JP2014156182A - ゴムクローラの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無端状のゴムクローラ10の内周から突出すると共に金属部材32が埋設されるゴム突起14となる未加硫の突起ゴム塊114を金属部材32が埋設される位置で複数に分割した分割ゴム塊115を形成する分割ゴム塊形成工程と、分割ゴム塊115の分割面115Aに形成された金属部材32の嵌め込み用凹部116に金属部材32を嵌め込みながら、複数の分割ゴム塊115の分割面115Aを接合して突起ゴム塊114を組み立てる突起ゴム塊組立工程と、突起ゴム塊114を加硫してゴム突起14を形成する加硫工程と、をゴムクローラの製造方法が有すること。
【選択図】図3
Description
ここで、突起ゴム塊が、例えば、ゴム突起と同一形状の凹部が形成されたモールドの該凹部内に未加硫のゴム材を押し込み、その後で、未加硫のゴム材の中央部に配合ゴムを押し込んで形成される場合、配合ゴムが突起ゴム塊内の所望位置よりもずれた位置に配置される、すなわち、配合ゴムが突起ゴム塊内で偏って配置されることがある。このように、配合ゴムが偏った場合には、突起ゴム塊の加硫の進行度合いにムラが生じる虞がある。このため、ゴムのオーバーキュアなどを避ける観点から加硫温度を一定値以下に抑えて加硫することとなり、加硫時間の短縮に改善の余地を残している。
以下、本発明の第1実施形態に係るゴムクローラの製造方法によって製造されるゴムクローラについて説明する。
図1に示すように、ゴムクローラ10は、機体としてのクローラ車の駆動軸に連結される駆動輪100とクローラ車(例えば、大型農業用機械や舗装機など)に回転自在に取付けられる遊動輪102に巻き掛けられて用いられる。また、ゴムクローラ10の内周を、駆動輪100と遊動輪102の間に配置され且つクローラ車に回転自在に取り付けられた複数の転輪104が転動するようになっている。なお、本実施形態の駆動輪100、遊動輪102、及び転輪104は、クローラ車側に連結される軸部と、この軸部の両端部側に設けられた円盤状の輪部とで構成されている。
また、本実施形態では、駆動輪100及び遊動輪102に巻き掛けて環状となったゴムクローラ10の内周側(図2の矢印IN方向側)を「クローラ内周側」と記載し、上記ゴムクローラ10の外周側(図2の矢印OUT方向側)を「クローラ外周側」と記載する。なお、図2の矢印IN方向(環状の内側方向)、矢印OUT方向(環状の外側方向)は、巻き掛け状態のゴムクローラ10の内外方向を示している。
また、ゴムベルト12の外周には、地面と接地するラグ18が複数形成されている。さらに、ゴムベルト12には、クローラ周方向に沿って延びる無端帯状のベルト層(図示省略)が埋設されている。
ゴムクローラ10の製造には、まず、ゴムクローラ10を構成する各ゴムクローラ構成部材を製造する。なお、ここでいうゴムクローラ構成部材とは、加硫後にゴムベルト12のクローラ内周側となる未加硫のゴムシート112、同じくゴムベルト12のクローラ外周側となる未加硫のゴムシート113、加硫後にラグ18となる未加硫のラグゴム塊118、加硫後にゴム突起14となる未加硫の突起ゴム塊114、加硫後にベルト層となる未加硫のベルトプライ120などを指している(図4(A)参照)。以下では、突起ゴム塊114の製造工程について詳細に説明する。
まず、図3に示すように、突起ゴム塊114を構成する複数の分割ゴム塊115を製造する。具体的には、分割ゴム塊115は、突起ゴム塊114を金属部材32が埋設される位置で複数に分割(本実施形態ではクローラ幅方向に2分割)したものである。なお、本実施形態の2つの分割ゴム塊115はともに同一形状となっている。
なお、ここでいう「ゴム突起14の幅方向壁面14Bを除いた壁面」とは、ゴム突起14のゴムクローラ周方向の周方向壁面14C、ゴム突起14の頂面14A(頂となる壁面)、及びゴム突起14の底面14D(底となる壁面)を指している。また、底面14Dは、ゴム突起14とゴムベルト12の境界にあたる。
なお、分割ゴム塊115は、分割ゴム塊成型用型の凹部に押出機(図示省略)から未加硫のゴム材を高圧で注入して製造してもよい。
なお、本実施形態では、分割ゴム塊115の分割面115Aは、嵌め込み用凹部116を除いて平坦状に形成されている。
次に、図3に示すように、分割ゴム塊115の分割面115Aの嵌め込み用凹部116に金属部材32を嵌め込みながら複数(本実施形態では2つ)の分割ゴム塊115の分割面115Aを接合して突起ゴム塊114を組み立てる。このようにして突起ゴム塊114が製造される。
なお、互いに隣り合う分割ゴム塊115の分割面115A同士を接合する接合剤としては、ジエン系重合体を用いる以外のその他一般的なゴム接合剤を用いてもよい。
次に、上記ゴムクローラ構成部材製造工程において製造した各ゴムクローラ構成部材を加硫型の一例としてのモールド48で加硫する(図4(A)参照)。
図4(A)に示すように、まず、未加硫のラグゴム塊118を下モールド52のラグ用凹部53に配設し(嵌め込み)、その上に、未加硫のゴムシート113、未加硫のベルトプライ120、未加硫のゴムシート112の順で各部材を配設する(積層)する。
次に、図4(A)、図4(B)に示すように、未加硫の突起ゴム塊114を位置決め用凹部51B内に配設し(嵌め込み)つつ、金属部材32の一端部32Aを上モールド50の位置決め用凹部51Bに差し込み、上モールド50と下モールド52を閉じる。
