JP2014146655A - 磁性部材、及び磁性部材の製造方法 - Google Patents

磁性部材、及び磁性部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】強度が低下することなく、磁性粉末の充填率が高くて磁気特性に優れると共に、耐熱温度の高い磁石が得られる磁性部材、及び、その磁性部材を製造する磁性部材の製造方法を提供する。
【解決手段】磁性部材は、希土類-鉄系合金からなる複数の磁性粒子と、これら磁性粒子を結合する結合剤とを備える。結合剤は、磁性粒子の隙間に介在されて、磁性部材を保形する粒状の保形樹脂と、磁性粒子と保形樹脂との間に含浸され、磁性部材の強度を維持する含浸樹脂とを備える。含浸樹脂は、硬化後のヤング率が3GPa以下の熱硬化性樹脂からなる。そして、磁性部材の体積に占める磁性粒子の合計体積の割合を充填率とするとき、充填率が75体積%以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、永久磁石の素材である磁性部材、及びその磁性部材の製造方法に関するものである。特に、磁性粒子と結合剤とで構成される磁性部材において、所定の強度を備え、磁性粒子の充填率が高い磁性部材に関する。
モータや発電機などに利用される永久磁石には、希土類磁石(代表的には、Nd-Fe-B磁石、Sm-Fe-N磁石)が広く利用されている。例えば、特許文献1には、希土類磁石粉末(磁性粉末)と、この希土類磁石粉末を結合する熱可塑性樹脂からなる結合樹脂とを備える希土類ボンド磁石が開示されている。この希土類ボンド磁石は、希土類磁石粉末と結合樹脂とを混合した混合材料を、結合樹脂が溶融する温度に成形金型を加熱した状態で加圧成形する、所謂、温間圧縮成形により製造されている。
特開2001−267162号公報
ボンド磁石は、磁性粉末の隙間に結合樹脂が介在されるため、ボンド磁石における磁性粉末の充填率(ボンド磁石の体積に占める磁性粒子の合計体積の割合)を高くすることが難しく、磁気特性を向上することが難しかった。ボンド磁石における磁性粉末の充填率を高くするために、単に、樹脂の含有量を減らすと、樹脂の流動には限度があるため磁性粉末の隙間に樹脂が行き渡らず、ボンド磁石の強度が低下して割れや欠けが生じる場合がある。そのため、ボンド磁石の強度を維持する程度に磁性粉末の隙間に十分に行き渡らせるには、ある程度の樹脂を含有させる必要があるからである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、所定の強度を備え、磁性粒子の充填率が高い磁性部材を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記磁性部材を製造できる磁性部材の製造方法を提供することにある。
本発明者は、強度が低下することなく磁性粉末の充填率の高い磁石が得られる磁性部材を製造することを鋭意検討した。その結果、保形可能な程度の少量の固形樹脂で磁性粒子を結合した成形体を作製した後、成形体の隙間に液状樹脂を含浸させることで、従来よりも樹脂の含有量を低減した上で、強度が低下することなく磁性粉末の充填率の高い磁性部材が得られるとの知見を得た。また、成形体を作製した後に成形体の隙間に液体樹脂を含浸させるため、成形時に磁性粉末の隙間に結合樹脂を行き渡らせる必要がない。即ち、成形時に樹脂を十分に軟化又は溶融させて磁性粉末の隙間に行き渡らせるほど高温に加熱する必要がない。そのため、含浸させる液状樹脂に耐熱温度の高い熱硬化性樹脂が利用できるとの知見を得た。これらの知見に基づき、本発明を以下に規定する。
本発明の磁性部材は、希土類-鉄系合金からなる複数の磁性粒子と、これら磁性粒子を結合する結合剤とを備える。上記結合剤は、磁性粒子の隙間に介在されて、磁性部材を保形する粒状の保形樹脂と、磁性粒子と保形樹脂との間に含浸され、磁性部材の強度を維持する含浸樹脂とを備える。含浸樹脂は、硬化後のヤング率が3GPa以下の熱硬化性樹脂からなる。そして、磁性部材の体積に占める磁性粒子の合計体積の割合を充填率とするとき、充填率が75体積%以上である。
上記の構成によれば、充填率が75体積%以上と高いため磁気特性に優れる。また、詳しくは後述するが、磁性粒子の間に含浸樹脂が行き渡ることで、十分な強度を有する。その上、含浸樹脂を熱硬化性樹脂とすることで、耐熱温度の高い樹脂を選択することができるため、磁性部材の耐熱温度を高くできる。従って、この磁性部材を利用すれば、十分な強度を有しつつ、磁気特性に優れる上に耐熱温度の高い希土類磁石が得られる。
