JP2014148753A - ガスバリア性積層体およびこの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】PVD法やCVD法では、膜厚の増加に対しガスバリア性が飽和しやすい問題に対して、更に高いガスバリア性を持った透明、もしくは半透明なガスバリア性積層体およびこの製造方法を提供する。
【解決手段】ガスバリア性積層体10が、プラスチックフィルム基材11の少なくとも一方の面に、プラスチックフィルム基材11側から順に下地層12と、ガスバリア層13とを有し、下地層12の密度が、プラスチックフィルム基材11の密度よりも大きい。
【選択図】図1
【解決手段】ガスバリア性積層体10が、プラスチックフィルム基材11の少なくとも一方の面に、プラスチックフィルム基材11側から順に下地層12と、ガスバリア層13とを有し、下地層12の密度が、プラスチックフィルム基材11の密度よりも大きい。
【選択図】図1
Description
本発明は、プラスチック基材を用いたガスバリア性積層体と、これを製造する方法に関するものである。
近年、次世代のFPDとして期待される電子ペーパー、有機EL、また広範囲での普及が進んでいるLCDに関し、これらFPDのフレキシブル化を達成するため、もしくは軽量化、コストダウン、ガラス基板の割れ等製造時のスループット向上のため、ガラス基板をプラスチックフィルムに置き換えたいという要求が高まっている。また、有機ELでは、蛍光灯に替わる代替照明方法としても注目されており、この場合、軽量化、安全確保などの理由からプラスチックフィルムを用いることが求められている。一方、FPDのフレキシブル化とは別に、太陽電池のバックシートなどの産業資材も軽量化や、薄型化、破損防止、導通防止などの観点から、フィルムが採用されるケースが多くなっている。
ガラス基板は環境由来の酸素や水蒸気による内部素子の劣化を抑制するため必要とされるガスバリア性が備わっている。しかし、軟包装材料用のガスバリアフィルムはそのバリアレベルには達しておらず、プラスチックフィルムが適用され得る太陽電池バックシートなどの産業資材は食品包材用バリアフィルムの数倍以上、電子ペーパー、有機ELなどディスプレイ用封止フィルムでは10−2g/m2/day以下の水蒸気バリア性が必要ともいわれている。また、太陽電池も薄膜太陽電池は1g/m2/day以下の水蒸気バリア性、薄膜の種類によっては更に高いバリア性を求められる場合もある。
このような高いガスバリア性を有するプラスチックフィルムを実現するために、誘導加熱法、抵抗加熱法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法などの物理成膜法(以下PVD法という。)は、大面積化やロール・ツー・ロールへの展開が容易であることから、これらの方式を用いて、高いガスバリア性の発現が期待できるものとして検討されている(例えば特許文献1)。
また、化学成膜に属する化学気相成長法(以下CVD法という。)、プラズマ化学気相成長法(プラズマCVD法)は、その膜成長過程において、成膜条件によっては、柱状の成長や島状の成長をしにくく、このため膜中のグレイン・バウンダリー発生頻度が低いため、高いガスバリア性を発現することが期待されている。
一方、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition:以下ALD法という。)は、形成しようとする膜を構成する各元素の原料ガスを基板に対し交互に供給することにより、原子層単位で薄膜を形成することが可能であるため、成膜速度が遅いという欠点はあるが、プラズマCVD法以上に欠陥レスの密な膜を成膜することが可能であり、また、膜厚制御が容易であることや、大面積化も比較的容易であるなどの良い点が多い。また、プラズマを用いることにより、反応速度の向上、低温プロセス化、未反応ガスの減少を促せるプラズマALD法もある(例えば特許文献2)。
しかしながら、PVD法を用いる場合、薄膜の成長過程において、柱状の成長や島状の成長をすることが一般的であるため、膜中にグレイン・バウンダリーが発生するため、高いガスバリア性を発現することが困難である。このため、膜厚を厚くすることでガスバリア性を発現させることが考えられるが、膜厚が厚くなると、薄膜の内部応力が無視できなくなり、クラック等が発生し、逆にガスバリア性の低下を招くことや、グレイン・バウンダリーや、成膜中に発生するピンホールなどの膜欠陥がある状況で薄膜を成長させてもガスバリア性が飽和することが分っている。
