JP2014149030A - フローティングナットおよびフローティングボルト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第3プレート8と第1プレート3と板バネ4と第2プレート5と軸部7とを有し、第1プレート3の両側に一対の側壁部2を配置し、その範囲で第3プレート8を移動できるようにする。そして、第1プレート3と第2プレート5との間に板バネ4を介装し、軸部7に固定された第2プレート5と第3プレート8との間隔を特定する。
【選択図】 図1
Description
このフローティングナットは、中央にネジ孔を有するナット板と、それを支持する支持板とを有し、その支持板の長手方向両端を折り返してナット板を抱持するものである。そしてナット板が平面に沿って移動可能としたものである。それにより、他の取付部材のボルト孔の位置の自由度を増すものである。
この種のフローティングナットは、それにボルトを締結する際、慎重に行わないと、ナット板にかかる外力により、支持板の折返し部を変形させてしまう。すると、その支持機能を失うことになる。
また、ボルトの不用意な操作により支持板の変形が大きいと、ナット板がケーシング内に脱落することも有り、ケーシングを解体してナット板を取り出さなければならない。
更に、支持板自体はケーシングにリベットやスポット溶接等で固着されているため、支持機能を失ったフローティングナットの付け替えに労力と時間を要する。
特に、ケーシングの壁にフローティングナットを取り付けた場合には、ナット板の自重が作用するので移動のしやすさと保持力の兼ね合いは微妙な調整が必要となる。
この支持板によるナット板押さえ構造では、ナットの稼動範囲の大きさ、ナットサイズの違いおよび使用場所等により支持板のナット板押さえ部分の形状を変更しなければならないので、支持板の加工時のプレス型を変える必要があり製作にコストもかかる。
第1プレート(3)の裏面側または表面側に板バネ(4)を介してスライド自在に接触する第2プレート(5)と、
第2プレート(5)の中心部に突設固定され、その軸線上に内ネジ(6)が形成され、その突設部の外直径が前記第1プレート(3)の前記開口(1)の直径より小径の軸部(7)と、
第1プレート(3)の表面側または裏面側に接触し、前記軸部(7)に固定される第3プレート(8)と、を具備し、
前記板バネ(4)は第2プレート(5)が第1プレート(3)から離反する方向に付勢され、
第1プレート(3)の前記一対の側壁(2)は、第3プレート(8)または第2プレート(5)の端が第1プレート(3)より外側にはみ出るのを規制することを特徴とするフローティングナットである。
第1プレート(3)の裏面側または表面側に板バネ(4)を介して接触する第2プレート(5)と、
第2プレート(5)の中心部に突設固定され、その外周に外ネジが形成され、その突設部の外直径が前記第1プレート(3)の前記開口(1)の直径より小径の軸部(7)と、
第1プレート(3)の表面側または裏面側に接触し、前記軸部(7)に固定される第3プレート(8)と、を具備し、
前記板バネ(4)は第2プレート(5)が第1プレート(3)から離反する方向に付勢され、
第1プレート(3)の前記一対の側壁(2)は、第3プレート(8)または第2プレート(5)の端が第1プレート(3)より外側にはみ出るのを規制することを特徴とするフローティングボルトである。
第2プレート(5)および第3プレート(8)は、略同一の平面を有すると共に、それぞれ平行二面(5a)(8a)を有し、両プレート(5)(8)の各平行二面(5a)(8a)が互いに平行に位置して夫々が前記軸部(7)に固定されたフローティングナットまたはフローティングボルトである。
前記板バネ(4)は、その両側が第2プレート(5)または第3プレート(8)の側に立ち上げられた一対のバネ側壁(4a)を有し、その一対のバネ側壁(4a)に第2プレート(5)または第3プレート(8)の前記平行二面(5a)(8a)が接触または近接するフローティングナットまたはフローティングボルトである。
前記軸部(7)は、その軸線方向に離間して外周が段付きに拡大する小径段付き部(7a)と大径段付き部(7b)とを有し、
その大径段付き部(7b)に第2プレート(5)または第3プレート(8)がカシメ固定され、小径段付き部(7a)に第3プレート(8)または第2プレート(5)がカシメ固定されたフローティングナットまたはフローティングボルトである。
請求項5に記載のフローティングナットまたはフローティングボルトにおいて、
前記軸部(7)の前記小径段付き部(7a)の外周と大径段付き部(7b)の外周とに、歯形(10)が形成され、それらの歯形(10)に、第2プレート(5)および第3プレート(8)の各中心孔(5b)(8 b)が、軸線方向から圧入されて、それらが軸部(7)に固定されたフローティングナットまたはフローティングボルトである。
