JP2014148931A - エンジン作業機 - Google Patents

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祥和 河野
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Abstract

【課題】
気化器が不調であっても、安定してエンジンを始動することができるエンジン作業機を提供する。
【解決手段】
燃料と空気の混合気を供給する気化器と、シリンダを保持するとともにクランク室を形成するクランクケースと、セルモータを有するエンジンにより作業機器を駆動するエンジン作業機において、気化器とは独立して燃料を供給するソレノイドバルブ(追加燃料供給手段)と、セルモータへの電力供給を制御する始動制御手段を設け、始動制御手段はエンジンの始動の際にソレノイドバルブにより追加の燃料を供給する。始動制御手段はエンジンの始動直後にメンテナンスモードによる制御が必要か否かを判断し、メンテナンスモードが必要な場合は追加燃料供給手段によって間欠的に追加の燃料を供給する。
【選択図】 図10

Description

本発明は、チェンソーや刈払機等のエンジン作業機に関するものである。
刈払機やチェンソー等の小型の作業機には、動力源として小型のエンジンが広く用いられている。図12は、エンジン作業機の一例である刈払機の外観図である。図12に示すように、小型の2サイクルエンジンを搭載したエンジン作業機501は、パイプ状のメインパイプ5に図示しない駆動軸を通し、この駆動軸をメインパイプ5の一端に設けたエンジンにて回転させることで、メインパイプ5の他端に設けた回転刃6を回転させる。回転刃6の近傍には、刈り払った草の飛散防止のための飛散防御カバー6aが設けられる。エンジン作業機501は、図示しない肩掛け用吊りベルト等で携帯されるもので、メインパイプ5の長手中央部付近に作業者が操作するための正面視略U字状を呈するハンドル4が取り付けられる。エンジンの回転数は、グリップ部3に取り付けられたスロットルレバー7により作業者によって制御される。スロットルレバー7の操作は、ワイヤー18によってエンジンの気化器に伝達される。
エンジン作業機501で用いられるようなエンジンは、小型軽量で大きな出力を得ることができ、燃料を供給することにより長時間の作業が可能となる。一方、エンジンは混合気の燃焼によってピストンを往復運動させる必要があるので、電気モータに比べると始動に手間取ることがあり得る。そこで特許文献1では始動燃料供給器を設けて、そこに適量の始動用燃料が貯えておいて、リコイル式スタータでクランク軸を駆動させる際に、始動燃料供給器の供給用ボタンを押圧操作して、貯留室にある適量の始動補助用燃料を気化器に供給するようにした手動式の追加燃料供給装置が提案されている。
実公平6−49895号公報
手持ち式刈払機等の2サイクルエンジンの始動性の向上の為に、気化器に手動式のチョーク機構や特許文献1のような手動の追加燃料供給装置を設けることが一般的である。エンジンの始動を行う作業者は、エンジンの冷間時であって外気温が低い場合にはチョーク機構等を作動させて、気化器における吸入空気量を絞るとともに負圧を発生させ、強制的に燃料を吸い出すような状態にすることによりシリンダ内部に吸入される混合気を濃くして燃料の量を多くする。しかしながら、従来の小型のエンジンにおいては、作業者が手動にてチョークや追加燃料供給装置を動作させているので、チョークを動作させるタイミングやチョークを解除するタイミング、チョークの作動量をどの程度にするかを決定しなければならず、作業者にとって負担であった。また、チョークや追加燃料供給装置の操作が適切でない場合には、却ってエンジンの始動に手間取ってしまうことがあった。また、2サイクルエンジンの燃料としてガソリンとオイルを混ぜた混合油が使用されるが、この混合油を長期間エンジン工具に入れっぱなしにしてしまうと、ガソリンが気化してオイルとの混合比が変化してしまうためエンジンの始動性を悪化させる原因となる。さらに、混合油内のオイルが劣化することによって粘度が高くなりガム状に変化し、気化器の内部が目詰まりしてしまう問題がある。このため、長期間エンジン工具を保管するときには、空ぶかしをして気化器内の燃料を除去しなくてはならなかった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、始動時に多量の燃料をエンジンの内部に吸入させて始動性を向上させたエンジン作業機を提供することにある。
本発明の他の目的は、気化器とは別経路の燃料供給路を設け、始動時にその燃料供給路も用いるようにして始動性を向上させたエンジン作業機を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、気化器が不調であっても安定してエンジンを始動することができ、気化器のつまりを回復できるエンジン作業機を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、燃料タンクと、シリンダ内に燃料タンクから送られる燃料と空気の混合気を供給する気化器と、ピストンが往復運動可能なシリンダと、シリンダを保持するとともにクランク室を形成するクランクケースを有するエンジンを用いて作業機器を駆動させるエンジン作業機において、気化器とは独立して、エンジンに燃料を供給する追加燃料供給手段と、追加燃料供給手段の動作を制御する始動制御手段を設け、始動制御手段は、エンジンの始動の際に追加燃料供給手段により追加の燃料を供給するようにした。また始動制御手段はエンジンの始動直後にメンテナンスモードによる制御が必要か否かを判断し、メンテナンスモードが必要な場合は、追加燃料供給手段による所定の燃料供給の後に間欠的に追加の燃料を供給するように構成した。ここでメンテナンスモードとは、エンジンの始動後にその回転を維持するために追加燃料供給手段によって燃料供給を続ける制御モードで有り、エンジンが始動した直後の所定の期間(継続時間、総回転数、所定温度に到達するまで期間)だけ行われる。追加燃料供給手段は、燃料タンクから供給される燃料の流路の途中に設けられ、燃料供給路を流れる燃料の一部を気化器からシリンダ内へ至る吸気通路へ供給することを制御するソレノイドバルブを含んで構成される。
本発明の他の特徴によれば、メンテナンスモードにおいて追加燃料供給手段は、エンジンのm回転(但しm≧2)のうちn回転(但しm>n)において追加の燃料を供給する。この際特に、追加燃料供給手段はエンジンのm回転(但しm≧2)のうち1回転ずつ追加の燃料を供給するように構成すると望ましく、追加燃料供給手段はエンジンが始動するまでの燃料供給よりも少ない量の追加燃料を供給しつづけるようにした。
