JP2014155259A - スイッチング電源回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチング電源回路において、省電力化を図り、トランスのうなりを聞こえ難くし、しかも製造コストを低減する。
【解決手段】スイッチング電源回路は、トランスの1次巻線への給電をスイッチングしてその2次巻線に電圧を誘起させるスイッチング素子と、そのスイッチング動作を制御するためのパルス信号P1を発振する発振回路とを備える。発振回路は、パルス信号P1の間欠発振を繰り返し、間欠発振の各回毎に、パルス信号P1のパルス数を増減させてパルス信号P1の発振期間を延長・短縮し、その延長・短縮時にはそれぞれ発振停止期間を延長・短縮して、間欠発振の周期を変動させる。軽負荷の場合に負荷に応じた必要最低限の電圧だけを負荷に出力でき、また、うなりにおける周波数成分の偏りを抑制できる。しかも、うなりを聞こえ難くするために間欠発振の周波数を高くする周波数逓倍器を設ける必要がない。
【選択図】図5
【解決手段】スイッチング電源回路は、トランスの1次巻線への給電をスイッチングしてその2次巻線に電圧を誘起させるスイッチング素子と、そのスイッチング動作を制御するためのパルス信号P1を発振する発振回路とを備える。発振回路は、パルス信号P1の間欠発振を繰り返し、間欠発振の各回毎に、パルス信号P1のパルス数を増減させてパルス信号P1の発振期間を延長・短縮し、その延長・短縮時にはそれぞれ発振停止期間を延長・短縮して、間欠発振の周期を変動させる。軽負荷の場合に負荷に応じた必要最低限の電圧だけを負荷に出力でき、また、うなりにおける周波数成分の偏りを抑制できる。しかも、うなりを聞こえ難くするために間欠発振の周波数を高くする周波数逓倍器を設ける必要がない。
【選択図】図5
Description
本発明は、負荷に電圧を出力するスイッチング電源回路に関する。
従来から、トランスの1次巻線にスイッチング素子を直列的に接続し、そのスイッチング素子のスイッチング動作によりトランスの1次巻線への給電をオンオフし、それによりトランスの2次巻線に電圧を誘起させ、その誘起した電圧を平滑化して負荷に出力するスイッチング電源回路が知られている。このスイッチング電源回路は、スイッチング素子によるスイッチング動作を制御するためのパルス信号を発振する発振回路と、その発振回路による出力信号の周波数を逓倍する周波数逓倍器とを備える。上記発振回路は、負荷が軽いときに、パルス信号の発振とその発振の停止とから成る間欠発振を繰り返し、負荷への出力電圧の値を下げ、それにより出力電圧を必要最低限度の値とする。上記周波数逓倍器は、間欠発振の周波数を人間の可聴領域よりも高くするように、発振回路による出力信号の周波数を逓倍する。このようなスイッチング電源回路によれば、間欠発振により省電力化を図ることができ、また、間欠発振に起因するトランスのうなり等の異音をユーザに聞こえ難くすることができる(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、特許文献1に記載のようなスイッチング電源回路においては、間欠発振時の異音をユーザに聞こえ難くする上で、周波数逓倍器が必要とされ、製造コストが高くなってしまう。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、省電力化を図ることができ、トランスのうなり等の異音をユーザに聞こえ難くすることができ、しかも、製造コストを低減することができるスイッチング電源回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明のスイッチング電源回路は、電源から給電される1次巻線、及び2次巻線を有するトランスと、前記1次巻線への給電をスイッチングし、前記2次巻線に電圧を誘起させるスイッチング素子と、前記スイッチング素子によるスイッチング動作を制御するためのパルス信号を発振する発振手段と、前記発振手段が、前記パルス信号の発振と前記発振の停止とから成る間欠発振を、繰り返して複数回行い、前記間欠発振の各回毎に、前記パルス信号のパルス数を増減させて前記パルス信号の発振期間を延長又は短縮し、前記発振期間が延長されたときには前記パルス信号の発振停止期間を延ばし、前記発振期間が短縮されたときには前記発振停止期間を短くして、前記間欠発振の周期を変動させるように前記発振手段を制御する制御手段と、を備える。
