JP2014153190A - ケース構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外部からの衝撃を吸収することができるケース構造を提供する。
【解決手段】 貫通孔7を有する本体ケース4と、この本体ケース4の上部に配置される上部外装部材5と、本体ケース4の下部に配置される裏蓋6と、本体ケース4の貫通孔7内に配置され、かつ内部に雌ねじ部10aが設けられたねじパイプ10と、このねじパイプ10と本体ケース4の貫通孔7との間に配置された緩衝部材15と、ねじパイプ10の雌ねじ部10aに螺合して上部外装部材5を本体ケース4に固定する第1ねじ部材20と、ねじパイプ10の雌ねじ部10aに螺合して裏蓋6を本体ケース4に固定する第2ねじ部材22とを備えている。従って、上部外装部材5および裏蓋6が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃が第1、第2の各ねじ部材20、22を介してねじパイプ10に伝わっても、このねじパイプ10に伝わった衝撃を緩衝部材15によって吸収できる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、時計などの電子機器の機器ケースに用いられるケース構造に関する。
例えば、表示装置などの機器ケースにおいては、特許文献1に記載されているように、フロントケースとリアケースとを備え、フロントケースとリアケースとを第1ねじ部材で接合すると共に、リアケースの裏面に裏板を第2ねじ部材で固定するように構成されたものが知られている。
特開2007−264201号公報
このような機器ケースは、フロントケースにねじ挿入孔を有する第1ボス部が設けられ、リアケースにねじ孔を有する第2ボス部がフロントケースの第1ボス部に対応して設けられ、裏板にねじ挿入孔が第2ボス部に対応して設けられた構成になっている。
このような機器ケースは、第1ボス部に第1ねじ部材を挿入させて第2ボス部に螺合させることにより、フロントケースとリアケースとを接合し、リアケースの裏面に配置された裏板のねじ挿入孔に第2ねじ部材を挿入させて第2ボス部に螺合させることにより、リアケースに裏板を接合するように構成されている。
しかしながら、このような機器ケースでは、フロントケースとリアケースとを第1ねじ部材で直接接合し、リアケースに裏板を第2ねじ部材で直接接合しているので、フロントケース、リアケース、および裏板のいずれかが衝撃を受けると、その衝撃がフロントケース、リアケース、および裏板に直接伝わり、機器ケース内の電子部品が破損する恐れがあるという問題がある。
この発明が解決しようとする課題は、外部からの衝撃を吸収することができるケース構造を提供することである。
この発明は、貫通孔を有する本体ケースと、この本体ケースの上部に配置され、かつ前記貫通孔に対応する第1挿入孔を有する第1部材と、前記本体ケースの下部に配置され、かつ前記貫通孔に対応する第2挿入孔を有する第2部材と、前記本体ケースの前記貫通孔内に配置され、かつ内部にねじ孔が設けられた筒状ねじ部材と、この筒状ねじ部材の外周面と前記本体ケースの前記貫通孔の内周面との間に配置された緩衝部材と、前記筒状ねじ部材に上側から螺合して前記第1部材を前記本体ケースに対して固定する第1ねじ部材と、前記筒状ねじ部材に下側から螺合して前記第2部材を前記本体ケースに対して固定する第2ねじ部材とを備えていることを特徴とするケース構造である。
この発明によれば、第1部材が外部から衝撃を受けた際、また第2部材が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃が第1ねじ部材および第2ねじ部材を介して筒状ねじ部材に伝わるが、この筒状ねじ部材に伝わった衝撃を緩衝部材によって吸収することができるので、衝撃が本体ケースに伝わるのを防ぐことができ、これにより耐衝撃性の高いものを提供することができる。
この発明を腕時計に適用した一実施形態を示した拡大正面図である。 図1に示された腕時計のA−A矢視における要部の拡大断面図である。 図2に示された腕時計の要部におけるねじパイプを示し、(a)はそのねじパイプの拡大側面図、(b)はそのねじパイプの拡大下面図である。
以下、図1〜図3を参照して、この発明を腕時計に適用した一実施形態について説明する。
