JP2014152961A - グロープラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】グロープラグにおいて筒状体の表面における温度特性の劣化を抑制する。
【解決手段】グロープラグは、筒状体と、発熱コイルと、制御コイルとを備える。2秒間、11Vの電圧をグロープラグに印加した場合における最大の突入電流A1と、11Vの電圧の印加開始から2秒たった時点の電流A2との関係は、1.0≦A1/A2≦1.2を満たし;筒状体の外側の表面における先端部から2mmの位置に配置されたR熱電対を用いて測定される温度が、印加開始後2秒から100秒の間、1000℃になる電圧Eを、グロープラグに印加し続けた場合において、電圧Eの印加開始から100分たった時点にR熱電対を用いて測定される温度Bは、0(℃)≦1000(℃)−B(℃)≦30(℃)を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、グロープラグに関する。
グロープラグとしては、シースヒータを用いたシース型グロープラグが知られている(例えば、特許文献1を参照)。シース型グロープラグのシースヒータは、シースチューブと、発熱コイルと、制御コイルとを備える。シースチューブは、導電性を有し、先端部が閉塞した筒状に形成された筒状体である。発熱コイルは、シースチューブの内側においてシースチューブの先端部に接合され、通電によって発熱する。制御コイルは、シースチューブの内側において発熱コイルと直列に接続され、発熱コイルに流れる電流を制御する。
特開2010−270981号公報
特許文献1のシース型グロープラグでは、通電が繰り返された場合、シースチューブの表面温度が十分に上昇しなくなるという課題があった。このような問題は、2つの要因によって引き起こされると考えられる。第1の要因は、シースチューブの表面が酸化することによって、シースチューブの熱輻射が大きくなることである。これによって、シースチューブの表面からの放熱量が増加するため、シースチューブの表面温度が十分に上昇しなくなる。第2の要因は、発熱コイルが酸化することによって、発熱コイルの抵抗値が低下することである。これによって、発熱コイルの発熱量が低下するため、シースチューブの表面温度が十分に上昇しなくなる。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、グロープラグが提供される。この形態のグロープラグは、導電性を有し、先端部が閉塞した筒状に形成された筒状体と;前記筒状体の内側において前記先端部に接合され、前記筒状体の軸方向に沿って前記先端部から少なくとも2mmの位置に存在し、通電によって発熱する発熱コイルと;前記筒状体の内側において前記発熱コイルと直列に接続され、前記発熱コイルに流れる電流を制御する制御コイルとを備える。この形態のグロープラグにおいて、2秒間、11Vの電圧を前記グロープラグに印加した場合における最大の突入電流A1と、前記11Vの電圧の印加開始から2秒たった時点の電流A2との関係は、1.0≦A1/A2≦1.2を満たし;前記筒状体の外側の表面における前記先端部から2mmの位置に配置されたR熱電対を用いて測定される温度が、印加開始後2秒から100秒の間、1000℃になる電圧Eを、前記グロープラグに印加し続けた場合において、前記電圧Eの印加開始から100分たった時点に前記R熱電対を用いて測定される温度Bは、0(℃)≦1000(℃)−B(℃)≦30(℃)を満たす。この形態のグロープラグによれば、筒状体の表面温度が十分に上昇しなくなる温度特性の劣化を抑制することができる。
(2)上記形態のグロープラグにおいて、前記温度Bは、0(℃)≦1000(℃)−B(℃)≦15(℃)を満たしてもよい。この形態のグロープラグによれば、筒状体の表面温度が十分に上昇しなくなる温度特性の劣化をいっそう抑制することができる。
(3)上記形態のグロープラグにおいて、前記筒状体は、酸化処理された表面を有してもよい。この形態のグロープラグによれば、筒状体の表面温度が十分に上昇しなくなる温度特性の劣化を抑制することができる。
(4)上記形態のグロープラグにおいて、常温における前記発熱コイルの抵抗値R1と、常温における前記制御コイルの抵抗値R2との関係は、R1/R2≧8を満たし;25℃における前記制御コイルの抵抗値C1と、1000℃における前記制御コイルの抵抗値C2との関係は、C2/C1≧5を満たしてもよい。この形態のグロープラグによれば、筒状体の表面温度を上昇させる昇温性を向上させつつ、発熱コイルおよび制御コイルの少なくとも一方における断線に対する耐久性を向上させることができる。