この構成によれば、発振手段の間欠発振により、トランスの2次巻線に電圧が間欠的に誘起されるので、例えばその電圧を平滑化して負荷に出力する場合、その負荷への出力電圧を低くすることができる。従って、負荷が軽い場合、負荷に応じた必要最低限の電圧だけを負荷に出力することができ、無駄な電力供給をなくすことができ、省電力化を図ることができる。また、たとえ間欠発振に起因してトランスのうなり等の異音が発生し、その間欠発振の周波数が可聴周波数帯域内にあったとしても、間欠発振の周期変動により、異音における周波数成分の偏りを防ぐことができ、そのため、異音をユーザに聞こえ難くすることができる。しかも、その異音を聞こえ難くするために、従来のように周波数逓倍器を設ける必要がなく、製造コストを低減することができる。
本発明においては、前記2次巻線に誘起された電圧を平滑化して負荷に出力する出力手段を備え、前記制御手段は、前記出力手段により前記負荷に出力すべき電圧が閾値未満であるときに、前記発振手段に、前記間欠発振の周期を変動させ、前記出力すべき電圧が閾値以上であるときに、前記発振手段に、前記間欠発振の周期を一定にさせ、前記間欠発振の各回毎に前記パルス信号のパルス数を増減させることなく、前記間欠発振の各回における前記パルス信号のパルス数を前記出力すべき電圧に応じたパルス数とすることが好ましい。
この構成によれば、負荷に出力すべき電圧が閾値以上になったときに、その電圧に応じて、間欠発振の各回におけるパルス信号のパルス数を例えば多くした場合、パルス信号の発振期間が延び、発振停止期間が短くなる。従って、負荷に出力可能な電圧の上限値が高くなる。たとえ間欠発振に起因して異音が発生し、その間欠発振の周波数が可聴周波数帯域内にあったとしても、異音の周波数成分については、間欠発振の周波数成分よりもパルス信号自体の周波数成分の方が相対的に多くなる。そのため、パルス信号の周波数が可聴周波数帯域外にある場合、異音はユーザに聞こえ難くなる。
本発明によれば、省電力化を図ることができ、トランスのうなり等の異音をユーザに聞こえ難くすることができ、しかも、製造コストを低減することができる。
本発明の一実施形態に係るスイッチング電源回路(以下、電源回路と略す)について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の電源回路を備えた電気機器の構成と、その電源回路の概略構成とを示す。電気機器10は、交流電源11から給電され負荷12に電圧を供給する電源回路1と、負荷12を操作するための操作器13とを備え、例えば映像機器に適用される。操作器13は、負荷12の動作モードを待機モードと通常モードのいずれかに切り替えるために用いられ、さらに、通常モードの中でも、負荷12の複数の動作に応じて複数の動作モードに切替え可能とされている。負荷12は、操作器13により設定される動作モードに応じて必要な電圧が異なる。そのため、電源回路1は、操作器13により設定された負荷12の動作モードに応じて、負荷12が必要とする電圧を、負荷12に供給する。例えば、電源回路1は、負荷12が待機モードに設定された場合、その待機モードで負荷12が必要とする最低限度の待機電圧を負荷12に供給する。以下、操作器13により設定された動作モードで負荷12が必要とする電圧、すなわち、電源回路1が負荷12に出力すべき電圧の値を、説明の便宜上、操作器13による設定電圧という。
電源回路1は、交流電源11から整流回路2及び平滑化回路3を介して1次側に給電されるトランス4と、トランス4の1次側への給電をスイッチングするスイッチング素子5と、そのスイッチング動作によりトランス4の2次側に誘起される電圧を負荷12に出力する出力回路6とを備える。また、電源回路1は、スイッチング素子5のスイッチング動作を制御する制御回路7と、操作器13による設定電圧と出力回路6による出力電圧との電位差を検出する電圧検出回路8とを備える。
