JP2014157010A - グロープラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】グロープラグにおいて発熱抵抗体の劣化を抑制する。
【解決手段】グロープラグは、第1のセラミック組成物から成り、通電によって発熱する発熱抵抗体と;第1のセラミック組成物とは異なる第2のセラミック組成物であって、窒化ケイ素(Si34)を主成分として含有する第2のセラミック組成物から主に成り、発熱抵抗体が埋め込まれ、発熱抵抗体を支持する支持体とを備える。支持体は、発熱抵抗体に隣接する隣接領域であって、窒化ケイ素(Si34)より高い熱膨張率を有する成分が存在する複数の粒子が、前記発熱抵抗体側に偏在して分散した隣接領域を含む。
【選択図】図4C

Description

本発明は、グロープラグに関する。
グロープラグとしては、セラミックヒータを用いたセラミック型グロープラグが知られている(例えば、特許文献1を参照)。セラミック型グロープラグのセラミックヒータは、発熱抵抗体と、支持体とを備える。発熱抵抗体は、導電性を有するセラミック組成物から成り、通電によって発熱する。支持体は、電気絶縁性を有するセラミック組成物から成り、発熱抵抗体が埋め込まれ、発熱抵抗体を支持する。
特許文献2には、発熱抵抗体と支持体との熱膨張差に起因するセラミックヒータの損傷を防止するため、硬度および密度が発熱抵抗体および支持体よりも低い被覆層によって発熱抵抗体を被覆することが記載されている。特許文献2の被覆層は、窒化ホウ素(BN)から主に成り、その熱膨張率は、発熱抵抗体および支持体よりも低い。
一般的に知られているように、発熱抵抗体を構成する素材の熱膨張率は、支持体を構成する素材より大きい(例えば、特許文献3を参照)。
グロープラグには、内燃機関の始動時間を短縮するために、通電開始から所望の温度にまで急速に昇温する急速昇温特性が要求される。グロープラグの急速昇温特性には、1000℃までの到達時間として2秒程度が要求され、近年では、1秒程度にまで要求レベルが高まっている。急速昇温特性の向上には、発熱抵抗体における導電成分の含有量を増加させることによって、発熱抵抗体の初期抵抗を低減する必要がある。
特開2009−287920号公報 特開2011−66020号公報 特開2010−108606号公報
特許文献1のグロープラグでは、急速昇温特性を向上させるために発熱抵抗体における導電成分の含有量を増加させた場合、支持体との熱膨張差に起因する発熱抵抗体の熱応力が増大するため、発熱抵抗体が劣化しやすいという課題があった。発熱抵抗体の抵抗値は、劣化にともなって増大する。特許文献2のグロープラグにおいても、発熱抵抗体における導電成分の含有量を増加させた場合、発熱抵抗体に発生する熱応力を被覆層で緩和しきれず、発熱抵抗体が劣化しやすいという課題があった。さらに、特許文献2のグロープラグでは、発熱抵抗体を被覆する被覆層の強度が比較的に低いため、セラミックヒータの強度を十分に確保できないという課題があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の一形態によれば、グロープラグが提供される。この形態のグロープラグは、第1のセラミック組成物から成り、通電によって発熱する発熱抵抗体と;前記第1のセラミック組成物とは異なる第2のセラミック組成物であって、窒化ケイ素(Si34)を主成分として含有する第2のセラミック組成物から主に成り、前記発熱抵抗体が埋め込まれ、前記発熱抵抗体を支持する支持体とを備える。この形態のグロープラグにおいて、前記支持体は、前記発熱抵抗体に隣接する隣接領域であって、窒化ケイ素(Si34)より高い熱膨張率を有する成分が存在する複数の粒子が、前記発熱抵抗体側に偏在して分散した隣接領域を含む。この形態のグロープラグによれば、発熱抵抗体と支持体との間の熱膨張差が隣接領域において緩和されることによって、支持体との熱膨張差に起因する発熱抵抗体の熱応力を抑制できる。その結果、発熱抵抗体の耐久性を向上させることができる。
上記形態のグロープラグにおいて、前記隣接領域に分散する前記粒子に存在する前記成分は、クロム(Cr)と、モリブデン(Mo)と、タングステン(W)と、チタン(Ti)と、ジルコニウム(Zr)と、タンタル(Ta)と、の少なくとも1つの元素、または、炭化ケイ素(SiC)であってもよい。この形態のグロープラグによれば、支持体に支持された発熱抵抗体の耐久性を効果的に向上させることができる。
(1)本発明の一形態によれば、グロープラグが提供される。この形態のグロープラグは、第1のセラミック組成物から成り、通電によって発熱する発熱抵抗体と;前記第1のセラミック組成物よりも熱膨張率が低い第2のセラミック組成物から主に成り、前記発熱抵抗体が埋め込まれ、前記発熱抵抗体を支持する支持体とを備える。この形態のグロープラグにおいて、前記支持体は、前記発熱抵抗体に隣接する隣接領域であって複数の粒子が分散した隣接領域を含み、前記複数の粒子は、前記第2のセラミック組成物よりも熱膨張率が高い第3のセラミック組成物から成る。この形態のグロープラグによれば、発熱抵抗体と支持体との間の熱膨張差が隣接領域において緩和されることによって、支持体との熱膨張差に起因する発熱抵抗体の熱応力を抑制できる。その結果、発熱抵抗体の耐久性を向上させることができる。
(2)上記形態のグロープラグにおいて、前記隣接領域の厚みは、前記発熱抵抗体から10〜200μmであってもよい。この形態のグロープラグによれば、隣接領域によって発熱抵抗体の熱応力を効果的に抑制できる。
(3)上記形態のグロープラグにおいて、前記隣接領域の厚みは、前記発熱抵抗体から20〜100μmであってもよい。この形態のグロープラグによれば、隣接領域によって発熱抵抗体の熱応力をいっそう効果的に抑制できる。
