算上の微小角度の回転時間から前記組立体の回転角速度を連続的に測定し、前記回転角速度の変化から前記組立体の回転角加速度を求め、
前記組立体の回転角加速度がα、前記回転体の慣性モーメントがI−I、前記付加回転体の重心と前記回転体の回転中心軸との距離がr(r>0)、前記付加回転体の質量がM、前記付加回転体の慣性モーメントがIであるときは、
前記軸受の摩擦トルクTを、回転体の質量を付加回転体の質量M、回転体の重心と回転中心軸との距離を前記付加回転体の重心と前記回転体の回転中心軸との距離rに置き換えた次の式
Figure 2014157159
から求め、
前記組立体の回転角加速度又は回転角速度を実験的に求め、これら回転角加速度又は回転角速度から抽出した振動成分の振幅と、前記付加回転体の慣性モーメントI、前記付加回転体の質量M、前記付加回転体の重心と前記回転体の回転中心軸との距離r、重力加速度gとの関係から前記組立体の慣性モーメントIを求め、
この前記組立体の慣性モーメントIから前記付加回転体の慣性モーメントIを引いた値を、前記回転体の慣性モーメントI−Iとすることを特徴とする。
以上のように本発明に係る軸受摩擦測定方法及び装置によれば、振動や衝撃によって発生するひずみの摩擦測定への影響を無くし、軸受自身で発生する摩擦、軸受と回転体との間に発生する摩擦、潤滑油の粘性等の様々な要因が及ぼす影響を反映した真の摩擦トルクを求めることができる。従って、本発明に係る軸受摩擦測定方法及び装置を用いることにより、軸受の摩擦トルクを精度良く求めることができ、軸受の摩擦に関する性能評価の信頼性を高めることができる。
本発明の測定対象となるすべり軸受の説明図。 本発明の別の測定対象となる転がり軸受の説明図。 回転体に取り付ける慣性付加体を示す図。 パルス波形の概念図。 本発明の第1の実施例に係る軸受摩擦測定装置の正面図。 測定対象の軸受の分解斜視図。 回転角度検出装置の正面図。 位置決めストッパと軸及びスリット円板との位置関係を示す図。 概略的な電気的構成を示す図。 回転体の重心が回転中心に位置するときの軸表面速度と摩擦係数との関係を示す図。 回転体の重心が偏心しているときの軸表面速度と摩擦係数との関係を示す図。 1回転の回転角速度の変化を示す図。 1回転の回転角加速度の変化を示す図。 本発明の第2の実施例を示す図5相当図。 本発明の第3の実施例を示す図5相当図。 本発明の第4の実施例を示す軸受摩擦測定装置の正面図。 回転体の構成を示す図。 本発明の第5の実施例に係る軸受摩擦測定装置の一部を示す図。 本発明の第6の実施例に係る軸受摩擦測定装置の一部を示す図。 回転体に検出方向が接線方向の1個の加速度計を取り付けた例を示す図。 加速度計の出力信号を示す図。 図21Aの振動成分の図。 図21Aの単調な変化成分の図。 図21Aに電気的なフィルターをかけて分離した振動成分の図。 回転体に検出方向が半径方向の1個の加速度計を取り付けた例を示す図。 図21A相当図。 図24Aの振動成分の図。 図24Aの単調な変化成分の図。 回転体に2個の加速度計を取り付けた例を示す図。 図24Bの縦軸を加速度計の電圧信号に変換して示す図。 感度係数と加速度の大きさの算出結果を示す図。 重心が偏心している回転体に加速度計を取り付けた例を示す図。 重心が偏心している回転体に加速度計を取り付けた別の例を示す図。 加速度計の出力信号を示す図。
本発明の軸受摩擦測定方法では、測定対象の軸受に回転可能に支持された回転体に回転トルクを付与して回転させた後、回転トルクの付与を停止したときの前記回転体の自走回転時の回転角速度の変化、即ち回転角加速度を求め、その回転角加速度と前記回転体の慣性モーメントとから摩擦トルクを求めている。
この場合、回転角速度と回転角加速度は光学式回転角検出装置またはロータリーエンコーダまたはインダクタンス式回転角検出装置で回転体の回転角度と時間の関係を測定し、演算する。また、光学式回転計、磁界式回転計、ドップラー効果による速度計の測定値を利用して回転角速度を求め、データサンプリングの時間間隔と回転角速度の変化から回転角加速度求めることができる。これらの装置は基本的に回転体と非接触であり、回転角度、速度、加速度測定においてトルクを発生しない。
また、回転体の回転円の接線方向に振動測定などに用いる加速度ピックアップを取り付け、その増幅器と信号伝達器を取り付けて加速度から回転角速度を求めても良い。この場合、前記の加速度ピックアップと増幅器と信号伝達器も回転体の一部を構成し回転体の慣性モーメントに含まれる。前記の信号伝達器が接触式であれば被測定体の摩擦トルクに対して極めて小さい摩擦でなければならない。
回転体の重心が当該回転体の回転中心軸上に位置するときは、回転角加速度と慣性モーメントの積が摩擦トルクとなる。また、回転体の重心が回転中心軸上にないとき、即ち偏心しているときは、偏心距離と前記回転体の質量、回転角度(1回転の平均角速度)から摩擦トルクを求めることができる。
以下、摩擦トルクの測定原理を詳述する。 尚、以下では、次に示す記号を用いて説明する。式や記号は明記しない限りSI単位、kg、m、s、Nに基づく。
F:摩擦力(すべり軸受では軸受内軸表面のせん断応力の積分値)〔N〕
g:重力加速度〔m/s2
I:回転体の慣性モーメント〔kg・m2
M:回転体の質量〔kg〕
rg:回転軸と重心の距離(偏心距離)〔m〕
R:軸半径(回転中心から摩擦位置までの半径)〔m〕
t:時間〔s〕
T:トルク〔Nm〕
W:荷重〔N〕
α:回転体の角加速度〔rad/s2〕(減速時は負値)
θ:水平線からの回転体の回転角度〔rad〕
μ:摩擦係数
ω:回転体の角速度〔rad/s〕
添え字
f:摩擦
p:駆動
b:摩擦以外の抵抗または仕事による
x,y:水平,垂直軸方向
(A)すべり軸受の摩擦トルク測定原理
図1に示すすべり軸受で回転軸を支持する場合を想定する。前記回転軸における回転トルクは次の式(1)及び(2)で表される。
Figure 2014157159
Figure 2014157159
従って、軸受以外の抵抗がなく、駆動力が遮断されると回転系を支える全軸受の摩擦トルクは次の式(3)となる。
Figure 2014157159
尚、角加速度α〔rad/s〕、角速度ω〔rad/s〕、角度θ(水平線からの回転体の角速度)〔rad〕は次の関係にある。軸受1個当たりの摩擦トルクは全体の摩擦トルクTfを軸受数で割ったものであり、軸受1個当たりの荷重は全体の荷重Wを軸受数で割ったものである。
但し、以下の式は回転軸が反時計回りに回転する場合の角加速度を示す。時計回りに回転する場合は、垂直軸yに対して線対称すなわち回転角度θと水平軸xを逆にとる。
Figure 2014157159
以上より、回転体の重心が回転中心軸上に位置する場合(定荷重の場合)、回転中心軸上に位置していない場合(偏心荷重の場合)の摩擦トルクは次のように求めることができる。
(1)回転体の重心が回転中心軸上に位置する場合(定荷重の場合)
偏心距離rg=0であるため、 摩擦トルクTfは次の式で表される。
Figure 2014157159
従って、時刻t1と時刻t2の間の時間による平均摩擦トルクTfmは、時刻t1の時の角速度をω1、時刻t2の時の角速度をω2として、
Figure 2014157159
となり、時刻t1の時の角度をθ1、時刻t2の時の角度をθ2として角度による平均摩擦トルクTfmは、
Figure 2014157159
となる。尚、角速度が変化するときは、式(6)に従って時間による平均摩擦トルクを求めることが望ましい。このときの荷重Wは、式(8)となる。