制御回路7は、出力回路6による出力電圧が操作器13による設定電圧以上となるように、スイッチング素子5のスイッチング動作を制御する。また、制御回路7は、スイッチング素子5のスイッチング動作によりトランス4の3次側に誘起される電圧を電源として駆動する。電圧検出回路8は、検出した電位差を示す検出信号を光通信により制御回路7に送信する。制御回路7は、その検出信号を受信し、その検出信号に基づいてスイッチング素子5のスイッチング動作を制御する。
図2は、電源回路1の詳細構成を示す。整流回路2は、交流電源11から供給される交流電圧を全波整流するダイオードブリッジ回路等により構成される。平滑化回路3は、整流回路2による全波整流後の脈流電圧を平滑化するコンデンサ等により構成され、その平滑化後の直流電圧をトランス4に供給する。
トランス4は、平滑化回路3による平滑化後の電圧が供給される1次巻線41と、2次巻線42と、3次巻線43とを有する。1次巻線41への給電がスイッチング素子5によりスイッチングされ、それにより、電圧が2次巻線42及び3次巻線43に誘起される。トランス4は、フライバック型のトランスにより構成され、2次巻線42及び3次巻線43の各々に誘起される電圧は、フライバック電圧である。
スイッチング素子5は、パワーMOSFET等により構成される。そのパワーMOSFETは、1次巻線41と直列的に接続されており、詳しくは、ドレインが1次巻線41と接続され、ソースが後述の抵抗R1を介して接地され、ゲートが制御回路4と接続されている。上記パワーMOSFETは、制御回路7からゲートに出力される制御信号の値に応じて、オン状態とオフ状態とが切り替わり、それにより、1次巻線41に流れる電流をオンオフし、1次巻線41への給電をスイッチングする。制御信号は、スイッチング素子5のスイッチング動作を制御するための信号であって、パルス列から成る。上記パワーMOSFETは、制御信号の値がHighであるとき、1次巻線41への給電をオンし、一方、制御信号の値がLowであるとき、1次巻線41への給電をオフする。上述した通り、トランス4は、フライバック型のトランスにより構成されるので、1次巻線41への給電がオンされるとき、トランス4にエネルギが蓄積され、一方、1次巻線41への給電がオフされるとき、蓄積したエネルギがトランス4から放出し、2次巻線42に電圧が誘起される。
出力回路6(出力手段)は、2次巻線42に誘起された電圧を整流するダイオードD1と、その整流された電圧を平滑化するコンデンサC1とを有し、そのコンデンサC1による平滑化後の直流電圧を負荷12に出力する。
制御回路7は、上記制御信号を生成する制御IC71と、3次巻線43に誘起された電圧を制御IC71の駆動に適した電圧に変換して制御IC71に供給する電圧調整回路72とを有する。
制御IC71は、端子t1、t2、t3、t4を有する。端子t1は、スイッチング素子5に接続されており、制御IC71は、スイッチング素子5に端子t1を介して制御信号を出力する。端子t2は、電圧調整回路72に接続されており、制御IC71は、電圧調整回路72から端子t2を介して給電される。端子t3には、1次巻線41及びスイッチング素子5に直列的に接続された抵抗R1の対地電圧が掛かる。その対地電圧は、1次巻線41に流れる電流の値に応じて変動する。そのため、制御IC71は、制御信号の値をHighにした後、端子t3に掛かる対地電圧に基づいて、1次巻線41への給電がオンされトランス4に十分にエネルギが蓄積されたか否かを判断し、その対地電圧が規定値以上になると、制御信号の値をLowとし、1次巻線41への給電をオフする。端子t4は、電圧検出回路8による検出信号を受信する受光素子PC1と接続されている。制御IC71は、受光素子PC1により受信された検出信号に基づいて、操作器13による設定電圧と出力回路6による出力電圧との電位差を減らすように制御信号を用いてスイッチング素子5のスイッチング動作を制御する。