(4)上記形態のグロープラグにおいて、前記複数の粒子の平均粒径は、5μm以下であってもよい。この形態のグロープラグによれば、隣接領域における気孔(ポア)の形成を抑制できる。また、粒子とその周辺との熱膨張差に起因して粒子周辺に発生する微細なひび割れ(微細クラック)を抑制できる。これらの結果、隣接領域の耐久性を向上させることができ、ひいては、発熱抵抗体の耐久性を向上させることができる。
(5)上記形態のグロープラグにおいて、前記第2のセラミック組成物は、窒化ケイ素であり、前記第3のセラミック組成物の主成分は、クロム(Cr)と、モリブデン(Mo)と、タングステン(W)と、チタン(Ti)と、ジルコニウム(Zr)と、タンタル(Ta)と、の少なくとも1つのケイ化物、または、炭化ケイ素(SiC)であってもよい。この形態のグロープラグによれば、窒化ケイ素から主に成る支持体に支持された発熱抵抗体の耐久性を向上させることができる。
(6)上記形態のグロープラグにおいて、前記隣接領域が形成された位置で切断した前記発熱抵抗体の断面積S1と、前記支持体の断面積S2との関係は、0.5%≦S1/(S1+S2)×100%≦25%を満たしてもよい。この形態のグロープラグによれば、急速昇温特性を確保しつつ、発熱抵抗体の耐久性を向上させることができる。
(7)上記形態のグロープラグにおいて、前記隣接領域が形成された位置で切断した前記発熱抵抗体の断面積S1と、前記支持体の断面積S2と、前記隣接領域の厚みTとの関係は、T・(S1+S2)/S1≧67μmを満たしてもよい。この形態のグロープラグによれば、隣接領域によって発熱抵抗体の熱応力を十分に抑制できる。
(8)上記形態のグロープラグにおいて、前記発熱抵抗体は、折り返した形状を成す折返し部と;前記折返し部よりも大きな断面を有し、前記折返し部に接続する導電部とを含み、前記隣接領域は、少なくとも前記折返し部に隣接する領域であってもよい。この形態のグロープラグによれば、発熱量が比較的に大きい折返し部に発生する熱応力を抑制できる。
(9)上記形態のグロープラグにおいて、前記発熱抵抗体は、射出成形法または印刷法によって成形された部材であってもよい。この形態のグロープラグによれば、射出成形法または印刷法によって成形された発熱抵抗体の耐久性を向上させることができる。
(10)上記形態のグロープラグにおいて、前記第1のセラミック組成物と前記第2のセラミック組成物とは、共通の成分を含有してもよい。この形態のグロープラグによれば、発熱抵抗体と支持体との間の結合力が強化されることによって、発熱抵抗体の機械的強度を向上させることができる。したがって、発熱抵抗体の耐久性をさらに向上させることができる。
(11)上記形態のブロープラグにおいて、前記第2のセラミック組成物は、希土類元素とアルミニウム(Al)元素とを含有してもよい。この形態のグロープラグによれば、発熱抵抗体の耐久性をさらに向上できる。
本発明は、グロープラグ以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、グロープラグを構成する部材、グロープラグを製造する製造方法などの形態で実現することができる。
グロープラグの部分断面を示す説明図である。 セラミックヒータの断面を示す説明図である。 セラミックヒータの断面を示す説明図である。 セラミックヒータの構造の一例を示す説明図である。 セラミックヒータの構造の一例を示す説明図である。 セラミックヒータの構造の一例を示す説明図である。 グロープラグの製造方法を示す工程図である。 グロープラグの性能を評価した結果を示す表である。 グロープラグの性能を評価した結果を示す表である。 第2実施形態におけるセラミックヒータの断面を示す説明図である。 第2実施形態におけるグロープラグの製造方法を示す工程図である。 試料の解析に使用した画像の一例を示す説明図である。
A.第1実施形態:
A1.グロープラグの構成:
図1は、グロープラグ10の部分断面を示す説明図である。図1には、グロープラグ10の軸心SCを境界として、紙面右側にグロープラグ10の外観形状を図示し、紙面左側にグロープラグ10の断面形状を図示した。本実施形態の説明では、グロープラグ10における図1の紙面下側を「先端側」といい、図1の紙面上側を「後端側」という。
グロープラグ10は、熱を発生させるセラミックヒータ800を備え、ディーゼルエンジンを始めとする内燃機関90の始動時における点火を補助する熱源として機能する。グロープラグ10は、セラミックヒータ800の他、中軸200と、主体金具500と、外筒700とを備える。グロープラグ10の軸心SCは、グロープラグ10を構成する各部材の軸心でもある。
グロープラグ10の中軸200は、導電性を有する金属体である。中軸200は、軸心SCを中心に延びた円柱状を成す。中軸200は、グロープラグ10の外部から供給される電力をセラミックヒータ800へと中継する。
本実施形態では、中軸200は、中軸200の後端側において、グロープラグ10の外部から、端子100を介して給電を受け付ける。他の実施形態では、中軸200は、中軸200の後端側において、グロープラグ10の外部から直接的に給電を受け付けてもよい。
本実施形態では、中軸200は、中軸200の先端側において、リング600を介してセラミックヒータ800と電気的に接続される。他の実施形態では、中軸200は、中軸200の先端側において、セラミックヒータ800と直接的に接続されてもよい。
グロープラグ10の主体金具500は、導電性を有する金属体である。主体金具500は、軸心SCを中心に延びた筒状を成す。主体金具500は、軸孔510と、工具係合部520と、雄ネジ部540とを備える。