前記第1プレート(3)の長手方向の断面が偏平な台形状に曲折され、その曲折された台形の凹陥部が前記表面側または裏面側に位置し、その凹陥部の深さが前記第3プレート8または第2プレート5の厚み以上であり、台形の段壁3aに前記第3プレート8または第2プレート5の長手方向の一端が当接したとき、その他端の少なくとも一部が、前記開口1の孔縁部に支持されているフローティングナットまたはフローティングボルトである。
さらに、第2プレート5と第1プレート3と、第3プレート8とが配置されると共に、その第2プレート5と、第3プレート8とがそれぞれ軸部7に固定されて、両プレート5,8の間隔を特定している。そして、第1プレート3と第2プレート5または第3プレート8との間に板バネ4が、介装されるため、その板バネの弾発力を正確に規制することができ、最適な接触圧でスライドできるフローティングナットまたはフローティングボルトを提供できる。
請求項5に記載の発明は、軸部7の外周が段付きに拡大する小径段付き部7aと大径段付き部7bとを有し、その大径段付き部7bと小径段付き部7aに第2プレート5と第3プレート8とがカシメ固定されたものである。そのため、製造容易で量産性が高い。
請求項7に記載の発明は、第1プレート3の断面が台形状に曲折され、その凹陥部の深さが前記第3プレート8または第2プレート5の厚み以上であり、台形の段壁3aに前記第3プレート8または第2プレート5の長手方向の一端が当接したとき、その他端の少なくとも一部が、前記開口1の孔縁部に支持されているものである。そのため、第2プレート5、第3プレート8の一部が第1プレート3の開口1に没入することがなく、取扱易いフローティングナットまたはフローティングボルトとなる。
図1〜図5は、本発明の第1実施例のフローティングナットであり、図6はその第2実施例のフローティングナットであり、それぞれ請求項1に記載の発明である。
この第1実施例のフローティングナット15は、図1に示す如く、第3プレート8と第1プレート3と板バネ4と第2プレート5と軸部7とからなる。第1プレート3は、金属板のプレス成形体からなり、その長手方向が偏平な台形状に形成され、中心に開口1を有するとともに、その両側に一対の側壁部2が第1プレート3の段壁3a側に立ち上げられている。この段壁3aおよび側壁部2の高さは、第3プレート8の厚みにほぼ等しい。第3プレート8と板バネ4と第2プレート5はそれぞれ矩形に形成され、それらの外周がほぼ整合する。そして、それら各中心に貫通孔を有する。
次に軸部7は、軸線方向に段付き状に形成され、先端部に小径段付き部7a、根元部に大径段付き部7bを有する。それとともに、それぞれに小径段付き部7a、大径段付き部7bよりも僅かに小なる外直径の歯車状の歯形10が、それらに隣接して設けられている。さらに、軸部7の中心には内ネジ6が螺刻されている。
このようにしてなる各部品は、先ず、軸部7の大径段付き部7bの歯形10に第2プレート5の中心孔5bが圧入される。その状態を図4に示す。次いで、第2プレート5に板バネ4が被嵌され、その上に第1プレート3、第3プレート8が配置され、第3プレート8の中心孔8bが小径段付き部7aの歯形10に圧入される(図4参照)。
そして、それぞれの歯形10と第3プレート8、第2プレート5とは、それらの孔縁部の塑性変形により、咬着され、各プレート8、5と軸部7との間の回り止めがされる。
即ち、軸部7はボルト13の軸線位置に応じて移動するものである。
なお、開口1の内径は軸部7の中間部の外直径の数倍以上に形成されている(図5参照)。そのため、軸部7は開口1内を実線の状態から鎖線の状態まで移動することができる。
図8は、本発明のフローティングナットの第4実施例であり、この例が第3実施例と異なる点は、その軸部7のみであり、その軸部外周に綾目ローレット18が形成されたものである。各プレート8,5等との関係は上記第3実施例と同じである。
この例が図4のフローティングナット15と異なる点は、基本的に、軸部7のナットの替わりに外ネジ付きボルト9を用いた点である。そして、第1プレート3が溶接あるいはボルト等により被取付部材11に固定され、それに組付部材12がフローティングボルト16の外ネジ付きボルト9とナット17とで締結固定される。そして組付部材12の孔に外ネジ付きボルト9を挿入するとき、組付部材12の孔に整合するように外ネジ付きボルト9を水平方向に移動することができる。
また、各実施例の図において、同一部品には同一符号を付し、その説明を省略する。本発明は上記各実施例に限定されるものでは勿論なく、特許請求の範囲の各構成の範囲内で適宜設計変更しうる。
又、特許請求の範囲における各部品の括弧内の符号は、実施例に対応したものであり、その符号の実施例に、本発明が限定されるものではないことは勿論である。