本発明の磁性部材の一形態として、熱硬化性樹脂が、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、及びエポキシ樹脂のいずれかであることが挙げられる。
上記の構成によれば、耐熱温度の高い磁性部材とすることができる。
本発明の磁性部材の一形態として、上記磁性粒子が、その外周に絶縁被覆が被覆された被覆磁性粒子であることが挙げられる。
上記の構成によれば、磁性粒子同士が絶縁被覆により絶縁されているので、渦電流損の増加を抑制できる。本発明の磁性部材は、磁性粉末の充填率が高く粒子同士が接触し易いが、絶縁被膜により磁性粒子同士の導通を抑制できるからである。
本発明の磁性部材の一形態として、保形樹脂が、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリイミド樹脂、及びポリエーテルエーテルケトン樹脂の少なくとも一つであることが挙げられる。
上記の構成によれば、磁性部材の製造過程において、比較的少量でも磁性粒子同士を結合して成形体として保形することに適している。また、これらの保形樹脂は、磁性部材となった後も、含浸樹脂と協働して磁性粒子同士の結合に好適に寄与する。
本発明の磁性部材の製造方法は、以下の準備工程と、成形工程と、含浸工程と、熱処理工程とを備える。
準備工程:希土類-鉄系合金からなる磁性粒子を複数有する磁性粉末と、保形用樹脂粉末とを混合してなる混合粉末を準備する。
成形工程:混合粉末を冷間で加圧成形して成形体を作製する。
含浸工程:成形体における磁性粉末と保形用樹脂粉末との間に、所定の温度で熱硬化性樹脂からなる含浸用樹脂を含浸させて含浸体を作製する。
熱処理工程:含浸体の含浸用樹脂を熱処理により硬化して磁性部材を作製する。
準備工程における保形用樹脂粉末の含有量を0.1質量%以上3質量%以下とする。そして、含浸工程での温度における含浸用樹脂の粘度が100mPa・s以下で、かつ当該含浸用樹脂の硬化後のヤング率が3GPa以下である。
上記の構成によれば、十分な強度を有しつつ、磁性粉末の充填率が高くて耐熱温度の高い磁性部材を製造できる。成形体の作製後に、成形体の隙間に含浸用樹脂を充填するため、磁性部材における樹脂全体の含有量を少なくでき、磁性粉末の充填率を高くできる。また、成形体の隙間に含浸用樹脂を含浸させるので、十分な強度を有することができる。さらに、耐熱温度の高い磁性部材が得られる。熱可塑性樹脂に比べて一般に耐熱温度の高い熱硬化性樹脂を利用するからである。
本発明の磁性部材の製造方法の一形態として、準備工程における前記保形用樹脂粉末の平均粒径が、前記磁性粒子の平均粒径の10%以上50%以下であることが挙げられる。
上記の構成によれば、成形工程により成形体を作製した際、磁性粒子同士の間に保形用樹脂粉末を介在させ易くできる。そのため、上述のように保形用樹脂粉末の含有量が少量でも、成形体を保形できる。特に、保形用樹脂粉末の平均粒径を磁性粒子の平均粒径の10%以上とすることで、磁性粒子同士の間に介在させ易くて成形体を保形し易く、保形用樹脂粉末の平均粒径を磁性粒子の平均粒径の50%以下とすることで、磁性粉末の充填率を高くできる。
本発明の磁性部材の製造方法の一形態として、成形工程は、常温で行うことが挙げられる。
上記の構成によれば、生産性を向上できる。磁性部材の製造工程において、最も時間のかかり易い成形工程を常温で行うことで、混合粉末の樹脂が十分に軟化又は溶融するほど高温に加熱する必要や、その高温状態を一定時間保持する必要がなく、製造時間を短くできるからである。
本発明の磁性部材の製造方法の一形態として、含浸工程は、常温で行うことが挙げられる。
上記の構成によれば、生産性を向上できる。加熱する必要がなく加熱状態を一定時間保持する必要もないため、製造時間を短くできるからである。
本発明の磁性部材は、十分な強度を有し、磁性粉末の充填率が高くて磁気特性に優れると共に、耐熱温度の高い希土類磁石が得られる。
本発明の磁性部材の製造方法は、強度が低下することなく、磁性粉末の充填率が高くて磁気特性に優れると共に、耐熱温度の高い希土類磁石が得られる磁性部材を製造できる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
《磁性部材》
