JP2014152803A - ネジの封印構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】部材を固定するネジの封印を容易に行うことができ、しかも第三者によりネジの封印が開封されたことを容易に判別可能なネジの封印構造を提供すること。
【解決手段】ネジ頭部の工具挿入穴41に、工具挿入穴41と略同一の外形形状を有するキャップ50を圧入し、キャップ50の外周面を工具挿入穴41の内周面に密着させた。
【選択図】図1
【解決手段】ネジ頭部の工具挿入穴41に、工具挿入穴41と略同一の外形形状を有するキャップ50を圧入し、キャップ50の外周面を工具挿入穴41の内周面に密着させた。
【選択図】図1
Description
本発明は、部材を固定するネジの封印構造に関する。
ネジは、各種部材を固定するために汎用されており、例えば、ガソリンスタンドの地下タンクの在庫量を測定する液面計においては、図8に示すように、地下タンクに通じる配管10の上端に設置された液面計本体20に、それを覆うカバー30がネジ40で固定されている。このカバー30は、液面計本体20を保護し、また、地下タンク内の油の蒸気が配管10及び液面計本体20を介して外部に放出されたり、雨水が液面計本体20及び配管10を介して地下タンク内に流入したりすることを防止する目的で設けられており、安全上、第三者がみだりにカバー30を外すことができないようにするため、カバー30を固定するネジ40は封印するのが一般的である。
このようなネジの封印方法として特許文献1には、ネジ頭部の工具挿入穴(レンチ挿入部)に流動状態の樹脂を充填し硬化させる方法が開示されている。また、特許文献2には、ネジ(ビス)頭部全体を封印キャップと止め部材とで覆う方法が開示されている。
しかし、特許文献1の封印方法における封印用の樹脂は、一般的な流動状態の樹脂(シリコンゴム)を硬化させたものである。したがって、第三者が同樹脂を取り外してネジの封印を開封し部材を分解した後に、ネジを締め直し、同樹脂を再充填することによりネジを再封印することが容易に可能であり、第三者によってネジの封印が開封されたことが判別不能である。
また、特許文献2の封印方法では、封印のために封印キャップと止め部材とが必要で、更にこれらを組み合わせてセットする作業が必要になるので封印の作業に手間がかかり、また、封印のために複数の部材を使用するため、封印コストが高くなるという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、部材を固定するネジの封印を容易に行うことができ、しかも第三者によりネジの封印が開封されたことを容易に判別可能なネジの封印構造を提供することにある。
本発明の一観点によれば、ネジ頭部の工具挿入穴に、当該工具挿入穴と略同一の外形形状を有するキャップを圧入し、当該キャップの外周面を前記工具挿入穴の内周面に密着させたネジの封印構造が提供される。
本発明は以下の効果を奏する。
(1)ネジ頭部の工具挿入穴にキャップを圧入するだけでネジを封印できるので封印の作業が極めて容易であり、作業効率を大幅に向上させることができる。
(2)封印のために必要な部材はキャップ1個のみであるので、封印コストを低減できる。
(3)キャップは工具挿入穴に圧入され、そのキャップの外周面は工具挿入穴の内周面に密着しているので、キャップを取り外して開封するには工具を使用してこじ開ける必要があり、開封するとキャップに破損や変形が生じる。したがって、開封後のキャップを再度、工具挿入穴に圧入することは困難であり、仮に圧入できたとしてもキャップに破損や変形があることから、開封されたことが容易に判別可能である。
(1)ネジ頭部の工具挿入穴にキャップを圧入するだけでネジを封印できるので封印の作業が極めて容易であり、作業効率を大幅に向上させることができる。
(2)封印のために必要な部材はキャップ1個のみであるので、封印コストを低減できる。
(3)キャップは工具挿入穴に圧入され、そのキャップの外周面は工具挿入穴の内周面に密着しているので、キャップを取り外して開封するには工具を使用してこじ開ける必要があり、開封するとキャップに破損や変形が生じる。したがって、開封後のキャップを再度、工具挿入穴に圧入することは困難であり、仮に圧入できたとしてもキャップに破損や変形があることから、開封されたことが容易に判別可能である。
以下、図面に示す実施例に基づき、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明のネジの封印構造の一実施例を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。図2は図1の封印構造を構成するネジ及びキャップを示す分解斜視図である。
