JP2014156126A - 包装用フィルムの製造方法 - Google Patents

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重浩 長谷川
Hidemasa Sugimoto
英将 杉本
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    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/03Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor characterised by the shape of the extruded material at extrusion
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Abstract

【課題】横切性に優れた包装用フィルムの製造法を提供する。
【解決手段】(A)ポリメチルペンテン−1系樹脂100質量部および(B)ポリブテン−1系樹脂0.5〜60質量部および/または流動パラフィン0.1〜20重量部、ただし成分(B)の総量が75質量部を超えない、を含むポリメチルペンテン−1系樹脂組成物を、Tダイを使用して押出してフィルム肉厚3〜30μmの包装用フィルムを得ることを含み、上記押出において、Tダイのリップ開度R(単位μm)、フィルム肉厚t(単位μm)、ダイスから押し出される樹脂組成物のダイス幅1cm当たりの吐出速度E(単位cm/hr)およびエアギャップA(単位cm)が下記式1:15≦(1/t - 1/R)・(E/At )×100≦900を満たすことを特徴とする、包装用フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般家庭、食料品販売業、飲食物提供役務等において、主として食品の包装用に汎用されている包装用フィルムに関する。更に詳しくは、優れた横切性を有する包装用フィルムの製造方法、当該方法によって得られる包装用フィルムおよび鋸歯状の切断補助具の無い収納箱に収納した包装用フィルム製品に関する。
従来から、包装用フィルムは図5に示すような直方体の収納箱に納められた巻回フィルムとして提供されており、ここから必要分量を引出し、何らかの方法で長さ方向に対して横に切断し、使用に供される。横に切断する方法としては、収納箱の掩蓋板等に配備された長尺の鋸歯によるものが最も一般的である。
しかし、鋸歯には、手を怪我する等の安全性の問題、紙製の収納箱と金属製の鋸歯とを廃棄時に分離しなくてはいけないという問題があり、これの解決方法として、鋸歯に替えて、異形の金属粉を接着したシートを切断具に用いる方法(特許文献1)、フィルムの長さ方向に連続した加工傷を有し、その加工傷域と接触する収納箱の局部に切断補助具を形成する方法(特許文献2)、巻回フィルムの端部に切れ目を入れる方法(特許文献3)などが提案されている。
しかし、従来のラップフィルムは、切断具に沿ってカットする事を前提としているため、横方向の直線カット性に対する対策が充分ではなく、ましてや鋸歯のない化粧箱でのカット性に対する思慮は全くなく、仮に切断具なしで無理に切断したとしても、切れ始めは横方向に切れても、途中から次第に長さ方向へと切断方向が転回することがしばしばであり、実用的に満足のできるものではなかった。
特開昭61−217345号公報 特開平11−124133号公報 特開2001−322636号公報
本発明者らは、横切性に優れた包装用フィルムを得るべく鋭意研究した結果、ポリメチルペンテン−1系樹脂組成物をTダイを用いて特定の条件で押出製膜することにより上記目的を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は
(A)ポリメチルペンテン−1系樹脂100質量部、および
(B)ポリブテン−1系樹脂0.5〜60質量部および/または流動パラフィン0.1〜20質量部、ただし成分(B)の総量が75質量部を超えない
を含むポリメチルペンテン−1系樹脂組成物を、Tダイを使用して押出してフィルム肉厚3〜30μmの包装用フィルムを得ることを含み、上記押出において、Tダイのリップ開度R(単位μm)、フィルム肉厚t(単位μm)、ダイスから押し出される樹脂組成物のダイス幅1cm当たりの吐出速度E(単位cm/hr)およびエアギャップA(単位cm)が下記式1:
15≦(1/t - 1/R)・(E/At )×100≦900 ・・・式1
を満たすことを特徴とする、包装用フィルムの製造方法である。
本発明の方法により得られる包装用フィルムは横切性に優れるので、巻回されたフィルムを収納する箱が鋸歯等の切断補助具を何ら有していなくても、フィルムの必要量を箱から引き出して切断するとき、容易かつ良好に切断することができ、したがって、手を怪我する等の安全性の問題、紙製の収納箱と金属製の鋸歯とを廃棄時に分離しなくてはいけないという問題を根本的に解決することができる。
