JP2014152243A - ケイ光イオンセンサー色素 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸収及びケイ光発光波長の調整が容易で、ポリマーやガラス基板などへ固定化するための反応性末端の導入が容易で、イオン認識の際の輝度の減少の低減が可能な新規波長変化型ケイ光イオンセンサー色素を提供する。
【解決手段】ボロンジピロメテン骨格の3位に強い電子供与性のイオン認識部位、5位に芳香環を導入することにより(例、下式)、ケイ光イオンセンサー色素が金属イオン等のカチオンを検知する場合に、明確なケイ光発光波長の違いが観測され、また吸収極大波長とケイ光発光極大波長が離れて励起光ノイズの影響が低減される。
Figure 2014152243

(式中、Arは芳香環を有する基など、R〜Rは水素原子、アルキル基、アリール基など、R及びRはアルキル基、アリール基などを表す。)
【選択図】なし

Description

この発明は、イオン(カチオン)を検知するためのケイ光イオンセンサー色素及びその使用法に関する。
ケイ光イオンセンサー色素は、イオンの種類や有無によって、ケイ光強度や発光波長が変わる色素であり、現在主に細胞内のイオン濃度の変化をケイ光顕微鏡でリアルタイムに高感度観測するためのプローブとして用いられている。
イオン認識部位を持たないボロンジピロメテン(下式)は、モル吸光係数及びケイ光の量子収率が高い優れたケイ光色素であるが、イオンの有無や溶媒極性などの周囲の環境によって吸収及びケイ光スペクトルがほとんど変化しないことが知られている。しかし、ボロンジピロメテンの8位にイオン認識部位を導入した分子は、イオン認識による光誘起電子移動効率の変化により、主にケイ光強度変化型のプローブとなることが知られている。(非特許文献1)
Figure 2014152243
一方、本発明のケイ光イオンセンサー色素と同じように3位にイオン認識部位を導入したボロンジピロメテン誘導体は、イオン認識による分子内電荷移動相互作用の変化により、波長変化型のプローブとなることが知られている(非特許文献2)。
しかし、波長変化型のボロンジピロメテンケイ光イオンセンサー色素を合成するには、ボロンジピロメテンとイオン認識部位を共役系に組み込む必要があり、合成法に制約が多い。
例えば、ジピロメテントリフラートを原料として用いた合成法では、イオン認識部位に対応する原料として、合成の煩雑な芳香族ボロン酸誘導体が必要な上、イオン認識部位連結後に三フッ化ホウ素で処理することが必要な点に問題がある(非特許文献3)。3位にメチル基を有するボロンジピロメテンを原料として用いた合成法では、イオン認識部位に対応する原料として、合成が煩雑なベンズアルデヒド誘導体が必要な上、逆反応で色素が加水分解されやすい点に問題がある(非特許文献4)。3位にクロロ基、5位にメトキシ基を有するボロンジピロメテンを原料として用いた合成法では、合成が容易な1級又は2級アミンをイオン認識部位の原料として用いることができるが、イオン認識部位の導入反応の効率が悪く、センサーとしてもイオン認識によって輝度が大きく減少するイオン種が多い。(非特許文献5)
Chemical Review, 2007, 107, 4891-4932 Chemical Society Review, 2012, 41, 1130-1172 Bulletin of the Chemical Society of Japan, 2013, 86, 37-44 Journal of the American Chemical Society, 2006, 128, 14474-14475 Organic Letters, 2005, 7, 4377-4380
従来ケイ光イオンセンサー色素として用いられているボロンジピロメテン誘導体は、その合成法に起因する共通の問題点として、吸収波長やケイ光波長に大きな影響を与える5位の置換基が限定されるため、励起光源や検出器に合わせた波長の調整が難しく、測定機器の性能を十分生かすことができない。
そこで、本発明は、(1)吸収及びケイ光発光波長の調整が容易で、(2)ポリマーやガラス基板などへ固定化するための反応性末端の導入が容易で、(3)イオン認識の際の輝度の減少の低減が可能な新規波長変化型ケイ光イオンセンサー色素を提供することを目的とした。
本発明者らは、既に(1)ボロンジピロメテンの1、2、6、7、8位の置換基が吸収及びケイ光波長にほとんど影響を与えないこと、(2)3、5位であってもアルキル基は吸収及びケイ光波長にほとんど影響を与えないこと、(3)3、5位への芳香環又は電子供与基の導入が吸収及びケイ光波長の長波長化に有用であることなどを確認していた。
しかし、従来の合成法では、ボロンジピロメテン骨格の3位にイオン認識部位、5位に芳香環を直接結合させることは出来ていなかった。そこで、本発明者らは、鈴木−宮浦クロスカップリング法(Chemical Reviews, 95巻, p2457-2483, 1995年)を利用して、芳香環を介して任意の置換基を5位に導入できる合成法を開発した。さらに、反応の最後の段階で、合成が容易な1級又は2級アミンからなるイオン認識部位を、ボロンジピロメテンの3位に高収率で導入できる合成法を開発した。
その結果、ボロンジピロメテン骨格の3位に強い電子供与性のイオン認識部位、5位に芳香環を導入してケイ光イオンセンサー色素を構成したところ、このケイ光イオンセンサー色素が金属イオンを検知する場合に、明確なケイ光発光波長の違いが観測され、また吸収極大波長とケイ光発光極大波長が離れて励起光ノイズの影響が低減されることなどを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下式
Figure 2014152243
(式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基又は芳香族複素環基を表し、Rはヘテロ原子としてO、S若しくはNを含む芳香族複素環基若しくはPを置換基として有する芳香環を少なくとも2つ含む基又はヘテロ原子としてO、S若しくはNを少なくとも2個含む環状クラウンエーテル基を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で表されるケイ光イオンセンサー色素である。
更に、本発明は、1又は複数の上記ケイ光イオンセンサー色素又は上記ケイ光イオンセンサー材料を、検査すべき1種又は複数種のカチオンと接触させる段階、該1種又は複数種のカチオンに由来するケイ光波長を測定する段階、及び該1種又は複数種のケイ光波長の変化を検出する段階から成る、カチオンを同定又は定量する方法である。
更に、本発明は、検査すべき1種又は複数種のカチオンを含む溶液に、1又は複数の請求項1又は2に記載のケイ光イオンセンサー色素又は請求項3に記載のケイ光イオンセンサー材料を加える段階、該1種又は複数種のカチオンに由来するケイ光波長を測定する段階、及び該1種又は複数種のケイ光波長の変化を検出する段階から成る、カチオンを同定又は定量する方法である。