主体金具500の軸孔510は、軸心SCを中心に延びた貫通孔である。軸孔510の内径は、中軸200の外形よりも大きい。軸孔510の内側には、軸心SC上に中軸200が位置決めされ、軸孔510と中軸200との間には、軸孔510と中軸200とを電気的に絶縁する空隙が形成される。本実施形態では、軸孔510の後端側には、円筒状を成す絶縁部材300と、環状を成す絶縁部材400とを介して、中軸200が取り付けられる。
主体金具500の工具係合部520は、内燃機関90に対するグロープラグ10の取り付けおよび取り外しに用いられる工具(図示しない)に係合可能に構成されている。主体金具500の雄ネジ部540は、内燃機関90に形成された雌ネジに嵌り合うことによって、内燃機関90に対して固定可能に構成されている。
グロープラグ10の外筒700は、導電性を有する金属体である。外筒700は、軸心SCを中心に延びた筒状を成す。外筒700は、セラミックヒータ800を保持する軸孔710を備える。外筒700の後端側は、主体金具500の先端側に溶接されている。外筒700の先端側からは、セラミックヒータ800が突出する。
グロープラグ10のセラミックヒータ800は、セラミック組成物から成る発熱素子(発熱装置)である。セラミックヒータ800は、発熱抵抗体810と、支持体860とを備える。
セラミックヒータ800の発熱抵抗体810は、導電性を有する第1のセラミック組成物から成る導電性セラミックスである。発熱抵抗体810は、通電によって発熱する。本実施形態では、発熱抵抗体810は、射出成形法によって成形された部材である。
本実施形態では、発熱抵抗体810を形成する第1のセラミック組成物は、炭化タングステン(WC)から主に成る。本実施形態では、第1のセラミック組成物は、炭化タングステンに加え、窒化ケイ素(Si34)を含有する。第1のセラミック組成物は、55〜70質量%の炭化タングステンと、28〜35質量%の窒化ケイ素とを含有し、残りの2〜10質量%として酸化エルビウム(Er23)および酸化ケイ素(SiO2)を含有してもよい。他の実施形態では、第1のセラミック組成物は、二ケイ化モリブデン(MoSi2)から主に成る組成物であってもよい。
セラミックヒータ800の支持体860は、電気絶縁性を有する第2のセラミック組成物から主になる絶縁性セラミックスである。支持体860には、発熱抵抗体810が埋め込まれ、支持体860は、発熱抵抗体810を支持する。支持体860は、グロープラグ10の外部から発熱抵抗体810を電気的に絶縁すると共に、発熱抵抗体810の熱をグロープラグ10の外部へと伝達する。
本実施形態では、支持体860を形成する第2のセラミック組成物は、窒化ケイ素(Si34)から主に成る。他の実施形態では、支持体860を形成する窒化ケイ素(Si34)のうち、ケイ素(Si)の少なくとも一部がアルミニウム(Al)で置換され、窒素(N)の少なくとも一部が酸素(O)で置換されてもよい。支持体860を形成する第2のセラミック組成物は、焼結助剤として、希土類酸化物(例えば、イッテルビウム(Yb)酸化物、エルビウム(Er)酸化物など)とアルミニウム(Al)酸化物とを含有してもよい。
図2は、セラミックヒータ800の断面を示す説明図である。図2の断面は、軸心SCを通る平面に沿って切断したセラミックヒータ800の断面である。セラミックヒータ800の発熱抵抗体810は、端子部811と、導電部812と、折返し部815と、導電部818と、端子部819とを備える。
発熱抵抗体810の端子部811は、導電部812の後端側に設けられ、支持体860から露出する。セラミックヒータ800が主体金具500に組み付けられた状態で、端子部811は、中軸200と電気的に接続される。
発熱抵抗体810の導電部812は、軸心SCに沿った線状を成し、端子部811と折返し部815との間を接続する。導電部812の断面は、折返し部815よりも大きい。
発熱抵抗体810の折返し部815は、U字状に折り返した形状を成し、U字状の一端において導電部812に繋がり、U字状の他端において導電部818と繋がる。折返し部815の断面は、導電部812および導電部818よりも小さいため、折返し部815の電気抵抗は、導電部812,818よりも大きい。そのため、発熱抵抗体810は、通電によって折返し部815を中心に発熱する。
発熱抵抗体810の導電部818は、軸心SCに沿った線状を成し、折返し部815と端子部819との間を接続する。導電部818の断面は、折返し部815よりも大きい。
発熱抵抗体810の端子部819は、導電部818の後端側に設けられ、支持体860から露出する。セラミックヒータ800が主体金具500に組み付けられた状態で、端子部819は、外筒700と電気的に接続される。
図3は、セラミックヒータ800の断面を示す説明図である。図3の断面は、折返し部815において軸心SCに直交する平面に沿って切断したセラミックヒータ800の断面であり、図2のF3−F3断面に対応する。
セラミックヒータ800の直径は、2.5〜4.0mm(ミリメートル)が好ましい。セラミックヒータ800の直径は、2.5mmより小さくてもよいし、4.0mmより大きくてもよい。
発熱抵抗体810における折返し部815の長径L1は、0.3〜1.8mmが好ましい。折返し部815の長径L1は、0.3より小さくてもよいし、1.8mmより大きくてもよい。
発熱抵抗体810における折返し部815の短径L2は、0.2〜1.0mmが好ましい。折返し部815の長径L1は、0.2より小さくてもよいし、1.0mmより大きくてもよい。
図4Aおよび図4Bは、セラミックヒータ800の構造の一例を示す説明図である。図4Aおよび図4Bの構造は、折返し部815と支持体860とが隣接する境界の周辺における構造であり、図3の部分F4に対応する。