(5)上記形態のグロープラグにおいて、前記抵抗値R1と前記抵抗値R2との関係は、8≦R1/R2≦10を満たしてもよい。この形態のグロープラグによれば、断線に対する耐久性を更に向上させることができる。
(6)上記形態のグロープラグにおいて、常温における前記発熱コイルの抵抗値R1と、常温における前記制御コイルの抵抗値R2との関係は、3≦R1/R2≦5を満たし;25℃における前記制御コイルの抵抗値C1と、1000℃における前記制御コイルの抵抗値C2との関係は、C2/C1≦3を満たしてもよい。この形態のグロープラグによれば、筒状体の表面温度を上昇させる昇温性を向上させつつ、発熱コイルおよび制御コイルの少なくとも一方における断線に対する耐久性を向上させることができる。
本発明は、グロープラグ以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、グロープラグを構成する部材、グロープラグを製造する製造方法などの形態で実現することができる。
グロープラグの部分断面を示す説明図である。 グロープラグにおけるシースヒータの詳細断面を示す説明図である。 グロープラグに通電した場合における電圧電流および表面温度の様子を示す説明図である。 グロープラグの性能を評価した結果を示す表である。 グロープラグの性能を評価した結果を示す表である。
A.実施形態:
A1.グロープラグの構成:
図1は、グロープラグ10の部分断面を示す説明図である。図1には、グロープラグ10の軸心SCを境界として、紙面右側にグロープラグ10の外観形状を図示し、紙面左側にグロープラグ10の断面形状を図示した。本実施形態の説明では、グロープラグ10における図1の紙面下側を「先端側」といい、図1の紙面上側を「後端側」という。
グロープラグ10は、熱を発生させるシースヒータ(発熱装置)800を備え、ディーゼルエンジンを始めとする内燃機関(図示しない)の始動時における点火を補助する熱源として機能する。グロープラグ10は、シースヒータ800の他、中軸200と、主体金具500とを備える。グロープラグ10の軸心SCは、シースヒータ800と、中軸200と、主体金具500との各部材における軸心でもある。
グロープラグ10の主体金具500は、導電性を有する金属体である。主体金具500は、軸心SCを中心に延びた筒状に形成されている。本実施形態では、主体金具500は、筒状に成形した低炭素鋼にニッケルめっきを施した金属体である。他の実施形態では、主体金具500は、亜鉛めっきを施した金属体であっても良いし、めっきを施していない金属体(無めっき)であっても良い。主体金具500は、軸孔510と、工具係合部520と、雄ネジ部540とを備える。
主体金具500の軸孔510は、軸心SCを中心に延びた貫通孔である。軸孔510の内径は、中軸200の外形よりも大きい。中軸200の先端側がシースヒータ800の後端側に挿入された状態で、軸孔510の先端側には、圧入接合によってシースヒータ800が取り付けられ、軸孔510の後端側には、絶縁部材410およびO(オー)リング460を介して中軸200が取り付けられる。軸孔510の内側には、中軸200が位置決めされ、軸孔510と中軸200との間には、両者を電気的に絶縁する空隙が形成される。
主体金具500の工具係合部520は、グロープラグ10の取り付けおよび取り外しに用いられる工具(図示しない)に係合可能に構成されている。主体金具500の雄ネジ部540は、内燃機関(図示しない)に形成された雌ネジに嵌り合うことによって、グロープラグ10を固定可能に構成されている。
グロープラグ10の中軸200は、導電性を有する金属体である。中軸200は、軸心SCを中心に延びた円柱状に形成されている。中軸200は、先端部210と、雄ネジ部290とを備える。中軸200の先端部210は、中軸200の先端側に設けられ、シースヒータ800の内側に挿入される。中軸200の雄ネジ部290は、中軸200の後端側に設けられ、主体金具500の後端側から突出する。本実施形態では、雄ネジ部290には、絶縁部材410との間にリング300を挟んだ状態でナット100が取り付けられる。ナット100がリング300を介して絶縁部材410を圧縮することによって、中軸200は、主体金具500に固定される。本実施形態では、雄ネジ部290を通じてグロープラグ10の外部からシースヒータ800に対して給電が行われる。
