JP2014152014A - 免震装置及び免震装置を備えたクレーン - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単且つ安価な構成により大規模地震の発生時に支持脚及び構造物に大きな応力が発生する問題を防止する。
【解決手段】下側脚部1aと上側脚部1bの端部に対向して備えた平面部4a,4a'、4b,4b'と、上下高さよりも左右幅が大きく且つ少なくとも左右幅端部には曲面部9を有し対向する平面部間に前後に延びて配置される揺動ピン7,8と、揺動ピンの左右幅端部に前後方向へ突出して備えた左右の軸10と、左右の軸の一方を皿ばね13の弾撥力により下側脚部1aと上側脚部1bの一方に引き付けて連結する引付リンク12と、左右の軸10の他方を下側脚部1aと上側脚部1bの他方へ取り付ける取付リンク15とを有する衝撃力緩和機構16,16'と、下側脚部1aの端部と上側脚部1bの端部を、揺動ピン7,8を挟む左右の位置においてばね20の弾撥力により相互に引き付けて連結するトリガ機構23,23'とを備える。
【選択図】図1−a
【解決手段】下側脚部1aと上側脚部1bの端部に対向して備えた平面部4a,4a'、4b,4b'と、上下高さよりも左右幅が大きく且つ少なくとも左右幅端部には曲面部9を有し対向する平面部間に前後に延びて配置される揺動ピン7,8と、揺動ピンの左右幅端部に前後方向へ突出して備えた左右の軸10と、左右の軸の一方を皿ばね13の弾撥力により下側脚部1aと上側脚部1bの一方に引き付けて連結する引付リンク12と、左右の軸10の他方を下側脚部1aと上側脚部1bの他方へ取り付ける取付リンク15とを有する衝撃力緩和機構16,16'と、下側脚部1aの端部と上側脚部1bの端部を、揺動ピン7,8を挟む左右の位置においてばね20の弾撥力により相互に引き付けて連結するトリガ機構23,23'とを備える。
【選択図】図1−a
Description
本発明は、クレーン、ボイラ鉄骨、倉庫、エレベータ等の構造物の支持脚に備えることにより構造物の揺れを低減する免震装置及び免震装置を備えたクレーンに関するものである。
コンテナクレーン等の走行クレーンは、レールを跨ぐ門型のクレーン本体を有しており、該クレーン本体における四隅部の支持脚の下端に備えた走行装置により、岸壁等に設けられたレール上を走行する。
このような走行式クレーンにおいて地震が発生し、走行クレーンの走行方向と平行な方向(走行式クレーンの前後方向)に振動した場合は、走行装置がレール上を移動するためクレーン本体に大きな応力が作用することは防止される。一方、走行クレーンの走行方向と直角方向(走行クレーンの左右方向)に振動した場合は、その荷重が外力としてクレーン本体に作用することになる。ここで、走行式クレーンを構成するクレーン本体は所要の強度に構成されているため、小規模な地震が発生してクレーンに左右方向の荷重が作用しても、クレーン本体は変形して荷重による揺れを吸収することができ、よって大きな問題を生じることはない。
しかし、大規模な地震が発生して、走行クレーンに左右方向の大きな荷重が作用した場合には、クレーンが大きく揺れることによって支持脚が上昇し、車輪がレール上から浮き上がった後に、浮き上がった車輪がレール上に戻らずに外部へ着地する脱輪を生じる可能性が考えられる。このため、車輪の浮き上がりによる脱輪といった問題の発生を防止することが求められている。
又、前記走行クレーン以外のクレーン、ボイラ鉄骨、倉庫、エレベータ等の構造物においても、大規模な地震が発生した場合には、これらの構造物に支持脚を介して大きな荷重が作用して揺れるため、構造物及び支持脚には過大な応力が作用することが考えられる。従って、このように構造物に対して大きな応力が作用する問題を防止することが求められている。
クレーンに作用する揺れの荷重を低減するための従来の技術を示すものとしては、クレーンの支持脚の途中に、積層ゴムと油圧ダンパ等のダンパを組み合わせた免震装置を設置したものがある(特許文献1、2参照)。
