JP2014152279A - 基材レス両面粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】基材レス両面粘着シートを用いて部材を結合する工程において、粘着層に積層された両面の離型フィルムを目視で容易に判別することができる基材レス両面粘着シートを提供する。
【解決手段】離型層15と25を有するポリエステルフィルム13,14と23,24が離型層15と25を介して粘着層11の両面にそれぞれ積層されてなる基材レス両面粘着シート10であり、少なくとも一方のポリエステルフィルムが積層構造を有し、当該積層構造中の最外層14と24を除く中間層13と23に多環式芳香族炭化水素系化合物または有機金属キレート錯体を含有することを特徴とする基材レス両面粘着シート。
【選択図】図1
【解決手段】離型層15と25を有するポリエステルフィルム13,14と23,24が離型層15と25を介して粘着層11の両面にそれぞれ積層されてなる基材レス両面粘着シート10であり、少なくとも一方のポリエステルフィルムが積層構造を有し、当該積層構造中の最外層14と24を除く中間層13と23に多環式芳香族炭化水素系化合物または有機金属キレート錯体を含有することを特徴とする基材レス両面粘着シート。
【選択図】図1
Description
本発明は、基材レス両面粘着シートに関し、例えば、タッチパネル等の光学用部材の結合用として好適に用いられる基材レス両面粘着シートに関するものである。
従来、物体間を面接着する粘着シートは種々知られており、粘着シートの1つとして基材レス両面粘着シートが知られている。
基材レス両面粘着シートは、粘着剤層の両面に剥離力の相対的に低い軽剥離シートと、剥離力の相対的に高い重剥離シートが積層されて構成され、両面の剥離シートを除去した後には、支持基材を有さない粘着剤層のみとなる両面粘着シートである。
基材レス両面粘着シートは、まず軽剥離シートが剥がされ、露出された粘着剤層の一方の面が物体面に接着され、その接着後、さらに重剥離シートが剥がされ、露出された粘着剤層の他方の面が、異なる物体面に接着され、これにより物体間が面接着される(特許文献1)。
近年、基材レス両面粘着シートは、その用途が広がりつつあり、各種光学用途の部材等にも用いられている。例えば、光学用途としのタッチパネルは、透明導電膜等の部材が積層された積層体であり、その部材を接合するために基材レス両面粘着シートが使用されている。
基材レス両面粘着シートを部材と貼り合せる工程では、先に剥離力の軽い離型フィルムを剥すが、両面の離型フィルムの厚みが同じ場合、無色透明なポリエステルフィルムからなる離型フィルムでは、どちらの面に剥離力が軽い離型フィルムが貼られているか判別するのが難しいという問題を有している。この場合、色付きフィルムを離型フィルムに用いるという技術が考えられる(特許文献2)。
また、このような用途では、片方の離型フィルムを剥離し、残った重剥離側の離型フィルムを残したまま、別部材に貼り合せる時に、異物や汚れ、キズの検査をする場合がある場合がある。その時に、離型フィルムに色付きフィルムを使用する(特許文献2)と、透過率や視認性の低下が起こる可能性があり、上記の検査時に不具合を生じさせる可能性が高い。望ましくは、一定条件でのみ着色する、つまり、レーザー照射部分のみが着色する(特許文献3)、UV照射部分のみが着色する(特許文献4)、もしくは、UV照射部分のみが発光する(特許文献5)などの技術が応用できることが望ましいが、フィルム製造時の超えるべきハードルは高く、そして、多い。
超えるべきハードルの1つとして、選定する着色顔料や染料が、溶融工程を通るフィルム作製時に、十分な耐熱性を必要とすることである。フィルムの光学特性を維持するために、比較的分子量の低い有機化合物を選択することが多いのだが、その場合、溶融工程でかかる熱、例えば、200℃以上、によって、即座に分解する、もしくは、何回も溶融工程を通る場合に、劣化が激しいなどでは、材料として不向きとなる。
超えるべきハードルのもう1つとして、着色顔料や染料使用時に起こる粘着材への着色顔料や染料のブリードアウトがある。使用される分子量の低い成分は、高分子の膜を通過し、粘着材へ転移することで、粘着材成分への悪影響を及ぼすことがある。偏光版、タッチパネル部材の中でも特に厳しい用途では、このような悪影響が問題になる。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、基材レス両面粘着シートを用いて部材を結合する工程において、粘着層に積層された両面の離型フィルムを目視で容易に判別することができる基材レス両面粘着シートを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構成を有する基材レス両面粘着シートによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、離型層を有するポリエステルフィルムが離型層を介して粘着層の両面にそれぞれ積層されてなる基材レス両面粘着シートであり、少なくとも一方のポリエステルフィルムが積層構造を有し、当該積層構造中の最外層を除く中間層に多環式芳香族炭化水素系化合物または有機金属キレート錯体を含有することを特徴とする基材レス両面粘着シートに存する。
本発明によれば、粘着シートの両面に積層された離型フィルムが容易に判別でき、部材を結合する工程での生産ロス等の問題、かつ、後工程での検査性の問題、全体工程を通して、汚染が少ない、等を解決するものであり、本発明の工業的価値は高い。
図1に示すように、基材レス両面粘着シート10は、粘着剤層11の両面に、第1および第2離型フィルムが積層されて構成される。
第1剥離フィルム31は、いわゆる軽剥離シートであって、積層ポリエステルフィルム13,14に第1離型剤層15が設けられ、第1離型剤層15が粘着剤層11に剥離可能に仮着されている。
第2離型フィルム32は、いわゆる重剥離シートであって、積層ポリエステルフィルム23、24に第2離型剤層25が設けられ、第2離型剤層25が粘着剤層11に剥離可能に仮着されている。この重剥離シートには、用途に応じて、機能性を高めるために、両面塗布層24´を設けても良い。このとき、離型層形成に影響を与えないようであれば、塗布層は、オリゴマー封止、帯電防止、易接着、着色性、など、何れの機能を付与しても良い。本発明では、UV光照射で着色機能を示す層を一部例として挙げている。
本発明で言うポリエステルフィルムとは、押出口金から溶融押出される、いわゆる押出法により押出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、必要に応じ、延伸、熱処理を施したフィルムである。
離型フィルム基材13、14と23、24を形成するポリエステルとしては、例えば、構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレート、構成単位の80モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレートであるポリエチレン−2,6−ナフタレート、構成単位の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートであるポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられる。その他には、ポリエチレンイソフタレート、ポリ−1,4−ブチレンテレフタレート等が挙げられる。
上記の優位構成成分以外の共重合成分としては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸およびオキシモノカルボン酸等のエステル形成性誘導体を使用することができる。
また、ポリエステルとしては、単独重合体または共重合体のほかに、他の樹脂との小割合のブレンドも使用することができる。ポリエチレンテレフタレートにブレンドする樹脂の例としては、例えばイソフタル酸共重合体、シクロヘキサンジメチレンテレフタレート共重合体、ポリエチレングリコール共重合体等の各種共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよび共重合ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムの極限粘度は、通常0.40〜0.90、好ましくは0.45〜0.80、さらに好ましくは0.50〜0.70の範囲である。極限粘度が0.40未満では、フィルムの機械的強度が弱くなる傾向があり、極限粘度が0.90を超える場合は、溶融粘度が高くなり、押出機に負荷がかかり、製造コストが増大したりする等の問題が生じる。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル層中には、易滑性付与を主たる目的として粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、フィルム原料の製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.05〜5μm、好ましくは0.05〜3μmの範囲である。平均粒径が0.05μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分であり、一方、5μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が過度に高くなり、後工程で種々の表面機能層を塗設させる場合等に不具合が生じる。