図2は、グロープラグ10におけるシースヒータ800の詳細断面を示す説明図である。シースヒータ800は、シースチューブ810と、発熱コイル820と、制御コイル830と、絶縁粉末840とを備える。
シースヒータ800のシースチューブ810は、導電性を有する金属体であり、発熱コイル820と、制御コイル830と、絶縁粉末840とを内包する。本実施形態では、シースチューブ810の材質は、ステンレスである。他の実施形態では、シースチューブ810の材質は、ニッケル合金(例えば、インコネル(登録商標))であってもよい。
シースチューブ810は、軸心SCを中心に延びた筒状に形成されている。シースチューブ810は、先端部811と、後端部819とを有する。シースチューブ810の先端部811は、シースチューブ810の先端側に位置し、閉塞した筒状の端部を構成する。シースチューブ810の後端部819は、シースチューブ810の後端側に位置し、開口した筒状の端部を構成する。後端部819の内側には、中軸200が挿入され、後端部819の内側と中軸200との間は、パッキン600および絶縁粉末840によって電気的に絶縁される。後端部819の外側は、主体金具500における軸孔510の内側に対して通電可能に接触する。
シースチューブ810には、継続的な使用による温度特性の劣化を抑制するために表面処理が施されている。例えば、シースチューブ810に施される表面処理は、次の処理のいずれかであってもよい。
(1)大気中でグロープラグ10に通電することによってシースチューブ810の表面を酸化させる自己酸化処理
(2)大気中でシースチューブ810を加熱することによってシースチューブ810の表面を酸化させる自己酸化処理
(3)アルカリ浸漬によってシースチューブ810の表面を酸化させる自己酸化処理
(4)酸化銅、酸化鉄、酸化クロムなどをシースチューブ810の表面に均一に塗布することによって耐熱酸化膜を形成する酸化被膜処理
(5)シースチューブ810の表面に凹凸を形成することによってシースチューブ810の表面積を大きくするホーニング処理またはサンドブラスト処理
シースヒータ800の発熱コイル820は、シースチューブ810の内側においてシースチューブ810の先端部821に接合され、通電によって発熱する。発熱コイル820は、軸心SCに平行な方向である軸方向ADに沿ってシースチューブ810の先端部821から少なくとも2mm(ミリメートル)の位置に存在する。発熱コイル820は、導電材料を用いて形成されたコイルである。本実施形態では、発熱コイル820の材質は、鉄(Fe)−クロム(Cr)−アルミニウム(Al)合金である。
発熱コイル820は、先端部821と、後端部829とを有する。発熱コイル820の先端部821は、発熱コイル820の先端側に位置し、シースチューブ810の先端部811の内側に対して通電可能に接合されている。発熱コイル820の後端部829は、発熱コイル820の後端側に位置し、制御コイル830に対して通電可能に接合されている。
シースヒータ800の制御コイル830は、シースチューブ810の内側において発熱コイル820と直列に接続され、発熱コイル820に流れる電流を制御する。制御コイル830は、導電材料を用いて形成されたコイルである。制御コイル830の材質は、発熱コイル820の導電材料よりも電気比抵抗の温度係数が大きい導電材料であり、例えば、ニッケル(Ni)、イットリウム(Y)−ニッケル(Ni)合金、ニッケル(Ni)−1.5クロム(Cr)−1.5ケイ素(Si)−2マンガン(Mn)合金などであってもよい。
制御コイル830は、先端部831と、後端部839とを有する。制御コイル830の先端部831は、制御コイル830の先端側に位置し、発熱コイル820に対して通電可能に接合されている。制御コイル830の後端部839は、制御コイル830の後端側に位置し、中軸200に対して通電可能に接合されている。
シースヒータ800の絶縁粉末840は、電気絶縁性を有する粉末である。本実施例では、絶縁粉末840の材質は、酸化マグネシウム(MgO)である。絶縁粉末840は、シースチューブ810の内側に充填され、中軸200と、シースチューブ810と、発熱コイル820と、制御コイル830との各隙間を電気的に絶縁する。
図3は、グロープラグ10に通電した場合における電圧、電流および表面温度の様子を示す説明図である。図3(A)は、グロープラグ10に通電した場合における電圧の変化を示すグラフである。図3(B)は、グロープラグ10に通電した場合における電流の変化を示すグラフである。図3(C)は、グロープラグ10に通電した場合におけるシースチューブ810の表面温度の変化を示すグラフである。図3では、各グラフの横軸は、通電開始からの時間を示す。
