JP2014149071A - ホース用継手及びホース用継手の製造方法 - Google Patents

ホース用継手及びホース用継手の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】繰り返し荷重による内管と継手本体との圧着部の緩みの発生を抑制する。
【解決手段】ホース用継手10は、ホース挿入部20を備えた継手本体12と、継手本体12とは別体で構成された円筒状の内管14と、を備えている。内管14は、ホース装着部40の奥側にホース装着部40の外径より大きな外径を備えた奥側圧着部42と、奥側圧着部42とホース装着部40との間に奥側圧着部42の外径より小さく、かつホース装着部40の外径より大きな外径を備えた中間圧着部44とを備えている。継手本体12のホース挿入部20の奥部には、周面部30Aと底面部30Bとを備えた圧着孔30が形成されており、周面部30Aの上方の段部32を奥側圧着部42の上面42B及び中間圧着部44の周面44Aに接触するように移動させて変形段部34を形成することで、内管14が継手本体12に組み付けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ホース用継手及びホース用継手の製造方法に関する。
従来より、油圧機器とホースとを接続するためにホース用継手が使用されている。
ホース用継手としては、外筒とその内部でホースを支持する円筒内管とを一体成型したものと、円筒内管を別体で製造して外筒の奥部に組み付ける(例えば、ロウ付け、溶接、圧着等により接合する)ことにより製造したものがある。
外筒と円筒内管とを一体成型したものは、継手の全体構成が複雑で製造コストが上昇する可能性があるのに対し、別体で構成された円筒内管を外筒に組み付ける方法は、製造コスト面で有利である。
例えば、特許文献1には、継手本体のスリーブの内部に、別体で構成された円筒内管を配置すると共に、円筒内管の端部の外周面を継手本体の内周面にロウ付けにより接合した構成が開示されている。
特開2002−188779号公報
しかし、特許文献1に記載のように、円筒内管を別体で製造して継手本体の内部に組み付ける方法では、外力により円筒内管に軸方向と直交する方向又は円周方向の荷重がかかる場合、繰り返し荷重により円筒内管と継手本体との接合部に緩みが生じる可能性がある。円筒内管と継手本体との接合部の緩みにより油漏れの発生が懸念されるため、信頼性を向上させるためには改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、繰り返し荷重による内管と継手本体との圧着部の緩みの発生を抑制することができるホース用継手及びホース用継手の製造方法を得ることが目的である。
請求項1に記載の発明に係るホース用継手は、軸方向の一端側にホースが挿入されるホース挿入部と、軸方向の他端側に他の配管が接続される接続部と、を備えた継手本体と、前記ホース挿入部の奥部に形成され、前記ホース挿入部の内径より内径が小さく形成された周面部と、前記周面部の奥側に形成され前記接続部と連通する貫通孔が設けられた底面部と、を備えた圧着孔と、前記継手本体とは別体で構成され、前記ホース挿入部の内部に軸方向に沿って配置されると共に前記ホース挿入部に挿入された前記ホースの内壁面を支持するホース装着部と、前記ホース装着部の奥側に設けられ前記底面部に接地すると共に前記ホース装着部の外径より大きな外径に形成された奥側圧着部と、前記奥側圧着部と前記ホース装着部との間に設けられ前記奥側圧着部の外径より小さくかつ前記ホース装着部の外径より大きな外径に形成された中間圧着部と、を備えた円筒状の内管と、前記周面部の上方に形成された段部を変形させ、前記奥側圧着部の上面を圧着すると共に前記中間圧着部の周面を圧着する変形段部と、を有する。