この腕時計は、図1に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1の12時側と6時側との各側部には、バンド取付部2がそれぞれ設けられている。また、この腕時計ケース1の3時側と9時側との各側部には、スイッチ部3がそれぞれ設けられている。
この腕時計ケース1は、図2に示すように、本体ケース4と、この本体ケース4の上部外周に配置される第1部材である上部外装部材5と、本体ケース4の下部に配置される第2部材である裏蓋6とを備えている。この場合、腕時計ケース1の上部開口部、つまり本体ケース4の上部開口部には、時計ガラス(図示せず)が取り付けられている。また、この腕時計ケース1の内部、つまり本体ケース4の内部には、時計モジュール(図示せず)が設けられている。この時計モジュールは、時計機能に必要な各種の電子部品を備えている。
ところで、本体ケース4は、図1および図2に示すように、合成樹脂からなり、内部に金属製の補強部材4aが埋設されている。この本体ケース4の1時、5時、7時、11時にそれぞれ対応する4箇所には、上下に貫通する貫通孔7がそれぞれ設けられている。また、上部外装部材5には、本体ケース4の各貫通孔7にそれぞれ対応する第1挿入孔8a、8bが上下に連続した状態で設けられている。また、裏蓋6には、第2挿入孔9が本体ケース4の各貫通孔7にそれぞれ対応して設けられている。
一方、本体ケース4の貫通孔7内には、図2に示すように、筒状ねじ部材である金属製のねじパイプ10が非回転状態で配置されている。すなわち、この金属製のねじパイプ10は、図2および図3に示すように、本体ケース4の貫通孔7内に配置されるパイプ部11と、このパイプ部11の上端部に設けられた頭部12とを有し、この頭部12の下面が本体ケース4の上面、つまり貫通孔7の上側縁部に当接するように構成されている。
また、このねじパイプ10は、図2および図3に示すように、その内部に雌ねじ部10aがパイプ部11から頭部12に亘って貫通して設けられている。このねじパイプ10の頭部12の下部に位置するパイプ部11の外周面には、回転止め部13が設けられている。この回転止め部13は、貫通孔7の上側縁部に設けられた係止凹部14に挿入して係止されることにより、ねじパイプ10が貫通孔7内で回転しないように構成されている。
この場合、ねじパイプ10の外周面と貫通孔7の内周面との間には、図2に示すように、緩衝部材15が設けられている。この緩衝部材15は、ゴムやエラストマーなどの弾性材料からなり、全体が筒状に形成されている。この緩衝部材15は、ねじパイプ10の外周面に装着された状態で、ねじパイプ10と共に貫通孔7内に配置されるように構成されている。この場合、緩衝部材15の上側縁部には、ねじパイプ10の回転止め部13が挿入する切欠き部15aが設けられている。
ところで、上部外装部材5は、図2に示すように、金属製の上側ベゼル16と、ウレタン樹脂などの軟質の合成樹脂製の下側ベゼル17とを備えている。この上側ベゼル16と下側ベゼル17とには、本体ケース4の貫通孔7に対応する第1挿入孔8a、8bが上下に対応して設けられている。
この場合、上側ベゼル16の第1挿入孔8aは、図2に示すように、その内径が貫通孔7よりも少し小さく、かつねじパイプ10の頭部12の外径よりも小さく形成されている。また、下側ベゼル17の第1挿入孔8bは、その内径が上側ベゼル16の第1挿入孔8aの内径よりも大きく、かつねじパイプ10の頭部12の外径よりも少し小さく形成されている。
また、この上部外装部材5は、図2に示すように、上側緩衝部材18を備えている。この上側緩衝部材18は、ゴムやエラストマーなどの弾性材料からなり、上側ベゼル16と下側ベゼル17との間に配置されている。この上側緩衝部材18には、上側ベゼル16の第1挿入孔8aの内径とほぼ同じ大きさのねじ挿入孔19が上側ベゼル16の第1挿入孔8aに対応して設けられている。
そして、この上部外装部材5は、図2に示すように、第1ねじ部材20によって本体ケース4に取り付けられるように構成されている。この第1ねじ部材20は、ねじパイプ10の雌ねじ部10aに上側から螺合する雄ねじ部20aと、ねじパイプ10の頭部12の上端部に当接する首部20bと、上部外装部材5の上面、つまり第1挿入孔8aの上側縁部に当接する頭部20cとを有している。
