JP2014154754A - シリコン材料のウェットエッチング方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃液処理が容易であり、表面にレジスト膜が形成されたシリコン材料を、レジスト膜の剥離を抑制して、或いはレジスト膜を剥離させると共に、効率的にシリコンエッチングする方法を提供する。
【解決手段】エッチング液として、硫酸溶液を電気分解して得られた電解液であって、フッ酸を含むエッチング液を用いてシリコン材料をウェットエッチングする方法。硫酸溶液の硫酸濃度43重量%以上、液温115℃以上で、シリコンエッチングすることができる。硫酸溶液の硫酸濃度80重量%以上、液温115℃以上でレジスト剥離とシリコンエッチングとを行える。
【選択図】図2
【解決手段】エッチング液として、硫酸溶液を電気分解して得られた電解液であって、フッ酸を含むエッチング液を用いてシリコン材料をウェットエッチングする方法。硫酸溶液の硫酸濃度43重量%以上、液温115℃以上で、シリコンエッチングすることができる。硫酸溶液の硫酸濃度80重量%以上、液温115℃以上でレジスト剥離とシリコンエッチングとを行える。
【選択図】図2
Description
本発明はシリコン材料のウェットエッチング方法及び装置に係り、特に、シリコン材料を効率的にエッチング処理することができ、廃液処理が容易で、またシリコンエッチングとレジスト剥離とを同時に行うことも可能なシリコン材料のウェットエッチング方法に関する。
半導体や液晶など電子製品の製造工程では、シリコン材料の薄膜化・凹凸加工・表面リフトオフによる清浄化、といった目的でウェットエッチングが多用されている。
シリコン材料のウェットエッチングには、1枚ずつ処理を行う枚葉処理と、複数枚を同時に処理するバッチ処理とがある。枚葉処理では、回転台に載置したウェハに吐出ノズルからエッチング液を噴き付けてエッチング処理が行われる。バッチ処理では、複数枚のウェハを専用のキャリアにセットし、ウェハをこのキャリアごとエッチング液を入れた処理槽に浸漬してエッチング処理が行われる。枚葉処理は1枚毎の処理ではあるが、表面が汚染しにくいという利点があり、バッチ処理は処理効率、生産性に優れる。
シリコン材料のウェットエッチングには、1枚ずつ処理を行う枚葉処理と、複数枚を同時に処理するバッチ処理とがある。枚葉処理では、回転台に載置したウェハに吐出ノズルからエッチング液を噴き付けてエッチング処理が行われる。バッチ処理では、複数枚のウェハを専用のキャリアにセットし、ウェハをこのキャリアごとエッチング液を入れた処理槽に浸漬してエッチング処理が行われる。枚葉処理は1枚毎の処理ではあるが、表面が汚染しにくいという利点があり、バッチ処理は処理効率、生産性に優れる。
従来、シリコン材料のエッチング液としては、硝酸とフッ酸の混合液(フッ硝酸)を水又は酢酸で希釈したものが一般的である(例えば特許文献1,2)。
フッ硝酸によるシリコン材料のエッチング反応は、以下の通りであり、Siの酸化と溶解によりシリコン材料をエッチングする。
硝酸による酸化:Si+4HNO3→SiO2+2H2O+4NO2
フッ酸による溶解:SiO2+6HF→H2SiF6+2H2O
フッ硝酸によるシリコン材料のエッチング反応は、以下の通りであり、Siの酸化と溶解によりシリコン材料をエッチングする。
硝酸による酸化:Si+4HNO3→SiO2+2H2O+4NO2
フッ酸による溶解:SiO2+6HF→H2SiF6+2H2O
一方、電子製品の製造工程では、ドーズインプラ工程やドライエッチング工程で保護膜として塗布したレジスト膜を除去するレジスト剥離工程がある。このレジスト剥離の後に、凹凸加工やエッチングダメージ・残渣除去を目的としたシリコンエッチングを行う場合もあるため、レジスト剥離とシリコンエッチングを一工程で行うことができれば、工程の短縮につながる。
レジスト剥離は、通常酸化剤溶液を高温にして酸化剤を活性化することで行なわれている。従って、フッ硝酸を高温とすることでレジスト剥離とシリコンエッチングとを同時に行える可能性がある。
一方、シリコンエッチングではなく、即ち、レジスト剥離を目的とし、シリコン基板上に形成された酸化物(例えばSiO2)や窒化物(例えばSiN)のエッチングを抑制した上で、レジストの剥離性を向上させる方法としては、30〜70重量%の硫酸濃度の硫酸溶液を電気分解して得られた電解液にフッ酸を添加し、100〜110℃の温度域でレジスト剥離を行う方法が提案されている(特許文献3)。
なお、硫酸溶液を電気分解して得られた過硫酸イオンを含む電解液を用いてレジストの剥離洗浄を行うための技術については、種々提案がなされており、特許文献4には、そのための過硫酸供給システムが、また、特許文献5には、そのための洗浄システムが提案されている。
従来、シリコン材料のウェットエッチングに多用されているフッ硝酸では、以下の課題がある。
(1) フッ硝酸処理後に発生する廃液は、硝酸イオンとフッ素イオンを多量に含むものであるため、この廃液処理には、生物処理と無機排水処理の多段処理が必要とされ、廃液処理が煩雑である。
(2) フッ硝酸によりシリコンエッチングと共にレジスト剥離を同時に行う場合は、フッ硝酸を高温にする必要がある。しかし、高温域では硝酸がNOxとしてガス化し、これは可燃性・引火性であり極めて危険である。
シリコンエッチングのみを目的とする場合には、フッ硝酸の温度は通常20〜30℃であるため、上記(2)の問題はないが、いずれの場合も、(1)の廃液処理が問題となる。
(1) フッ硝酸処理後に発生する廃液は、硝酸イオンとフッ素イオンを多量に含むものであるため、この廃液処理には、生物処理と無機排水処理の多段処理が必要とされ、廃液処理が煩雑である。
(2) フッ硝酸によりシリコンエッチングと共にレジスト剥離を同時に行う場合は、フッ硝酸を高温にする必要がある。しかし、高温域では硝酸がNOxとしてガス化し、これは可燃性・引火性であり極めて危険である。