フィルム切断試験を示す図である。 フィルム端部引張試験を示す図である。 ローレット加工が施された本発明のフィルム表面を写真撮影した図である。 レーザー加工が施された本発明のフィルム表面を写真撮影した図である。 本発明のフィルムを収納するための箱の一実施態様を示す斜視図である。 フィルムの粘着性試験を説明するための図である。
本発明方法は、
(A)ポリメチルペンテン−1系樹脂100質量部、および
(B)ポリブテン−1系樹脂0.5〜60質量部および/または流動パラフィン0.1〜20質量部、ただし成分(B)の総量が75質量部を超えない
を含むポリメチルペンテン−1系樹脂組成物を、Tダイを使用して押出してフィルム肉厚3〜30μmの包装用フィルムを得ることを含む。
成分(A)はポリメチルペンテン−1系樹脂であり、4−メチルペンテン−1又は3−メチルペンテン−1の単独重合体の他に、4−メチルペンテン−1及び/又は3−メチルペンテン−1と他のα−オレフィンとの共重合体を包含する。α−オレフィンは1種単独でも、2種以上の組合せでもよい。α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。
成分(B)はポリブテン−1系樹脂および/または流動パラフィンである。上記ポリブテン−1系樹脂は、ブテン−1の単独重合体のほかに、ブテン−1と他のα−オレフィンとの共重合体を包含する。α−オレフィンは1種単独でも、2種以上の組合せでもよい。α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。上記流動パライフィンは、鎖式飽和炭化水素を主体とする常温で液体の化学的に安定な物質であり、市販例(商品名)としては、出光興産株式会社のダフニーオイルCP、株式会社MORESCOのモレスコホワイト、カネダ株式会社のハイコールKなどを挙げることができる。
成分(B)の量は、成分(A)100質量部に対して、ポリブテン−1系樹脂が0.5〜60質量部、好ましくは1〜25質量部であり、流動パラフィンが0.1〜20質量部、好ましくは1〜12質量部である。ただし、ポリブテン−1系樹脂および流動パラフィンの両方を使用するときは、それぞれの配合量が上記の範囲内であり、かつ、合計の配合量が0.6〜75質量部、好ましくは2〜35質量部、より好ましくは3〜25質量部である。成分(B)の量が上記上限より多いと、得られるフィルムの横切れ性に劣る。上記下限未満であると、包装用フィルムとして必要な粘着性に劣る。
上記ポリメチルペンテン−1系樹脂組成物には、本発明の目的に反しない範囲内において、副原料を添加することができる。これらの副原料により、包装用フィルムとして必要とされる物性、例えば粘着性や透明性を付与・調節することができる。副原料としては、ポリメチルペンテン−1系樹脂以外の熱可塑性樹脂(例えば、ポリプロピレンおよびポリエチレン)、液状ポリブテン(水添ポリイソブチレン)等の液状加工助剤、酸化防止剤、中和剤、防曇剤、スリップ剤等の添加剤を挙げることができる。上記熱可塑性樹脂および液状加工助剤の配合量は、合計で、ポリメチルペンテン−1系樹脂100質量部に対して20質量部以下が好ましく、より好ましくは10質量部以下である。
本発明の方法は、包装用フィルムに横切性を付与する観点から、また生産性および製膜速度の観点から、Tダイを使用する押出製膜法によって行われる。
本発明の方法によって製造される包装用フィルムは、肉厚が3〜30μm、好ましくは5〜20μm、より好ましくは8〜15μmである。肉厚が上記上限より厚いと、十分な横切性が得られない。また、上記上限より厚いと剛いフィルムとなり、ラップする際に食器等への粘着性が不満足なものになる。フィルムが上記下限より薄いと取り扱いに不便であり、またフィルム製膜やスリット加工が難しくなる。
本発明の方法は、Tダイを使用する押出製膜を、ダイスを出る溶融状態のフィルムがチルロールに到達して最終的な大きさのフィルムになるまでのフィルムの変形速度が大きい条件で行うことを特徴とする。すなわち、ダイスからチルロールまでのエアギャップにおいて、溶融状態のフィルムを大きくかつ速く引落とすことが必要である。一般的に、Tダイ製膜において、変形量および変形速度を大きくすると、得られるフィルムの縦伸びが小さくなることが知られている。本発明者らは、横切れ性の良い包装用フィルムを得るべく鋭意研究を重ねた結果、特定のポリメチルペンテン系樹脂組成物を、縦伸びを小さくする特定の製造条件において製膜すると、横切れ性が改善されたフィルムが得られることを見出した。上記製造条件は、具体的には、次の式1により表現することができる。
15≦(1/t - 1/R)・(E/At )×100≦900 ・・・式1
ここで、RはTダイのリップ開度(単位μm)であり、tは得られるフィルムの肉厚(単位μm)であり、Eはダイスから押し出される樹脂組成物のダイス幅1cm当たりの吐出速度(単位cm/hr)であり、Aはエアギャップ(単位cm)である。