また、CVD法を用いる場合、成膜速度の遅さや、良好な膜厚分布を得ることが比較的難しく、大面積化の困難さという大きな問題を抱えている。また、成膜速度を速くした場合、良好な膜質を得ることが難しくなる。
また、ALD法を用いる場合、一般的に原料ガスを交互に供給し、原子層毎の成膜を行うため、成膜速度が遅いという難点がある。また、原料ガスが基板と化学的吸着することが望ましく、用いる基材と用いる原料ガスとの組み合わせを選択する必要がる。
そこで、本発明では、PVD法やCVD法では、膜厚の増加に対しガスバリア性が飽和しやすい問題に対して、更に高いガスバリア性を持った透明、もしくは半透明なガスバリア性積層体の製造方法とガスバリア性積層体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段として、本発明の一の態様は、プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、前記プラスチックフィルム基材側から順に下地層と、ガスバリア層とを有するガスバリア性積層体であって、
前記下地層の密度が、前記プラスチックフィルム基材の密度よりも大きいことを特徴とするガスバリア性積層体である。
前記下地層の密度が、前記プラスチックフィルム基材の密度よりも大きいことを特徴とするガスバリア性積層体である。
また、前記ガスバリア層の密度が、前記下地層よりも大きいことを特徴とする。
また、本発明の他の態様は、プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、前記プラスチックフィルム基材側から順に下地層と、ガスバリア層とを有するガスバリア性積層体の製造方法であって、前記プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、物理成膜法もしくは化学気相成長法のいずれか、またはその両方を用いて、前記プラスチックフィルム基材より密度の大きい下地層を形成する工程と、前記下地層の表面に、原子層堆積法を用いてガスバリア層を形成する工程とを具備することを特徴とするガスバリア性積層体の製造方法である。
また、前記ガスバリア層を形成する工程において、前記下地層より密度の大きい前記ガスバリア層を形成することを特徴とする。
本発明によれば、PVD法で問題となるクラックまたは膜中のグレイン・バウンダリーもしくはピンホールなどの欠陥や、CVD法で問題となる成膜速度の遅さまたは大面積化の困難さを解消し、酸素バリア性および水蒸気バリア性に優れたガスバリア性積層体を得ることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明のガスバリア性積層体の一実施形態の断面図である。本発明のガスバリア性積層体10は、プラスチックフィルム基材11と、下地層12と、ガスバリア層13とから構成される。図1では、下地層12およびガスバリア層13が、プラスチックフィルム基材11の一方の面に設けられた構成を示したが、下地層12およびガスバリア層13が、プラスチックフィルム基材11の両面にこの順で設けられてもよい。
フィルム基材11は、特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。例えばポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリイミド系、ポリアミド系(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリエーテルスルホン、アクリル、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等)などが挙げられるが特に限定されない。実際的には、用途や要求物性により適宜選定をすることが望ましく、限定をする例ではないが医療用品、薬品、食品等の包装には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロンなどがコスト的に用いやすく、電子部材、光学部材等の極端に水分を嫌う内容物を保護する包装には、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド類、ポリエーテルスルホンなどのそれ自体も高いガスバリア性を有する基材を用いることが望ましい。また、基材フィルム厚みは限定するものではないが、用途に応じて、6μmから200μm程度が使用しやすい。
下地層12は、プラスチックフィルム基材11とガスバリア層13との間に形成される層であり、後述するガスバリア層13と同様に、ガスバリア性を発現する層であってもよい。下地層12は、図1のように単独の層でもよく、複数の層で構成されていてもよい。
