JP2014153420A - カラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ブラックマトリクスに空洞、欠けが生じず、高精細に適したカラーフィルタとその製造方法、表示装置とする。
【解決手段】カラーフィルタ10は透明基板1上に下記形状の好ましくは線幅1〜7μmのブラックマトリクス2をポジ型の樹脂レジストから近接露光法で形成し、次いで、その開口部Aに着色層3を好ましくはポジ型の樹脂レジストから同様の形状で形成する。極大点Qmaxの極大高さTmaxの半値高さThの点を中位点Qh、面方向で外側に最も突き出した部分を端部開始点Qeとし、イ)中位点Qhのテーパー角θが50〜90°、ロ)透明基材表面に端部開始点Qeの一方から他方まで連続して接し、ハ)端部開始点Qeから極大点QmaxまでヒサシBがない。着色層も類似の形状とするのが、高精細及び高色純度の点で好ましい。表示装置はこのカラーフィルタを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置に関する。
従来、テレビジョンなどの表示装置用のカラーフィルタは、一般的に、透明基板上に、樹脂レジストを用いてフォトリソグラフィ法でブラックマトリクスが形成された後、着色層が形成されている。このフォトリソグラフィ法には、生産性に優れる近接露光法(プロキシミティ露光法)が利用される(特許文献1)。
近接露光法では、透明基板の板面に平行な面方向では、マスク開口を通過後の露光光が回折して広がる為に、マスク開口より広い範囲のレジスト層が露光され、厚み方向では透明基板付近の露光量が小さくなり、マスク開口に相当する部分のレジスト層しか露光され硬化しない。そこで、マスク開口はブラックマトリクスよりも小さ目に設定される。ただ、露光及び現像後のレジスト層の断面形状は、透明基板から遠くなる程外側に向かって突き出した逆テーパー形状となる。逆テーパー形状は、ブラックマトリクスや着色層などの品質不良の原因に繋がるため、現像後のポストベイクによって、レジスト層を軟化流動化させて順テーパー形状にしている。
特開2005−122065号公報
ところで、近年、スマートフォン、タブレットコンピュータなど、特に多機能携帯情報端末としての中小型の表示装置の普及にともない、カラーフィルタには、より高精細の表示に対応できるものが望まれるようになってきている。そこで、カラーフィルタのブラックマトリクスは、その線幅が従来は10〜20μm程度であったが、例えば5μmなどと10μm以下が望まれている。
一方、カラーフィルタのブラックマトリクスは、高OD(光学濃度)に対応するために、ブラックマトリクス中のカーボンブラックなどの遮光材は高濃度になり厚みは厚くなる傾向にある。このため、ブラックマトリクスを樹脂レジストからフォトリソグラフィ法で形成するときに、露光、現像によりパターン化されるレジスト層は、露光光の透過率が著しく抑えられる結果、露光光がレジスト層の透明基板側まで届き難くなっている。そこで、ブラックマトリクス用の樹脂レジストには光重合開始剤を含むネガ型が使われているので、レジスト中の光重合開始剤を高濃度にすることで、露光感度を上げて対処している。
しかしながら、従来のカラーフィルタ20では、図11(a)の部分拡大断面図に示すように、ブラックマトリクス2とする為に、マスクMによって露光されたレジスト層2Aの現像後の断面形状の逆テーパー形状を、ポストベイクで順テーパー形状にするときに、ポストベイクが不完全であると、図11(b)の部分拡大断面図に示すように、透明基板1と、ブラックマトリクス2とに挟まれるようにして、空洞Gが生じることがある。
空洞Gが生じると、ブラックマトリクス2は、その部分で厚みが薄くなり遮光性が低下してしまう。ブラックマトリクス2の線幅が10μm以上のときに生じる空洞Gの品質低下への影響に比べて、線幅がより細くなり空洞Gが生じ得る傾斜面を有する傾斜部の線幅方向で割合が大きくなると、品質低下への影響は無視できない問題となる。しかも、側面を順テーパー形状に変化させた後の傾斜部を含めた外形形状からは、空洞Gの存在は識別できず、品質管理上、問題となり得る。
また、側面の傾斜面の形状が逆テーパー形状であると、図12(a)の部分拡大断面図で示すように、ブラックマトリクス2とするためのレジスト層2Aは、その頂部2tの幅Wtに対して、底部2bの幅Wbが小さくなる。そして、ブラックマトリクス2の線幅が狭くなるにつれて、図12(b)の部分拡大断面図で示すように、頂部2tが有限の幅であっても、底部2bの幅がゼロに近づき、現像時にレジスト層2Aが剥がれて脱落することがある。また、ブラックマトリクス2とするためのレジスト層2Aの厚みが、頂部2tが一定のままで、厚くなっても、図12(c)の部分拡大断面図で示すように、底部2bの幅がゼロに近づき、やはり、現像時にレジスト層2Aが剥がれて脱落することがある。
すると、図12(d)の部分拡大平面図で示すように、ブラックマトリクス2は、その部分に欠けEが生じることがある。
そこで、本発明の課題は、空洞や欠けが生じず、高精細に適したカラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置を提供することである。
本発明では、次のような構成のカラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置とした。
(1)透明基板と、
前記透明基板の一方の面上に形成されたブラックマトリクスと、
前記ブラックマトリクスの少なくとも開口部に形成された着色層と、を有し、
前記ブラックマトリクスの線幅方向における厚み方向での断面における前記透明基板の一方の面からの高さについて、前記ブラックマトリクスの高さが最も高くなる極大点Qmaxの高さを極大高さTmaxとし、
Tmax/2の半値高さThとなる部分を中位点Qhとし、
前記ブラックマトリクスが前記透明基板の一方の面に平行な面方向で外側に向かって最も突き出した部分を端部開始点Qeとするときに、
前記ブラックマトリクスは、
イ)前記中位点Qhにおける前記透明基板の一方の面に平行な面に対するテーパー角θが、50〜90°であり、
ロ)前記ブラックマトリクスが前記透明基材の表面に、前記端部開始点Qeの一方から他方まで連続して接触しており、
ハ)前記端部開始点Qeから前記極大点Qmaxに至る部分に前記透明基板の一方の面に平行な面方向で外側に向かって突き出したヒサシが存在しない、
形状のものを含む、カラーフィルタ。
(2)前記ブラックマトリクスが、ポジ型の樹脂レジストから形成されている、前記(1)のカラーフィルタ。
(3)前記イ)、ロ)及びハ)を満たす特定形状のブラックマトリクスが、線幅が1〜7μmとなる部分を含む、前記(1)又は(2)のカラーフィルタ。
(4)前記イ)、ロ)及びハ)を満たす特定形状のブラックマトリクスが、前記極大高さTmaxが1〜3μmとなる部分を含む、前記(1)〜(3)のいずれかのカラーフィルタ。
(5)前記ブラックマトリクスの光学濃度が4.0以上である、前記(1)〜(4)のいずれかのカラーフィルタ。
(6)前記着色層として、
前記ブラックマトリクスの線幅方向における厚み方向での断面における前記透明基板の一方の面からの高さについて、前記着色層の高さが最も高くなる極大点Pmaxの高さを極大高さHmaxとし、前記着色層が前記透明基板の一方の面に平行な面方向で外側に向かって最も突き出した部分である端部開始点Peの高さを端部高さHsとし、
(Hmax+Hs)/2の半値高さHhとなる部分を中位点Phとし、
前記透明基板の一方の面の面内において前記ブラックマトリクスと前記着色層とが出会う部分を底部開始点Pbとするときに、
前記着色層は、
a)前記中位点Phにおける前記透明基板の一方の面に平行な面に対するテーパー角θが、50〜90°であり、
b)前記端部開始点Peが前記ブラックマトリクス上に位置しており、
c)前記着色層が前記ブラックマトリクスの側面を含む表面に、前記底部開始点Pbから前記端部開始点Peに向かって連続して接触しており、さらに前記着色層が前記着色層と隣り合う隣接着色層の上に一部重なるときは前記隣接着色層の側面を含む表面に、当該表面に位置する前記端部開始点Peまで連続して接触しており、
d)前記端部開始点Peから前記極大点Pmaxに至る部分に前記透明基板の一方の面に平行な面方向で外側に向かって突き出したヒサシが存在しない、
形状のものを含む、前記(1)〜(5)のいずれかのカラーフィルタ。
(7)前記着色層が、ポジ型の樹脂レジストから形成されている、前記(6)のカラーフィルタ。
(8)透明基板と、
前記透明基板の一方の面上に形成されたブラックマトリクスと、
前記ブラックマトリクスの少なくとも開口部に形成された着色層と、を有するカラーフィルタの製造方法であって、
前記ブラックマトリクスの線幅方向における厚み方向での断面における前記透明基板の一方の面からの高さについて、前記ブラックマトリクスの高さが最も高くなる極大点Qmaxの高さを極大高さTmaxとし、
Tmax/2の半値高さThとなる部分を中位点Qhとし、
前記ブラックマトリクスが前記透明基板の一方の面に平行な面方向で外側に向かって最も突き出した部分を端部開始点Qeとするときに、
前記ブラックマトリクスは、
イ)前記中位点Qhにおける前記透明基板の一方の面に平行な面に対するテーパー角θが、50〜90°であり、
ロ)前記ブラックマトリクスが前記透明基材の表面に、前記端部開始点Qeの一方から他方まで連続して接触しており、
ハ)前記端部開始点Qeから前記極大点Qmaxに至る部分に前記透明基板の一方の面に平行な面方向で外側に向かって突き出したヒサシが存在しない、
形状のブラックマトリクスを、ポジ型の樹脂レジストから近接露光法により形成する、ブラックマトリクス形成工程(A)と、
前記ブラックマトリクスの少なくとも開口部に、着色層を形成する着色層形成工程(B)と、