請求項1に記載の発明によれば、継手本体のホース挿入部の奥部には、ホース挿入部の内径より内径が小さく形成された周面部と、周面部の奥側に形成された底面部と、を備えた圧着孔が形成されている。継手本体とは別体で構成された円筒状の内管は、ホース装着部と、ホース装着部の奥側でホース装着部の外径より大きな外径に形成された奥側圧着部と、奥側圧着部とホース装着部との間で奥側圧着部の外径より小さくかつホース装着部の外径より大きな外径に形成された中間圧着部と、を備えている。そして、内管の奥側圧着部は、継手本体における圧着孔の底面部に接地されており、圧着孔の周面部の上方に形成された段部を変形させた変形段部が、内管の奥側圧着部の上面に圧着されると共に、内管の中間圧着部の周面に圧着されることで、内管が継手本体の圧着孔に固定されている。これにより、変形時に内管の奥側圧着部の上面の変形段部の滑りを中間圧着部の周面で止めると共に、内管の奥側圧着部及び中間圧着部と変形段部との圧着面積を増加させて圧着力を大きくすることができる。さらに、内管のホース装着部の軸方向と直交する方向又は周方向に作用する繰り返し荷重は、中間圧着部を設けることで中間圧着部が支点となり、支点と力点間の距離を小さくすることができるため、作用点にあたる奥側圧着部への荷重を小さくすることができる。このため、繰り返し荷重による内管の奥側圧着部及び中間圧着部と継手本体の変形段部との圧着部の緩みの発生を抑制することができる。
請求項2に記載の発明に係るホース用継手は、請求項1に記載の発明において、前記変形段部の厚さは、前記中間圧着部の軸方向の長さより大きい構成とされている。
請求項2に記載の発明によれば、変形段部の厚さは、中間圧着部の軸方向の長さより大きい構成とされており、例えば、押圧治具により段部を変形させて変形段部を形成する際に、押圧治具が中間圧着部に接触することが回避される。このため、押圧治具が中間圧着部に接触することにより、内管の中間圧着部及び奥側圧着部と変形段部との圧着面に隙間が発生することを抑制することができる。
請求項3に記載の発明に係るホース用継手の製造方法は、ホースの内壁面を支持するホース装着部と、前記ホース装着部の奥側に設けられ前記ホース装着部の外径より大きな外径に形成された奥側圧着部と、前記奥側圧着部と前記ホース装着部との間に設けられ前記奥側圧着部の外径より小さくかつ前記ホース装着部の外径より大きな外径に形成された中間圧着部と、を備えた円筒状の内管を、前記奥側圧着部の側から継手本体のホース挿入部に挿入し、前記継手本体における前記ホース挿入部の奥部に形成された圧着孔の底面部に前記奥側圧着部を接触させる工程と、前記ホース挿入部の内径より内径が小さい前記圧着孔の周面部と前記ホース挿入部との間に形成された段部に押圧治具を当てて変形させ、前記奥側圧着部の上面と前記中間圧着部の周面に変形段部を圧着させることにより前記内管を前記圧着孔に固定する工程と、を有する。
請求項3に記載の発明によれば、内管を奥側圧着部の側から継手本体のホース挿入部に挿入し、奥側圧着部をホース挿入部の奥側に形成された圧着孔の底面部に接触させる。その後、圧着孔の周面部とホース挿入部との間に形成された段部に押圧治具を当てて変形させ、内管の奥側圧着部の上面と中間圧着部の周面に変形段部を圧着させることにより内管を圧着孔に固定する。これにより、内管の奥側圧着部の上面の変形段部の滑りを中間圧着部の周面で止めると共に、内管の奥側圧着部及び中間圧着部と変形段部との圧着面積を増加させて圧着力を大きくすることができる。さらに、内管のホース装着部の軸方向と直交する方向又は周方向に作用する繰り返し荷重は、中間圧着部を設けることで中間圧着部が支点となり、支点と力点間の距離を小さくすることができるため、作用点にあたる奥側圧着部への荷重を小さくすることができる。このため、繰り返し荷重による内管の奥側圧着部及び中間圧着部と継手本体の変形段部との圧着部の緩みの発生を抑制することができる。
本発明に係るホース用継手及びホース用継手の製造方法によれば、繰り返し荷重による内管と継手本体との圧着部の緩みの発生を抑制することができる。
一実施形態に係るホース用継手の製造方法を示す図であって、(A)は内管を継手本体の圧着孔に組み付ける前の状態を示す断面図、(B)は内管を継手本体の圧着孔に組み付けた後の状態を示す断面図である。 一実施形態に係るホース用継手に用いられる内管を示す断面図である。 (A)は内管を継手本体の圧着孔に組み付ける前の状態を示す拡大断面図、(B)は内管を継手本体の圧着孔に組み付けた後の状態を示す拡大断面図である。 ホース用継手の外筒部にホースが接続された状態を示す断面図である。 比較例に係るホース用継手の製造方法を示す図であって、(A)は内管を継手本体の圧着孔に組み付ける前の状態を示す断面図、(B)は内管を継手本体の圧着孔に組み付けた後の状態を示す断面図である。