さらにポリエステル層中の粒子含有量は、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分であり、一方、5重量%を超えて添加する場合にはフィルムの透明性が不十分である。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリマーを製造する任意の段階において添加することができる。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明においては、後述の、発光(着色)機能を持たせるために追加する化合物がブリードアウトすることを防ぐために、ポリエステルからなる層の両最外層面に、塗布層も設けることが好ましい。また、上記塗布層は、ポリエステルから析出するオリゴマー(以後、OLと略す)についても抑制効果がある。
本発明おいて、オリゴマーとは、熱処理後、結晶化してフィルム表面に析出する低分子量物のうちの環状三量体と定義する。
塗布層24´の塗布層を形成する方法は、特に制限されないが、ポリエステルフィルムを製造する工程中で塗布液を塗布する方法が好適に採用される。具体的には、未延伸シート表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、一軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、二軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。これらの中では、未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布後、フィルムに熱処理を行う過程で同時に塗布層を乾燥硬化する方法が経済的である。また、塗布層を形成する方法として、必要に応じ、前述の塗布方法の幾つかを併用した方法も採用し得る。具体的には、未延伸シート表面に第一層を塗布して乾燥し、その後、一軸方向に延伸後、第二層を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。ポリエステルフィルムの表面に塗布液を塗布する方法としては、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるリバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター等を使用することができる。
本発明において用いる塗布液は、通常、安全性や衛生性の観点から水を主たる媒体として調整されていることが好ましい。水を主たる媒体とする限りにおいて、水への分散を改良する目的あるいは造膜性能を改良する目的で少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は、主たる媒体である水と混合して使用する場合、水に溶解する範囲で使用することが好ましいが、長時間の放置で分離しないような安定した乳濁液(エマルジョン)であれば、水に溶解しない状態で使用してもよい。有機溶剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
インラインコーティングについては、以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては、特に縦延伸が終了した横延伸前にコーティング処理を施すことができる。インラインコーティングによりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、製膜と同時に塗布が可能になると共に塗布層を高温で処理することができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明において、塗布層24´にバインダーポリマーを使用することが通常であるが、バインダーポリマーとは、高分子化合物安全性評価フロースキーム(昭和60年11月 化学物質審議会主催)に準じて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量(Mn)が1000以上の高分子化合物で、かつ造膜性を有するものと定義する。
塗布層中の成分の分析は、例えば、TOF−SIMS等の表面分析によって行うことができる。
インラインコーティングによって塗布層を設ける場合は、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固形分濃度が0.1〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて積層ポリエステルフィルムを製造するのが好ましい。また、本発明の主旨を損なわない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は1種類のみでもよく、適宜、2種類以上を使用してもよい。
上記の目的を果たすため、本発明では、塗布によりフィルム表面に低分子成分の析出防止層を形成し、当該層がポリビニルアルコールを10〜100重量%、好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは30〜90重量%含有するものとする。ポリビニルアルコールの含有量が10重量%未満では、低分子成分析出防止効果が不十分で好ましくない。
本発明で用いるポリビニルアルコールは、通常の重合反応によって合成することができ、水溶性であることが好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は、特に限定されるものではないが、通常100以上、好ましくは300〜40000のものが用いられる。重合度が100以下の場合、塗布層の耐水性が低下する傾向がある。本発明で用いるポリビニルアルコールのけん化度は、特に限定されるものではないが、通常70モル%以上、好ましくは80モル%以上、99.9モル%以下であるポリ酢酸ビニルけん化物が実用上用いられる。
本発明における塗布層24´には、必要に応じて上記のポリビニルアルコール以外の水溶性または水分散性のバインダー樹脂を併用してもよい。かかるバインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アクリレート樹脂、等が挙げられる。これらは、それぞれの骨格構造が共重合等により実質的に複合構造を有していてもよい。複合構造を持つバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂グラフトポリエステル、アクリル樹脂グラフトポリウレタン、ビニル樹脂グラフトポリエステル、ビニル樹脂グラフトポリウレタン、アクリレート樹脂グラフトポリエチレングリコール、等が挙げられる。バインダー成分の配合量は、塗布層に対する重量部で50重量部以下、さらには30重量部以下の範が好ましい。さらに本発明のフィルムの塗布層中には、必要に応じて架橋反応性化合物を含んでいてもよい。
架橋反応性化合物としては、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系などの化合物、ポリアミン類、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネート系カップリング剤、金属キレート、有機酸無水物、有機過酸化物、熱または光反応性のビニル化合物や感光性樹脂などの多官能低分子化合物および高分子化合物から選択される。