を、この順に含む、カラーフィルタの製造方法。
(9)前記イ)、ロ)及びハ)を満たす特定形状のブラックマトリクスが、線幅が1〜7μmとなる部分を含む、前記(8)のカラーフィルタの製造方法。
(10)前記イ)、ロ)及びハ)を満たす特定形状のブラックマトリクスが、前記極大高さTmaxが1〜3μmとなる部分を含む、前記(8)又は(9)のカラーフィルタの製造方法。
(11)前記ブラックマトリクスの光学濃度が4.0以上である、前記(8)〜(10)のいずれかのカラーフィルタの製造方法。
(12)前記着色層形成工程(B)において、
前記ブラックマトリクスの線幅方向における厚み方向での断面における前記透明基板の一方の面からの高さについて、前記着色層の高さが最も高くなる極大点Pmaxの高さを極大高さHmaxとし、前記着色層が前記透明基板の一方の面に平行な面方向で外側に向かって最も突き出した部分である端部開始点Peの高さを端部高さHsとし、
(Hmax+Hs)/2の半値高さHhとなる部分を中位点Phとし、
前記透明基板の一方の面の面内において前記ブラックマトリクスと前記着色層とが出会う部分を底部開始点Pbとするときに、
前記着色層として、
a)前記中位点Phにおける前記透明基板の一方の面に平行な面に対するテーパー角θが、50〜90°であり、
b)前記端部開始点Peが前記ブラックマトリクス上に位置しており、
c)前記着色層が前記ブラックマトリクスの側面を含む表面に、前記底部開始点Pbから前記端部開始点Peに向かって連続して接触しており、さらに前記着色層が前記着色層と隣り合う隣接着色層の上に一部重なるときは前記隣接着色層の側面を含む表面に、当該表面に位置する前記端部開始点Peまで連続して接触しており、
d)前記端部開始点Peから前記極大点Pmaxに至る部分に前記透明基板の一方の面に平行な面方向で外側に向かって突き出したヒサシが存在しない、
形状の着色層については、ポジ型の樹脂レジストから近接露光法により形成する、前記(8)〜(11)のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
(13)前記(1)〜(7)のいずれかのカラーフィルタを含む表示装置。
本発明によるカラーフィルタ及びその製造方法によれば、空洞や欠けが生じず、高精細に適したカラーフィルタとすることができる。
本発明による表示装置によれば、高精細に適したものとすることができる。
本発明によるカラーフィルタをブラックマトリクスに注目して、その一実施形態例で説明する部分拡大断面図(a)、テーパー角θを説明する断面図(b)、及びヒサシを説明する部分拡大断面図(c)。 ブラックマトリクスの平面視形状を示す部分拡大平面図。 本発明によるカラーフィルタの一実施形態例を示す部分拡大断面図。 従来のカラーフィルタで着色層を高精細にしたときに顕在化し得る空洞を説明する部分拡大断面図(a)及び(b)と、色純度低下を説明する部分拡大平面図(c)。 本発明によるカラーフィルタを着色層に注目して、その一実施形態例で説明する部分拡大断面図(a)、テーパー角θを説明する断面図(b)、及びヒサシを説明する部分拡大断面図(c)。 端部開始点Qeがブラックマトリクス上に位置することを説明する部分拡大断面図。 着色層が順テーパー形状でも空洞が存在し本発明非該当の形状例を示す部分拡大断面図(a)及び(c)と、ブラックマトリクスの表面及び側面を説明するための部分拡大断面図(b)。 着色層が隣接着色層上に一部重なるときを説明する部分拡大断面図。 図1(a)に例示のカラーフィルタの部分拡大断面図(a)と、これから得られる着色層の色濃度の均一性を示す部分拡大平面図(b)。 色純度を説明するxy色度図。 従来のカラーフィルタでブラックマトリクスを高精細にしたときに顕在化し得る空洞を説明する部分拡大断面図(a)及び(b)。 従来のカラーフィルタでブラックマトリクスを高精細にしたときに顕在化し得る「欠け」を説明する部分拡大断面図(a)、(b)及び(c)、並びに部分拡大平面図(d)。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面は概念図であり、説明上の都合に応じて適宜、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。
《A》カラーフィルタ10:
本発明によるカラーフィルタ10の実施形態を説明する。
図1の部分拡大断面図は、本実施形態のカラーフィルタ10において、ブラックマトリクス2の線幅方向における厚み方向での断面形状を示す。図2の部分拡大平面図は、ブラックマトリクス2の平面視形状を示し、その開口部Aは図面上下方向が大きい長方形形状をしており、同図中、この開口部Aの短辺に平行な図面左右方向となるC−C線で切断したときのブラックマトリクス2の1本の線に注目した断面図が図1に対応する。図3は、本実施形態のカラーフィルタ10を、着色層3も含めて、一つの着色層3に注目して示す部分拡大断面図である。
なお、本発明においては、ブラックマトリクス2の平面視形状は、図2の形状に限定されない。公知の各種形状をとり得る。
本発明においては、単に「断面形状」、「断面」と言うときは、その断面は、ブラックマトリクス2の線幅方向における厚み方向での断面を意味する。
先ず、図1(a)は、本実施形態のカラーフィルタ10を、それが有するブラックマトリクス2に注目した模式的な部分拡大断面図であり、図1(b)は、テーパー角θの定義を説明する部分拡大断面図であり、図1(c)は、ヒサシBの定義を説明する部分拡大断面図である。
図3に示すように、本発明によるカラーフィルタ10は、透明基板1と、透明基板1の一方の面1pの面上に形成されたブラックマトリクス2と、ブラックマトリクス2の少なくとも開口部Aに形成された着色層3と、を有する。
しかも、図1(b)及び図1(c)に示すように、本発明のカラーフィルタ10において、ブラックマトリクス2は、次の特定形状を有する。すなわち、
ブラックマトリクス2の線幅方向(図面では左右方向)における厚み方向(図面では上下方向)での断面における透明基板1の一方の面1pからの高さについて、ブラックマトリクス2の高さが最も高くなる極大点Qmaxの高さを極大高さTmaxとし、
Tmax/2の半値高さThとなる部分を中位点Qhとし、
ブラックマトリクス2が透明基板1の一方の面1pに平行な面方向で外側に向かって最も突き出した部分を端部開始点Qeとするときに、
次の、イ)、ロ)及びc)の3条件を全て満す形状のものを含んでいる。
イ)中位点Qhにおける透明基板1の一方の面1pに平行な面に対するテーパー角θが、50〜90°である。
ロ)ブラックマトリクス2が透明基材1の表面に、端部開始点Qeの一方から他方まで連続して接触している。
ハ)端部開始点Qeから極大点Qmaxに至る部分に透明基板1の一方の面1pに平行な面方向で外側に向かって突き出したヒサシBが存在しない。
こうしたヒサシBが存在せず上記条件イ)のようにテーパー角θが急峻な順テーパー形状のブラックマトリクス2は、逆テーパー形状に起因する空洞Gが安定的に存在しない。また、こうしたヒサシBが存在せずテーパー角θが急峻な順テーパー形状のブラックマトリクス2は、従来、ブラックマトリクス2にネガ型の樹脂レジストを用いていたのに対し、ポジ型の樹脂レジストを用いて近接露光法を利用して形成することによって、安定的に形成することができる。
本実施形態においては、上記特定形状のブラックマトリクス2は、カラーフィルタ10の表示領域の全域に形成されている。
なお、本発明においては、上記特定形状のブラックマトリクス2は、カラーフィルタ10の表示領域の全域に形成されていることが好ましいが、一部であってもよい。
以下、構成要素ごとにさらに詳述する。
《ブラックマトリクス2》
先ず、ブラックマトリクス2について、ブラックマトリクス2を構成する線の部分の断面形状における形状的特徴から説明する。
<条件イ)テーパー角θが50〜90°>
テーパー角θとは、本発明においては、ブラックマトリクス2の断面形状にて、中位点Qhにおける透明基板1の一方の面1pに平行な面に対する傾斜角として定義される。さらに厳密に定義すれば、テーパー角θは、ブラックマトリクス2の層内部側での角度である。したがって、テーパー角θが、90°未満の範囲で大きくなり90°に近くなるほど、急斜面となる。
テーパー角θは、本発明においては、50〜90°の範囲とする。テーパー角θが90°より大きいと、逆テーパー形状となってしまい好ましくない。逆テーパー形状は、空洞Gの発生のリスクが高いからである。テーパー角θが50°未満であると、ブラックマトリクス2の厚みが薄くなる傾斜部の幅がより広くなり、ブラックマトリクス2の遮光性を低下させることがある。
なお、傾斜部は、図1(b)で言えば、端部開始点Qeから極大点Qmaxに至る部分である。
このため、テーパー角θは、50〜90°の範囲内で、なるべく大きい方が好ましい。テーパー角θが大きい程、高精細に適した線幅Wの細いブラックマトリクス2に対応できるからである。よって、テーパー角θは、好ましくは60〜90°、より好ましくは70〜90°、さらに好ましくは80〜90°である。
テーパー角θを大きくするには、ブラックマトリクス2をポジ型の樹脂レジストから形成し、ブラックマトリクス2とするポジ型の樹脂レジストの樹脂組成、プリベイク、近接露光、現像、ポストベイク、ブラックマトリクス2の厚みなどの諸条件を調整することで行う。
ブラックマトリクス2が条件イ)を満足することで、線幅Wが1〜7μmのブラックマトリクス2であっても、高精細化を安定的に実現することができ、また、遮光性が中央部に比べて低下している傾斜部による遮光性低下の影響を安定的に抑制することができる。したがって、高精細に適したカラーフィルタ10とすることができる。
<条件ロ)ブラックマトリクス2が透明基材1の表面に連続して接触>