シリコンエッチングのみを目的とする場合には、フッ硝酸の温度は通常20〜30℃であるため、上記(2)の問題はないが、いずれの場合も、(1)の廃液処理が問題となる。
特許文献3に記載される、30〜70重量%の硫酸溶液の電解液にフッ酸を添加した液を用いて、液温100〜110℃で行うレジスト剥離法は、SiO2などのエッチングを抑制してレジスト剥離を行う方法であり、シリコンエッチングを行うことはできない。また、通常、レジスト剥離には高温かつ高濃度の硫酸溶液が必要であり、30〜70重量%の硫酸溶液の電解液を液温100〜110℃で用いる方法では、効率的なレジスト剥離を行えない。
本発明は上記従来技術の実状に鑑みてなされたものであって、シリコン材料を効率的にウェットエッチングする方法、特に、廃液処理が容易であり、表面にレジスト膜が形成されたシリコン材料を、レジスト膜を剥離させると共に効率的にシリコンエッチングする方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、所定濃度の硫酸溶液を電気分解して得られる電解液に更にフッ酸を含むエッチング液であれば、その液温を115℃以上とすることによりシリコンエッチングが可能であり、また、硫酸溶液の硫酸濃度を調整することにより、レジストの剥離も可能とすることができることを見出した。
このエッチング液であれば、シリコンエッチングとレジスト剥離を一工程で行うことができ、また、その廃液は硫酸イオンとフッ素イオンを主体とする廃液であるため、無機排水処理のみで処理することができる。
このエッチング液であれば、シリコンエッチングとレジスト剥離を一工程で行うことができ、また、その廃液は硫酸イオンとフッ素イオンを主体とする廃液であるため、無機排水処理のみで処理することができる。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] エッチング液を用いてシリコン材料をウェットエッチングする方法において、該エッチング液が、硫酸溶液を電気分解して得られた電解液であって、フッ酸を含むことを特徴とするシリコン材料のウェットエッチング方法。
[2] 前記硫酸溶液の硫酸濃度が43重量%以上で、前記エッチング液の温度が115℃以上であることを特徴とする[1]に記載のシリコン材料のウェットエッチング方法。
[3] 表面にレジスト膜が形成されたシリコン材料の該レジスト膜を剥離させると共にシリコン材料をエッチングする方法であって、前記硫酸溶液の硫酸濃度が80重量%以上であることを特徴とする[2]に記載のシリコン材料のウェットエッチング方法。
[4] 前記エッチング液中の過硫酸の量が溶解するシリコンの量に対してモル比で2倍以上であることを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかに記載のシリコン材料のウェットエッチング方法。
[5] 前記エッチング液のフッ酸のモル濃度がS2O8 2−換算の過硫酸のモル濃度に対して3倍以上であることを特徴とする[4]に記載のシリコン材料のウェットエッチング方法。
[6] 硫酸溶液を電気分解して電解液を得る電解工程と、該硫酸溶液及び/又は該電解液にフッ酸を添加するフッ酸添加工程と、該電解工程及びフッ酸添加工程を経た電解液を用いてシリコン材料をウェットエッチングするエッチング工程とを備えることを特徴とする[1]ないし[5]のいずれかに記載のシリコン材料のウェットエッチング方法。
[7] 前記エッチング工程で使用されたエッチング廃液を前記電解工程に返送する返送工程を備えることを特徴とする[6]に記載のシリコン材料のウェットエッチング方法。
[8] シリコン材料をウェットエッチングする装置において、硫酸溶液を電気分解して過硫酸を含む硫酸溶液を得る電解手段と、硫酸溶液を貯留する貯留槽と、該電解手段と貯留槽との間で前記硫酸溶液を循環させる第1の循環ラインと、過硫酸を含む前記硫酸溶液を用いてシリコン材料をウェットエッチングするエッチング手段と、該エッチング手段で用いられる前記硫酸溶液を加熱する加熱手段と、該エッチング手段と前記貯留槽とで前記硫酸溶液を循環させる第2の循環ラインとを備え、更に、前記貯留槽、前記第1の循環ライン、前記第2の循環ライン、及び前記エッチング手段のいずれかに、フッ酸を添加するフッ酸添加手段を備え、前記加熱手段により前記硫酸溶液を115℃以上に加熱することを特徴とするシリコン材料のウェットエッチング装置。
[9] 前記第2の循環ラインの前記エッチング手段と貯留槽との間に、冷却器とフィルタが設けられていることを特徴とする[8]に記載のシリコン材料のウェットエッチング装置。
[10] 前記貯留槽、前記第1の循環ライン、及び、前記第2の循環ラインの前記エッチング手段と貯留槽との間のラインのいずれかに、硫酸濃度43重量%以上の硫酸溶液を補給する硫酸溶液補給手段を備えることを特徴とする[8]又は[9]に記載のシリコン材料のウェットエッチング装置。
本発明によれば、エッチング処理で排出される廃液を無機排水処理のみで処理することができ、廃液処理の手間とコストを、従来のフッ硝酸を用いる方法に比べて大幅に削減することができる。
また、シリコンエッチングと同時にレジスト剥離を行うことも可能であるため、これらの処理を一工程で行うことができ、工程数を削除して生産性を高めることができる。
また、シリコンエッチングと同時にレジスト剥離を行うことも可能であるため、これらの処理を一工程で行うことができ、工程数を削除して生産性を高めることができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明は、硫酸溶液を電気分解して得られた電解液と、フッ酸とを含むエッチング液を用いてシリコン材料のウェットエッチングを行うことを特徴とする。
