JP2014153508A - 温度応動表示装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】夜間や雨天時などの視野条件が悪い場合においても、表示面の視認性に優れた温度応動表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 複数の表示を切り替え表示自在な切り替え表示手段2と、形状記憶合金をもって切り替え表示手段2に対して切り替え駆動力を付与する温度応動駆動機構100とを有する温度応動表示装置1において、複数の表示が切り替わったことを検出する切り替わり検出手段3と、複数の表示を照らす照明手段4と、切り替わり検出手段3からの情報に応じて照明手段4を点灯/消灯するように制御する制御手段5とを備え、切り替わり検出手段3によって、切り替え表示手段2が所定の表示に切り替わったことを検出すると、照明手段4を点灯するように制御することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、互いに異なる温度に応じた表示すべき情報がそれぞれ形成された複数の表示面を、温度に応じて表示位置に選択的に位置させることによって、温度に応じた情報の選択的な表示を行うのに好適な温度応動表示装置に係り、特に、夜間や雨天時などの視野環境の悪い場合においても好適な温度応動表示装置に関する。
この種の温度応動表示装置として、本出願人は、既に特許文献1に示すような凍結表示用標識装置を提案している。
具体的には、特許文献1の図3および図4に示すように、ハウジング内において「走行」の文字が記された第1の再起反射面と「凍結」の文字が記された第2の再起反射面と、「熱中」の文字が記された第3の再帰反射面とを回動変位させて所定の表示位置に選択的に位置させる回動表示手段と、この回動表示手段に回動のための駆動力を付与する温度応動駆動機構とを備えた温度応動表示装置について特許出願を行っている。また、第1の再起反射面、第2の再起反射面および第3の再帰反射面は正三角筒状を呈するように配設されており、回動表示手段の略120°の回動を以て表示位置において切り替え表示されるようなっている。
また、温度応動駆動機構には、形状記憶合金が用いられており、外気温の温度変化に応じて駆動して回動表示手段を回動変化させて、略凍結温度になると、第1の再起反射面に記された「凍結」を表示することができ、略凍結温度よりも高温の温度設定を超えると、第2の再起反射面に記された「走行」を表示し、熱中症が発生する温度を超えると、第3の再帰反射面に記された「熱中」を表示することができる。
さらに、特許文献1における当該温度駆動機構の駆動は、外部電源に頼ることなく外気温の変化に応じた形状記憶合金の弾性力のみで動くようにされており、外部電源を用いることなく道路表面の凍結や熱中症への注意喚起をドライバ或いは道路管理者などに報知可能であることが記載されている。
特開2012−237890号公報
ここで、現状の温度応動表示装置においては、表示面は再帰反射材によって形成されており、走行する車両のライトなどの光を再帰反射させることによって、夜間でも表示面に表示している情報の視認を可能としている。
ところが、夜間や雨天時などの視野条件が悪い場合には、まず、当該温度応動表示装置が設置されていることをドライバに認識させることが難しく、存在に気づかずに通過してしまう場合もある。また、その存在に気づいたとしても、雨水の水滴による乱反射などによって、表示面からの再帰反射が不十分となり、表示面に表示している情報を視認することが困難となるなどの問題点を有している。
そこで本発明は、上記の問題点を解決するべく、夜間や雨天時などの視野条件が悪い場合においても、表示面の視認性に優れた温度応動表示装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、本発明の第1の態様の温度応動表示装置は、複数の表示を切り替え表示自在な切り替え表示手段と、形状記憶合金をもって前記切り替え表示手段に対して切り替え駆動力を付与する温度応動駆動機構とを有する温度応動表示装置において、前記複数の表示が切り替わったことを検出する切り替わり検出手段と、前記複数の表示を照らす照明手段と、前記切り替わり検出手段からの情報に応じて前記照明手段を点灯/消灯するように制御する制御手段とを備え、前記切り替わり検出手段によって、前記切り替え表示手段が所定の表示に切り替わったことを検出すると、前記照明手段を点灯するように制御することを特徴とする。