「ブラックマトリクス2が透明基材1の表面に連続して接触」の意味は、逆テーパー形状に起因する空洞Gが存在しないことを意味する。より具体的には、ブラックマトリクス2が透明基材1の表面に、端部開始点Qeの一方から他方まで連続して接触していることを意味する。
図11(b)のように空洞Gが存在すると、その部分でブラックマトリクス2と透明基材1との界面は不連続となる。
一方、図1(a)のように空洞Gが存在しない場合では、ブラックマトリクス2は、その幅方向の一方の端部開始点Qeから他方の端部開始点Qeまで、透明基材1の表面に、連続して接触していることなる。
なお、空洞Gとして、その全周囲がブラックマトリクス2によって取り囲まれており、透明基板1に接触していないものも、理論的には考えられる。こうした内在型の空洞Gは、逆テーパー形状に起因して生じるものではない。
よって、逆テーパー形状に起因する空洞Gの存在の有無は、空洞Gが透明基材1に接触しているか否かによって判別するのが妥当である。
ブラックマトリクス2が条件ロ)を満足することで、逆テーパー形状に起因する空洞Gが存在しないことが担保される。このため、空洞Gに起因する問題発生を回避することができる。したがって、高精細に適したカラーフィルタ10とすることができる。
<条件ハ)ヒサシBの非存在>
図1(c)を参照して、ヒサシBについて、さらに説明する。ヒサシBとは、ブラックマトリクス2の断面形状において、端部開始点Qeから極大点Qmaxに至る部分に透明基板1の一方の面1pに平行な面方向で外側に向かって突き出した部分を意味する。同図では、ヒサシBは、斜線のハッチングが施された部分である。「外側」とは、図1(c)では、ブラックマトリクス2の図面左側の部分に注目しているので、図面左側の向きの矢印方向のことである。換言すると、外側とは、面方向にて注目するブラックマトリクス2の中央部から遠くなる方向である。
ヒサシBを、ブラックマトリクス2の斜面の角度で定義すれば、端部開始点Qeから極大点Qmaxに至る任意部分の斜面の角度を傾斜角Θとして、傾斜角Θが90°を超える斜面を与える部分と定義することができる。こうしたヒサシBが存在する形状は、逆テーパー形状である。
「テーパー角θ」は特定の中位点Qhの部分での斜面の角度、つまり中位点Qhの傾斜角Θであり、傾斜角Θの一種である。
図1(c)からも理解できるように、テーパー角θが50〜90°に収まる形状であっても、ヒサシBを有する形状もあり得る。
ヒサシBが存在するような形状は、例え、テーパー角θが上記角度範囲内であったとしても、安定的に空洞発生を抑制できない。このため、ヒサシBは、存在しないことが好ましい。
ブラックマトリクス2が条件ハ)を満足することで、ヒサシBが存在することで生じやすい空洞Gの発生を、安定的に防ぐことができる。したがって、高精細に適したカラーフィルタ10とすることができる。
<条件イ)、ロ)及びハ)による効果>
本発明においては、ブラックマトリクス2を上記条件イ)、ロ)及びハ)の3条件を満たすものとすることで、線幅Wを1〜7μmと細くても、逆テーパー形状に起因する空洞発生、欠け発生を防ぐことができ、カラーフィルタ10を安定的に高精細に適したものとすることが可能となる。
これら3条件のうちのいずれの1条件でも満たさないと、空洞発生、欠け発生のリスクが高くなる。したがつて、これら3条件の全てを満たすことが好ましい。
こうした、条件イ)、ロ)及びハ)を全て満たすブラックマトリクス2は、ブラックマトリクス形成用の樹脂レジストに、ネガ型の樹脂レジストではなく、ポジ型の樹脂レジストを用いることで、安定的に形成することができる。
<ブラックマトリクス2の線幅>
上記条件イ)、ロ)及びハ)の全ての条件を満足する特定形状による効果が、より際立って得られるようにするには、ブラックマトリクス2の線幅Wが1〜7μmであることが好ましい。線幅Wは、好ましくは1〜6μm、より好ましくは1〜5μm、さらに好ましくは1〜4μmである。線幅Wを上記範囲とすることにより、高精細に対応可能となる。より高精細に対応可能とする点で、線幅Wは細い方が好ましいが、線幅Wが1μm未満となると、ブラックマトリクス2を介して隣接する着色層3同士の混色が生じ易くなる。よって、線幅Wの下限は1μmとすることが好ましい。
<ブラックマトリクス2の厚み:極大高さTmax>
テーパー角θか同じでも厚みが増えれば、遮光性が低下している傾斜部の幅も増え、高精細化の妨げとなる。よって、上記条件イ)、ロ)及びハ)の全ての条件を満足する特定形状による効果が、より効果的に得られるようにするには、ブラックマトリクス2の厚み、すなわち、極大高さTmaxは、1〜3μmとなる部分を含むことが好ましい。極大高さTmaxが前記範囲よりも大きいと、カラーフィルタ10の表面の平坦性が低下し、液晶表示装置において配向ムラを生じることがあり、極大高さTmaxが前記範囲よりも小さいと、ブラックマトリクス2に求められる遮光性が得られないことがあるからである。
また、厚みが前記値を満足する部分は、表示領域の全域であることが好ましい。厚みが前記値を満足することによる効果を、表示領域の全域で得ることができるからである。
<ブラックマトリクス2の光学濃度>
上記条件イ)、ロ)及びハ)の全ての条件を満足する特定形状による効果が、より実用的に得られるようにするには、ブラックマトリクス2のOD(光学濃度)は、好ましくは4.0以上、より好ましくは4.2以上である。ODが上記値未満であると、ブラックマトリクス2に求められる遮光性が得られないことがあるからである。ODの上限は、材料、形成法及びコストなどの制約から例えば、6.0である。
ODの測定は、ブラックマトリクス2の線幅が細くて、その線の部分を直接測定できないときは、測定用に同じ厚みで例えば縦横50μmの四角形の層を形成し、この層について透過光でODを測定した値を採用することができる。測定は、例えば直径10μmの円形部分について行う。ODの測定は、例えば、顕微分光測光装置(オリンパス株式会社製、OSP−SP200)など市販の測定装置によって測定することができる。
<ブラックマトリクス2の材料>
本発明によるカラーフィルタ10において、ブラックマトリクス2の材料及びその形成方法は、上記特定形状を有するように形成できれば、特に制限はない。例えば、クロムやクロム化合物などの金属材料、遮光材を含む樹脂レジストを用いることができる。
クロムの場合は、透明基板1の全面にクロム薄膜を蒸着により形成後、フォトレジストを塗布し、露光、現像後、エッチングにより不要部分のクロム薄膜を除去することで、ブラックマトリクス2を形成することができる。このため、樹脂レジストを用いる場合に比べてエッチングが必要など、工程数が多くなる。クロムなどの金属膜による場合、ブラックマトリクス2の厚みは、樹脂レジストによる場合に比べて薄く、通常0.2〜0.3μm程度である。
従来から一般的なネガ型の樹脂レジストでも形成できるならば、ネガ型の樹脂レジストから、ブラックマトリクス2を形成してもよい。但し、より確実に安定的に、空洞発生を抑制して特定形状のブラックマトリクス2を形成できる点で、ポジ型の樹脂レジストから形成するのが好ましい。本実施形態においては、ブラックマトリクス2は、ポジ型の樹脂レジストから形成されている。
以下、ポジ型の樹脂レジスト、ネガ型の樹脂レジストについて説明する。なお、これらレジストの露光には、通常、紫外線が使用される。
〔ポジ型の樹脂レジスト〕
ポジ型の樹脂レジストとしては、特に制限はないが、代表的には、少なくとも、遮光材とアルカリ可溶性樹脂と感光剤と溶剤とを含むレジストを用いることができる。
ポジ型の樹脂レジストでは、露光された部分が現像により除去されて、露光されていない部分が現像後も残り、ブラックマトリクス2となる。
(遮光材)
遮光材としては、ブラックマトリクス2において公知の色材を用いることができる。例えば、カーボンブラック、チタンブラックなど黒色の色材を用いることができる。或いは、赤色、緑色及び青色の3色の色材を併用したものを遮光材として用いて、これらの混色により黒色を呈するようにしてもよい。
(アルカリ可溶性樹脂)
アルカリ可溶性樹脂は、少なくとも露光後の現像時に、アルカリ性の現像液に可溶性を示し、成膜性を有する樹脂であれば、特に制限はない。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、フェノール性ヒドロキシル基を有する樹脂、カルボキシル基を有する樹脂が挙げられる。
フェノール性ヒドロキシル基を有する樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、或いは、ヒドロキシスチレン繰り返し単位を有する樹脂であるヒドロキシスチレンとp−アセトメトキシスチレンとの共重合体などが挙げられる。
カルボキシル基を有する樹脂としては、例えば、アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体、マレイン酸共重合体等が挙げられる。
(感光剤)
感光剤としては、キノンジアジド化合物、光酸発生剤、光塩基発生剤などが挙げられる。
キノンジアジド化合物としては、例えば、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルなどが挙げられる。キノンジアジドスルホン酸エステルのエステル成分は、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びそのフェニル基にヒドロキシル基を付加したビスフェノールA誘導体、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン及びそのフェニル基にヒドロキシル基を付加した化合物等が挙げられる。