架橋反応性化合物は、主に易接着樹脂層に含まれる樹脂が有する官能基と架橋反応することで、易接着樹脂層の凝集性、表面硬度、耐擦傷性、耐溶剤性、耐水性を改良することができる。例えば、易接着樹脂の官能基が水酸基の場合、架橋反応性化合物としては、メラミン系化合物、ブロックイソシアネート化合物、有機酸無水物などが好ましく、易接着ポリエステルの官能基が有機酸およびその無水物の場合、架橋反応性化合物としてはエポキシ系化合物、メラミン系化合物、オキサゾリン系化合物、金属キレートなどが好ましく、易接着樹脂の官能基がアミン類の場合、架橋反応性化合物としてはエポキシ系化合物などが好ましく、易接着樹脂に含まれる官能基と架橋反応効率が高いものを選択して用いることが好ましい。本発明におけるメラミン化合物としては、アルキロールまたはアルコキシアルキロール化したメラミン系化合物であるメトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン等が例示され、メラミンの一部に尿素等を共縮合したものも使用できる。
架橋反応性化合物は反応性官能基が1分子中に2官能以上必ず含まれる限りにおいて、低分子量化合物であっても、反応性官能基を有する高分子重合体のいずれであってもよい。架橋反応性化合物の配合量は、易接着樹脂層に対する重量部で50重量部以下、さらには30重量部以下、特に15重量部以下の範囲が好ましい。
さらに本発明の易接着樹脂層中には、必要に応じて塗布層の滑り性改良のために不活性粒子を含んでいてもよい。
さらに本発明の易接着樹脂層中には、必要に応じて塗布層の滑り性改良のために不活性粒子を含んでいてもよい。
不活性粒子としては、無機不活性粒子、有機不活性粒子があり、無機不活性粒子としては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル、炭酸カルシウム、酸化チタン等が挙げられる。
有機不活性粒子としては、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニル系樹脂による単独あるいは共重合体を含む微粒子、またはこれらと架橋成分を複合した架橋粒子に代表される有機粒子が挙げられる。これらの不活性粒子は軟化温度または分解温度が約200℃以上、さらには250℃以上、特に300℃以上であることが好ましい。不活性粒子の平均粒径(d)は、易接着樹脂層の平均膜厚を(L)とした際、1/3≦d/L≦3、さらには1/2≦d/L≦2の関係を満足するように選択するのが好ましい。
有機不活性粒子としては、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニル系樹脂による単独あるいは共重合体を含む微粒子、またはこれらと架橋成分を複合した架橋粒子に代表される有機粒子が挙げられる。これらの不活性粒子は軟化温度または分解温度が約200℃以上、さらには250℃以上、特に300℃以上であることが好ましい。不活性粒子の平均粒径(d)は、易接着樹脂層の平均膜厚を(L)とした際、1/3≦d/L≦3、さらには1/2≦d/L≦2の関係を満足するように選択するのが好ましい。
本発明の塗布層24´は、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、低分子帯電防止剤、有機系潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料等の添加剤を少量含有していてもよい。これらの添加剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。本発明のフィルムの塗布層は、ポリエステルフィルムの片面だけに形成してもよいし、両面に形成してもよい。片面のみに形成する場合、その反対面には必要に応じて別種の塗布層を形成させ、さらに他の特性を付与することもできる。なお、塗布液のフィルムへの塗布性および接着性を改良するため、塗布前のフィルムに化学処理や放電処理等を施してもよい。
本発明におけるポリエステルフィルムに関して、ポリエステルフィルム上に設けられる塗布層の膜厚は、通常0.002〜1.0g/m2、より好ましくは0.005〜0.5g/m2、さらに好ましくは0.01〜0.2g/m2の範囲である。膜厚が0.002g/m2未満の場合は十分な密着性が得られないことがあり、1.0g/m2を超える場合は、外観や透明性、フィルムのブロッキング性が悪化することがある。
本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層24´を形成する際の乾燥および硬化条件に関しては、特に限定されるわけではなく、例えば、オフラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、80〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
一方、インラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、70〜280℃で3〜200秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
また、オフラインコーティングあるいはインラインコーティングに係わらず、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムにはあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明のポリエステルフィルムの塗布層24´は、バインダー樹脂と架橋剤とを任意割合で配合することで形成することが好ましいく、その場合、層が密にバリア層を形成するため低分子成分析出を抑制することができる。このため、ポリエステルフィルムからのOLや、着色目的で用いる化合物の析出を極力、粘着剤に付着させない、また、先の加工工程内で出さない効果がある。よって、本発明のポリエステルフィルムの塗布層14´の層構成は、両面が好ましい。
本発明に用いる離型フィルムは少なくとも二軸配向ポリエステルフィルム(離型フィルム基材)、離型剤層の順に設けられて形成される。生産工程汚染を防ぐために、好ましくは、OL封止性を含む塗布層が設けられた方が良い。その場合、二軸配向ポリエステルフィルム23、24、塗布層24´、および、離型剤層25の順に設けられて形成される。
前記塗布層が設けられない場合は、離型フィルムや、基材レス両面粘着シートの製造工程、さらには、光学基材用粘着シートの他の部材へ貼り合わせする工程で、着色目的で用いる化合物による工程汚染や、フィルムのOLが発生しやすくなり好ましくない。
本発明に用いる基材レス両面粘着シートでは、例えば、離型フィルムの離型層の上に、粘着剤が塗工された後、乾燥されて粘着剤層が形成され、次いで、その離型層の上に剥離力の異なる離型フィルムがラミネートされることにより製造されるが、前記塗布層が設けられない場合は、製造工程で発生したOLや着色目的で用いる化合物により、工程汚染の他に、粘着剤層を電子基材に貼り合せた時にOLや着色目的で用いる化合物の影響で、電子部品に不具合を発生させるため好ましくない。
本発明において、離型フィルムが塗布層を有する場合、それらの離型フィルムを熱処理(180℃、10分間)した後、塗布層がある離型層表面からジメチルホルムアミドにより抽出されるOL量は、1.0mg/m2以下であることが好ましい。OLが1.0mg/m2を超える場合、工程汚染があり、粘着剤貼り合わせ時に、異物が発生し、製品の歩留まりが落ちるなどの不具合が生じる。
また、本発明の光学基材用粘着シートの離型フィルムにおいて、更なる表面機能を持たせるためには、構成する塗布層は、易接着層、帯電防止層、または、帯電防止易接着層を有することが好ましい。
本発明の離型フィルムの基材となるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、3層からなるポリエステルフィルムの場合は、複数台の押出機、複数層のマルチマニホールドダイまたはフィ−ドブロックを用い、それぞれのポリエステルを積層して口金から複数層の溶融シートを押出し、冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。
この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明においては離型フィルムを構成するポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法とは、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
本発明は、粘着シートの両面に積層した一方の離型フィルムに用いるポリエステルフィルムがUV光照射により、部分的、かつ、必要時に発光し、かつ、UV照射下ではないときには、発光していないことを特徴とする。
あらかじめ軽剥離側と重剥離側のどちらにUV光によって発光するポリエステルフィルムを使用するか決めておけば、粘着シートより離型フィルムを剥がす必要がなく、離型フィルムの判別を容易にし、部材を結合する工程での間違いを防止することができる。