電圧調整回路72は、3次巻線43により誘起された電圧を整流するダイオードD2と、その整流された電圧を平滑化するコンデンサC2とを有し、そのコンデンサC2による平滑化後の直流電圧を制御IC71に供給する。
電圧検出回路8は、受光素子PC1に検出信号を発する発光素子PC2を有する。受光素子PC1と発光素子PC2とは、フォトカプラを構成する。
図3は、制御IC71の構成を示す。制御IC71は、発振回路73(発振手段)と、その発振回路73の発振動作を制御する発振制御回路74(制御手段)と、電圧調整回路72による供給電圧を電源として制御IC71内の各回路に給電する給電回路75とを有する。
発振回路73は、一定周波数のパルス列から成るパルス信号を発振する発振器73aと、リセット信号を出力するリセット回路73bと、発振器73aから発振されたパルス信号及びリセット回路73bにより出力されたリセット信号に基づいて制御信号を生成するRSフリップフロップ(以下、RS−FFという)回路73cとを有する。
発振器73aにより発振されるパルス信号の周波数は、例えば20〜150[kHz]である。RS−FF回路73cは、汎用のRS−FF回路と同等に構成され、S端子、R端子及びQ端子を有する。S端子にパルス信号が入力され、R端子にリセット信号が入力され、Q端子から制御信号が出力される。
発振制御回路74による発振回路73の発振制御処理について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、RS−FF回路73cの真理値表を示す。図5は、RS−FF回路73cにより出力される制御信号S1を示す。
まず、基本的な発振制御処理を説明する。発振制御回路74がリセット回路73bにリセット信号の値をLowとさせた状態で、発振器73aにより発振されるパルス信号の値がHighになると、RS−FF回路73cは、制御信号S1の値をHighとする。それにより、スイッチング素子5はオンして、1次巻線41への給電がオンし、抵抗R1の対地電圧が高くなる。抵抗R1の対地電圧が基準電圧に達すると(この時点で、発振器73aにより発振されるパルス信号の値がLowに切り替わっている)、発振制御回路74は、リセット回路73bにリセット信号の値をHighとさせる。そのため、RS−FF回路73cは、制御信号S1の値をLowとする。その結果、スイッチング素子5はオフして、1次巻線41への給電がオフし、抵抗R1の対地電圧が低くなる。その対地電圧が基準電圧を下回ると、発振制御回路74は、リセット回路73bにリセット信号の値をLowとさせる。その後、パルス信号が立ち上がって、その値がHighになると、上述した処理が繰り返され、発振回路73から制御信号S1としてパルス信号P1が発振される。
次に、本実施形態の特徴的な発振制御処理を説明する。その発振制御処理により、発振回路73は、間欠発振の各回毎に、パルス信号P1のパルス数を規則的に増減させてパルス信号P1の発振期間を延長又は短縮し、発振期間が延長されたときにはパルス信号P1の発振停止期間を延ばし、発振期間が短縮されたときには発振停止期間を短くして、間欠発振の周期を変動させる。
この発振制御処理における発振制御回路74の具体的な動作を説明する。出力回路による出力電圧が上昇し、その出力電圧と操作器13による設定電圧との電位差が所定値未満になったとする。発振制御回路74は、電圧検出回路8による検出信号に基づいて、その状態を検知した場合、その検知タイミングからn個のパルス分だけタイミングをずらし、発振器73aにより発振されたパルス信号の値がLowになるタイミングで、リセット回路73bにリセット信号の値を強制的にHighとさせる。それにより、RS−FF回路73cは制御信号S1の値をLowとし、制御信号S1としてのパルス信号P1の発振は停止する。
その後、出力電圧が低下し、その出力電圧と設定電圧との電位差が所定値以上になったとする。発振制御回路74は、電圧検出回路8による検出信号に基づいて、その状態を検知した場合、リセット回路73bにリセット信号の値をLowとさせる。その場合、発振器73aにより次のパルス信号が発振され、その値がHighになると、RS−FF回路73cは、制御信号S1の値をHighとする。そして、上記のように、発振器73aにより発振されるパルス信号に基づいて、RS−FF回路73cは、制御信号S1としてパルス信号P1を出力する。それにより、パルス信号P1の発振は再開される。このような発振と発振停止とから成る間欠発振の各回で、上述したパルス数nは増減される。