光酸発生剤としては、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾケトン化合物等が挙げられる。
光塩基発生剤としては、遷移金属錯体、オルトニトロベンジルカルボメート類、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルカルバメート類、アシルオキシイミノ類等が挙げられる。
(溶剤)
溶剤としては、公知のものを用いることができる。例えば、溶剤としては、3−トリメトキシブチルアセテート(MBA)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルなどを用いることができる。
(硬化剤)
ポジ型の樹脂レジストには、硬化剤として、メラミン樹脂、エポキシ化合物、ノボラック樹脂、オキセタン化合物又はアルコシキド化合物などを含有させることができる。硬化剤により、解像度、熱硬化性、耐熱性などを向上させることができる。例えば、メラミン樹脂としては、ヘキサメトキシメチロールメラミンなどが挙げられる。
(添加剤)
ポジ型の樹脂レジストは、各種添加剤を含むことができる。添加剤は、例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定剤、密着向上剤等が挙げられる。
(代表的なアルカリ可溶性樹脂と感光剤との組み合わせ)
代表的な感光剤とアルカリ可溶性樹脂の組み合わせを例示すれば、アルカリ可溶性樹脂としてフェノール性ヒドロキシル基を有する樹脂としてノボラック樹脂と、キノンジアジド化合物と遮光材とを含むポジ型の樹脂レジストが挙げられる。
〔ネガ型の樹脂レジスト〕
ネガ型の樹脂レジストとしては、ネガ型のレジストであれば、公知のものを用いることができる。代表的には、ネガ型の樹脂レジストには、少なくとも、遮光材と感光性樹脂と溶剤とを含むレジストを用いることができる。
ネガ型の樹脂レジストでは、露光されなかった部分が現像により除去されて、露光された部分が現像後も残り、ブラックマトリクス2となる。
(遮光材)
遮光材としては、前記ポジ型の樹脂レジストで列記したものなどを用いることができる。
(感光性樹脂)
感光性樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ桂皮酸ビニル系樹脂、環化ゴムなどの、光反応性基を有する感光性樹脂が挙げられる。
例えば、アクリル系樹脂では、アルカリ可溶性樹脂、多官能アクリレート系モノマー、光重合開始剤などからなるものが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂には、ベンジルメタクリレート−メタクリル酸共重合体などのメタクリル酸エステル共重合体が挙げられる。
多官能アクリレート系モノマーには、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。 なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート、又は、アクリレートのいずれかであることを意味する。
光重合開始剤には、アルキルフェノン系、オキシムエステル系、トリアジン系、チタネート系などが用いられる。
溶剤は、前記ポジ型の樹脂レジストと同様のものを用いることができる。
ネガ型の樹脂レジストは、各種添加剤を含むことができる。添加剤は、例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定剤、密着向上剤等が挙げられる。
《着色層3》
着色層3は、本発明においては、ブラックマトリクス2の少なくとも開口部Aに形成される。
ただし、上述ブラックマトリクス2による高精細化の効果を、より活かせる点では、着色層3についても、その断面形状を上述ブラックマトリクス2と類似の特定形状とすることが好ましい。着色層3においても、逆テーパー形状に起因する空洞発生を防止することができるからである。
図4は着色層3における空洞Gを説明する図である。図4(a)の部分拡大断面図に示すように、着色層3にする為のレジスト層3Aの現像後の断面形状が逆テーパー形状であると、着色層3でもブラックマトリクス2と同様に、これを順テーパー形状にするポストベイクが不完全なときに、図4(b)のように、透明基板1と、透明基板1上のブラックマトリクス2と着色層3とに挟まれるようにして、空洞Gが生じることがある。
空洞Gが生じると、図4(c)の平面図で示すように、着色層3の周囲に色濃度が薄い部分が生じて、着色層3全体としての色純度を低下させてしまう。しかも、空洞Gで生じた界面部分での界面反射により透過光量が減り、色濃度が不連続となる境界線(図面で縦筋)が見えることがある。
こうした、着色層3における空洞Gの問題は、ブラックマトリクス2の線幅が10μm以上のときは、例え空洞Gが生じても、ブラックマトリクス2上で生じていたため、顕在化しなかった問題であった。しかし、高精細化が進むなかで、着色層3においても、この問題を解決することが好ましい。
以下、着色層3における、好ましい特定形状について詳述する。
図5の部分拡大断面図は、本実施形態のカラーフィルタ10において、ブラックマトリクス2の線幅方向における厚み方向での断面形状を示す。この断面形状は、前述図2の部分拡大平面図中、ブラックマトリクス2の開口部Aの短辺に平行な図面左右方向となるC−C線で切断したときの断面形状に対応する。
先ず、着色層3と、この着色層3と隣り合う隣接着色層との関係を考慮する必要がない形状の場合を説明する。このため、図5は、ブラックマトリクス2における注目する開口部A及びこの開口部Aに形成された着色層3に対して、注目する開口部Aに隣接する開口部、及び注目する着色層3に隣り合う隣接着色層は、ともに図示を省略してある。
図5(a)は、本実施形態のカラーフィルタ10を、それが有する複数の着色層3のうち一つの着色層3に注目した模式的な部分拡大断面図であり、図5(b)は、テーパー角θの定義を説明する部分拡大断面図であり、図5(c)は、ヒサシBの定義を説明する部分拡大断面図である。
図5に示す本実施形態では、着色層3は開口部Aの部分と共に、開口部Aから外側に一部はみ出しており、ブラックマトリクス2の開口部A側の一部を被覆するように形成されている形態である。
図5(b)及び図5(c)に示すように、本発明のカラーフィルタ10において、着色層3は、次の特定形状を有することが好ましい。すなわち、
ブラックマトリクス2の線幅方向(図面では左右方向)における厚み方向(図面では上下方向)での断面における透明基板1の一方の面1pからの高さについて、注目する着色層3の高さが最も高くなる極大点Pmaxの高さを極大高さHmaxとし、注目する着色層3が透明基板1の一方の面1pに平行な面方向で外側に向かって最も突き出した部分である端部開始点Peの高さを端部高さHsとし、
(Hmax+Hs)/2の半値高さHhとなる部分を中位点Phとし、
透明基板1の一方の面1pの面内においてブラックマトリクス2と注目する着色層3とが出会う部分を底部開始点Pbとするときに、
次の、a)、b)、c)及びd)の4条件を全て満す形状のものを含んでいる。
a)中位点Phにおける透明基板1の一方の面1pに平行な面に対するテーパー角θが、50〜90°である。
b)端部開始点Peがブラックマトリクス2上に位置している。
c)着色層3がブラックマトリクス2の側面を含む表面に、底部開始点Pbから端部開始点Peに向かって連続して接触しており、さらに着色層3が当該着色層3と隣り合う隣接着色層3nの上に一部重なるときは隣接着色層3nの側面を含む表面に、当該表面に位置する前記端部開始点Peまで連続して接触している。
d)端部開始点Peから極大点Pmaxに至る部分に透明基板1の一方の面1pに平行な面方向で外側に向かって突き出したヒサシBが存在しない。
こうしたヒサシBが存在せず上記条件a)のようにテーパー角θが急峻な順テーパー形状の着色層3は、逆テーパー形状に起因する空洞Gが安定的に存在しない。また、こうしたヒサシBが存在せずテーパー角θが急峻な順テーパー形状の着色層3は、従来、着色層3にネガ型の樹脂レジストを用いていたのに対し、ポジ型の樹脂レジストを用いて近接露光法を利用して形成することによって、安定的に形成することができる。
本発明においては、上記特定形状の着色層3は、カラーフィルタ10が有する複数の着色層3の全てであることが好ましい。ただし、一部の着色層3を上記特定形状としてもよい。例えば、特に高精細、高色純度に影響する色の着色層3のみを上記特定形状としてもよい。
以下、着色層3について、その構成要素を形状的特徴から詳述する。
<条件a)テーパー角θが50〜90°>
テーパー角θとは、本発明においては、着色層3の断面形状にて、中位点Phにおける透明基板1の一方の面1pに平行な面に対する傾斜角として定義される。さらに厳密に定義すれば、テーパー角θは、着色層3の層内部側での角度である。したがって、テーパー角θが、90°未満の範囲で大きくなり90°に近くなるほど、急斜面となる。
テーパー角θは、本発明においては、50〜90°の範囲とする。テーパー角θが90°より大きいと、逆テーパー形状となってしまい好ましくない。逆テーパー形状は、空洞Gの発生のリスクが高いからである。テーパー角θが50°未満であると、着色層3の厚みが薄くなる部分の幅がより広くなり、ブラックマトリクス2を跨いで隣の開口部Aまで
着色層3が形成され混色し色純度を低下させたり、或いは、開口部Aの領域内において、着色層3の外周部に厚みが薄い部分が生じて、色純度を低下させたりすることがある。
このため、テーパー角θは、50〜90°の範囲内で、なるべく大きい方が好ましい。テーパー角θが大きい程、高精細に適した線幅Wの細いブラックマトリクス2に対応できるからである。よって、テーパー角θは、好ましくは60〜90°、より好ましくは70〜90°、さらに好ましくは80〜90°である。