以下、図1〜図4を用いて、本発明に係るホース用継手の一実施形態について説明する。
図1(A)には、一実施形態に係るホース用継手の内管を継手本体の圧着孔に組み付ける前の状態が断面図にて示されており、図1(B)には、一実施形態に係るホース用継手の内管を継手本体の圧着孔に組み付けた後の状態が断面図にて示されている。図2には、内管が断面図にて示されている。
図1(A)、(B)に示されるように、ホース用継手10は、継手本体12と、継手本体12に形成された外筒部18の内部に軸方向に沿って配置された内管14と、を備えている。継手本体12は、軸方向の中間部の外周に突出部16が形成された円筒体からなり、突出部16の軸方向の一端側がホース挿入部20を備えた外筒部18とされている。継手本体12は、突出部16の軸方向の他端側に他の配管(図示省略)が接続される接続部22を備えている。突出部16は、外形が略六角形状とされており、スパナの回り止めとして機能する。
外筒部18は、薄肉円筒形とされており、外筒部18の内部にゴム等からなるホース60(図4参照)の端部が挿入された後、外側から加締められることでホース60がホース用継手10に接続されるようになっている。また、接続部22の内壁には、雌ねじ部24が形成されており、他の配管(図示省略)に形成された雄ねじ部が螺合されるようになっている。
外筒部18には、ホース挿入部20の軸方向の奥側に内管14を固定するための圧着孔30が形成されている。圧着孔30は、ホース挿入部20の内径よりも内径が小さく形成された周面部30Aと、周面部30Aの奥側端部(ホースの挿入方向の端部)から半径方向内側に張り出した底面部30Bと、を備えている。継手本体12における圧着孔30の周面部30Aとホース挿入部20との間には、ホース挿入部20の奥側端部から半径方向内側に張り出した段部32(圧着孔30の円周淵部)が形成されている。
本実施形態では、底面部30Bは、継手本体12の軸方向の奥側に向かうにしたがって内径が縮小するように傾斜している。ただし、底面部30Bは、内径が縮小するように傾斜する構成に限定されるものではなく、継手本体12の軸方向と直交する方向に沿って配置された略平面状の底面部としてもよい。
外筒部18に形成された圧着孔30と接続部22は、隔壁26で隔離され、この隔壁26の中央部に穿設された貫通孔28で連通されている。すなわち、圧着孔30の底面部30Bの中央部に貫通孔28が形成されており、貫通孔28は接続部22における雌ねじ部24の奥側壁面と連通している。
内管14は、継手本体12と別体で構成されており、継手本体12の圧着孔30に後述する段部32の変形による圧着により組み付けられるようになっている。この組み付け方法については後述する。
図2に示されるように、内管14は、略円筒状の部材で形成されており、ホース挿入部20に挿入されたホース60(図4参照)の内壁面を支持するホース装着部40を備えている。また、内管14は、ホース装着部40より奥側(ホースの挿入方向奥側)にホース装着部40の外径より大きな外径に形成された奥側圧着部42と、奥側圧着部42とホース装着部40との間に、奥側圧着部42の外径より小さくかつホース装着部40の外径より大きな外径に形成された中間圧着部44と、を備えている。
内管14の中心部には、ホース装着部40と中間圧着部44と奥側圧着部42に跨って貫通孔46が形成されている。内管14の奥側圧着部42の端面は、半径方向に沿った略平面状の底面42Aとされている。奥側圧着部42には、底面42Aと反対側に半径方向に沿った上面42Bが設けられている。
ここで、ホース用継手10の製造方法であって、継手本体12の圧着孔30に内管14を組み付ける方法について説明する。
図1(A)及び図3(A)に示されるように、内管14を奥側圧着部42の側から継手本体12のホース挿入部20に挿入し、奥側圧着部42の底面42Aを圧着孔30の底面部30Bに接地する(底面部30Bに接触させる)。その際、図1(A)及び図3(B)に示されるように、継手本体12のホース挿入部20を上向きとし、内管14の奥側圧着部42が下側になるようにセットすることが好ましい。