Figure 2014157159
(2)偏心荷重の場合
この場合の摩擦トルクTは次の式(9)から求められる。
Figure 2014157159
従って、時刻t1と時刻tの間の時間による平均摩擦トルクTfmは、
Figure 2014157159
となる。また、時刻t1の時の角度をθ1,tnの時の角度をθn とすると、角度による平均摩擦トルクTfmは、
Figure 2014157159
となる。
従って、慣性モーメントI、偏心距離rg、回転体の質量Mが既知であれば、平均摩擦トルク、瞬時摩擦トルクを求めることができる。
また、θn−θ1=2πとすると、次の式(12)で1回転の平均摩擦トルクを求めることができる。
Figure 2014157159
尚、角速度が変化する場合には、式(10)に従って時間による平均摩擦トルクを求めることが望ましい。また、角速度の変化が小さいときは、一回転で、
Figure 2014157159
として良い。回転体の接線方向が摩擦力の方向であることから、軸受に対する荷重Wは、半径方向及び重力方向の荷重Wx及びWyから求めることができる。ここで、
Figure 2014157159
であるから、
Figure 2014157159
となり、時間による平均荷重Wは、
Figure 2014157159
となる。
一方、慣性モーメントI、回転中心から重心までの距離rgが未知の場合は、次のようにして求めることができる。
即ち、上記式(9)より、任意の時刻をti、回転角度をθi、回転角速度をαiとすると、瞬時摩擦トルクTfiは、
Figure 2014157159
と表すことができる。従って、式(15)及び上記式(10)で時刻ti(i=1〜n)における回転角度をθi、時刻tiにおける回転角加速度をαiとし、瞬時摩擦トルクTfiと平均摩擦トルクTfmの差δi は、
Figure 2014157159
となり、δiの自乗和fをとると、
Figure 2014157159
となる。fを最小にする慣性モーメントIを求めるため、fをIで偏微分し、これを0とする。
Figure 2014157159
I及びMrg は時間や角度と独立であるため、式(18)は次のように変形することができる。
Figure 2014157159
式(19)をIについて解くと、
Figure 2014157159
となる。従って、回転体の質量M、偏心距離rが既知の場合は、上記式(20)から慣性モーメントIを求めることができる。時刻tにおける回転角度θi(i=1〜n)は任意でよいが、式(20)の性質から、回転角度θiの少なくとも2つは1回転内における角度位置が異なっていなければならない。即ち、全ての回転角度θが、異なる回転回数の同じ角度位置であってはならない。また、理想的にはθ−θ=2πがよい。
回転体の質量M、偏心距離rgが未知の場合は、回転中心軸上に重心が位置する既知の慣性モーメントIを有する物体(以下、「付加回転体」という)を付加して同様の実験を行うことにより、上記した式(15)〜(20)と同様に計算できる。
即ち、このときの加速度をα'、時間をt'とすると、上記式(15)は次のように表される。
Figure 2014157159
付加回転体は、質量M0を有していても、回転中心軸から重心までの距離rg0=0であるため、M0rg0g=0となり、式(17)〜(20)はαをα'に置き換えた式に書き直すことができる。つまり、式(20)は、
Figure 2014157159
となる。なお、便宜上、回転体に関する式(αを用いた式)及び付加回転体に関する式(α'を用いた式)のいずれにおいてもn、θiを用いて表したが、両者で用いられているn、θiは同じとは限らない。むしろ異なることが多い。また、式(20)よりMrggは、
Figure 2014157159
となるから、式(20-2)を式(20-1)に代入すると、
Figure 2014157159
となる。式(21)をIについて解くと、
Figure 2014157159
を得る。
また、式(22)と式(20-2)とから、
Figure 2014157159
となる。なお、上記各式の積分は、関数表示が可能な特別な場合を除き、実際には数値積分で行うことになる。
付加回転体を付加せずに行った実験によりαは既に求められているため、式(22)から慣性モーメントIを求めることができ、式(23)からMrggを求めることができる。また、このMrggをMgで割れば偏心距離rgが求められる。
Mrggが決定すれば、このMrggを式(15)と式(10)に代入することにより、瞬時の摩擦トルクと1回転の平均摩擦トルクが求められる。
なお、摩擦トルクは、以下に示す簡易計算によっても求めることができる。
回転トルクすなわち、式(15)と式(15’)とを比較し、測定した加速度の平均的な変化を摩擦によるものとする。また、周期的な変動を重力による成分とする。そして、これらから周期的な変動を三角関数で近似し、その振幅から簡易的に慣性モーメントや重心位置を求めることができる。
平均摩擦トルクは式(11)の積分区間の幅に回転の整数倍の周期とする余裕を持たせることにより、次の式で求めることができる。ここで、 時刻tの時の角度をθ、時刻tの時の角度をθ とする。
Figure 2014157159
θ −θ=2πJ J:整数
これを用いて式(9)を単調な速度減少と周期的な変動成分に分離し、
Figure 2014157159
を得る。これを時間で積分することにより、角速度ωは、
Figure 2014157159
となる。上記2式から角加速度αは定数成分+振動(変動)成分、角速度ωは定数成分+時間に対する1次成分+振動(変動)成分となる。
従って、数値的な平均化手法、振動解析手法などにより、実験的に求めた角加速度αを定数と振動成分に分離し、角速度ωを定数成分と時間に対する1次成分と振動(変動)成分に分離する。実験で得られた角加速度の振動成分を、
Figure 2014157159
で近似し、その振幅を
Figure 2014157159
として簡易的に慣性モーメントを求めることができる。また、実験で得られた角速度の振動成分を
Figure 2014157159
で近似し、その振幅を
Figure 2014157159
として簡易的に慣性モーメントを求めることもできる。
ここで、角速度を用いるか角加速度を用いるかは実験手段にもよるが、一般には角速度によると、実験データの数値微分による誤差の影響を受けにくい。また、最小自乗法などの数学的な最適化法を適用するとよりよい。上記の手法を式(20)、(20−1)に代えて用いれば、慣性モーメントや重心を容易に求めることができる。式(20)から(23)は最小自乗法の考えを取り込んだもっとも厳密な記述の一つである。しかし、実験装置の測定精度などに問題がある場合は、近似的手法のほうが良い場合が多い。
(3)尚、重心が回転軸上にある回転体の慣性モーメントが未知の場合は次のようにして求めることができる。
即ち、慣性モーメント、重心位置、質量が既知の物体を、その重心が回転軸から大きくずれるように測定対象の回転体に取り付ける。そして、測定対象の回転体と慣性モーメント等が既知の物体とを結合した回転系について(2)で示した方法と同様の測定を行い、回転系全体の慣性モーメントを求める。求められた慣性モーメントから既知の物体の慣性モーメントを引けば、測定対象の慣性モーメントが求められる。
ここで、上記(1)回転体の重心が回転中心軸上にある場合と(2)偏心荷重の場合の何れにおいても、軸受内の軸表面速度Vは、次の式で表わされる。