以下に上記式1を説明する。Tダイ製膜におけるダイスからチルロールまでの間のフィルムの変形としては、フィルムの長さ方向の変形が極めて大きいウエイトを占めるので、変形速度を考えるとき、長さ方向のみについての変形を検討することができる。
長さ方向の変形量
ダイス(幅W)からの微小時間Δt における樹脂の押出体積量をΔEとし、そのときの押出長さをΔχとすると、
ΔE=WRΔχ ・・・式1−1
であるから、
Δχ=ΔE/WR ・・・式1−2
である。ここで、ΔEが一定であるように製膜条件を設定すると、Wは一定であるから、
Δχ=a/R (aは比例定数(a=ΔE/W)) ・・・式1−3
である。一方、ΔEの量の樹脂がチルロールに到達したときに得られるフィルムの長さをX、厚みをtとする。ここで、横方向の変形は長さ方向と比較して十分小さい故に無視することができ、したがって、フィルムの幅はWであるので、
ΔE=WtΧ
であり、式1−1より、
WRΔχ=WtΧ
∴ Χ=RΔχ/t
である。したがって、式1−3から、
Χ=a/t ・・・式1−4
である。よって、長さ方向の変形Χ−Δχは、式1−2と式1−4から、
Χ−Δχ=a/t−a/R=a(1/t −1/R) ・・・式1−5
である。
変形時間
上記長さ方向の変形は、溶融フィルムがTダイを出てチルロールに接するまでの間、すなわちエアギャップを通過する時間において起こる。エアギャップ通過時間Tは、エアギャップ(A)/エアギャップ間における平均フィルム引取速度(Vave)であるが、上記平均速度(Vave)は近似的にはフィルムがチルロールに達したときのフィルム引取速度(V)に比例することが知られている(例えば、金井俊孝、プラスチクスエージ、32、(10)、168(1986);金井敏孝、繊維学会誌、41、T−409(1985);金井敏孝および舟木章、繊維学会誌、41、T−521(1985);金井敏孝および舟木章、繊維学会誌、42、T−1(1986))。したがって、エアギャップ通過時間Tは、エアギャップ(A)/フィルム引取速度(V)に比例する。また、フィルム引取速度(V)は、吐出速度Eに比例し、フィルムの厚みtに反比例する。したがって、時間Tは、エアギャップAが長いほど長く、吐出速度Eが小さいほど長く、またフィルムの厚みtが大きいほど長い。したがって、時間Tは、以下のように表わすことができる。
T=b・At/E (bは比例定数) ・・・式1−6
長さ方向の変形速度
長さ方向の変形速度は、式1−5と式1−6より、
(Χ−Δχ)/T=a(1/t −1/R)/(b・At/E)
=c(1/t −1/R)・(E/At) (cは比例定数(c=a/b)) ・・・式1−7
である。ここで、t(フィルム肉厚)およびR(リップ開度)の単位はμmであり、E(吐出速度)の単位はcm/hrであり、A(エアギャップ)の単位はcmであり、これらの単位を使用すると、上記式の単位は、
(1/μm)・{(cm/hr)/(cm・μm)}=(cm/μm)・(1/hr)=(1/hr)×10
である。簡便化のために比例定数cを1×10としたのが上記式1である。つまり、式1は長さ方向変形速度を簡便に表わしたものである。
本発明の目的とする、横切性の良い包装用フィルムを得るためには、式1の値が15以上であることが必要である。好ましくは25以上である。上限は、バキュームチャンバーや耳ジェット等を使用しても製膜安定性を確保することができない領域であり、現在の製膜機の一般的な能力を考慮すれば、900程度である。
式1を満たすために、tを薄くし、具体的には製品としての取り扱い性も考慮して、好ましくは5〜20μm、より好ましくは8〜15μmにし、Aを短くし、具体的には0.5〜2cmにし、Eを、製膜安定性を確保できる範囲内で大きくし、具体的には、製膜機の仕様にもよるが、100cm/hr以上にすることができる。Rは、式1の中では影響度が小さいので、製膜安定性や押出負荷等を勘案して製膜し易い数値を選ぶことができ、具体的には、製膜機の仕様にもよるが、300〜900μm程度である。もちろん、各パラメータの値は、式1を満たすならば、これらの数値に限定されず、例えば実施例で使用されているパラメータ値を使用することができる。
上記方法によって得られる包装用フィルムは横切性に優れ、下記物性値を有する。
(1)フィルム切断試験における切断ずれ量(δ)が10mm以下である、
(2)フィルムの長さ方向の端部引張伸び(P)が120%以下である、および
(3)フィルムの長さ方向の端部引張伸び(P)と横方向の端部引張伸び(Q)との比P/Qが0.25以下である。
上記切断ずれ量(δ)は、フィルムの横切性を直接的に示す物性値である。この物性値を測定するためのフィルム切断試験は、図1に示すように行われる。すなわち、辺α(長さ300mm)および辺β(長さ220mm)を有する長方形の試験片を用意し(ここで、辺αはフィルムの長さ方向と平行である)、一方の辺αの中央部に長さ3mmの切込みを入れ、切込みを入れた辺α側の両隅を人の手で引張ってフィルムを切断する。切断したときのフィルムの切断線と、切込みから他方の辺αに垂直に降ろした基準線との乖離の最大値(単位:mm)が切断ずれ量(δ)である。