ここで、上記図5に示した3回の間欠発振における基準パルス数をN1とする。この基準パルス数N1は、出力電圧を上昇させ、出力電圧と設定電圧との電位差を所定値未満とするのに最低限必要なパルス数である。また、それらの間欠発振における基準パルス数N1に対する増加分のパルス数(以下、増加パルス数という)nをそれぞれ、n1、n2、n3とする。また、それらの間欠発振における発振期間をそれぞれA1、A2、A3とし、発振停止期間をB1、B2、B3とし、間欠発振に要した期間をC1、C2、C3とする。
増加パルス数n1、n2、n3は、この順に1パルスずつ少なくなり、それにより、発振期間A1、A2、A3は、この順にパルス信号の1周期分ずつ短くなっている。従って、間欠発振の回を追う毎に、1次巻線41への給電期間が短くなり、その給電による出力回路6内のコンデンサC2への充電期間が短縮される。そのため、各発振期間A1、A2、A3の終了後から、出力電圧の低下により出力電圧と設定電圧との電位差が所定値以上に開くまでの期間が短くなる。その結果、その電位差が所定値以上になったことを電圧検出回路8が検出するまでの期間が短くなり、発振の再開が早まり、それにより、発振停止期間B1、B2、B3がこの順に短くなる。それに伴い、3回の間欠発振に要した期間C1、C2、C3はこの順に短くなる。
上記図5には発振動作の一部だけが示されている。発振回路73は、間欠発振の各回毎に、パルス信号のパルス数を基準パルス数N1から例えば1つずつ増加させ、その増加数が予め設定された上限値に達した後、パルス数が基準パルス数N1と一致するまで、上記図5に示されるようにパルス数を例えば1つずつ減少させる。発振回路73は、このようなパルス数の増減を繰り返す。従って、間欠発振の連続する回の間(例えば、m回目の間欠発振と(m+1)回目の間欠発振との間)では、パルス数が異なる。
本実施形態においては、発振回路73の間欠発振によりトランス4の2次巻線42に電圧が間欠的に誘起され、その電圧が平滑化されて負荷12に出力されるので、負荷12への出力電圧を低くすることができる。従って、負荷12が軽い場合、負荷12に応じた必要最低限の電圧だけを負荷12に出力することができ、無駄な電力供給をなくすことができ、省電力化を図ることができる。また、たとえ間欠発振に起因してトランス4のうなり等の異音が発生し、その間欠発振の周波数が可聴周波数帯域内にあったとしても、間欠発振の周期変動により、異音における周波数成分の偏りを防ぐことができ、そのため、異音をユーザに聞こえ難くすることができる。しかも、その異音を聞こえ難くするために、従来のように周波数逓倍器を設ける必要がなく、製造コストを低減することができる。
次に、上記実施形態の一変形例に係る電源回路について説明する。本変形例の電源回路を構成する各回路については、上記実施形態と同一の構成であることから、上記図2及び図3を再び参照し、同一の符号を付して説明する。また、上記実施形態と相違する点についてのみ説明する。
本変形例の電源回路1においては、操作器13による設定電圧が閾値未満の待機電圧と、閾値以上の通常電圧とのいずれであるかに応じて、発振制御回路74による発振回路73の発振制御処理が異なる。通常電圧とは、操作器13により負荷L1が通常モードとして複数の動作モードのいずれかに設定されたとき、その動作モードで負荷12が必要とする電圧の値を指す。設定電圧が待機電圧である場合、発振制御回路74は、上記実施形態(上記図5を参照)と同様に、発振回路73に間欠発振の周期を変動させる。