セラミックヒータ800の支持体860は、発熱抵抗体810に隣接する隣接領域866を備える。隣接領域866では、支持体860を形成する第2のセラミック組成物から成る固相862に、第2のセラミック組成物よりも熱膨張率が高い第3のセラミック組成物から成る複数の粒子868が分散する。粒子868を形成する第3のセラミック組成物の主成分は、クロム(Cr)と、モリブデン(Mo)と、タングステン(W)と、チタン(Ti)と、ジルコニウム(Zr)と、タンタル(Ta)と、の少なくとも1つのケイ化物、または、炭化ケイ素(SiC)であることが好ましい。粒子868には、支持体860の成分(例えば、Si34)が混在してもよいし、支持体860の成分が混在しなくてもよい。
図4Aの例では、粒子868は、焼成前の発熱抵抗体810の中間品に添加した粒子868の成分を、セラミックヒータ800の焼成時に発熱抵抗体810から支持体860へと拡散させることによって形成される。そのため、粒子868の粒径は、発熱抵抗体810から離れるにしたがって小さくなる傾向にある。
図4Bの例では、粒子868は、焼成前の発熱抵抗体810の中間品に塗布した粒子868の成分を、セラミックヒータ800の焼成時に支持体860に分散させることによって形成される。そのため、粒子868の粒径は、全域にわたってほぼ同じである。
図4Cは、セラミックヒータ800の構造の一例を示す説明図である。図4Cの構造は、折返し部815と支持体860とが隣接する境界の周辺における構造であり、図3の部分F4に対応する。図4Cにおける(A)欄の図は、セラミックヒータ800の構造を模式的に示す。図4Cにおける(B)欄の図は、(A)欄の構造に対応し、支持体860における結晶粒子を具体的に示す。
図4Cのセラミックヒータ800では、支持体860は、発熱抵抗体810を形成する第1のセラミック組成物とは異なる第2のセラミック組成物であって、窒化ケイ素(Si34)を主成分として含有する第2のセラミック組成物から主に成る。支持体860には、窒化ケイ素(Si34)とは異なる複数の粒子862pが第2のセラミック組成物として分散する。粒子862pは、窒化ケイ素(Si34)の結晶粒子より比較的に小さい結晶粒子である。支持体860は、発熱抵抗体810に隣接する隣接領域866を備える。
図4Cの隣接領域866には、複数の粒子868が分散する。粒子868には、発熱抵抗体810と支持体860との熱膨張差を緩和する成分として、第2のセラミック組成物に含まれる成分とは異なる成分(すなわち、窒化ケイ素(Si34)および粒子862pと異なる成分)であって窒化ケイ素(Si34)より高い熱膨張率を有する成分が存在する。粒子868に存在する成分は、クロム(Cr)と、モリブデン(Mo)と、タングステン(W)と、チタン(Ti)と、ジルコニウム(Zr)と、タンタル(Ta)と、の少なくとも1つの元素、または、炭化ケイ素(SiC)であることが好ましい。
図4Cの隣接領域866には、粒子862pと粒子868とが混在してもよい。図4Cの隣接領域866における粒子868の濃度は、発熱抵抗体810に近付くに従って高くなり、発熱抵抗体810から離れるに従って低くなってもよい。
本実施形態では、複数の粒子868が分散する隣接領域866は、折返し部815のみに形成されている。隣接領域866は、少なくとも折返し部815に形成された領域であればよい。隣接領域866は、折返し部815の一部に形成された領域であってもよく、折返し部815の全体に形成された領域であってもよい。隣接領域866は、折返し部815に加え、導電部812,818の一部に形成された領域であってもよく、導電部812,818の全体に形成された領域であってもよい。
隣接領域866の厚みTは、発熱抵抗体810から10〜200μm(マイクロメートル)であることが好ましい。隣接領域866の厚みTは、発熱抵抗体810から20〜100μmであることがいっそう好ましい。隣接領域866の厚みTの評価については後述する。
複数の粒子868の平均粒径は、5μm以下であることが好ましい。粒子868の平均粒径の評価については後述する。
隣接領域866が形成された位置で切断した発熱抵抗体810の断面積S1と、支持体860の断面積S2との関係は、0.5%≦S1/(S1+S2)×100%≦25%を満たすことが好ましい。断面積S1は、折返し部815の一方の断面積S1aと、折返し部815の一方の断面積S1bとを足し合わせた断面積である(図3を参照)。断面積S2は、隣接領域866を含む断面積である。S1/(S1+S2)は、セラミックヒータ800の断面積に対する発熱抵抗体810の断面積の比率を示す抵抗体断面比率Rsである。抵抗体断面比率Rsの評価については後述する。
発熱抵抗体810の断面積S1と、支持体860の断面積S2と、隣接領域866の厚みTとの関係は、T・(S1+S2)/S1≧67μmを満たすことが好ましい。言い換えると、抵抗体断面比率Rsと、隣接領域866の厚みTとの関係は、T/Rs≧67μmを満たすことが好ましい。値T/Rsの評価については後述する。
A2.グロープラグの製造方法:
図5は、グロープラグ10の製造方法を示す工程図である。グロープラグ10を製造する際には、まず、製造者は、射出成形法によって発熱抵抗体810の中間品を作製する(工程P110)。
発熱抵抗体810の中間品を作製した後(工程P110)、製造者は、発熱抵抗体810の中間品における折返し部815に、粒子868の材料である粒子材料を塗布する(工程P120)。本実施形態では、製造者は、発熱抵抗体810の中間品を液状の粒子材料に浸漬することによって、発熱抵抗体810の中間品に粒子材料を塗布する。