本願発明のケイ光イオンセンサー色素は、ボロンジピロメテンの5位に任意の芳香環置換基を導入することができるため、吸収及びケイ光発光波長の調整、及び、ポリマーやガラス基板などへ固定化するための反応性末端の容易な導入が可能となる。また、5位にメトキシ基が直結したボロンジピロメテン誘導体に比べ、芳香環の挿入及び電子吸引基の導入により3位へのイオン認識部位の導入反応効率が上げられる上に、Hg2+、Cu2+、Fe2+、Fe3+を認識した場合のケイ光消光を抑制することができる。そのため、本願発明の合成法を用いて、反応の最後の段階で、複数のイオンに対して異なる波長応答をするイオンセンサーを複数提供することが可能になり、これらのイオンセンサーを組み合わせることで、高感度で複数のイオンの同時定量が可能となる。
本願発明のケイ光イオンセンサー色素の誘導体の製法を示す図である。図中の番号は化合物の番号を示す。 タンパク質を本発明の色素化合物でラベル化する反応を示す図である。(1)及び(2)は、アミノ基含有アミノ酸を含むタンパク質、(3)は、チオール基含有アミノ酸を含むタンパク質、(4)は、カルボキシル基含有アミノ酸を含むタンパク質のラベル化方法を示す。 ケイ光イオンセンサー色素のケイ光発光スペクトルを示す図である。(1)は実施例1(化合物7)、(2)は実施例2(化合物9)、(3)は比較例1(化合物11)のものを示す。
本発明で用いるケイ光イオンセンサー色素は下式で表される。
Figure 2014152243
上式中、Rで表される部分は、ヘテロ原子(O、S、P又はN)を含み、イオン(カチオン)を認識する部位である。HSAB(Hard and Soft Acids and Bases)則によれば、硬い塩基であるO又はNを多く含むイオン認識部位は硬い酸であるH、Na、K、Ca2+、Mg2+、Al3+、Fe3+、NO などを、軟らかい塩基であるS又はPを多く含むイオン認識部位は軟らかい酸であるCu2+、Cd2+、Hg2+、Agなどを、中間の塩基であるピリジンなどを多く含むイオン認識部位は中間の酸であるFe2+、Co2+、Ni2+、Zn2+、Pb2+などを捕捉しやすいと考えられる。HSAB則とは、酸及び塩基の相性を、硬い、軟らかい、という表現を使って分類したものであり、一般に軟らかい酸と軟らかい塩基のペアは反応しやすく強い結合を形成し、硬い酸と硬い塩基のペアもまた反応しやすく、強い結合を形成する。
は、(i)ヘテロ原子としてO、S又はNを含む芳香族複素環基を少なくとも2つ含む基、(ii)Pを置換基として有する芳香環を少なくとも2つ含む基、又は(iii)ヘテロ原子としてO、S又はNを少なくとも2個含む環状クラウンエーテル基、好ましくはヘテロ原子としてO、S又はNを含む芳香族複素環基を少なくとも2つ含む基を表す。
芳香族複素環としては、例えば、炭素数が6以下の、ヘテロ原子としてO、S又はNを1〜4個含む単環の芳香族複素環基や、炭素数が10以下のヘテロ原子としてO、S又はNを1〜5個含む二環性の芳香族複素環基が好ましく挙げられる。単環の芳香族複素環基としては、例えば、ピリジル、ピリミジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、フリル、イミダゾリル、ピロリル、フラニル、チオフェニル等が挙げられ、二環性の芳香族複素環基としては、例えば、ベンズイソチアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズフリル、キノリル、イソキノリル、インドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、チエノフラニル、イミダゾチオフェン−イル、イミダゾフラニル等が挙げられ、Pを置換基として有する芳香環としてはトリフェニルホスフィン、1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等が挙げられる。
環状クラウンエーテル基としては、下記の一般式
Figure 2014152243
(当該式は組成比のみ示すもので、その位置を示すものではない。式中、a,b,cはそれぞれ0又は1以上の整数であり、a+b+cは2〜6、好ましくは4〜5である。)で表されるものが挙げられ、例えば、下式のような基が挙げられる。
Figure 2014152243
また、Rは好ましくは、下式で表される。
Figure 2014152243
及びRのうち少なくとも一方、好ましくは両方は、置換基を有していてもよいヘテロ原子としてO、S若しくはNを含む芳香族複素環基若しくはこの芳香族複素環基を有するアルキル基、又はPを置換基として有する芳香環、好ましくは置換基を有していてもよいヘテロ原子としてO、S又はNを含む芳香族複素環基又はこの芳香族複素環基を有するアルキル基を表す。この芳香族複素環基は、上記の芳香族複素環基と同様に定義され、このアルキル基は好ましくは炭素数が1〜4の直鎖アルキル基である。
及びRのうち残りの基は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基である。
このアルキル基としては、炭素数が1〜20の直鎖又は分枝のアルキル基が挙げられる。
このアリール基としては、炭素数が6〜14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、インデニル基、アントリル基、フェナントリル基が挙げられ、好ましくはフェニル基又はα又はβナフチル基であり、より好ましくはフェニル基である。
これらの置換基としては、ハロゲン化されていてもよい炭素数が1〜4のアルキル基やハロゲン原子が挙げられる。
NRは、共同して、環状クラウンエーテルを形成してもよい。環状クラウンエーテルとしては、例えば、上記の環状クラウンエーテルが挙げられる。
は、アリーレン基を表し、nは0又は1を表す。このアリーレン基としては、フェニレン基又はナフチル基が挙げられ、好ましくはフェニレン基である。
〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
このアルキル基、アリール基は、上記(R、Rで挙げたもの)のアルキル基、アリール基を使用できる。置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、又は他分子と連結可能な結合基が挙げられる。
〜Rの中でR(8位)は、アリール基であることが好ましく、特に、オルト位に炭素数が1〜3のアルキル基(例えば、メチル基)などの嵩高い置換基を持つフェニル基が、芳香環の自由回転が抑制されてケイ光量子収率が高いため、好ましい(New J. Chem., 2001, 25, 667-669)。
Arは、芳香環を有する基であり、具体的には、置換基を有していてもよいアリール基又は芳香族複素環基を表す。このアリール基と置換基としては、上記(R、Rで挙げたもの)のアリール基、この芳香族複素環基としては、上記(Rで挙げたもの)の芳香族複素環基を使用できる。芳香族複素環基としては、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、キノリンなどのパイ電子不足芳香環やピリジニウム基、ピリダジニム基、ピリミジニウム、キノリニウムなどのカチオン性芳香環が好ましい。置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、又は他分子と連結可能な結合基が挙げられるが、カルボニル基、スルホニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲンなどの電子吸引性置換基が、イオン捕捉部位の導入反応を加速し、重金属イオンによるケイ光消光を抑制するため、好ましい。