このような、本発明の第1の態様の温度応動表示装置においては、所定の表示に対して照明を当てるようにされており、夜間や雨天時などの視野条件が悪い場合においても、表示面の視認性を確保することができ、重要な注意喚起を行うことを可能とする。
本発明の第2の態様の温度応動表示装置は、設置場所の照度を検出する照度検出手段を備え、所定の表示とされている状態において、前記設置場所の照度に応じて、前記制御手段によって前記照明手段の照明を消灯または点灯するように制御することを特徴とする。
このような、本発明の第2の態様の温度応動表示装置においては、設置場所の照度に応じて照明手段を消灯または点灯するようにしているので、夜間や雨天時などの視野条件が悪い場合には点灯して視認性を確保し、昼間や街灯が設置されて視野条件が良好が場合には消灯して省電力化を図ることを可能とする。
本発明の第3の態様の温度応動表示装置は、太陽光発電式および/または風力発電式の蓄電池からなる電源を備えていることを特徴とする。
このような、本発明の第3の態様の温度応動表示装置においては、太陽光発電式および/または風力発電式の蓄電池を用いることにより、当該温度応動表示装置を独立して設置することを可能とする。
本発明の温度応動表示装置によれば、夜間や雨天時などの視野条件が悪い場合においても、表示面の視認性に優れた温度応動表示装置を提供することを可能とする。
本発明の温度応動表示装置の実施形態を示すブロック図 本発明の温度応動表示装置の実施形態の具体例を示す前方斜視図 図2の道路用標識装置の実施形態を示す概略分解斜視図 (a)から(c)は図1の温度応動表示装置の表示パターンを示す正面図 図3の切り替え表示手段および温度応動駆動機構の要部分解斜視図 (a)から(c)は温度応動駆動機構の動作状態を示す平面図 第1形状記憶引張コイルバネ112a,112bおよび第2形状記憶引張コイルバネ122a,122bの変態点を示すグラフ 本実施形態における温度応動表示装置の制御方法を示すフローチャート 照度検出手段を備える場合の制御方法を示すフローチャート
以下、本発明の実施の形態を図1から図9を用いて説明する。なお、図中、同一符号および記号は各実施の形態の構成部分と同一または相当する構成部分を示すものであり、特に、複数同一構成の部品を使用していることを示す末尾A,B,C,Dの記号と、そのA,B,C,Dの記号を付していないものは、基本的に共通する構成部分である。
本発明の温度応動表示装置1は、図1に示すように、複数の表示を切り替え表示自在な切り替え表示手段2と、形状記憶合金をもって切り替え表示手段2に対して切り替え駆動力を付与する温度応動駆動機構100とを有し、複数の表示が切り替わったことを検出する切り替わり検出手段3と、複数の表示を照らす照明手段4と、切り替わり検出手段3からの情報に応じて照明手段4を点灯/消灯するように制御する制御手段5とを備えている。制御手段5は、切り替わり検出手段3によって、切り替え表示手段2が所定の表示に切り替わったことを検出すると、照明手段4を点灯するように制御を行うようにされている。
また、本発明の温度応動表示装置1は、設置場所の照度を検出するための照度検出手段6を備えている。照度検出手段6によって検出された明るさが所定の値以上の場合には、制御手段5を介して照明手段4を消灯し、検出された明るさが所定の値以下の場合には、照明手段4を点灯するように制御するようにされている。
またさらに、本発明の温度応動表示装置1は、太陽光発電機7および/または風力発電機8および蓄電池9を有する電源10を備えている。太陽光発電機7および/または風力発電機8によって発電された電気は、蓄電池9に蓄電するようにされており、当該蓄電池9によって照明手段4や制御手段5等に対して電力を供給するようにされている。