この場合、第1ねじ部材20の首部20bは、図2に示すように、その外径が雄ねじ部20aの外径よりも大きく、かつねじパイプ10の頭部12の外径よりも小さく形成されている。また、第1ねじ部材20の頭部20cは、その外径が上側ベゼル16の第1挿入孔8aの内径よりも大きく、かつねじパイプ10の頭部12の外径とほぼ同じ大きさに形成されている。
これにより、第1ねじ部材20は、図2に示すように、上部外装部材5の上方から上側ベゼル16の第1挿入孔8a、上側緩衝部材18のねじ挿入孔19、および下側ベゼル17の第1挿入孔8bを通して、雄ねじ部20aがねじパイプ10の雌ねじ部10aに螺合する際に、首部20bが上側ベゼル16の第1挿入孔8a、上側緩衝部材18のねじ挿入孔19、および下側ベゼル17の第1挿入孔8bに挿入されて、頭部20cが上側ベゼル16の上面に当接するように構成されている。
また、この第1ねじ部材20は、図2に示すように、雄ねじ部20aがねじパイプ10の雌ねじ部10aに螺合した状態で締め付けられると、頭部20cが上側緩衝部材18を挟み付けた状態で上側ベゼル16と下側ベゼル17とを本体ケース4に押し付けて、首部20bの下面がねじパイプ10の頭部12に当接し、これにより上側ベゼル16、上側緩衝部材18、および下側ベゼル17を一定の間隔で押え付け、この状態で上部外装部材5を本体ケース4に対して取り付けるように構成されている。
一方、第2部材である裏蓋6は、図2に示すように、本体ケース4の下部に緩衝機能を有する防水リング21を介して第2ねじ部材22によって取り付けられるように構成されている。この場合、防水リング21は、下側緩衝部材を兼ねるものであり、ゴムなどの弾性材料からなり、断面が楕円形状または円形状のリング状に形成されている。
この防水リング21は、図2に示すように、本体ケース4の下面に設けられた環状溝4b内に配置され、この状態で防水リング21の下部が環状溝4b内から下側に突出し、この突出した下部が裏蓋6の内面(図2では上面)に弾力的に圧接することにより、本体ケース4の下面と裏蓋6の内面との間の防水性を確保すると共に、緩衝部材としての機能をも果たすように構成されている。
また、第2ねじ部材22は、図2に示すように、ねじパイプ10の雌ねじ部10aに下側から螺合する雄ねじ部22aと、裏蓋6の下面、つまり第2挿入孔9の下側縁部に当接する頭部22bとを有している。この第2ねじ部材22は、雄ねじ部22aが裏蓋6の第2挿入孔9を通してねじパイプ10の雌ねじ部10aに下側から螺合するように構成されている。
これにより、第2ねじ部材22は、図2に示すように、雄ねじ部22aがねじパイプ10の雌ねじ部10aに螺合して締め付けられると、ねじパイプ10を引き下げて、ねじパイプ10の頭部12を本体ケース4の上面に押し付けることにより、ねじパイプ10を本体ケース4に対して固定し、この状態で裏蓋6が防水リング21を弾力的に圧縮させ、この状態で本体ケース4に対して裏蓋6を取り付けるように構成されている。
次に、このような腕時計のケース構造の作用について説明する。
この腕時計の腕時計ケース1を組み立てる際には、まず、本体ケース4の貫通孔7内にねじパイプ10と緩衝部材15を装着する。この場合には、ねじパイプ10のパイプ部11の外周面に筒状の緩衝部材15を装着し、この状態でねじパイプ10のパイプ部11と緩衝部材15とを本体ケース4の貫通孔7内に上側から嵌め込む。
このときには、ねじパイプ10のパイプ部11の外周面に設けられた回転止め部13を、本体ケース4の貫通孔7の縁部に設けられた係止凹部14に挿入させて係止させ、この状態でねじパイプ10の頭部12の下面を本体ケース4の貫通孔7の上側縁部に当接させる。これにより、ねじパイプ10のパイプ部11が本体ケース4の貫通孔7内に緩衝部材15を介して非回転状態で取り付けられる。
そして、本体ケース4の上部外周に上部外装部材5を取り付ける。この場合には、予め、金属製の上側ベゼル16と合成樹脂製の下側ベゼル17との間に上側緩衝部材18を配置する。このときには、上側ベゼル16の第1挿入孔8aと下側ベゼル17の第1挿入孔8bとを対応させると共に、上側ベゼル16の第1挿入孔8aと下側ベゼル17の第1挿入孔8bとに上側緩衝部材18のねじ挿入孔19を対応させる。