Arとしては、好ましくは、例えば、下式で表される基が挙げられる(以下、Ar(a)〜(e)と呼ぶ。)。これらも、上記Arが有してもよい置換基を有していてもよい。
Figure 2014152243
Ar(a)(b)(c)について:
10は、下記(a)又は(b)で表される。
(a)−O−R12
式中、R12はアルキル基の側鎖を有するアルキル基を表す。R12は、好ましくは−(CH−C(R13で表され、R13は、それぞれ独立して、このうち少なくとも2つはアルキル基、好ましくは炭素数が1〜4の直鎖アルキル基であり、残りは水素原子を表し、oは0〜2の整数を表す。
(b)ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、好ましくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1〜18の直鎖アルキル基。このハロゲン原子は好ましくはフッ素原子である。
Ar(d)について:
11は、ケイ光イオンセンサー色素としての機能には大きく影響しない置換基であって、目的に応じて適当に選択してよいが、例えば、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は他分子と連結可能な結合基を表す。mは1又は2を表す。
Ar(e)について:
Yは、それぞれ独立して、その少なくとも一つは、−N=を表し、残余は−CR17=を表す。R17は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は他分子と連結可能な結合基を表す。このアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
本発明は、ボロンジピロメテンの吸収及びケイ光波長に大きな影響を与える3又は5位に芳香環を導入する方法を提供する。その方法の概略を以下に記載する。
まず、下式
Figure 2014152243
(式中、X及びXは、独立してハロゲン原子を表し、R〜Rは上記で定義したとおりである。)で表されるジピロメテン誘導体を用意する。このハロゲン原子としては塩素原子が好ましい。
次に、芳香環(Ar)を有する芳香族ボロン誘導体として、下式のいずれかの化合物を用意する。
Figure 2014152243
(式中、Arは上記で定義したとおりであり、MはNa又はKを表す。)
これらジピロメテン誘導体と芳香族ボロン誘導体とを反応させる。
反応条件は、以下のとおりである。
温度:室温〜溶媒の沸点の間で可能であるが、50℃〜80℃の間が好ましい
時間:30分〜24時間程度
雰囲気:不活性雰囲気(例えば、窒素又はアルゴン雰囲気)
溶媒:原料を溶解する有機溶媒であれば使用可能であるが、トルエン、クロロホルム、1,2-ジメトキシエタン、DMF、DMSOなどの有機溶媒が好ましい。
各濃度:ジピロメテン誘導体及び芳香族ボロン酸原料共に1pM〜100M程度の幅広い濃度範囲で可能であるが、1mM〜1Mの間の濃度が好ましい。
触媒等:テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどのパラジウム(0)触媒、1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドなどのパラジウム(II)触媒、もしくは、1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-ニッケル(II)ジクロリドなどのニッケル(II)触媒が必須である。また、炭酸ナトリウム、酢酸カリウム、フッ化セシウムなどの塩基を加えることが好ましい。
この反応により、鈴木−宮浦クロスカップリングによって下式
Figure 2014152243
(式中、Ar、X及びR〜Rは上記で定義したとおりである。)で表されるジピロメテン誘導体が得られる。即ち、ボロンジピロメテンの5位に芳香環が導入され、この芳香環を介して任意の置換基をボロンジピロメテンの5位に導入できる。
得られたジピロメテン誘導体は芳香環に結合するハロゲン原子(X)を有するため、非共有電子対を持つ求核試薬による求核置換反応によって、ボロンジピロメテンの3位に容易に様々な他の置換基(例えば、R)を導入することが可能である。
例えば、このジピロメテン誘導体をNHR(式中、R及びRは上記で定義したとおりである。)で表されるアミン化合物と反応させると、上記一般式(化10)で表される化合物が得られる。
Figure 2014152243
反応条件は、以下のとおりである。
温度:室温から溶媒の沸点の間で可能であるが、50℃〜沸点の間が好ましい。
時間:30分〜24時間程度
雰囲気:不活性雰囲気(例えば、窒素又はアルゴン雰囲気)
溶媒:原料を溶解する有機溶媒であれば使用可能であるが、アセトニトリルが好ましい。
各濃度:ジピロメテン誘導体及びアミン原料共に1pM〜100M程度の幅広い濃度範囲で可能であるが、1mM〜1Mの間の濃度が好ましい。
触媒等:触媒は必要ないが、トリエチルアミンなどの3級アミン塩基を加えることが好ましい。
また、上記のR10が(a)−O−R12である色素から、上記R10が下記(c)〜(f)である色素化合物を誘導することができる。
(c)−Y(式中、Yはハロゲン原子を表す。このハロゲン原子としてはフッ素原子又は塩素原子が好ましい。)
(d)−NH(CHNH(式中、aは1〜14、好ましくは1〜4の整数を表す。)
(e)−NH(CHNHCO(CHY(式中、b及びcは独立して1〜14、好ましくは1〜4の整数を表し、Yはハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基を表す。このハロゲン原子としてはフッ素原子又は塩素原子が好ましい。またこのハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜34、好ましくは1〜2のペルフルオロアルキル鎖、例えばペルフルオルメタンが挙げられる。)
(f)−NH(CHCH(式中、dは1〜20、好ましくは1〜4の整数を表す。)
上記のR10が(a)−O−R12である色素(R12がネオペンチル基である化合物を、以下「化合物21」という。)を例として、以下改変の例を説明する。反応を図1に示す。ただし、以下は説明を容易にするために化合物21を用いたが、本発明のこの他の化合物についても同様の反応が可能である。
化合物21(ネオペンチルエステル)は、スルホン酸が保護されているが、テトラメチルアンモニウムクロリド存在下DMF中160℃で攪拌することにより脱保護され、スルホン酸(化合物22)とすることができる(Tetrahedron Letters, vol.38(3),355-358 (1997))。スルホン酸(化合物22)は、5塩化リンと反応させて、酸クロリド(化合物23)に誘導化することができる。酸クロリド(化合物23)は、アミノ基と縮合しやすい。
この酸クロリド(化合物23)に、スルホン酸アミド結合を介して、様々な官能基を導入することもできる。例えば、ジアミン(例えば、エチレンジアミン)を用いて連結して、末端にアミノ基を有する化合物とすることができる(化合物24)。