下地層12は、PVD法またはCVD法により成膜された層であることが好ましい。下地層12が、PVD法またはCVD法により成膜されることによって、後述するALD法によって成膜されるガスバリア層13を形成する際に用いる原料ガスが吸着するサイトが密であり、ALD法による膜の成長が容易に可能である。下地層12が複数の層で構成される場合、全ての層が、PVD法またはCVD法のどちらか一方の方式により成膜されてもよく、また、各層で成膜方式が異なっていてもよい。
PVD法の例としては、誘導加熱法、抵抗加熱法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法などが挙げられる。一方、CVD法の例としては、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法などが挙げられる。
PVD法またはCVD法により成膜される下地層12としては、Alなどの金属薄膜層、SiOx、SiOxNv、SiNx、AlOx、ZnSnOx、ITO、ZnO、IZO、ZnS、MgO、SnOxなどのセラミック薄膜層、SiOxCyHz、またはセラミック層とSiOxCyHzの積層などの有機無機ハイブリット薄膜層などが挙げられる。
また、PVD法またはCVD法により成膜される下地層12の膜厚は、1nm以上500nm以下であることが好ましい。
また、PVD法またはCVD法により成膜される下地層12の膜密度は、プラスチックフィルム基材11の密度よりも大きいことが望ましい。これにより、密度がより小さいプラスチックフィルム基材11の表面にALD法によって膜を形成するよりも、密度がより大きい下地層12の表面にALD法によって膜を形成するほうが、その膜の成長を容易に進行させることができる。ここで、膜密度とは、ある物質の単位体積あたりの質量であり、膜密度の測定方法としては、ラザフォード後方散乱分光法(RBS法)により測定することが可能であるが、これに限らない。更に、プラスチックフィルム基材の密度測定方法としては、水中置換法、ピクノメーター法、浮沈法、密度こうばい管法などがあるが、これに限るものではない。
ガスバリア層13は、下地層12の表面に形成される層であり、ガスバリア性を発現する層である。
ガスバリア層13は、ALD法により成膜された層であることが好ましい。
PVD法による成膜は、薄膜の成長過程において、柱状の成長や島状の成長をすることが一般的であるため、膜中にグレイン・バウンダリーが発生することや、ピンホール等の欠陥に対し、厚膜化しても射影効果と不可分であることから、膜厚に比例してガスバリア性が上がりつらくなり、結果として高いガスバリア性を発現することが困難である。また、厚膜化により、薄膜の内部応力が無視できなくなり、クラック等が発生し、逆にガスバリア性の低下を招く場合もある。
一方、CVD法による成膜は、例えば、13.56MHzなどの高い周波数の電界印加を用いるプラズマCVD法などでは、膜中のグレイン・バウンダリー等の膜欠陥発生頻度が低いため、高いガスバリア性を発現することが期待できるが、成膜速度が遅い欠点がある。成膜速度を上げるために、気圧等の成膜条件を変更したり、プラスチックフィルム基材側をカソードとして、印加する周波数を40kHzなど低い周波数にしたりしても、グレイン・バウンダリー等の膜欠陥が発生し、また、膜密度が上がらず、高いガスバリア性を得ることが困難である。
そこで、ALD法を用い、PVD法またはCVD法で成膜された下地層12の上部に成膜を行えば、発生しているピンホール、グレイン・バウンダリー等の欠陥を覆う、または埋めることが可能である。また、下地層12の膜密度が低い場合、原料ガスと反応ガスを交互に導入し、原料ガスが吸着可能なサイトには全て吸着するため、それを補うことが可能である。また、ALD法自体の緻密で欠陥レスな高いガスバリア性の膜が得られるため、ガスバリア性は飛躍的に向上する。
図2は、ALD法の原理について説明したものである。ALD法は、真空チャンバーが、十分に減圧下となった状態で、ヒーターにより、基材を所望の温度まで加熱する。例えば、Al2O3の場合は、80〜300℃が良いとされる。加熱終了後、昇温した温度を維持しながら、成膜を開始すべく、原料ガスを減圧チャンバーに供給する(原料ガス供給=ステップ1)。基材表面に原料ガスが吸着した後、原料ガスの供給を止め、不活性ガスを供給し、原料ガスの残余を排気する(不活性ガス供給=ステップ2)。その後、不活性ガスの供給を止め、反応ガスを減圧チャンバーに供給し、基材表面の原料と反応させる(反応ガス供給=ステップ3)。反応終了後、反応ガスの供給を止め、再び不活性ガスを供給し、残余の反応ガスを排気する(不活性ガス供給=ステップ4)。この作業を1サイクルとして、原子層1層が基材に成膜され、所望の膜厚まで繰り返しこのサイクルを行っていく。例えば、Al2O3の場合は、1Å/サイクル程度とされ、物理膜厚10nmを求める場合、約100サイクル行うこととなる。これらのサイクル中は、一般的に常に真空ポンプで排気を行いながら各ガスを供給していくものである。このため、膜厚のコントロールが容易である上、原子層が1層ごと形成されていくため、ステップ・カバレッジに優れ、どのような複雑な形状の面にでも斜影効果無しに成膜することが可能である。