この状態で、上部外装部材5を本体ケース4の上部外周に配置する。このときには、上側ベゼル16の第1挿入孔8a、上側緩衝部材18のねじ挿入孔19、および下側ベゼル17の第1挿入孔8bをねじパイプ10に対応させ、下側ベゼル17の第1挿入孔8bの縁部をねじパイプ10の頭部12の縁部に対応させる。
そして、第1ねじ部材20の雄ねじ部20aを上部外装部材の上方から上側ベゼル16の第1挿入孔8a、上側緩衝部材18のねじ挿入孔19、および下側ベゼル17の第1挿入孔8bに挿入させて、ねじパイプ10の雌ねじ部10aに螺合させる。この状態で、第1ねじ部材20を締め付けると、第1ねじ部材20の首部20bが上側ベゼル16の第1挿入孔8a、上側緩衝部材18のねじ挿入孔19、および下側ベゼル17の第1挿入孔8bに挿入して、ねじパイプ10の頭部12に当接すると共に、第1ねじ部材20の頭部20cが上側ベゼル16の上面に当接する。
このときには、ねじパイプ10が本体ケース4の貫通孔7内に回転止め部13によって回転することなく配置されているので、第1ねじ部材20の雄ねじ部20aをねじパイプ10の雌ねじ部10aに螺着させることができる。これにより、第1ねじ部材20の首部20bがねじパイプ10の頭部12に押し付けられると共に、第1ねじ部材20の頭部20cが上側ベゼル16の上面に押し付けられる。
この状態では、第1ねじ部材20の首部20bによって上側ベゼル16、上側緩衝部材18、および下側ベゼル17が一定の間隔で押え付けられるので、軟質の合成樹脂製の下側ベゼル17と上側緩衝部材18とが弾力性をもって、第1ねじ部材20の頭部20cとねじパイプ10の頭部12との間に挟み付けられる。これにより、上部外装部材5が弾力的に本体ケース4の上部に取り付けられる。
一方、下部ケースである裏蓋6を本体ケース4の下部に取り付ける場合には、予め、本体ケース4の下面に設けられた環状溝4bに緩衝機能を有する防水リング21を装着する。このときには、防水リング21の下部を環状溝4b内から下側に突出させた状態で、防水リング21を本体ケース4の環状溝4b内に装着する。この状態で、裏蓋6を本体ケース4の下面に配置し、裏蓋6の第2挿入孔9をねじパイプ10のパイプ部11の下端部に対応させる。
そして、第2ねじ部材22の雄ねじ部22aを裏蓋6の第2挿入孔9に挿入させてねじパイプ10の雌ねじ部10aに下側から螺合させる。この状態で、第2ねじ部材22を締め付けると、第2ねじ部材22の雄ねじ部22aがねじパイプ10の雌ねじ部10aに螺着し、第2ねじ部材22の頭部22bが裏蓋6の第2挿入孔9の下側縁部に圧接する。このときには、第2ねじ部材22がねじパイプ10を引き下げて、ねじパイプ10の頭部12を本体ケース4の上面に押し付ける。これにより、裏蓋6が本体ケース4の下面に押し付けられ、この裏蓋6の内面が防水リング21を弾力的に圧接する。
この状態では、仮に、第1ねじ部材20を緩めても、ねじパイプ10は、緩むことがなく、第2ねじ部材22によってねじパイプ10の頭部12が本体ケース4の上面に押けられた状態を維持するので、気密性が確保される。また、第2ねじ部材22を緩めても、第1ねじ部材20は、その首部20bがねじパイプ10の頭部12に押し付けられているので、緩むことがない。
このように、本体ケース4に上部外装部材5と裏蓋6とが取り付けられた状態では、上部外装部材5が外部から衝撃を受けた際に、上部外装部材5の上側ベゼル16と下側ベゼル17との間に配置された上側緩衝部材18で衝撃を吸収すると共に、第1ねじ部材20を介して金属製のねじパイプ10に衝撃が伝わっても、その衝撃をねじパイプ10の外周に設けられた緩衝部材15によって吸収することができる。このため、上部外装部材5が外部から衝撃を受けても、その衝撃が本体ケース4に伝わることがない。
また、下部ケースである裏蓋6が外部から衝撃を受けた際には、緩衝機能を有する防水リング21によって衝撃を吸収すると共に、第2ねじ部材22を介して金属製のねじパイプ10に衝撃が伝わっても、その衝撃をねじパイプ10の外周に設けられた緩衝部材15によって吸収することができる。このため、裏蓋6が外部から衝撃を受けても、その衝撃が本体ケース4に伝わることがない。