本発明のさらに他の特徴によれば、エンジンの始動直後にメンテナンスモードに移行させるかどうかを指定するために、メンテナンスモードの設定用のスイッチを設け、始動制御手段はスイッチがオンの際には始動直後にメンテナンスモードによる制御を行う。尚、メンテナンスモードに移行させる別の方法としてエンジンの回転数を検出する回転数検出手段を設け、始動制御手段が始動時又はその後のエンジン回転数を検出することによりメンテナンスモードによる制御に移行するか否かを判定するように構成しても良い。また、メンテナンスモードに移行させる別の方法として、エンジンの停止期間をカウントするタイマ手段を設け、始動制御手段がタイマ手段によりエンジンが停止していた時間を計測し、停止していた時間が所定値を超えたときは、メンテナンスモードに移行させるようにしても良い。さらに、メンテナンスモードに移行させる別の方法として、エンジン又は外気の温度を検出する温度検出手段と、エンジンの回転数を検出する回転数検出手段を設け、始動制御手段は温度検出手段が検出した温度に応じて追加する燃料の量を制御するとともに、エンジンの回転数が所定回転数以下のときは、始動時以降も所定時間、ソレノイドバルブによって燃料を供給しつづけるように制御しても良い。
請求項1の発明によれば、始動制御手段はエンジンの始動直後にメンテナンスモードが必要か否かを判断し、メンテナンスモードが必要な場合は所定の燃料供給の後に間欠的に追加の燃料を供給するので、気化器が詰まっていてもエンジンの始動性を確保することができる。また、気化器の目詰まりによるエンジン始動直後の回転維持が困難になった状態においても、気化器とは別の燃料供給ルートである始動制御手段から燃料を供給しつづけるため、エンジンの回転を維持することができる。さらに、エンジンが回転することによってシリンダ内の負の圧力によって気化器の目詰まりを効果的に解消することができる。
請求項2の発明によれば、追加燃料供給手段は吸気通路の一部に設けられるソレノイドバルブを含んで構成されるので、簡単な構成の電磁式開閉制御弁を用いて追加燃料の供給機構を実現できる。
請求項3の発明によれば、メンテナンスモード時には、エンジンのm回転(但しm≧2)のうちn回転(但しm>n)において追加の燃料を供給するので、エンジンが停止しない程度に最小限の燃料を供給することができる。
請求項4の発明によれば、メンテナンスモード時には、エンジンの所定回転回数毎に1回の割合で追加燃料を供給するので、エンジン始動後の燃料流量を最適な値に設定することができる。
請求項5の発明によれば、メンテナンスモード時においては、エンジンが始動するまでの燃料供給よりも少ない量の追加燃料を吸気通路に供給するので、始動直後にエンジンがかぶることを防止できる。
請求項6の発明によれば、メンテナンスモードの設定用のスイッチを設けたので、作業者の意思により確実にメンテナンスモードでの運転を実行できる。
請求項7の発明によれば、始動制御手段は始動制御モード中又はその後のエンジン回転数を検出することによりメンテナンスモードに移行するか否かを判定するので、始動後にエンジンの回転数が所定回転数以下に落ちたときは、自動的にメンテナンスモードにより気化器とは別のルートからソレノイドバルブによって燃料を供給することができ、気化器の不調を自動的に検知して気化器の目詰まり状態を効果的に解消することができる。
請求項8の発明によれば、始動制御手段はエンジンが停止していた時間を計測し、停止していた時間が所定値を超えたときは、メンテナンスモードに移行させるので、エンジン作業機を長期保管した後のエンジンの始動性を大幅に向上させることができ、なおかつ気化器の目詰まりを解消することができる。
請求項9の発明によれば、始動制御手段は検出した温度に応じて追加する始動時の燃料の量を調整し、エンジンの始動後にエンジンの回転数が所定回転数以下に低下したときは追加燃料供給手段によって燃料を供給するので、外気温度又はエンジン温度にかかわらずに安定して始動させることができる上に、始動直後にエンジンが止まることを効果的に防止できる。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
本発明の実施例に係るエンジン作業機の内部構造を示す縦断面図である。 本発明の実施例に係るエンジン作業機の内部構造を示す縦断面図であって、図1のA−A部の断面図である。 図2の追加燃料供給装置50の全体形状を示す斜視図である。 図2の追加燃料供給装置50の側面図である。 図4の追加燃料供給装置50のB−B部の断面図である。 本発明の実施例に係るエンジン作業機1の回路図である。 本実施例に係る通常のエンジン始動時の時間と燃料流量の関係を示すグラフである。 本発明の実施例に係る通常のエンジン始動時の追加燃料供給装置50の動作タイミングチャートである。 本発明の実施例に係るメンテナンスモード併用時の時間と燃料流量の関係を示すグラフである。 本発明の実施例に係るメンテナンスモード併用時の追加燃料供給装置50の動作タイミングチャートである。 本発明の実施例に係るエンジン作業機の始動制御手順を示すフローチャートである。 従来のエンジン作業機の一例(刈払機)の外観形状を示す斜視図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、前後左右、上下の方向は図中に示す方向であるとして説明する。
図1は、本実施例に係るエンジン作業機1の内部構造を示す縦断面図である。エンジン10は、2サイクルの小型エンジンであって、クランク軸13がメインパイプ5(図12参照)と同軸上に配置され、シリンダ11がクランクケース14から略垂直方向上側に伸びるように配置され、ピストン12がシリンダ11内を上下方向に往復移動する。クランク軸13の前側(出力側)には、遠心クラッチ29を介して図示しない駆動軸の一端部がクラッチシャフト32を介して連結される。遠心クラッチ29が取り付けられるマグネトロータ22には、エンジン冷却用のフィンが一体に形成される。遠心クラッチ29は、クランク軸13の回転数が一定以上になると遠心力によって揺動子30aがクラッチドラム30bに接続される公知の遠心クラッチである。クラッチシャフト32はハウジング34にて保持されるベアリング33によって回転可能に保持される。マグネトロータ22の外周部、ここでは上部にイグニッションコイル23が設けられる。イグニッションコイル23で発生された高圧電流は、イグニッションコード24とプラグキャップ25aを介して点火プラグ25に伝達される。エンジン10のクランクケース14の下側には、燃料タンク27が設けられる。燃料タンク27には、2サイクル用のガソリンとオイルの混合油が入れられ、後述する気化器35(図2参照)に送られる。
