JP2014150800A - 乳酸トランスポーターを高レベルに発現させる乳酸生産微生物、及びそれを利用した乳酸生産方法 - Google Patents

乳酸トランスポーターを高レベルに発現させる乳酸生産微生物、及びそれを利用した乳酸生産方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乳酸トランスポーター遺伝子が過剰発現され、乳酸分解が抑制された微生物、及びそれを利用した乳酸生産方法を提供する。
【解決手段】乳酸生産能が向上した微生物に係り、乳酸を細胞内外に輸送するタンパク質である乳酸トランスポーターを過剰発現させる場合、乳酸生産能が向上する。また、乳酸酸化酵素の活性を抑制させ、ピルビン酸デカルボキシラーゼの活性を抑制させる場合、乳酸生産能が向上する。かように製造された形質転換微生物を利用する場合、乳酸生産収率を向上させることができ、産業的に非常に有用に利用される。
【選択図】図2

Description

本発明は、乳酸生成能が向上した形質転換された微生物(transgenic microorganism)、及びそれを利用して乳酸を生産する方法に関する。
乳酸(lactic acid)は、食品、製薬、化学、電子など多様な産業分野で幅広く使われる有機酸である。乳酸は、無色、無臭であり、水に良好に溶解される低揮発性物質である。乳酸は、人体に毒性がなく、香味剤、酸味剤、保存剤などに活用されている。また、環境親和的な代替高分子物質である生分解性(biodegradable)プラスチックポリ乳酸(PLA:polylactic acid)の原料である。
PLAは、技術的には、高分子重合のために、ダイマーであるラクチド(lactide)に転換され、開環重合したポリエステル系樹脂であり、フィルム、シート、ファイバ、射出などの多様な加工が可能である。従って、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)など、既存汎用石油化学プラスチックと代替することができるバイオプラスチックとして、最近需要が大きく増加している。
また、乳酸は、水酸基とカルボン酸基とを同時に有しており、反応性が非常に高く、それによって、乳酸エステル、アセトアルデヒド(acetaldehyde)、プロピレングリコールなど、工業的に重要な化合物への転換が容易であるので、化学工業分野においても、次世代代替化学原料として注目されている。
現在、乳酸は、合成されるか、生物工学的手法を用いた醗酵により生産されている。石油化学的な合成は、原油に由来したエチレンを酸化させ、アセトアルデヒドを経て、シアン化水素添加反応によって、ラクトニトリルを作った後、蒸溜させて精製し、塩酸や硫酸を使用して、加水分解することによって製造される。また、生物工学的手法を用いた醗酵は、澱粉、スクロース(sucrose)、マルトース(maltose)、グルコース(glucose)、フラクトース(fructose)、キシロース(xylose)のような再生可能な炭水化物を基質にして乳酸を製造することができる。
一般化学反応式で、さまざまな段階を経て乳酸を得ることができる物質であるが、それを微生物を利用して生産する場合、さらに効率的に所望物質を生産することができる。かような場合、コスト面や時間面で、一般化学合成工程より効率的であるので、それに係わる多くの研究が行われている。しかし、微生物は所望の代謝産物のみを生成するものではなく、特定代謝産物が過剰に生成される場合、かえって成長が抑制されたり、それ以上所望の代謝産物を生成しなくなったり、あるいは所望のところではない副産物を生成することもある。
本発明が解決しようとする課題は、乳酸を効率的に生産する微生物を開発することである。
前記課題を解決するために、本発明は、乳酸トランスポーターを高レベルに発現させる微生物を提供する。
前記課題を解決するために、本発明はまた、乳酸トランスポーターを高レベルに発現させ、乳酸分解経路が抑制された微生物を提供する。
前記課題を解決するために、本発明はまた、前記微生物を利用して、乳酸を生産する方法を提供する。
本発明の微生物により、乳酸生産効率を高めることができる。