2 側壁部
3 第1プレート
3a 段壁
4 板バネ
4a バネ側壁
4b 舌片部
5 第2プレート
5a 平行二面
5b 中心孔
7 軸部
7a 小径段付き部
7b 大径段付き部
8 第3プレート
8a 平行二面
8b 中心孔
9 外ネジ付きボルト
10 歯形
12 組付部材
13 ボルト
14 取付孔
15 フローティングナット
16 フローティングボルト
17 ナット
18 綾目ローレット
19 縦ローレット
Claims (7)
- 中心部に開口(1)を有し、表面側または裏面側の幅方向両側に一対の側壁部(2)が立ち上げられ、その端部が被取付部材に固定される第1プレート(3)と、
第1プレート(3)の裏面側または表面側に板バネ(4)を介してスライド自在に接触する第2プレート(5)と、
第2プレート(5)の中心部に突設固定され、その軸線上に内ネジ(6)が形成され、その突設部の外直径が前記第1プレート(3)の前記開口(1)の直径より小径の軸部(7)と、
第1プレート(3)の表面側または裏面側に接触し、前記軸部(7)に固定される第3プレート(8)と、を具備し、
前記板バネ(4)は第2プレート(5)が第1プレート(3)から離反する方向に付勢され、
第1プレート(3)の前記一対の側壁(2)は、第3プレート(8)または第2プレート(5)の端が第1プレート(3)より外側にはみ出るのを規制することを特徴とするフローティングナット。 - 中心部に開口(1)を有し、表面側または裏面側の幅方向両側に一対の側壁部(2)が立ち上げられた第1プレート(3)と、
第1プレート(3)の裏面側または表面側に板バネ(4)を介して接触する第2プレート(5)と、
第2プレート(5)の中心部に突設固定され、その外周に外ネジが形成され、その突設部の外直径が前記第1プレート(3)の前記開口(1)の直径より小径の軸部(7)と、
第1プレート(3)の表面側または裏面側に接触し、前記軸部(7)に固定される第3プレート(8)と、を具備し、
前記板バネ(4)は第2プレート(5)が第1プレート(3)から離反する方向に付勢され、
第1プレート(3)の前記一対の側壁(2)は、第3プレート(8)または第2プレート(5)の端が第1プレート(3)より外側にはみ出るのを規制することを特徴とするフローティングボルト。 - 請求項1に記載のフローティングナットまたは請求項2に記載のフローティングボルトにおいて、
第2プレート(5)および第3プレート(8)は、略同一の平面を有すると共に、それぞれ平行二面(5a)(8a)を有し、両プレート(5)(8)の各平行二面(5a)(8a)が互いに平行に位置して夫々が前記軸部(7)に固定されたフローティングナットまたはフローティングボルト。 - 請求項3に記載のフローティングボルトまたはフローティングナットにおいて、
前記板バネ(4)は、その両側が第2プレート(5)または第3プレート(8)の側に立ち上げられた一対のバネ側壁(4a)を有し、その一対のバネ側壁(4a)に第2プレート(5)または第3プレート(8)の前記平行二面(5a)(8a)が接触または近接するフローティングナットまたはフローティングボルト。 - 請求項3または請求項4に記載のフローティングナットまたはフローティングボルトにおいて、
前記軸部(7)は、その軸線方向に離間して外周が段付きに拡大する小径段付き部(7a)と大径段付き部(7b)とを有し、
その大径段付き部(7b)に第2プレート(5)または第3プレート(8)がカシメ固定され、小径段付き部(7a)に第3プレート(8)または第2プレート(5)がカシメ固定されたフローティングナットまたはフローティングボルト。 - 請求項5に記載のフローティングナットまたはフローティングボルトにおいて、
前記軸部(7)の前記小径段付き部(7a)の外周と大径段付き部(7b)の外周とに、歯形(10)が形成され、それらの歯形(10)に、第2プレート(5)および第3プレート(8)の各中心孔(5b)(8 b)が、軸線方向から圧入されて、それらが軸部(7)に固定されたフローティングナットまたはフローティングボルト。 - 請求項4に記載のフローティングナットまたはフローティングボルトにおいて、
前記第1プレート(3)の長手方向の断面が偏平な台形状に曲折され、その曲折された台形の凹陥部が前記表面側または裏面側に位置し、その凹陥部の深さが前記第3プレート(8)または第2プレート(5)の厚み以上であり、台形の段壁(3a)に前記第3プレート(8)または第2プレート(5)の長手方向の一端が当接したとき、その他端の少なくとも一部が、前記開口(1)の孔縁部に支持されているフローティングナットまたはフローティングボルト。
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