Figure 2014157159
一方、摩擦係数μは摩擦力Fと回転体の重力や遠心力の合成荷重Wの比、式(25)で算出される。ここで、摩擦トルクTfは式(5)または式(9)から求まり、荷重Wは式(8)または式(13)から求まる。
Figure 2014157159
なお、式(25)で摩擦トルクTfを式(10)の平均摩擦トルクTfmにおきかえ、荷重Wを式(14)の平均荷重Wmにおきかえると摩擦係数μは平均摩擦トルクと平均荷重に対する値となる。
(B)転がり軸受における摩擦トルクの測定原理
図2に示す転がり軸受で回転軸(回転体)を支持している場合を想定する。内輪の回転角速度をω、外輪の回転角速度をω0、外輪の内側を玉またはころの自転の角速度ωc、玉またはころの中心の回転軸の中心に対する回転(公転)角速度ωcaとすると、転がり軸受の幾何学的形状から、ωc及びωcaとの間には次の関係がある。
Figure 2014157159
ここで、Rc:内輪の玉またはころ接触位置の半径 〔m〕、rc:玉又はころの半径〔m〕を示す。よって、玉又はころの回転軸に対する回転(公転)の角速度及び角加速度は次のようになる。
Figure 2014157159
玉又はころの自転の角速度及び角加速度は下記のようになる。
Figure 2014157159
ここで、内輪が回転体に固定され、外輪が軸受枠に固定され停止している1段の転がり軸受について考える。すなわち、内輪と回転体の回転角速度は同じω、外輪の回転角速度はω0=0である。そして、
I:回転体の回転中心軸に対する慣性モーメント 〔kg・m2
IA:回転中心(玉またはころの公転)軸に対する慣性モーメント 〔kg・m2
IB:玉またはころの自転中心軸に対する玉またはころの慣性モーメント 〔kg・m2
IC:回転中心軸に対する内輪の慣性モーメント 〔kg・m2
p:1軸受当たりの玉またはころの個数
q:試験機中の軸受個数
とすると、回転トルクのつり合いを表す式(1)は、次のように書き換えることができる。
Figure 2014157159
式(32)を下記のように表す。
Figure 2014157159
玉、或いはころが1段の転がり軸受は外輪が停止しているため、ω0=0であれば、
Figure 2014157159
となる。
即ち、転がり軸受の場合は、すべり軸受の慣性モーメントIに内輪の慣性モーメントを加え、さらに玉或いはころの回転中心軸(公転の中心軸)に対する慣性モーメントと自転中心軸に対する慣性モーメントの影響を補正したI'を慣性モーメントとして用いることができる。軸受内の内輪表面速度Vは式(24)におけるRをRCとすれば求められる。
従って、上記式(1)から(23)のIをI'に置き換えれば、すべり軸受の式は全て転がり軸受に適用できる。
また、転がり軸受には、複数段のもの、内輪と外輪の間に中間輪と玉またはころを持つものが想定される。このような転がり軸受の場合は、各段について幾何学的な形状及び物理法則に従った上記の作業を繰り返すことにより、適切なI'を導くことができる。この場合、ある段の外輪が外側の段の内輪となり、内輪が内側の段の外輪となる。
(C)慣性モーメントの求め方
回転軸と錘とからなる回転系全体の回転中心に対する慣性モーメントの求め方について説明する。
回転系の慣性モーメントは、回転系の寸法と密度から計算することができる。例えば、内半径をri、外半径をRi、長さbiの円筒状の回転体の慣性モーメントIiは、次の式で表される。
Figure 2014157159
ここで、ρは回転体の密度を示す。また、重心は回転軸上にありrgi=0である。
一方、円筒体から一部、例えば図3に黒く塗りつぶして示す弓形部分を切り取った残りの部分の慣性モーメントIiは次の式で表される。
Figure 2014157159
尚、βは、円筒体から切り取る弓形部分を定義する回転中心上の角度を示す(図3参照)。また、このときの重心の回転中心からの偏心距離rgi は次の式で表される。
Figure 2014157159
一方、慣性モーメントはつりさげ法により測定することができる。
そして、回転系を構成する各部品(回転軸や錘等)の慣性モーメントをIi(i=1〜n)、各質量Mi(i=1〜n)、各重心rgi(i=1〜n)とすると回転系全体の慣性モーメントIと重心rgは次の式で表される。
Figure 2014157159
従って、各部品の慣性モーメントを測定或いは計算により求めることにより回転系全体の慣性モーメントIを求めることができる。
(D)回転系の回転の角速度、角加速度の求め方
(1)パルス間隔の測定による算出方法
パルス発生装置を回転系に取り付け、発生パルスの時間測定により角速度ωと角加速度αを算出する例を以下に示す。ここでは、スリット円板などに光学式検出器を取り付け、回転角度位置に対応するパルス信号を発生させる場合について述べる。
パルス信号電圧は、高速ADコンバータ(AD変換機)でAD変換しコンピュータに収録する。サンプリングの実時間でのパルス間隔を測定し、パルス発生手段の間隔(スリット円板に設けられたスリット間の角度)から角速度を算出し、角速度の変化から角加速度を算出する。
例えばスリット間隔がΔθ[rad]であれば,測定時の前後角Δθのパルス間隔Δt1[s] とΔt2[s]から平均の角速度ωは、
Figure 2014157159
となり、角加速度αは、
Figure 2014157159
となる。図4に示すように、1回転に1回のパルス測定時は、
Figure 2014157159
となる。パルス間隔は任意に設定でき、物理的、数学的な原理に従えば計算法も上記に限られるものではない。
1回転に多くのパルスを発生させると、回転変動のトルク計測も出来る。実時間でのパルス間隔を測定できれば、データ収録は上記に限られるものではない。パルス間隔は、立ち上がり、立下りパルスの中央いずれでもよい。
(2)カウンターによるパルスカウントからの算出方法
パルス発生手段が非常に短い時間間隔で発生するパルス数をカウンターでカウントする。パルス発生手段は等間隔に設けられたスリットを有しており、パルス発生手段のスリットの間隔(角度)とカウントしたパルス数とから角速度を算出し、その角速度の変化から角加速度を算出する。
例えば、1回転にn回のパルスを発生し、スリット間隔をΔθ[rad]とする。カウンターのカウント期間をΔt0、カウンターの動作間隔をΔtとする。カウンターによるカウントを連続2回行った場合のカウント数をそれぞれn1回、n2回とすれば、その前後各1回転の平均のパルス間隔から角速度ωは、
Figure 2014157159
となる。また、角速度の変化である角加速度αは、
Figure 2014157159
となる。なお
Figure 2014157159
である。
パルス間隔は任意に設定でき、物理的、数学的な原理に従えば計算法も上記に限られるものではない。カウンターの周波数応答が高ければΔθが小さいほど精度がよい。カウンターは、立ち上がりパルス、立ち下りパルスの中央のいずれをカウントしても良い。
上記(1)や(2)の方法の測定精度や測定限界は、スリットの精度や個数、検出器センサーの応答性、データ収録装置やADコンバータのデータサンプリング周波数、パーソナルコンピュータやソフトウェアの能力により決定される。
(3)加速度計を用いた算出方法
回転体に加速度計を取り付け、その検出結果から回転角加速度を求めることができる。そして、求められた回転角加速度から回転体の摩擦トルクを求めることができる。以下、加速度計を用いて回転体の回転角加速度を算出する例について説明する。