本発明の磁性部材は、複数の磁性粒子と、これら磁性粒子を結合する結合剤とを備える。本発明の磁性部材の主たる特徴の一つとして、結合剤が、磁性粒子の隙間に介在されて、磁性部材を保形する粒状の保形樹脂と、磁性粒子と保形樹脂との間に含浸されて、磁性部材の機械的強度を維持する含浸樹脂とを備えることが挙げられる。後述するように、保形樹脂は磁性粒子を成形体として保形するために用いられ、含浸樹脂は成形体の隙間を埋めるために用いられる。このように磁性部材の製造過程で2種類の樹脂を適切に使い分けることで、結合剤の合計含有量が少ないにも関わらず、機械的強度と磁性粒子の充填率とを兼備した磁性部材を実現できる。磁性部材における磁性粒子の充填率とは、磁性部材の体積に占める前記磁性粒子の合計体積の割合を言う。
[磁性粒子]
磁性粒子には、Feを含む鉄含有物と希土類元素とで構成される希土類-鉄系合金が好適に利用できる。その具体的な組成は例えば、RE2Me14B,RE2Me14C,RE2Me17Nx,RE1Me12Nx及びRE1Me12から選択される1種以上の合金が挙げられる。REは、Y,La,Pr,Nd,Sm,Dy及びCeから選択される1種以上の元素とする。Meは、(1)Feのみ、又は(2)Co,Ni,Mn及びTiから選択される1種以上の元素とFeとする。xは1.5〜3.5とする。より具体的には、RE2Me14Bは、Nd2Fe14B、Nd2(Co1Fe13)B、RE2Me14Cは、Nd2Fe14C、RE2Me17Nxは、Sm2Fe17N3、Y2Fe17N3、RE1Me12Nxは、Sm1(Ti1Fe11)N2、Sm1(Mn1Fe11)N2、Y1(Ti1Fe11)N2、Y1(Mn1Fe11)N2、RE1Me12は、Sm1(Ti1Fe11)、Sm1(Mn1Fe11)、Y1(Ti1Fe11)、Y1(Mn1Fe11)などが挙げられる。特に、REがNd又はSmである合金、より具体的にはNd-Fe-B系合金、Sm-Fe-N系合金は、磁気特性に優れて好ましい。合金は、Cu,Al,Cr,Si,Ga,Nbなどを含むことを許容する。上記組成の合金からなる粒子にHDDR処理(Hydrogenation Decomposition Desorption Recombination)を施すことができる。HDDR処理の条件は、公知の条件を利用できる。
磁性粒子は、その外周を覆うように酸化防止層や絶縁被膜を具える被覆磁性粒子とすることが好ましい。そうすれば、酸化防止、磁性部材の電気抵抗の増大、粒子同士の導通による渦電流損の抑制などを図ることができる。
磁性粒子の平均粒径は、10μm〜500μm、更に100μm〜350μmが挙げられる。磁性粒子は、粒度が大きいと、表層酸化による磁気特性の劣化を抑えられるため、原料に比較的粒度が大きい粒子を備えると、磁気特性に優れる磁石が得られる磁性部材とすることができる。平均粒径の測定は、SEMで断面の画像を取得し、市販の画像解析ソフトを用いて解析することで行える。その際、円相当径を磁性粒子の粒径とした。円相当径とは、粒子の輪郭を特定し、その輪郭で囲まれる面積Sと同一の面積を有する円の径とする。つまり、円相当径=2×{上記輪郭内の面積S/π}1/2で表される。なお、磁性粒子の平均粒径は、原料での平均粒径が略維持されている。
[保形樹脂]
保形樹脂は、互いに隣接する複数の磁性粒子同士の隙間に存在する。例えば、互いに隣接する二つの磁性粒子の間や、互いに隣接する三つの磁性粒子で囲まれる三重点部、あるいは、互いに隣接する四つの磁性粒子で囲まれる領域などに配されることが多い。即ち、保形樹脂は、二つの磁性粒子や、三つの磁性粒子、或いは、四つの磁性粒子に接している。
保形樹脂の形状は、粒状である。ここで粒状とは、代表的には、球形状、三角錐形状などの角錐形状、角柱形状などが挙げられる。特に、上記三重点部における保形樹脂の形状は、球形状や三角錐形状が多い。
保形樹脂は上記三重点部に配されることが多い。上記三重点部における保形樹脂の平均粒径は、磁性粒子の平均粒径の約10%〜20%とすることが好ましい。そうすれば、少量の保形樹脂の添加で成形体を十分に保形しておくことができる。ここで言う三重点部における保形樹脂の平均粒径とは、磁性部材の三重点部における保形樹脂の円相当径の平均値である。この円相当径とは、上述した磁性粒子の平均粒径の測定と同様に三重点部における保形樹脂の輪郭を特定して、その輪郭で囲まれる面積と同一の面積を有する円の径を言う。上記磁性粒子が最密充填状態で形成する三重点部の大きさが、磁性粒子の平均粒径の10%〜20%程度になることが多い。そのため、充填時に保形樹脂が三重点部に侵入して磁性粒子の最密充填状態を阻害せず、かつ、磁性粒子同士の間に存在することでアンカー効果を発揮し、生産工程で必要な金型抜出時のスプリングバックやハンドリングに耐えうる強度を得ることができる。これにより、磁気特性の向上において重要な磁性粒子の充填密度をより高い状態に保った成形体を得ることができる。ここでは、磁性粒子の平均粒径を有する4つの真球が最密充填状態を形成したときに、4つの真球の重心(球中心)を結んでできる正四面体中に内接する球の直径を三重点部の大きさとみなす。保形樹脂の原料粉末の平均粒径については後述する。