乳酸(LA:lactic acid)生産経路を示した図面である。 乳酸(LA:lactic acid)生産経路を示した図面である。 乳酸トランスポーター(Jen1)をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクター(transporter over-expression vector)を示した図面である。 乳酸トランスポーター(Ady2)をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターを示した図面である。 遺伝子欠失のために使用される、LDH(配列番号7)をコードするベクターを示した図面である。 トランスポーターを過剰発現させた場合、及びトランスポーターを過剰発現させて分解経路を抑制した場合の乳酸生産量を示したグラフである。 LDH(lactate dehydrogenase)を過剰発現させた菌株に、乳酸トランスポーターであるJen1及びAdy2を過剰発現させた場合の乳酸生産量を示したグラフであり、SP1001菌株は、pdc1遺伝子が欠失されて活性がなく、LDHが過剰発現される菌株であり、SP1002菌株は、pdc1遺伝子及びcyb2遺伝子が欠失されて活性がなく、LDHが過剰発現される菌株である。 LDHの発現量による乳酸生産量を示したグラフであり、LDH遺伝子が追加導入されることにより、乳酸の生産量が1.5倍増加し、SP1003菌株は、pdc1遺伝子及びcyb2遺伝子が欠失されて活性がなく、LDHが2コピー挿入されて過剰発現される菌株である。
以下、本発明の望ましい実施例について詳細に説明する。
乳酸を高レベルで生産する微生物を製造するために、一態様は、乳酸トランスポーターを高レベルに発現する乳酸生産微生物を提供する。
図1は乳酸生産経路を示した図面である。図1において、乳酸トランスポーターは、細胞膜に存在し、細胞外からの細胞内への乳酸の輸送を行う。細胞内に輸送された乳酸は、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH:lactate dehydrogenase)によりピルビン酸に変換される。ピルビン酸は、ピルビン酸デカルボキシラーゼによりアセトアルデヒドに変換される。
乳酸トランスポーターは、Jen1またはAdy1であることが好ましい。
乳酸トランスポーターは、配列番号1のアミノ酸配列である、または、乳酸トランスポーターは、配列番号1のアミノ酸配列と、好ましい順に80%以上、85%以上、90%以上、95%以上または99%以上の相同性を有するアミノ酸配列であることが好ましい。配列番号1は、GenBank:AAB60291.1に相当する。この際、配列番号1のアミノ酸配列と80%以上、85%以上、90%以上、95%以上または99%以上の相同性を有するアミノ酸配列である乳酸トランスポーターは、乳酸を膜内に移送するトランスポーターの機能を維持する。
また、Jen1は配列番号1のアミノ酸配列を有することができ、好ましくは配列番号1のアミノ酸配列である。
乳酸トランスポーターは、配列番号3のアミノ酸配列である、または、乳酸トランスポーターは、配列番号3のアミノ酸配列と、好ましい順に80%以上、85%以上、90%以上、95%以上または99%以上の相同性を有するアミノ酸配列であることが好ましい。配列番号3は、NCBI Reference Sequence: NP_009936.1に相当する。この際、配列番号3のアミノ酸配列と80%以上、85%以上、90%以上、95%以上または99%以上の相同性を有するアミノ酸配列である乳酸トランスポーターは、乳酸を膜内に移送するトランスポーターの機能を維持する。
また、Ady2は、配列番号3のアミノ酸配列を有することができ、好ましくは配列番号3のアミノ酸配列である。
乳酸トランスポーターを細胞内で高レベルに発現するために、乳酸トランスポーターをコーディングする遺伝子を細胞内に導入する。乳酸トランスポーターをコーディングする遺伝子は、ベクターに挿入されて細胞内に導入される。細胞内に導入された乳酸トランスポーター遺伝子は、ベクター内で発現され、乳酸トランスポーターを生産することができる。または、細胞内に導入された乳酸トランスポーター遺伝子は、宿主のクロモソームに挿入されて発現される。
乳酸トランスポーターをコーディングする遺伝子は、Jen1遺伝子またはAdy1遺伝子でもある。
Jen1遺伝子の配列は、配列番号2である、あるいは、配列番号2と、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上または99%以上の相同性を有するヌクレオチド配列であることが好ましい。