(3−1) 回転体の重心が回転中心軸上にある場合
図20に示すように、回転体の1箇所に検出方向が接線方向(図20中、矢印で示す方向)となるように加速度計を取付ける。この加速度計は通信手段を備える。前記通信手段は、例えばテレビのリモコンやラジコンカーのコントロール手段から構成することができる。軸受試験装置の外部には受信装置、ADコンバータ及びパソコンが設けられている。前記加速度計の通信手段は前記受信装置との間でデータを授受する。
初期速度がω0=100rad/s(n=955rpm)、の直径が288.5mm、慣性モーメントI=0.109 kgm2、回転体の質量が15.9kgであるとき、回転体の外周部に取り付けられた加速度計の出力は図21Aとなる。回転体の回転は単調に減速するが、加速度計の出力には振動成分が現れる。これは、回転体の角加速度による接線方向加速度と重力加速度を合成したものが加速度計で検出されるからである。一般的に回転体の回転の減速による加速度(つまり、接線方向の加速度)よりも重力加速度のほうが大きく、回転体の回転に伴い重力加速度が振動成分として加速度計に検出される。
そこで、加速度計の出力信号(図21A)を単調な変化成分(図21C)と振動成分(図21B)に分離する。図21Cに示す単調な変化成分asを加速度計の取り付け位置の回転軸からの距離hで除したものが軸受の摩擦による角加速度α=as/hである。hは回転体の外半径Rとすることが多い。
図21Aから図21B、図21Cへの分離は、例えば回転体の一回転の整数倍に相当する区間平均を移動させる移動平均法による値(これは、加速度計の出力の移動平均であり、回転体がn回転(nは整数)する区間平均の移動平均)を単調な変化成分(図21C)とし、加速度計の出力から単調な変化成分を引いた振動成分を重力加速度の影響(図21B)とする等、数学的な手法を用いて行なうことができる。図21B、図21Cは、数学的な手法を用いて得られた結果を示している。
なお、加速度計の出力に電気的なフィルターをかけて、加速度計の出力信号を単調な変化成分と振動成分(重力加速度の影響成分)に分離しても良い。例えば図22は加速度計の電気的出力を単調な変化成分と振動成分に分離した後の振動成分のみを電圧で示している。図22は図21Bに対応し、電圧の半幅値が重力加速度(振幅2g、g:重力加速度)に対応する。感度係数=2g/電圧振幅となるため、加速度を測定しながら加速度計の感度検定をすることができる。求めた感度係数を電圧の単調な変化成分に掛ければ加速度の単調な変化成分が求まり、これから摩擦トルクが求められる。
図23は、検出方向が半径方向となるように回転体に加速度計を取り付けた例を示している。前記加速度計は回転体の遠心力による半径方向の加速度を検出する。この場合の加速度計の出力を図24Aに示す。加速度計の検出方向が半径方向であるときは、角速度による半径方向加速度と重力加速度を合成したものが加速度計で検出される。一般的に半径方向の加速度は重力加速度より大きい。このため、図24Aに示すように、加速度計の出力には小さな振動成分しか現れない(図24Aの右上に拡大して示す)。
検出方向が接線方向である加速度計を用いる場合と同様に、数学的な手法または電気的な手法により加速度計の出力信号(図24A)を単調な変化成分(図24C)と振動成分(図24B)に分離する。図24Cの単調な変化成分asは角速度をω,加速度計の取り付け位置の回転軸からの距離をhとするとhω2である。よって、
Figure 2014157159
となる。ωを時間で微分すれば角加速度αを求めることができ、この角加速度αから摩擦トルクが求められる。
図25は、回転体に2個の加速度計を取り付けた例を示している。2個の加速度計は、回転体の回転中心軸を挟んで点対称な位置に、且つ検出方向が逆方向(回転体の回転方向についてみると同じ方向)となるように取り付けられている。各加速度計の出力を加えると重力加速度は相殺され、回転角加速度による加速度成分は2倍になる。そこで、2つの加速度計の出力の和の1/2を測定値とし、これをhで除すれば軸受の摩擦による角加速度が求められる。
なお、感度が等しい2個の加速度計を用いれば、電気信号のまま加算することも可能で、摩擦による角加速度のデータ処理を簡単化できる。
図26Aは、図24Bの縦軸を加速度計の電圧信号に変換して示したものである。加速度計は加速度の絶対値が大きくなると感度が変化することがある。図26Aは重力gの方向変化による振動成分であるので、この振幅は2gに相当する。そこで、図26Aの振幅が2gに相当することを利用して感度係数と加速度の大きさの関係を算出することができる。その算出結果を図26Bに示す。実際の加速度の計算では、ゼロから測定時の加速度までの感度係数の平均値を電圧に掛けて加速度を求めることになる。
図21Bや図24Bに示す振動の周期や頻度を利用して角速度を求めることも出来る。これもパルスによる処理の方法の一つであり、上述したパルス発生装置を回転系に取り付けた場合と同様の処理となる。振動成分を矩形パルスに整形しても良い。
接線方向の加速度を検出する加速度計を用いる場合は、その最大検出値が重力加速度よりやや大きい程度となる高感度の加速度計を選び、回転中心から出来るだけ離れた位置に(つまり、hができるだけ大きくなるように)取り付けることが望ましい。
半径方向の加速度を検出する加速度計を用いる場合は、その最大検出値が重力加速度よりもはるかに大きい加速度計を選び、測定範囲と加速度計の性能(加速度計の検出可能範囲や検出感度等)によって回転中心からの取り付け距離(h)を決めることが望ましい。重力加速度の影響は、回転体の半径方向に小さく、接線方向に大きいので、接線方向を回転周期(パルスカウント)用出力、半径方向を遠心加速度(角速度)用出力とする回転測定器にも応用できる。
(3−2) 回転体の重心が回転中心から偏心している場合
重心が偏心している回転体に接線方向の加速度を検出する加速度計を取り付けた例を図27Aに示す。偏心軸に対する加速度計の取り付け角をθsとする。回転体の重心が偏心していると、重力の影響で回転加速度に振動が出る。このため、回転角速度にも振動が現れる。また、加速度計自体も重力を検出するので、偏心軸に対する加速度計の取り付け角θsに応じた位相差も生じる。しかし、全体としては回転体の重心が回転中心軸上にある場合と同じであると考えることができる。
ただし、重力を利用して加速度計の感度検定を行なうときには偏心の影響が出る。慣性モーメント、質量、重心と回転軸の距離が既知であれば、これらを用いて補正することにより検定できる。厳密な測定でなければ、回転体の重心が回転中心軸上にある場合と同じように扱っても差し支えない。また、図25に示したように、2個の加速度計を用いて重力の影響を相殺する方法も使用可能である。
回転体の重心が偏心している場合に、接線方向の加速度を検出する加速度計の取り付け位置と方向から重力加速度の影響を消去する方法がある。また、重力加速度の影響を消去する加速度計の取り付け位置から、慣性モーメントや重心×質量(重心と質量の積)を求めることができる。
すなわち、加速度計の位置や方向を工夫することで加速度計の重力の感度を相殺することができる。図27Bは、慣性モーメントI=0.0264kgm2、重心位置rg=0.00916m、回転体の質量=5.06kg、直径=200.4m、初期速度ω0=100rad/sである回転体に、h=570mmとなるように加速度計を取り付けた例を示している。この場合の加速度計の出力を図28に示す。図28に示すように、加速度計の信号は振動するが、hを大きくすることにより重力による振動を取り除いている。ここで、