図3(C)に示すシースチューブ810の表面温度は、シースチューブ810の外側の表面に抵抗溶接されたR熱電対を用いて測定される温度である。R熱電対は、13%のロジウム(Rh)を含有する白金(Pt)−ロジウム(Rh)合金を正極に用い、白金を負極に用いた熱電対である。シースチューブ810の外側の表面において、R熱電対は、先端部821から軸方向ADに沿って2mmの位置MLに配置される(図2を参照)。
図3に示すグロープラグ10の通電では、通電開始から2秒間、11V(ボルト)の電圧がグロープラグ10に印加された後、電圧Eがグロープラグ10に印加されている。電圧Eは、印加開始後2秒から100秒の間においてシースチューブ810の表面温度が1000℃になる電圧である。このような電圧がグロープラグ10に印加された場合、グロープラグ10の電流は、通電開始から2秒の間に最大の突入電流A1となり、通電開始から2秒たった時点に電流A2となった後、電流A3で安定する。シースチューブ810の表面温度は、通電開始から2秒で1000℃程度に上昇した後、1000℃で安定する。実際には、シースチューブ810の表面温度は、通電開始から2秒を過ぎた直後には1050℃程度にまで超過した後、徐々に1000℃へと調整される。
シースチューブ810の表面温度を2秒間で1000℃に昇温させる昇温性を確保する観点から、突入電流A1と電流A2との関係は、1.0≦A1/A2≦1.2を満たすことが好ましい。電流比(A1/A2)の評価については後述する。
継続的な使用によりシースチューブ810の表面温度が十分に上昇しなくなる温度特性の劣化を抑制する観点から、電圧Eをグロープラグ10に印加し続けた場合に電圧Eの印加開始から100分たった時点におけるシースチューブ810の表面温度である温度Bは、0(℃)≦1000(℃)−B(℃)≦30(℃)を満たすことが好ましく、0(℃)≦1000(℃)−B(℃)≦15(℃)を満たすことがいっそう好ましい。温度Bの評価については後述する。
昇温性を確保しつつ、発熱コイル820および制御コイル830の少なくとも一方における断線に対する耐久性を向上させる観点から、常温における発熱コイル820の抵抗値R1と、常温における制御コイル830の抵抗値R2との関係が、R1/R2≧8を満たす場合、25℃における制御コイル830の抵抗値C1と、1000℃における制御コイル830の抵抗値C2との関係は、C2/C1≧5を満たすことが好ましい。更に、抵抗値R1と抵抗値R2との関係がR1/R2≧8を満たす場合、抵抗値R1と抵抗値R2との関係は、8≦R1/R2≦10を満たすことが一層好ましい。また、抵抗値R1と抵抗値R2との関係が3≦R1/R2≦5を満たす場合、抵抗値C1と抵抗値C2との関係は、C2/C1≦3を満たすことが好ましい。コイル抵抗比(R1/R2)と温度抵抗係数(C2/C1)との評価については後述する。
A2.グロープラグの評価:
図4および図5は、グロープラグ10の性能を評価した結果を示す表である。図4および図5の評価試験では、発明者は、シースヒータ800の仕様が異なるグロープラグ10である試料1〜29について評価試験を行った。各試料における位置MLには、シースチューブ810の表面温度を測定するためにR熱電対が取り付けられている。
試料1〜7,12〜15,21〜29におけるシースチューブ810に施された表面処理は、酸化鉄を用いた酸化皮膜処理である。試料8〜11におけるシースチューブ810には、表面処理が施されていない。試料16におけるシースチューブ810に施された表面処理は、酸化銅を用いた酸化皮膜処理である。試料17におけるシースチューブ810に施された表面処理は、酸化クロムを用いた酸化皮膜処理である。試料18におけるシースチューブ810に施された表面処理は、大気中でグロープラグ10に電圧Eを20分間印加することによってシースチューブ810の表面を酸化させる自己酸化処理である。試料19におけるシースチューブ810に施された表面処理は、ホーニング処理である。試料20におけるシースチューブ810に施された表面処理は、アルカリ浸漬による自己酸化処理である。
図4および図5には、各試料について、発熱コイル820の抵抗値R1と、制御コイル830の抵抗値R2と、コイル抵抗比(R1/R2)と、制御コイル830の温度抵抗係数(C2/C1)とが示されている。試料1〜29における発熱コイル820の材質は、鉄(Fe)−クロム(Cr)−アルミニウム(Al)合金である。試料1〜11,16〜20における制御コイル830の材質は、イットリウム(Y)−ニッケル(Ni)合金である。試料12〜15における制御コイル830の材質は、ニッケル(Ni)である。試料21〜27における制御コイル830の材質は、ニッケル(Ni)−1.5クロム(Cr)−1.5ケイ素(Si)−2マンガン(Mn)合金である。