シリンダ11の燃焼室に隣接する位置(図1ではシリンダ11の側面)には、デコンプレッション機構(以下、デコンプと称する)31が設けられる。デコンプ31はエンジン10の始動時に燃焼室内の圧力の一部を解放してピストン12による圧縮作業を容易にし、エンジン10を始動しやすくするための機構である。本実施例ではデコンプ31の操作部(操作ボタン)を押し込む(操作ボタンを後方から前方側に移動させる)ことによりシリンダ11内の圧力の一部を解放することができる。デコンプ31はクランク軸13の回転直後の最初の燃焼(初爆)が起こるとその圧力変動で自動的に復帰する。
本実施例に係るエンジン10の始動装置としては、セルモータ106とリコイルスタータ40の2系統が設けられる。セルモータ106は接続線102を介して供給される電力により回転し、回転軸106aに設けられたピニオン77が回転することによってギヤ49が回転する、ギヤ49はベアリング48によってクランク軸13に対して回転可能なように保持され、ギヤ49が速い速度で回転するとギヤ49の一部に取り付けられたワンウェイクラッチ78が遠心力によって径方向外側に突き出て、第一ドラム79と密接して第一ドラム79を回転させることによりクランク軸13が回転する。リコイルスタータ40は、リール41に巻かれたスタータロープ42をスタータハンドル(図示せず)で速い速度で回すことによりワンウェイクラッチ46が遠心力によって径方向外側に突き出て、第二ドラム47と密接して第二ドラム47を回転させる。第二ドラム47はクランク軸13に固定されているため、第二ドラム47が回転するとクランク軸13も回転するためエンジンを始動することができる。開放されたスタータロープ42は、スパイラルスプリング43の復元力によりリール41に巻き取られる。
バッテリ収納部39は、例えば作業者が把持する2つのグリップ部3(図12参照)とは別に設けられるものであって、例えばハンドル4に着脱可能に設けられる。本実施例ではパック形式のバッテリ80に合わせた形状のバッテリ収納部39としているが、装着されるバッテリの形状に合わせてバッテリ収納部の形状は任意に設定することができる。例えば、電圧の異なる複数種類の電動工具用のリチウムイオン電池パックや乾電池等を装着できるように構成しても良い。バッテリ収納部39の内部には、略円筒形であって装着及び取り外しが可能なバッテリ80が収容される。バッテリ80は、バッテリ収納部39に装着及び取り外しが可能なように、いわゆるカセット式に構成される。バッテリ80には2箇所の掛止部81aが形成され、バッテリ収納部39の内壁に形成された凹部(図示せず)と係合することによりバッテリ80を保持する。バッテリ80を取り外すには、リリースボタン81を押しながらバッテリ80をバッテリ収納部39から引き出す。
バッテリ80の内部には、例えば14500サイズのリチウムイオン電池セル(図示せず)が4本収容される。バッテリ収納部39の後端部(図では下側)の形状は、下端の開口部39aを覆うように形成される。開口部39aに続くバッテリ80の装着空間の他端には制御回路基板90が設けられ、制御回路基板90から開口部39aに向かって複数のターミナル84が延びるように設けられる。制御回路基板90は、図3で後述する制御回路が搭載される基板である。バッテリ80の前端部(図では上側)には、複数の端子83が設けられ、バッテリ80をバッテリ収納部39に装着することにより端子83はバッテリ収納部39側に形成されるターミナル84と接触するので、バッテリ80の電力が後述する制御回路に供給される。
図2は、本実施例に係るエンジン作業機1の内部構造を示す縦断面図である。エンジン10は、2サイクルの小型エンジンであって、クランク軸13が刈払機のメインパイプ(図示せず)と同軸上に配置され、シリンダ11がクランクケース14から略垂直方向に伸びるように配置され、ピストン12(図1参照)が上下方向に往復運動する。シリンダ11の一方の側方(右側)にはマフラー16がボルト17によってシリンダ11に取り付けられ、シリンダ11の他方の側方(左側)には気化器35が設けられる。気化器35にはエアフィルタを収容する空間を形成するエアクリーナボックス26が接続される。クランクケース14の下側には燃料タンク27が設けられる。エンジン10の上側部分は上部カバー2によって覆われ、マフラー16はマフラーカバー8によって覆われる。マフラー16はシリンダ11から排出される燃焼ガスが外部へ排出される際の排気音を低減するものであって、金属製で箱状に形成される。マフラー16の内部には複数の膨張室が設けられ、排気ガスの浄化のために触媒装置を設けても良い。上部カバー2及びマフラーカバー8は、例えばプラスチック等の合成樹脂の一体成形によって製造される。気化器35には、手動で動作させるチョークレバー36が設けられる。チョークレバー36の構造や動作は公知であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
気化器35とシリンダ11の間には吸入通路を形成すると気化器35を固定するためのインシュレータ19が、ネジ20にてシリンダ11に取り付けられる。気化器35は2本のネジ21(図では1本のみ図示)によってインシュレータ19に取り付けられる。インシュレータ19と気化器35の間には、追加燃料供給装置50が設けられる。追加燃料供給装置50への燃料の供給は、燃料パイプとして専用のものを準備するのではなく、燃料タンク27から気化器35に燃料を供給するための燃料パイプの経路途中に追加燃料供給装置50が介在されるように構成した。このため燃料タンク27から気化器35に燃料を供給するための燃料パイプ71が設けられるが、その端部は追加燃料供給装置50に接続される。追加燃料供給装置50からは接続用の燃料パイプ73が延びて気化器35の流入口(図示せず)に接続される。気化器35の余剰燃料の排出口(図示せず)にはリターンパイプ74が接続され、リターンパイプ74の端部は貫通孔27cを通って燃料タンク27の内部に開口する。