しかし、特許文献1、2に示すように下側脚部と上側脚部の間に積層ゴムを備えた免震装置の場合には、大規模地震の発生時に下側脚部と上側脚部との間の変形量が大きくなるが、上記免震装置では変形量が制限されるため揺れの荷重を吸収するようなことはできず、そのために構造物に大きな応力が発生する可能性がある。更に、積層ゴムとダンパを組み合わせた免震装置は、構成が複雑で装置が高価になるという問題がある。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなしたもので、簡単且つ安価な構成により大規模地震の発生時に支持脚及び構造物に大きな応力が発生する問題を防止すると共に、衝撃力の発生を緩和できる免震装置及び免震装置を備えたクレーンを提供しようとするものである。
本発明は、構造物の支持脚を免震する免震装置であって、
前記支持脚は下側脚部と上側脚部を有し、前記下側脚部の端部と上側脚部の端部に互いに対向するよう形成した平面部と、
上下高さよりも左右幅が大きく且つ少なくとも左右幅端部には曲面部を有し前記対向する平面部間に前後に延びて配置される揺動ピンと、該揺動ピンの左右幅端部に前後方向へ突出して備えた左右の軸と、該左右の軸の一方を弾撥部材の弾撥力により前記下側脚部と上側脚部の一方に引き付けて連結する引付リンクと、前記左右の軸の他方を前記下側脚部と上側脚部の他方に取り付ける取付リンクとを有する衝撃力緩和機構と、
前記下側脚部の端部と上側脚部の端部を、前記揺動ピンを挟む左右の位置において弾撥部材の弾撥力により相互に引き付けて連結するトリガ機構と、
を備えたことを特徴とする免震装置、に係るものである。
前記支持脚は下側脚部と上側脚部を有し、前記下側脚部の端部と上側脚部の端部に互いに対向するよう形成した平面部と、
上下高さよりも左右幅が大きく且つ少なくとも左右幅端部には曲面部を有し前記対向する平面部間に前後に延びて配置される揺動ピンと、該揺動ピンの左右幅端部に前後方向へ突出して備えた左右の軸と、該左右の軸の一方を弾撥部材の弾撥力により前記下側脚部と上側脚部の一方に引き付けて連結する引付リンクと、前記左右の軸の他方を前記下側脚部と上側脚部の他方に取り付ける取付リンクとを有する衝撃力緩和機構と、
前記下側脚部の端部と上側脚部の端部を、前記揺動ピンを挟む左右の位置において弾撥部材の弾撥力により相互に引き付けて連結するトリガ機構と、
を備えたことを特徴とする免震装置、に係るものである。
上記免震装置において、前記衝撃力緩和機構が、左右に対称になるように複数配置されたことは好ましい。
又、上記免震装置において、前記揺動ピンは断面が楕円形状を有していてもよく、前記引付リンクと前記引付リンクは上下反対に備えてもよい。
前記免震装置をクレーンの支持脚に設けることにより、免震機能を備えたクレーンが得られる。
本発明によれば、簡単且つ安価な構成により大規模地震の発生時に支持脚及び構造物に大きな応力が発生する問題を防止できると共に、衝撃力の発生を緩和できるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1−a〜図1−cは本発明の免震装置の一実施例を示すもので、図中1は、本発明を適用するクレーン、ボイラ鉄骨、倉庫、エレベータ等の構造物に備えられている鉛直方向の荷重を支持する支持脚である。本発明はこのような構造物の支持脚1に備えて免震するための免震装置である。
例えば走行クレーン31(図5参照)からなる構造物の前記支持脚1は、下側脚部1aと上側脚部1bを有しており、前記下側脚部1aの端部2と上側脚部1bの端部3には、互いに上下から対向する平面部を形成している。図1−aでは、左右で対になるように平面部4a,4bと平面部4a',4b'を形成した場合を示している。前記下側脚部1aと上側脚部1bは、図1−aに示すように鋼製の外板5によって空洞に形成されているため、前記下側脚部1aと上側脚部1bの端部2,3の端縁を覆う板部材6a,6bを設けており、該板部材6a,6bに前記平面部4a,4b、4a',4b'を形成している。
