JP5437615B2 - ケイ光ソルバトクロミック色素 - Google Patents

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Description

この発明は、溶媒の極性により発光波長(即ち、発光色)が変わるケイ光ソルバトクロミック(solvatochromic)色素及びその使用法に関する。
酸化反応などによって生じた励起状態から発光する化学発光色素は、ケイ光色素と異なり励起光ノイズが生じないため、より高感度に検出することができる。しかし、ケイ光色素と比べてその種類や機能は少ない。一方、ケイ光色素は、ただ単に光るだけではなく、分子周囲の環境に応答してケイ光の強度や波長が変化するものも開発されている。特に波長が変化するケイ光色素は、複数波長のケイ光強度比から、測定機器の調子や色素の退色による影響を軽減した定量性の高い測定結果を得ることができる。
一方、本発明者らは、優れたケイ光色素であるボロンジピロメテン誘導体に、ルミノールの類縁体であるフタルヒドラジドを直結することで、優れた発光特性を維持したまま化学発光機能を付与することができることを見出している(特許文献1、2)。
特開2006-306752 特開2007-238489
本発明は、高い定量性を持つケイ光ソルバトクロミック色素に、極めて高い感度を有する化学発光機能を付与して、高い定量性と感度を両立した化学発光特性を持つケイ光ソルバトクロミック色素を提供することを課題とする。
ケイ光ソルバトクロミック色素は、主に2種類の原料を縮環することにより合成できるが、その合成は困難であり、合成できたとしてもケイ光ソルバトクロミズムを示すとは限らない。そこで、本発明者らは、色素母骨格(チオフェン骨格又はフラン骨格)、電子供与部位及び電子吸引部位を別々に合成して、鈴木−宮浦クロスカップリング法(Chemical Reviews, 95巻, p2457-2483, 1995年)を利用してこれらを直結することにより、様々なチオフェン誘導体又はフラン誘導体を合成した。
特に、本発明の、電子吸引部位にフタラジン骨格を有するチオフェン誘導体は、その電子吸引部位が化学発光部位としての性能も併せ持ち、ソルバトクロミック特性と化学発光特性の両方を持つことができることが分かった。
即ち、本発明は、下式
Figure 0005437615
(式中、Xは酸素原子(−O−)又は硫黄原子(−S−)を表し、
mは1〜4の整数を表し、nは1又は2を表し、
は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は他分子と結合可能な結合基を表し、
〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、1級又は2級のアミノ基、又は炭素数が1〜4のアルキル基を表し、
及びRは、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アミノ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子を表し、但し、R及びRは共同して芳香族若しくはエーテル結合を含んでもよい脂肪族の5、6又は8員環を形成してもよく、R及びRは、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子又はアルキル基を表し、R及びR10は、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、但し、R及びRは共同して芳香族若しくは脂肪族の5員環又は6員環を形成してもよく、R及びR10は共同して芳香族若しくは脂肪族の5員環又は6員環を形成してもよい。)で表されるケイ光ソルバトクロミック色素である。
本願発明のケイ光ソルバトクロミック色素は、分子周辺の溶媒極性によって色の変わる色素であり、脂質、タンパク質、核酸などに連結することができるため、生体分子などの微視的環境の変化をケイ光顕微鏡でリアルタイムに高感度観測するためのプローブとして用いることができる。
本発明で用いるケイ光ソルバトクロミック色素は下式で表される。
Figure 0005437615
Xは酸素原子(−O−)又は硫黄原子(−S−)を表す。
色素母骨格として、チオフェン骨格又はフラン骨格を用意して、鈴木−宮浦クロスカップリング法で電子供与部位及び電子吸引部位を連結することにより、電子吸引部位(又は化学発光部位)としてスルホン酸を持つチオフェン誘導体やフラン誘導体を容易に合成することができる。
また、色素母骨格として、複数のチオフェン骨格又はフラン骨格を含んでもよく、mは1〜4、好ましくは1又は2の整数を表す。