本発明のフィルムは、上記切断ずれ量(δ)が10mm以下である。10mmより大きいフィルムは横切性に劣る。当然のことながら、フィルムを切断するとき、基準線に沿って切れることが理想であり、上記切断ずれ量(δ)は小さい方が良い。実用的には6mm以下であるのが好ましい。
さらに、本発明のフィルムは、上記(2)および(3)の物性値を有する。フィルムの切断ずれ量がたとえ10mm以下であったとしても、切断ずれ量の試験時にフィルムが縦伸びを起こすならば、実際の使用において支障をきたし、感触的に横切性が極めて悪いものになる。上記(2)および(3)の物性値は、このような縦伸びを生じず、したがって感触的に横切性が良いフィルムであることを示す指標である。長さ方向の端部引張伸び(P)は、フィルムを切断しようとする力に対し、変形することにより対応する能力を示す。比P/Q、は、引張方向が長さ方向(MD)のときに横方向(CD)に切れることに注意を向けると、横伸びと縦伸びとの起こり易さの比であり、この値が大きいほど縦伸びが起こり易く、好ましくないことを示す。本発明のフィルムは、上記Pが120%以下、好ましくは100%以下であり、比P/Qが0.25以下、好ましくは0.20以下である。
上記PおよびQの測定は、図2に示されるフィルム端部引張試験によって行われる。フィルムの長さ方向の端部引張試験は、辺A(長さ60mm)および辺B(長さ20mm)を有する長方形の試験片を用意し(ここで、辺Aはフィルムの長さ方向(MD方向)と平行である)、試験片の辺Aの1つを引張速度200mm/分で引張ったときの試験片破断時の伸びを測定し、これを(P)とする。横方向(CD方向)のフィルム端部引張試験は、試験片の辺Aがフィルムの横方向(CD方向)と平行であること以外は、上記の測定と同様にして測定される。上記引張試験において、引張部分が試験片の中央ではなく端部であるのは、実際のフィルム切断時には端部を掴んで引張ることが通常であるためである。
本発明の包装用フィルムは、更に以下のような特徴をもつものが好ましい。
(4)MD方向の端部引張破断力(イ)
フィルム端部の引張破断力は、破断がどの程度の力で伝播するかの指標である。上記引張破断力が小さすぎると、包装用としての使用に適しない。また、大きすぎると、以下に述べるように、切断補助具を有しない箱に収容された巻回フィルムを箱から引き出して切断するときに不利である。フィルムを収納する箱として、切断補助具を有していないもの、つまり単に厚紙により構成されているに過ぎないものを使用する場合、フィルムの切断は、掩蓋板の先端部及び/又は前面板と底面板の稜線部で行われる(図5参照)。もしフィルムの強度が、実用上必要とされるレベルを大きく上回るものであるとすると、フィルム切断時に厚紙が負けて、収納箱が傷んでしまうことになるし、厚紙が負けないように箱を補強したり、厚みを増したりすることは経済的ではない。つまり、フィルムが不必要に高い強度を有することは好ましくない。
本発明のフィルムは、引張破断力が1〜15Nであるのが好ましい。より好ましくは、上限が10Nである。下限は、包装用としての要請に基づき、1N以上あれば十分であり、より好ましくは2N以上である。
MD方向(長さ方向)の端部引張破断力(イ)は、上述したフィルム端部引張試験によって測定される。すなわち、図2に示されるように、辺A(長さ60mm)および辺B(長さ20mm)を有する長方形の試験片を用意し(ここで、辺Aはフィルムの長さ方向と平行である)、試験片の辺Aの1つを引張速度200mm/分で引張ったときの試験片破断時の力(単位:N)である。
(5)CD方向の端部引張破断力(ロ)
CD方向の端部引張破断力(ロ)もMD方向の端部引張破断力(イ)と同様の理由から15N以下が好ましく、より好ましくは10N以下である。(ロ)の下限も、包装用としての要請に基づき、1N以上あれば十分であり、より好ましくは2N以上である。なお、引張破断力(ロ)は、試験片の辺Aがフィルムの横方向(CD方向)と平行であること以外は、上記引張破断力(イ)の測定と同様にして測定される。
ローレット加工、レーザー加工
本発明の包装用フィルムは優れた横切性を有するが、フィルムとしての強度が比較的高いものになり易いため、より容易に横方向に切断するためには何らかの”きっかけ”のある方が好ましい。その方法としては、紙やすり等の切断補助具を収納箱に設ける方法もあるが、本発明の目的に即して選択すれば、フィルムの長さ方向に平行な端部にローレット加工やレーザー加工を施す方法が最も好ましい。