保形樹脂の種類は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。この保形樹脂の含有量は相対的に非常に少ないため、磁性部材の耐熱温度を低下させる虞が少ないので熱可塑性樹脂としてもよい。保形用樹脂を熱可塑性樹脂とする場合、保形用樹脂のガラス転移温度が、後述する含浸樹脂の硬化温度よりも高い樹脂とする。具体的には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂の少なくとも一つなどが挙げられる。勿論、保形樹脂は、熱硬化性樹脂であることが好ましい。そうすれば、保形樹脂に熱可塑性樹脂を用いる場合に比べると耐熱温度を向上できる。具体的には、ポリイミド(PI)樹脂が挙げられる。保形樹脂の種類をこれらの樹脂とすることで、比較的少量でも磁性粒子同士を結合して成形体として保形し易い。加えて、これらの保形樹脂は、後述する含浸樹脂と協働して磁性粒子同士の結合に好適に寄与する。なお、これら熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の両方を含んでもよい。
[含浸樹脂]
含浸樹脂は、磁性粒子と保形樹脂との間に沿って三次元の網目状に配され、磁性部材と保形樹脂の外周を覆う。含浸樹脂は、保形樹脂とは境界を介して接している。後述するように、含浸樹脂は液状樹脂を硬化させるが、硬化後の含浸樹脂と上述の保形樹脂とは融着して一体化されることはない。そのため、磁性部材を分析することで、含浸樹脂と保形樹脂とは区別して認識できる。
含浸樹脂の種類は、熱硬化性樹脂が挙げられる。具体的には、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、及びエポキシ樹脂のいずれかであることが好ましい。これらの中でも、特に耐熱温度が高い樹脂が好ましい。磁性部材の耐熱温度は、この含浸樹脂の耐熱温度に大きく依存するからである。具体的には、耐熱温度は180℃以上が好ましく、200℃以上、特に250℃以上、更には300℃以上であることが好ましい。なお、含浸樹脂の種類は、保形樹脂の種類と同じでも相違してもよい。
含浸樹脂の硬化後のヤング率は、3GPa以下である。そうすれば、詳しくは後述するが、磁性部材の割れを抑制できる。このヤング率はある程度までは低い方が充填率を向上できる傾向にある。但し、下限は0.1GPaとすることが好ましい。そうすれば、磁性部材の強度の過度の低下を抑制できる。
〔充填率〕
磁性部材における磁性粒子の充填率は、75体積%以上である。このような高い充填率は、結合剤の合計含有量を少なくすることで実現される。この充填率は、80体積%以上、更には80体積%超とすることができる。この充填率は、(磁性部材に占める全磁性粒子の体積Vp/磁性部材の体積Vt)×100で表される。磁性部材の体積Vtは、磁性部材の寸法から求める。一方、全磁性粒子の体積Vpは、全磁性粒子の質量を磁性粒子の比重で除して求める。具体的には、磁性部材の樹脂を有機溶剤などで除去して磁性粒子を抽出する。続いて、抽出した磁性粒子の合計質量を測定すると共に、磁性粒子の比重を、例えば、ピクノメータを用いて測定する。また、X線回折から得られる格子乗数とEDXなどにより得られる組成分析から密度を算出してもよい。この結果から全磁性粒子の体積Vpを求め、上記の式に当てはめることで充填率を求めることができる。
《作用効果》
上述の磁性部材によれば、充填率が75体積%以上と高く、この磁性部材を利用すると磁気特性に優れる磁石が得られる。また、充填率が高いものの、十分な強度を有する。そして、含浸樹脂を耐熱温度の高い熱硬化性樹脂で構成できるので、高い耐熱温度を有することができ、さらには含浸樹脂の選択の自由度も熱可塑性樹脂のそれに比べて高くできる。
《磁性部材の製造方法》