このように、この腕時計のケース構造によれば、貫通孔7を有する本体ケース4と、この本体ケース4の上部に配置される上部外装部材5と、本体ケース4の下部に配置される裏蓋6と、本体ケース4の貫通孔7内に非回転状態で配置され、かつ内部に雌ねじ部10aが設けられたねじパイプ10と、このねじパイプ10の外周面と本体ケース4の貫通孔7の内周面との間に配置された緩衝部材15と、ねじパイプ10の雌ねじ部10aに上側から螺合して上部外装部材5を本体ケース4に固定する第1ねじ部材20と、ねじパイプ10の雌ねじ部10aに下側から螺合して裏蓋6を本体ケース4に固定する第2ねじ部材22とを備えているので、外部からの衝撃を受けても、その衝撃を吸収できる。
すなわち、この腕時計のケース構造では、上部外装部材5が外部から衝撃を受けた際、また裏蓋6が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃が第1ねじ部材20および第2ねじ部材22を介してねじパイプ10に伝わっても、このねじパイプ10に伝わった衝撃を緩衝部材15によって良好に吸収することができる。このため、衝撃が本体ケース4に伝わるのを確実に防ぐことができると共に、本体ケース4が合成樹脂で形成されていても、耐衝撃性の高いものを提供することができる。また、第1ねじ部材20と第2ねじ部材22とが共通のねじパイプ10に取り付けられているので、省スペース化をも図ることができる。
また、この腕時計のケース構造では、ねじパイプ10は、本体ケース4の貫通孔7の縁部に設けられた係止凹部14に係止される回転止め部13を備えていることにより、第1ねじ部材20の雄ねじ部20をねじパイプ10の雌ねじ部10aに螺合させて締め付ける際、および第2ねじ部材22の雄ねじ部22aをねじパイプ10の雌ねじ部10aに螺合させて締め付ける際に、ねじパイプ10が本体ケース4の貫通孔7内で回転するのを確実に防ぐことができ、これにより第1ねじ部材20および第2ねじ部材22をねじパイプ10に確実にかつ強固に締め付けることができる。
この場合、ねじパイプ10は、本体ケース4の貫通孔7内に挿入するパイプ部11と、このパイプ部11の上端部に設けられて本体ケース4の上面、つまり貫通孔7の上側縁部に当接する頭部12とを備えていることにより、第2ねじ部材22をねじパイプ10に下側から螺入させて締め付けることにより、ねじパイプ10を本体ケース4の貫通孔7内に確実に固定することができる。このため、本体ケース4に対して上部外装部材5を固定する第1ねじ部材20を緩めても、ねじパイプ10が本体ケース4の貫通孔7内に固定されて機密性を保った状態を維持させることができる。
また、この腕時計のケース構造では、第1ねじ部材20が、ねじパイプ10の雌ねじ部10aに螺合する雄ねじ部20aと、ねじパイプ10の上端部に当接する首部20bと、上部外装部材5の上面に当接する頭部20cとを有していることにより、首部20bを上部外装部材5の第1挿入孔8a、8bに挿入させ、かつ雄ねじ部20aをねじパイプ10の雌ねじ部10aに螺合させた状態で、第1ねじ部材20を締め付けた際に、首部20bがねじパイプ10の頭部12に当接して、第1ねじ部材20の頭部20cが上部外装部材5を確実に押え付けることができる。
すなわち、第1ねじ部材20の首部20bがねじパイプ10の頭部12に当接して、第1ねじ部材20の頭部20cが上部外装部材5に当接した状態では、首部20bによって上部外装部材5を一定の間隔で押し付けることができるので、上部外装部材5を本体ケース4に対して良好に取り付けることができる。このため、裏蓋6を本体ケース4に対して固定する第2ねじ部材22を緩めても、第1ねじ部材20が緩むことがなく、第1ねじ部材20によって上部外装部材5を本体ケース4に対して良好にかつ確実に固定させることができる。
また、この腕時計のケース構造では、上部外装部材5が金属製の上側ベゼル16と合成樹脂製の下側ベゼル17とを備えていることにより、第1ねじ部材20の首部20bによって上部外装部材5を押し付ける際に、下側ベゼル17をねじパイプ10の頭部12および本体ケース4の上面に一定の間隔で押え付けることができる。この場合、下側ベゼル17がウレタン樹脂などの軟質の合成樹脂であることにより、下側ベゼル17を良好に弾性変形させて押えることができ、これにより上部外装部材5が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃を下側ベゼル17の弾力によって軽減することができる。