本発明で用いるエッチング液は、硫酸溶液を電気分解して得られた電解液にフッ酸を添加混合して調製したものであってもよく、フッ酸を含む硫酸溶液を電気分解して得られた電解液であってもよい。これは、硫酸の電気分解で生成する過硫酸(ペルオキソ二硫酸)はフッ酸酸化物やフッ素ガスより酸化還元電位が低いため、硫酸溶液にフッ酸を添加混合してから電気分解に供しても、ペルオキソ二硫酸が優先的に生成するためである。各物質の標準酸化還元電位を以下に示す。
S2O8 2−+2e−⇔2SO4 − 1.96V
F2O+2H++2e−⇔2F−+H2O 2.153V
F2+2e−⇔2F− 2.87V
本発明で用いるエッチング液は、硫酸溶液を電気分解して得られた電解液にフッ酸を添加混合して調製したものであってもよく、フッ酸を含む硫酸溶液を電気分解して得られた電解液であってもよい。これは、硫酸の電気分解で生成する過硫酸(ペルオキソ二硫酸)はフッ酸酸化物やフッ素ガスより酸化還元電位が低いため、硫酸溶液にフッ酸を添加混合してから電気分解に供しても、ペルオキソ二硫酸が優先的に生成するためである。各物質の標準酸化還元電位を以下に示す。
S2O8 2−+2e−⇔2SO4 − 1.96V
F2O+2H++2e−⇔2F−+H2O 2.153V
F2+2e−⇔2F− 2.87V
<メカニズム>
本発明によるシリコンエッチング及びレジスト剥離のメカニズムは以下の通りである。
即ち、硫酸溶液の電解液中には、硫酸の電気分解により、以下の反応で生成した過硫酸であるペルオキソ二硫酸イオン(S2O8 2−)を含む。
2SO4 2−→S2O8 2−+2e−
又は
2HSO4 −→S2O8 2−+2H++2e−
このペルオキソ二硫酸イオン(S2O8 2−)は高温加熱すると励起して自己分解(活性化)し、硫酸ラジカル(SO4・−)を生成する。
S2O8 2−→2SO4・−
生成した硫酸ラジカルの高い酸化力(SO4・−+e−→SO4 2−)によりレジストが除去されるが、本発明で用いるエッチング液は、更にフッ酸(HF)を含むため、以下の反応でシリコンエッチングすることができる。
ペルオキソ二硫酸イオンの活性化:
2S2O8 2−→4SO4 −・(100℃以上の温度で活性化)
活性化したペルオキソ二硫酸イオンによる酸化反応:
Si+2H2O+4SO4 −・−→SiO2+4HSO4 −
フッ酸による溶解反応:SiO2+6HF →H2SiF6+2H2O
本発明によるシリコンエッチング及びレジスト剥離のメカニズムは以下の通りである。
即ち、硫酸溶液の電解液中には、硫酸の電気分解により、以下の反応で生成した過硫酸であるペルオキソ二硫酸イオン(S2O8 2−)を含む。
2SO4 2−→S2O8 2−+2e−
又は
2HSO4 −→S2O8 2−+2H++2e−
このペルオキソ二硫酸イオン(S2O8 2−)は高温加熱すると励起して自己分解(活性化)し、硫酸ラジカル(SO4・−)を生成する。
S2O8 2−→2SO4・−
生成した硫酸ラジカルの高い酸化力(SO4・−+e−→SO4 2−)によりレジストが除去されるが、本発明で用いるエッチング液は、更にフッ酸(HF)を含むため、以下の反応でシリコンエッチングすることができる。
ペルオキソ二硫酸イオンの活性化:
2S2O8 2−→4SO4 −・(100℃以上の温度で活性化)
活性化したペルオキソ二硫酸イオンによる酸化反応:
Si+2H2O+4SO4 −・−→SiO2+4HSO4 −
フッ酸による溶解反応:SiO2+6HF →H2SiF6+2H2O
なお、上記の反応式より明らかなように、
ペルオキソ二硫酸イオン2モルでSi→SiO2(酸化)
フッ酸6モルでSiO2→H2SiF6(溶解)
の反応が起きることから、反応に必要なフッ酸の理論量は、ペルオキソ二硫酸イオンに対してモル比で3倍であり、従って、エッチング液中のフッ酸含有量はペルオキソ二硫酸イオンに対して約3モル倍となるように制御することが好ましい。
ペルオキソ二硫酸イオン2モルでSi→SiO2(酸化)
フッ酸6モルでSiO2→H2SiF6(溶解)
の反応が起きることから、反応に必要なフッ酸の理論量は、ペルオキソ二硫酸イオンに対してモル比で3倍であり、従って、エッチング液中のフッ酸含有量はペルオキソ二硫酸イオンに対して約3モル倍となるように制御することが好ましい。
<硫酸溶液の電気分解>
本発明においては、硫酸溶液(通常、この硫酸溶液としては純水又は超純水に硫酸を溶解させたものが用いられる。)に陽極及び陰極を接触させ、電極間に電流を流して電気分解することによって硫酸イオン又は硫酸水素イオンを酸化してペルオキソ二硫酸イオンを生成させる。
本発明においては、硫酸溶液(通常、この硫酸溶液としては純水又は超純水に硫酸を溶解させたものが用いられる。)に陽極及び陰極を接触させ、電極間に電流を流して電気分解することによって硫酸イオン又は硫酸水素イオンを酸化してペルオキソ二硫酸イオンを生成させる。
硫酸溶液の電気分解で用いる電極の材質には、特に制限はないが、酸素発生過電圧の高い材料が好ましい。例えば、電極として一般に広く利用されている白金を陽極として使用した場合、ペルオキソ二硫酸イオンを効率的に製造することができず、白金が溶出するという問題がある。これに対して、少なくとも陽極に導電性ダイヤモンド電極を用いた場合、導電性ダイヤモンド電極は化学的に安定で濃硫酸中に不純物を溶出しない利点がある。導電性ダイヤモンド電極によって、硫酸イオンからペルオキソ二硫酸イオンを生成することは、電流密度0.2A/cm2程度の条件で報告されている(Ch.Comninelliset al.,Electrochemical and Solid−State Letters,Vol.3(2)77−79(2000))。