本発明の磁性部材の製造方法は、磁性粉末と保形用樹脂粉末との混合粉末を準備する準備工程と、混合粉末を冷間で加圧成形して成形体を作製する成形工程と、成形体に含浸用樹脂を含浸させて含浸体を作製する含浸工程と、含浸体の含浸用樹脂を硬化させて磁性部材を作製する熱処理工程とを備える。概略的には、磁性粉末を比較的少量の保形用樹脂粉末で過度に加熱することなく成形し、その成形体に残る空隙を含浸用樹脂で埋めることで機械的強度と磁性粉末の高い充填率とを両立した磁性部材を得る。以下、各工程を順に説明する。
〔準備工程〕
準備工程では、上述した粒径及び組成と同様の磁性粉末と、上述した種類と同様の保形用樹脂粉末とを混合してなる混合粉末を準備する。これら磁性粉末と保形用樹脂とをそれぞれ準備し、例えば、V型混合機などで混合して混合粉末を作製してもよいし、予め同様にして混合された混合粉末を購入するなどして準備してもよい。
保形用樹脂粉末の含有量は、成形体を作製した際、成形体を保形できる程度とする。具体的には、0.1質量%以上3質量%以下とする。保形用樹脂粉末の含有量を0.1質量%以上とすることで、成形体を保形し易く、保形用樹脂粉末の含有量を3質量%以下とすることで、成形体における保形用樹脂粉末の含有量が多くなりすぎず、磁性部材における磁性粉末の充填率を高くできる。特に、この保形用樹脂粉末の含有量は、1質量%以下とすることが好ましく、更には1質量%未満とすることが好ましい。
保形用樹脂粉末の平均粒径は、混合粉末を加圧成形して成形体を作製した際、磁性粒子間、特に上記三重点部に磁性粒子が介在される程度の大きさとすることが好ましい。そうすれば、成形体を保形し易くできる。具体的には、保形用樹脂粉末の平均粒径は、磁性粒子の平均粒径の10%以上50%以下とすることが好ましい。保形用樹脂粉末の平均粒径を磁性粒子の平均粒径の10%以上とすることで、成形体を作製した際、磁性粒子同士の間に介在させ易くでき、成形体を保形し易くできる。保形用樹脂粉末の平均粒径を磁性粒子の平均粒径の50%以下とすることで、磁性粉末の充填率を高くできる。特に、保形用樹脂粉末の平均粒径は、磁性粒子の平均粒径の10%以上20%以下とすることが好ましい。例えば、上記三重点部の大きさは磁性粒子の平均粒径の10%〜20%程度になることが多いため、この三重点部の大きさよりも若干大きい粒径の保形用樹脂粉末を含有すると、少ない量の保形用樹脂粉末で成形体を保形し易くできる。
〔成形工程〕
成形工程では、所望の形状の磁性部材が得られるように成形用金型を選択して、当該成形用金型に上記混合粉末を充填し、冷間で加圧成形することで成形体を作製する。ここで冷間とは、70℃以下を言う。この加圧成形は、特に常温とすることができる。ここで常温とは加熱していない温度であり、一般的に、5℃〜35℃程度を言う。上述の混合粉末を準備することで、混合粉末の保形用樹脂が十分に軟化又は溶融するほど高温に加熱することなく冷間で加圧成形しても成形体を保形できるからである。
成形圧力は、比較的小さくすることができ、例えば、0.5GPa以上1.0GPa以下が挙げられる。成形圧力は、成形用の金型の強度や成形体の金型抜出時のスプリングバックによる破損、ハンドリング時の破損等の問題がなければ、この範囲でなくともよい。
成形時の雰囲気は、非酸化性雰囲気とすることが好ましい。希土類元素を含む磁性粉末は特に酸化され易いため、非酸化性雰囲気とすると磁性粉末の酸化を防止できるからである。なお、磁性粉末が上述の酸化防止層を具える形態では、大気雰囲気といった酸素含有雰囲気で成形工程を行ってもよい。
加圧成形する際、成形用金型に充填された磁性粉末に磁場を印加して、磁性粉末の配向方向を一方向に向けた状態で加圧することが好ましい。そうすれば、磁気特性に優れる磁性部材が得られる。
印加する磁場の大きさは、具体的には、0.1T以上5T以下とすることが挙げられる。印加する磁場の大きさを0.1T以上とすることで、磁性粉末の配向方向を略一方向に揃え易くできる。一方、印加する磁場の大きさを5T以下とすることで、磁場が強くなり過ぎないので、磁性粒子同士が相互作用により反発することを抑制でき、磁性粒子の整列状態が乱れ難くなり配向方向をほぼ一方向に揃え易くなる。
磁場の印加方向は、磁性粉末の加圧方向と平行としてもよいし、この加圧方向と垂直としてもよい。磁性粒子の配向方向が磁場の印加方向と同一方向に向くので、磁場の印加方向を前者とする場合、磁性粒子の配向方向が加圧方向に平行となり、後者とする場合、磁性粒子の配向方向が加圧方向と垂直となる。