図1の実施例は、図8に示した液面計においてカバー30を固定するネジ40に本発明の封印構造を適用したものである。
ネジ40の頭部に六角形の工具挿入穴(六角穴)41が形成されており、この工具挿入穴41と略同一形状の外形形状を有するキャップ50が工具挿入穴41に圧入されている。具体的には、キャップ50は、その外周面が工具挿入穴41の内周面に密着し、かつその上面の高さレベルが工具挿入穴41の上面の高さレベル以下となるように圧入されている。すなわち、キャップ50の高さは工具挿入穴41の深さ以下である。
本実施例のキャップ50は、その内部に空洞部51を有する。空洞部51はキャップ50の上面には開口しないように形成され、本実施例ではキャップ50の下面にのみ開口するように形成されている。また、本実施例において空洞部51の外郭形状はキャップ50の外形形状と相似形である。
このキャップ50は、ある程度の強度(形状保持性)を確保するとともに圧入によりその外周面が工具挿入穴41の内周面に容易に密着するようにする点、また、同キャップをこじ開けようとしたときに破損しやすくする等の点から、樹脂または木材、あるいはアルミニウムや亜鉛等の金属等で構成することが好ましい。樹脂の場合の材質としては、ポリプロピレン樹脂等が使用可能である。
一方、ネジ40によって固定されるカバー30には、ネジ40の頭部を挟むように近接して立ち上がる一対の壁31,31が設けられている。この一対の壁31,31どうしの間隔は、ネジ40の頭部外周を掴んでネジ40を回すプライヤー等の工具が入り込めないように設定されている。
以上の構成において、ネジ40を封印するときは、工具挿入穴41にキャップ50を圧入し、キャップ50の外周面を工具挿入穴41の内周面に密着させるとともに、キャップ50の上面の高さレベルを工具挿入穴41の上面の高さレベル以下とする。この作業だけで、ネジ40の封印作業は完了する。
ネジ40の封印を開封するときには、キャップ50の上面からマイナスドライバー等の工具を押し込んでこじ開けるようにしてキャップ50を工具挿入穴41から取り出す。ここで、キャップ50の外周面は工具挿入穴41の内周面に密着しているので、キャップ50を取り外して開封するには工具を使用してこじ開ける必要があり、このような開封作業によりキャップ50に破損や変形が生じる。したがって、開封後のキャップ50を再度、工具挿入穴41に圧入することは困難であり、仮に圧入できたとしてもキャップ50に破損や変形があることから、開封されたことが容易に判別可能である。特に本実施例では、キャップ50の上面の高さレベルが工具挿入穴41の上面の高さレベル以下であるので、工具挿入穴41からキャップ50を取り出すには、キャップ50の上面からマイナスドライバー等の工具を押し込んでこじ開ける必要があり、キャップ50の上面に破損や変形が顕著に生じるので、開封されたことを確実に判別可能である。
なお、本実施例では、キャップ50の内部に空洞部51を設けているので、上述のような開封作業において、キャップ50はより破損したり変形したりしやすくなり、開封されたことを確実に判別可能である。また、同空洞部がキャップ50の下面に開口するように形成されていることより、封印を開封する際にキャップ50の上面に生じた破損部を下側にし、再度工具挿入穴41に圧入することにより破損部がわからなくなり、開封されたことが判別不能になることが防止される。空洞部51の外郭形状は、圧入したときのキャップ50の形状安定性や開封時の変形のしやすさなどから、キャップ50の外形と相似形であることが好ましい。
また、本実施例では、上述のとおりカバー30に一対の壁31,31を設けているので、プライヤー等の工具を使用することはできず、常時はキャップ50による封印を開封しなければネジ40を回すことはできない。なお、工具挿入穴41が損傷するなどして工具挿入穴41を使用してネジ40を回すことができなくなった異常時には、タガネ等によって一対の壁31,31を除去すればプライヤー等の工具を使用してネジ40を回すことができる。
以下、本実施例の変形例を示す。
図3〜図6はキャップ50の変形例を示す。図3はキャップ50に設ける空洞部51の形状を変更した例で、図4はキャップ50に空洞部の代わりに窪み部52を設けた例である。このように、キャップ50に空洞部51又は窪み部52を設けることで、上述した図1の実施例と同様に、開封作業によりキャップ50が破損したり変形したりしやすくなり、開封されたことを確実に判別可能である。なお、封印を開封する際にキャップ50の上面に生じた破損部を下側にして再度封印した場合に、このことが容易に分かるようにするためには、空洞部51又は窪み部52はキャップ50の上面には開口せず、少なくともキャップ50の下面に開口するように設けることが好ましい。