その後、継手本体12のホース挿入部20に円筒状の押圧治具(圧着治具)50を挿入する。押圧治具50は、内径が内管14のホース装着部40の外径より大きく形成されている。これにより、押圧治具50が内管14のホース装着部40の周囲に嵌まる(外挿される)ようになっている。また、押圧治具50は、先端部50Aの内径が内管14の中間圧着部44の外径より小さく形成されると共に、先端部50Aの外径が継手本体12の圧着孔30の周面部30Aの内径よりも大きく形成されている。これにより、押圧治具50の先端部50Aの端面が、継手本体12の周面部30Aとホース挿入部20との間に形成された段部32(圧着孔30の円周淵部)に当たるようになっている。
そして、図1(B)及び図3(B)に示されるように、押圧治具50の先端部50Aで継手本体12の段部32(圧着孔30の円周淵部)を挿入方向奥側(矢印Aに示す下方側)に押圧する。これにより、継手本体12の段部32(圧着孔30の円周淵部)を構成する素材を軸方向に変形させる。より具体的には、継手本体12の段部32を構成する素材は、奥側圧着部42の上面42Bを滑りながら移動し、中間圧着部44の周面44Aに接触する。段部32を構成する素材が中間圧着部44の周面44Aに接触した時点で、奥側圧着部42の上面42Bでの素材の変形による滑りは止まる。このような段部32を構成する素材の変形により、奥側圧着部42の上面42Bと中間圧着部44の周面44Aに圧着する変形段部34が形成される。この変形段部34により、奥側圧着部42の上面42B及び底面42Aと、中間圧着部44の周面44Aには、大きな圧着力が発生する。すなわち、を奥側圧着部42の上面42B及び中間圧着部44の周面44Aに圧着するように移動した変形段部34によって、内管14が継手本体12の圧着孔30に組み付けられる。
このとき、奥側圧着部42の上面42B及び底面42Aは、継手本体12の圧着孔30の底面部30Bと変形段部34に挟み込まれることで、軸方向に圧着されている。また、中間圧着部44の周面44Aは、変形段部34により周方向内側に圧着されている。これにより、中間圧着部44がない場合と比較して、奥側圧着部42及び中間圧着部44と継手本体12の変形段部34との圧着面積を増加させることができる。
図4に示されるように、このホース用継手10にホース60を接続する際には、外筒部18のホース挿入部20にホース60の端部を挿入し、内管14の周囲にホース60を配置する。ホース60の端部は、継手本体12の奥部に接触する位置(例えば段部32と接触する位置)まで挿入する。この状態で、外筒部18を外側から加締めることで、ホース60がホース用継手に接続される。その際、ホース60の内壁面が内管14のホース装着部40に支持される。このようなホース用継手10では、継手本体10の貫通孔28と内管14の貫通孔46とホース60の貫通孔が連通されることで、流体が流れるようになっている。
このようなホース用継手10は、例えば、自動車のブレーキ装置のブレーキパイプとホースとを接続し、オイルを流す場合などに用いられる。
次に、ホース用継手10の作用並びに効果を説明する。
図1(B)及び図3(B)に示されるように、押圧治具50の先端部50Aで継手本体12の段部32(圧着孔30の円周淵部)を矢印Aに示す挿入方向奥側に押圧することで、継手本体12の段部32(圧着孔30の円周淵部)を構成する素材を軸方向に変形させる。これにより、継手本体12の段部32を構成する素材は、奥側圧着部42の上面42Bを滑りながら移動し、中間圧着部44の周面44Aに接触する。素材が中間圧着部44の周面44Aに接触した時点で、奥側圧着部42の上面42Bでの素材の変形による滑りは止まり、素材の変形した部分が、奥側圧着部42の上面42Bと中間圧着部44の周面44Aに圧着する変形段部34となる。この変形段部34により、奥側圧着部42の上面42Bと中間圧着部44の周面44Aには、大きな圧着力が発生する。これにより、内管14が変形段部34の圧着により継手本体12に圧着孔30に組み付けられる。