このような、本発明の温度応動表示装置1とすることにより、夜間や雨天時などの視野条件が悪い場合においても、所定の表示において、例えば、「凍結注意」等の注意喚起が必要不可欠な表示について、表示面を照明手段4によって明るくして、視認性に優れた温度応動表示装置1を提供することを可能とする。
図2は本発明の実施形態における具体例を示し、白色の支柱Lに対して、太陽光発電機7、風力発電機8、照明手段6、上側の道路用標識装置30Uと下側の道路用標識装置30Dとによって形成されている2つの道路用標識装置30(30U,30D)および『注意』の文字を示した表示板14が上から順に鉛直方向に取り付けられている。
2つの道路用標識装置30(30U,30D)には、各4つずつの切り替え表示手段2(2A,2B,2C,2D)が設けられている。なお、切り替え表示手段2の数は4つに限定されるものではないが、各切り替え表示手段2の接触抵抗を比較的小さく抑え、機械的強度を強く構成するためには2〜5個程度とすることが好ましい。
道路用標識装置30は、図3に拡大示すように、不透明な合成樹脂材料あるいは金属板、鋳型などで箱状に形成されたハウジング31の内部に切り替え表示手段2が収納された構成とされており、公知の取付手段によって支柱Lに取り付けられている。なお、本実施の形態においては、ハウジング31は、アルミニウムの鋳型として形成したものを用いて説明する。
ハウジング31は、図3に示すように、透明アクリル板または透明ガラス板からなる透明部材32が配置される表側の開口部33が形成されたケース本体31aおよび後述するケース本体31aの裏側に取り付けられる裏蓋31bから構成されている。因みに、ハウジング31の前半分もしくは全体を透明部材32で形成して切り替え表示手段2を視認可能とするようにしてもよい。
ハウジング31の内部には、図3および図5に示すように、上側取付部材34に支持された4つの切り替え表示手段2(2A,2,2C,2D)と、切り替え表示手段2の下方に備えられ切り替え表示手段2の表示を切り替える温度応動駆動機構100と、切り替え表示手段2の近傍に設けられ表示面の表示が切り替わったことを検出する切り替わり検出手段3(3a)とが備えられている。
切り替え表示手段2は、図5に示すように、正三角筒状とされ、上端部材20aの側面上端から下端部材20bの側面の下端に亘るようにして両部材の側面に接合された3つの側壁21a〜21cが設けられている。上端部材20aの中央には略円筒形状の上端軸22aが鉛直上方に向かって立設され、下端部材20bの中央には上端軸22aと同軸上の下端軸22bが鉛直下方に向かって垂設され、上端軸22aおよび下端軸22bとによって切り替え表示手段2の回動軸22を構成するようにされている。そして、切り替え表示手段2は、上端軸22aが上側取付部材34に設けられた4つの貫通孔34aにそれぞれ挿入され、下端軸22bが第1下側取付部材35に設けられた4つの貫通孔35aにそれぞれ挿入されるとともに、第1下側取付部材35の鉛直下方に配設された第2下側取付部材36に設けられた円柱状の突起36aにそれぞれ嵌め込まれることによって、上側取付部材34と第2下側取付部材36との間において各回動軸22を回転中心として回動可能とされている。
また、切り替え表示手段2(2A〜2D)の各下端軸22bにおける下端側の所定範囲の部位には、図5に示すように、後述する温度応動駆動機構100のラック31,33と噛合するピニオンPがそれぞれ周設されている。
切り替え表示手段2の側壁21a〜21cの外表面には、再帰反射材を混入した合成樹脂シートが接着されており、これによって、再帰反射面からなる標識面23が形成されている。外表面に形成された標識面23は、図4に示すように、4本の切り替え表示手段2の側壁21a〜21cの位相を合わせることにより凍結注意標識機能を有する凍結注意標識面23a、走行注意標識機能を有する走行注意標識面23bおよび熱中症注意標識機能を有する熱中注意標識面23cを表示するように形成されており、ケース本体31aの開口部33から視認できるようにされている。また、標識面23は、切り替え表示手段2が回動軸22を中心として回動することにより、凍結注意標識面23a、走行注意標識面23bおよび熱中注意標識面23cの表示を切り替え自在とされている。