導電性ダイヤモンド電極としては、シリコンウエハ等の半導体材料を基板とし、この基板表面に導電性ダイヤモンド薄膜を膜厚20μm以上に合成させたものや、基板を用いない条件で板状に析出合成したセルフスタンド型導電性多結晶ダイヤモンドを挙げることができる。なお、導電性ダイヤモンド薄膜はダイヤモンド薄膜の合成の際にホウ素又は窒素等の導電性物質をドープして導電性を付与したものであり、通常はホウ素ドープしたものが一般的である。これらのドープ量は、少なすぎると技術的意義が発生せず、多すぎてもドープ効果が飽和するため、ダイヤモンド薄膜の炭素量に対して、50〜20,000ppmの範囲のものが適している。本発明において、導電性ダイヤモンド電極は、通常は板状のものを使用するが、網目構造物を板状にしたものも使用できる。
この電解反応装置における電解処理においては、導電性ダイヤモンド電極表面の電流密度を10〜10,000A/m2とし、硫酸溶液をダイヤモンド電極面と平行方向に、通液線速度を1〜10,000m/hで接触処理させることが望ましい。
電解処理時の液温は、電解の高効率化と、生成したペルオキソ二硫酸等の酸化剤の自己分解の防止の観点から10〜90℃の範囲とすることが好ましい。
より具体的な硫酸溶液の電気分解システムとしては、特に制限されるものではないが、例えば、前掲の特許文献4に記載の過硫酸供給システムを採用することができる。この過硫酸供給システムは、電解反応により溶液に含まれる硫酸イオンから過硫酸イオンを生成する電解反応装置と、硫酸イオンを含む溶液を貯留する貯留槽と、該貯留槽から前記溶液を被電解液として前記電解反応装置へ移送し、前記電解反応装置から電解された溶液を前記貯留槽へ移送する循環ラインと、前記電解反応装置で生成された過硫酸イオンを含む溶液を貯留槽又は循環ラインから過硫酸使用側に供給する過硫酸供給ラインと、電解反応装置に移送する前記被電解液を貯留槽又は循環ラインに補給する補給ラインとを備えるものである。
図1はこのような過硫酸供給システムを示す系統図であって、硫酸溶液の貯留槽1と電解セル2とが送り配管3aと戻り配管3bで接続され循環ラインが形成されている。送り配管3aには送液ポンプ4と冷却器5とが設けられている。冷却器は戻り配管3b側に設けられていてもよい。
電解セル2には、陽極2a及び陰極2bが配置され、さらに陽極2aと、陰極2bとの間にバイポーラ電極2cが配置されている。なお、バイポーラ式ではなく、陽極と陰極のみを電極として備えるものであってもよい。陽極2a及び陰極2bには、直流電源6が接続されており、これにより電解セル2での直流電解が可能になっている。また、電解セル2は、電極間を硫酸溶液が通液するように構成されている。
貯留槽1には、貯留槽1内の電解液(過硫酸を含む硫酸溶液)を使用場所(本発明ではエッチング装置)に供給する電解液供給配管7aと、使用場所からの廃液(エッチング廃液)が返送される返送配管7bとで循環ラインが形成されている。また、貯留槽1にフッ酸を添加するフッ酸添加手段8が設けられている。このフッ酸添加手段8は、配管3a、3b、7a等に設けてもよい。更に貯留槽1やその他の配管に硫酸溶液を補給する補給手段を設けてもよい。
貯留槽1内の硫酸溶液は送液ポンプ4によって送り配管3aを経て、電解セル2に送液される。この際、冷却器5によって硫酸溶液が冷却される。電解セル2では、直流電源6によって陽極2a、陰極2b間に通電がなされている。この通電によって、バイポーラ電極2cが分極し、陽極、陰極が出現する。電解セル2に送液された硫酸溶液は、これらの電極間に通水される。
電解セル2で硫酸溶液に通電すると、硫酸溶液中の硫酸イオンが酸化反応してペルオキソ二硫酸イオンが生成し、高濃度のペルオキソ二硫酸イオンを含む硫酸溶液が得られる。このペルオキソ二硫酸イオンを含む硫酸溶液は、戻り配管3bを通して貯留槽1に貯留される。貯留槽1に貯留されたペルオキソ二硫酸イオンを含む硫酸溶液は、電解によって通常50〜70℃に昇温しているものの、ペルオキソ二硫酸イオンの自己分解が特に促進される温度には達していない。貯留槽1の溶液は、さらに、送り配管3aを通してポンプ4で送液されつつ冷却器5で冷却された後、再度電解セル2に導入され、前記と同様に電気分解でペルオキソ二硫酸イオンが生成してペルオキソ二硫酸イオン濃度が高まり、その後、戻り配管3bを通して貯留槽1へと返送される。上記動作を繰り返すことでペルオキソ二硫酸イオン濃度は更に高められ、所望のペルオキソ二硫酸イオン濃度の電解液を得ることができる。
硫酸溶液中のペルオキソ二硫酸イオン濃度が十分に高くなった後は、送液ポンプ4による送液及び電解セル2による電気分解を停止し、配管7aより貯留槽1内の電解液を使用場所へ供給する。
なお、このシステムでは、電気分解を継続しながら電解液の供給を行うことも可能である。
貯留槽1に収容されている溶液は、電気分解によって50〜70℃に昇温しており、使用場所で加熱する際の加熱エネルギーは小さくて足りる。
電解液中のペルオキソ二硫酸イオンはエッチング処理により消耗するが、図1に示す電解液供給システムにおいて、使用場所(エッチング装置)からのエッチング廃液を返送配管7bにより貯留槽1に返送して再度電気分解してペルオキソ二硫酸イオン濃度を高めることにより、エッチング液として再利用することができる。
また、この際、エッチング液中のフッ酸は、前述の通り、SiO2との反応でケイフッ酸(H2SiF6)を生成して徐々にSiO2溶解能力が低下するので、エッチング量に応じて貯留槽1にフッ酸添加手段8からフッ酸を補給する。
また、この際、エッチング液中のフッ酸は、前述の通り、SiO2との反応でケイフッ酸(H2SiF6)を生成して徐々にSiO2溶解能力が低下するので、エッチング量に応じて貯留槽1にフッ酸添加手段8からフッ酸を補給する。
なお、使用場所からエッチング廃液を返送する際、通常、エッチング液を更新するために、その一部が系外へ廃棄される。このエッチング廃液の廃棄で貯留槽1内の液量が不足した場合には、図示しない補給手段で貯留槽1に硫酸溶液を補給する。