Ady1遺伝子の配列は、配列番号4のヌクレオチド配列である、あるいは、配列番号4と、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上または99%以上の相同性を有するヌクレオチド配列であることが好ましい。
乳酸トランスポーター遺伝子は、乳酸トランスポーターを発現することができるプロモーターと作動自在に連結される。プロモーターは、常に活性化されてもいる。また、プロモーター誘導物質(inducer)によって活性が誘発されもする。このとき、誘導物質は、IPTG(isopropryl-1-thio-β-D-galactopyranoside)でもある。
乳酸生産微生物は、サッカロマイセス(Saccharomyces)、バチルス(Bacillus)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、ラクトコッカス(Lactococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)及びクルイベロマイセス(Kluyveromyces)から選択されるいずれか一つであることが好ましい。また、乳酸生産微生物は、サッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)であることがより好ましい。
他の態様は、乳酸トランスポーターを高レベルに発現するだけではなく、乳酸分解に関与する酵素の活性が抑制された乳酸生産微生物を提供する。
乳酸分解に関与する酵素は、乳酸をピルビン酸(pyruvate)に転換する酵素、またはピルビン酸をアセトアルデヒドに転換する酵素であることが好ましい。乳酸をピルビン酸に転換する酵素は、乳酸酸化還元酵素(乳酸デヒドロゲナーゼ)であることが好ましい。また、ピルビン酸をアセトアルデヒドに転換する酵素はピルビン酸デカルボキシラーゼであることが好ましい。
乳酸デヒドロゲナーゼの活性の抑制は、乳酸デヒドロゲナーゼをコーディングする遺伝子の塩基に対する置換、部分欠失または全体欠失、付加、あるいはこれらの組み合わせによって、乳酸デヒドロゲナーゼの機能が抑制されたものでもある。乳酸デヒドロゲナーゼの活性の抑制は、乳酸分解活性がない遺伝子を、微生物内の乳酸デヒドロゲナーゼと置換して遂行されもする。または、乳酸デヒドロゲナーゼの活性の抑制は、乳酸分解遺伝子に核酸を挿入して遂行されもする。挿入される核酸は、抗生物質耐性遺伝子でもある。
乳酸酸化還元酵素は、シトクロムb2(CYB2:cytochrome b2;L−lactate cytochrome −C oxidoreductase)であることが好ましい。すなわち、乳酸酸化還元酵素をコーディングする遺伝子はcyb2であることが好ましい。CYB2は乳酸をピルビン酸に変換する酵素である。図2は、乳酸(LA:lactic acid)生産経路を示した図面である。このうち、図2中「CYB」とは乳酸酸化還元酵素であるシトクロムb2を示し、これを抑制することにより、微生物の乳酸生産能が向上する。
cyb2遺伝子の配列は、配列番号5のヌクレオチド配列であることが好ましい。
上記シトクロムb2の活性が抑制された微生物としては、後述の実施例に記載の菌株SP1002(寄託機関名:韓国生命工学研究院、受託番号:KCTC12311BP、受託日:2012年11月15日)、菌株SP1003(寄託機関名:韓国生命工学研究院、受託番号:KCTC12312BP、受託日:2012年11月15日)が挙げられる。したがって、本発明の好適な一実施形態は、上記SP1002、SP1003において、乳酸トランスポーターを高レベルに発現させた微生物である。
ピルビン酸デカルボキシラーゼの活性の抑制は、ピルビン酸デカルボキシラーゼをコーディングする遺伝子の塩基に対する置換、部分欠失または全体欠失、付加によって、ピルビン酸デカルボキシラーゼの機能が抑制されたものでもある。ピルビン酸デカルボキシラーゼの活性の抑制は、ピルビン酸脱炭素活性のない遺伝子を、微生物内のピルビン酸デカルボキシラーゼと置換して遂行されもする。または、ピルビン酸デカルボキシラーゼの活性の抑制は、ピルビン酸デカルボキシラーゼ遺伝子の内部に核酸を挿入して遂行されもする。挿入される核酸は、抗生物質耐性遺伝子でもある。