このようなホース用継手10では、奥側圧着部42の上面42B及び底面42Aが、継手本体12の圧着孔30の底面部30Bと変形段部34に挟み込まれることで、軸方向に圧着され、中間圧着部44の周面44Aが変形段部34により圧着されている。これにより、奥側圧着部42及び中間圧着部44と継手本体12の変形段部34との圧着面積を増加させることができると共に、奥側圧着部42の上面42Bと変形段部34との密着性が向上する。
さらに、内管14の軸方向と直交する方向又は周方向に作用する繰り返し荷重は、中間圧着部44を設けたことにより、中間圧着部44が支点となり、支点と力点間の距離を小さくすることができるため、作用点にあたる奥側圧着部42への荷重を小さくすることができる。すなわち、内管14の奥側圧着部42及び中間圧着部44と継手本体12の変形段部34との圧着面積を大きくしたことと、支点と力点間の距離を小さくしたことにより、内管14の奥側圧着部42及び中間圧着部44と継手本体12の変形段部34との圧着部の緩みの発生を抑制することができる。このため、内管と継手本体との圧着部への繰り返し荷重による経年変化の緩みから発生する流体漏れ(例えば油漏れ)を防止又は抑制することができる。
また、図3(B)に示されるように、ホース用継手10は、内管14の奥側圧着部42の上面42B及び中間圧着部44の周面44Aに接触するように移動させた変形段部34の軸方向の厚さ(図中に示す変形段部34の高さ)H2が、中間圧着部44の軸方向の長さ(図中に示す中間圧着部44の高さ)H1より大きい構成とされている。これにより、押圧治具50により段部32の素材を変形させて変形段部34を形成する際に、押圧治具50が中間圧着部44の上面に接触することが回避される。
すなわち、ホース用継手10では、圧着孔30の段部32を構成する素材を変形させ、内管14の奥側圧着部42及び中間圧着部44を挟み込む力で気密性を保持する圧着力を発生させているが、内管14には押圧治具50による荷重が直接掛からないようにする必要がある。例えば、押圧治具50が中間圧着部の上面に接触し、変形段部と内管との圧着面がずれると、変形段部と内管との気密性保持面に隙間が発生する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、変形段部34の軸方向の厚さ(高さ)H2が、中間圧着部44の軸方向の長さ(高さ)H1より大きいことで、押圧治具50が中間圧着部44の上面に接触することが回避され、内管14の中間圧着部44及び奥側圧着部42と継手本体12の変形段部34との気密性保持面に隙間が発生することを抑制することができる。
また、圧着孔30の深さや、内管14の奥側圧着部42の厚み(軸方向の長さ)の製造バラツキを考慮すると、圧着時の管理として、ストローク管理と荷重管理を実施する必要がある。特に荷重管理の上で、変形段部34の移動による力のみを測定することで、ストローク量と荷重との関係が明確になり、各寸法の不具合、異物の噛み込み、内管14の位置ズレ等を荷重管理で検出できるようになる。このため、不具合の検出が容易で、精度の高い管理が可能となる。
図5(A)には、比較例に係るホース用継手100の内管を継手本体の圧着孔に組み付ける前の状態が断面図にて示されており、図5(B)には、比較例に係るホース用継手100の内管を継手本体の圧着孔に組み付けた後の状態が断面図にて示されている。
図5(A)に示されるように、ホース用継手100では、内管102の軸方向の端部にホース装着部40の外径より大きな外径を備えた奥側圧着部104が形成されている。すなわち、内管102では、ホース装着部40と奥側圧着部104とが隣接して形成されており、本実施形態のようなホース装着部と奥側圧着部との間の中間圧着部は設けられていない。
このようなホース用継手100では、図5(A)に示されるように、内管102を奥側圧着部104の側から継手本体12のホース挿入部20に挿入し、奥側圧着部104の底面104Aを圧着孔30の底面部30Bに接触させる。この状態で、図5(B)に示されるように、押圧治具50の先端部50Aで継手本体12の段部32(圧着孔30の円周淵部)を矢印A方向に押圧することにより、段部32を構成する素材を奥側圧着部104の上面104Bに移動させて圧着させ、変形部106を形成する。すなわち、変形部106の圧着により内管102を継手本体12に組み付けている。