部材の結合工程では離型フィルムを剥す速度等の条件を離型フィルムの剥離力に合わせて設定しているため、剥す離型フィルムを間違えると生産歩留等が低下し好ましくない。
本発明で使用するポリエステルフィルムは、多環式芳香族炭化水素系化合物、もしくは、有機金属キレート錯体をポリエステルの押出時に含有させる方法を用いることが好ましい。
本発明においては、UV光によって発光する化合物としては、例えば、多環式芳香族炭化水素系化合物およびポルフィリン系化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物が挙げられ、具体例としては、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、ジベンゾアントラセン、1,5−ジフェニルナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、ポルフィリン、およびこれらの化合物の誘導体や類縁体を挙げることができる。
また、上記以外のUV光によって発光する化合物としては、有機金属キレート錯体があり、発光効率を考慮に入れて、耐熱性を有する化合物が好ましい。有機金属キレート錯体の具体例としては、蛍光のものとして、トリス(8−ヒドロキノリナト)アルミニウム(III)が挙げられ、燐光のものとしては、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタアセチル−21H,23H−ポルフィン白金(II)、酸化インジウムスズ、(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)、(ピリジン)白金(II)錯体([Pt(46dfppy)(acac)]:46dfppyは2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジン、acacはアセチルアセトンを意味する)、特に高発光性の(ポリピリジン)レニウム錯体(I)([Re(L)(CO3)3CNR)]+:Lは2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン類似体等)等が挙げられる。
本発明における多環式芳香族炭化水素系化合物、もしくは、有機金属キレート錯体のポリエステルへの練り込みについて説明する。これらの化合物はポリエステルレジンに練り込んだマスターバッチとして用いる方が好ましいが、ポリエステルレジンへ直接添加してもよい。
また、多環式芳香族炭化水素系化合物、もしくは、有機金属キレート錯体のポリエステルへの練り込みにおいて、上記化合物は有機化合物、もしくは、有機金属錯体に属し、一般的に、300℃付近の耐熱性が低いことが知られている。本発明において、ポリエステルフィルム製膜時、または、原料リサイクルにおける熱履歴時に、高熱量に耐え得る耐熱性を持つ化合物を適宜選択する必要がある。
多環式芳香族炭化水素系化合物およびポルフィリン系化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物のフィルム中の含有量は、通常0.05〜1.0重量%の範囲である。含有量が0.05重量%未満では、フィルムの発光性が劣る傾向がある。一方、1.0重量%を超えて含有する場合、フィルム中での劣化物により、不具合が生じる。
有機金属キレート錯体のフィルム中の含有量は、通常0.05〜1.0重量%の範囲である。含有量が0.05重量%未満では、フィルムの発光性が劣る傾向がある。一方、1.0重量%を超えて含有する場合、フィルム中での劣化物により、不具合が生じる。
さらに、本発明におけるポリエステルフィルムについて、多環式芳香族炭化水素系化合物または有機金属キレート錯体の練り込みの層構成は、最表層を除く、中間層への練り込みとする。その場合、フィルム全体として、上記の含有量となるように表層あるいは中間層の含有量を調整すればよい。表層に練り込んだ場合、基材レス両面粘着シートにし、長期保管した際、練り込んだ化合物がブリードアウトし、粘着材側へと転移してしまう不具合が生じる。本発明における、ブリードアウトとは、低分子の化合物がフィルム表層へ移行する現象のことを指す。
本発明に用いる離型フィルムでは、一部の用途で、軽剥離シートを剥離後、用いる部材に貼り合わせた後に、キズや異物などの偏光目視検査、もしくは、偏光インライン検査を行なうことがある。この場合、高い検査性を実現するためには、フィルムの延伸条件において、配向角が低いことが求められる。このときの配向角とは、延伸後、分子鎖が長手方向に対して、配列する向きを定性的に表した指標を言う。また、高い検査性を実現するための他の要素としては、フィルム内外に異物が少ないこと、また、ヘーズが低いことが挙げられる。フィルムヘーズは通常10%以下、好ましくは8%以下、さらに好ましくは5%以下である。本発明の基材レス両面粘着シートは、光学用に用いられるために、異物等の欠点がある場合は、目視や自動欠点検出機等で取り除く必要があるが、フィルムヘーズが10%を超える場合は、異物等に欠点検出に支障をきたす。
粘着剤層11を形成する粘着剤としては、通常はアクリル系粘着剤が使用される。アクリル系粘着剤は、官能基含有モノマーと、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等の他のモノマーとを共重合して得られるアクリル系共重合体が主成分として構成され、必要に応じて溶媒、架橋剤、粘着付与剤、充填剤、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等をさらに含んでいてもよい。
官能基含有モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタアクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーが挙げられる。官能基含有モノマーは、アクリル系共重合体を構成するモノマー全体を基準(100質量%)として、モノマー単位として0.3〜5.0質量%含むことが好ましい。
アクリル系共重合体は、官能基を含有することにより、架橋剤との反応で凝集力を調整することができ、粘着剤の基材からのはみ出しを抑制すると共に、粘着力および耐熱性を向上させることができる。粘着剤に使用される架橋剤としては、特に制限はなく、従来アクリル系粘着剤において慣用されているものの中から適宜選択して用いられ、例えば、ポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、アジリジン系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが用いられ、好ましくはポリイソシアネート化合物が用いられる。
第1離型フィルム15と第2離型フィルム25の離型層は、離型性を有する材料を含有していれば、特に限定されるものではない。その中でも、硬化型シリコーン樹脂を含有するものによれば離型性が良好となるので好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては、付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等何れの硬化反応タイプでも用いることができる。
具体例を挙げると、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、ダウ・コーニング・アジア(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、東芝シリコーン(株)製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、東レ・ダウ・コーニング(株)製SD7220、SD7226、SD7229等が挙げられる。さらに離型層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
本発明において、ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法としては、リバースロールコート、グラビアコート、バーコート、ドクターブレードコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
本発明における離型層の塗布量は、通常0.01〜1g/m2の範囲である。
本発明において、離型層が設けられていない面には、接着層、帯電防止層、塗布層等の塗布層を設けてもよく、また、ポリエステルフィルムにはコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