発熱抵抗体810の中間品に粒子材料を塗布した後(工程P120)、製造者は、金型プレス成形法によって支持体860の中間品を作製する(工程P130)。本実施形態では、支持体860の中間品は、軸心SCを通る平面で分割された2つの部材から成り、これらの部材の内側には、発熱抵抗体810の中間品を嵌め込む溝が形成されている。他の実施形態では、支持体860の中間品の作製(工程P130)は、発熱抵抗体810の中間品の作製(工程P110)と、粒子材料の塗布(工程P120)とのいずれか一方の工程に先立って実施されてもよい。
支持体860の中間品を作製した後(工程P130)、製造者は、発熱抵抗体810の中間品と支持体860の中間品とを組み合わせた複合成型体を作製する(工程P140)。
複合成型体を作製した後(工程P140)、製造者は、複合成型体を焼成することによってセラミックヒータ800を作製する(工程P150)。セラミックヒータ800を作製した後(工程P150)、製造者は、セラミックヒータ800を、グロープラグ10を構成する他の構成部材(中軸200、主体金具500、外筒700など)に組み付ける(工程P190)。これによって、グロープラグ10が完成する。
粒子868を形成する成分の融点が、焼成(工程P150)における焼成温度よりも低い場合、製造者は、粒子868の原料である粒子材料が添加された射出成形材料を用いて、発熱抵抗体810の中間品を射出成形法によって作製してもよい(工程P115)。発熱抵抗体810の中間品に含まれる粒子材料は、焼成(工程P150)において支持体860へと拡散することによって、隣接領域866を形成する。この場合、粒子868の粒径は、図4Aに示すように、発熱抵抗体810から離れるにしたがって小さくなる傾向にある。焼成(工程P150)における焼成温度が1700〜1900℃の場合、射出成形材料に添加可能な粒子材料は、クロム(Cr)と、チタン(Ti)と、ジルコニウム(Zr)との少なくとも1つの元素、もしくは、これらの元素の少なくとも1つのケイ化物または酸化物である。
A3.グロープラグの評価:
図6および図7は、グロープラグ10の性能を評価した結果を示す表である。図6および図7の評価試験では、試験者は、セラミックヒータ800の仕様が異なるグロープラグ10である試料1〜25について評価を行った。
試料1〜25におけるセラミックヒータ800の断面積(S1+S2)は、7.54mm2で一定である。試料1のセラミックヒータ800には、隣接領域866が形成されていない。試料2〜25のセラミックヒータ800には、隣接領域866が形成されている。
試料1〜22における支持体860の材料は、窒化ケイ素(Si34)を主成分として含有し、焼結助剤として、エルビウム(Er)酸化物および二酸化ケイ素(SiO2)を含有する。試料23,24における支持体860の材料は、窒化ケイ素(Si34)を主成分として含有し、焼結助剤として、イッテルビウム(Yb)酸化物と、酸化アルミニウム(Al23)とを含有するとともに、発熱抵抗体810との熱膨張差を調整する添加成分としてケイ化モリブデン(MoSi2)を含有する。なお、支持体860の材料は、発熱抵抗体810との熱膨張差を調整する添加成分として、二ケイ化タングステン(WSi2)を含有してもよい。試料25における支持体860の材料は、窒化ケイ素(Si34)を主成分として含有し、焼結助剤として、エルビウム(Er)酸化物および酸化アルミニウム(Al23)を含有する。試料1〜25の支持体860における結晶粒界には、各焼結助剤に由来する成分(例えば、希土類元素、アルミニウム元素)が存在する。焼結助剤の希土類酸化物に由来する成分は、希土類元素を含有するダイシリケートおよびモノシリケートの少なくとも一方であってもよい。
試料1〜22,24,25は、窒素(N2)の中で焼成することによって作製される。試料23は、アルゴン(Ar)の中で焼成することによって作製される。
試料2〜11,16〜22では、粒子868の材料である粒子材料は、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、酸化クロム(Cr23)のいずれかであり、セラミックヒータ800を作製する際の焼成工程において支持体860の窒化ケイ素と反応することによってケイ化物となる。試料12の粒子材料は、炭化ケイ素(SiC)であり、粒子868の主成分である粒子組成物となる。試料13の粒子材料は、ケイ化クロム(CrSi2)である。試料14の粒子材料は、ケイ化モリブデン(MoSi2)である。試料15の粒子材料は、ケイ化タングステン(WSi2)である。
試料23では、粒子868の材料である粒子材料は、クロム(Cr)である。試料23の支持体860には、図4Cに示すように、窒化ケイ素(Si34)から成る結晶粒子の中にケイ化モリブデン(MoSi2)から成る複数の粒子862pが分散する。試料23の支持体860における隣接領域866には、複数の粒子868が分散する。試験者は、電子線マイクロアナライザ(EPMA:Electron Probe MicroAnalyser)および走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて、試料23の粒子868に存在する成分として、モリブデン(Mo)と、ケイ素(Si)と、クロム(Cr)との各成分の存在を確認した。試料23において、粒子868の成分のうち、隣接領域866に偏在する成分は、クロム(Cr)である。
試料24では、粒子868の材料である粒子材料は、クロム(Cr)である。試料24の支持体860には、図4Cに示すように、窒化ケイ素(Si34)から成る結晶粒子の中にケイ化モリブデン炭化物(Mo4.8Si30.6)から成る複数の粒子862pが分散する。試料24の支持体860における隣接領域866には、複数の粒子868が分散する。試験者は、EPMAおよびSEMを用いて、試料24の粒子868に存在する成分として、モリブデン(Mo)と、ケイ素(Si)と、炭素(C)と、クロム(Cr)との各成分の存在を確認した。試料24において、粒子868の成分のうち、隣接領域866に偏在する成分は、クロム(Cr)である。粒子862pおよび粒子868における炭素(C)は、発熱抵抗体810および支持体860を成形する際に添加される成形助剤(バインダ)に由来すると考えられる。