Figure 2014157159
であり、
Figure 2014157159
すなわち、
Figure 2014157159
とする。
重力振動が加速度計に表れないh位置を実験的に調べることで、上記式から未知の慣性モーメントを求めることができる。また、既知の付加的な慣性モーメントの物体を取り付け、振動が加速度計に表れないhの位置変化を測定することで、重心位置なども測定しうる。
遠心力にも角加速度や角速度の振動(変動)の影響が表れるが、回転体の重心が回転中心軸上にあり、角加速度や角速度が単調に変化する場合と概ね同じである。慣性モーメント、質量、重心が分かれば力学と数学の原理に基づき角加速度や角速度の振動(変動)と重力加速度による変動を分離し補正することも可能である。
このように、本発明の摩擦測定方法では、測定対象の軸受のみで回転体を支持し、駆動源で軸を高速回転させた後、駆動源(駆動系)から回転体を切り離す。これにより、回転体の回転は軸受と軸間の摩擦によるトルクで減速するため、この減速の加速度と回転体の慣性モーメントとから摩擦トルクを測定する。つまり、本発明は、物理法則に従って摩擦トルクを測定する方法である。本発明では最高回転から停止直前まで、回転に対する摩擦を簡単にかつ連続的に測定できる。小さな摩擦も高精度に且つ容易に測定できる。
また、本発明の測定方法は、例えばパルスを利用した測定方法であり、精度良くパルスを発生させ、測定することにより、極めて高精度で微小な角速度の変化を検出できる。このため、極めて高精度で摩擦トルクを測定できる。特に、回転軸にトルク計等を取り付けて摩擦トルクを直接測定(例えばひずみゲージなどによるひずみ測定、光学的軸によるねじれ測定)していた従来技術に比べて、振動や衝撃の影響を受けにくく、軸受摩擦のような小さなトルクを精度良く測定することができる。
本発明は、機械部品である軸受や化学製品である潤滑油等の改良に伴う軸受摩擦の微妙な変化を検出することができる。従って、自動車や家電製品などの回転部を有する機械の性能改善に多大な貢献をするものと考えられる。また、本発明は、小型の電子機器から超大型の機器まで応用可能であり、軸受の摩擦が無視できるほど大きい摩擦、例えばブレーキやクラッチの試験機としても応用可能である。
次に、本発明を自動車用エンジンの軸受摩擦測定装置に適用した具体的な実施例について図5から図19を参照しながら説明する。
図5は実施例1に係る軸受摩擦測定装置の正面図である。軸受摩擦測定装置10は、基台12と、この基台12の上に配置された一対の軸受保持台14、駆動装置16、回転角検出装置18を備えて構成されている。
軸受保持台14の上部には測定対象の一対の軸受20がそれぞれ固定されている。前記軸受20は、例えば図6に示すような矩形枠状の固定枠22、この固定枠22内に固定されたハウジングケース24、ハウジング26、ハウジングケース蓋28等から成る。ハウジング26はエンジンのコネクティングロッドの軸受ハウジング部を用いることができ,コネクティングロッド全体または軸受ハウジング部を切り取って埋め込んでも良い。測定対象製品の軸受を切り取ってハウジング26とし、ハウジングケース24内部で挟み込む設計としても良い。ハウジング26の軸受面には、実際のコンロッド軸受(コネクティングロッド軸受)用メタル等をはめ込んで用いることもできる。
前記軸受20は1本の軸30を回転可能に支持している。前記軸30の左右両端部は、それぞれ軸受20よりも左方及び右方に延びている。前記軸30のうち軸受20間のほぼ中央に位置する部分には円盤状の錘32が固定されている。一対の軸受20で回転体を支持する場合は、軸受20に対する荷重が均等になるように配慮する必要があり、本実施例では、軸30に錘32を取り付けることによって軸受20に対する荷重を調節している。
前記駆動装置16は、前記基台12上の左部に配置されており、スライド機構34と、このスライド機構34の上に固定されたモータ36、このモータ36によって回転される駆動軸38、駆動軸38を回転可能に支持する軸受台40、前記モータ36の回転力を前記駆動軸38に伝達する変速機構42から構成されている。駆動軸38の右端部は右側の軸受台40よりも右方に突出しており、クラッチ44を介して前記軸30と連結されている。クラッチ44は、駆動軸38の右端部及び軸30の左端部にそれぞれ固定されたクラッチディスク45,45から構成されている。クラッチディスク45は、もう一方のディスク45との対向面に放射状に延びる多数の凹凸(図示せず)が形成されている。
駆動装置16はスライド機構34によって左右方向に移動されるように構成されている。スライド機構34によって駆動装置16が右方に移動されてクラッチディスク45同士が結合し、凹部と凸部とが噛み合うと、軸30と駆動軸38とが連結され、駆動軸38の回転力は軸30に伝達される。一方、スライド機構34によって駆動装置16が左方に移動されて両クラッチディスク45が離間(結合を解除)すると、軸30と駆動軸38との連結が解除され、駆動軸38の回転力は軸30に伝達されなくなる。つまり、クラッチ44及びスライド機構34から伝達手段が構成されている。
前記回転角検出装置18は、基台12上の右端部に配置された矩形板状の保持板46に保持された透過型のフォトセンサ48と、軸30の右端部に固定されたパルス発生手段としてのスリット円板50とから構成されている。前記フォトセンサ48は、コ字状のハウジング52内に収容された発光ダイオード54及びフォトトランジスタ55,56から構成されている(図7及び図9参照)。発光ダイオード54とフォトトランジスタ55,56とは対向配置されており、発光ダイオード54が発する光がフォトトランジスタ55,56に当たるように構成されている。
スリット円板50には多数の例えば360個のスリット58が外周部に沿って形成されている。また、前記スリット円板50の外周部のうち前記スリット58よりも内周部には1個のスリット60が形成されている。前記スリット円板50の外周部はハウジング52の両端部間に配置されている。発光ダイオード54とフォトトランジスタ55,56とはスリット58,60を挟んで向かい合っている。発光ダイオード54とフォトトランジスタ55,56の間をスリット58,60が通過するときは発光ダイオード54が発する光をフォトトランジスタ55,56が受光して1個のパルス信号を出力する。つまり、スリット円板50が一回転する間に、フォトトランジスタ55は360個のパルス信号を出力し、フォトトランジスタ56は1個のパルス信号を出力する。
従って、所定時間内にフォトトランジスタ55,56が出力するパルス信号の時刻や数から軸30の回転角度を測定することができる。
尚、保持板46には軸30の位置決めストッパ62が固定されている。位置決めストッパ62の先端はスリット円板50の右端面の回転中心に当接している。図8(a)に示すように、位置決めストッパ62の先端62aは尖っており、スリット円板50の右端面と回転中心軸位置で点接触している。回転中心軸位置で点接触するので、位置決めストッパ62の接触力は回転のトルクにならず、摩擦測定に影響することはない。
図8(b)に示すように位置決めストッパ62の先端62aは球面状でも良く、要はスリット円板50と点接触する形状であれば良い。位置決めストッパ62とスライド機構34とにより、軸30が軸方向に位置決めされ、スリット円板50の外周がハウジング52と接触することが防止される。