前記ピルビン酸デカルボキシラーゼをコーディングする遺伝子は、pdc1(pyruvate decarboxylase 1)でもある。
上記ピルビン酸デカルボキシラーゼの活性が抑制された微生物としては、後述の実施例に記載の菌株SP1001(寄託機関名:韓国生命工学研究院、受託番号:KCTC12310BP、受託日:2012年11月15日)、菌株SP1002(寄託機関名:韓国生命工学研究院、受託番号:KCTC12311BP、受託日:2012年11月15日)、菌株SP1003(寄託機関名:韓国生命工学研究院、受託番号:KCTC12312BP、受託日:2012年11月15日)が挙げられる。したがって、本発明の好適な一実施形態は、上記SP1001、SP1002、SP1003において、乳酸トランスポーターを高レベルに発現させた微生物である。
さらに他の態様は、乳酸トランスポーターを高レベルに発現させ、乳酸分解に関与する酵素の活性が抑制され、乳酸デヒドロゲナーゼを高レベルに発現させるものである乳酸生産微生物を提供する。
ここで発現される乳酸デヒドロゲナーゼは、ピルビン酸を乳酸に転換する酵素であることが好ましい。乳酸デヒドロゲナーゼは、配列番号6のアミノ酸配列、または配列番号6のアミノ酸配列と、好ましい順に80%以上、85%以上、90%以上、95%以上または99%以上の相同性を有するアミノ酸配列であることが好ましい。この際、配列番号6のアミノ酸配列と80%以上、85%以上、90%以上、95%以上または99%以上の相同性を有するアミノ酸配列であるタンパク質は、乳酸デヒドロゲナーゼ活性を有する。
また、乳酸デヒドロゲナーゼをコーディングする遺伝子は、配列番号7の配列であることが好ましい。
本発明の好適な一実施形態は、上記SP1001、SP1002、SP1003において、乳酸トランスポーターを高レベルに発現させた微生物である。
さらに他の態様は、上記乳酸生産能が向上した微生物を利用して乳酸を生産する方法に係わるものである。
一実施形態は、乳酸トランスポーターを高レベルに発現させる乳酸生産微生物を培養する段階を含む乳酸生産方法を提供する。
さらに他の一実施形態は、乳酸トランスポーターを高レベルに発現させるだけではなく、乳酸分解に関与する酵素の活性が抑制された乳酸生産微生物を培養する段階を含む乳酸生産方法を提供する。
さらに他の一実施形態は、乳酸トランスポーターを高レベルに発現させ、乳酸分解に関与する酵素の活性が抑制され、乳酸デヒドロゲナーゼを高レベルに発現させるものである乳酸生産微生物を培養する段階を含む乳酸生産方法を提供する。
乳酸分解に関与する酵素は、乳酸を他の物質に転換する酵素を含む。乳酸を他の物質に転換する酵素は、乳酸をピルビン酸に転換する酵素、ピルビン酸をアセトアルデヒドまたはオキサロ酢酸に転換する酵素であることが好ましい。
形質転換された微生物から乳酸を収得するために、培養条件を適切に調節することができる。形質転換された微生物は、増殖のために、好気性条件(aerobic condition)で培養する。その後、乳酸を生産するためには、嫌気条件(anaerobic condition)で培養することが好ましい。嫌気条件は、溶存酸素(DO)濃度が0〜10体積%でもある。
用語、「培養条件」は、微生物を培養するための条件を意味する。このような培養条件は、例えば、微生物が利用する炭素源、窒素源または酸素条件でもある。微生物が利用することができる炭素源は、単糖類、二糖類または多糖類などが含まれる。具体的には、グルコース(glucose)、フラクトース(fructose)、マンノース(mannose)、ガラクトース(galactose)などが利用されもする。微生物が利用することができる窒素源は、有機窒素化合物、無機窒素化合物などでもある。具体的には、アミノ酸、アミド、アミン、硝酸塩、アムモニウム塩などでもある。微生物を培養する酸素条件には、正常酸素分圧の好気性条件、大気中に0.1〜10体積%の酸素を含む低酸素条件、または酸素がない嫌気性条件がある。代謝経路は、微生物が実際に利用可能な炭素源及び窒素源に合わせて修正されもする。
以下、実施例を介して、本発明についてさらに詳細に説明する。それら実施例は、ただ本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がそれら実施例によって制限されるものであると解釈されるものではないということは、当業界で当業者に自明である(図1及び図2参照)。