磁場の印加時点は、磁性粉末が成形用金型に充填された後、加圧成形される前、即ち、磁性粉末に圧力が付加される前とすることが挙げられる。そして、磁場を印加した状態を、少なくとも磁性粉末に圧力が付加されるまで維持することが挙げられる。そうすれば、磁性粉末への圧力付加時には磁性粉末の上記配向方向を揃えた状態で加圧成形することができる。磁場を印加した状態の維持は、粉末成形体に圧力が付加された時点まで(即ち、圧力が付加された時点で磁場をゼロとして、その後、加圧終了時まで磁場を印加しない)としてもよいし、加圧終了時点としてもよい。後者の場合、例えば、磁場の印加方向を加圧方向と平行とした際、加圧により磁性粒子が磁場の印加方向に対して傾くことを抑制できる。
磁場の印加手段には、銅線コイルといった常電導コイルを具える常電導磁石や、超電導コイルを具える超電導磁石を用いることができる。
この加圧成形により、磁性粉末に押圧されて主に成形体の上記三重点部に介在される保形用樹脂粉末により保形された成形体を作製する。なお、この保形用樹
脂粉末は硬化していない。
〔含浸工程〕
含浸工程では、成形体における磁性粉末と保形用樹脂との間に、所定の温度で含浸用樹脂を含浸させて含浸体を作製する。
含浸用樹脂の粘度は、成形体へ含浸させる際の温度において、成形体の磁性粉末と保形用樹脂粉末との隙間に含浸されやすい程度に低いことが挙げられる。具体的には、粘度を100mPa・s以下とすることが好ましい。例えば、含浸工程を常温で行う場合は、常温時における粘度を100mPa・s以下とすることが好ましい。そうすれば、成形体の上記隙間の全体に含浸用樹脂を行き渡らせ易く、磁性部材の強度を維持(高く)できる。
含浸用樹脂における硬化後のヤング率は、3GPa以下とすることが挙げられる。そうすれば、含浸用樹脂を硬化して磁性部材を作製した際、含浸用樹脂が割れたりすることなく磁性粉末の充填率を高くできる。硬化後のヤング率が低いと、熱処理後の含浸体の収縮時に含浸用樹脂に過度の応力が作用し難いからだと考えられる。上記ヤング率の下限は、0.1GPaとすることが好ましい。そうすれば、磁性部材の強度の低下を抑制でき強度を維持できる。
含浸させる手段は、例えば、真空含浸が挙げられる。真空含浸とすることで、成形体の上記隙間に含浸された含浸用樹脂に気泡が生じることを抑制できる。その上、含浸用樹脂を成形体の隙間全体に隈無く行き渡らせ易い。そのため、磁性部材の強度を維持できる。真空含浸する際の条件は、最終真空度:10kPa以下、温度:100℃以下、好ましくは常温、時間:10分以上120分以下が挙げられる。ここで常温とは、上述と同様、5℃〜35℃程度を言う。
成形体への含浸用樹脂の含浸は、複数の成形体に対して同時に行うことができる。
〔熱処理工程〕
熱処理工程では、含浸体の含浸用樹脂を熱処理により硬化して磁性部材を作製する。この熱処理により、含浸体に残る歪みを除去でき、歪みに起因する特性の劣化などを抑制することもできる。また、保形用樹脂は溶融せず熱処理前の状態が維持される。
熱処理の条件は、雰囲気:不活性雰囲気中(例えば、ArやN2)、又は減圧雰囲気(100Pa以下、最終真空度:10Pa以下、好ましくは1Pa以下)、温度:100℃〜400℃、保持時間:1分〜600分が挙げられる。
熱処理工程でも、磁場(2T以上、好ましくは3T以上)を印加してもよい。その場合、成形工程での印加方向と同じ方向とすることが好ましい。そうすれば、成形工程などで揃えられた配向組織を維持し易い。
この熱処理は、複数の含浸体に対して同時に施すことができる。
上記の工程を経て得られた磁性部材を磁石の素材として着磁することで、希土類磁石(ボンド磁石)を製造できる。
《作用効果》
上述の磁性部材の製造方法によれば、以下の効果を奏する。
磁性部材における結合剤全体の含有量を少なくすることができ、磁性粉末の充填率を高くできる。混合粉末における保形用樹脂の含有量を成形体を保形できる程度とすることで、加圧成形により緻密な成形体を作製できる。そのため、成形体の隙間が小さく、含浸させる含浸用樹脂の量も少なくできるからである。
十分な強度の磁性部材を得られる。成形体の隙間に含浸用樹脂を含浸させるので、磁性粒子間に十分に結合剤が行き渡った磁性部材とできるからである。また、保形用樹脂を硬化させないことは、強度の維持に効果的である。保形用樹脂を硬化すれば、保形用樹脂と磁性粉末の熱膨張率の違いにより、保形用樹脂と磁性粉末とが界面で十分に結合し難いため、保形用樹脂の量を多くする傾向にある。その結果、磁性粉末の充填率も低くなる。対して、保形用樹脂を硬化しないことで、保形用樹脂を粉末間(特に三重点部)に介在させて磁性粉末のアンカー効果として機能させ易く少量の樹脂でも磁性粉末を保形し易く強度の低下を抑制し易い。
耐熱性に優れる磁性部材を得られる。耐熱温度の高い熱硬化性樹脂を利用するからである。