ローレット加工は、フィルムを金属製等の彫刻ロールと金属製や高硬度のゴム等の彫刻ロール又は平滑ロールとで挟み込むことにより、あるいはフィルムの巻に該彫刻ロールを押し当てることにより微細なエンボスや傷を入れる加工である。加工条件はフィルムの材質により適宜選択されるべきであるが、通常、押圧は10〜50N/m程度である。ローレット加工が施された本発明のフィルム表面を写真撮影したものを図3に示す。ローレット加工は、原反製膜時に、スリット加工時に、またはスリット加工後に独立の工程を設けて施すことができる。ローレット加工は、フィルムの長さ方向に平行な端部の少なくとも一方に施されるが、どちらの側からでも切断出来るように、両方の端部に施すことがより好ましい。加工幅は通常0.1〜10mmであり、好ましくは0.3〜6mmである。
レーザー加工はレーザーの照射熱により、フィルムを極めて微細な領域において溶融し、そこに凹形状や孔を設ける加工である。使用するレーザーは、特に制限されない。例えば、炭酸ガスレーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザーおよびエキシマレーザーなどのガスレーザーや、クロム添加ルビー結晶を媒質に使用したルビーレーザー、チタン添加サファイア結晶を媒質に使用したチタンサファイアレーザー、YAG結晶中のイットリウムを他の希土類元素で置換した種々のYAGレーザーおよびネオジム添加YAGを用いたNd:YAGレーザーなどの固体レーザーが挙げられる。また、液体レーザー、半導体レーザー、自由電子レーザー、金属蒸気レーザー、化学レーザー等の公知のレーザーを使用することができる。照射出力は、0.5〜20W程度であり、フィルムの肉厚や加工速度を勘案して適宜調節する。レーザー加工が施された本発明のフィルム表面を写真撮影したものを図4に示す。レーザー加工は、原反製膜時に、スリット加工時に、またはスリット加工後に独立の工程を設けて施すことができる。レーザー加工は、フィルムの長さ方向に平行な端部の少なくとも一方に施されるが、どちらの側からでも切断出来るように、両方の端部に施すことがより好ましい。加工幅は通常0.1〜10mmであり、好ましくは0.3〜6mmである。
また、ローレット加工やレーザー加工を施すと、巻回フィルムの引出端が巻き本体に強く密着して引き出せなくなるというトラブルの防止効果を得ることもできる。
収納箱
包装用フィルムの収納箱としては、図5に示されるような、前面板と底面板と後面板と蓋面板と掩蓋板が順次稜線を介して連結し、両側面板部を有する長形の化粧箱が多用されており、従来は、掩蓋板の先端部及び/又は前面板と底面板の稜線部に切断補助具としての鋸歯が固着されていた。本発明の包装用フィルムは、上述したように優れた横切性を有するので、収納箱にこのような切断補助具を必要としない。
一方、末端消費者の視点で考えると、従来は切断具として金属製の鋸歯を備えていた収納箱が、そのような切断具を全く有しないただの厚紙だけの箱になったのでは、「本当に切断出来るのか?」という疑問を生じさせ得る。従って、極めて簡便な切断補助具を設けておく方が、末端消費者に疑念を抱かせることがなく、販売現場では有利になるかもしれない。そのような極めて簡便な切断補助具としては、手を怪我する等の危険が少ない、安全性が高められたものが好ましく、具体的には目の細かい紙やすり等を挙げることができる。目の粗いものは砥粒が剥離する可能性があり、包装用フィルム、特に食品包装用フィルムの切断補助具としては適さない。砥粒の剥離可能性は、簡易的には、180度折り曲げ試験によって、やすり面に亀裂が観察されるかどうかで判断することができる。例えば、市販の紙やすり(株式会社ノリタケコーテッドアブレーシブ製、耐水タイプの紙やすり、商品名C947H)の場合、粒度(JISR6001(1998)による)が#220およびそれより粗いものは亀裂が観察され、#240のものは極めて微細な亀裂が観察され、#320およびそれより細かいものは亀裂が観察されなかったから、粒度が少なくとも#240またはそれより細かいものを使用するべきであり、好ましくは#320またはそれより細かいものを使用するべきと判断される。上記市販の紙やすりの種々の粒度の180度折り曲げ試験結果を下記表1に示す。
フィルムが紙やすりのような極めて簡便な切断補助具で切断可能であるかどうかは、後述する砥粒カット性試験で判断できる。本発明のフィルムは、後述する上記試験の結果から分かるように、紙やすりを切断補助具とする収納箱に十分適応できる。
収納箱に紙やすりを設ける方法には、特に制限はなく、掩蓋板の先端部及び/又は前面板の上端部及び/又は前面板と底面板の稜線部に直接、砥粒を含む塗料を塗布・硬化させる方法、紙等の基材に砥粒を含む塗料を塗布・硬化させた後、それを収納箱の上記部分に貼付する方法などが挙げられる。また、上述した掩蓋板の先端部及び/又は前面板の上端部及び/又は前面板と底面板の稜線部の端から端までの全長にわたって紙やすりを設けても良く、あるいは上記全長の一部、例えば端部だけに設けても良い。また、収納箱の上記部分に加えて、または上記部分に代えて、収納箱の他の部分に紙やすりを設けてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。使用した材料および測定方法は以下の通りである。