また、図示しないが、位置決めストッパ62の先端は回転体の端部と回転中心軸位置で点接触するように構成しても良い。
さらに、位置決めストッパ62の先端62a部分に固体潤滑剤、例えば鉛筆の芯に用いられるグラファイトを用いても良い。位置決めストッパ62の先端に液体を送り液体潤滑することもできる。位置決めストッパ62の先端62aにボール(転動体)を配置し、このボールの転動と液体潤滑とを組み合わせることも良い構成である。鉛筆やシャープペンシルを位置決めストッパ62として利用すること可能である。
このような構成によれば、位置決めストッパ62の先端62aが軸30や回転体の回転中心からずれたときの抵抗を小さくできる。また、スリット円板50についた固体潤滑剤などの痕跡から軸30の回転中心位置がずれていることを知ることができ、心合わせも容易となる。
図9は軸受摩擦測定装置10の概略的な電気的構成を示す図である。図9に示すように、制御装置70にはモータ36、スライド機構34、発光ダイオード54、フォトトランジスタ55,56が接続されている。フォトトランジスタ55,56は直列の抵抗(図示せず)を介して接地されている。制御装置70は、モータ36を駆動して駆動軸38及び軸30を回転させ、所定時間が経過するとスライド機構34を駆動して軸30から駆動軸38を切り離す。切り離す直前のモータ36の回転速度は回転計で測定し所定の値に設定する。これにより、軸30は自走回転を始める。軸30が自走回転を始めると、制御装置70からフォトトランジスタ55,56に一定の直流電圧がかけられる。スリット円板50の光でフォトランジスタ55,56の抵抗が変化し、フォトランジスタ55,56と直列の抵抗の間にパルス電圧が発生する。このパルスは高速のADコンバータ71を介し、デジタル信号としてコンピュータ72に入力される。コンピュータ72の内部では、入力されたパルス信号に基き所定時間における軸30の回転角度を検出し、この回転角度から回転角速度、回転角加速度を算出する。
次に、上記軸受摩擦測定装置10を用いて自動車用軸受の摩擦トルクを測定する実験を行った。尚、上記軸受摩擦測定装置10は2個の軸受20で回転体(軸)を支持しているため、軸受1個当たりの摩擦トルクは上述した式で求められる値の1/2となる。
まず、直径0.288 m、厚み0.02m、質量10kgの円筒状の錘32(図3におけるβ=0°)を直径0.04m、長さ0.647m、質量5.6kgの軸30に取り付けて200rpmで回転させた後、回転力の付与を遮断して自走回転させた。このときの軸受表面速度と摩擦係数との関係を図10に示す。図10から、軸受20の表面速度が大きくなるほど摩擦係数が大きくなっていることがわかる。
また、直径0.2 m、厚み0.023m、質量5.6kgの偏心錘32(図3におけるβ=85゜の弓形部分を円筒体から切り取る)を直径0.04m長さ0.647m 質量5.6kgの軸に取り付けて1000rpmで回転させた後、回転力の付与を遮断して自走回転させた。このときの軸受表面速度と摩擦トルク及び摩擦係数の関係を図11に示す。図11から、軸受の表面速度が大きくなるほど平均摩擦トルクは大きくなっていることがわかる。
上記結果をトライボロジーの理論によって説明すると次のようになる。荷重により軸中心は軸受中心と偏心して回転しており、軸と軸受間の隙間は一定ではなく、荷重がかかる側が狭いくさび状になっている。軸と軸受間には油があり、高速回転では、軸と軸受間の相対速度により油に圧力が発生し軸を浮かせる。油はニュートン流体の性質を持つので、すべり方向のせん断応力は軸と軸受間の相対速度を油膜厚さで割った値に比例する。高速ほどせん断応力による摩擦トルクが大きくなる。回転体の重心が回転軸と偏心する場合は遠心力による荷重は角速度の2乗に比例して高速で大きくなる。おおむね摩擦トルクは速度に比例して大きくなり、荷重は速度の2乗に比例して大きくなるので、結果として、摩擦係数は高速になるほど低くなる。一方、低速回転では遠心力は小さくなり、回転体の重力による自重が平均的な荷重となる。従って、回転速度が下がると摩擦トルクが小さくなり、摩擦係数も低くなる。トライボロジーでは中高速を流体潤滑領域、低速を境界潤滑領域(軸と軸受間の相対速度の減少により油の圧力が低下して軸を浮かせる能力が無くなり、軸と軸受が固体接触し、摩擦トルクが増大する)、これらの中間で摩擦係数が低速で上昇し始めるところを混合潤滑領域と呼んでいる。上記の実験結果では図10の軸表面速度0.1m/sより低い領域で摩擦係数に上昇の傾向が見られるが、図11は流体潤滑領域の特性を表している。粘度が既知であれば、速度軸を無次元数のゾンマーフェールド数(Sommerfeld number)で表したストライベック線図(Stribeck curve)となる。潤滑油の粘度測定を行えば、本実験装置での摩擦測定により、このストライベック線図を一瞬にして容易に作成できる。
図12は、上記回転体(偏心錘32を軸に取り付けてなる回転体)で実験したときの1回転の角速度の変化を、図13は角加速度の変化をそれぞれ示している。これら実験結果と式(10)から平均摩擦トルクTfmを、式(20)から回転体の慣性モーメントIをそれぞれ求めた結果、平均摩擦トルクは、0.055[Nm]に、回転体の慣性モーメントは0.0250 [kg・m2]になった。
設計形状で式(35)、式(36)、式(38-1)から求めた回転体の慣性モーメントは0.0261[kg・m2]であり、実験結果から求めた値とほぼ一致している。
尚、図13から分かるように、角加速度に変動がみられるが、これは現状の回転角検出装置18の検出精度によるものであると考える。特に、高速になるとパルス信号の読み取り誤差の影響が大きくなると考えられることから、検出精度を向上させることができれば、軸受の摩擦測定の信頼性を一層向上させることができる。
図14に示す軸受摩擦測定装置10は、全体が左部から右部に向かって下方に傾斜している。このような構成により、クラッチ44が切り離された後であっても、軸30が左方に移動してスリット円板50と回転角検出装置18とが干渉することが防止される。
尚、軸受20に加わる力が大きく不均衡にならないように、水平面に対する傾斜角度γ(゜)は、0〜10(゜)の範囲内の値に設定されている。
図15に示す軸受摩擦測定装置10は、1個の軸受20で回転体(軸30)を支持するように構成したものである。1個の軸受20で回転体を支持する場合は、軸受20の両側における質量や遠心力による荷重ができる限り等しくなるように配慮する必要がある。前記軸受摩擦測定装置10では、軸30に錘32を取り付けることによって軸受20の両側の荷重等を調節するようになっている。軸受20の摩擦測定では、軸受20に大荷重を加える必要がある場合がある。1個の軸受20で回転体を支持する構成にすると、軸受20あたりの荷重を大きくし易い。
図16に示す軸受摩擦測定装置10は、駆動装置16の回転力を歯車から成る駆動円板90によって回転体92に伝達するようにしている。一方、図17に示すように、回転体92は、その外周面に多数の歯94が規則正しく設けられている。駆動装置16は図示しないスライド機構により矢印A方向に移動されるように構成されている。駆動装置16が図16中、左方に移動されて駆動円板90の歯(図示せず)と回転体92の歯94とが噛み合うと、駆動装置16の回転力が回転体92に伝達される。駆動装置16が右方に移動されると回転体92は自走回転する。
また、本実施例の回転角度検出装置18は例えばレーザ変位計から成り、回転体92の円周面に投射したレーザの反射波の変動に基き回転角度を連続的に検出する。