は、ケイ光ソルバトクロミック色素としての機能には大きく影響しない置換基であって、目的に応じて適当に選択してよいが、例えば、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は他分子と結合可能な結合基を表す。
本発明のケイ光ソルバトクロミック色素は、この結合基を介して他の化合物に結合させることができ、例えば、タンパク質、ポリペプチド、核酸、脂質、糖等の生体関連物質に結合されることができる。
このような結合基として、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、チオール基、ジスルフィド基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、スクシンイミジルエステル基、ペンタフルオロフェニルエステル基、マレイミド基等を好ましい例としてあげることができる。なお、これらの基の少なくともいずれかを含む任意の基(例えば、アミノアルキル基等)も結合基として利用することができる。この結合基は、1つあれば足り、また、結合部位を1つに特定するためにも1つであることが通常 好ましいが、2個以上の結合性基を含んでいてもよい。
また、この結合基(R)は、下記(a)〜(e)のいずれかであってもよい:
(a)−O−R11
式中、Rはアルキル基の側鎖を有するアルキル基を表す。R11は、好ましくは−(CH−C(R12で表され、R12は、それぞれ独立して、このうち少なくとも2つはアルキル基、好ましくは炭素数が1〜4の直鎖アルキル基であり、残りは水素原子を表し、oは0〜2の整数を表す。
が(a)−O−R11である色素から、Rが下記(b)〜(e)である色素化合物を誘導することができる。
(b)−Y(式中、Yはハロゲン原子を表す。このハロゲン原子としてはフッ素原子又は塩素原子が好ましい。)
(c)−NH(CHNH(式中、pは1〜14、好ましくは1〜4の整数を表す。)
(d)−NH(CHNHCO(CHY(式中、q及びrは独立して1〜14、好ましくは1〜4の整数を表し、Yはハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基を表す。このハロゲン原子としてはフッ素原子又は塩素原子が好ましい。またこのハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜34、好ましくは1〜2のペルフルオロアルキル鎖、例えばペルフルオルメタンが挙げられる。)
(e)−NH(CHCH(式中、sは1〜20、好ましくは1〜4の整数を表す。)
nは1又は2の整数を表す。
及びRは、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アミノ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子を表す。このアルコキシ基、アシルアミノ基及びアルキル基の炭素数はそれぞれ好ましくは1〜20、より好ましくは1〜4である。また、ハロゲン原子は、好ましくは、塩素原子又はフッ素原子である。
及びRとしては電子供与基が好ましい。このような電子供与基としては、例えば、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルキル基、アミノ基又はヒドロキシ基、好ましくは、アルコキシ基、アルキル基又はヒドロキシ基が挙げられる。
また、R及びRは共同して芳香族若しくはエーテル結合を含んでもよい脂肪族の5、6又は8員環を形成してもよい。例えば、同一のチオフェン環又はフラン環上のR及びRは、共同して芳香族若しくはエーテル結合(−O−)を含んでもよい脂肪族の5員環又は6員環を形成してもよいし、更に、mが2以上の場合、あるチオフェン環又はフラン環上のR又はRは、隣接するチオフェン環又はフラン環上のR又はRと共同して、芳香族若しくはエーテル結合(−O−)を含んでもよい脂肪族の5、6又は8員環を形成してもよい。
及びRは、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子又はアルキル基を表す。このアルキル基は好ましくは炭素数が1〜4のアルキル基である。
及びR10は、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。このアルキル基は好ましくは炭素数が1〜4のアルキル基であり、置換基としては水酸基、アミノ基、チオール基、スルホン酸基などが挙げられる。
但し、R及びRは共同して窒素原子を含む芳香族若しくは脂肪族の5員環又は6員環を形成してもよく、R及びR10は共同して窒素原子を含む芳香族若しくは脂肪族の5員環又は6員環を形成してもよい。
このような色素化合物を、タンパク質を構成する様々なアミノ酸やヌクレオチドを構成する塩基に結合させることにより、複合体を形成させて、これらをラベル化することができる。