磁性部材を生産性良く製造できる。含浸処理及び熱処理を複数の成形体及び含浸体に対して同時に行うことができる。加えて、成形工程を常温で行うことで、従来のように混合粉末の樹脂が十分に軟化又は溶融するほど高温に加熱する必要や、その高温状態を一定時間保持する必要がない。従って、製造工程全体を通して掛かる磁性部材1個当たりの製造時間を短くできるからである。
《試験例》
磁性部材からなる希土類磁石の試料No.1〜No.20を作製し、各試料の種々の特性を評価した。
まず、磁性粉末と保形用樹脂粉末との混合粉末を準備した。磁性粉末の原料として、32質量%Nd、1質量%B、10質量%Co、及び残部がFeの合金溶湯を用意して、ストリップキャスト法により薄片を作製した。続いて、この薄片を粒子状に粉砕し、850℃・4HrでHDDR処理(HD処理:水素(H2)雰囲気中、2Hr、DR処理:真空(VAC)中(最終真空度:0.01Pa)、2Hr)して、Nd-Fe-B-Co合金からなる磁性粉末を作製した。そして、篩にかけて分級し平均粒径150μmの磁性粉末を用意した。また、その磁性粉末にシリコーン樹脂からなる絶縁被覆を被覆した被覆磁性粉末も作製した。磁性粉末と保形用樹脂粉末とをV型混合機により混合して混合粉末Aの試料1,3,5,7,9,11〜20を作製し、被覆磁性粉末と保形用樹脂粉末とを同様に混合して混合粉末Bの試料2,4,6,8,10を作製した。各試料における保形用樹脂粉末の種類、ガラス転移温度(℃)、保形用樹脂粉末の混合前の平均粒径として磁性粉末の平均粒径に対する割合(%)、及び含有量(質量%)を表1に示す。
次に、成形用金型に混合粉末を充填して成形体を作製した。各試料における成形条件(温度(℃)、時間(sec)、圧力(GPa)、印加磁場(T))を表1に示す。ここでは、試料1〜8,11〜20は常温で成形し、試料9,10は金型を加熱して成形した。表1の成形条件の温度の欄に示す「-」は常温を示す。また、いずれの試料も磁場を加圧方向と直交する方向に印加した。
次に、試料1〜8,11〜20の成形体における磁性粉末(被覆磁性粉末)と保形用樹脂粉末との間に含浸用樹脂を含浸させて含浸体を作製した。この含浸は、真空含浸(最終真空度:1kPa、温度:常温、時間:1Hr)により行った。各試料における含浸用樹脂の種類、常温での粘度(mPa・s)、硬化温度(℃)、及び硬化後のヤング率(GPa)を表1に示す
次に、試料1〜8,11〜20に熱処理を施して含浸用樹脂を硬化させて磁性部材を作製した。一方、試料9,10では成形工程後、冷却して保形用樹脂を硬化して磁性部材を作製した。その後、熱処理して保形用樹脂の均質化を図った。この熱処理により、成形工程での加熱の斑を解消する。各試料における熱処理温度(℃)及び時間(hr)を表1に示す。
Figure 2014146655
[充填率]
得られた磁性部材(希土類-鉄-ホウ素合金材)から、磁性粉末の充填率として、磁性部材の体積に占める磁性粒子の合計体積の割合を算出した。この算出は、基本的に実施形態において述べた方法に準じて行う。準備した磁性粉末から組成・比重・質量は、既知なので、それらの値から、磁性粉末の体積を求めて充填率を演算により求めた。その結果を表2に示す。なお、試料3,4は、熱処理後、磁性部材にクラックが発生したため充填率の算出は行わず、成形体の曲げ強度以外の以下の各特性の測定も行っていない。
[磁気特性]
磁性部材を2.4MA/m(=30kOe)のパルス磁界で着磁した後、得られた各試料(希土類-鉄-ホウ素系合金磁石)の磁気特性を、BHトレーサ(理研電子株式会社製DCBHトレーサ)を用いて調べた。その結果を表2に示す。ここでは、磁気特性として、残留磁束密度:Br(T)、及び磁束密度Bと減磁界の大きさHとの積の最大値:(BH)max(kJ/m3)を求めた。
[電気抵抗率]
各試料の表面における電気抵抗率(μΩ・cm)を、三菱化学株式会社製のロレスターGP(PSPプローブ:電極間隔1.5mm)を用いて、四探針法により測定した。その結果を、各試料の耐熱温度と併せて表2に示す。なお、試料1〜8,11〜20の耐熱温度は、含浸用樹脂の耐熱温度であり、試料9,10の耐熱温度は、保形用樹脂の耐熱温度である。
[強度]
各試料における成形体と磁性部材の強度として、曲げ強度を測定した。ここでは、各試料において、長さ60mm×幅10mm×厚さ10mmの成形体及び磁性部材を用意し、スパンを40mmとして3点曲げ試験を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2014146655