このようにエッチング廃液を循環使用する場合には、返送配管7bにフィルタを設け、このフィルタで析出物を除去することが好ましい。この場合、このフィルタでは、レジスト残渣やパーティクルなど、その他のSSも除去することができる。
また、本発明では、エッチング処理に用いるエッチング液が、後述の通り、比較的高い温度であることから、貯留槽1内の液温が過度に上昇してペルオキソ二硫酸イオンが自己分解することを防止するために、エッチング廃液の返送配管7bには冷却器を設けることが好ましく、また、この返送配管7bのエッチング廃液と、供給配管7aの電解液とで熱交換してもよい。
<エッチング液組成>
本発明において、電気分解に供する硫酸溶液の硫酸濃度は、43重量%以上とすることが好ましい。これは、後述の如く、シリコンエッチングのためには、エッチング液の液温を115℃以上とする必要があり、液を沸騰させずに液温を115℃以上とするためには、43重量%以上の硫酸濃度が必要なためである。
本発明において、電気分解に供する硫酸溶液の硫酸濃度は、43重量%以上とすることが好ましい。これは、後述の如く、シリコンエッチングのためには、エッチング液の液温を115℃以上とする必要があり、液を沸騰させずに液温を115℃以上とするためには、43重量%以上の硫酸濃度が必要なためである。
より好適な硫酸濃度は、目的により異なり、表面にレジスト膜が形成されていないシリコン材料のシリコンエッチングのみを目的とする場合は、43〜70重量%、好ましくは50〜60重量%程度の低い濃度でよいが、表面にレジスト膜が形成されているシリコン材料のシリコンエッチングとレジスト剥離を目的とする場合は、硫酸濃度は80重量%以上、好ましくは80〜96重量%、より好ましくは85〜95重量%とする。硫酸濃度が43重量%よりも低いと液温を115℃以上とすることができないためにシリコンエッチングを行うことができず、また、硫酸濃度が80重量%よりも低いとシリコンエッチングは行えてもレジスト剥離を行うことはできない。
即ち、シリコンエッチングと共にレジスト剥離を同時に行う場合には、硫酸のレジスト内部への浸透力を十分に得るためにより高濃度の硫酸溶液であることが必要となる。
即ち、シリコンエッチングと共にレジスト剥離を同時に行う場合には、硫酸のレジスト内部への浸透力を十分に得るためにより高濃度の硫酸溶液であることが必要となる。
硫酸溶液の電気分解で得られる電解液中の過硫酸(ペルオキソ二硫酸イオン)濃度については、過硫酸の量が溶解するシリコンの量に対してモル比で2倍以上、特に2.1倍以上となるように調整されることが好ましい。この過硫酸濃度が低過ぎると硫酸濃度が高くでもシリコンエッチング、更にはレジスト剥離を行えない場合がある。
従って、前述の硫酸溶液の電気分解においては、このような過硫酸濃度の電解液が得られるように電解条件を設定することが好ましい。
従って、前述の硫酸溶液の電気分解においては、このような過硫酸濃度の電解液が得られるように電解条件を設定することが好ましい。
また、本発明で用いるエッチング液のフッ酸のモル濃度、即ち、上記の硫酸溶液の電気分解で得られた電解液のフッ酸のモル濃度は、前述の通り、液中のペルオキソ二硫酸イオンのモル濃度に対して約3倍程度であることが好ましく、例えば、10g as S2O8 2−/Lの電解液であれば、フッ酸を3〜4g asHF/Lとなるように添加することが好ましい。
<ウェットエッチング・レジスト剥離>
本発明においては、上記のエッチング液を用いてシリコンエッチングを行う。或いは、このシリコンエッチングと同時にシリコン材料に形成されたレジスト膜のレジスト剥離を行う。
本発明においては、上記のエッチング液を用いてシリコンエッチングを行う。或いは、このシリコンエッチングと同時にシリコン材料に形成されたレジスト膜のレジスト剥離を行う。
本発明におけるエッチング処理は、エッチング液の液温を好ましくは115℃以上として行う。この液温が低過ぎると電解液中のペルオキソ二硫酸イオンが活性化せず、シリコンを酸化することができないためにシリコンエッチングを行えない。電解液中のペルオキソ二硫酸イオンは115℃以上で活性化して、シリコンの表面酸化に寄与するようになる。
エッチング処理時のエッチング液の液温は115℃以上であればよく、その上限には特に制限はないが、加熱コスト、機器材質の耐熱性から220℃以下、特に120〜180℃の沸点未満とすることが好ましい。
エッチング処理時のエッチング液の液温は115℃以上であればよく、その上限には特に制限はないが、加熱コスト、機器材質の耐熱性から220℃以下、特に120〜180℃の沸点未満とすることが好ましい。
エッチング処理時間は、必要とするシリコンエッチング量、レジスト剥離量に合わせて任意に設定される。
シリコン材料のエッチング処理は、バッチ式、枚葉式のいずれでもよい。また、電解液は一過式(1パス通過)で用いても循環使用してもよい。
バッチ式の場合、バッチ処理槽に電解液を導入して処理するシリコン材料を浸漬させて、115℃以上の温度でエッチング処理を行う。この場合、フッ酸は、予め電解液に添加されていてもよく、バッチ処理槽に添加してもよく、バッチ処理槽への電解液供給配管に添加してもよい。
枚葉式の場合も、エッチングに用いるエッチング液(電解液)の液温が115℃以上となるように加熱する。この場合、フッ酸は、予め電解液に添加されていてもよく、枚葉式エッチング処理機に電解液を送給する配管に添加してもよく、枚葉式エッチング処理機のエッチング液吐出ノズル出口で電解液と混合するようにしてもよい。