テーパー角θを大きくするには、着色層3をポジ型の樹脂レジストから形成し、着色層3とするポジ型の樹脂レジストの樹脂組成、プリベイク、近接露光、現像、ポストベイク、着色層3の厚みなどの諸条件を調整することで行う。
着色層3が条件a)を満足することで、線幅Wが1〜7μmのブラックマトリクス2であっても、高精細化を安定的に実現することができ、また、混色などによる色純度低下を安定的に防ぐことができる。したがって、高精細、高色純度に適したカラーフィルタ10とすることができる。
<条件b)端部開始点Peがブラックマトリクス2上に位置している>
図6(a)、図6(b)、及び図6(c)は、端部開始点Peとブラックマトリクス2との位置関係について、ブラックマトリクス2の断面形状が丸みを帯びた形状の場合で説明する図である。図6(a)及び図6(b)が、条件b)に該当している形状例であり、図6(c)が条件b)に該当しない形状例である。
概念図でもある図5では、ブラックマトリクス2の断面形状は、台形形状と単純な形状として描いたが、とりわけブラックマトリクス2を樹脂レジストから形成する場合の断面形状は、露光、現像、ポストベイクなどの操作により、丸みを帯びるのが普通である。ここでは、こうした丸みを帯びた形状のブラックマトリクス2のときの場合で説明する。ただし、着色層3の形状的特徴を説明する図面においては、ブラックマトリクス2に関しては前記イ)、ロ)及びハ)を満たす形状的特徴を必ずしも満たしている形状で描いている訳ではない。
着色層3とブラックマトリクス2との重なりの程度は、底部開始点Pbから測った、ブラックマトリクス2と着色層3との重なり幅w3でみると、図6(a)ではブラックマトリクス2の線幅Wの1/2未満の場合であり、図6(b)ではブラックマトリクス2の線幅Wの1/2超過の場合である。重なり幅w3の最大は、ブラックマトリクス2の線幅Wである。但し、図6(c)のように、端部開始点Peが隣の開口部Aにまで延びて存在する形状は混色が生じ、条件b)に非該当である。
端部開始点Peがブラックマトリクス2上に位置しているとは、ブラックマトリクス2の外縁である底部開始点Pbと一致していることも含む。同図では、ブラックマトリクス2に対して注目する着色層3が存在する図面右側の開口部Aの方にのみ底部開始点Pbを描いてあるが、図示はしないが反対側の図面左側の底部開始点Pbと一致していることも含む。但し、製造誤差を考慮して安定的に混色を防げる点で、底部開始点Pbと一致する位置は除外するのが好ましい。
ブラックマトリクス2上に位置しているとは、後述する図8のように、端部開始点Peがブラックマトリクス2上に一部重なる隣接着色層3nの上に位置しているように、ブラックマトリクス2とは接しない形態も含む。
着色層3が条件b)を満足することで、線幅Wが1〜7μmのブラックマトリクス2であっても、混色による色純度低下を確実に防ぐことができる。したがって、高精細、高色純度に適したカラーフィルタ10とすることができる。
<条件c)着色層3がブラックマトリクス2、隣接着色層3nの表面と連続して接触>
条件c)は、「着色層3がブラックマトリクス2の側面2sを含む表面に、底部開始点Pbから端部開始点Peに向かって連続して接触しており、さらに着色層3が当該着色層3と隣り合う隣接着色層3nの上に一部重なるときは隣接着色層3nの側面を含む表面に、当該表面に位置する前記端部開始点Peまで連続して接触している」である。
「ブラックマトリクス2の側面2sを含む表面に、底部開始点Pbから端部開始点Peに向かって連続して接触しており」の意味は、図5(b)で説明すれば、図中、ブラックマトリクス2の側面下部の底部開始点Pbから、側面2sを経て、ブラックマトリクス2の上面に位置する端部開始点Peに向かって、折れ線で示す矢印に沿って、着色層3がブラックマトリクス2の表面に連続して接触していることを意味する。
「側面2sを含む表面に、・・(中略)・・連続して接触しており」の意味を、これに該当しない図7の部分拡大断面図を参照して説明する。
図7(a)は、着色層3が順テーパー形状であるが、空洞Gが存在し本発明に非該当の形状例を示す。図7(a)に示すように、空洞Gは、透明基板1、ブラックマトリクス2及び着色層3によって周囲を取り囲まれている。同図にて、ブラックマトリクス2の側面2sは、注目している着色層3側において、側面2sの極小点QsLから、側面2sの極大点QsHに至る透明基板1の一方の面1pに垂直な面である。側面2sにおける極小点QsLは、ブラックマトリクス2における底部2bでもある。ブラックマトリクス2の底部2bとは、ブラックマトリクス2の表面と透明基板1とが接触する部分である。しかし、同図の場合、この底部2bは、着色層3が接していないので底部開始点Pbではない。
なお、本発明においては、ブラックマトリクス2の「表面」とは、ブラックマトリクス2が透明基板1と接触している面であるブラックマトリクス2の底面は除外する。
側面2sは、空洞Gが存在するために、側面2sのうち極小点QsL側の部分では、着色層3に接触していない。つまり、側面2sのうち極小点QsL側の部分では着色層3と界面を形成していない。したがって、同図の場合では、底部2bは底部開始点Pbではない。
空洞Gが存在しなければ、着色層3は、図5(b)のように、ブラックマトリクス2としての底部2bであり極小点QsLであり且つ着色層3としての底部開始点Pbから、極大点QsHを経て端部開始点Peに至るブラックマトリクス2の表面部分で、ブラックマトリクス2と連続して接触して、連続した界面を形成することになる。このうち、極大点QsHから端部開始点Peに至る界面部分は、ブラックマトリクス2の側面2sではないが、ブラックマトリクス2の表面の一部である。ただ、側面2sもブラックマトリクス2の表面の一部である。
図7(a)及び図5では、概念図でもあるので、ブラックマトリクス2の断面形状を台形として描いている関係上、透明基板1の板面である一方の面1pに垂直な面として、明確な側面2sが存在した。
しかし、図7(b)に示すように、例えば、ブラックマトリクス2の断面形状が、表面が全体的に丸みを帯びており、線幅Wに対して厚みが小さい形状では、明確な側面2sが存在しないこともある。つまり、底部2bの近傍は側面2sと捉えることができるが、表面の最高位の頂部2tは、感覚的にも側面2sの最高位の極大点QsHと捉え難く、表面の最高位の頂部2tの近傍も、感覚的にも側面2sと捉え難い。さらに、底部2bと頂部2tとの間の中間部2mの面は、側面2sか否か判断に迷う。
一方、「表面」と言うと、図7(a)で言えば、透明基板1の一方の面1pに平行な面、具体的には同図で端部開始点Peを含む面のみを意味すると捉えるべきとすることもあり得る。
しかし、「側面」も含めた意味での「表面」とすれば、上記のような不明確さは解消される。よって、本発明においては、「表面」の意味には「側面」の部分も含むことを明示的に示した上で、着色層3とブラックマトリクス2との接触関係の規定について、「ブラックマトリクス2の側面2sを含む表面に」と表現する。
「底部開始点Pbから端部開始点Peに向かって連続して接触しており」の意味は、逆テーパー形状に起因する空洞Gが存在しないことを意味する。図7(a)のように空洞Gが存在すると、その部分でブラックマトリクス2と着色層3との界面は不連続となる。具体的には、同図では、ブラックマトリクス2の側面における極小点QsLから極大点QsHに至る表面に連続して界面が形成されていない。連続して界面が形成されているのは、ブラックマトリクス2に空洞Gが接する最高位の部分である点Qsgから極大点QsHに至る部分である。極小点QsLから点Qsgに至る部分では、ブラックマトリクス2と着色層3との界面が形成されていない。
このため、図7(a)に例示の空洞Gが存在する場合では、端部開始点Pe自体が存在しないので、着色層3は「底部開始点Pbから端部開始点Peに向かって連続して接触して」いない。つまり、「底部開始点Pbから端部開始点Peに向かって連続して接触しており」とは、逆テーパー形状に起因する空洞Gが、ブラックマトリクス2と着色層3との間に存在しないことを意味する。
一方、図7(c)に例示の空洞Gが存在する場合では、透明基板1の一方の面1pの面内でブラックマトリクス2と着色層3とが一点で出会う底部開始点Pbが存在する。しかし、着色層3は、底部開始点Pbから端部開始点Peに向かって、ブラックマトリクス2の側面2sを含む表面に連続して接触していない。したがって、この図7(c)も本発明非該当である。
なお、空洞Gとして、その全周囲が着色層3によって取り囲まれており、ブラックマトリクス2にも、透明基板1にも接触していないものも、理論的には考えられる。こうした内在型の空洞Gは、逆テーパー形状に起因して生じるものではない。
よって、逆テーパー形状に起因する空洞Gの存在の有無は、空洞Gがブラックマトリクス2に接触しているか否かによって判別するのが妥当である。
〔着色層3が当該着色層3と隣り合う隣接着色層3nの上に重なる形態〕
「さらに着色層3が当該着色層3と隣り合う隣接着色層3nの上に一部重なるときは隣接着色層3nの側面を含む表面に、当該表面に位置する端部開始点Peまで連続して接触している」の意味を説明する。
図8は、注目する着色層3が、これと隣り合う隣接着色層3nの上に一部重なるときの一例を示す部分拡大断面図である。こうした形状は、透明基板1上にブラックマトリクス2が形成された後、注目する着色層3よりも先に、隣接着色層3nが形成されるときに生じ得る。
同図の場合、着色層3は、ブラックマトリクス2の側面2sを含む表面に、底部開始点Pbから端部開始点Peに向かって、隣接着色層3nの端部開始点Penまで連続して接触している。さらに、隣接着色層3nの端部開始点Penから着色層3自体の端部開始点Peまでは、着色層3と隣接着色層3nとの界面を、端部開始点Peまで隣接着色層3nの側面を含む表面に連続して接触している。