材料
ポリ4−メチルペンテン−1系樹脂
MX−0020:三井化学株式会社製のポリ4−メチルペンテン−1、MFR(260℃、5.00kg)21g/10分
MX−004:三井化学株式会社製のポリ4−メチルペンテン−1、MFR(260℃、5.00kg)25g/10分
ポリブテン−1系樹脂
PB8640M:LYONDELLBASELL社製のポリブテン-1、MFR(190℃、21.18N)28g/10分
タフマーBL2000:三井化学株式会社製のポリブテン-1、MFR(190℃、21.18N)1.0g/10分
流動パラフィン
ハイコールK−350:カネダ株式会社製の流動パラフィン
モレスコホワイトP−350P:株式会社MORESCOの流動パラフィン
比較用成分
FB3HAT:日本ポリプロ株式会社製のポリプロピレン、キャストフィルム用グレード、MFR(230℃、21.18N)7.5g/10分
DFD0118:日本ユニカー株式会社製の低密度ポリエチレン、密度923Kg/m、MFR(190℃、21.18N)2.4g/10分
測定方法
(1)切断ずれ量(δ)
辺α(長さ300mm)および辺β(長さ220mm)を有しかつ辺αがフィルムの長さ方向(MD方向)と平行である長方形のフィルムを試験片とし、一方の辺αの中央部に長さ3mmの切込みを入れ、切込みを入れた辺α側の両隅を人の手で引張ってフィルムを切断する(図1)。切込みから他方の辺αに垂直に降ろした基準線と切断線との乖離を測定し、その最大値(単位:mm)を切断ずれ量(δ)とした。上記試験を3人が各3回行い、合計9回の平均値をとった。なお、ローレット加工またはレーザー加工を施されたフィルムについては、ローレット加工またはレーザー加工された端部が、切込みを入れるところの上記一方の辺αとなるように試験片を作成した。
(2)MD方向の端部引張破断力(イ)
辺A(長さ60mm)および辺B(長さ20mm)を有しかつ辺Aがフィルムの長さ方向(MD方向)と平行である長方形のフィルムを試験片とし、両方の辺Bに沿って10mm幅でセロハンテープ(ニチバン株式会社のセロテープ(登録商標)、グレード名CT15−S)による補強を行った。試験片の辺Aの1つを引張試験機により引張速度200mm/minで引張る引張試験を行い、試験片破断時の力(単位:N)を測定した(図2)。試験を5回行い、その平均値をとった。なお、ローレット加工またはレーザー加工を施されたフィルムについては、ローレット加工またはレーザー加工された端部が、上記辺Aの1つとなるように試験片を作成し、ローレット加工されたまたはレーザー加工側の辺Aを引張った。
(3)MD方向の端部引張伸び(P)
上記試験(2)と同様の引張試験を行い、試験片破断時のストローク量S(単位:mm)を測定し、次式により伸びを計算した。試験を5回行い、その平均値をとった。
P={S/(60−10×2)}×100 (%)
(4)CD方向の端部引張破断力(ロ)、
上記(2)の試験において、試験片の辺Aがフィルムの横方向(CD方向)と平行であること以外は上記(2)と同様にして、試験片破断時の力(単位:N)を測定した。試験を5回行い、その平均値をとった。
(5)CD方向の端部引張伸び(Q)
上記(3)の試験において、試験片の辺Aがフィルムの横方向(CD方向)と平行であること以外は上記(3)と同様にして試験片破断時のストローク量S(単位:mm)を測定し、伸びを計算した。試験を5回行い、その平均値をとった。
(6)切断補助具を具備した収納箱でのカット性試験
図5に示す形状の箱(厚紙の坪量400g/m、40mmx40mmx310mm)の掩蓋板先端部の裏表1cmずつを覆うように、幅2cmx長さ310mmの紙やすり(株式会社ノリタケコーテッドアブレーシブ製、耐水タイプの紙やすり、商品名C947H)を折り曲げて両面粘着テープを用いて貼りつけた。使用した紙やすりの番手は#320および#600である。この箱に、巻回されたフィルム(幅300mm、長さ20mのフィルムを、幅305mm、内径27mm、肉厚1.5mmの紙管に巻いたもの)を収納し、フィルムを約20cm引き出し、蓋を閉じた状態で、紙やすりを貼り付けた掩蓋板先端部を利用して切断を試みた。この試みを10回行い、切断できた回数を切断率(%)として表記した。
フィルムが紙やすりを切断補助具として備えた箱に適応できるためには、上記切断率が少なくとも80%である必要があり、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは100%である。また、上述した砥粒の剥離可能性を加味すると、上記切断率が、#320またはそれより細かい砥粒度で達成される必要があると考察される。
(7)粘着性試験(おにぎり包装性)
常温(25℃)の冷めたおにぎり(正三角形状、重さ100g、1辺7cm、厚さ4cm)を、図6に示すように、30cm角の正方形に切り取ったフィルムで包装し、フィルム末端をひねって紙縒り状にした。包装状態の保持性を下記の3段階で評価した。