実施例1.乳酸トランスポーターを過剰発現させる菌株の制作
乳酸トランスポーター過剰発現のために、Jen1遺伝子(配列番号2)、Ady2遺伝子(配列番号4)を選択し、それをS.cerevisiaeで発現が可能なベクター組み込みベクターを制作した(pRS426GPD−Jen1(図3参照)、pRS426GPD−Ady2(図4参照))。形質転換させる菌株としては、乳酸生産のためにLDH遺伝子(配列番号7)が導入されたS.cerevisiae(SP1001(KCTC12310BP)、SP1002(KCTC12311BP)またはSP1003(KCTC12312BP))を基本菌株として利用した。これらの菌株に図3または図4で示されるベクターを導入した。ここで、使用されたS.cerevisiaeの遺伝型は、次の通りである。
実施例2.乳酸トランスポーター及びLDHを過剰発現させる菌株の制作
LDH遺伝子の追加導入による乳酸生産向上効果を調べるために、SP1001株を基に、Cyb2遺伝子が除去され、LDH(配列番号7)を同時に挿入した菌株を制作した(この菌株の制作には、図5のベクターを用い、cyb2の除去とLDHの挿入を同時に行った。)。なお、遺伝子操作を行う前の微生物には、LDHは存在せず、Cyb2は存在する。
得られた菌株を用いて(SP1003(KCTC12312BP)))<実施例1>のように、図3(pRS426GPD−Jen1)または図4で示されるベクター(pRS426GPD−Ady2)を導入した。
実施例3.乳酸トランスポーター過剰発現させ、乳酸分解経路抑制させた菌株を利用した乳酸生産量測定
乳酸トランスポーターを過剰発現させ、乳酸分解経路を抑制させることによって、乳酸生産量の向上効果を確認するために、<実施例1>で制作された菌株を利用して乳酸生産を測定した。培養は、好気条件下で培養した後、嫌気条件下(溶存酸素濃度0〜10%)で培養した。結果を下記表3および図7に示す。また、図6に、Jen1を過剰発現させたSP1001株(TRANSPORTER過剰発現)およびJen1を過剰発現させたSP1002株(TRANSPORTER過剰発現+分解経路抑制)の乳酸生産の時間的経過を示す。下記表3にて「Empty」とは、SP1001またはSP1002菌株自体の生産を示すものである。
Ady2トランスポーターを過剰発現させた場合、SP1001菌株では、対照群に比べて、1.09g/Lの向上効果を示した。また、SP1002菌株では、対照群に比べて、1.21g/Lの向上効果を示した。
特に、乳酸分解経路を抑制するために、乳酸を分解するのに関与するCYB2の活性を抑制させたSP1002菌株では、対照群に比べて、乳酸生産量が顕著に増加した。Jen1を過剰発現させた場合に、SP1001は、4.66g/Lの乳酸を生産したが、SP1002は、8.53g/Lの乳酸を生産した。すなわち、CYB2酵素活性が抑制された場合、83%以上乳酸生産量が増加した。
Ady2を過剰発現させた場合、SP1001は、5.14g/Lの乳酸を生産したが、SP1002は、9.29g/Lの乳酸を生産した。すなわち、CYB2酵素活性が抑制された場合、80%以上乳酸生産量が増加した(図7参照)。
また、乳酸分解経路が抑制された場合、乳酸トランスポーターを過剰発現させた場合も、乳酸生産量が増加した。Jen1を過剰発現させた場合、約5%以上乳酸生産量が増加し、Ady2を過剰発現させた場合には、約15%ほど乳酸生産量が増加したということが分かる。
結果として、トランスポーターを過剰発現させ、かつ分解経路を同時に抑制させる場合、対照群(SP1001;Empty)に比べて、Jen1遺伝子を過剰発現させる場合、110%(SP1002;Jen1)、Ady2遺伝子を過剰発現させる場合、129%(SP1002;Ady2)以上乳酸生産量が増加するということを確認した。
実施例4.LDH遺伝子の追加導入による乳酸生産向上
LDHの遺伝子を追加導入し、乳酸生産量に及ぼす影響を確認した。それを確認するために、実施例1及び実施例2で製造された微生物を利用した。結果を下記表4および図8に示す。
その結果、LDHがSP1002菌株に比べて、1コピーさらに多く導入されたSP1003菌株は、乳酸生産量が増加するということを確認した。Jen1遺伝子が過剰発現される場合には、乳酸生産量が55%増加し、Ady2遺伝子が過剰発現される場合には、乳酸生産量が43%増加した(図8参照)。