隣接着色層3nにおける「側面を含む表面」の意味は、隣接着色層3nにおいても、前述した、ブラックマトリクス2に対して説明した意味と同じである。
ここで説明する、着色層3と隣接着色層3nとの関係においては、図8に示すように、
隣接着色層3nは、着色層3と互いに隣り合い且つ互いに接している層であった。
しかし、本発明においては、図示はしないが、着色層3に隣り合う隣接着色層3nは、互いに接していないものもあり得る。隣接着色層3nの「隣接」の意味は、互いに隣り合う意味であり、さらに互いに接していることを必須とする意味ではない。
端部開始点Peが隣接着色層3nの表面に位置する場合も含めて、着色層3が底部開始点Pbから端部開始点Peに至るまで、これと接触する空気以外の他の層(ブラックマトリクス2、隣接着色層3n、或いはこれら両方)と連続して接触している形状は、逆テーパー形状に起因する空洞Gの発生を防ぐことによって形成することができる。
以上のように、着色層3が条件c)を満足することで、線幅Wを1〜7μmと細くしたブラックマトリクス2で生じやすかった、ブラックマトリクス2の開口部A上での着色層3の逆テーパー形状に起因する空洞発生による色純度低下を安定的に防ぐことができる。したがって、高精細、高色純度に適したカラーフィルタ10とすることができる。
なお、先に形成した着色層3で空洞Gが生じると、次の着色層3を形成する時に、次の着色層3が空洞Gの内部に進入し、混色が生じることもあり、空洞Gに起因する混色も防ぐことができる。ただし、こうした空洞Gによる混色が生じるときの、次の着色層3の端部開始点Peは隣の開口部A上に侵入しており、ブラックマトリクス2上に位置しているものではないので、条件b)を満たさない着色層3である。
<条件d)ヒサシBの非存在>
図5(c)を参照して、ヒサシBについて、さらに説明する。ヒサシBとは、着色層3の断面形状において、端部開始点Peから極大点Pmaxに至る部分に透明基板1の一方の面1pに平行な面方向で外側に向かって突き出した部分を意味する。同図では、ヒサシBは、斜線のハッチングが施された部分である。「外側」とは、図5(c)では、着色層3の図面左側の部分に注目しているので、図面左側の向きの矢印方向のことである。換言すると、外側とは、面方向にて注目する着色層3の中央部から遠くなる方向である。
ヒサシBを、着色層3の斜面の角度で定義すれば、端部開始点Peから極大点Pmaxに至る任意部分の斜面の角度を傾斜角Θとして、傾斜角Θが90°を超える斜面を与える部分と定義することができる。こうしたヒサシBが存在する形状は、逆テーパー形状である。
「テーパー角θ」は特定の中位点Phの部分での斜面の角度、つまり中位点Phの傾斜角Θであり、傾斜角Θの一種である。
図5(c)からも理解できるように、テーパー角θが50〜90°に収まる形状であっても、ヒサシBを有する形状もあり得る。
ヒサシBが存在するような形状は、例え、テーパー角θが上記角度範囲内であったとしても、安定的に空洞発生を抑制できない。このため、ヒサシBは、存在しないことが好ましい。
着色層3が条件d)を満足することで、ヒサシBが存在することで生じやすい空洞Gの発生を、安定的に防ぐことができる。したがって、高精細、高色純度に適したカラーフィルタ10とすることができる。
<条件a)、b)、c)及びd)による効果>
本発明においては、着色層3を上記条件a)、b)、c)及びd)の4条件を満たすものとし、ブラックマトリクス2と組み合わせるときに、ブラックマトリクス2の線幅Wが1〜7μmと細くても、逆テーパー形状に起因する空洞発生、及び空洞発生による色純度低下、また、混色発生による色純度低下を防ぐことができ、カラーフィルタ10を安定的に高精細、高色純度に適したものとすることが可能となる。
これら4条件のうちのいずれの1条件でも満たさないと、空洞発生、色純度低下が生じるリスクが高くなる。したがつて、これら4条件の全てを満たすことが好ましい。
こうした、条件a)、b)、c)及びd)を全て満たす着色層3は、着色層3形成用の着色レジストに、ネガ型の樹脂レジストではなく、ポジ型の樹脂レジストを用いることで、安定的に形成することができる。
ここで、図9(a)は、図5(a)で例示したカラーフィルタ10の部分拡大断面図であり、図9(b)は、このカラーフィルタ10の着色層3の色濃度の均一性を例示する部分拡大平面図である。このカラーフィルタ10には、空洞Gが開口部Aの内部において着色層3に存在せず、しかも、開口部Aの内部において着色層3の厚みが一定であるので、着色層3の色濃度が均一となる。
<極大点Pmaxとブラックマトリクス2の開口部Aとの位置関係>
図5の断面図で示すように、前記特定形状の着色層3においては、着色層3の厚みが薄くなってゆく極大点Pmaxよりも外側の部分、換言すると順テーパー形状をした傾斜部は、その全ての部分が、開口部A上には位置してなく、ブラックマトリクス2上に位置している。
このため、従来のカラーフィルタに見受けられるような、着色層3の厚みが、当該着色層3の中央部の厚みに対して、当該着色層3の周囲で薄くなる部分が存在しない。図示はしないが、こうした形状は、極大点Pmaxが、ブラックマトリクス2上に位置しているときの形状でもある。極大点Pmaxが、ブラックマトリクス2上には位置しておらず、開口部A上に位置しているときは、開口部Aの内部において、着色層3の周囲に厚みが薄い部分が生じて、色純度を低下させることがある。
よって、極大点Pmaxは、色純度の点で、ブラックマトリクス2上に位置するのが好ましい。
ただ、極大点Pmaxが、開口部A上に位置する場合でも、極大点Pmaxの厚みが開口部Aの中央部の厚み対して厚く、且つ、開口部Aとブラックマトリクス2との境界部分での着色層3の厚みが、開口部Aの中央部の厚み以上であるときは、むしろ、開口部Aの領域内において、着色層3の周囲に厚みが厚い部分が生じており、色純度を低下させることはない。
こうした、極大点Pmaxが、ブラックマトリクス2上に位置しているような断面形状の着色層3は、着色層3形成用の着色レジストに、ポジ型の樹脂レジストを用いることで、安定的に形成することができる。
こうして、着色層3の厚みが、ブラックマトリクス2の開口部Aの部分において、開口部Aの中央部での厚みに比べて薄い部分が存在しないようにすることで、厚みが薄い部分によって生じる色純度の低下を防ぐことができる。この結果、高精細、高色純度に適したカラーフィルタ10とすることができる。
<着色層3の厚み:極大高さHmax>
着色層3の厚み、すなわち、極大高さHmaxは、例えば1.5〜3.0μmであり、好ましくは2.0〜3.0μmであり、より好ましくは2.5〜3.0μmである。着色層3の厚みは、色純度を高くする点では、厚い方が好ましいが、厚みが厚いほど、同じテーパー角θでも、着色層3の外周部斜面の幅が大きくなり、混色などの点で高精細とする際に不利となる。しかし、条件a)を満たした形状とすることで、これを改善できる。
<複数色の着色層3中の特定形状の着色層3>
上述した、条件a)、b)、c)及びd)を満たす特定形状の着色層3は、カラーフィルタ10が有する複数の着色層3の全てでなくてもよい。例えば、着色層3の色が、赤色、緑色、青色の3色である形態では、この中で、緑色、青色の着色層3について上記特定形状のものとすることが好ましい。特に、緑色及び青色の着色層3は、高色純度化するとネガ型レジストでは逆テーパー形状が強くなり空洞発生が起こり易く、これによる色純度低下が生じ易いからである。
<着色層3の色及び色数>
本実施形態においては、着色層3は、赤色、緑色、青色の3色の着色層3が形成されている。ただし、本発明においては、着色層3の色及び色数については、これに限定されない。例えば、さらに黄色着色層があってもよい。
<着色層3の色純度>
本発明においては、高色純度とは、赤色、緑色、青色については、以下の特性を示すことを意味する。
着色層3が赤色着色層では、その色がYxy表色系でx≧0.580であり、好ましくはx≧0.600である。
着色層3が緑色着色層では、その色がYxy表色系でy≧0.550であり、好ましくはy≧0.600である。
着色層3が青色着色層では、その色がYxy表色系でy≦0.130であり、好ましくはy≦0.110である。
Yxy表色系とは、JIS Z8701:1999で規定されるXYZ表色系(国際照明委員会(CIE)で規定されるCIE 1931 XYZ表色系でもある)に基づく表色系である。
本発明においては、このYxy表色系で、光源に標準光源Cを用いた透過光のxy色度図上での色度座標(x,y)のx及びyが、上記x及びyに該当する。
上記各色において、x値乃至はy値が上記条件を満足しないときは、各色はxy色度図上において、色度座標が白色点に近くなり、色純度が低下する。
なお、赤色着色層においてはx値のみで規定し、y値では規定しないのは、元々、x値が大きくy値が小さい色である赤色では、x値で代表して、実用上、赤色の色純度を示すことができるからである。
同様に、緑色着色層においてはy値のみで規定し、x値では規定しないのは、x値が小さくy値が大きい色である緑色では、y値で代表して、実用上、緑色の色純度を示すことができるからである。
同様に、青色着色層においてはy値のみで規定し、x値では規定しないのは、x値が小さくy値も小さい色である青色では、y値で代表して、実用上、青色の色純度を示すことができるからである。
図10は、色純度を説明するxy色度図である。xy色度図において、馬蹄形の線が、国際照明委員会(CIE)によって規定される可視光領域の境界線であり、この境界線上側曲線部分が単色光のスペクトル軌跡で最も色純度が高く、馬蹄形の内部にゆく程、色純度が低くなる。図10に、上記した各色の色純度の条件範囲を示す。また、同図中に、頂点R、頂点G及び頂点Bの三角形は、NTSC−RGBの色空間を示す。