このように追加燃料供給装置50をインシュレータ19と気化器35の間に配置して、燃料を供給するための燃料パイプ71の経路に設けたので、燃料タンク27として従来装置と全く同じであって、2つの貫通孔27b、27cを有する形状のものをそのまま用いることができる。また、インシュレータ19、気化器35の構成は変更する必要がないので、本発明を実現するに当たって従来の構成部分を変更する必要がなく、容易に本実施例を実現できる。燃料パイプ73の燃料タンク27側の先端にはゴミの吸引を防ぐためにフィルタ72を設け、貫通孔27b、27cには燃料漏れを防ぐためのゴムブッシュ76a、76bを設けるようにした。
気化器35には、混合燃料を燃料タンク27から気化器35に吸い上げるためのプライミングポンプ37が設けられる。プライミングポンプ37は燃料を吸い上げるためのポンプであり、作業者はエンジン10の始動直前に、リターンパイプ74に燃料が流れるまでプライミングポンプ37を繰り返し押すことにより気化器35に燃料を吸い上げる。プライミングポンプ37は半球状の透明バルブであるため、作業者は透明バルブ部分に混合燃料が到達したことをもって気化器35に燃料が到達したことを目視にて確認できる。この気化器35への燃料を吸い上げ操作は従来から行なわれているものであるが、追加燃料供給装置50は気化器35に燃料を供給するための燃料パイプ71の経路途中に設けたために、気化器35への燃料の吸い上げ操作完了は、追加燃料供給装置50への燃料の吸い上げ操作完了をも意味するので、始動時に追加燃料供給装置50に燃料が来ていないというトラブルを確実に阻止できる。
図3は本実施例に係る追加燃料供給装置50の全体形状を示す斜視図である。追加燃料供給装置50は固定用アダプタ15を含んで構成され、固定用アダプタ15が気化器35とインシュレータ19の間に固定されることにより追加燃料供給装置50がエンジン10に固定される。固定用アダプタ15の断面形状はインシュレータ19と同じ断面形状をしており、中央には吸気通路15aが形成され、吸気通路15aの両側にネジ21を貫通させるための2つのネジ穴15bと、パルス穴15cが設けられる。パルス穴15cは、クランクケースの圧力を気化器35へと伝えてダイヤフラム(図示せず)を動作させるために設けられる。固定用アダプタ15はインシュレータ19と同じ樹脂の一体成形、又は、気化器35と同じアルミニウム合金により製造されると好ましい。固定用アダプタ15をインシュレータ19と材料で形成する場合は、インシュレータ19と固定用アダプタ15を一体成形で製造してしまうことも可能である。また、固定用アダプタ15を用いずにインシュレータ19に燃料庫57を直接取り付けるような構成としても良い。インシュレータ19を樹脂の一体成形で製造する場合は、その形状変更は容易であり、インシュレータ19に取り付けられる気化器35の変更をしなくて済むので、既存のエンジン作業機に本実施例の追加燃料供給手段を適用することは容易である。
固定用アダプタ15の上側には燃料庫57が配置され、燃料庫57の上側にはソレノイドバルブ固定部56が配置され、ソレノイドバルブ固定部56の上側にはソレノイドバルブ51が配置され、これらが2つのボルト61によって固定用アダプタ15に固定される。ソレノイドバルブ固定部56には、燃料を追加燃料供給装置50内に供給するための燃料流入通路60aと、追加燃料供給装置50内から燃料を排出するための燃料排出通路60bが設けられる。燃料流入通路60aから燃料排出通路60bへの流路は、直線上になるように配置され、燃料タンク27から気化器35までの燃料供給の障害にならないようにしている。ソレノイドバルブ51からは2本のリードワイヤ53が延びるように設けられる。
図4は図2の追加燃料供給装置50の背面図である。本実施例の追加燃料供給装置50を装着することにより気化器35とインシュレータ19の距離は、固定用アダプタ15の厚さ分(左右方向幅分)だけ離れることになる。しかしながら、その厚さはソレノイドバルブ51の厚さとほぼ同等程度ですむので、実装上も吸気通路長も問題ないものである。吸気通路的に調整したい場合には、インシュレータ19の形状を変更すればよいので、気化器35に関しては従来から用いられるものをそのまま用いることができる。本実施例の追加燃料供給装置50には、燃料流入通路60aと燃料排出通路60bが設けられる。これは、燃料タンク27から追加燃料供給装置50までの燃料供給路を専用に設けるのではなく、燃料タンク27から気化器35に燃料を送る燃料パイプ71を兼用するためである。燃料タンク27から追加燃料供給装置50に燃料パイプ71を介して供給された燃料の大部分は、燃料排出通路60bから排出されて燃料パイプ73を介して気化器35に供給される。従って、燃料流入通路60aから燃料排出通路60bまでの燃料通路は抵抗が少ないように構成することが重要であり、本実施例では流入方向と排出方向が一直線上に位置するように構成される。尚、流入方向と排出方向は必ずしも一直線である必要はなく、十分に流路抵抗を少なく構成できるならば、流入方向と排出方向が90度曲がるような構成であっても良い。
図5は図4のB−B部の断面図であって追加燃料供給装置50の内部構造を示す図である。ソレノイドバルブ51は、電磁石(ソレノイド)の磁力を用いてプランジャ54を動かすことで弁(先端部54a)を開閉することにより、燃料流入通路60a(図4参照)から燃料庫57に至る流路への混合燃料の流れの制御を行う電気式制御バルブである。ソレノイドバルブ51は、本体ユニット51aに図示しない電磁石が内蔵され、本体ユニット51aは外周部を覆うとともにボルト61のネジ座を構成する固定金具51bによって覆われる。また、本体ユニット51aには電磁石に対して電力を供給するためのリードワイヤ53(図3参照)が接続される。ソレノイドバルブ51の固定金具51bは2つのボルト61によって、固定用アダプタ15に形成された2つのネジ穴15eに固定される。ソレノイドバルブ固定部56には、燃料通路60に接続する空間56aが形成され、空間56aから燃料庫57への管路の出口には円筒形のプランジャ突当部58が設けられる。
プランジャ54は一方の端部が可動片52によって保持され、他方の端部に円錐形に形成された先端部54aが形成され、先端部54aがプランジャ突当部58に接触することにより流路が閉鎖され、先端部54aがプランジャ突当部58から離れることによって流路が開放されることになる。また先端部54aとプランジャ突当部58の距離の大きさによって、吸気通路15a側に流れる追加燃料の量を調整できる。ソレノイドバルブ固定部56の出口側には円筒形の突出部56bが形成され、突出部56bは所定の大きさの円筒空間57aの内部に挿入される。突出部56bと円筒空間57aの接合部分にはOリング59aが配置されて、接合部分からの燃料漏れを防止している。燃料庫57には流出側に延びる突出部57bが形成され、突出部57bの内部には燃料庫57cが形成される。突出部57bは固定用アダプタ15に形成された円筒形の取付穴15dに取り付けられる。取付穴15dの底部はクランク室の内部に通じる吸気通路15aに開口する。突出部57bと取付穴15dの接合部分にはOリング59bが配置されて、接合部分からの燃料漏れを防止している。