また、上部外装部材5は、上側緩衝部材18を備えていることにより、第1ねじ部材20の首部20bによって上部外装部材5を一定の間隔で押し付ける際に、上側緩衝部材18によって上部外装部材5を本体ケース4に弾力的に押し付けることができるので、上部外装部材5が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃を上側緩衝部材18によって吸収することができ、これにより上部外装部材5の衝撃が本体ケース4に伝わるのを軽減することができる。
この場合、上側緩衝部材18は、上部外装部材5の金属製の上側ベゼル16と軟質の合成樹脂製の下側ベゼル17との間に配置されていることにより、上部外装部材5の金属製の上側ベゼル16が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃を上側緩衝部材18と軟質の合成樹脂製の下側ベゼル17との両方によって確実にかつ良好に吸収することができ、これにより上部外装部材5の衝撃が本体ケース4に伝わるのを確実に防ぐことができる。
さらに、この腕時計の腕時計ケース1では、本体ケース4と裏蓋6との間に緩衝部材を兼ねる防水リング21が配置されていることにより、裏蓋6が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃を防水リング21で吸収することができ、これにより裏蓋の衝撃が本体ケース4に伝わるのを軽減することができると共に、防水リング21によって裏蓋6と本体ケース4との間の防水性をも確保することができる。
なお、上述した実施形態では、上部外装部材5が金属製の上側ベゼル16と軟質の合成樹脂製の下側ベゼル17とで構成されている場合について述べたが、これに限らず、例えばウレタン樹脂などの軟質の合成樹脂製のベゼルのみで上部外装部材5を形成しても良い。この場合には、必ずしも上側緩衝部材18を設ける必要はない。また、これに限らず、金属製のベゼルのみで上部外装部材5を形成しても良い。この場合には、上部外装部材5およびねじパイプ10の頭部12と金属製のベゼルとの間に上側緩衝部材18を設ければ良い。
また、上述した実施形態では、本体ケース4と裏蓋6との間に配置された防水リング21が下側緩衝部材を兼ねた構成である場合について述べた、必ずしも防水リング21が下側緩衝部材を兼ねる必要はなく、本体ケース4と裏蓋6との間に防水リング21のほかに下側緩衝部材を別に設けた構成であっても良い。
さらに、上述した実施形態では、腕時計に適用した場合について述べたが、必ずしも腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の指針式の時計に適用することができるほか、必ずしも時計に限られる必要はなく、携帯電話機や携帯情報端末機、電子辞書などの電子機器の機器ケースにも広く適用することができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
請求項1に記載の発明は、貫通孔を有する本体ケースと、この本体ケースの上部に配置され、かつ前記貫通孔に対応する第1挿入孔を有する第1部材と、前記本体ケースの下部に配置され、かつ前記貫通孔に対応する第2挿入孔を有する第2部材と、前記本体ケースの前記貫通孔内に配置され、かつ内部にねじ孔が設けられた筒状ねじ部材と、この筒状ねじ部材の外周面と前記本体ケースの前記貫通孔の内周面との間に配置された緩衝部材と、前記筒状ねじ部材に上側から螺合して前記第1部材を前記本体ケースに対して固定する第1ねじ部材と、前記筒状ねじ部材に下側から螺合して前記第2部材を前記本体ケースに対して固定する第2ねじ部材とを備えていることを特徴とするケース構造である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のケース構造において、前記筒状ねじ部材は、前記本体ケースの前記貫通孔の縁部に設けられた係止部に係止される回転止め部を備えていることを特徴とするケース構造である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のケース構造において、前記筒状ねじ部材は、前記本体ケースの前記貫通孔内に挿入するパイプ部と、このパイプ部の上端部に設けられて前記本体ケースの上面に当接する頭部とを備えていることを特徴とするケース構造である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のケース構造において、前記第1ねじ部材は、前記筒状ねじ部材の前記ねじ孔に螺合するねじ部と、前記筒状ねじ部材の上端部に当接する首部と、前記第1部材の上面に当接する頭部とを有していることを特徴とするケース構造である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のケース構造において、前記第1部材は、金属製の第1ベゼルと合成樹脂製の第2ベゼルとを備えていることを特徴とするケース構造である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のケース構造において、前記第1部材は、第1緩衝部材を備えていることを特徴とするケース構造である。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のケース構造において、前記本体ケースと前記第2部材との間には、第2緩衝部材が配置されていることを特徴とするケース構造である。
1 腕時計ケース
4 本体ケース
5 上部外装部材
6 裏蓋
7 貫通孔
8a、8b 第1挿入孔
9 第2挿入孔
10 ねじパイプ
10a 雌ねじ部
11 パイプ部
12 頭部
13 回転止め部
14 係止凹部
15 緩衝部材
16 上側ベゼル
17 下側ベゼル
18 上側緩衝部材
19 ねじ挿入孔
20 第1ねじ部材
20a 雄ねじ部
20b 首部
20c 頭部
21 防水リング
22 第2ねじ部材
22a 雄ねじ部
22b 頭部

Claims (7)

  1. 貫通孔を有する本体ケースと、
    この本体ケースの上部に配置され、かつ前記貫通孔に対応する第1挿入孔を有する第1部材と、
    前記本体ケースの下部に配置され、かつ前記貫通孔に対応する第2挿入孔を有する第2部材と、
    前記本体ケースの前記貫通孔内に配置され、かつ内部にねじ孔が設けられた筒状ねじ部材と、
    この筒状ねじ部材の外周面と前記本体ケースの前記貫通孔の内周面との間に配置された緩衝部材と、
    前記筒状ねじ部材に上側から螺合して前記第1部材を前記本体ケースに対して固定する第1ねじ部材と、
    前記筒状ねじ部材に下側から螺合して前記第2部材を前記本体ケースに対して固定する第2ねじ部材と
    を備えていることを特徴とするケース構造。
  2. 請求項1に記載のケース構造において、前記筒状ねじ部材は、前記本体ケースの前記貫通孔の縁部に設けられた係止部に係止される回転止め部を備えていることを特徴とするケース構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載のケース構造において、前記筒状ねじ部材は、前記本体ケースの前記貫通孔内に挿入するパイプ部と、このパイプ部の上端部に設けられて前記本体ケースの上面に当接する頭部とを備えていることを特徴とするケース構造。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のケース構造において、前記第1ねじ部材は、前記筒状ねじ部材の前記ねじ孔に螺合するねじ部と、前記筒状ねじ部材の上端部に当接する首部と、前記第1部材の上面に当接する頭部とを有していることを特徴とするケース構造。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のケース構造において、前記第1部材は、金属製の第1ベゼルと合成樹脂製の第2ベゼルとを備えていることを特徴とするケース構造。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のケース構造において、前記第1部材は、第1緩衝部材を備えていることを特徴とするケース構造。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のケース構造において、前記本体ケースと前記第2部材との間には、第2緩衝部材が配置されていることを特徴とするケース構造。
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