また、切り替え表示手段2の近傍に設けられた切り替わり検出手段3としては、図3および図5に示すように、例えば、電磁式回転検出器3aを用いることができ、切り替え表示手段2の下端軸22bに設けられたピニオンPに近接させて配置することにより、ピニオンPの回転を検出して、切り替え表示手段2の表示面の表示が切り替わったことを検出するようにされている。なお、本実施形態においては、切り替わり検出手段3が電磁式回転検出器3aからなる構成とした形態を用いて説明を行うが、この形態に限定されるものではなく、公知の切り替わりを検出可能な構成もしくは装置を用いてもよい。このような電磁式回転検出器3aは、検出範囲におけるピニオンPの回転速度および通過した歯の数に応じた周波数の出力信号を出力することができ、本実施形態においては、図5に示すように、破線で示した制御手段5に対して当該出力信号を入力可能に接続されている。
道路用標識装置30の上方に配設された照明手段4としては、公知の照明装置を用いることが可能であり、例えば、図2に示すように、支柱Lに対して支持部材を介して光源4aを前方へ突出配置することにより、道路用標識装置30(30U,30D)のハウジング31の各開口部33を照らすようにされている。この他にも、各ハウジング31内の開口部33の周辺に光源を配置する形態としたり、切り替え表示手段2の標識面23を透光性のある素材から形成し、標識面23からなる筒内部に光源を配置する形態とするなど種々の変更が可能であり、特にその形態を限定するものではない。このような、照明手段4は、制御手段5によって点灯/消灯の切り換え制御を行うようにされている。
図2に示すように、太陽光発電機7は、上面に複数の太陽電池素子からなる太陽光発電パネル7aが所定枚数並べて接続された受光面7bを備え、水平もしくは太陽に向かって所定の角度で支柱Lの頂点に配設されている。太陽電池素子は、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型およびアモルファスシリコン型などのシリコン系、CIGS型などの化合物系および有機半導体型、色素増感型などの有機系から任意に選択して用いることができる。なお、受光面7bの形状は、角形に限定されるものではなく、丸形や楕円形など種々の変更が可能である。
また、図2に示すように、風力発電機8は、支柱Lに固定された枠体8aに4つの風力発電用風車8bが一列に配置されている。本実施形態においては、風力発電用風車8bは、回転軸が垂直に配設されたサボニウス型の翼部を有する垂直軸型風車としており、翼部が風力によって回転することによって発電するようにされている。なお、翼部は、サボニウス型に限定するものではなく、ダリウス型、ジャイロミル型、直線翼型、パドル型、クロスフロー型およびS型ローター型などへの変更が可能である。また、風力発電用風車8bは、垂直軸型風車以外にも翼部の回転軸が水平に配設された水平軸型風車としてもよく、例えば、翼部がプロペラ型、多翼型、オランダ型、セイルウィング型などの風車を採用することができる。
さらに、風力発電用風車8bの翼部に対しては、外表面に再帰反射材を混入した合成樹脂シートを接着する、もしくは、翼部自体を再帰反射材で形成することによって、視認性を向上させて、温度応動標識装置1のドライバー等へのアピール力を向上させることができる。
さらに、温度応動表示装置1には、図1および図2に示すように、太陽光発電機7および風力発電機8によって発電された電気を蓄電するための蓄電池9が備えられており、発電された電気を貯めて照明手段4および制御手段5などを動作させるための電源10として用いるようにされている。
また、本実施形態の温度応動表示装置1には、図2に示すように、照明手段4の上方外面に照度検出手段6としての照度センサ6aが備えられ、検出した照度情報を制御手段5に入力可能に接続されている。照度センサ6aとしては、フォト・ダイオードなどの照度を測定可能な公知の装置を用いることができる。
ここで、温度応動駆動機構100の構成および当該温度応動駆動機構100における切り替え表示手段2の駆動方法について図5から図7を用いて説明する。