前記平面部4aと平面部4bとの間には、揺動ピン7が挾持されるように配置され、又、前記平面部4a'と平面部4b'の間には、揺動ピン8が挾持されるように配置されている。前記揺動ピン7,8は、上下高さよりも左右幅が大きく、且つ前後方向に長い長さを有しており、更に、少なくとも左右幅端部には曲面部9が形成されている。図1−aの揺動ピン7,8は、前後方向(長手方向)に直交する断面が楕円形状の楕円揺動ピンの場合を示している。
前記揺動ピン7,8の夫々の左右幅端部の所要位置には、前後方向(図1−bの左右、図1−cの上下)へ突出した左右の軸10が設けられている。この軸10は、前記揺動ピン7,8の前後端部に固定してもよく、或いは、前記揺動ピン7,8の前後方向へ貫通して設けてもよい。
前記揺動ピン7に備えた右側の軸10と、前記揺動ピン8に備えた左側の軸10(夫々の内側の軸10)には、前記下側脚部1aの端部2に設けた前記板部材6aの孔11を通して設けた引付リンク12の夫々の一端が連結されており、前記板部材6aの下側に突出した引付リンク12の他端には皿ばね13(弾撥部材)を通してナット14を螺合し、該ナット14によって皿ばね13を締付けることにより、左右の揺動ピン7,8の隣接する内側端部(揺動ピン7の右側端部と揺動ピン8の左側端部)を下方へ弾力的に引き付けるように構成している。
又、前記揺動ピン7に備えた左側の軸10と、前記揺動ピン8に備えた右側の軸10(夫々の外側の軸10)には、前記上側脚部1bの端部3に設けた前記板部材6bの孔11を通して設けた取付リンク15の夫々の一端が連結してあり、該取付リンク15の他端は、前記上側脚部1bに突設した支持軸15'に回動可能に連結している。
前記下側脚部1aと上側脚部1bの端部2,3に設けた平面部4a,4b、4a',4b'と、該平面部4a,4a'と平面部4b、4b'の間に設置した揺動ピン7,8と、引付リンク12と、皿ばね13(弾撥部材)と、ナット14と、取付リンク15及び支持軸15'とにより左右で対称の構成を有する対の衝撃力緩和機構16,16'を設けている。衝撃力緩和機構16,16'に備えるばねには、種々のものが適用できるが、小さい変位長さで大きな弾撥力を発揮できる皿ばね13が好ましい。
前記衝撃力緩和機構16,16'は、図1−aに示すように、上側脚部1bからの負荷が、揺動ピン7,8を介して下側脚部1aに伝達される際に、揺動ピン7,8の左右幅端部が水平になるように前記取付リンク15の長さが設定されている。そして、前記衝撃力緩和機構16,16'の引付リンク12に備えた皿ばね13は、前記水平の揺動ピン7,8の隣接する内側端部を所定の弾撥力によって下側に引っ張っている。
ここで、前記揺動ピン7,8の幅端部に備えられる曲面9の形状と前記引付リンク12を連結する軸10の位置は、図1−aのように揺動ピン7,8が水平状態のときには皿ばね13で引っ張られる軸10と平面部4aとの間隔、軸10と平坦部4a'との間隔が最も大きく、図2(a)のように揺動ピン7,8が立ち上がるように回転したときには軸10と平面部4aとの間隔、軸10と平坦部4a'との間隔が順次減少するように設定している。
又、図2(a)のように揺動ピン7,8が立ち上がった状態から図2(b)の状態を経て図1−aのように揺動ピン7,8が水平状態に戻るときには、揺動ピン7の左側下方外周面と平坦部4aとの間、及び、揺動ピン8の右側下方外周面と平坦部4a'との間で急激な荷重を受け、又、揺動ピン7の右側上方外周面と平坦部4bとの間、及び、揺動ピン8の左側上方外周面と平坦部4b'との間で急激な荷重を受けることによって、大きな衝撃力を発生する可能性がある。従って、このような大きな衝撃力が問題になる場合には、例えば、前記平坦部4a,4a'、4b,4b'における急激な荷重を受ける部分に、ばね或いは油圧等のダンパ手段を備えることによって、衝撃力を緩和するようにしてもよい。
尚、図1−aでは、前記板部材6a,6bによって形成される平面部4a,4b、4a',4b'が、揺動ピン7,8を収容するように湾曲した湾曲部Sを有している。このように板部材6a,6bに湾曲部Sを備えた場合には、揺動ピン7,8が左右方向へ大きく移動することを制限して、下側脚部1aと上側脚部1bが左右方向へ大きくずれるのを防止できる。又、図3に示すように、直線状の板部材6a',6b'を備えることによって平面部4a,4b、4a',4b'を形成してもよい。