ALD法によって成膜されるガスバリア層13の材料としては、Al2O3、SiO2、Si3N4、TiO2、Nb2O5、Ta2O5、ZrO2、MgO、ZnOなどが挙げられるが、これに限られることは無く、用途により自由に選択することが可能である。また各ガスの導入時間や成膜温度を調整することによりAlOx、TiOx、SiOx、NbOx、ZrOxなどの中間酸化物、窒化物なども可能であり、必要により使用することは問題ない。本発明において使用する基材はプラスチックフィルム基材であるため、フィルムのダメージを少なくするために、成膜する薄膜はなるべく低温で成膜が可能である材料を選択することが好ましい。
また、ALD法によって成膜されるガスバリア層13の膜厚は、0.1nm以上500nm以下であることが好ましい。
上述の各層で構成されたガスバリア性積層体10は、水蒸気透過度が、0.1g/m2/day以下であることが好ましい。また、酸素透過度が、0.1cc/m2/day以下であることが好ましい。ガスバリア性積層体10の水蒸気透過度または酸素透過度が上記範囲である場合、太陽電池バックシートなどの産業資材用バリア部材や、ガスバリア性を必要とした光学フィルム、光学機能性フィルタ等の光学部材等に用いても十分なガスバリア性を発揮することができる。
以下に、本発明の具体的な実施例を示す。
<実施例1>
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PETフィルムという。)にSiOx膜を電子ビーム蒸着法で成膜した。この際、成膜条件は、成膜前圧力=5×10−4Pa、成膜圧力=1×10−2Pa、膜厚は25nmとした。次に、ALD法でAl2O3膜を成膜した。この際、原料ガスはトリメチルアルミニウム(以下TMAという。)、パージガスとしてAr、反応ガスとしてH2Oを用いた。成膜サイクルとして150サイクルとし膜厚15nmの成膜を行った。この際、各ガスの供給時間は2secずつとし、1サイクルは8secであり、合計時間は、20minであった。
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PETフィルムという。)にSiOx膜を電子ビーム蒸着法で成膜した。この際、成膜条件は、成膜前圧力=5×10−4Pa、成膜圧力=1×10−2Pa、膜厚は25nmとした。次に、ALD法でAl2O3膜を成膜した。この際、原料ガスはトリメチルアルミニウム(以下TMAという。)、パージガスとしてAr、反応ガスとしてH2Oを用いた。成膜サイクルとして150サイクルとし膜厚15nmの成膜を行った。この際、各ガスの供給時間は2secずつとし、1サイクルは8secであり、合計時間は、20minであった。
<実施例2>
厚さ12μmのPETフィルムにSiOxCyHz膜をプラズマCVD法で成膜した。この際、成膜条件は、成膜前圧力=1×10−3Pa、成膜圧力=5Pa、膜厚は25nmとした。次にALD法でAl2O3膜を成膜した。この際、原料ガスはTMA、パージガスとしてAr、反応ガスとしてH2Oを用いた。成膜サイクルとして150サイクルとし膜厚15nmの成膜を行った。この際、各ガスの供給時間は2secずつとし、1サイクルは8secであり、合計時間は、20minであった。
厚さ12μmのPETフィルムにSiOxCyHz膜をプラズマCVD法で成膜した。この際、成膜条件は、成膜前圧力=1×10−3Pa、成膜圧力=5Pa、膜厚は25nmとした。次にALD法でAl2O3膜を成膜した。この際、原料ガスはTMA、パージガスとしてAr、反応ガスとしてH2Oを用いた。成膜サイクルとして150サイクルとし膜厚15nmの成膜を行った。この際、各ガスの供給時間は2secずつとし、1サイクルは8secであり、合計時間は、20minであった。
以下に、具体的な比較例を示す。
<比較例1>
厚さ12μmのPETフィルムにSiOx膜を電子ビーム蒸着法で成膜した。この際、成膜条件は、成膜前圧力=5×10−4Pa、成膜圧力=1×10−2Pa、膜厚は25nmとした。