図6は、本実施例に係るエンジン作業機1の回路図である。エンジン作業機1には、ソレノイドバルブ51を用いた追加燃料供給手段が設けられ、追加燃料供給手段は制御回路基板90に搭載される制御回路(始動制御手段)によって電子的に制御される。ソレノイドバルブ51は、エンジンに燃料を追加注入するための図示しない燃料供給路を開閉する。制御回路は、FET107、117、121、122と、抵抗器108、109、111、112、120、124、127と、電源スイッチ110と、コンデンサ113、114、115と、レギュレータ116と、マイコン118と、サーミスタ119と、スタータスイッチ125、モード切換スイッチ128を含んで構成される。
マイコン118は、レギュレータ116によって供給される定電圧にて駆動され、複数有するA/D変換ポートには、エンジンの温度を示すサーミスタ119の出力信号、抵抗器111及び112によるバッテリ80の電圧を示す信号、回転検出用コイル105の出力信号が入力される。エンジン回転パルス信号は、エンジン10に取り付けられたマグネットからの磁束を回転検出用コイル105によって電圧に変換し、マイコン118に入力されることで検出される。マイコン118は、これらの入力値から所定の論理演算を行い、FET117、122のゲート信号の送出を行うことにより、FET117、122のソース−ドレイン間の導通又は遮断を制御する。
FET121は、セルモータ106への電流供給を制御するためのスイッチング素子であり、マイコン118の指令(ゲート信号の供給)によってFET122のソース−ドレイン間が導通状態となる。FET122は、ソレノイドバルブ51を開くスイッチとなるもので、マイコン118の指令(ゲート信号の供給)によってFET122のソース−ドレイン間が導通状態となり、ソレノイドバルブ51が開く。ソレノイドバルブ51は、気化器付近に設けられるものであって、燃料をエンジン10のシリンダ内部に供給されるためのものである。
次に図7を用いてエンジン始動時の気化器35と追加燃料供給装置50による燃料供給状況を説明する。図7において縦軸は燃料流量(単位:マイクロリットル)、横軸は時間(単位:ミリ秒)であって、気化器35と追加燃料供給装置50の双方が正常に動作する場合の燃料供給状況を示すものである。ここでは時刻T0においてエンジン10の始動が開始され、ピストン12の回転直後にだけ追加燃料供給装置50により多量の燃料(始動燃料)が吸入通路内に供給される。この際、吸入通路には、気化器35からの燃料供給(流量L1)も行われているため、これに追加燃料供給装置50からの燃料が加算されることになり、その合計が流量L2となる。時刻T1付近でエンジン10が始動したら、追加燃料供給装置50による燃料供給を停止させて、気化器35だけからの燃料供給となるのでその流量はL1だけとなる。尚、図示の燃料流量は概念的に説明しているので、厳密な値を示しているのではないことに留意されたい。実際にはエンジン回転数の上昇や変動により変化する。
図8は、本発明の実施例に係る通常のエンジン始動時の追加燃料供給装置50の動作タイミングチャートである。実際の始動時においては、エンジン10の回転速度の上昇に応じてエンジン回転パルス信号(クランク軸13の1回転に1回発せられる)が狭くなるが、本図では説明の便宜のために、エンジン回転パルス信号を等間隔で概念的に示している。追加燃料供給装置50は吸気通路に対して燃料通路60に接続する空間56aから燃料庫57への管路を開口するものであり、クランク軸13の所定の回転角に対応させて、追加の燃料が吸気通路に断続的に供給される。本実施例では、回転検出用コイル105の出力の出現タイミングに合わせて、所定の時間間隔、又は、所定の回転角度分(クランク軸13の1回転中のうちの所定角度分)だけソレノイドバルブ51を動作させて、空間56aから燃料庫57への管路を開口させる。ソレノイドバルブ駆動信号92はその際のソレノイドバルブ51の駆動状況を示し、ソレノイド駆動信号がHIGH状態ではソレノイドバルブ51に駆動信号(電力)が供給されるため、ソレノイドバルブ51が動作して弁機構が開状態とされ、燃料が追加燃料供給装置50を介して吸気通路に供給される。ソレノイド駆動信号がLOW状態ではソレノイドバルブ51に駆動信号(電力)が供給されないため、ソレノイドバルブ51に含まれるバネ機構(図示せず)により弁機構が閉鎖される。ここでは、ソレノイドバルブ51の開くタイミングをエンジン回転パルス信号91の立ち上がりタイミングに同期させ、閉じるタイミングは立ち上がりタイミングから所定時間経過、又はクランク軸13の所定の回転角だけ回転した時とした。エンジンの1回転のうちソレノイドバルブ51の開いている期間の長さにより、吸気通路に供給される追加燃料の量を調整することができる。本実施例では時刻T1においてエンジン10が正常に始動しているので、その後は追加燃料供給装置50を使うこと無く気化器35だけでエンジン10の回転維持ができるので、時刻T1以降はソレノイドバルブ駆動信号92がLOWのまま、つまり通電していない状態のままとしている。以上が通常のエンジン始動時の制御手順であり、追加燃料供給装置50はいわば始動時のオートチョーク機構として機能する。
次に 図9を用いて気化器35の不調によりエンジン10がかかりにくい状態にあるエンジンの始動時の気化器35と追加燃料供給装置50による燃料供給状況を説明する。図9において縦軸及び横軸の関係は図7と同じであり、時刻T0においてリコイルスタータ40又はセルモータ106によりエンジン10の始動が開始され、クランク軸13の回転開始直後に追加燃料供給装置50により多量の燃料(始動燃料)が吸入通路内に供給される。図9の状態においては、時刻T1付近でエンジン10が始動するが吸入通路には気化器35からの燃料供給が行われていないため、図7の制御のように追加燃料供給装置50による燃料供給を停止させるとエンジン10が停止してしまう。そこで、図9の制御では、始動直後(時刻T0以降)に、本来ならば気化器35から供給されなければならない分の燃料を追加燃料供給装置50から供給し続けるようにした。この結果、追加燃料供給装置50からの燃料供給によりエンジン10が回転を続けるので、この回転維持によってシリンダ11内の負の圧力によって気化器35の目詰まりが効果的に解消され、時刻T3付近で気化器35からの燃料供給が復活して気化器35による正常な燃料供給状態になる。時刻T3以降においては、追加燃料供給装置50からの燃料供給を停止して気化器35からだけの燃料供給に切り替える。この切り替えはマイコン118(始動制御手段)によって電子的に制御できる。制御回路は時刻T3付近で気化器35からの燃料供給が復活するとエンジン回転数が上昇するので、エンジン回転数の変化を監視してマイコン118はソレノイドバルブの駆動信号をLOWのままとする。尚、図9の状態では始動燃料の燃料流量L3は追加燃料供給装置50からの供給だけになるので、通常はL3<L2(図7)となるが、追加燃料供給装置50からの供給分が多めになるように設定してほぼL3=L2の関係になるように設定しても良い。