このようなホース用継手100では、段部32の素材を移動させて圧着させる奥側圧着部104の上面104Bは、変形部106との滑り面となるため、変形部106と上面104Bとの密着性や圧着力が弱くなる。このため、内管102に軸方向と直交する方向又は周方向の荷重が繰り返し作用すると、内管102と継手本体12の変形部106との圧着部に緩みが発生する可能性がある。特に、内管102の先端(奥側圧着部104と反対側)に軸方向と直交する方向又は周方向の荷重が作用すると、奥側圧着部104には「てこの原理」で増幅された荷重が掛かり、内管102と継手本体12の変形部106との圧着部に緩みが発生しやすい。
これに対して、本実施形態のホース用継手10では、内管14に中間圧着部44を設け、継手本体12の変形段部34を中間圧着部44の周面44Aに接触するまで移動させるため、奥側圧着部42の上面42Bと変形段部34との密着性が向上する。さらに、内管14の軸方向と直交する方向又は周方向に作用する繰り返し荷重は、中間圧着部44を設けたことにより、中間圧着部44が支点となり、支点と力点間の距離を小さくすることができるため、作用点にあたる奥側圧着部42への荷重を小さくすることができる。すなわち、奥側圧着部42及び中間圧着部44と継手本体12の変形段部34との圧着面積を大きくしたことと、支点と力点間の距離を小さくしたことにより、内管14の奥側圧着部42及び中間圧着部44と継手本体12の変形段部34との圧着部の緩みの発生を抑制することができる。
なお、上記実施形態において、内管の奥側圧着部42及び中間圧着部44の寸法は、本発明を逸脱しない範囲で変更可能である。また、継手本体の圧着孔30及び段部32の寸法も本発明を逸脱しない範囲で変更可能である。
10 ホース用継手
12 継手本体
14 内管
20 ホース挿入部
22 接続部
28 貫通孔
30 圧着孔
30A 周面部
30B 底面部
32 段部
34 変形段部
40 ホース装着部
42 奥側圧着部
42B 上面
42A 底面
44 中間圧着部
44A 周面
50 押圧治具
60 ホース

Claims (3)

  1. 軸方向の一端側にホースが挿入されるホース挿入部と、軸方向の他端側に他の配管が接続される接続部と、を備えた継手本体と、
    前記ホース挿入部の奥部に形成され、前記ホース挿入部の内径より内径が小さく形成された周面部と、前記周面部の奥側に形成され前記接続部と連通する貫通孔が設けられた底面部と、を備えた圧着孔と、
    前記継手本体とは別体で構成され、前記ホース挿入部の内部に軸方向に沿って配置されると共に前記ホース挿入部に挿入された前記ホースの内壁面を支持するホース装着部と、前記ホース装着部の奥側に設けられ前記底面部に接地すると共に前記ホース装着部の外径より大きな外径に形成された奥側圧着部と、前記奥側圧着部と前記ホース装着部との間に設けられ前記奥側圧着部の外径より小さくかつ前記ホース装着部の外径より大きな外径に形成された中間圧着部と、を備えた円筒状の内管と、
    前記周面部の上方に形成された段部を変形させ、前記奥側圧着部の上面を圧着すると共に前記中間圧着部の周面を圧着する変形段部と、
    を有するホース用継手。
  2. 前記変形段部の厚さは、前記中間圧着部の軸方向の長さより大きい構成とされている請求項1に記載のホース用継手。
  3. ホースの内壁面を支持するホース装着部と、前記ホース装着部の奥側に設けられ前記ホース装着部の外径より大きな外径に形成された奥側圧着部と、前記奥側圧着部と前記ホース装着部との間に設けられ前記奥側圧着部の外径より小さくかつ前記ホース装着部の外径より大きな外径に形成された中間圧着部と、を備えた円筒状の内管を、前記奥側圧着部の側から継手本体のホース挿入部に挿入し、前記継手本体における前記ホース挿入部の奥部に形成された圧着孔の底面部に前記奥側圧着部を接触させる工程と、
    前記ホース挿入部の内径より内径が小さい前記圧着孔の周面部と前記ホース挿入部との間に形成された段部に押圧治具を当てて変形させ、前記奥側圧着部の上面と前記中間圧着部の周面に変形段部を圧着させることにより前記内管を前記圧着孔に固定する工程と、
    を有するホース用継手の製造方法。
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