一方、前記下側脚部1aと上側脚部1bの端部2,3における左右側部位置には、鋼製の外板5から内側に向かって突出し上下で対向するようした固定板17a,17b、17a',17b'を設けている。更に、該固定板17a,17b、17a',17b'には、該固定板17a,17b、17a',17b'に設けた孔18を貫通するロッド19,19'を設けている。更に、下側の固定板17a,17a'から下側に突出しているロッド19,19'の下方端部には、ばね20(弾撥部材)が遊嵌され、更に、該ばね20を締付板21を介して締め付けるナット22が取り付けられている。又、前記ロッド19,19'が固定板17b,17b'の孔18を通して上側に突出している上方端部には、同様にばね20(弾撥部材)が遊嵌され、更に、該ばね20を締付板21を介して締め付けるナット22が取り付けられている。
前記固定板17a,17b、17a',17b'と、ロッド19,19'と、固定板17a,17b同士及び17a',17b'同士を引き付けるように予圧縮されたばね20(弾撥部材)と、締付板21及びナット22とにより、左右のトリガ機構23,23'を構成している。トリガ機構23,23'に備えるばね20には、種々のものが適用できるが、大きい変位長さで大きな弾撥力を発揮できるコイルばねを用いることができる。又、皿ばねを用いてもよい。
上記トリガ機構23,23'は、図1−cに示すように、前記下側脚部1aと上側脚部1bの左右側部において、前後方向(図1−cの上下)に複数(図示例では夫々4個)設けている。
上記トリガ機構23,23'は、前記下側脚部1aと上側脚部1bを引き付ける引付力が左右で同一になるように、左右のロッド19,19'に備えたばね20の弾撥力をナット22の締め付けにより調節する。このとき、前記下側脚部1aと上側脚部1bを折り曲げるように働く揺れの荷重が所定の大きさになるまでの小規模の地震では、前記下側脚部1aと上側脚部1bを直線状態に維持する引付力が保持されるように、左右のトリガ機構23,23'の前記ばね20の弾撥力を調整し、これによって前記下側脚部1aと上側脚部1bが折れ曲がる負荷(トリガ設定値)を設定している。
そして、前記衝撃力緩和機構16,16'とトリガ機構23,23'とにより、本発明の免震装置50が構成されている。
上記免震装置50は、図1−aに示す状態から天地を逆転して設置してもよい。
尚、上記実施例では、図1−a、図1−bに示すように、支持脚1の途中に、左右方向への折れ曲がりが可能な1段の免震装置50を備えた場合について例示したが、この免震装置50を備えると共に、該免震装置50に対して折れ曲がる方向が90度異なる、即ち前後方向に折れ曲がる免震装置を組み合わせ備えた2段構造としてもよい。
又、図1−a、図1−bに示す前記免震装置50を備えた下側脚部1aと上側脚部1bを一点鎖線の位置で切り取った形状を有する免震ユニットUを構成することができる。
上記実施例では次のように作動する。
図1−aに示す支持脚1の上側脚部1bには、図示しない構造物の重力荷重が作用しており、上側脚部1bに作用した重力荷重は平面部4a,4a'と平面部4b,4b'との間に備えた揺動ピン7,8を介して下側脚部1aに伝えられて支持される。
小規模の地震が発生した場合、又は構造物に強風が作用した場合等において、図2(a)に示す支持脚1に左右方向へトリガ設定値以下の小さい揺れの荷重が作用した際には、左右のトリガ機構23,23'による引付力によって、前記下側脚部1aと前記上側脚部1bが上下一直線の状態に保持されるように支持する。そして、上記したようなトリガ設定値以下の荷重は、構造物が変形することで吸収される。
一方、大規模地震が発生し、図2(a)に示す矢印A方向への荷重によって下側脚部1aの端部2(上端)が左側へ傾くように揺れ、このときの揺れの荷重がトリガ機構23,23'に設定したトリガ設定値を超えた大きさを有する場合には、左側のトリガ機構23の平面部4a,4bの間隔が、右側のトリガ機構23の平面部4b,4b'の間隔よりも大きく開くように下側脚部1aと上側脚部1bは折れ曲がる。このとき、特に左側の予圧縮されたばね20は更に大きく圧縮されるようになり、そして、下側脚部1aと上側脚部1bが折れ曲がり脚上部に伝わる地震力を低減することができる。