このような色素複合体では、色素の周辺の極性変化を知ることができるため、例えば、以下のような用途に用いることができる。
(1)バイオイメージング用ケイ光色素の分野で、生体膜プローブとして有用である。即ち、アルキル鎖などの脂質分子に連結し、局所的な環境に応答してケイ光色が変化する分子膜プローブに利用することができる。合成法としては、スルホン酸クロリド体に、末端にアミノ基を持つアルキルなどの脂質分子と反応させて目的のプローブを得ることができる。この分子は、親水環境では長波長、疎水環境では短波長のケイ光を発するため、細菌細胞膜の検出・抗菌作用の評価・ドラッグデリバリーシステムの評価など生体膜ダイナミクスの高感度リアルタイム計測に用いることができる。また、化学発光性を持つチオフェン誘導体を用いて化学発光で検出した場合、感度を下げる大きな要因となる励起光ノイズが生じないため、蛍光顕微鏡では検出できない微量物質もしくはわずかな環境変化を識別することができる。
(2)イムノアッセイ(免疫測定法)の分野で、抗原・抗体反応の高感度検出に有用である。即ち、抗原又は抗体の特定のアミノ酸残基にラベル化して、抗原抗体反応を高感度かつ高定量的に測定できるプローブとして利用することができる。抗原抗体認識部位の近傍の特定のアミノ酸部位にラベル化することができれば、反応前はタンパク表面に露出しているので長波長の、反応後は疎水場に取り込まれるので短波長のケイ光を発すると考えられる。ケイ光ソルバトクロミック色素は、特定の置換基の認識を必要としないので、さまざまな抗原抗体反応に汎用的に用いることができる。また、ケイ光ソルバトクロミック色素は、複数波長のケイ光を発するので、波長の強度比を算出することにより抗原抗体反応を高定量的に検出することができる。また、化学発光性を持つチオフェン誘導体を用いて化学発光で検出した場合、感度を下げる大きな要因となる励起光ノイズが生じないため、蛍光分光器では検出できない微量のタンパク質を定量することができる。さらに、極性環境の異なる発光酵素(ペルオキシターゼ)と組み合わせることで、ラベル化した発光酵素の種類によって異なる発光シグナルを得ることができる化学発光酵素イムノアッセイ(CLEIA)が可能となり、臨床応用可能な高感度かつ高定量性の検査法を提供することができる。
(3)一塩基多型の検出においては、特定部位の塩基配列をケイ光色で高感度に識別するプローブとして利用できる。例えば、スルホン酸クロリド体に、核酸中の塩基から適切なスペーサー(例えば、メチレン鎖)を介して末端にアミノ基を持つ誘導体を反応させると、塩基の近傍をケイ光ラベル化することができる。既法により核酸アミダイトを合成し、固相合成により任意の塩基配列に組み込んだ核酸ポリマーを合成する。この任意の配列に、完全に相補的な核酸ポリマーをハイブリタイゼーションすれば、疎水場が形成されるのでケイ光は短波長であるが、塩基対のミスマッチが色素の近傍に存在すれば親水性が増すのでケイ光が長波長になり、塩基配列の識別がケイ光色によって高感度に識別できる。また、化学発光性を持つチオフェン誘導体を用いて化学発光で検出した場合、感度を下げる大きな要因となる励起光ノイズが生じないため、蛍光分光器では検出できない微量の核酸を定量することができる。そのため、核酸を複製するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の反応時間を短縮することができ、遺伝子診断の高速化を図ることができる。
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。
合成例1
本合成例では、6-(5-(4-(ジヘキシルアミノ)フェニル)チオフェン-2-イル)-2,3-ジヒドロフタラジン-1,4-ジオン(チオフェン誘導体、化合物6)を合成した。合成経路を図1に示す。
4‐ヨードアニリン(東京化成工業株式会社製)(6.0 g, 27.4 mmol)、1‐ヨードヘキサン(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)(17.4 g, 82.2 mmol)をDMF 17.9 mL とHMPA 9.50 mL の混合溶媒に溶かした後、炭酸カリウム (7.56 g, 54.8 mmol)を加え、90 ℃で22時間攪拌した。放冷後、酢酸エチルを加え、白色沈殿をろ過して除いた。ろ液を酢酸エチルで薄め、脱イオン水で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、飽和食塩水で1回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、中圧分取液体クロマトグラフにて精製し、無色透明オイル(化合物2)(9.24 g, 23.9 mmol, 87%)を得た。以下に合成した化合物2(N,N-ジヘキシル-4-ヨードアニリン)の分析結果を示す。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) ; δ 7.41 (2H, d, J = 9 Hz), 6.40 (2H, d, J = 9 Hz), 3.21 (4H, t, J = 8 Hz), 1.54 (4H, m), 1.31 (12H, m), 0.90 (6H, t, J = 8 Hz)