枚葉式処理において、エッチング廃液を循環使用する場合、廃液中のレジストの分解時間を確保するために、特許文献5に記載されるように、エッチング廃液の貯留槽を設け、エッチング処理機からのエッチング廃液を一旦この廃液貯留槽に貯留した後電解液(硫酸溶液)の貯留槽に返送することが好ましい。また、エッチング液である電解液は加熱後にエッチング処理機に供給されるが、被エッチング処理物の交換時には、加熱された電解液の送液を停止せずに、その送給先をエッチング処理機からエッチング廃液貯留槽に切り換え、廃液貯留槽内の液温をこの加熱電解液により高め、廃液貯留槽でのレジストの分解を促進することが好ましい。
以下に、図2,3を参照して、本発明のシリコン材料のウェットエッチング装置を説明する。
図2,3は本発明のシリコン材料のウェットエッチング装置の実施の形態の一例を示す系統図であって、図2はバッチ式エッチング装置、図3は枚葉式エッチング装置をそれぞれ示す。なお、図2,3において、図1に示す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。また、図2,3において、図1に示される電解セル2、ポンプ4及び冷却器5を備える循環ラインは図示を省略されている。また、図2,3において、配管7a,7b等で形成される循環ラインの送液ポンプも図示を省略されている。
図2,3において、11はバッチ処理槽、12は冷却器、13はフィルタ、14は枚葉式処理機、15は加熱器、16は廃液貯留槽である。
図2,3は本発明のシリコン材料のウェットエッチング装置の実施の形態の一例を示す系統図であって、図2はバッチ式エッチング装置、図3は枚葉式エッチング装置をそれぞれ示す。なお、図2,3において、図1に示す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。また、図2,3において、図1に示される電解セル2、ポンプ4及び冷却器5を備える循環ラインは図示を省略されている。また、図2,3において、配管7a,7b等で形成される循環ラインの送液ポンプも図示を省略されている。
図2,3において、11はバッチ処理槽、12は冷却器、13はフィルタ、14は枚葉式処理機、15は加熱器、16は廃液貯留槽である。
図2の装置では、貯留槽1内のフッ酸を含む電解液は配管7aよりバッチ処理槽11に送給される。このバッチ処理槽11には加熱手段が設けられており、槽11内のエッチング液を115℃以上の所定温度に加熱して、シリコンエッチング、或いはシリコンエッチングとレジスト剥離が行われる。エッチング廃液は必要に応じて一部が系外へ抜き出されて廃棄され、残部は返送配管7bにより貯留槽1に返送される。
この返送配管7bには、冷却器12とフィルタ13が設けられており、エッチング廃液が冷却器12で10〜90℃程度に冷却された後、フィルタ13でSS等が除去される。貯留槽1にはフッ酸が添加されるが、フッ酸は、配管7a、又はバッチ処理槽11、その他の箇所に添加されてもよい。また、貯留槽1には硫酸溶液の補給手段を設けてもよい。
図3の装置では、貯留槽1内のフッ酸を含む電解液は配管7aより枚葉式処理機14に送給される。その過程で電解液は加熱器15により115℃以上の所定の温度に加熱される。エッチング廃液は、必要に応じて一部が配管7cより系外へ抜き出されて廃棄され、残部は配管7dより廃液貯留槽16に一旦貯留される。
廃液貯留槽16内のエッチング廃液は、配管7bにより、図2の装置と同様に、冷却器12で冷却され、フィルタ13でSS等が除去された後、貯留槽1に返送される。前述の如く、枚葉式処理機14における被エッチング処理物の交換時には、加熱器15で加熱した電解液を配管7eより廃液貯留槽16に送給して貯留槽16内のレジストの分解を促進する。
いずれの装置においても、エッチング処理に用いるエッチング液の温度は115℃以上に加熱される。また、前述の如く、エッチングの目的、即ち、レジスト剥離の有無に応じて、電気分解に供する硫酸溶液の硫酸濃度を調整する。
<廃液処理>
本発明のエッチング処理で発生した廃液は、前述の通り、無機排水処理のみで処理することができる。その廃液処理方法としては、廃液を中和処理(廃液は酸性であるため、NaOH、Ca(OH)2などのアルカリで中和する。)した後、例えば、以下の処理によりフッ素や硫酸を除去する方法が挙げられる。
(1) 塩基性カルシウム化合物を添加して硫酸カルシウムやフッ化カルシウムを析出させて凝集分離する。
(2) ポリ塩化アルミニウムを添加してフッ素を高度に凝集分離する。
(3) 炭酸カルシウムを添加してフッ化カルシウムを析出させて固液分離する。
(4) 晶析処理によりフッ素の高度除去を行う。
本発明のエッチング処理で発生した廃液は、前述の通り、無機排水処理のみで処理することができる。その廃液処理方法としては、廃液を中和処理(廃液は酸性であるため、NaOH、Ca(OH)2などのアルカリで中和する。)した後、例えば、以下の処理によりフッ素や硫酸を除去する方法が挙げられる。
(1) 塩基性カルシウム化合物を添加して硫酸カルシウムやフッ化カルシウムを析出させて凝集分離する。
(2) ポリ塩化アルミニウムを添加してフッ素を高度に凝集分離する。
(3) 炭酸カルシウムを添加してフッ化カルシウムを析出させて固液分離する。
(4) 晶析処理によりフッ素の高度除去を行う。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[エッチング液]
以下のシリコンエッチング試験及びレジスト剥離試験で用いたエッチング液は、以下の(1)〜(5)により調製した。
(1) 硫酸濃度85重量%の硫酸溶液に、50重量%フッ酸試薬を、溶液中のフッ酸濃度が1重量%となるように添加して調製したフッ酸含有硫酸溶液を用い、ダイヤモンド電極をバイポーラ型に配置した電極ユニットを備えた無隔膜式電解ユニットを用いて、電流密度5000A/m2、通液線速度240m/hで電気分解し、過硫酸濃度10g as S2O8 2−/Lのフッ酸含有電解硫酸を生成させた。このエッチング液を「電解硫酸(F−85)」という。