一方、設定電圧が通常電圧である場合、発振制御回路74は、上記実施形態の方式とは違い、図6(a)(b)に示すように、発振回路73に発振させる。図6(a)(b)は、設定電圧が低い通常電圧であるときと、設定電圧が高い通常電圧であるときの発振回路73により出力される制御信号S1を示す。設定電圧が通常電圧であるとき、発振制御回路74は、発振回路73に、間欠発振の周期を一定期間C4にさせる。また、発振制御回路74は、発振回路73に、間欠発振の各回毎に、制御信号S1としてのパルス信号のパルス数を増減させることなく、間欠発振の各回におけるパルス信号のパルス数(以下、各回のパルス数と略す)を設定電圧に応じたパルス数で一定とする。従って、各回の発振期間は、設定電圧に応じた期間で一定となり、それに伴い、各回の発振停止期間も同じとなる。
各回のパルス数は、設定電圧に比例して多くなる。設定電圧が低い場合(上記図6(a)を参照)、各回のパルス数は、少ないパルス数N2とされる。それに伴い、発振期間A4は短くなり、発振停止期間B4が長くなる。一方、設定電圧が高い場合(上記図6(b)を参照)、各回のパルス数は、多いパルス数N3(N2<N3)とされる。それに伴い、発振期間A5は長くなり、発振停止期間B5が短くなる。
本変形例においては、操作器13による設置電圧値が通常電圧になったときに、その電圧に応じて、間欠発振の各回におけるパルス信号のパルス数が多くなり、パルス信号の発振期間が延び、発振停止期間が短くなる。従って、負荷12に出力可能な電圧の上限値が高くなる。たとえ間欠発振に起因して異音が発生し、その間欠発振の周波数が可聴周波数帯域内にあったとしても、異音の周波数成分については、間欠発振の周波数成分よりもパルス信号自体の周波数成分の方が相対的に多くなる。そのため、パルス信号の周波数が可聴周波数帯域外にある場合、異音はユーザに聞こえ難くなる。
なお、本発明は、上記の実施形態及び変形例の構成に限定されるものでなく、使用目的に応じ、様々な変形が可能である。例えば、発振制御回路74は、発振回路73の発振制御処理(上記図5を参照)において、増加パルス数を所定範囲内でランダムに増減してもよい。
1 スイッチング電源回路
4 トランス
41 1次巻線
42 2次巻線
5 スイッチング素子
6 出力回路(出力手段)
73 発振回路(発振手段)
76 発振制御回路(制御手段)
11 電源
P1 パルス信号
S1 制御信号
4 トランス
41 1次巻線
42 2次巻線
5 スイッチング素子
6 出力回路(出力手段)
73 発振回路(発振手段)
76 発振制御回路(制御手段)
11 電源
P1 パルス信号
S1 制御信号
Claims (2)
- 電源から給電される1次巻線、及び2次巻線を有するトランスと、
前記1次巻線への給電をスイッチングし、前記2次巻線に電圧を誘起させるスイッチング素子と、
前記スイッチング素子によるスイッチング動作を制御するためのパルス信号を発振する発振手段と、
前記発振手段が、前記パルス信号の発振と前記発振の停止とから成る間欠発振を、繰り返して複数回行い、前記間欠発振の各回毎に、前記パルス信号のパルス数を増減させて前記パルス信号の発振期間を延長又は短縮し、前記発振期間が延長されたときには前記パルス信号の発振停止期間を延ばし、前記発振期間が短縮されたときには前記発振停止期間を短くして、前記間欠発振の周期を変動させるように前記発振手段を制御する制御手段と、を備えたスイッチング電源回路。 - 前記2次巻線に誘起された電圧を平滑化して負荷に出力する出力手段を備え、
前記制御手段は、前記出力手段により前記負荷に出力すべき電圧が閾値未満であるときに、前記発振手段に、前記間欠発振の周期を変動させ、前記出力すべき電圧が閾値以上であるときに、前記発振手段に、前記間欠発振の周期を一定にさせ、前記間欠発振の各回毎に前記パルス信号のパルス数を増減させることなく、前記間欠発振の各回における前記パルス信号のパルス数を前記出力すべき電圧に応じたパルス数とすることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013020834A JP2014155259A (ja) | 2013-02-05 | 2013-02-05 | スイッチング電源回路 |
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