3:紙縒りがばらけず、最初の状態のままで保持される。
2:紙縒りが少しほどけるが、おにぎりが露出してしまうほどではない。
1:紙縒りがほどけて、おにぎりが露出する。
(8)透明性(ヘーズ値)
JIS K 7105に従い測定した。
実施例1〜24および比較例1〜12
表2に示す配合量(質量部)の各成分を使用し、株式会社日本製鋼所製のTダイ製膜装置を表2に示す条件で用いて、表2に示す肉厚のフィルムを製造した。なお、チルロール温度は25℃であり、ダイス出口樹脂温度は290℃であり、バキュームチャンバーと耳ジェットを使用した。得られたフィルムを用いて試験(1)〜(8)を行った。結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本願方法に従って得られるフィルムは、横切れ性に優れる。一方、フィルム肉厚が本発明の範囲より大きい比較例1のフィルムは横切れ性を全く有しなかった。成分(B)の量が本発明の範囲より多い樹脂組成物を使用した比較例2〜4のフィルムは、横切れ性に劣り、成分(B)を含まない樹脂組成物を使用した比較例5のフィルムは粘着性に劣る。比較例6は、実施例19において吐出速度を半分にしたものであり、横切れ性に劣る。比較例7は、実施例22においてリップ開度を狭くしたものであり、横切れ性に劣る。比較例8は、実施例22において吐出速度を半分にしたものであり、横切れ性に劣る。比較例8においてフィルム肉厚を本発明の範囲より大きくした比較例9のフィルムは、横切れ性を全く有しなかった。比較例10は、実施例23においてエアギャップを長くしたものであり、横切れ性に劣る。なお、比較例10の製造条件は、リケンテクノス株式会社製のフォーラップ(商品名)の製造条件であり、従来の方法に相当する。実施例18において、(A)成分としてのポリ4−メチルペンテン−1に代えて、ポリプロピレンを使用した比較例11およびポリエチレンを使用した比較例12のフィルムは共に、切断ずれ量の試験において著しい縦伸びを生じ、横切れ性を全く有しなかった。
実施例25〜27および比較例13
実施例25では、実施例1のフィルムの長さ方向に平行な端部の一方に幅3mmのローレット加工を施した。加工条件は、押え量0.2mm、加工幅3mm、加工速度400m/分であった。実施例26では、加工幅を0.6mmとした以外は実施例25と同様にローレット加工を施した。実施例25のローレット加工を施した部分のフィルム表面を写真撮影したものを図3に示す。実施例27では、実施例1のフィルムの長さ方向に平行な端部の一方に幅3mmのレーザー加工を施した。加工条件は、炭酸ガスレーザーを使用し、出力は1W、加工幅3mm、加工速度1000mm/秒であった。レーザー加工を施した部分のフィルム表面を写真撮影したものを図4に示す。比較例13では、サランラップ(商品名)(旭化成ホームプロダクツ株式会社製、ポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物のラップフィルム)の長さ方向に平行な端部の一方に幅3mmのローレット加工を施した。加工条件は実施例25と同じであった。これらのフィルムについて、下記試験(9)を行った。
(9)切断補助具を有しない収納箱でのカット性試験
図5に示す形状の、鋸歯等の切断補助具を有しない箱(厚紙の坪量400g/m、40mmx40mmx310mm)に、巻回されたフィルム(幅300mm、長さ20mのフィルムを、幅305mm、内径27mm、肉厚1.5mmの紙管に巻いたもの)を収納し、フィルムを約20cm引き出し、蓋を閉じた状態で、箱の前面板と底面板との稜線部を利用して切断を10回試み、切断できた回数を切断率(%)として表記した。なお、ローレット加工もレーザー加工も施していない実施例1のフィルムについても同様の試験を行った。結果を表3に示す。
比較例14〜17
下記の市販の包装用フィルムを使用して試験(1)〜(8)を行った。結果を表4に示す。
比較例14:クレラップ(商品名)(株式会社クレハ製、ポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物のラップフィルム)
比較例15:サランラップ(商品名)(旭化成ホームプロダクツ株式会社製、ポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物のラップフィルム)
比較例16:ヒタチラップ(商品名)(日立化成フィルテック株式会社製、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物のラップフィルム)
比較例17:ポリラップ(商品名)(宇部フィルム株式会社製、ポリエチレン系ラップフィルム)
なお、試験(6)については、表4に示す6種類の番手(砥粒度)を有する紙やすりについて試験を行った。同じ試験を実施例1のフィルムについても行った。