軽剥離側に相当する第1離型フィルム31の剥離力は、通常3〜50mN/cmであり、好ましくは5〜25mN/cmである。第1離型フィルム31の剥離力を低く抑えることにより、第2離型フィルム32の剥離力を低くしても、両離型フィルム31、32の剥離力差を大きくすることができる。
また、第1離型フィルム31の剥離力を一定の値以上とすることによって、使用前に第1離型フィルム31が粘着剤層11から不意に剥がれたり、第1離型フィルム31が粘着剤層11から浮いたりすることが防止される。
重剥離側に相当する第2離型フィルムト32の剥離力は、20〜100mN/cmの範囲が好ましく、さらに好ましくは30〜70mN/cmである。第2離型フィルム32の剥離力を低く抑えることによって、第2離型フィルム2を剥離したときに生じる、第2離型フィルム32への粘着剤の残留や、ジッピング等を防止することができる。
第2離型フィルム32の剥離力は、第1離型フィルム31の剥離力の通常2.0倍以上、好ましくは2.5倍以上、さらに好ましくは3.0倍以上とする。第2離型フィルム32の剥離力が第1離型フィルム31の剥離力の2.0倍未満では、軽剥離側の第1離型フィルム31を剥がした時に、第2離型フィルム32が粘着剤層11から浮く現象が生じたり、第2離型フィルム32への粘着剤の残留やジッピング等が生じたりすることがある。
本発明の第1離型フィルム31と第2離型フィルム32の基材として用いる二軸配向ポリエステルフィルムの厚みは、通常16μm以上であり、好ましくは20μm以上である。離型フィルムの厚さが16μm未満では、フィルムに腰がなく、離型フィルムを剥す時に粘着剤と離型フィルムが剥離される境界で剥離角度が大きくなるため、粘着剤層の厚さが厚い場合には離型フィルムへの粘着剤の残留やジッピングが生じる。
本発明における基材レス両面粘着シートに加工した際、別部材に貼り合せる作業があるが、そのときの透明な軽剥離、重剥離能を持つ離型フィルムの区別のために、UV光照射による発光が1つの方法として用いられる。本発明における発光とは、UV照射下におけるフィルム外観の蛍光、もしくは、燐光による見た目の色の変化である。
本発明において、上記UV照射下による発光特性を達成するためには、製膜上安定な、UV光によって発光する化合物を適宜選択し、ヘーズの低下、色目不良を起こさず、かつ、発光性能が十分に出るように含有量を調節しなければならない。
本発明を実施するにあたっては、UV光源およびその照射方法等には特に限定はなく、公知の各種UVライトの出力、UV光源から距離、照射時間を適宜調整することで、発光の効果は顕著となる。
本発明における基材レス両面粘着シートを区別のために用いるUV光照射による発光の強みは、適切なタイミング、場所で適当な部分だけ発光することができる点で、フィルム自体が着色変化しない点である。また、軽剥離、重剥離能を有するフィルムが、同じ透明性、同じ厚みを有する時に、どちらかに、UV光によって発光する化合物を含有させることで、UV光照射後に容易に見分ける事ができる点も画期的である。
次に、実施例を挙げて本説明をさらに説明する。ただし、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における物性の評価方法は以下のとおりである。
(1)ポリエステルの極限粘度の測定
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50)
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3型)を用いて測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径d50とした。
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3型)を用いて測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径d50とした。
(3)フィルムヘーズ
JISーK6714に準じ、日本電色工業社製分球式濁度計NDH−20Dによりフィルムの濁度を測定した。
JISーK6714に準じ、日本電色工業社製分球式濁度計NDH−20Dによりフィルムの濁度を測定した。
(4)塗布層中金属量測定
蛍光X線分析装置((株)島津製作所社製型式「XRF−1500」)を用いて、フィルムFP法により、単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。なお、本方法での検出限界は、通常1ppm程度である。
蛍光X線分析装置((株)島津製作所社製型式「XRF−1500」)を用いて、フィルムFP法により、単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。なお、本方法での検出限界は、通常1ppm程度である。
(5)離型塗布層中触媒測定
SAICASを用いて、試料フィルムに斜め切削を行い、断面を露出させた。その後、TOF−SIMS(飛行時間型質量分析マススペクトル)を用いて、ポリエステルフィルム塗布層中に含まれる白金を含む触媒量を求めた。
SAICASを用いて、試料フィルムに斜め切削を行い、断面を露出させた。その後、TOF−SIMS(飛行時間型質量分析マススペクトル)を用いて、ポリエステルフィルム塗布層中に含まれる白金を含む触媒量を求めた。
(6)塗布層側表面から抽出されるOLの測定
あらかじめ、未熱処理の離型フィルムを空気中、180℃で10分間加熱する。その後、熱処理をした該フィルムを上部が開いている縦横10cm、高さ3cmの箱の内面にできるだけ密着させて箱形の形状とする。塗布層を設けている場合は塗布層面が内側となるようにする。次いで、上記の方法で作成した箱の中にDMF(ジメチルホルムアミド)4mlを入れて3分間放置した後、DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のOL量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面OL量(mg/m2)とする。
あらかじめ、未熱処理の離型フィルムを空気中、180℃で10分間加熱する。その後、熱処理をした該フィルムを上部が開いている縦横10cm、高さ3cmの箱の内面にできるだけ密着させて箱形の形状とする。塗布層を設けている場合は塗布層面が内側となるようにする。次いで、上記の方法で作成した箱の中にDMF(ジメチルホルムアミド)4mlを入れて3分間放置した後、DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のOL量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面OL量(mg/m2)とする。
DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。標準試料の作成は、あらかじめ分取したOL(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDMFに溶解し作成した。標準試料の濃度は、0.001〜0.01mg/mlの範囲が好ましい。なお、液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
(7)離型フィルムの剥離力(F)の評価
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットした後、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットした後、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
(8)第1、第2離型フィルムの剥離比
剥離力比は、上記(4)で測定した第2離型フィルム剥離力÷第1離型フィルム剥離力を意味する。
○:2.0倍以上である
×:2.0倍よりも低い
剥離力比は、上記(4)で測定した第2離型フィルム剥離力÷第1離型フィルム剥離力を意味する。
○:2.0倍以上である
×:2.0倍よりも低い
(9)発光着色評価
ポリエステルフィルムのUV照射中の着色(発光)強度を目視にて次のような基準で評価した。
○:着色している
△:薄い着色
×:着色していない
ポリエステルフィルムのUV照射中の着色(発光)強度を目視にて次のような基準で評価した。
○:着色している
△:薄い着色
×:着色していない
(10)実用特性
<ポリエステルフィルムの連続製膜性>
ポリエステルフィルムの生産状況より評価した。
○:長時間の生産で問題の発生が見られず、連続しての生産が可能である。
×:生産を継続できない問題が発生し、連続での生産が不可能である。