(2) 硫酸濃度80重量%、70重量%、45重量%又は30重量%の硫酸溶液を用いたこと以外は上記(1)と同様にフッ酸の添加と電気分解を行い、それぞれ過硫酸濃度10g as S2O8 2−/Lのフッ酸含有電解硫酸を生成させた。
硫酸濃度80重量%の硫酸溶液を用いて得られた電解硫酸を「電解硫酸(F−80)」と称し、硫酸濃度70重量%の硫酸溶液を用いて得られた電解硫酸を「電解硫酸(F−70)」と称し、硫酸濃度45重量%の硫酸溶液を用いて得られた電解硫酸を「電解硫酸(F−45)」と称し、硫酸濃度30重量%の硫酸溶液を用いて得られた電解硫酸を「電解硫酸(F−30)」と称す。
(3) フッ酸を添加することなく上記(1)と同様に電気分解を行い、過硫酸濃度10g as S2O8 2−/Lのフッ酸非含有電解硫酸を得た。この電解硫酸を「電解硫酸(0−85)」と称す。
(4) 硫酸濃度85重量%の硫酸溶液にフッ酸濃度1重量%となるように50重量%フッ酸試薬を添加した。この硫酸溶液を「硫酸溶液(F−85)」と称す。
(5) 硫酸濃度85重量%の硫酸溶液にフッ酸を添加することなくそのままエッチング液とした。この硫酸溶液を「硫酸溶液(0−85)」と称す。
以下のシリコンエッチング試験及びレジスト剥離試験で用いたエッチング液は、以下の(1)〜(5)により調製した。
(1) 硫酸濃度85重量%の硫酸溶液に、50重量%フッ酸試薬を、溶液中のフッ酸濃度が1重量%となるように添加して調製したフッ酸含有硫酸溶液を用い、ダイヤモンド電極をバイポーラ型に配置した電極ユニットを備えた無隔膜式電解ユニットを用いて、電流密度5000A/m2、通液線速度240m/hで電気分解し、過硫酸濃度10g as S2O8 2−/Lのフッ酸含有電解硫酸を生成させた。このエッチング液を「電解硫酸(F−85)」という。
(2) 硫酸濃度80重量%、70重量%、45重量%又は30重量%の硫酸溶液を用いたこと以外は上記(1)と同様にフッ酸の添加と電気分解を行い、それぞれ過硫酸濃度10g as S2O8 2−/Lのフッ酸含有電解硫酸を生成させた。
硫酸濃度80重量%の硫酸溶液を用いて得られた電解硫酸を「電解硫酸(F−80)」と称し、硫酸濃度70重量%の硫酸溶液を用いて得られた電解硫酸を「電解硫酸(F−70)」と称し、硫酸濃度45重量%の硫酸溶液を用いて得られた電解硫酸を「電解硫酸(F−45)」と称し、硫酸濃度30重量%の硫酸溶液を用いて得られた電解硫酸を「電解硫酸(F−30)」と称す。
(3) フッ酸を添加することなく上記(1)と同様に電気分解を行い、過硫酸濃度10g as S2O8 2−/Lのフッ酸非含有電解硫酸を得た。この電解硫酸を「電解硫酸(0−85)」と称す。
(4) 硫酸濃度85重量%の硫酸溶液にフッ酸濃度1重量%となるように50重量%フッ酸試薬を添加した。この硫酸溶液を「硫酸溶液(F−85)」と称す。
(5) 硫酸濃度85重量%の硫酸溶液にフッ酸を添加することなくそのままエッチング液とした。この硫酸溶液を「硫酸溶液(0−85)」と称す。
[シリコンエッチング試験]
1)試験方法
<被処理物>
1cm2角にカットしたシリコンウェハのチップ
1)試験方法
<被処理物>
1cm2角にカットしたシリコンウェハのチップ
<エッチング処理>
所定温度のエッチング液を貯留した貯留槽に、上記のチップを15分間浸漬した。その後、チップ表面の外観を目視及びSEMで観察し、シリコンエッチングの可否を確認した。
所定温度のエッチング液を貯留した貯留槽に、上記のチップを15分間浸漬した。その後、チップ表面の外観を目視及びSEMで観察し、シリコンエッチングの可否を確認した。
表1より、フッ酸を含む硫酸溶液の電解液であればシリコンエッチングが可能であるが、フッ酸を含まない電解液や、電気分解をしていない硫酸溶液ではシリコンエッチングを行えないことが分かる。
表2より、フッ酸を含む硫酸溶液の電解液の液温が115℃以上であればシリコンエッチングが可能であり、これよりも液温が低いとシリコンエッチングを行えないことが分かる。
表3より、硫酸溶液の硫酸濃度が43重量%以上であれば、液温を120℃以上とすることができシリコンエッチングが可能であるが、それよりも硫酸濃度が低いと液温を上げることができず、シリコンエッチングを行えないことが分かる。
なお、エッチング処理前のチップの写真と、実施例1及び比較例1〜3のエッチング処理後のチップの写真を図4(a)〜(e)に示す。また、実施例1と比較例1のエッチング処理後のチップのSEM写真(1万倍拡大)を図5(a),(b)に示す。
図4,5より、実施例1では、エッチングにより表面に多数の小孔が形成されたが、比較例1〜3では表面に変化がないことが分かる。
図4,5より、実施例1では、エッチングにより表面に多数の小孔が形成されたが、比較例1〜3では表面に変化がないことが分かる。
[レジスト剥離試験]
1)試験方法
<被処理物>
レジスト付きのシリコンウェハ(有機レジストを塗布したシリコンウェハにAsをE14ドーズでインプラしたもの)を1cm2角にカットしたチップ
1)試験方法
<被処理物>
レジスト付きのシリコンウェハ(有機レジストを塗布したシリコンウェハにAsをE14ドーズでインプラしたもの)を1cm2角にカットしたチップ
<エッチング処理>
所定温度のエッチング液を貯留した貯留槽に、上記のチップを15分間浸漬した。その後、チップ表面の外観を目視及びSEMで観察し、レジスト完全剥離及びシリコンエッチングの可否を確認した。
所定温度のエッチング液を貯留した貯留槽に、上記のチップを15分間浸漬した。その後、チップ表面の外観を目視及びSEMで観察し、レジスト完全剥離及びシリコンエッチングの可否を確認した。
表4より、フッ酸を含む硫酸溶液の電解液であればレジスト完全剥離とシリコンエッチングが可能であるが、フッ酸を含まない電解液ではシリコンエッチングができず、電気分解をしていない硫酸溶液ではシリコンエッチングもレジスト剥離も行えないことが分かる。