図3に示すような偏心錘を用いて実験を行った場合、遠心力によって軸受摩擦測定装置に大きな振動が発生したり当該装置が転倒したりする危険性がある。そこで、図18に示すように、実施例5に係る軸受摩擦測定装置は軸30と水平方向に平行で且つ回転可能なカウンターウエイト軸30Aを備えており、この軸30Aにカウンターウエイト32Aが取り付けられている。偏心錘32とカウンターウェイト32Aはほぼ同一平面上に位置している。また、カウンターウエイト32Aは偏心錘32と線対称な形状となるようにカウンターウエイト軸30Aに取り付けられている。
モータの回転力は、駆動軸38、歯車やチェーン、ベルト等の伝達機構100を介してカウンターウエイト軸30Aに伝達されるようになっている。従って、モータを駆動すると、軸30とカウンターウエイト軸30A、つまり偏心錘32とカウンターウエイト32Aとが一体的に且つ逆方向に回転する。
上記構成の軸受摩擦測定装置を用いて軸受20の摩擦トルク等を測定する実験は次のように行われる。
まず、モータを駆動して軸30及びカウンターウエイト軸30Aを回転する。次に、駆動軸から軸30を切り離して前記軸30を自走回転させ、自走回転時の回転角度、角速度、角加速度等を検出し、摩擦トルク(摩擦力)、必要であれば慣性モーメントや重心測定法に対応する実験を行ない、慣性モーメントや重心を求める。
このとき、自走回転する軸30の回転角度等のコンピュータ(図9参照)による検出結果に基づき、カウンターウエイト軸30Aと軸30とが方向が反対で同じ回転速度、回転角度等となるようにモータが制御される。従って、本実施例では、伝達機構100、コンピュータ、制御装置等から速度制御機構が構成される。
以上により、偏心錘32の水平方向の遠心力はカウンターウエイト32Aの遠心力に相殺される。このため、高速回転時、高負荷時の振動等の発生を抑えることができ、広範な条件で実験を行うことができる。
図19に示すように、実施例6の軸受摩擦測定装置では、軸30に対して水平方向及び鉛直方向に平行なカウンターウエイト軸30A、30Bと、前記カウンターウエイト軸30Aと鉛直方向に平行なカウンターウエイト軸30Cを回転可能に設け、これら3本のカウンターウエイト軸30A〜30Cにそれぞれカウンターウエイト32A〜32Cを取り付けている。偏心錘32とカウンターウェイト32A〜32Cはほぼ同一平面上に位置している。また、カウンターウエイト32A、32Bは偏心錘32とそれぞれ線対称な形状となるようにカウンターウエイト軸30A、30Bに取り付けられ、カウンターウェイト32Cはカウンターウエイト32A、32Bとそれぞれ線対称な形状となるようにカウンターウエイト軸30Cに取り付けられている。
実施例6と同様、モータの回転力は伝達機構100を介してカウンターウエイト軸30A〜30Cに伝達されるようになっている。このときの軸30及びカウンターウエイト軸30A〜30Cの回転方向は図19に矢印で示すとおりである。
このような構成によれば、偏心錘32の水平方向及び鉛直方向の遠心力を相殺することができるため、高速回転時、高負荷時の振動等の発生を一層抑えることができる。従って、より広範な条件で実験を行うことができる。
なお、本発明は上記した実施例の他、次のような変形が可能である。
[変形例1]
実施例4に示した駆動円板90は、ゴム製の円板から構成することも可能である。また、回転角度検出装置18は、磁気的に回転角度を検出する構成でも良い。例えば、回転体92の周囲に磁界を作り、回転体92の回転に伴い歯94が磁界を横切ることを検出するインダクタンスセンサを取り付ける。
[変形例2]
以上の説明では、図3に示すような円筒体から弓形部分を切り取って成る偏心錘32を用いて実験を行った。しかし、このような不規則な形状の偏心錘は空気等の周囲流体による抵抗が大きく、流体抵抗の補正計算が複雑化する。そこで、流体抵抗を小さくし、流体抵抗の補正を簡単にするために、弓形部分とその他の部分を密度が異なる物質で形成し、それらを貼り合わせて円筒体の偏心錘を形成するようにすると良い。
例えば、円筒体のうち弓形部分をアクリル製とし残りの部分を鋼製とする。また、弓形部分を中空状にしても良い。
さらに、本発明の軸受摩擦測定方法及び装置に用いられる回転体は、円筒形に限らず球体など回転軸に対する垂直断面が当該回転軸に対して半径方向に点対称な形状にすると良い。
上記構成によれば、流体抵抗に起因する補正計算を簡単にすることができる。
[変形例3]
回転体の外周部に振動測定用の例えば圧電式加速度ピックアップを取付け、当該加速度ピックアップにより回転体の回転接線方向の加速度を直接測定し、これを回転中心から当該加速度ピックアップの距離で割って角加速度を求めても良い。
[変形例4]
ドップラー効果による速度計で回転体の回転成分の光波長から速度を検出することも可能である。この場合はサンプリング周波数による速度変化から演算で加速度を求めることができる。この速度と加速度を、回転中心と測定点間の距離で割れば角速度と角加速度になる。
10…軸受摩擦測定装置
14…軸受保持台(軸受保持部)
16…駆動装置(駆動手段)
20…軸受
22…固定枠
30,32…回転体(軸と錘)
32…錘
34…スライド機構(伝達手段)
44…クラッチ(伝達手段)
48…フォトセンサ(回転角度測定手段、角加速度検出手段)
50…スリット円板(回転角度測定手段、角加速度検出手段)
62…位置決めストッパ(移動制限手段)
72…コンピュータ(角加速度検出手段、角加速度算出手段、算出手段)
前記回転体の自走回転は軸受と軸間の摩擦抵抗や軸受内に生じる摩擦抵抗によって減速し、やがて停止する。従って、前記回転体の自走回転時の回転角速度を連続的に測定し、前記回転角速度の変化から回転角加速度を求めるようにすると、回転体の摩擦トルクの変動や1回転の平均摩擦トルクを求めることができる。
(A)すべり軸受の摩擦トルク測定原理
図1に示すすべり軸受で回転軸を支持する場合を想定する。前記回転軸における回転トルクは次の式(1)及び(2)で表される。
Figure 2014157159
Figure 2014157159
従って、軸受以外の抵抗がなく、駆動力が遮断されると回転系を支える全軸受の摩擦トルクは次の式(3)となる。
Figure 2014157159
尚、角加速度α〔rad/s〕、角速度ω〔rad/s〕、角度θ(水平線からの回転体の度)〔rad〕は次の関係にある。軸受1個当たりの摩擦トルクは全体の摩擦トルクTを軸受数で割ったものであり、軸受1個当たりの荷重は全体の荷重Wを軸受数で割ったものである。
但し、以下の式は回転軸が反時計回りに回転する場合の角加速度を示す。時計回りに回転する場合は、垂直軸yに対して線対称すなわち回転角度θと水平軸xを逆にとる。
Figure 2014157159
以上より、回転体の重心が回転中心軸上に位置する場合(定荷重の場合)、回転中心軸上に位置していない場合(偏心荷重の場合)の摩擦トルクは次のように求めることができる。

Claims (6)

  1. 測定対象の軸受に回転可能に支持された回転体に回転トルクを付与することにより前記回転体を回転させ、
    前記回転体に対する回転トルクの付与を停止して前記回転体を自走回転させ、
    前記回転体の自走回転時における回転角加速度を求め、
    前記回転体の慣性モーメントと前記回転角加速度とに基き前記測定対象の軸受の摩擦トルクを求める軸受摩擦測定方法であって、
    前記回転体の自走回転時における、15°以下の、角速度計算上の微小角度の回転時間から前記回転角速度を連続的に測定し、前記回転角速度の変化から前記回転角加速度を求め、