4-ブロモフタル酸無水物(和光純薬工業社製)(13.53 g, 59.6 mmol)、40%メチルアミン水溶液(8.2 mL, 98.4 mmol)をトルエン40 mLに溶解させ、ディーン・スターク装置を用いて、共沸させて9時間系内から脱水を行なった。放冷すると、白色の針状結晶が析出したので、ろ取し、トルエンで再結晶を行なって、白色の針状結晶(化合物4)(12.58 g, 52.4 mmol, 88%)を得た。以下に合成した化合物4(5-ブロモ-2-メチルイソインドリン-1,3-ジオン)の分析結果を示す。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, TMS, r.t.); δ 7.97 (m, 1H), 7.84 (m, 1H), 7.70 (d, J = 8 Hz, 1H), 3.18 (s, 3H).
上記で得た化合物4(150 mg, 0.625 mmol)、2,5-チオフェンジボロン酸(和光純薬工業株式会社製)(323 mg, 1.88 mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライドハイドレート(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)(979 mg, 3.75 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(和光純薬工業株式会社製)(21.7 mg, 0.0188 mmol)をトルエン5 mLとメタノール5 mLの混合溶媒に溶かし、真空脱気と窒素置換を3回繰り返した後、75 ℃で30分攪拌した。放冷後、上記で得た化合物2を加え、再び真空脱気と窒素置換を3回繰り返した後、75 ℃で9時間攪拌した。放冷後、反応液を酢酸エチルで薄めた後、脱イオン水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、中圧分取液体クロマトグラフにて精製し、赤橙色粉末(化合物5)(163 mg, 0.324 mmol, 52%)を得た。以下に合成した化合物5(5-(5-(4-(ジヘキシルアミノ)フェニル)チオフェン-2-イル)-2-メチルイソインドリン-1,3-ジオン)の分析結果を示す。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) ; δ 8.04 (1H, m), 7.86-7.88 (1H, m), 7.80 (1H, d, J = 8 Hz), 7.48 (2H, d, J = 9 Hz), 7.43 (1H, d, J = 4 Hz), 7.15 (1H, d, J = 4 Hz), 6.64 (2H, d, 9 Hz), 3.30 (4H, t, 8 Hz), 3.19 (3H, s), 1.59 (4H, m), 1.34 (12H, m), 0.91 (6H, t, J = 7 Hz)
上記で得た化合物5(21.2 mg, 0.0421 mmol)をTHF 250 μLに溶かし、ヒドラジン1水和物(和光純薬工業株式会社製)(50 μL, 1.03 mmol)を加え、50 ℃で2時間攪拌した。放冷後、溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、黄色粉末(化合物6)(21.2 mg, 0.0421 mmol, quant.)を得た。以下に合成した化合物6(6-(5-(4-(ジヘキシルアミノ)フェニル)チオフェン-2-イル)-2,3-ジヒドロフタラジン-1,4-ジオン)の分析結果を示す。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS, r.t.) ; δ 8.09 (1H, s), 7.97 (1H, d, 8 Hz), 7.71 (1H, d, J = 8 Hz), 7.37 (2H, d, J = 9 Hz), 7.22 (1H, d, J = 4 Hz), 6.94 (1H, d, J = 4 Hz), 6.57 (2H, d, 9 Hz), 3.27 (4H, t, 8 Hz), 1.60 (4H, m), 1.36 (12H, m), 0.94 (6H, t, J = 7 Hz); MS (ESI) calcd. for C30H37N3O2S [M]+ 503.2606, found 503.2617.