そして、上モールド50と下モールド52でゴムクローラ構成部材に所定の圧力を加えた状態で、所定の温度で所定時間加硫する。
なお、本実施形態では、下モールド52に対してゴムクローラ構成部材を順次積層する構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、上モールド50と下モールド52を上下逆さにして、上モールド50にゴムクローラ構成部材を順次積層する構成としてもよい。
上記ゴムクローラの製造方法では、分割ゴム塊形成工程において、分割面115Aに金属部材32が嵌め込まれる嵌め込み用凹部116が形成された複数の分割ゴム塊115が形成される。次に、突起ゴム塊組立工程において、分割ゴム塊115の嵌め込み用凹部116に金属部材32を嵌め込みながら、複数の分割ゴム塊115の分割面115Aが接合されて突起ゴム塊114が組み立てられる。そして、加硫工程において突起ゴム塊114が加硫されて、ゴムクローラ10の内周から突出すると共に金属部材32が埋設されたゴム突起14が形成される。
ここで、分割ゴム塊115の嵌め込み用凹部116に金属部材32を嵌め込みながら、複数の分割ゴム塊115の分割面115Aを接合して突起ゴム塊114が組み立てられることから、加硫後にゴム突起14となる未加硫の突起ゴム塊114内にゴム材よりも熱伝導性に優れる金属部材32を高い精度で配設することができる。
このように、金属部材32を突起ゴム塊114内の所望位置に配設することができるため、加硫時に突起ゴム塊114に略均等に熱を伝えることが可能となり、突起ゴム塊114の加硫温度を上昇させて加硫の進行速度を早めることができる。すなわち、ゴムクローラ構成部材全体の加硫の進行速度を早めることができる。これにより、加硫時間を短縮できるようになる。結果、ゴムクローラ製造時の電気使用量などが減少し、ゴムクローラ10の製造コストを低くすることができる。
この構成により、旋回時などに、駆動輪100や遊動輪102がゴム突起14の幅方向壁面14Bに当接しても、駆動輪100や遊動輪102が上記分割面115Aのつなぎ目Lに直に当接することがないため、上記分割面115Aのつなぎ目Lに起因する不具合(例えば、分割面115Aに沿った亀裂など)の発生を抑制することができる。
特に、本実施形態のゴムクローラ10のように大型農業機械や舗装機用のものは、ゴム突起14のサイズが大きい(例えば、ゴム突起14の突出高さがゴムベルト12の厚みよりも大きい値になる)ため、加硫時間が長くなる傾向にあるが、上記のように金属部材32を突起ゴム塊114内に配設しておくことで、加硫時間を短縮することができる。
また、2つの分割ゴム塊115が同一形状となるように分割面115Aに凸部と凹部の両方を形成してもよい。このように構成した場合には、突起ゴム塊114を構成する部材の種類を減らすことができるため、製造コストを減らすことができる。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
図4(A)に示すように、まず、未加硫のラグゴム塊118を下モールド52のラグ用凹部53に配設し(嵌め込み)、その上に、未加硫のゴムシート113、未加硫のベルトプライ120、未加硫のゴムシート112の順で各部材を配設する(積層)する。
次に、図4(A)、図4(B)に示すように、未加硫の突起ゴム塊114をゴム突起用凹部51内に配設し(嵌め込み)つつ、金属部材32の一端部32Aを上モールド50の位置決め用凹部51Bに差し込み、上モールド50と下モールド52を閉じる。
そして、上モールド50と下モールド52でゴムクローラ構成部材に所定の圧力を加えた状態で、所定の温度で所定時間加硫する。
Claims (5)
- 無端状のゴムクローラの内周から突出すると共に金属部材が埋設されるゴム突起となる未加硫の突起ゴム塊を前記金属部材が埋設される位置で複数に分割した分割ゴム塊を形成する分割ゴム塊形成工程と、
前記分割ゴム塊の分割面に形成された前記金属部材の嵌め込み用凹部に前記金属部材を嵌め込みながら、複数の前記分割ゴム塊の分割面を接合して前記突起ゴム塊を組み立てる突起ゴム塊組立工程と、
前記突起ゴム塊を加硫して前記ゴム突起を形成する加硫工程と、
を有するゴムクローラの製造方法。 - 互いに隣り合う前記分割ゴム塊の分割面のつなぎ目が、前記ゴム突起の前記ゴムクローラ幅方向の壁面を除いた壁面に位置するように前記分割ゴム塊を形成する、請求項1に記載のゴムクローラの製造方法。
- 互いに隣り合う前記分割ゴム塊の分割面に互いに嵌り合う凹凸部を形成する、請求項1または請求項2に記載のゴムクローラの製造方法。
- 前記分割ゴム塊の分割面にジエン系重合体を用いた接合剤を塗布する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴムクローラの製造方法。
- 前記ゴム突起の頂面から前記金属部材の一部が突出するように前記分割ゴム塊の前記嵌め込み用凹部を形成し、
組み立て後の前記突起ゴム塊から突出する前記金属部材の一部を加硫型に形成された位置決め用凹部に差し込んで前記突起ゴム塊を加硫する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴムクローラの製造方法。
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