また、この化合物24をブロモアセチルブロミドなどと反応させて、末端にハロゲン原子を有するハロアセチルアミド体(化合物25)を合成することができる。
さらに、酸クロリド(化合物23)をアルキルアミンと反応させて、アルキル鎖を連結することができる(化合物26)。
一般に、エステルに比べ、酸クロリドや酸アミドの方が電子吸引性は強い。一般に、色素の電子吸引性と電子供与性が強い場合には、吸収極大波長及びケイ光極大波長が共に大きく長波長シフトし、ストークスシフトが大きくなる。
このように、上記の方法で機能性置換基を縮合して、更なる光学特性の向上及びラベル化部位の付与が可能な誘導体とすることができる。この置換基−SO10は、R〜Rとして、又はR〜Rの置換基として、当該色素に導入してもよい。
更に、このような色素化合物を、タンパク質を構成する様々なアミノ酸やヌクレオチドを構成する塩基に連結させることにより、複合体を形成させて、これらをラベル化することができる。その例を図2(1)〜(4)に示す。
(1)上記化合物23(酸クロリド)にジアミン化合物を連結し、酵素(トランスグルタミナーゼ)反応によりタンパク質のアミノ基含有アミノ酸(アスパラギン、グルタミン、リシン、アルギニン等)に連結することができる。その結果、タンパク質を上記R10が下記(g)であるラベル化されたタンパク質とすることができる。
(g)−NH−R14(式中、R14は、アミノ基含有アミノ酸を含むタンパク質から該アミノ基を除いたタンパク質残基、又はポリ若しくはオリゴヌクレオチドの塩基のアミノ基を除いたポリ若しくはオリゴヌクレオチド残基を表す。)
(2)このジアミン化合物を連結した化合物(化合物24)は、酵素(トランスグルタミナーゼ)反応により、タンパク質のアミノ基含有アミノ酸(アスパラギン、グルタミン、リシン、アルギニン等)に連結することができる。その結果、タンパク質を上記R10が下記(h)であるラベル化されたタンパク質とすることができる。
(h)−NH(CHNH−R14(式中、R14は、アミノ基含有アミノ酸を含むタンパク質から、該アミノ基を除いたタンパク質残基を表す。eは、例えば、1〜14、好ましくは1〜4の整数を表す。)
(3)ブロモアセチルブロミドと反応させて色素化合物をチオール基含有アミノ酸(システイン等)に連結することができる。その結果、タンパク質を上記R10が下記(i)であるラベル化されたタンパク質とすることができる。
(i)−NH(CHNHCO(CH−S−R15(式中、R15は、チオール基含有アミノ酸を含むタンパク質から、該チオール基を除いたタンパク質残基を表す。f及びgは、それぞれ、例えば、1〜14、好ましくは1〜4の整数を表す。)
(4)上記化合物24(アミノ末端を持つ色素)と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドなどのカルボジイミドでカルボキシル基を活性化したタンパク質を反応させると、カルボキシル基含有アミノ酸(アスパラギン酸等)に連結することができる。その結果、タンパク質を上記R10が下記(j)であるラベル化されたタンパク質とすることができる。
(j)−NH(CHNHSO−R16(式中、R16は、カルボキシル基含有アミノ酸を含むタンパク質から、該カルボキシル基を除いたタンパク質残基を表す。hは、例えば、1〜14、好ましくは1〜4の整数を表す。)
このほか、水酸基を有するアミノ酸(セリン、トレオニン、チロシン等)はアルデヒド基に誘導することにより、これら化合物と連結させてラベル化することができる。
また、1又は複数の本発明のケイ光イオンセンサー色素を基体に連結して、ケイ光イオンセンサー材料を構成することができる。
このような基体として、タンパク質、ポリペプチド、核酸、脂質、糖、高分子、無機材料等が挙げられる。
このような他分子と連結可能な結合基として、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、チオール基、ジスルフィド基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、スクシンイミジルエステル基、ペンタフルオロフェニルエステル基、マレイミド基等を好ましい例としてあげることができる。なお、これらの基の少なくともいずれかを含む任意の基(例えば、アミノアルキル基等)も結合基として利用することができる。
また、他分子と連結可能な結合基は、上記の置換基−SO10であってもよい。
この結合基は、結合部位を1つに特定するためにも1つであることが好ましいが、2個以上の結合性基を含んでいてもよい。
本発明のケイ光イオンセンサー色素及びケイ光イオンセンサー材料は、イオン(カチオン)を検出することができる。
検出可能なカチオンとしては、H、Li、Na、K、Mg2+、Ca2+、Al3+、Fe3+、Zn2+、Ni2+、Fe2+、Pb2+、NO、Ag、Hg、Hg2+、Cd2+、Cu2+等が挙げられるが、好ましくは金属イオンである。
検出方法としては、イオンセンサー色素溶液と、サンプル溶液又はサンプル固体とを混合して、溶液のスペクトルを測定する方法、イオンセンサー色素を固定化したセンサー材料を直接サンプル溶液と接触させて界面のスペクトルを測定する測定する方法が考えられる。
検出に用いる装置としては、溶液をサンプルセルに導入できる一般的なケイ光光度計の他、センサー材料界面のスペクトルが測定できる光ファイバー型ケイ光検出器又は光導波路型ケイ光分光器を用いることができる。
溶媒は、イオンセンサー色素をそのまま用いる場合は、色素とサンプルの水溶液とを混和できるアセトニトリルなどの水溶性有機溶媒が好ましいが、センサー材料の場合はサンプルの水溶液をそのまま溶媒として用いてもよい。
検出するカチオンの濃度は、センサー色素の検出下限からカチオン自身の光吸収がケイ光検出を妨害しない範囲である10−10〜10−1Mが好ましい。また、溶媒中の色素の濃度としては、センサー色素の検出下限から自己消光を起こさない範囲である10−12〜10−2Mが好ましい。
本発明のケイ光イオンセンサー色素は、特定のカチオンに対して固有のケイ光波長を示すので、カチオン認識前後のケイ光極大波長の強度比から検量線を作成し、イオン(カチオン)濃度を定量することができる。本発明のケイ光イオンセンサー色素は、イオン(カチオン)認識前後で吸収極大波長もシフトするので、2波長で励起したケイ光スペクトルを用いることでより正確にイオン(カチオン)濃度を定量することができる。
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。
合成例1
本合成例では、3及び5位にクロロ基の導入されたボロンジピロメテンジクロロ体(化合物4)を合成した。合成経路を下式(化11)に示す。
Figure 2014152243
2,6-ジメチルベンズアルデヒド(ALDRICH)(3.8g、28.96mmol)をナスフラスコに加え、脱気とN2置換を3回行い、40℃にした。その後ピロール(Wako)(80mL、1158.25mmol)とトリフルオロ酢酸(230μL、2.9mmol)を加え、10分間撹拌した。放冷後、ジクロロメタンで三回抽出し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した後、Na2SO4で乾燥させた。溶媒減圧除去し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で分離精製し、黒色固体(化合物1)(6.45g、91%)を得た。