本発明方法は、
(A)ポリメチルペンテン−1系樹脂100質量部、および
(B)ポリブテン−1系樹脂0〜0.5質量部未満および/または流動パラフィン0〜0.1質量部未満
を含むポリメチルペンテン−1系樹脂組成物を、Tダイを使用して押出してフィルム肉厚3〜30μmの包装用フィルムを得ることを含む。
実施例1〜24(参考例)および比較例1〜12(比較例5は本発明に従う実施例)
表2に示す配合量(質量部)の各成分を使用し、株式会社日本製鋼所製のTダイ製膜装置を表2に示す条件で用いて、表2に示す肉厚のフィルムを製造した。なお、チルロール温度は25℃であり、ダイス出口樹脂温度は290℃であり、バキュームチャンバーと耳ジェットを使用した。得られたフィルムを用いて試験(1)〜(8)を行った。結果を表2に示す。
実施例25〜27(参考例)および比較例13
実施例25では、実施例1のフィルムの長さ方向に平行な端部の一方に幅3mmのローレット加工を施した。加工条件は、押え量0.2mm、加工幅3mm、加工速度400m/分であった。実施例26では、加工幅を0.6mmとした以外は実施例25と同様にローレット加工を施した。実施例25のローレット加工を施した部分のフィルム表面を写真撮影したものを図3に示す。実施例27では、実施例1のフィルムの長さ方向に平行な端部の一方に幅3mmのレーザー加工を施した。加工条件は、炭酸ガスレーザーを使用し、出力は1W、加工幅3mm、加工速度1000mm/秒であった。レーザー加工を施した部分のフィルム表面を写真撮影したものを図4に示す。比較例13では、サランラップ(商品名)(旭化成ホームプロダクツ株式会社製、ポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物のラップフィルム)の長さ方向に平行な端部の一方に幅3mmのローレット加工を施した。加工条件は実施例25と同じであった。これらのフィルムについて、下記試験(9)を行った。

Claims (5)

  1. (A)ポリメチルペンテン−1系樹脂100質量部、および
    (B)ポリブテン−1系樹脂0.5〜60質量部および/または流動パラフィン0.1〜20質量部、ただし成分(B)の総量が75質量部を超えない
    を含むポリメチルペンテン−1系樹脂組成物を、Tダイを使用して押出してフィルム肉厚3〜30μmの包装用フィルムを得ることを含み、上記押出において、Tダイのリップ開度R(単位μm)、フィルム肉厚t(単位μm)、ダイスから押し出される樹脂組成物のダイス幅1cm当たりの吐出速度E(単位cm/hr)およびエアギャップA(単位cm)が下記式1:
    15≦(1/t - 1/R)・(E/At )×100≦900 ・・・式1
    を満たすことを特徴とする、包装用フィルムの製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法により得られた包装用フィルムであって、下記(1)〜(3)を満たすことを特徴とする包装用フィルム、
    (1)フィルム切断試験における切断ずれ量(δ)が10mm以下である、
    (2)フィルムの長さ方向の端部引張伸び(P)が120%以下である、および
    (3)フィルムの長さ方向の端部引張伸び(P)と横方向の端部引張伸び(Q)との比P/Qが0.25以下である、
    ここで、切断ずれ量(δ)は、辺α(長さ300mm)および辺β(長さ220mm)を有しかつ辺αがフィルムの長さ方向と平行である長方形のフィルムを試験片とし、一方の辺αの中央部に長さ3mmの切込みを入れ、切込みを入れた辺α側の両隅を人の手で引張ってフィルムを切断したときの切断線と、切込みから他方の辺αに垂直に降ろした基準線との乖離の最大値(単位:mm)であり;
    フィルムの長さ方向の端部引張伸び(P)は、辺A(長さ60mm)および辺B(長さ20mm)を有しかつ辺Aがフィルムの長さ方向と平行である長方形のフィルムを試験片とし、試験片の辺Aの1つを引張速度200mm/分で引張ったときの試験片破断時の伸びであり;
    フィルムの横方向の端部引張伸び(Q)は、試験片の辺Aがフィルムの横方向と平行であることを除いて上記(P)と同様に引張試験を行ったときの試験片破断時の伸びである。
  3. フィルムの長さ方向に平行な端部の少なくとも一方に幅0.1〜10mmのローレット加工および/またはレーザー加工が施されていることを特徴とする、請求項2に記載の包装用フィルム。
  4. 請求項2または3に記載の包装用フィルムの巻回フィルムが、鋸歯状の切断補助具の無い収納箱に収納されていることを特徴とする包装用フィルム製品。
  5. 請求項2または3に記載の包装用フィルムの巻回フィルムが、砥粒径が#320またはそれより小さい紙やすりを有する収納箱に収納されていることを特徴とする包装用フィルム製品。
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