温度応動駆動機構100は、図5に詳示するように、第1下側取付部材35に設けられた第1駆動機構110と、第2下側取付部材36に設けられた第2駆動機構120とからなり、更に図6に示すように、それぞれ、4つの切り替え表示手段(2A〜2D)の整列方向(図6の左右方向)に沿って長尺に形成された第1移動部材111および第2移動部材121と、形状記憶合金からなる2つの第1形状記憶引張コイルばね112a,112bおよび第2形状記憶引張コイルばね122a,122bと、温度による変形(線膨張)が極めて小さい2つの第1通常引張コイルばね113a,113bおよび第2通常引張コイルばね123a,123bとを備えている。
第1移動部材111および第2移動部材121には、その長手方向に長尺な長孔状の4つの第1案内孔111aおよび第2案内孔121aがそれぞれ形成されており、各案内孔111a,121aの内周面には、切り替え表示手段2(2A〜2D)の下端軸22bに設けられたピニオンPに噛合可能な第1ラック111bおよび第2ラック121bが長手方向に沿ってそれぞれ形成されている。さらに、各案内孔111a,121aには、各ラック111b,121bとピニオンPとの噛合状態を解除するための第1平坦部111cおよび第2平坦部121cが各ラック111b,121bに連設されている。
また、第1形状記憶引張コイルばね112a,112bおよび第2形状記憶引張コイルばね122a,122bは、用いる形状記憶合金の温度ヒステリシスによって決まる温度、すなわち変態点Tに達した場合に、マルテンサイト変態を示して記憶された形状に回復するように形成されている。本実施形態においては、図7に示すように、第1形状記憶引張コイルばね112a,112bは、使用環境温度が略氷点温度付近の第2の温度T2(例えば、0〜3℃の範囲内の所定温度)以下の温度から温度ヒステリシスによって決まる第1の温度T1(例えば、第2の温度T2から2〜5℃上昇した温度)に達した場合に記憶された形状、本実施形態においては縮んだ形状に回復するようにされている。第2形状記憶引張コイルばね122a,122bは、使用環境温度が常温温度付近の第4の温度T4(例えば、24℃)以下の温度から温度ヒステリシスによって決まる温度であり、外気として高温と見なされ始める第3の温度T3(例えば、31℃)に達する温度上昇が生じた場合に縮んだ形状に回復するようにされている。
なお、第1形状記憶引張コイルばね112a,112bおよび第2形状記憶引張コイルバネ122a,122bは、記憶された形状、すなわち、縮んだ形状へと回復することによって、第1通常引張コイルばね113a,113bおよび第2通常引張コイルばね123a,123bの付勢力に抗する弾性力を発現するように設定されている。そして、第1移動部材111および/または第2移動部材121は、第1形状記憶引張コイルばね112a,112bおよび/または第2形状記憶引張コイルバネ122a,122bが弾性力(形状記憶効果)を失っている状態においては、第1通常引張コイルばね113a,113bおよび/または第2通常引張コイルばね123a,123bの付勢力の方向(図6における左方向)に付勢される。一方、第1形状記憶引張コイルばね112a,112bおよび/または第2形状記憶引張コイルバネ122a,122bが縮んだ形状に回復して前記付勢力に抗する弾性力を発現すると、前記付勢力と正反対の方向(図6における右方向)にスライドするようにされている。
切り替え表示手段2は、第1移動部材111および/または第2移動部材121の長さ方向へのスライドによって直線移動する第1ラック111bおよび/または第2ラック121bと、下端軸22bに設けられたピニオンPが噛合することによって回動可能に形成されている。