    前記回転体の重心と回転中心軸との距離がr(但し、r>0)、前記回転体の慣性モーメントがI、前記回転体の質量がM、前記回転体の回転角加速度がαであるときは、
    前記軸受の摩擦トルクTを、次の式
    Figure 2014157159
    (但し、gは重力加速度、θは水平線からの回転体の回転角度を示す。)
    から求め、
    任意の回転角度θとなる時刻をt、回転角度θとなる時刻をtとし、時刻ti(i=1〜n)における回転角度をθ、時刻tにおける回転角加速度をαとしたとき、前記回転体の慣性モーメントIを、次の式
    Figure 2014157159
    から求めることを特徴とする軸受摩擦測定方法。
  2. 前記回転体に着脱可能に取り付けられて当該回転体と一体的に回転し、慣性モーメントがI、重心が前記回転体の回転中心軸上に位置する付加回転体を備え、
    前記回転体の質量M、偏心距離rが未知であり、前記回転体に前記付加回転体を取り付けた組立体の時刻t'における回転角加速度がα'のときは、前記回転体の慣性モーメントIを、次の式
    Figure 2014157159
    から求め、この求めたI又は既知のIを用いて前記回転体の重心の偏心距離rと前記回転体の質量Mと重力加速度gとの積を、次の式
    Figure 2014157159
    から求めることを特徴とする請求項1に記載の軸受摩擦測定方法。
  3. 測定対象の軸受に回転可能に支持された回転体に回転トルクを付与することにより前記回転体を回転させ、
    前記回転体に対する回転トルクの付与を停止して前記回転体を自走回転させ、
    前記回転体の自走回転時における回転角加速度を求め、
    前記回転体の慣性モーメントと前記回転角加速度とに基き前記測定対象の軸受の摩擦トルクを求める軸受摩擦測定方法であって、
    前記回転体の自走回転時における、15°以下の、角速度計算上の微小角度の回転時間から前記回転角速度を連続的に測定し、前記回転角速度の変化から前記回転角加速度を求め、
    前記回転体の重心と回転中心軸との距離がr(但し、r>0)、前記回転体の慣性モーメントがI、前記回転体の質量がM、前記回転体の回転角加速度がαであるときは、
    前記軸受の摩擦トルクTを、次の式
    Figure 2014157159
    (但し、gは重力加速度、θは水平線からの回転体の回転角度を示す。)
    から求め、
    前記回転体の回転角加速度又は回転角速度を実験的に求め、これら回転角加速度又は回転角速度から抽出した振動成分の振幅と、前記回転体の慣性モーメントI、前記回転体の質量M、前記回転体の重心と回転中心軸との距離r、重力加速度gとの関係から前記回転体の慣性モーメントIを求めることを特徴とする軸受摩擦測定方法。
  4. 前記回転体に着脱可能に取り付けられて当該回転体と一体的に回転し、慣性モーメントがI、重心が前記回転体の回転中心軸上に位置する付加回転体を備え、前記回転体に前記付加回転体を取り付けた組立体の回転角加速度又は回転角速度を実験的に求め、これら回転角加速度又は回転角速度から抽出した振動成分の振幅と、I、I+I、M、r、gの関係を利用して慣性モーメントI及び前記回転体の重心の偏心距離rと前記回転体の質量Mと重力加速度gとの積を求めることを特徴とする請求項3に記載の軸受摩擦測定方法。
  5. 測定対象の軸受に回転可能に支持された回転体に回転トルクを付与することにより前記回転体を回転させ、
    前記回転体に対する回転トルクの付与を停止して前記回転体を自走回転させ、
    前記回転体の自走回転時における回転角加速度を求め、
    前記回転体の慣性モーメントと前記回転角加速度とに基き前記測定対象の軸受の摩擦トルクを求める軸受摩擦測定方法であって、
    前記回転体の重心が回転中心軸上に位置するとき、前記回転体に着脱可能に取り付けられて当該回転体と一体的に回転する付加回転体を備え、
    前記回転体に前記付加回転体を取り付けた組立体の自走回転時における、15°以下の、角速度計算上の微小角度の回転時間から前記組立体の回転角速度を連続的に測定し、前記回転角速度の変化から前記組立体の回転角加速度を求め、
    前記組立体の回転角加速度がα、前記回転体の慣性モーメントがI−I、前記付加回転体の重心と前記回転体の回転中心軸との距離がr(r>0)、前記付加回転体の質量がM、前記付加回転体の慣性モーメントがIであるときは、
    前記軸受の摩擦トルクTを、回転体の質量を付加回転体の質量M、回転体の重心と回転中心軸との距離を前記付加回転体の重心と前記回転体の回転中心軸との距離rに置き換えた次の式
    Figure 2014157159
    から求め、
    前記回転体に前記付加回転体を取り付けた前記組立体の任意の回転角度θにおける時刻をt、回転角度θとなる時刻をtとし、時刻t(i=1〜n)における回転角加速度をαとすると、
    前記組立体の慣性モーメントIを、回転体の質量を付加回転体の質量M、回転体の重心と回転中心軸との距離を前記付加回転体の重心と前記回転体の回転中心軸との距離rに置き換えた次の式
    Figure 2014157159
    から求め、
    この前記組立体の慣性モーメントIから前記付加回転体の慣性モーメントIを引いた値を、前記回転体の慣性モーメントI−Iとすることを特徴とする軸受摩擦測定方法。
  6. 測定対象の軸受に回転可能に支持された回転体に回転トルクを付与することにより前記回転体を回転させ、
    前記回転体に対する回転トルクの付与を停止して前記回転体を自走回転させ、
    前記回転体の自走回転時における回転角加速度を求め、
    前記回転体の慣性モーメントと前記回転角加速度とに基き前記測定対象の軸受の摩擦トルクを求める軸受摩擦測定方法であって、
    前記回転体の重心が回転中心軸上に位置するとき、前記回転体に着脱可能に取り付けられて当該回転体と一体的に回転する付加回転体を備え、
    前記回転体に前記付加回転体を取り付けた組立体の自走回転時における、15°以下の、角速度計算上の微小角度の回転時間から前記組立体の回転角速度を連続的に測定し、前記回転角速度の変化から前記組立体の回転角加速度を求め、
    前記組立体の回転角加速度がα、前記回転体の慣性モーメントがI−I、前記付加回転体の重心と前記回転体の回転中心軸との距離がr(r>0)、前記付加回転体の質量がM、前記付加回転体の慣性モーメントがIであるときは、
    前記軸受の摩擦トルクTを、回転体の質量を付加回転体の質量M、回転体の重心と回転中心軸との距離を前記付加回転体の重心と前記回転体の回転中心軸との距離rに置き換えた次の式
    Figure 2014157159
    から求め、
    前記組立体の回転角加速度又は回転角速度を実験的に求め、これら回転角加速度又は回転角速度から抽出した振動成分の振幅と、前記付加回転体の慣性モーメントI、前記付加回転体の質量M、前記付加回転体の重心と前記回転体の回転中心軸との距離r、重力加速度gとの関係から前記組立体の慣性モーメントIを求め、
    この前記組立体の慣性モーメントIから前記付加回転体の慣性モーメントIを引いた値を、前記回転体の慣性モーメントI−Iとすることを特徴とする軸受摩擦測定方法。
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