一方、前記したように、下側脚部1aと上側脚部1bが折れ曲がることによって平面部4aと平面部4bの間隔が開くと、水平状態に保持されていた揺動ピン7は、左端部が取付リンク15によって上側脚部1bに取り付けられているために引っ張られて図2(a)に示すように平面部4a,4b間で立ち上がるように時計方向Rへ回転する。又、水平状態に保持されていた揺動ピン8は、右端部が取付リンク15によって上側脚部1bに取り付けられているため引っ張られて図2(a)に示すように平面部4a,4b間で立ち上がるように反時計方向R'へ回転する。
揺動ピン7,8が水平状態から図2(a)のように立ち上がるように回転したときには、引付リンク12が連結した軸10と平面部4a,4a'との間隔が順次減少するため、前記引付リンク12に備えた皿ばね13に予め与えておいた予圧縮は開放されるようになる。
図2(a)に示した矢印A方向への荷重が作用した後に、図2(b)に示すように矢印A'方向への戻りの荷重が生じて、下側脚部1aと上側脚部1bの折れ曲がりが減少して図1−aのように直線状に戻る際には、下側の平面部4a,4a'と上側の平面部4b,4b'の間隔が狭まることにより、揺動ピン7,8は前記図2(a)とは逆方向に回転される。
図2(b)のように、揺動ピン7が反時計方向R'に回転され、揺動ピン8が時計方向Rに回転されて図1−aの水平状態に戻る。揺動ピン7,8が水平状態に戻る途中においては、引付リンク12を取り付けた軸10と平面部4a,4a'との間隔が順次増加するため、皿ばね13は圧縮されるようになる。このように揺動ピン7,8が水平状態に戻る際に皿ばね13が圧縮されることにより、下側脚部1aと上側脚部1bが折れ曲がった後に、前記トリガ機構23,23'によって元の直線状態に戻るときに発生する可能性がある衝撃力を緩和することができる。
また、図2(b)に示すように、揺動ピン7の反時計方向R'の回転、及び、揺動ピン8の反時計方向Rの回転時には、揺動ピン7,8の曲面部9が平面部4a,4a'に強く圧着されるため、この圧着による摩擦力によっても下側脚部1aと上側脚部1bが直線状態に戻るときの衝撃力が緩和されるようになる。
図2(a)に示した矢印A方向と反対方向の荷重が作用した場合にも、前記と同様に作用して、地震力を低減することができ、同時に、下側脚部1aと上側脚部1bが直線状態に戻るときの衝撃力は緩和される。
前記実施例では、下側脚部1aと上側脚部1bの端部2,3間に、左右で対の衝撃力緩和機構16,16'を備えた場合について例示したが、衝撃力緩和機構の設置数は一個以上の任意とすることができる。
しかし、下側脚部1aと上側脚部1b間に、例えば1つの衝撃力緩和機構16を備えた場合には、図2(a)のように下側脚部1aと上側脚部1bが折れ曲がった状態から、図2(b)に示すように直線状態に戻ろうとする際に、揺動ピン7の右側端部の曲面部9は摩擦力によって平面部4aを右へ押すように作用する。このように、上側脚部1bに対して下側脚部1aを右へ押す力が発生することから、この力を逃がすように工夫する必要がある。
一方、図1−aに示したように、対称な構成の衝撃力緩和機構16,16'を対で備えた場合には、前記横方向へ押す力を左右でキャンセルすることができる。従って、衝撃力緩和機構16,16'は対称な構成のものを1対以上設けることが好ましい。
又、前記実施例では楕円揺動ピンによる揺動ピン7,8を用いた場合について説明したが、図4(a)に示すように、左右幅端部に半円状の曲面部9を有し該曲面部9の相互間に平行な平面24を備えた長円形の揺動ピン25,26としてもよく、又、図4(b)に示すように、左右幅端部に備えた円柱部27a,27bと、該円柱部27a,27b間を相互に接続する連結部28を備えた揺動ピン29,30としてもよい。上記図4(a)、(b)に示す揺動ピン25,26、29,30を備えた衝撃力緩和機構16,16'においても、前記実施例と同様に、下側脚部1aと上側脚部1bが直線状態に戻るときの衝撃力の発生を緩和することができる。