表5より、フッ酸を含む硫酸溶液の電解液の液温が115℃以上であれば、レジスト剥離とシリコンエッチングが可能であり、これよりも液温が低いとレジスト剥離もシリコンエッチングも行えないことが分かる。
表6より、硫酸溶液の硫酸濃度が80重量%以上であれば、シリコンエッチングと共にレジスト剥離も行えるが、それよりも硫酸濃度が低いとシリコンエッチングは可能でもレジスト剥離は行えないことが分かる。
1 貯留槽
2 電解セル
4 送液ポンプ
5 冷却器
6 直流電源
11 バッチ処理槽
12 冷却器
13 フィルタ
14 枚葉式処理機
15 加熱器
16 廃液貯留槽
2 電解セル
4 送液ポンプ
5 冷却器
6 直流電源
11 バッチ処理槽
12 冷却器
13 フィルタ
14 枚葉式処理機
15 加熱器
16 廃液貯留槽
Claims (10)
- エッチング液を用いてシリコン材料をウェットエッチングする方法において、
該エッチング液が、硫酸溶液を電気分解して得られた電解液であって、フッ酸を含むことを特徴とするシリコン材料のウェットエッチング方法。 - 前記硫酸溶液の硫酸濃度が43重量%以上で、前記エッチング液の温度が115℃以上であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン材料のウェットエッチング方法。
- 表面にレジスト膜が形成されたシリコン材料の該レジスト膜を剥離させると共にシリコン材料をエッチングする方法であって、前記硫酸溶液の硫酸濃度が80重量%以上であることを特徴とする請求項2に記載のシリコン材料のウェットエッチング方法。
- 前記エッチング液中の過硫酸の量が溶解するシリコンの量に対してモル比で2倍以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシリコン材料のウェットエッチング方法。
- 前記エッチング液のフッ酸のモル濃度がS2O8 2−換算の過硫酸のモル濃度に対して3倍以上であることを特徴とする請求項4に記載のシリコン材料のウェットエッチング方法。
- 硫酸溶液を電気分解して電解液を得る電解工程と、該硫酸溶液及び/又は該電解液にフッ酸を添加するフッ酸添加工程と、該電解工程及びフッ酸添加工程を経た電解液を用いてシリコン材料をウェットエッチングするエッチング工程とを備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシリコン材料のウェットエッチング方法。
- 前記エッチング工程で使用されたエッチング廃液を前記電解工程に返送する返送工程を備えることを特徴とする請求項6に記載のシリコン材料のウェットエッチング方法。
- シリコン材料をウェットエッチングする装置において、
硫酸溶液を電気分解して過硫酸を含む硫酸溶液を得る電解手段と、硫酸溶液を貯留する貯留槽と、該電解手段と貯留槽との間で前記硫酸溶液を循環させる第1の循環ラインと、過硫酸を含む前記硫酸溶液を用いてシリコン材料をウェットエッチングするエッチング手段と、該エッチング手段で用いられる前記硫酸溶液を加熱する加熱手段と、該エッチング手段と前記貯留槽とで前記硫酸溶液を循環させる第2の循環ラインとを備え、
更に、前記貯留槽、前記第1の循環ライン、前記第2の循環ライン、及び前記エッチング手段のいずれかに、フッ酸を添加するフッ酸添加手段を備え、
前記加熱手段により前記硫酸溶液を115℃以上に加熱することを特徴とするシリコン材料のウェットエッチング装置。 - 前記第2の循環ラインの前記エッチング手段と貯留槽との間に、冷却器とフィルタが設けられていることを特徴とする請求項8に記載のシリコン材料のウェットエッチング装置。
- 前記貯留槽、前記第1の循環ライン、及び、前記第2の循環ラインの前記エッチング手段と貯留槽との間のラインのいずれかに、硫酸濃度43重量%以上の硫酸溶液を補給する硫酸溶液補給手段を備えることを特徴とする請求項8又は9に記載のシリコン材料のウェットエッチング装置。
Priority Applications (1)
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JP2013024526A JP2014154754A (ja) | 2013-02-12 | 2013-02-12 | シリコン材料のウェットエッチング方法及び装置 |
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JP (1) | JP2014154754A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021162083A1 (ja) * | 2020-02-13 | 2021-08-19 | 株式会社サイオクス | 構造体の製造方法、および、構造体の製造装置 |
-
2013
- 2013-02-12 JP JP2013024526A patent/JP2014154754A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021162083A1 (ja) * | 2020-02-13 | 2021-08-19 | 株式会社サイオクス | 構造体の製造方法、および、構造体の製造装置 |
JP2021129096A (ja) * | 2020-02-13 | 2021-09-02 | 株式会社サイオクス | 構造体の製造方法 |
JP6942291B1 (ja) * | 2020-02-13 | 2021-09-29 | 株式会社サイオクス | 構造体の製造方法、および、構造体の製造装置 |
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