以下、合成した化合物1(2,2'-((2,6-ジメチルフェニル)メチレン)ビス(1H-ピロール))の分析結果を示す。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 7.94 (br.s, 2H), 7.13-7.09 (m, 1H), 7.04 (d, 2H, J = 8 Hz), 6.68-6.67 (m, 2H), 6.18 (q, 2H, J = 3 Hz), 6.01-5.99 (m, 2H), 2.10 (s, 6H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 137.6, 137.4, 130.8, 129.4, 127.0, 116.1, 108.5, 106.5, 38.6, 20.6; HRMS (ESI) m/z calcd for [M+H]+ C17H18N2H 251.1548; found 251.1542
化合物1(300mg、1.2mmol)をテトラヒドロフラン10mLに溶かし、脱気とN2置換を3回行い、-78℃にする。N−クロロスクシンイミド(336mg、2.52mmol)をテトラヒドロフラン10mLに溶かしたものを加え、4時間撹拌した。室温に戻した後、ジクロロメタンで三回抽出し、水と飽和食塩水三回洗浄した後、Na2SO4で乾燥させた。溶媒減圧除去し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=15:1)で分離精製し、黒色固体(化合物2)(250.2mg、65%)を得た。
以下、合成した化合物2(5,5'-((2,6-ジメチルフェニル)メチレン)ビス(2-クロロ-1H-ピロール))の分析結果を示す。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 7.75 (br.s, 2H), 7.16-7.14 (m, 1H), 7.06 (d, 2H, J = 8 Hz), 5.99-5.97 (m, 2H), 5.91-5.89 (m, 2H), 2.14 (s, 6H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 137.5, 135.9, 129.6, 129.5, 127.4, 112.6, 107.8, 106.4, 38.7, 20.7; HRMS (ESI) m/z calcd for [M]+ C17H15Cl2N2 317.0612; found 317.0619
化合物2(960mg、3.01mmol)をジクロロメタン30mLに溶かし、p-クロラニル(813mg、3.31mmol)をジクロロメタン100mLに溶かしたものを加え、室温で一時間撹拌した。溶媒減圧除去し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、黒色固体(化合物3)(742.4mg、78%)を得た。
以下、合成した化合物3((Z)-2-クロロ-5-((5-クロロ-2H-ピロール-2-イリデン)(2,6-ジメチルフェニル)メチル)-1H-ピロール)の分析結果を示す。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 7.23 (t, 1H, J = 8 Hz), 7.09 (d, 2H, J = 8 Hz), 6.30 (d, 2H, J = 4 Hz), 6.19 (d, 2H, J = 4 Hz), 2.11 (s, 6H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 141.2, 138.3, 138.0, 136.9, 134.2, 128.4, 128.2, 127.0, 117.0, 19.9; HRMS (ESI) m/z calcd for [M+H]+ C17H14Cl2N2H 317.0612; found 317.0610
化合物3(740mg、2.33mmol)をトルエン80mLに溶かし、脱気とN2置換を3回行い、TEA(2.2mL、16.05mmol)を加え、70℃で撹拌した。BF3?Et2O(3mL、24.07mmol)を滴下し、130℃で二時間撹拌した。室温に戻した後、ジクロロメタンで三回抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水と飽和食塩水で三回洗浄した後、Na2SO4で乾燥させた。溶媒減圧除去し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、黒色固体(化合物4)(636.5mg、75%)を得た。
以下、合成した化合物4(3,5-ジクロロ-8-(2', 6'-ジメチルフェニル)-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)の分析結果を示す。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 7.29 (t, 1H, J = 8 Hz), 7.13 (d, 2H, J = 8 Hz), 6.59 (d, 2H, J = 4 Hz), 6.37 (d, 2H, J = 4 Hz), 2.14 (s, 6H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 144.9, 143.4, 136.6, 133.7, 130.9, 130.0, 129.2, 127.4, 118.9, 20.0; HRMS (ESI) m/z calcd for [M]+ C17H13BCl2F2N2 364.0517; found 364.0533
合成例2
本合成例では、合成例1で得た化合物4を用いて、電子吸引性の官能基を持つ芳香環を5位に導入したイオンセンサー色素(化合物7)を合成した。合成経路を下式(化12)に示す。
Figure 2014152243
文献(特開2008-291210)に記載の方法で合成した4-Bromo-benzenesulfonic acid 2,2-dimethylpropyl ester(520mg、1.7mmol)とビスネオペンチルグリコールジボロン(470mg、2.08mmol)、酢酸カリウム(518mg、5.28mmol)、PdCl2(dppf)(39mg、0.048mmol)をDMSOに溶かし、脱気とN2置換を3回行い、90℃で一時間撹拌した。室温に戻した後、Milli-Q、三回抽出した。溶媒減圧除去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で分離精製し、白色固体(化合物5)(404mg、70.2%)を得た。