試料25では、粒子868の材料である粒子材料は、クロム(Cr)であり、セラミックヒータ800を作製する際の焼成工程において支持体860の窒化ケイ素と反応することによってケイ化クロム(CrSi2)になる。
試験者は、試料1〜25について、電子線マイクロアナライザ(EPMA:Electron Probe MicroAnalyser)を用いて、軸心SCに直交する平面に沿って切断したセラミックヒータ800の断面を観察した。試験者は、EPMAによる画像を画像解析することによって、隣接領域866の厚みT、粒子868の平均粒径、抵抗体断面比率Rs、値T/Rsを算出した。
試験者は、試料2〜25の各試料について複数のサンプルを用意し、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて、軸心SCに直交する平面に沿って切断したセラミックヒータ800における隣接領域866を3000倍に拡大して観察した。試験者は、SEMによる画像を画像解析することによって、SEMによる画像で確認可能な0.1μm以上の気孔が隣接領域866に存在するサンプルの割合を有気孔サンプル割合として算出した。
図10は、試料の解析に使用した画像の一例を示す説明図である。図10(A)、図10(B)および図10(C)に示す各解析画像は、軸心SCに直交する平面に沿って切断した試料24の断面における同じ部位を解析した画像である。
図10(A)は、SEMを用いてセラミックヒータ800の断面を撮影した画像である。図10(B)は、EPMAを用いてセラミックヒータ800の断面におけるクロム(Cr)の分布を表すマッピング画像である。図10(C)は、EPMAを用いてセラミックヒータ800の断面におけるモリブデン(Mo)の分布を表すマッピング画像である。
EPMAを用いた画像解析では、第1段階として、EPMAが備える波長分散型X線分光器(WDS:Wavelength Dispersive X-ray Spectrometer)を用いて、セラミックヒータ800の断面に対する定性分析を実施した。この定性分析によって、セラミックヒータ800の断面に含まれる元素を特定した。
第2段階として、第1段階で特定した各元素の分布を表すマッピング画像を得るための測定条件を決定した。必要な分析精度を確保できる程度に、観察領域を格子状に細分化することによって、マッピング画像の測定条件として、分析間隔および照射ビーム径を決定した。微量元素の検出量変化を色調変化として視認可能なX線強度(カウント数)が得られるように、マッピング画像の測定条件として、照射ビームの流量および取り込み時間を決定した。
具体的な測定条件を次に示す。
・加速電圧:15kV(キロボルト)
・プローブ電流:1.0×10-7A(アンペア)
・ビーム照射径(最小径):0.003μm未満
・観察領域(縦×横):100μm×100μm
・分析間隔:0.4μm
・測定ポイント:250ポイント×250ポイント(62500ポイント)
・主ピーク取り込み時間:15ms(ミリ秒)
・バックグラウンド取り込み時間:15ms
第3段階として、第1段階で特定した各元素について、第2段階で決定した測定条件で、観察領域における検出量を測定した。具体的には、観察領域における各測定ポイントにおいて、主ピークを取り込んだ後、低角側のバックグラウンドを取り込んだ。各測定ポイントの主ピークからバックグラウンドを除したX線強度を、色調変化として二次元表示することによって、各元素のマッピング画像(図10(B)および図10(C)を参照)を得た。
図10(A)と図10(C)との対比から、モリブデン(Mo)元素を含む複数の粒子が支持体860に分散していることが分かる。図10(A)、図10(B)および図10(C)の対比から、発熱抵抗体810の折返し部815に隣接する隣接領域866には、モリブデン(Mo)元素とともにクロム(Cr)元素が存在する複数の粒子が、発熱抵抗体810側に偏在して分散していることが分かる。
試験者は、未使用の試料であるグロープラグ10の抵抗値を測定した。その後、試験者は、グロープラグ10に11Vの電圧を印加することによって、セラミックヒータ800の表面温度を通電開始から1秒後に1000℃にまで昇温させた後、さらに1350℃にまで昇温させた。その後、試験者は、空気を用いてセラミックヒータ800を強制的に冷却した。試験者は、セラミックヒータ800の昇温から冷却までを1サイクルとして5万回繰り返す耐久試験を、各試料に対して実施した。耐久試験の後、試験者は、再度、グロープラグ10の抵抗値を測定することによって、耐久試験の前後でグロープラグ10の抵抗値が上昇した割合を示す抵抗上昇率を算出した。グロープラグ10の抵抗値の上昇は、発熱抵抗体810(特に、折返し部815)の劣化に起因すると考えられる。試験者は、次の評価基準に基づいて各試料の耐久性を評価した。
◎(優):抵抗上昇率10%以下
○(良):抵抗上昇率10%超20%以下
×(不可):抵抗上昇率20%超
試料1,2,9と、試料3,5〜8との対比によれば、発熱抵抗体810の耐久性を確保する観点から、隣接領域866の厚みTは、発熱抵抗体810から10〜200μmであることが好ましい。さらに、試料3,8と、試料5〜8との対比によれば、耐久性を確保する観点から、隣接領域866の厚みTは、発熱抵抗体810から20〜100μmであることがいっそう好ましい。