尚、前記支持脚1の途中に備える免震装置50は、図1−aに示したような左右方向への揺動が可能な1段の免震装置50を備えると共に、該免震装置50と揺動方向が90度異なる、即ち前後方向に揺動する免震装置を組み合わせて備えて2段としてもよい。このように2段の免震装置を備えることにより、クレーン、ボイラ鉄骨、倉庫、エレベータ等の構造物の支持脚1において地震による水平全方向に対する揺れを低減して免震することができる。
又、図1−aに示す前記免震装置50を備えた下側脚部1aと上側脚部1bを一点鎖線の位置で切り取った形状を有する免震ユニットUを構成することができる。この場合には、既存の構造物の支持脚の途中を所定の長さで切り取り、該切り取った部分に、前記免震ユニットUを設置することにより、既存の構造物に免震装置50を容易に適用して、免震機能を備えた構造物とすることができる。
図5は、前記免震装置50を走行クレーン31に適用した実施例を示す。走行クレーン31は、脚架台32の四隅部の下側に備えた支持脚1がレール33を跨ぐように門型を有しており、前記支持脚1の下部に備えた走行装置34の車輪35が前記レール33上を走行するようになっている。このような走行クレーン31において地震が発生した場合、走行クレーン31の走行方向と平行な方向の振動に対しては走行装置34がレール33上を移動するため、クレーン本体に大きな応力が作用することは防止される。
一方、走行クレーン31への左右方向の荷重は、外力としてクレーン本体に作用することになるが、図1の免震装置50の免震方向である左右方向が、走行クレーン31の走行方向(前後方向)に対して走行クレーン31の左右方向になるように、免震装置50を支持脚1に設置する。
図5に示すように、支持脚1に免震装置50を添えた走行クレーン31においては、大規模地震が発生して走行クレーン31の左右方向に設定値以上の荷重が作用しても、効果的に免震することができ、従って、車輪35がレール33上から浮き上がった後に、或いは、浮き上がった車輪35がレール33上に戻らずに外部へ着地する脱輪が発生するのを防止することができる。
上記した如く、本発明の免震装置50によれば、大規模地震の発生によって設定値以上の荷重が作用した場合には、トリガ機構23,23'によって下側脚部1aと上側脚部1bが折れ曲がることにより構造物に大きな応力が発生することなく地震力を低減することができ、且つ、衝撃力緩和機構16,16'を備えたことにより、折れ曲った下側脚部1aと上側脚部1bが直線状態に戻るときの衝撃の発生を抑制することができる。更に、本発明の免震装置50は簡単な構成であり安価に実施することができる。
更に、図1−aに示すように、対称な構成を有する衝撃力緩和機構16,16'を対で備えると、揺動ピン7,8が回転して摩擦力による横方向の力を発生しても、左右でキャンセルすることができるので好ましい。
又、前記揺動ピン7,8の断面が楕円形状を有していると、折れ曲った下側脚部1aと前記上側脚部1bが直線状態に戻るときに、皿ばね13の圧縮を徐々に高めようになるため、衝撃力の発生を効果的に緩和できるようになる。
尚、本発明の免震装置及び免震装置を備えたクレーンは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、揺動ピンには種々の形状のものを適用し得ること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 支持脚
1a 下側脚部
1b 上側脚部
2,3 端部
4a,4a'、4b,4b' 平面部
7,8 揺動ピン
9 曲面部
10 軸
12 引付リンク
13 皿ばね(弾撥部材)
15 取付リンク
16,16' 衝撃力緩和機構
20 ばね(弾撥部材)
23,23' トリガ機構
25,26 揺動ピン
29,30 揺動ピン
31 走行クレーン
50 免震装置
1a 下側脚部
1b 上側脚部
2,3 端部
4a,4a'、4b,4b' 平面部
7,8 揺動ピン