以下、合成した化合物5(4-(5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボリナン−2−イル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチルエステル)の分析結果を示す。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 7.96 (d, 2H, J = 8 Hz), 7.86 (d, 2H, J = 8 Hz), 3.79 (s, 4H), 3.66 (s, 2H), 1.04 (s, 6H), 0.88 (s, 9H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 137.3, 134.3, 126.6, 79.6, 72.4, 52.9, 31.9, 31.6, 26.0, 21.8; HRMS (ESI) m/z calcd for [M]+ C16H25BO5S 340.1516; found 340.151
化合物5(100mg、0.29mmol)と化合物4(128mg、0.35mmol)、Pd(PPh3)4(16.7mg、0.0145mmol)、フッ化セシウム(132mg、0.87mmol)をトルエン10mlに溶かし、脱気とN2置換を3回行い、60℃で3時間撹拌した。室温に戻した後、ジクロロメタンで三回抽出し、Milli-Qで三回洗浄した後、Na2SO4で乾燥させた。溶媒減圧除去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で分離精製し、赤色固体(化合物6)(121mg、75%)を得た。
以下、合成した化合物6(3-クロロ-5-(4'-(ネオペンチロキシスルホニル)フェニル) -8-(2', 6'-ジメチルフェニル)-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)の分析結果を示す。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 8.13 (d, 2H, J = 8 Hz), 8.00 (d, 2H, J = 8 Hz), 7.32 (t, 1H, J = 8 Hz), 7.17 (d, 2H, J = 8 Hz), 6.71 (d, 1H, J = 4 Hz), 6.66-6.64 (m, 2H), 6.40 (d, 1H, J = 4 Hz), 3.77 (s, 2H), 2.19 (s, 6H), 0.94 (s, 9H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 137.0, 136.6, 136.5, 130.2, 130.1, 130.0, 129.9, 129.9, 129.2, 128.5, 128.0, 127.7, 127.4, 119.3, 79.9, 79.8, 31.7, 26.0, 26.0, 26.0, 20.1; HRMS (ESI) m/z calcd for [M]+ C28H28BClF2N2O3S 556.1570; found 556.1587
化合物6(55mg、0.098mmol)と2,2'-ジピコリルアミン(26μl、0.147mmol)、トリエチルアミン0.5mLをアセトニトリル15mlに溶かした後、脱気とN2置換を3回行い、80℃で3時間撹拌した。室温に戻した後、酢酸エチルで三回抽出し、Milli-Qで三回洗浄した後、Na2SO4で乾燥させた。溶媒減圧除去した後、アルミナカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で分離精製し、赤色固体(化合物7)(57mg、80%)を得た。
以下、合成した化合物7(3-(4'-(ビス(ピリジン-2-イルメチル)アミノ)フェニル)-5-(4'-(ネオペンチロキシスルホニル)フェニル)-8-(2', 6'-ジメチルフェニル)-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)の分析結果を示す。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 8.54 (d, 2H, J = 4 Hz), 8.01 (d, 2H, J = 9 Hz), 7.84 (d, 2H, J = 9 Hz), 7.64 (td, 2H, J = 8, 1.8 Hz), 7.33 (d, 2H, 8 Hz), 7.24 (t, 1H, J = 8 Hz), 7.18 (m, 2H, J = 1, 5 Hz), 7.11 (d, 1H, J = 7 Hz), 6.58 (d, 1H, J = 5 Hz), 6.45 (d, 1H, J = 4 Hz), 6.3 (d, 1H, J = 5 Hz), 6.15 (d, 1H, J = 4 Hz), 5.21 (s, 4H), 3.69 (s, 2H) 2.18 (s, 6H), 0.88 (s, 9H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 164.1, 156.2, 149.6, 149.6, 149.6, 144.6, 140.1, 137.6, 137.0, 137.0, 135.4, 135.4, 134.3, 134.0, 133.7, 133.6, 131.2, 129.5, 129.5, 129.4, 128.5, 128.5, 127.5, 127.5, 127.4, 127.3, 122.8, 122.1, 119.0, 116.9, 116.2, 79.7, 58.1, 58.0, 57.9, 31.9, 26.3, 26.2, 20.4; HRMS (ESI) m/z calcd for [M+H]+ C40H41BF2N5O3S 720.2991; found 720.29962
合成例3
本合成例では、合成例1で得た化合物4を用いて、電子供与性の官能基を持つ芳香環を5位に導入したイオンセンサー色素(化合物9)を合成した。合成経路を下式(化13)に示す。
Figure 2014152243
化合物4(50mg、0.137mmol)と4-メトキシフェニルボロン酸(26mg、0.171mmol)、Pd(PPh3)4(8mg、0.006mmol)、フッ化セシウム(60mg、0.393mmol)をトルエン10mlに溶かし、脱気とN2置換を3回行い、80℃で3時間撹拌した。室温に戻した後、ジクロロメタンで三回抽出し、Milli-Qで三回洗浄した後、Na2SO4で乾燥させた。溶媒減圧除去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で分離精製し、紫色固体(化合物8)(9mg、15%)を得た。
以下、合成した化合物8(3-クロロ-5-(4'-メトキシフェニル)-8-(2', 6'-ジメチルフェニル)-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)の分析結果を示す。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 8.01 (d, 2H, J = 9 Hz), 7.29 (t, 1H, J = 8 Hz), 7.14 (d, 2H, J = 8 Hz), 7.02 (d, 2H, J = 9 Hz), 6.68 (d, 1H, J = 4 Hz), 6.66 (d, 1H, J = 4 Hz), 6.47 (d, 1H, J = 4 Hz), 6.30 (d, 1H, J = 4 Hz), 3.89 (s, 3H), 2.19 (s, 6H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 161.3, 136.8, 136.8, 132.1, 131.3, 131.3, 131.2, 131.2, 128.8, 127.6, 127.2, 127.2, 127.0, 127.0, 124.1, 121.7, 121.7, 121.7, 117.2, 117.2, 113.9, 55.3, 55.3, 29.7, 20.1; HRMS (ESI) m/z calcd for [M+Na]+ C24H20BClF2N2ONa 458.1270; found 458.12626