試料5,10〜17と、試料18,19との対比によれば、発熱抵抗体810の耐久性を確保する観点から、粒子868の平均粒径は、5μm以下であることが好ましい。粒子868の平均粒径が5μmを超える試料18,19では、隣接領域866に気孔が存在することから、隣接領域866の気孔が発熱抵抗体810を劣化させる要因の1つであると考えられる。
試料18と試料25との対比によれば、隣接領域866における気孔を抑制する観点から、支持体860は、エルビウム(Er)酸化物および酸化アルミニウム(Al23)に由来する成分を含有することが好ましい。これによって、発熱抵抗体810の耐久性を向上できる。
試料4,5,21と、試料20との対比によれば、抵抗体断面比率Rsが0.5%未満である試料20の抵抗上昇率は、試料4,5,21よりも大きくなった。抵抗体断面比率Rsが25%を超える試料22では、折返し部815の抵抗値を十分に確保できないため、試料22は、通電から1秒後に1000℃に到達する急速昇温特性を達成できなかった。したがって、急速昇温特性を確保しつつ、発熱抵抗体810の耐久性を確保する観点から、抵抗体断面比率Rsは、0.5%以上25%以下であることが好ましい。
試料2と、試料3〜8,10〜22との対比によれば、発熱抵抗体810の耐久性を確保する観点から、値T/Rsは、67μm以上であることが好ましい。
試料5と試料13との対比、試料10と試料14との対比、試料11と試料15との対比によれば、粒子材料が、焼成によってケイ化物となる材料であっても、焼成の前からケイ化物である材料であっても、発熱抵抗体810の耐久性を同等に確保できることが分かる。
試料23,24の結果によれば、図4Cに示すように、粒子862pおよび粒子868が分散する支持体860の構造であっても、発熱抵抗体810の耐久性を向上できることが分かる。
A4.効果:
以上説明した第1実施形態によれば、発熱抵抗体810と支持体860との間の熱膨張差が隣接領域866において緩和されることによって、支持体860との熱膨張差に起因する発熱抵抗体810の熱応力を抑制できる。その結果、発熱抵抗体810の耐久性を向上させることができる。
また、隣接領域866の厚みTが、発熱抵抗体810から10〜200μmである場合、隣接領域866によって発熱抵抗体810の熱応力を効果的に抑制できる。さらに、隣接領域866の厚みTが、発熱抵抗体810から20〜100μmである場合、隣接領域866によって発熱抵抗体810の熱応力をいっそう効果的に抑制できる。
また、複数の粒子868の平均粒径は、5μm以下である場合、隣接領域866における気孔の形成を抑制できる。また、粒子868とその周辺との熱膨張差に起因して粒子868周辺に発生する微細なひび割れを抑制できる。これらの結果、隣接領域866の耐久性を向上させることができ、ひいては、発熱抵抗体810の耐久性を向上させることができる。
また、抵抗体断面比率Rsが、0.5%≦Rs≦25%を満たす場合、急速昇温特性を確保しつつ、発熱抵抗体810の耐久性を向上させることができる。
また、値T/Rsが67μm以上を満たす場合、隣接領域866によって発熱抵抗体810の熱応力を十分に抑制できる。
また、隣接領域866は、少なくとも折返し部815に隣接する領域であるため、発熱量が比較的に大きい折返し部815に発生する熱応力を抑制できる。
また、発熱抵抗体810を形成する第1のセラミック組成物と、支持体860を形成する第2のセラミック組成物とは、共通の成分として窒化ケイ素を含有するため、発熱抵抗体810と支持体860との間の結合力が強化されることによって、発熱抵抗体810の機械的強度を向上させることができる。したがって、発熱抵抗体810の耐久性をさらに向上させることができる。
B.第2実施形態:
図8は、第2実施形態におけるセラミックヒータ800Bの断面を示す説明図である。第2実施形態のグロープラグ10は、第1実施形態のセラミックヒータ800に代えて、セラミックヒータ800Bを備える点を除き、第1実施形態と同様である。
第2実施形態のセラミックヒータ800Bは、発熱抵抗体810の形状が異なる点を除き、第1実施形態と同様である。第2実施形態の発熱抵抗体810は、印刷法によって成形された部材であり、軸心SCに直交する平面で切断した断面形状が異なる点を除き、第1実施形態と同様である。
発熱抵抗体810における折返し部815の長径L1は、0.4〜1.0mmが好ましい。折返し部815の長径L1は、0.4より小さくてもよいし、1.0mmより大きくてもよい。
発熱抵抗体810における折返し部815の短径L2は、0.02〜0.3mmが好ましい。折返し部815の長径L1は、0.02より小さくてもよいし、0.3mmより大きくてもよい。
図9は、第2実施形態におけるグロープラグ10の製造方法を示す工程図である。グロープラグ10を製造する際には、まず、製造者は、金型プレス成形法によって支持体860の中間品を作製する(工程P210)。本実施形態では、支持体860の中間品は、軸心SCを通る平面で分割された2つの部材から成り、これらの部材の内側には、発熱抵抗体810に対応する溝が形成されている。
支持体860の中間品を作製した後(工程P210)、製造者は、支持体860の中間品である一方の部材の溝に、印刷法によって粒子材料を塗布する(工程P220)。
発熱抵抗体810の中間品に粒子材料を塗布した後(工程P220)、製造者は、支持体860の中間品に塗布された粒子材料の上に、印刷法によって発熱抵抗体810を印刷する(工程P230)。
発熱抵抗体810の中間品に発熱抵抗体810を印刷した後(工程P230)、製造者は、支持体860の中間品に印刷された発熱抵抗体810の上に、印刷法によって粒子材料を塗布する(工程P240)。
発熱抵抗体810の中間品に粒子材料を塗布した後(工程P240)、製造者は、発熱抵抗体810の中間品である2つの部材の間に発熱抵抗体810を挟み込んだ複合成形体を作成する(工程P250)。