9 曲面部
10 軸
12 引付リンク
13 皿ばね(弾撥部材)
15 取付リンク
16,16' 衝撃力緩和機構
20 ばね(弾撥部材)
23,23' トリガ機構
25,26 揺動ピン
29,30 揺動ピン
31 走行クレーン
50 免震装置
Claims (4)
- 構造物の支持脚を免震する免震装置であって、
前記支持脚は下側脚部と上側脚部を有し、前記下側脚部の端部と上側脚部の端部に互いに対向するよう形成した平面部と、
上下高さよりも左右幅が大きく且つ少なくとも左右幅端部には曲面部を有し前記対向する平面部間に前後に延びて配置される揺動ピンと、該揺動ピンの左右幅端部に前後方向へ突出して備えた左右の軸と、該左右の軸の一方を弾撥部材の弾撥力により前記下側脚部と上側脚部の一方に引き付けて連結する引付リンクと、前記左右の軸の他方を前記下側脚部と上側脚部の他方に取り付ける取付リンクとを有する衝撃力緩和機構と、
前記下側脚部の端部と上側脚部の端部を、前記揺動ピンを挟む左右の位置において弾撥部材の弾撥力により相互に引き付けて連結するトリガ機構と、
を備えたことを特徴とする免震装置。 - 前記衝撃力緩和機構が、左右に対称になるように複数配置されたことを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
- 前記揺動ピンは断面が楕円形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の免震装置。
- 請求項1〜3のいずれか1つに記載の免震装置が支持脚に備えられたことを特徴とするクレーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013023092A JP2014152014A (ja) | 2013-02-08 | 2013-02-08 | 免震装置及び免震装置を備えたクレーン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013023092A JP2014152014A (ja) | 2013-02-08 | 2013-02-08 | 免震装置及び免震装置を備えたクレーン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014152014A true JP2014152014A (ja) | 2014-08-25 |
Family
ID=51574253
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013023092A Pending JP2014152014A (ja) | 2013-02-08 | 2013-02-08 | 免震装置及び免震装置を備えたクレーン |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014152014A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110065889A (zh) * | 2018-11-09 | 2019-07-30 | 吴宗泽 | 一种减震式小型钢板转运用起吊装置装置 |
CN115340008A (zh) * | 2022-09-14 | 2022-11-15 | 昆明理工大学 | 一种基于plc控制的桥式起重机 |
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2013
- 2013-02-08 JP JP2013023092A patent/JP2014152014A/ja active Pending
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CN110065889A (zh) * | 2018-11-09 | 2019-07-30 | 吴宗泽 | 一种减震式小型钢板转运用起吊装置装置 |
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