<ポリエステルフィルムの連続製膜性>
ポリエステルフィルムの生産状況より評価した。
○:長時間の生産で問題の発生が見られず、連続しての生産が可能である。
×:生産を継続できない問題が発生し、連続での生産が不可能である。
<離型フィルムの判別性>
目視により、両面に離型フィルムを設けた基材レス両面粘着シートを観察し、どちらの面に重剥離側の離型フィルムが使用されているか判別した。
○:UV光照射後、重剥離側の離型フィルムが判別できた。
×:UV光照射後、重剥離側の離型フィルムができない。
目視により、両面に離型フィルムを設けた基材レス両面粘着シートを観察し、どちらの面に重剥離側の離型フィルムが使用されているか判別した。
○:UV光照射後、重剥離側の離型フィルムが判別できた。
×:UV光照射後、重剥離側の離型フィルムができない。
<異物検査性>
軽剥離フィルムを剥離し、軽剥離側の粘着剤面をフロート板ガラス(関谷理化株式会社製)に貼り合わせ、偏光をかけて異物の目視検査を行なった。
○:フィルム中の異物が検出できる。
×:異物の検出ができない。
軽剥離フィルムを剥離し、軽剥離側の粘着剤面をフロート板ガラス(関谷理化株式会社製)に貼り合わせ、偏光をかけて異物の目視検査を行なった。
○:フィルム中の異物が検出できる。
×:異物の検出ができない。
<ジッピングの発生状況>
剥離力を測定する時に、粘着剤と離型フィルムの剥離状況を観察し、ジッピングの発生を3段階で評価した。
○:極めて円滑に剥離し、剥離スジがなく、剥離音も発生しない。
△:わずかな剥離スジが見られ、剥離の音がわずかに発生すし、わずかにジッピングが発生する。
×:剥離スジが見られ、剥離の音が発生し、ジッピングが発生する。
剥離力を測定する時に、粘着剤と離型フィルムの剥離状況を観察し、ジッピングの発生を3段階で評価した。
○:極めて円滑に剥離し、剥離スジがなく、剥離音も発生しない。
△:わずかな剥離スジが見られ、剥離の音がわずかに発生すし、わずかにジッピングが発生する。
×:剥離スジが見られ、剥離の音が発生し、ジッピングが発生する。
<第1、第2離型フィルムの剥離性>
軽剥離側の第1離型フィルムを剥がした時の、第2離型層と粘着剤界面の状況により評価した。
○:第2離型層と粘着剤界面に異常が見られない。
△:第2離型層と粘着剤界面で、わずかに浮きが見られるが、実用上問題ないレベルである。
×:第2離型層と粘着剤界面で、明確な浮きが見られる。
軽剥離側の第1離型フィルムを剥がした時の、第2離型層と粘着剤界面の状況により評価した。
○:第2離型層と粘着剤界面に異常が見られない。
△:第2離型層と粘着剤界面で、わずかに浮きが見られるが、実用上問題ないレベルである。
×:第2離型層と粘着剤界面で、明確な浮きが見られる。
<基材レス両面粘着シートの重剥離側の走行中、もしくは、保管後の化合物のブリードアウト発生状況>
工程走行中の化合物の汚染状況を観察し、さらに、シートにした段階でシートの保管状況を観察し、化合物のお膳状況を2段階で評価した。
○:1000m以下の走行で汚染がなく、保管後1週間以上経過すると、汚染し、歩留まりが落ちる
×:1000m以下の走行で汚染があり、保管後1週間以上経過すると、白っぽくなる
工程走行中の化合物の汚染状況を観察し、さらに、シートにした段階でシートの保管状況を観察し、化合物のお膳状況を2段階で評価した。
○:1000m以下の走行で汚染がなく、保管後1週間以上経過すると、汚染し、歩留まりが落ちる
×:1000m以下の走行で汚染があり、保管後1週間以上経過すると、白っぽくなる
(11)総合評価
製膜性、加工性、機能性、等を考慮に入れた評価を行う。次のような基準で判断する。
○:生産しても充分に製品として供給できる。
×:生産性が悪い。光学検査での不具合が多発する。目視透過で、外観が悪い。
性に欠ける。
製膜性、加工性、機能性、等を考慮に入れた評価を行う。次のような基準で判断する。
○:生産しても充分に製品として供給できる。
×:生産性が悪い。光学検査での不具合が多発する。目視透過で、外観が悪い。
性に欠ける。
実施例および比較例で使用したポリエステルは以下のようにして準備したものである。
<ポリエステルAの製造>
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻し、実質的に微粒子を含まないポリエステルAを得た。このポリエステルの固有粘度は0.70であった。
<ポリエステルAの製造>
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻し、実質的に微粒子を含まないポリエステルAを得た。このポリエステルの固有粘度は0.70であった。
<ポリエステルBの製造>
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、平均粒子径1.4μmのシリカ粒子を2.0部含有するエチレングリコールスラリーを反応系に添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻しポリエステルBを得た。得られたポリエステルBのシリカ粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.70であった。
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、平均粒子径1.4μmのシリカ粒子を2.0部含有するエチレングリコールスラリーを反応系に添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻しポリエステルBを得た。得られたポリエステルBのシリカ粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.70であった。
<第1離型フィルム基材の製造>
ポリエステルAを中間層の原料として、表層のポリエステルBと中間層の混合原料を1:9の割合で2台の押出機に各々を供給し、各々290℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出し、冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で4.0倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ38μm(表層1.9μm、中間層34.2μm)の透明ポリエステルフィルムを得た。
ポリエステルAを中間層の原料として、表層のポリエステルBと中間層の混合原料を1:9の割合で2台の押出機に各々を供給し、各々290℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出し、冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で4.0倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ38μm(表層1.9μm、中間層34.2μm)の透明ポリエステルフィルムを得た。
<第2離型フィルム基材の製造>
ポリエステルAと表1の化合物1を98.92:1.08の割合で混合した混合原料を中間層の原料として、表層のポリエステルBと中間層の混合原料を1:9の割合で2台の押出機に各々を供給し、各々290℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出し、冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に2.8倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で5.1倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ50μm(表層2.5μm、中間層45μm)の透明ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、無色透明なフィルムであった。
ポリエステルAと表1の化合物1を98.92:1.08の割合で混合した混合原料を中間層の原料として、表層のポリエステルBと中間層の混合原料を1:9の割合で2台の押出機に各々を供給し、各々290℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出し、冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に2.8倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で5.1倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ50μm(表層2.5μm、中間層45μm)の透明ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、無色透明なフィルムであった。