複合成型体を作製した後(工程P250)、製造者は、複合成型体を焼成することによってセラミックヒータ800Bを作製する(工程P260)。セラミックヒータ800Bを作製した後(工程P260)、製造者は、セラミックヒータ800Bを、グロープラグ10を構成する他の構成部材(中軸200、主体金具500、外筒700など)に組み付ける(工程P290)。これによって、グロープラグ10が完成する。
粒子868を形成するケイ化物の融点が、焼成(工程P260)における焼成温度よりも低い場合、支持体860の中間品を作製した後(工程P210)、製造者は、粒子868の原料である粒子材料が添加された印刷材料を用いて、支持体860の中間品である一方の部材の溝に、印刷法によって発熱抵抗体810を印刷してもよい(工程P235)。発熱抵抗体810の中間品に含まれる粒子材料は、焼成(工程P260)において支持体860へと拡散することによって、隣接領域866を形成する。この場合、粒子868の粒径は、図4Aに示すように、発熱抵抗体810から離れるにしたがって小さくなる傾向にある。焼成(工程P260)における焼成温度が1700〜1900℃の場合、印刷材料に添加可能な粒子材料は、クロム(Cr)と、チタン(Ti)と、ジルコニウム(Zr)と、の少なくとも1つのケイ化物または酸化物である。
以上説明した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、発熱抵抗体810の耐久性を向上させることができる。
C.他の実施形態:
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…グロープラグ
90…内燃機関
100…端子
200…中軸
300…絶縁部材
400…絶縁部材
500…主体金具
510…軸孔
520…工具係合部
540…雄ネジ部
600…リング
700…外筒
710…軸孔
800…セラミックヒータ
800B…セラミックヒータ
810…発熱抵抗体
811…端子部
812…導電部
815…折返し部
818…導電部
819…端子部
860…支持体
862…固相
862p…粒子
866…隣接領域
868…粒子

Claims (11)

  1. 第1のセラミック組成物から成り、通電によって発熱する発熱抵抗体と、
    前記第1のセラミック組成物とは異なる第2のセラミック組成物であって、窒化ケイ素(Si34)を主成分として含有する第2のセラミック組成物から主に成り、前記発熱抵抗体が埋め込まれ、前記発熱抵抗体を支持する支持体と
    を備えるグロープラグであって、
    前記支持体は、前記発熱抵抗体に隣接する隣接領域であって、窒化ケイ素(Si34)より高い熱膨張率を有する成分が存在する複数の粒子が、前記発熱抵抗体側に偏在して分散した隣接領域を含むことを特徴とするグロープラグ。
  2. 前記隣接領域に分散する前記粒子に存在する前記成分は、クロム(Cr)と、モリブデン(Mo)と、タングステン(W)と、チタン(Ti)と、ジルコニウム(Zr)と、タンタル(Ta)と、の少なくとも1つの元素、または、炭化ケイ素(SiC)である、請求項1に記載のグロープラグ。
  3. 前記隣接領域の厚みは、前記発熱抵抗体から10〜200μmである、請求項1または請求項2に記載のグロープラグ。
  4. 前記隣接領域の厚みは、前記発熱抵抗体から20〜100μmである、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のグロープラグ。
  5. 前記複数の粒子の平均粒径は、5μm以下である、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のグロープラグ。
  6. 前記隣接領域が形成された位置で切断した前記発熱抵抗体の断面積S1と、前記支持体の断面積S2との関係は、0.5%≦S1/(S1+S2)×100%≦25%を満たす、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のグロープラグ。
  7. 前記隣接領域が形成された位置で切断した前記発熱抵抗体の断面積S1と、前記支持体の断面積S2と、前記隣接領域の厚みTとの関係は、T・(S1+S2)/S1≧67μmを満たす、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のグロープラグ。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のグロープラグであって、
    前記発熱抵抗体は、
    折り返した形状を成す折返し部と、
    前記折返し部よりも大きな断面を有し、前記折返し部に接続する導電部と
    を含み、
    前記隣接領域は、少なくとも前記折返し部に隣接する領域である、グロープラグ。
  9. 前記発熱抵抗体は、射出成形法または印刷法によって成形された部材である、請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のグロープラグ。
  10. 前記第1のセラミック組成物と前記第2のセラミック組成物とは、共通の成分を含有する、請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載のグロープラグ。
  11. 前記第2のセラミック組成物は、希土類元素とアルミニウム(Al)元素とを含有する、請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載のグロープラグ。
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