化合物8(40mg、0.027mmol)と2,2'-ジピコリルアミン(30μl、0.167mmol)、トリエチルアミン0.05mLをアセトニトリル10mlに溶かした後、脱気とN2置換を3回行い、80℃で3時間撹拌した。室温に戻した後、酢酸エチルで三回抽出し、Milli-Qで三回洗浄した後、Na2SO4で乾燥させた。溶媒減圧除去した後、アルミナカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で分離精製し、赤色固体(化合物9)(16mg、24%)を得た。
以下、合成した化合物9(3-(4'-(ビス(ピリジン-2-イルメチル)アミノ)フェニル)-5-(4'-メトキシフェニル)-8-(2', 6'-ジメチルフェニル)-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)の分析結果を示す。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 8.52 (d, 2H, J = 5 Hz), 7.81 (d, 2H, J = 9 Hz), 7.63 (td, 2H, J = 8, 2 Hz), 7.38 (d, 2H, J = 8 Hz), 7.22 (t, 1H, J = 8 Hz), 7.17 (t, 2H, J = 6 Hz), 7.10 (d, 2H, J = 8 Hz), 6.91 (d, 1H, J = 9 Hz), 6.50 (d, 1H, J = 5 Hz), 6.34 (d, 1H, J = 4 Hz), 6.18 (d, 1H, J = 4 Hz), 6.15 (d, 1H, J = 5 Hz), 5.17 (s, 4H), 3.83 (s, 3H), 2.19 (s, 6H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 159.0, 156.6, 149.2, 137.4, 136.7, 133.7, 132.6, 132.0, 130.7, 130.3, 130.2, 130.2, 128.6, 128.0, 127.0, 126.9, 122.3, 121.9, 120.2, 116.1, 113.8, 113.2, 68.1, 57.8, 57.8, 57.7, 55.1, 38.7, 30.3, 29.7, 28.9, 23.7, 20.1, 20.1, 14.0, 11.0; HRMS (ESI) m/z calcd for [M+Na]+ C36H32BF2N5ONa 622.2566; found 622.25559
合成例4
本合成例では、合成例1で得た化合物4を用いて、非特許文献4記載の合成法により、5位に電子供与性のメトキシ基が直結したイオンセンサー色素(化合物11)を合成した。合成経路を下式(化14)に示す。
Figure 2014152243
ナスフラスコに化合物4(50mg、0.137mmol)を加え、脱気とN2置換を3回行い、メタノールを加えた。ナトリウムメトキシド(7.4mg、0.137mmol)をメタノールに溶かしたものを滴下した。室温で30分撹拌した後、ジクロロメタンで三回抽出し、Milli-Qで三回洗浄した後、Na2SO4で乾燥させた。溶媒減圧除去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で分離精製し、赤色固体(化合物10)(48mg、96%)を得た。
以下、合成した化合物10(3-クロロ-5-メトキシ-8-(2', 6'-ジメチルフェニル)-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)の分析結果を示す。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 7.27 (t, 1H, J = 4 Hz), 7.11 (d, 2H, J = 8 Hz), 6.7 (d, 1H, J = 5 Hz), 6.3 (d, 1H, J = 4 Hz), 6.21 (d, 1H, 4 Hz), 6.12 (d, 1H, J = 1 Hz), 4.15 (s, 3H), 2.12 (s, 6H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 169.4, 139.3, 136.9, 136.8, 133.7, 131.8, 131.5, 130.1, 128.8, 127.2, 124.6, 115.4, 104.8, 60.3, 59.2, 21.0, 19.9, 14.2; HRMS (ESI) m/z calcd for [M+Na]+ C18H26BClF2N2NaO 383.091; found 383.09075
化合物10(79mg、0.22mmol)と2,2'-ジピコリルアミン(60μl、0.33mmol)、トリエチルアミン0.05mLをアセトニトリル20mlに溶かした後、脱気とN2置換を3回行い、80℃で3時間撹拌した。室温に戻した後、酢酸エチルで三回抽出し、Milli-Qで三回洗浄した後、Na2SO4で乾燥させた。溶媒減圧除去した後、アルミナカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:4)で分離精製し、赤色固体(化合物11)(12mg、10%)を得た。
以下、合成した化合物11(3-(4'-(ビス(ピリジン-2-イルメチル)アミノ)フェニル)-5-メトキシ-8-(2', 6'-ジメチルフェニル)-4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン)の分析結果を示す。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 8.51 (d, 2H, J = 5 Hz), 7.65 (td, 2H, J = 8, 1 Hz), 7.46 (d, 2H, J = 8 Hz), 7.20 (t, 1H, J = 8 Hz), 7.16 (td, 2H, J = 6, 1 Hz), 7.07 (d, 1H, J = 8 Hz), 6.4 (d, 1H, J = 5 Hz), 6.2 (d, 1H, J = 4 Hz), 6.02 (d, 1H, J = 5 Hz), 5.66 (d, 1H, J = 4 Hz), 3.98 (s, 3H), 2.15 (s, 6H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ 161.6, 156.9, 149.1, 137.5, 136.7, 133.1, 131.2, 131.2, 128.0, 127.0, 122.2, 121.9, 111.4, 95.0, 58.1, 57.8, 57.7, 57.7, 57.7, 29.7, 20.0; HRMS (ESI) m/z calcd for [M+H]+ C30H29BF2N5O 524.2433; found 524.24352