図10は、本発明の実施例に係る通常のエンジン始動時の追加燃料供給装置50の動作タイミングチャートである。エンジン回転パルス信号96の間隔を等間隔で図示している理由は図8と同様である。本実施例では、回転検出用コイル105の出力の出現タイミングに合わせて、所定の時間間隔、又は、所定の回転角度分(クランク軸13の1回転中のうちの所定角度分)だけソレノイドバルブ51を動作させて、空間56aから燃料庫57への管路を開口させる。ソレノイドバルブ駆動信号92はその際のソレノイドバルブ51の駆動状況を示し、ソレノイド駆動信号がHIGH状態ではソレノイドバルブ51に駆動信号(電力)が供給されるため、ソレノイドバルブ51が動作して弁機構が開状態とされ、ソレノイド駆動信号がLOW状態ではソレノイドバルブ51に駆動信号(電力)が供給されないため弁機構が閉鎖される。ここでは、ソレノイドバルブ51の開くタイミングをエンジン回転パルス信号91の立ち上がりタイミングに同期させ、閉じるタイミングは立ち上がりタイミングから所定時間経過、又はクランク軸13の所定の回転角だけ回転した時とした。本実施例では初期始動モードでの制御において、ソレノイドバルブ51を開く時間tを図8の例に比べて長めに設定することにより、追加燃料供給装置50からの燃料供給量を調整した。
図10においては時刻T1においてエンジン10が正常に始動しているが、その際に気化器35は目詰まりを起こしているため、気化器35からの燃料供給がほとんど行われていない。そこで、始動初期モード経過後の休止期間において、マイコン118はその後のメンテナンスモードを実行するか否かを判断し、実行すると判断した場合には時刻T2において、所定の時間間隔にて矢印97a、97b、97cのようにソレノイドバルブ駆動信号97を短い期間だけ供給することにより追加燃料供給装置50によりエンジン10のアイドリング回転数を維持するのに必要な燃料を吸入通路内に供給する。この結果、気化器35の詰まりがあってもエンジン10は止まること無く回転を続けるため、この回転維持によってシリンダ11内の負の圧力によって気化器35の目詰まりを効果的に解消することができる。そして所定の時間、又は回転をした後に時刻T3においてメンテナンスモードの実行を終了して、気化器35からだけの燃料供給に切り替える。
ここで、メンテナンスモードを実行するか否かの判定は次のいずれかよりに行うことができる。
(1)メンテナンスモード実行を主導で指示するための専用のスイッチ(モード切換スイッチ128)を設けて、モード切換スイッチ128の設定に応じてメンテナンスモードを実行する。
(2)休止時間中にマイコン118がエンジン回転数の変化を監視して、回転が低下する等の回転維持ができそうにないと判断した場合にメンテナンスモードを実行する。
(3)前回エンジン停止してからエンジンが停止していた期間を算出し、算出された停止時間が所定値を超えたときは、メンテナンスモードを実行する。
(4)上記に加えて、又は上記とは別の条件(エンジン温度や外気温)等によりマイコン118がメンテナンスモードの実行を必要と判断したとき。
メンテナンスモードにおいては、本実施例ではクランク軸13の4回転中の1回転中にだけソレノイドバルブ51を開いて追加の燃料を供給する。メンテナンスモードにおいて初期始動モードに違って連続する各回転中において燃料を供給するのでなく、エンジンのm回転(但しm≧2)のうち1回転ずつ追加燃料供給装置50により追加の燃料を供給するように構成した。本実施例ではm=4としているが、この間隔をどの程度にするかは、気化器35からの燃料供給無しにエンジン10のアイドリング回転数を維持できる状態であれば良い。また、間欠的に行うのをm回転(但しm≧2)のうち1回転ずつでなくて、エンジンのm回転(但しm≧2)のうちn回転(但しm>n)だけ追加燃料供給装置50により追加の燃料を供給するように構成しても良い。ここで重要なことは、エンジンがかぶってしまうこと無く正常にアイドリング状態を維持することである。本実施例のソレノイドバルブ51は開と閉の2段階しか制御できずに、吸入通路内に供給される燃料の量はソレノイドバルブ51を開く時間の長さによって調整される。ここで、ソレノイドバルブ51でなくて流量まで制御できる電気的に制御可能な調整弁を用いるならば、メンテナンスモードの各回転中に間欠的にでなくて少量ずつの燃料を各回転ごとに供給するように構成しても良い。
以上説明したように、本実施例において初期始動モードでは、エンジン回転パルス信号に同期して初期の数回転分のみソレノイドバルブ51をONさせているが、メンテナンスモードでは、初期の数回転分比較的長い時間ソレノイドバルブ51をONさせた後、エンジンの数回転に1度比較的短い時間にソレノイドバルブ51をONさせているのが分かる。これによってエンジンが始動した後に燃料の高濃化によるかぶりを防止し、エンジンを最適な空燃比で駆動させることができる。また、気化器35が詰まっていた場合であってもエンジン10の運転により効果的に詰まりを除去することができる。
次に、本発明のエンジン作業機1の一連の動作について図11のフローチャートと図6の回路図を用いて説明する。まず初めに、制御回路(始動制御手段)用の電源スイッチ110がONされると(ステップ201)、抵抗器108、109によってFET107のゲート電圧が印加され、FET107はON状態となり(ステップ202)、レギュレータ116に電圧が供給される。レギュレータ116は、定電圧源であり、マイコン118等に定電圧を供給するためのものである。また、コンデンサ114、115は、レギュレータ116の出力電圧を安定させるためのものである。マイコン118の電源端子に所定の電圧が入力されると、マイコン118は起動する(ステップ203)。次にマイコン118は、ゲート信号を供給する事によりFET117をON(ソース−ドレイン間を導通)にして、電源スイッチ110が開放された後もFET107のON状態を維持し続けるようにする(ステップ204)。