<離型層>
ポリエステルフィルムの製造で得られた二軸配向ポリエステルフィルムに、下記に示す離型層組成からなる塗料を、塗布量が0.1g/m2(乾燥後)になるように設けて離型フィルムを得た。
・離型層組成1
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 100部
硬化剤(PL−50T: 信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 1500部
・離型層組成2
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 95部
重剥離コントロール剤(SD−7292:東レ・ダウコーニング製) 3部
硬化剤(PL−50T:信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1) 1500部
・離型層組成3
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 95部
重剥離コントロール剤(SD−7292:東レ・ダウコーニング製) 5部
硬化剤(PL−50T:信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1) 1500部
・離型層組成4
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 95部
重剥離コントロール剤(SD−7292:東レ・ダウコーニング製) 10部
硬化剤(PL−50T:信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1) 1500部
・離型層組成5
硬化型シリコーン樹脂(KS−774:信越化学製) 100部
硬化剤(PL−4: 信越化学製) 10部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 1500部
ポリエステルフィルムの製造で得られた二軸配向ポリエステルフィルムに、下記に示す離型層組成からなる塗料を、塗布量が0.1g/m2(乾燥後)になるように設けて離型フィルムを得た。
・離型層組成1
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 100部
硬化剤(PL−50T: 信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 1500部
・離型層組成2
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 95部
重剥離コントロール剤(SD−7292:東レ・ダウコーニング製) 3部
硬化剤(PL−50T:信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1) 1500部
・離型層組成3
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 95部
重剥離コントロール剤(SD−7292:東レ・ダウコーニング製) 5部
硬化剤(PL−50T:信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1) 1500部
・離型層組成4
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 95部
重剥離コントロール剤(SD−7292:東レ・ダウコーニング製) 10部
硬化剤(PL−50T:信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1) 1500部
・離型層組成5
硬化型シリコーン樹脂(KS−774:信越化学製) 100部
硬化剤(PL−4: 信越化学製) 10部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 1500部
実施例1:
<第1離型フィルムの製造>
ポリエステルフィルム1に離型組成1を塗布量が0.1g/m2(乾燥後)になるように設けて第1離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を下記表2に示す。
<第2離型フィルムの製造>
ポリエステルフィルム2に離型組成5を塗布量が0.1g/m2(乾燥後)になるように設けて第1離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を下記表2に示す。
<基材レス両面粘着シートの製造>
得られた第2離型フィルムの離型剤層の上に、アクリル系粘着剤溶液を乾燥後の膜厚が25μmとなるように、アプリケータを用いて塗工した後、その塗工膜を120℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成した。アクリル系粘着剤溶液は、アクリル酸ブチルとアクリル酸とのモノマー基準の質量比が99:1の共重合体溶液(溶媒:トルエン、固形分濃度40質量%)100質量部に、ポリイソシアネート系架橋剤(東洋インキ製造(株)製、商品名「BHS8515」、固形分濃度37.5質量%)1質量部を添加混合して得られたものであった。次いで、第1離型フィルムの離型剤層と粘着剤層とを貼り合わせて実施例1の基材レス両面粘着シートを得た。
得られた基材レス両面粘着シートについて、高圧水銀灯によるUV(ウシオ電気株式会社:UVC−402/1HN:302/1MN:JC01)光照射(181mW/cm2,10m/分,d=100mm)を行い、発光性能を目視評価したところ、顕著な青色発光状態への変化が見られた。得られた結果を表2に示す。
<第1離型フィルムの製造>
ポリエステルフィルム1に離型組成1を塗布量が0.1g/m2(乾燥後)になるように設けて第1離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を下記表2に示す。
<第2離型フィルムの製造>
ポリエステルフィルム2に離型組成5を塗布量が0.1g/m2(乾燥後)になるように設けて第1離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を下記表2に示す。
<基材レス両面粘着シートの製造>
得られた第2離型フィルムの離型剤層の上に、アクリル系粘着剤溶液を乾燥後の膜厚が25μmとなるように、アプリケータを用いて塗工した後、その塗工膜を120℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成した。アクリル系粘着剤溶液は、アクリル酸ブチルとアクリル酸とのモノマー基準の質量比が99:1の共重合体溶液(溶媒:トルエン、固形分濃度40質量%)100質量部に、ポリイソシアネート系架橋剤(東洋インキ製造(株)製、商品名「BHS8515」、固形分濃度37.5質量%)1質量部を添加混合して得られたものであった。次いで、第1離型フィルムの離型剤層と粘着剤層とを貼り合わせて実施例1の基材レス両面粘着シートを得た。
得られた基材レス両面粘着シートについて、高圧水銀灯によるUV(ウシオ電気株式会社:UVC−402/1HN:302/1MN:JC01)光照射(181mW/cm2,10m/分,d=100mm)を行い、発光性能を目視評価したところ、顕著な青色発光状態への変化が見られた。得られた結果を表2に示す。
実施例2〜11:
第2離型フィルムにおいて、表1の化合物の種類、含有量を変更する以外は実施例1と同様の方法でシートを得た。得られた結果をまとめて下記表2〜5に示す。
第2離型フィルムにおいて、表1の化合物の種類、含有量を変更する以外は実施例1と同様の方法でシートを得た。得られた結果をまとめて下記表2〜5に示す。
実施例12:
第2離型基材の製法を変えて、塗布層を追加する以外は、実施例1と同様の方法でシートを得た(下記)。得られた結果をまとめて表5に示す。
<第2離型フィルム基材の製造>