このような、切り替え表示手段2は、使用環境温度が平常な温度の場合、本実施形態においては、図7に示す第1の温度T1から第4の温度T4の間の所定温度とされている時には、図6(b)に示すように、第1形状記憶引張コイルばね112a,112bが縮んだ形状となって、第1通常引張コイルばね113a,113bの付勢力に抗する弾性力を発現することにより、第1移動部材111のみを前記付勢力と反対の方向(図6における右方向)に付勢した状態とするとともに、第2移動部材121を第2通常引張コイルばね123a,123bの付勢力の方向(図6における左方向)に付勢した状態として、切り替え表示手段2(2A〜2D)を所定位置に保持するようにしている。この時、切り替え表示手段2(2A〜2D)の標識面2には、走行注意標識面23b(図4(b)参照)が表示されている。この時、下端軸22bに設けられたピニオンPは両移動部材111,121の両案内孔111a,121aの両平坦部111c,121cの位置にあり、両ラック111b,121bとは噛合していない回転フリーな状態に保持されている。
そして、使用環境温度が下降し、例えば、第1の温度T1から路面が凍結するような略氷点温度付近の温度である第2の温度T2に達する温度とされると、図6(a)に示すように、第1形状記憶引張コイルばね112a,112bは弾性力(形状記憶効果)を失う。これにより、第1移動部材111のみが、第1通常引張コイルばね113a,113bの付勢力によってその付勢力の方向(図6における左方向)にスライドされるのに伴って、第1ラック111bによりピニオンPを前記付勢力の方向に120°回動(図6における左回転)させて切り替え表示手段2の標識面23を走行注意標識面23bから凍結注意標識面23a(図4(a)参照)に切り替え表示させる。この時、下端軸22bに設けられたピニオンPは第2移動部材121の第2案内孔121aの第2平坦部121cの位置にあり、第2ラック121bとは噛合していないので、第2移動部材121は移動しない。
また、使用環境温度が上昇し、例えば、第4の温度T4から外気として高温で熱中症を生じさせるような温度である第3の温度T3に達する温度とされると、図6(c)に示すように、図6(b)に示す状態から、第2形状記憶引張コイルばね122a,122bがマルテンサイト変態を示して縮んだ形状へと回復し、第2通常引張コイルばね123a,123bの付勢力に抗する弾性力を発現する。これにより、第2移動部材121のみが、第2形状記憶引張コイルばね122a,122bの弾性力によって、前記付勢力とは反対の方向(図6における右方向)にスライドされるのに伴って、第2ラック121bによってピニオンPを前記付勢力とは反対の方向に120°回動(図6における右回転)させて切り替え表示手段2の標識面23を走行注意標識面23bから熱中注意標識面23c(図4(c)参照)に切り替え表示させる。この時、下端軸22bに設けられたピニオンPは第1移動部材111の第1案内孔111aの第1平坦部111cの位置にあり、第1ラック111bとは噛合していないので、第1移動部材111は移動しない。
このような、本実施形態の温度応動表示装置1においては、切り替え表示手段2うち少なくとも1つの下端軸22bのピニオンPの近傍に設けられた電磁式回転検出器3aによってピニオンPの回転を検出するようにされており、得られた回転情報を制御手段5に入力することによって、当該回転情報に基づいて、照明手段4の点灯/消灯を行うようにされている。この照明手段4の点灯/消灯の制御方法について図8および図9を用いて以下に説明する。
まず、本発明の温度応動表示装置1の本実施形態における制御方法は、図8に示すように、制御手段5に対して、電磁式回転検出器3aからピニオンPの回転情報が入力されると(S10)、制御手段5によって照明手段4の光源の点灯/消灯のいずれを実行すべきかの検出が行われる(S11)。
そして、制御手段5によって、ピニオンPの回転情報が温度が第1の温度T1から第2の温度T2への変化もしくは第4の温度T4から第3の温度T3への変化を示していると判断された場合には、標識面23が走行注意標識面23bから凍結注意標識面23aもしくは熱中注意標識面23cに切り替え表示されたと判断して、照明手段4の光源を点灯させる(Son)。これに対して、ピニオンPの回転情報が温度が第2の温度T2から第1の温度T1への変化もしくは第3の温度T3から第4の温度T4への変化を示していると判断された場合には、標識面23が凍結注意標識面23aもしくは熱中注意標識面23cから走行注意標識面23bに切り替え表示されたと判断して、照明手段4の光源を消灯させる(Soff)。つまり、凍結注意標識面23aおよび熱中注意標識面23cがハウジング31の開口部33に位置している時に、照明手段4を点灯させて、特に注意喚起が必要な標識面23について、夜間や雨天時などの視野条件が悪い場合においても優れた視認性を確保するようにされる。