次に、ステップ205でマイコン118は、サーミスタ119の出力信号から温度の検出を行う。この温度検出は、サーミスタ119と抵抗器120によって分圧された電圧をマイコン118のA/D変換入力端子に入力して測定を行う。サーミスタ119を設ける位置は、エンジン10の温度を測定したい場合はエンジン10の一部に、外気温度を測定したい場合は制御回路基板90に搭載すれば良い。マイコン118は、検出した温度に応じてエンジン始動時のソレノイドバルブ51をONさせる回数と1回あたりのON時間を決定する。具体的には温度が低いときほど、ソレノイドバルブ51をONさせる回数を増やしていき、追加する燃料の量を増やしていく。例えば図10の例では時刻T0からT1にかけ3回転分、即ち3回だけONさせているが、この回数をあらかじめ設定し、その設定回数分の回転が行われる間はエンジン10に追加の燃料を供給する。
次に、ステップ206でマイコン118はモード切換が必要かどうかを判定する。このモード切換は、通常始動モードと(図7のように初期始動制御においてだけ追加燃料供給装置50を作動させる)と、メンテナンスモード(図9のように初期始動制御の後にメンテナンスモードを実行して追加燃料供給装置50を作動させる)のいずれかを選択することである。本実施例では、モード切換スイッチ128がOFFのときは、ステップ207に進み、ソレノイドバルブ51の動作制御モードを通常始動モードに設定する。また、モード切換スイッチ128がONのときは、ステップ208に進み、メンテナンスモードに設定する。次に、マイコン118はエンジン10の回転パルス信号が検出されたかどうかを検出し(ステップ209)、検出されるまで待機する。エンジン10の回転パルス信号は回転検出用コイル105の出力により検出できる。
ここで、使用者がスタータハンドルを引くか、セルモータ106のスタータスイッチ125を押すとエンジン10が回転するため、エンジン回転パルス信号が1回転毎に回転検出用コイル105に発生する。マイコン118は、エンジン回転パルス信号が検出されるとステップ210に進み、ステップ205で決定したソレノイドバルブ51の1回あたりのON時間だけFET122をONさせて、ソレノイドバルブ51に通電することによってソレノイドバルブにて閉口されていた追加燃料供給部(図示せず)を開口し燃料の注入を行う。
次に、ステップ211に進み、ソレノイドバルブ51のON回数がステップ205で決定したソレノイドバルブ51をONさせる回数に達したかの判別を行う。ここで目標回数に達していないときは、ステップ209に戻り、次のエンジン回転パルス信号を待つ。そしてステップ209から211を繰り返し、目標回数に達した時点でステップ212に進む。
次に、ステップ212ではメンテナンスモードに設定させているか否かを判別する。メンテナンスモードに設定されていなければ、ステップ216に進み、FET117をOFFにする。FET117をOFFにすることによってFET107はOFFになるため、制御回路の電源はシャットダウンされる。また、ステップ212でメンテナンスモードに設定されていると判断したときは、ステップ213に進む。このメンテナンスモードでは、通常始動モードと同じように初期段階で所定期間、多くの燃料を供給する初期始動モードと、エンジンが始動した後に気化器35の動作無しでもそれを継続させるためのメンテナンスモードの2つに分けられる。ステップ213以降は、後者のメンテナンスモードとなる。マイコン118は、エンジン10の回転パルス信号が所定回数検出されたかどうかの判別を行い、所定回数検出された時点でステップ214に進み、ステップ205で決定したメンテナンスモードでのソレノイドバルブ51の1回あたりのON時間FET122をONさせて、閉口されていた追加燃料供給部(図示せず)を開口し燃料の注入を行う。
次に、ステップ215に進み、ソレノイドバルブ51のON回数がステップ205で決定したメンテナンスモードでのソレノイドバルブON回数(図10の例では3回)に達したかの判別を行う。ここで目標回数に達していないときは、ステップ213に戻り、次のエンジン回転パルス信号を待つ。そしてステップ213から215を繰り返し、目標回数に達した時点でステップ216に進む。ステップ216で所定時間待機したら、次にエンジン回転数が所定値以下に低下しているかを判断し(ステップ217)、低下している場合(気化器35が正常に作動していない場合)はステップ213に戻り、ステップ213から217を繰り返す。ステップ217にてエンジン回転数が所定値以下に低下していない場合(気化器35が正常に作動している場合)はFET117をOFFにすることで制御回路の電源をシャットダウンする。
以上のように本実施例によれば、通常始動モードでは気化器35からの燃料供給に加えてソレノイドバルブ51からの燃料供給を連続的(各回転内に1回以上ずつ)に行うが、メンテナンスモードにおいては、始動直後の所定期間、ソレノイドバルブ51からの燃料の供給を断続的に行う。このようにメンテナンスモードを設けたことによりエンジン10を確実に始動させることができる上に、気化器35の詰まりを効果的の除去することができる。尚、図11のフローチャートにおいては、メンテナンスモードの実行の有無をモード切換スイッチ128の状況によって判定するようにしたが、この判定制御を変えることができる。例えば、図10の初期始動制御の直後にソレノイドバルブ51の制御の休止期間を設定し、この期間中のエンジン回転パルス信号96を監視することにより、エンジンの回転数が所定値以上に上がらなかった場合等、気化器35が正常に動作しているかどうかを判定し、動作していないと判断された場合にのみステップ213〜217のメンテナンスモードを実行するようにしても良い。また、マイコン118は、エンジンが停止していた期間を算出し、算出された停止時間が所定値(例えば1ヶ月以上の長期間であるか否か)を超えたときは、自動的にメンテナンスモードを実行するように構成しても良い。さらに、上記条件だけでなくその他の条件(エンジン温度や外気温)等を考慮した上で、マイコン118がメンテナンスモードの実行が必要かどうかを判断するように構成しても良い。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施例ではエンジン作業機の例として刈払機を用いて説明したが、刈払機だけでなく、カッター、チェンソー、芝刈機、カルチベータ等のその他のエンジン作業機であっても良い。また上述の実施例では2サイクルエンジンの例で説明したが、4サイクルエンジンにおいても同様に適用できる。