本発明では、ブラックマトリクス2の線幅が1〜7μmと高精細にしても、ブラックマトリクス2の開口部上での、着色層3の逆テーパー形状に起因する空洞発生を抑制でき、また、混色を防げるので、空洞発生及び混色によって、着色層3が本来持っている色純度の低下を抑制できる。こうした色純度の低下は、着色層3の各色が本来持っている色純度が高いほど、無視できなくなる。
このため、本発明では、着色層3の赤、緑、青の各色が本来持っている色純度が上記のような高色純度のものであっても、その色純度低下を防いで、高色純度に適したカラーフィルタ10とできる。
<着色層3の材料>
本発明によるカラーフィルタ10において、着色層3の材料及びその形成方法は、上記特定形状を有するように形成できれば、特に制限はない。従来から一般的なネガ型の樹脂レジストでも形成できるならば、ネガ型の樹脂レジストから着色層3を形成してもよい。但し、より確実に安定的に、空洞発生を抑制して特定形状の着色層3を形成できる点で、ポジ型の樹脂レジストから形成するのが好ましい。本実施形態においては、着色層3は、ポジ型の樹脂レジストから形成されている。
ポジ型の樹脂レジスト、ネガ型の樹脂レジストは、上述ブラックマトリクス2において説明した樹脂レジストについて、その構成成分中の遮光材を、赤色、緑色、青色などの色材に変更したものを用いることができる。また、これらレジストの露光には、ブラックマトリクス2の場合と同様に、通常、紫外線が使用される。
よつて、ここでは、色材についてのみ説明し、さらなる説明は省略する。
(色材)
色材としては、着色層3の色に応じて、カラーフィルタ用途において公知の色材を用いることができる。例えば、顔料では、ジケトピロロピロール系、アントラキノン系、ペリレン系などの赤色顔料、フタロシアニン系、イソインドリン系などの緑色顔料、フタロシアニン系、トリアリールメタン系、アントラキノン系などの青色顔料、イソインドリン系、アントラキノン系などの黄色顔料、キナクリドン系などの紫色顔料である。
色材には、染料を用いることもできる。染料では、例えば、アントラキノン系、ペリレン系などの赤色染料、フタロシアニン系などの緑色染料、トリアリールメタン系、メチン系、アントラキノン系、アゾ系などの青色染料である。
《透明基板1》
透明基板1は、公知の材料を用いることができる。例えば、透明基板1の材料としては、ガラス、石英の他、樹脂を用いることができる。樹脂は、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などである。
《その他の構成層》
本発明においては、カラーフィルタ10は、上記した透明基板1、ブラックマトリクス2及び着色層3に加えて、さらにカラーフィルタ10において公知の、その他の構成要素を含むことができる。例えば、透明導電層、配向層、スペーサなどである。
《製造方法》
本発明によるカラーフィルタ10を製造する方法としては、特に制限はないが、上述特定形状のブラックマトリクス2、或いはさらにこれに加えて、上述特定形状の着色層3を安定的に形成できる点で、次に述べる、本発明に係るカラーフィルタの製造方法が好ましい製造方法である。
《B》カラーフィルタの製造方法:
本発明に係るラーフィルタの製造方法は、ブラックマトリクス形成工程(A)と、着色層形成工程(B)とを少なくともこの順に含む。
《ブラックマトリクス形成工程(A)》
ブラックマトリクス形成工程(A)は、特定形状のブラックマトリクス2を形成する工程である。
すなちわ、形成するブラックマトリクス2として、
ブラックマトリクス2の線幅方向における厚み方向での断面における透明基板1の一方の面1pからの高さについて、ブラックマトリクス2の高さが最も高くなる極大点Qmaxの高さを極大高さTmaxとし、ブラックマトリクス2が透明基板1の一方の面1pに平行な面方向で外側に向かって最も突き出した部分を端部開始点Qeとし、
Tmax/2の半値高さThとなる部分を中位点Qhとするときに、
次の、イ)、ロ)及びハ)の3条件を全て満す特定形状のブラックマトリクス2を、ポジ型の樹脂レジストから近接露光法により形成する工程である。
イ)中位点Qhにおける透明基板1の一方の面1pに平行な面に対するテーパー角θが、50〜90°である。
ロ)ブラックマトリクス2が透明基材1の表面に、端部開始点Qeの一方から他方まで連続して接触している。
ハ)端部開始点Qeから極大点Qmaxに至る部分に透明基板1の一方の面1pに平行な面方向で外側に向かって突き出したヒサシBが存在しない。
ブラックマトリクス2の形成に用いるポジ型の樹脂レジストについては、上述したので、ここでは省略する。ポジ型の樹脂レジストをパターンニングするための近接露光法としては、紫外線を露光光に用いるなど公知の方法を採用することができる。プリベイク、ポストベイク、現像などの操作は、ポジ型における公知の方法を採用することができる。
<線幅、厚み、及び光学濃度>
ブラックマトリクス2の線幅、厚み、及び光学濃度については、物の発明としての上述ブラックマトリクス2において説明したので、ここでは、さらなる説明は省略する。
《着色層形成工程(B)》
着色層形成工程(B)は、前記ブラックマトリクス2の少なくとも開口部Aに、着色層3を形成する工程である。
着色層形成工程(B)にて、着色層3を形成するには、基本的には、公知の材料及び形成法を採用することができる。
ただし、着色層3は上述特定形状のものとして形成するのが好ましい。
すなちわ、形成する着色層3として、
ブラックマトリクス2の線幅方向における厚み方向での断面における透明基板1の一方の面1pからの高さについて、着色層3の高さが最も高くなる極大点Pmaxの高さを極大高さHmaxとし、着色層3が透明基板1の一方の面1pに平行な面方向で外側に向かって最も突き出した部分である端部開始点Peの高さを端部高さHsとし、
(Hmax+Hs)/2の半値高さHhとなる部分を中位点Phとし、
透明基板1の一方の面1pの面内においてブラックマトリクス2と注目する着色層3とが出会う部分を底部開始点Pbとするときに、
次の、a)、b)、c)及びd)の4条件を全て満す特定形状の着色層3については、ポジの樹脂レジストから近接露光法により形成する工程である。
a)中位点Phにおける透明基板1の一方の面1pに平行な面に対するテーパー角θが、50〜90°である。
b)端部開始点Peがブラックマトリクス2上に位置している。
c)着色層3がブラックマトリクス2の側面を含む表面に、底部開始点Pbから端部開始点Peに向かって連続して接触しており、さらに着色層3が当該着色層3と隣り合う隣接着色層3nの上に一部重なるときは隣接着色層3nの側面を含む表面に、当該表面に位置する前記端部開始点Peまで連続して接触している。
d)端部開始点Peから極大点Pmaxに至る部分に透明基板1の一方の面1pに平行な面方向で外側に向かって突き出したヒサシBが存在しない。
上記にて、「特定形状の着色層3については」とは、上記特定形状としない着色層3は、必ずしも、ポジ型の樹脂レジストから近接露光法により形成しなくてもよいという意味である。
着色層3の形成に用いるポジの樹脂レジストについては、上述したので、ここでは省略する。ポジの樹脂レジストをパターンニングするための近接露光法としては、紫外線を露光光に用いるなど公知の方法を採用することができる。プリベイク、ポストベイク、現像などの操作は、ポジ型における公知の方法を採用することができる。
<特定形状の着色層3の形成順序>
着色層形成工程(B)にて複数色の着色層3を形成する際に、上記特定形状の着色層3を形成する順番は、2色目以降とするのが好ましい。例えば、着色層3が3色の場合、2色目又は3色目のいずれか、或いは、2色目及び3色目とする。これは、通常、1色目となる赤色は、緑色や青色に比べて逆テーパー形状に起因する問題が生じにくいからである。
このため、2色目以降を上記特定形状の着色層3として形成することで、本形態の高精細、高色純度に適し製造方法の効果を、より効果的に発揮させることができる。
<特定形状の着色層3の色>
着色層形成工程(B)にて複数色の着色層3を形成する際に、上記特定形状の着色層3の色は、例えば、着色層3の色が、赤色、緑色、青色の3色である形態では、この中で、緑色と青色の着色層3について上記特定形状のものとすることが好ましい。特に、緑色及び青色の着色層3は、高色純度化するとネガ型の樹脂レジストでは逆テーパー形状が強くなり空洞発生が起こり易く、これによる色純度低下が生じ易いからである。
《本製造方法による効果》
以上のよう製造方法とすることで、線幅Wが1〜7μmのブラックマトリクス2であっても、逆テーパー形状に起因する空洞発生及び欠け発生を抑制でき、高精細に適したカラーフィルタとすることができる。
さらに、着色層3についても、特定形状のものとして形成することにより、着色層3でも逆テーパー形状に起因する空洞発生を抑制するとともに、逆テーパー形状に起因する混色による色純度低下を抑制し、高精細に適した上に高色純度に適したカラーフィルタとすることができる。
《C》表示装置:
本発明による表示装置は、上述した本発明によるカラーフィルタ10を含む表示装置である。以下、液晶表示装置とEL(エレクトロルミネッセンス)表示装置を例に説明する。
表示装置としての液晶表示装置の一例を例示すれば、上記したカラーフィルタ10を用いたカラーフィルタ基板と、このカラーフィルタ基板に対向して配置され駆動用のTFT(薄膜トランジスタ)が形成された対向基板と、カラーフィルタ基板と対向基板との間に充填された液晶層とを有する。カラーフィルタ基板には、ITOなどによる透明電極、配向膜、スペーサなどが通常形成される。また、カラーフィルタ基板及び対向基板の外側には、偏光板が配置される。
液晶表示装置は、上記部材の他に、導光板、拡散板、プリズムシート、光源などから構成される公知のバックライトを含んでいてもよい。また、液晶表示装置は、この他、駆動回路を含み得る。