また、温度応動表示装置1に照度センサ6aが備えられている場合における制御方法は、図9に示すように、制御手段5に対して、電磁式回転検出器3aからピニオンPの回転情報が入力されると(S20)、制御手段5によって照明手段4の光源の点灯/消灯のいずれを実行すべきかの検出および照度センサ6aによる照度情報の取得が行われる(S21)。
そして、制御手段5によって、照明手段4の消灯を実行すべき判断がなされ、かつ、照度情報が所定の照度よりも大きいと判断された場合(S21)には、標識面23が凍結注意標識面23aもしくは熱中注意標識面23cから走行注意標識面23bに切り替え表示されたとともに、設置環境が明るいと判断して、照明手段4の光源を消灯させる(Soff)。照明手段4および照度情報がこれ以外の場合であると判断された場合には、標識面23が走行注意標識面23bから凍結注意標識面23aもしくは熱中注意標識面23cに切り替え表示されたもしくは、温度応動表示装置1の設置環境が暗いと判断して、照明手段4の光源を点灯させる(Son)。この時、照度センサ6aにおける照度情報の取得は、照明手段4の消灯時において定期的に行うようにしてもよい。
このような、本実施形態の温度応動表示装置1とすることにより、夜間や雨天時などの視野条件が悪い場合においても、標識面23が表示される開口部33を照明手段4によって照らすようにして、ドライバーなどに対して特に注意喚起が必要とされる凍結注意標識面23aおよび熱中注意標識面23cにおける表示面23を明るく照明することにより優れた視認性を確保することができる。さらに、照度センサ6aを設けて、標識面23を視認可能とするための十分な照度が得られない場合に照明手段4を点灯するようにすることにより、走行注意標識面23bについても、視認性を確保可能とするとともに、凍結注意標識面23aおよび熱中注意標識面23cを表示中において、標識面23に十分な照度を得られる場合には、照明手段4を消灯することにより、節電を図ることができる。
本発明の温度応動表示装置1は、本実施形態に限定されるものではなく、発明の特徴を損なわない範囲において種々の変更が可能であり、例えば、切り替わり検出手段3が、第1移動部材111および第2移動部材121に形成した突起部と、スイッチ手段とからなり、第1移動部材111および第2移動部材121のスライドに連動して当該突起部がスイッチ手段をONまたはOFFすることによって切り替え表示手段2が切り替わったことを検出するようにしてもよい。
1 温度応動表示装置
2 切り替え表示手段
3 切り替わり検出手段
4 照明手段
5 制御手段
6 照度検出手段
7 太陽光発電機
8 風力発電機
9 蓄電池
10 電源
100 温度応動駆動機構

Claims (3)

  1. 複数の表示を切り替え表示自在な切り替え表示手段と、形状記憶合金をもって前記切り替え表示手段に対して切り替え駆動力を付与する温度応動駆動機構とを有する温度応動表示装置において、
    前記複数の表示が切り替わったことを検出する切り替わり検出手段と、
    前記複数の表示を照らす照明手段と、
    前記切り替わり検出手段からの情報に応じて前記照明手段を点灯/消灯するように制御する制御手段とを備え、
    前記切り替わり検出手段によって、前記切り替え表示手段が所定の表示に切り替わったことを検出すると、前記照明手段を点灯するように制御することを特徴とする温度応動表示装置。
  2. 設置場所の照度を検出する照度検出手段を備え、
    所定の表示とされている状態において、前記設置場所の照度に応じて、前記制御手段によって前記照明手段の照明を消灯するように制御することを特徴とする請求項1に記載の温度応動表示装置。
  3. 太陽光発電式の蓄電池からなる電源を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の温度応動表示装置。
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