1 エンジン作業機 2 上部カバー
3 グリップ部 4 ハンドル
5 メインパイプ 6 回転刃
6a 飛散防御カバー 7 スロットルレバー
8 マフラーカバー 9 スタータカバー
10 エンジン 11 シリンダ
12 ピストン 13 クランク軸
14 クランクケース 15 固定用アダプタ
15a 吸気通路 15b ネジ穴
15c パルス穴 15d 取付穴
15e ネジ穴 16 マフラー
17 ボルト 18 ワイヤー
19 インシュレータ 20、21 ネジ
22 マグネトロータ 23 イグニッションコイル
24 イグニッションコード 25 点火プラグ
25a プラグキャップ 26 エアクリーナボックス
27 燃料タンク 27b、27c 貫通孔
29 遠心クラッチ 30a 揺動子
30b クラッチドラム 31 デコンプ
32 クラッチシャフト 33 ベアリング
34 ハウジング 35 気化器
36 チョークレバー 37 プライミングポンプ
39 バッテリ収納部 39a 開口部
40 リコイルスタータ 41 リール
42 スタータロープ 43 スパイラルスプリング
46 ワンウェイクラッチ 47 第二ドラム
48 ベアリング 49 ギヤ
50 追加燃料供給装置 51 ソレノイドバルブ
51a 本体ユニット 51b 固定金具
52 可動片 53 リードワイヤ
54 プランジャ 54a 先端部
56 ソレノイドバルブ固定部 56a 空間
56b 突出部 57 燃料庫
57a 円筒空間 57b 突出部
57c 燃料庫 58 プランジャ突当部
59a、59b リング 60 燃料通路
60a 燃料流入通路 60b 燃料排出通路
61 ボルト 71 燃料パイプ
72 フィルタ 73 燃料パイプ
74 リターンパイプ 76a ゴムブッシュ
77 ピニオン 78 ワンウェイクラッチ
79 第一ドラム 80 バッテリ
81 リリースボタン 81a 掛止部
83 端子 84 ターミナル
90 制御回路基板 91 エンジン回転パルス信号
92 ソレノイドバルブ駆動信号 96 エンジン回転パルス信号
97 ソレノイドバルブ駆動信号 97a 矢印
102 接続線 105 回転検出用コイル
106 セルモータ 106a 回転軸
107、117、121、122 FET
108、109、111、112、120、124、127 抵抗器
110 電源スイッチ 113、114、115 コンデンサ
116 レギュレータ 118 マイコン
119 サーミスタ 125 スタータスイッチ
128 モード切換スイッチ 501 エンジン作業機

Claims (9)

  1. 燃料タンクと、
    シリンダ内に前記燃料タンクから送られる燃料と空気の混合気を供給する気化器と、
    ピストンが往復運動可能なシリンダと、
    前記シリンダを保持するとともにクランク室を形成するクランクケースを有するエンジンを用いて作業機器を駆動させるエンジン作業機において、
    前記気化器とは独立して、前記エンジンに燃料を供給する追加燃料供給手段と、
    前記追加燃料供給手段の動作を制御する始動制御手段を設け、
    前記始動制御手段は、前記エンジンの始動の際に前記追加燃料供給手段により追加の燃料を供給し、
    前記始動制御手段は前記追加燃料供給手段による所定の燃料供給の後に間欠的に追加の燃料を供給するメンテナンスモードを備えることを特徴とするエンジン作業機。
  2. 前記追加燃料供給手段は前記燃料タンクから供給される燃料の流路に設けられ、前記気化器から前記シリンダ内へ至る吸気通路に前記流路からの燃料供給を制御するソレノイドバルブを有することを特徴とする請求項1に記載のエンジン作業機。
  3. 前記メンテナンスモード時に、前記追加燃料供給手段は前記エンジンのm回転(但しm≧2)のうちn回転(但しm>n)において追加の燃料を供給することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン作業機。
  4. 前記メンテナンスモード時には、前記追加燃料供給手段は前記エンジンのm回転(但しm≧2)のうち1回転ずつ追加の燃料を供給することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン作業機。
  5. 前記追加燃料供給手段は、前記メンテナンスモード時において前記エンジンが始動するまでの燃料供給よりも少ない量の追加燃料を前記吸気通路に供給することを特徴とする請求項3又は4に記載のエンジン作業機。
  6. 前記メンテナンスモードの設定用のスイッチを設け、前記始動制御手段は前記スイッチがオンの際に前記メンテナンスモードによる制御に移行させることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載のエンジン作業機。
  7. 前記エンジンの回転数を検出する回転数検出手段を設け、
    前記始動制御手段は始動時又はその後のエンジン回転数を検出することにより前記メンテナンスモードに移行するか否かを判定することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載のエンジン作業機。
  8. 前記エンジンの停止期間をカウントするタイマ手段を設け、
    前記始動制御手段は前記タイマ手段によりエンジンが停止していた時間を計測し、停止していた時間が所定値を超えたときは、前記メンテナンスモードに移行させることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載のエンジン作業機。
  9. 前記エンジン又は外気の温度を検出する温度検出手段と、前記エンジンの回転数を検出する回転数検出手段を設け、
    前記始動制御手段は前記温度検出手段が検出した温度に応じて追加する燃料の量を制御するとともに、前記エンジンの始動後に前記エンジンの回転数が所定回転数以下に低下したときは、前記追加燃料供給手段によって燃料を供給することを特徴とすることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のエンジン作業機。
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