図5はキャップ50の上面を上方に隆起させた例で、キャップ50の上端周縁の高さレベルは工具挿入穴41の上端周縁の高さレベル以下としている。この図5の例においても、工具挿入穴41からキャップ50を取り出すには、上述した図1の実施例と同様に、キャップ50の上面からマイナスドライバー等の工具を押し込んでこじ開ける必要があり、 キャップ50の上面に破損や変形が顕著に生じるので、開封されたことを確実に判別可能である。すなわち、上述した図1の実施例の場合も含めて、キャップ50の上端周縁の高さレベルは工具挿入穴41の上端周縁の高さレベル以下とすると上述の効果が得られる。なお、キャップ50の上端周縁の高さレベルが工具挿入穴41の上端周縁の高さレベルより高くなった場合においても、プライヤーやペンチ等でキャップ50を挟むことができない程度であれば上述と同様の効果が得られる。
また、例えば図5の例のように、キャップ50の上面と下面との形状を異ならせておくことで、封印を開封する際にキャップ50の上面に生じた破損部を下側にし、再度工具挿入穴41に圧入することにより破損部がわからなくなり、開封されたことが判別不能になることが防止される。なお、図5の例においても空洞部又は窪み部を設けることができることは言うまでもない。
図6は、キャップ50の上端周縁の高さレベルを工具挿入穴41の上端周縁の高さレベル以上とした例である。この図6の例においては、開封するにはキャップ50の側面をプライヤーやペンチ等で挟むなどしてキャップ50を工具挿入穴41から取り出す必要がある。この開封作業によりキャップ50が変形したり破損したりすることで、開封されたことを判別可能である。特に、図6に示すようにキャップ50に空洞部又は窪み部を設けておくとキャップ50が変形や破損しやすくなるので、開封されたことをより確実に判別可能である。また、図6の例のように、キャップ50の上端周縁の高さレベルを工具挿入穴41の上端周縁の高さレベル以上とすれば、工具挿入穴41がキャップ50で完全に封印されるので、工具挿入穴41に直接雨水などが溜まることを防止できるという効果が得られる。
図7は図1の実施例において設けた壁31の変形例を示す。同図(a)では壁31を三方に、(b)では四方に、(c)では円筒状に立ち上げて設けている。また、同図(d)及び(e)では、ネジ40によって固定される部材であるカバー30に凹部又は窪み部を設け、その周面を壁31としている。このように、ネジ40の頭部を挟む又は囲むようにネジ40の頭部に近接させて壁31を設けることで、図1の実施例と同様に、プライヤー等の工具を使用することはできず、常時はキャップ50による封印を開封しなければネジ40を回すことはできない。なお、図7(a)〜(c)の例では、図1の実施例と同様に、工具挿入穴41が損傷するなどして工具挿入穴41を使用してネジ40を回すことができなくなった異常時にはタガネ等によって壁31を除去すればプライヤー等の工具を使用してネジ40を回すことができる。
10 配管
20 液面計本体
30 カバー
31 壁
40 ネジ
41 工具挿入穴
50 キャップ
51 空洞部
52 窪み部
20 液面計本体
30 カバー
31 壁
40 ネジ
41 工具挿入穴
50 キャップ
51 空洞部
52 窪み部
Claims (4)
- ネジ頭部の工具挿入穴に、当該工具挿入穴と略同一の外形形状を有するキャップを圧入し、当該キャップの外周面を前記工具挿入穴の内周面に密着させたネジの封印構造。
- 前記キャップの上端周縁の高さレベルが前記工具挿入穴の上端周縁の高さレベル以下である請求項1に記載のネジの封印構造。
- 前記キャップの上端周縁の高さレベルが前記工具挿入穴の上端周縁の高さレベル以上である請求項1に記載のネジの封印構造。
- 前記キャップが、空洞部又は窪み部を有する請求項1〜3のいずれかに記載のネジの封印構造。
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JP2013020771A JP2014152803A (ja) | 2013-02-05 | 2013-02-05 | ネジの封印構造 |
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- 2013-02-05 JP JP2013020771A patent/JP2014152803A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140715 |