実施例1、2、比較例1
合成例2〜4で得た化合物7、9及び11のアセトニトリル溶液(濃度1μM)、及び、大過剰のAl3+、Cd2+、Co2+、Cr3+、Cu2+、Fe2+、Fe3+、Hg2+、Mg2+、Mn2+、Na+、Ni2+、Pb2+、Zn2+各金属イオンの過塩素酸塩を加えた溶液(濃度500μM)を用意した。
これを1cm角の石英セル容器に入れ、室温で紫外可視分光光度計(日本分光,V-630)を用いて吸収スペクトルを測定した。表1にその吸収極大を示す。
Figure 2014152243
*表中「*1」は、イオン自体の吸収に重なってピークが検出できなかったことを示す。
次に、これらの溶液について、分光ケイ光光度計(日本分光,FP-6600)を用いて、化合物7については500nmで、化合物9については520nmで、化合物11については535nmで励起し、室温でケイ光発光スペクトルを測定した。表2にケイ光発光極大波長を示し、Cd2+、Cu2+、Fe2+、Fe3+、Hg2+、Zn2+各金属イオンの各溶液のケイ光発光スペクトルをそれぞれ図3に示す。
Figure 2014152243
*表中「*2」は、ケイ光強度が極めて弱く、励起光ノイズに隠れて極大波長が検出不能であったことを示す。
化合物11(図3(3))では、(1)イオン認識部位の導入反応の収率がわずか10%で非常に低いこと、(2)Hg2+、Cu2+、Fe2+、Fe3+を認識した場合、効率的なケイ光消光が起こりケイ光波長シフトがほとんど観測されなかったこと、(3)Zn2+とCd2+を認識した場合でも、両者のケイ光発光波長に明確な差がなく、しかも、吸収極大波長とも接近しているため、励起光ノイズとも識別しにくいことなどの問題がある。
化合物11のボロンジピロメテンとメトキシ基の間にp−フェニレン基が挿入された構造を持つ化合物9(図3(2))では、(1)イオン認識部位の導入反応の収率が24%と向上したこと、(2)Hg2+を認識した場合でも明確なケイ光発光が観測されたこと、(3)Zn2+とCd2+を認識した場合に、明確なケイ光発光波長の違いが観測されたこと、(4)吸収極大波長とケイ光発光極大波長が離れており励起光ノイズの影響が低減されたことなどの有利な効果がある。
さらに、化合物9の電子供与基であるメトキシ基を、電子吸引基であるスルホニル基に置き換えた構造を持つ化合物7(図3(1))では、(1)イオン認識部位の導入反応の収率が80%と大幅に向上したこと、(2)Cu2+、Fe2+、Fe3+を認識した場合でも明確なケイ光発光が観測され、Fe2+とFe3+イオンが明確なケイ光発光波長の違いとして識別できることなど更に有利な効果がある。
以上の結果から、化合物7及び9は、イオンの種類によって固有の吸収及びケイ光発光極大波長を示す波長変化型ケイ光イオンセンサーであり、化合物11は、このようなケイ光イオンセンサーではないことが分かる。

Claims (7)

  1. 下式
    Figure 2014152243
    (式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基又は芳香族複素環基を表し、Rはヘテロ原子としてO、S若しくはNを含む芳香族複素環基若しくはPを置換基として有する芳香環を少なくとも2つ含む基又はヘテロ原子としてO、S若しくはNを少なくとも2個含む環状クラウンエーテル基を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で表されるケイ光イオンセンサー色素。
  2. 前記Arが、下式のいずれかの基である請求項1に記載のケイ光イオンセンサー色素。
    Figure 2014152243
    (式中、R10は、−O−R12(式中、R12はアルキル基の側鎖を有するアルキル基を表す。)又はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を表し、R11は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は他分子と連結可能な結合基を表し、mは1又は2を表し、Yは、それぞれ独立して、その少なくとも一つは、−N=を表し、残余は−CR17=(式中、R17は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は他分子と連結可能な結合基を表す。)を表す。)
  3. 1又は複数の請求項1又は2に記載のケイ光イオンセンサー色素を基体に連結してなるケイ光イオンセンサー材料。
  4. 1又は複数の請求項1又は2に記載のケイ光イオンセンサー色素又は請求項3に記載のケイ光イオンセンサー材料を、検査すべき1種又は複数種のカチオンと接触させる段階、該1種又は複数種のカチオンに由来するケイ光波長を測定する段階、及び該1種又は複数種のケイ光波長の変化を検出する段階から成る、カチオンを同定又は定量する方法。
  5. 検査すべき1種又は複数種のカチオンを含む溶液に、1又は複数の請求項1又は2に記載のケイ光イオンセンサー色素又は請求項3に記載のケイ光イオンセンサー材料を加える段階、該1種又は複数種のカチオンに由来するケイ光波長を測定する段階、及び該1種又は複数種のケイ光波長の変化を検出する段階から成る、カチオンを同定又は定量する方法。
  6. 下式
    Figure 2014152243
    (式中、X及びXは、独立してハロゲン原子を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で表されるジピロメテン誘導体を、下式
    Figure 2014152243
    (式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基又は芳香族複素環基を表し、MはNa又はKを表す。)のいずれかで表される芳香族ボロン誘導体と反応させることから成る、下式
    Figure 2014152243
    (式中、Ar、X及びR〜Rは上記で定義したとおりである。)で表されるジピロメテン誘導体の製法。
  7. 請求項6で得られたジピロメテン誘導体をNHR(式中、R及びRのうち少なくとも一方は、置換基を有していてもよいヘテロ原子としてO、S若しくはNを含む芳香族複素環基若しくはこの芳香族複素環基を有するアルキル基、又はPを置換基として有する芳香環を表し、R及びRのうち残りの基は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で表されるアミン化合物と反応させる段階から成る下式
    Figure 2014152243
    (式中、Ar、R〜R、R及びRは上記で定義したとおりである。)で表されるジピロメテン誘導体の製法。
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