ポリエステルAと表1の化合物1を98.92:1.08の割合で混合した混合原料を中間層の原料として、表層のポリエステルBと中間層の混合原料を1:9の割合で2台の押出機に各々を供給し、各々290℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出し、冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に2.8倍延伸した後、この縦延伸フィルムの両面に、次に下記塗布剤を塗布量(乾燥後)が0.03g/m2になるように塗布した、その後、テンターに導き、横方向に120℃で5.1倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ50μm(表層2.5μm、中間層45μm)の透明ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、無色透明なフィルムであった。ただし、本発明の場合、着色目的で混合した化合物のブリードアウト封止を狙った塗布層(図の24´に該当する)を設ける場合のみ、必要に応じて、縦方向の延伸後に塗布加工をしながら、横方向の延伸を行なうものとする。
第2離型基材の製法を変えて、塗布層を追加する以外は、実施例1と同様の方法でシートを得た(下記)。得られた結果をまとめて表5に示す。
<第2離型フィルム基材の製造>
ポリエステルAと表1の化合物1を98.92:1.08の割合で混合した混合原料を中間層の原料として、表層のポリエステルBと中間層の混合原料を1:9の割合で2台の押出機に各々を供給し、各々290℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出し、冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に2.8倍延伸した後、この縦延伸フィルムの両面に、次に下記塗布剤を塗布量(乾燥後)が0.03g/m2になるように塗布した、その後、テンターに導き、横方向に120℃で5.1倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ50μm(表層2.5μm、中間層45μm)の透明ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、無色透明なフィルムであった。ただし、本発明の場合、着色目的で混合した化合物のブリードアウト封止を狙った塗布層(図の24´に該当する)を設ける場合のみ、必要に応じて、縦方向の延伸後に塗布加工をしながら、横方向の延伸を行なうものとする。
<塗布層>
塗布層24´を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・ケン化度88モル%、重合度350のポリビニルアルコールバインダーポリマー:A
・メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリロニトリル/N−メチロールメタ
アクリルアミド=45/45/5/5(モル比)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界
面活性剤)バインダーポリマー:B
・架橋剤 ヘキサメトキシメラミン架橋剤:C
・粒子 コロイダルシリカ(平均粒径:70nm):D
固形分配合比:A/B/C/D=30/24/42/4
塗布層24´を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・ケン化度88モル%、重合度350のポリビニルアルコールバインダーポリマー:A
・メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリロニトリル/N−メチロールメタ
アクリルアミド=45/45/5/5(モル比)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界
面活性剤)バインダーポリマー:B
・架橋剤 ヘキサメトキシメラミン架橋剤:C
・粒子 コロイダルシリカ(平均粒径:70nm):D
固形分配合比:A/B/C/D=30/24/42/4
実施例13:
実施例7に実施例12の方法で塗布層を追加する方法でシートを得た。得られた結果をまとめて表5に示す。
実施例7に実施例12の方法で塗布層を追加する方法でシートを得た。得られた結果をまとめて表5に示す。
比較例1、3:
第2離型フィルムにおいて、表1の化合物の種類、含有量を変更する、最外層に含有する以外は実施例1と同様の方法でシートを得た。得られた結果をまとめて下記表6に示す。
第2離型フィルムにおいて、表1の化合物の種類、含有量を変更する、最外層に含有する以外は実施例1と同様の方法でシートを得た。得られた結果をまとめて下記表6に示す。
比較例2、4:
比較例1に実施例12の方法で塗布層を追加する方法でシートを得た。得られた結果をまとめて表6に示す。
比較例1に実施例12の方法で塗布層を追加する方法でシートを得た。得られた結果をまとめて表6に示す。
本発明の基材レス両面粘着シートは粘着シートの両面に設けられた離型フィルムの判別が容易であるため、部材を結合する工程での製造ロスを抑えることができ、異物の検査性にも優れるため光学用の基材レス両面粘着シートとして、好適に利用することができる。
10 基材レス両面粘着シート
11 粘着剤層
13 第1離型フィルム基材中間層
14 第1離型フィルム基材最外層
15 第1離型剤層
23 第2離型フィルム基材中間層
24 第2離型フィルム基材最外層
24´第2離型フィルム塗布層
25 第2離型剤層
31 第1離型フィルム(軽剥離シート)
32 第2離型フィルム(重剥離シート)
11 粘着剤層
13 第1離型フィルム基材中間層
14 第1離型フィルム基材最外層
15 第1離型剤層
23 第2離型フィルム基材中間層
24 第2離型フィルム基材最外層
24´第2離型フィルム塗布層
25 第2離型剤層
31 第1離型フィルム(軽剥離シート)
32 第2離型フィルム(重剥離シート)
Claims (5)
- 離型層を有するポリエステルフィルムが離型層を介して粘着層の両面にそれぞれ積層されてなる基材レス両面粘着シートであり、少なくとも一方のポリエステルフィルムが積層構造を有し、当該積層構造中の最外層を除く中間層に多環式芳香族炭化水素系化合物または有機金属キレート錯体を含有することを特徴とする基材レス両面粘着シート。
- 多環式芳香族炭化水素系化合物のポリエステルフィルム中の含有量が0.05〜1.00重量%である請求項1記載の基材レス両面粘着シート。
- 有機金属キレート錯体のポリエステルフィルム中の含有量が0.05〜0.30重量%である請求項1に記載の基材レス両面粘着シート。
- ポリエステルフィルムの両面にポリビニルアルコールを含有する塗布液を塗布して得られた塗布層を有し、一方の塗布層上に離型層を有する請求項1〜3のいずれかに記載の基材レス両面粘着シート。
- 一方の粘着層の面と離型層面との剥離力がもう一方の粘着層の面と離型層面との剥離力の2.0倍以上である請求項1〜4のいずれかに記載の基材レス両面粘着シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013023957A JP2014152279A (ja) | 2013-02-12 | 2013-02-12 | 基材レス両面粘着シート |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013023957A JP2014152279A (ja) | 2013-02-12 | 2013-02-12 | 基材レス両面粘着シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014152279A true JP2014152279A (ja) | 2014-08-25 |
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JP2013023957A Pending JP2014152279A (ja) | 2013-02-12 | 2013-02-12 | 基材レス両面粘着シート |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019107781A (ja) * | 2017-12-15 | 2019-07-04 | 三菱ケミカル株式会社 | 離型フィルム |
-
2013
- 2013-02-12 JP JP2013023957A patent/JP2014152279A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019107781A (ja) * | 2017-12-15 | 2019-07-04 | 三菱ケミカル株式会社 | 離型フィルム |
JP7006225B2 (ja) | 2017-12-15 | 2022-01-24 | 三菱ケミカル株式会社 | 離型フィルム |
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