実施例1
本実施例では、合成例1で得たチオフェン誘導体(化合物5、6)を極性の異なる様々な溶媒中でのケイ光スペクトルを測定した。
これらチオフェン誘導体を、様々な溶媒(トルエン、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロルメタン)に溶解させた。これらはいずれも良好に溶解した。
なお、各溶媒の溶媒極性ET(30) (kcal/mol)を、吸光型ソルバトクロミック色素である下式のベタイン色素を溶媒に溶かし、その吸収極大波長λ(nm)を式 ET(30) = 28591 / λ に代入して得た。
Figure 0005437615
これらチオフェン誘導体を、0.7〜1.2 x 10-5 Mの濃度でスペクトル測定用標準溶媒(和光純薬工業社製)の溶液を調製し可視紫外分光光度計(日本分光株式会社製V-560 UV/VIS Spectrophotometer)で測定した。吸収極大波長(nm)を表1に示す。
Figure 0005437615
次に、これらチオフェン誘導体のケイ光スペクトルを測定した。ケイ光スペクトルは、吸収スペクトルと同じサンプルを用いて、ケイ光分光光度計(日立製作所製F-4500)で測定した。ケイ光発光極大波長(nm)を表2に示す。
Figure 0005437615
ケイ光発光の波長は、溶媒の極性によって変化し、上記化合物が分子周辺の溶媒極性によってケイ光波長が変わるケイ光ソルバトクロミック色素であることがわかる。
実施例2
さまざまな極性を持つ有機溶媒に化合物6を溶かした溶液(2 x 10-5 M)を1mLガラス容器に取り、1M水酸化ナトリウム水溶液:30%過酸化水素水=20:1混合液1mL、1mMフェリシアンカリウム水溶液0.1 mLを順次加えて、化学発光色の視認を行なった。1,4-ジオキサンとアセトニトリル溶液の場合は、触媒であるフェリシアンカリウム水溶液を加える前から緑色の化学発光を示し、発光の持続時間も数十分と長かった。1-プロパノールと2-プロパノール溶液の場合、フェリシアンカリウム水溶液を加えて1秒程度強い化学発光を示し、その発光色は黄緑であった。メタノール溶液の場合、フェリシアンカリウム水溶液を加えて1秒程度強い化学発光を示し、その発光色は黄色だった。以上に示すように、化学発光特性を持つ化合物6の化学発光色も、溶媒極性が上がれば長波長にシフトする正のソルバトクロミズム特性を持つことが分かった。
本発明のチオフェン誘導体の製法を示す図である。図中の番号は化合物の番号を示す。

Claims (2)

  1. 下式
    Figure 0005437615
    (式中、Xは酸素原子(−O−)又は硫黄原子(−S−)を表し、
    mは1〜4の整数を表し、nは1又は2を表し、
    は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はタンパク質、ポリペプチド、核酸、脂質、若しくは糖と結合可能な1つ若しくは複数のアミノ基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、チオール基、ジスルフィド基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、スクシンイミジルエステル基、ペンタフルオロフェニルエステル基、マレイミド基若しくはこれらの基の少なくともいずれかを含む結合基を表し、
    〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、1級又は2級のアミノ基、又は炭素数が1〜4のアルキル基を表し、
    及びRは、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アミノ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子を表し、但し、R及びRは共同して芳香族若しくはエーテル結合を含んでもよい脂肪族の5、6又は8員環を形成してもよく、R及びRは、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子又はアルキル基を表し、R及びR10は、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、但し、R及びRは共同して芳香族若しくは脂肪族の5員環又は6員環を形成してもよく、R及びR10は共同して芳香族若しくは脂肪族の5員環又は6員環を形成してもよい。)で表されるケイ光ソルバトクロミック色素。
  2. 請求項1に記載のケイ光ソルバトクロミック色素を、タンパク質、ポリペプチド、核酸、脂質、又は糖に連結して形成されるケイ光ソルバトクロミック色素複合体。
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