<比較例2>
厚さ12μmのPETフィルムにSiOx膜を電子ビーム蒸着法で成膜した。この際、成膜条件は、成膜前圧力=5×10−4Pa、成膜圧力=1×10−2Pa、膜厚は25nmとした。
<比較例2>
厚さ12μmのPETフィルムにSiOx膜を電子ビーム蒸着法で成膜した。この際、成膜条件は、成膜前圧力=5×10−4Pa、成膜圧力=1×10−2Pa、膜厚は40nmとした。
<比較例3>
<比較例3>
厚さ12μmのPETフィルムにSiOxCyHz膜をプラズマCVD法で成膜した。この際、成膜条件は、成膜前圧力=1×10−3Pa、成膜圧力=5Pa、膜厚は25nmとした。
<比較例4>
<比較例4>
厚さ12μmのPETフィルムにSiOxCyHz膜をプラズマCVD法で成膜した。この際、成膜条件は、成膜前圧力=1×10−3Pa、成膜圧力=5Pa、膜厚は40nmとした。
<比較例5>
<比較例5>
厚さ12μmのPETフィルムにALD法でAl2O3膜を成膜した。この際、原料ガスはTMA、パージガスとしてAr、反応ガスとしてH2Oを用いた。成膜サイクルとして150サイクルとし膜厚15nmの成膜を行った。この際、各ガスの供給時間は2secずつとし、1サイクルは8secであり、合計時間は、20minであった。
<比較例6>
<比較例6>
厚さ12μmのPETフィルムにALD法でAl2O3膜を成膜した。この際、原料ガスはTMA、パージガスとしてAr、反応ガスとしてH2Oを用いた。成膜サイクルとして400サイクルとし膜厚40nmの成膜を行った。この際、各ガスの供給時間は2secずつとし、1サイクルは8secであり、合計時間は、約53minであった。
作成したサンプルについて、水蒸気透過度及び酸素透過度を以下の方法で測定した。
(評価方法)
水蒸気透過度をMOCON法により測定した。用いた測定器はMOCON AQUATRAN model1により、40℃、90%Rhにて測定し、酸素透過度はMOCON OX−TRAN 2/20により、23℃、0%Rhにて測定した。
水蒸気透過度をMOCON法により測定した。用いた測定器はMOCON AQUATRAN model1により、40℃、90%Rhにて測定し、酸素透過度はMOCON OX−TRAN 2/20により、23℃、0%Rhにて測定した。
表1に実施例1、2および比較例1〜6で作成したサンプルの水蒸気透過度と酸素透過度を示す。
表1の結果より、PVD法、またはCVD法によって薄膜が成膜されたプラスチックフィルム上にALD法により薄膜を成膜すると、PVD層、CVD層、ALD層それぞれ単体の場合のガスバリア性より高いガスバリア性を示す結果が得られた。
本発明の製造方法によって得られたガスバリア性積層体は、太陽電池バックシートなどの産業資材用バリア部材の他に、ガスバリア性を必要とした光学フィルム、光学機能性フィルタ等の光学部材等にも利用される。
10・・・ガスバリア性積層体
11・・・プラスチックフィルム基材
12・・・下地層
13・・・ガスバリア層
11・・・プラスチックフィルム基材
12・・・下地層
13・・・ガスバリア層
Claims (4)
- プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、前記プラスチックフィルム基材側から順に下地層と、ガスバリア層とを有するガスバリア性積層体であって、
前記下地層の密度が、前記プラスチックフィルム基材の密度よりも大きいことを特徴とするガスバリア性積層体。 - 前記ガスバリア層の密度が、前記下地層よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層体。
- プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、前記プラスチックフィルム基材側から順に下地層と、ガスバリア層とを有するガスバリア性積層体の製造方法であって、
前記プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、物理成膜法もしくは化学気相成長法のいずれか、またはその両方を用いて、前記プラスチックフィルム基材より密度の大きい下地層を形成する工程と、
前記下地層の表面に、原子層堆積法を用いてガスバリア層を形成する工程と
を具備することを特徴とするガスバリア性積層体の製造方法。 - 前記ガスバリア層を形成する工程において、前記下地層より密度の大きい前記ガスバリア層を形成することを特徴とする請求項3に記載のガスバリア性積層体の製造方法。
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