乳酸の生産コストを節減するために、生産効率を高めることが切実である。微生物を利用して乳酸を生産する場合、生産コストを低くし、産業的に活用可能性が高くなる。ただし、微生物は、乳酸を一定濃度以上に生産することができないので、生産収率が増加された微生物は、産業的に利用可能性が大きい。具体例において開示された形質転換された微生物の場合、乳酸の生産量が増加するので、具体例に開示された微生物、及びそのような微生物を利用した乳酸生産方法は、産業上利用可能性が非常に高い。
寄託機関名:韓国生命工学研究院
受託番号:KCTC12310BP
受託日:20121115
寄託機関名:韓国生命工学研究院
受託番号:KCTC12311BP
受託日:20121115
寄託機関名:韓国生命工学研究院
受託番号:KCTC12312BP
受託日:20121115
本発明の乳酸トランスポーター遺伝子が過剰発現され、乳酸分解が抑制された微生物、及びそれを利用した乳酸生産方法は、例えば、環境にやさしい代替高分子関連の技術分野に効果的に適用可能である。

Claims (18)

  1. 乳酸トランスポーターを高レベルに発現させる乳酸生産微生物。
  2. 前記微生物は、S.cerevisiaeである、請求項1に記載の乳酸生産微生物。
  3. 前記乳酸トランスポーターは、Jen1またはAdy2である、請求項1または2に記載の乳酸生産微生物。
  4. 前記乳酸トランスポーターは、配列番号1のアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳酸生産微生物。
  5. 前記乳酸トランスポーターは、配列番号3のアミノ酸配列、または配列番号3のアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳酸生産微生物。
  6. 前記微生物は、乳酸酸化還元酵素の活性が抑制されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の乳酸生産微生物。
  7. 前記乳酸酸化還元酵素をコーディングする遺伝子は、シトクロムb2(cyb2)である、請求項6に記載の乳酸生産微生物。
  8. 前記cyb2遺伝子は、配列番号5のヌクレオチド配列である、請求項7に記載の乳酸生産微生物。
  9. 前記乳酸酸化還元酵素の活性の抑制は、乳酸酸化還元酵素をコーディングする遺伝子のヌクレオチドに対する置換、部分欠失または全体欠失、付加あるいはこれらの組み合わせによって、乳酸酸化還元酵素の機能が抑制された、請求項6〜8のいずれか1項に記載の乳酸生産微生物。
  10. 前記微生物は、ピルビン酸デカルボキシラーゼの活性が抑制されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の乳酸生産微生物。
  11. 前記ピルビン酸デカルボキシラーゼをコーディングする遺伝子は、pdc1(pyruvate decarboxylase 1)である、請求項10に記載の乳酸生産微生物。
  12. 前記微生物は、乳酸デヒドロゲナーゼを高レベルに発現させる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の乳酸生産微生物。
  13. 前記乳酸デヒドロゲナーゼは、配列番号6のアミノ酸配列、または配列番号6のアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列である、請求項12に記載の乳酸生産微生物。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の微生物を培養する段階を含む、乳酸生産方法。
  15. 前記培養は、嫌気条件で培養する段階を含む、請求項14に記載の乳酸生産方法。
  16. 前記嫌気条件は、溶存酸素濃度が0〜10体積%である、請求項15に記載の乳酸生産方法。
  17. 前記微生物は、乳酸酸化還元酵素の活性が抑制されている、請求項14〜16のいずれか1項に記載の乳酸生産方法。
  18. 前記微生物は、ピルビン酸デカルボキシラーゼの活性が抑制されている、請求項14〜17のいずれか1項に記載の乳酸生産方法。
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