液晶の駆動方式は、TN方式、STN方式、IPS方式など各種方式でよい。
表示装置としてのEL表示装置の一例を例示すれば、上記したカラーフィルタ10を用いたカラーフィルタ基板と、このカラーフィルタ基板に対向して配置され、カラーフィルタ10の着色層3に対応して互いに独立に白色発光する有機EL素子(OLED)である白色発光有機EL素子を有する有機EL基板とを有する。白色発光有機EL素子からの白色光が、カラーフィルタ10の着色層3によって変調されてカラー画像を表示する。
EL表示装置は、この他、駆動回路を含み得る。
本発明による表示装置は、このような構成とすることで、高精細化、或いはさらに高色純度に適した表示装置とすることができる。
《D》用途:
本発明によるカラーフィルタ10の用途は、特に限定されない。例えば、液晶表示装置、無機又は有機の電界発光(EL)表示装置などである。
本発明による表示装置の用途は、特に限定されない。例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレットコンピュータなどの携帯情報端末、電子書籍端末、パーソナルコンピュータ、モニターディスプレイ、デジタルカメラ、デジタルフォトフレーム、などである。
1 透明基板
1p 一方の面
2 ブラックマトリクス
2A レジスト層
2b 底部
2m 中間部
2s 側面
2t 頂部
3 着色層
3A レジスト層
3n 隣接着色層
10 カラーフィルタ
20 従来のカラーフィルタ
A 開口部
B ヒサシ
E 欠け
G 空洞
Hh 半値高さ
Hmax 極大高さ
Hs 端部高さ
M マスク
Pb 底部開始点
Pe 端部開始点
Pen 隣接着色層の端部開始点
Ph 中位点
Pmax 極大点
Qh 中位点
Qe 端部開始点
Qmax 極大点
QsH 側面の極大点
QsL 側面の極小点(底部)
Th 半値高さ
Tmax 極大高さ
W 線幅
w3 重なり幅
Wb 底部の幅
Wt 頂部の幅
θ テーパー角
Θ 傾斜角

Claims (13)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板の一方の面上に形成されたブラックマトリクスと、
    前記ブラックマトリクスの少なくとも開口部に形成された着色層と、を有し、
    前記ブラックマトリクスの線幅方向における厚み方向での断面における前記透明基板の一方の面からの高さについて、前記ブラックマトリクスの高さが最も高くなる極大点Qmaxの高さを極大高さTmaxとし、
    Tmax/2の半値高さThとなる部分を中位点Qhとし、
    前記ブラックマトリクスが前記透明基板の一方の面に平行な面方向で外側に向かって最も突き出した部分を端部開始点Qeとするときに、
    前記ブラックマトリクスは、
    イ)前記中位点Qhにおける前記透明基板の一方の面に平行な面に対するテーパー角θが、50〜90°であり、
    ロ)前記ブラックマトリクスが前記透明基材の表面に、前記端部開始点Qeの一方から他方まで連続して接触しており、
    ハ)前記端部開始点Qeから前記極大点Qmaxに至る部分に前記透明基板の一方の面に平行な面方向で外側に向かって突き出したヒサシが存在しない、
    形状のものを含む、カラーフィルタ。
  2. 前記ブラックマトリクスが、ポジ型の樹脂レジストから形成されている、請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 前記イ)、ロ)及びハ)を満たす特定形状のブラックマトリクスが、線幅が1〜7μmとなる部分を含む、請求項1又は2に記載のカラーフィルタ。
  4. 前記イ)、ロ)及びハ)を満たす特定形状のブラックマトリクスが、前記極大高さTmaxが1〜3μmとなる部分を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  5. 前記ブラックマトリクスの光学濃度が4.0以上である、請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  6. 前記着色層として、
    前記ブラックマトリクスの線幅方向における厚み方向での断面における前記透明基板の一方の面からの高さについて、前記着色層の高さが最も高くなる極大点Pmaxの高さを極大高さHmaxとし、前記着色層が前記透明基板の一方の面に平行な面方向で外側に向かって最も突き出した部分である端部開始点Peの高さを端部高さHsとし、
    (Hmax+Hs)/2の半値高さHhとなる部分を中位点Phとし、
    前記透明基板の一方の面の面内において前記ブラックマトリクスと前記着色層とが出会う部分を底部開始点Pbとするときに、
    前記着色層は、
    a)前記中位点Phにおける前記透明基板の一方の面に平行な面に対するテーパー角θが、50〜90°であり、
    b)前記端部開始点Peが前記ブラックマトリクス上に位置しており、
    c)前記着色層が前記ブラックマトリクスの側面を含む表面に、前記底部開始点Pbから前記端部開始点Peに向かって連続して接触しており、さらに前記着色層が前記着色層と隣り合う隣接着色層の上に一部重なるときは前記隣接着色層の側面を含む表面に、当該表面に位置する前記端部開始点Peまで連続して接触しており、
    d)前記端部開始点Peから前記極大点Pmaxに至る部分に前記透明基板の一方の面に平行な面方向で外側に向かって突き出したヒサシが存在しない、
    形状のものを含む、請求項1〜5のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  7. 前記着色層が、ポジ型の樹脂レジストから形成されている、請求項6に記載のカラーフィルタ。
  8. 透明基板と、
    前記透明基板の一方の面上に形成されたブラックマトリクスと、
    前記ブラックマトリクスの少なくとも開口部に形成された着色層と、を有するカラーフィルタの製造方法であって、
    前記ブラックマトリクスの線幅方向における厚み方向での断面における前記透明基板の一方の面からの高さについて、前記ブラックマトリクスの高さが最も高くなる極大点Qmaxの高さを極大高さTmaxとし、
    Tmax/2の半値高さThとなる部分を中位点Qhとし、
    前記ブラックマトリクスが前記透明基板の一方の面に平行な面方向で外側に向かって最も突き出した部分を端部開始点Qeとするときに、
    前記ブラックマトリクスは、
    イ)前記中位点Qhにおける前記透明基板の一方の面に平行な面に対するテーパー角θが、50〜90°であり、
    ロ)前記ブラックマトリクスが前記透明基材の表面に、前記端部開始点Qeの一方から他方まで連続して接触しており、
    ハ)前記端部開始点Qeから前記極大点Qmaxに至る部分に前記透明基板の一方の面に平行な面方向で外側に向かって突き出したヒサシが存在しない、
    形状のブラックマトリクスを、ポジ型の樹脂レジストから近接露光法により形成する、ブラックマトリクス形成工程(A)と、
    前記ブラックマトリクスの少なくとも開口部に、着色層を形成する着色層形成工程(B)と、
    を、この順に含む、カラーフィルタの製造方法。
  9. 前記イ)、ロ)及びハ)を満たす特定形状のブラックマトリクスが、線幅が1〜7μmとなる部分を含む、請求項8に記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 前記イ)、ロ)及びハ)を満たす特定形状のブラックマトリクスが、前記極大高さTmaxが1〜3μmとなる部分を含む、請求項8又は9に記載のカラーフィルタの製造方法。
  11. 前記ブラックマトリクスの光学濃度が4.0以上である、請求項8〜10のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  12. 前記着色層形成工程(B)において、
    前記ブラックマトリクスの線幅方向における厚み方向での断面における前記透明基板の一方の面からの高さについて、前記着色層の高さが最も高くなる極大点Pmaxの高さを極大高さHmaxとし、前記着色層が前記透明基板の一方の面に平行な面方向で外側に向かって最も突き出した部分である端部開始点Peの高さを端部高さHsとし、
    (Hmax+Hs)/2の半値高さHhとなる部分を中位点Phとし、
    前記透明基板の一方の面の面内において前記ブラックマトリクスと前記着色層とが出会う部分を底部開始点Pbとするときに、
    前記着色層として、
    a)前記中位点Phにおける前記透明基板の一方の面に平行な面に対するテーパー角θが、50〜90°であり、
    b)前記端部開始点Peが前記ブラックマトリクス上に位置しており、
    c)前記着色層が前記ブラックマトリクスの側面を含む表面に、前記底部開始点Pbから前記端部開始点Peに向かって連続して接触しており、さらに前記着色層が前記着色層と隣り合う隣接着色層の上に一部重なるときは前記隣接着色層の側面を含む表面に、当該表面に位置する前記端部開始点Peまで連続して接触しており、
    d)前記端部開始点Peから前記極大点Pmaxに至る部分に前記透明基板の一方の面に平行な面方向で外側に向かって突き出したヒサシが存在しない、
    形状の着色層については、ポジ型の樹脂レジストから近接露光法により形成する、請求項8〜11のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  13. 請求項1〜7のいずれかに記載のカラーフィルタを含む表示装置。
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