図4および図5の評価試験では、まず、試験者は、各試料の初期性能を評価する初期性能評価試験を実施した。初期性能評価試験では、試験者は、試料であるグロープラグ10に通電し、突入電流A1と、電流A2と、温度Bとを測定した。図4および図5には、電流比A1/A2と、温度Bとが示されている。
初期性能評価試験の後、試験者は、継続的に使用した状態を模擬する模擬実験を実施した。模擬実験では、試験者は、シースチューブ810の表面温度が通電開始から2秒後に1000℃となり、通電開始から180秒後に1100℃となるように、試料であるグロープラグ10に電圧を印加した。
昇温性を評価する評価試験では、試験者は、模擬実験を経た試料であるグロープラグ10に11Vの電圧を印加し、印加開始後2秒後におけるシースチューブ810の表面温度である2秒時温度を測定した。試験者は、次の評価基準に基づいて各試料の昇温性を評価した。
○(良):2秒時温度≧970℃
×(不可):2秒時温度<970℃
NG:グロープラグとして機能しない
温度特性の劣化を評価する評価試験では、試験者は、模擬実験を経た試料であるグロープラグ10に対して、初期性能評価試験で設定された電圧Eを印加し、印加開始から100秒後にシースチューブ810の表面温度を測定した。試験者は、次の評価基準に基づいて各試料の温度特性の劣化を評価した。
◎(優):シースチューブ810の表面温度の低下が初期性能評価試験時と比べて15℃未満
○(良):シースチューブ810の表面温度の低下が初期性能評価試験時と比べて30℃未満
×(不可):シースチューブ810の表面温度の低下が初期性能評価試験時と比べて30℃以上
耐久性を評価する評価試験では、試験者は、1回の模擬実験を1サイクルとして複数回の模擬実験を実施し、発熱コイル820および制御コイル830の少なくとも一方が断線するサイクル数である断線寿命を確認した。試験者は、次の評価基準に基づいて各試料の耐久性を評価した。
◎(優):断線寿命≧10000
○(良):7000≦断線寿命<10000
×(不可):断線寿命<7000
試料1,2と、試料3〜20,23〜29との対比によれば、試料1,2では、制御コイル830による電流の制御機能が強すぎるため、試料1,2は、昇温性を確保することができなかったと考えられる。したがって、昇温性を確保する観点から、電流比(A1/A2)は、1.0≦A1/A2≦1.2を満たすことが好ましい。
試料8〜11と、試料19,20と、試料1〜7,12〜18,23〜29との対比によれば、試料8〜11では、継続的に使用した場合にシースチューブ810の表面における酸化度合の変化が大きすぎるため、試料8〜11は、温度特性の劣化が増大したと考えられる。したがって、温度特性の劣化を抑制する観点から、電圧Eをグロープラグ10に印加し続けた場合に電圧Eの印加開始から100分たった時点におけるシースチューブ810の表面温度である温度Bは、0(℃)≦1000(℃)−B(℃)≦30(℃)を満たすことが好ましく、0(℃)≦1000(℃)−B(℃)≦15(℃)を満たすことがいっそう好ましい。温度Bに関する条件を満たすためには、シースチューブ810は、酸化処理された表面を有することが好ましい。
試料1,2と、試料3〜20と、試料21〜29との対比によれば、昇温性を確保しつつ耐久性を向上させる観点から、抵抗値R1と抵抗値R2との関係がR1/R2≧8を満たす場合、制御コイル830の温度抵抗係数(C2/C1)は、C2/C1≧5を満たすことが好ましい。更に、試料5,6と、試料3,4,7〜20との対比によれば、昇温性を確保しつつ耐久性を向上させる観点から、抵抗値R1と抵抗値R2との関係がR1/R2≧8を満たす場合、抵抗値R1と抵抗値R2との関係は、8≦R1/R2≦10を満たすことが一層好ましい。
試料1〜22と、試料23〜25,28,29と、試料26,27との対比によれば、昇温性を確保しつつ耐久性を向上させる観点から、抵抗値R1と抵抗値R2との関係が3≦R1/R2≦5を満たす場合、抵抗値C1と抵抗値C2との関係は、C2/C1≦3を満たすことが好ましい。
A3.効果:
以上説明した実施形態によれば、グロープラグ10において、電流比(A1/A2)が1.0≦A1/A2≦1.2を満たすと共に、温度Bが0(℃)≦1000(℃)−B(℃)≦30(℃)を満たす場合、シースチューブ810の表面温度が十分に上昇しなくなる温度特性の劣化を抑制することができる。さらに、0(℃)≦1000(℃)−B(℃)≦15(℃)を満たす場合、シースチューブ810の温度特性の劣化をいっそう抑制することができる。
また、グロープラグ10において、抵抗値R1と抵抗値R2との関係がR1/R2≧8を満たすと共に、温度抵抗係数(C2/C1)がC2/C1≧5を満たす場合、シースチューブ810の表面温度を上昇させる昇温性を向上させつつ、発熱コイル820および制御コイル830の少なくとも一方における断線に対する耐久性を向上させることができる。更に、グロープラグ10において、抵抗値R1と抵抗値R2との関係がR1/R2≧8を満たすと共に、抵抗値R1と抵抗値R2との関係が8≦R1/R2≦10を満たす場合、断線に対する耐久性を更に向上させることができる。
また、グロープラグ10において、抵抗値R1と抵抗値R2との関係が3≦R1/R2≦5を満たすと共に、抵抗値C1と抵抗値C2との関係がC2/C1≦3を満たす場合、シースチューブ810の表面温度を上昇させる昇温性を向上させつつ、発熱コイル820および制御コイル830の少なくとも一方における断線に対する耐久性を向上させることができる。
B.他の実施形態:
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…グロープラグ
100…ナット
200…中軸
210…先端部
290…雄ネジ部
300…リング
410…絶縁部材
460…Oリング
500…主体金具
510…軸孔
520…工具係合部
540…雄ネジ部
600…パッキン
800…シースヒータ
810…シースチューブ
811…先端部
819…後端部
820…発熱コイル
821…先端部
829…後端部
830…制御コイル
831…先端部
839…後端部
840…絶縁粉末
SC…軸心
AD…軸方向
ML…位置

Claims (6)

  1. 導電性を有し、先端部が閉塞した筒状に形成された筒状体と、
    前記筒状体の内側において前記先端部に接合され、前記筒状体の軸方向に沿って前記先端部から少なくとも2mmの位置に存在し、通電によって発熱する発熱コイルと、
    前記筒状体の内側において前記発熱コイルと直列に接続され、前記発熱コイルに流れる電流を制御する制御コイルと
    を備えるグロープラグであって、
    2秒間、11Vの電圧を前記グロープラグに印加した場合における最大の突入電流A1と、前記11Vの電圧の印加開始から2秒たった時点の電流A2との関係は、1.0≦A1/A2≦1.2を満たし、
    前記筒状体の外側の表面における前記先端部から2mmの位置に配置されたR熱電対を用いて測定される温度が、印加開始後2秒から100秒の間、1000℃になる電圧Eを、前記グロープラグに印加し続けた場合において、前記電圧Eの印加開始から100分たった時点に前記R熱電対を用いて測定される温度Bは、0(℃)≦1000(℃)−B(℃)≦30(℃)を満たすことを特徴とするグロープラグ。
  2. 前記温度Bは、0(℃)≦1000(℃)−B(℃)≦15(℃)を満たす、請求項1に記載のグロープラグ。
  3. 前記筒状体は、酸化処理された表面を有する、請求項1または請求項2に記載のグロープラグ。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のグロープラグであって、
    常温における前記発熱コイルの抵抗値R1と、常温における前記制御コイルの抵抗値R2との関係は、R1/R2≧8を満たし、
    25℃における前記制御コイルの抵抗値C1と、1000℃における前記制御コイルの抵抗値C2との関係は、C2/C1≧5を満たす、グロープラグ。
  5. 前記抵抗値R1と前記抵抗値R2との関係は、8≦R1/R2≦10を満たす、請求項4に記載のグロープラグ。
  6. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のグロープラグであって、
    常温における前記発熱コイルの抵抗値R1と、常温における前記制御コイルの抵抗値R2との関係は、3≦R1/R2≦5を満たし、
    25℃における前記制御コイルの抵抗値C1と、1000℃における前記制御コイルの抵抗値C2との関係は、C2/C1≦3を満たす、グロープラグ。
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