《結果》
試料No.1,2,5〜8,11〜14,17〜19は、磁性粉末の充填率が75体積%以上と高く、残留磁束密度Brが0.85T以上でかつ(BH)maxが130kJ/m3以上であり、磁気特性に優れる。これは、混合粉末における保形用樹脂の含有量を成形体の保形が可能な程度の少量として成形体を作製し、その成形体の隙間に含浸用樹脂を含浸させたことで、磁性部材の樹脂全体の含有量を少なくできたからだと考えられる。また、試料1は試料2よりも、試料5は試料6よりも、試料7は試料8よりも磁性粉末の充填率が高く、磁気特性に優れる。これは、絶縁被覆の分だけ磁性粉末の充填率に差が生じたためであると考えられる。さらに、含浸用樹脂の硬化後のヤング率が低くなるほど、磁性粉末の充填率が高くなる傾向にあり、磁気特性に優れる傾向にある。これは、ヤング率が低いほど熱処理後の磁性部材の収縮に含浸用樹脂が変形し易いからだと考えられる。また、試料14,13,12,11の順に磁性粉末の充填率が高く、磁気特性に優れる。
試料1〜10,12〜16,18〜20の成形体の曲げ強度が10MPa以上であり十分な強度を維持している。中でも試料1〜8,14〜16,20の成形体の曲げ強度が20MPa以上と更に高く、これらの試料の成形体は強度が高い。また、試料1,2,5〜8,12〜16,18〜20の磁性部材の曲げ強度が40MPa以上であり十分な強度を維持している。中でも試料1,7,8,13,14,16,20の磁性部材の曲げ強度が60MPa以上と特に高く、これらの試料の磁性部材は強度に優れる。
なお、本発明は、上述した実施形態の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。
本発明の磁性部材は、永久磁石、例えば、各種のモータ、特に、ハイブリッド自動車(HEV)やハードディスクドライブ(HDD)などに具備される高速モータに用いられる永久磁石に好適に利用することができる。本発明の磁性部材の製造方法は、磁性粉末の充填率が高く、磁気特性に優れる希土類磁石の素材となる磁性部材の製造に好適に利用することができる。

Claims (8)

  1. 希土類-鉄系合金からなる複数の磁性粒子と、これら磁性粒子を結合する結合剤とを備える磁性部材であって、
    前記結合剤は、
    前記磁性粒子の隙間に介在されて、前記磁性部材を保形する粒状の保形樹脂と、
    前記磁性粒子と前記保形樹脂との間に含浸され、前記磁性部材の強度を維持する含浸樹脂とを備え、
    前記含浸樹脂は、硬化後のヤング率が3GPa以下の熱硬化性樹脂からなり、
    前記磁性部材の体積に占める前記磁性粒子の合計体積の割合を充填率とするとき、充填率が75体積%以上である磁性部材。
  2. 前記熱硬化性樹脂が、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、及びエポキシ樹脂のいずれかである請求項1に記載の磁性部材。
  3. 前記磁性粒子は、その外周に絶縁被覆が被覆された被覆磁性粒子である請求項1または2に記載の磁性部材。
  4. 前記保形樹脂が、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリイミド樹脂、及びポリエーテルエーテルケトン樹脂の少なくとも一つである請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁性部材。
  5. 希土類-鉄系合金からなる磁性粒子を複数有する磁性粉末と、保形用樹脂粉末とを混合してなる混合粉末を準備する準備工程と、
    前記混合粉末を冷間で加圧成形して成形体を作製する成形工程と、
    前記成形体における前記磁性粉末と前記保形用樹脂粉末との間に、所定の温度で熱硬化性樹脂からなる含浸用樹脂を含浸させて含浸体を作製する含浸工程と、
    前記含浸体の含浸用樹脂を熱処理により硬化して磁性部材を作製する熱処理工程とを備え、
    前記準備工程における前記保形用樹脂粉末の含有量が、0.1質量%以上3質量%以下であり、
    前記含浸工程での温度における前記含浸用樹脂の粘度が、100mPa・s以下で、かつ当該含浸用樹脂の硬化後のヤング率が、3GPa以下である磁性部材の製造方法。
  6. 前記準備工程における前記保形用樹脂粉末の平均粒径が、前記磁性粉末の平均粒径の10%以上50%以下である請求項5に記載の磁性部材の製造方法。
  7. 前記成形工程は、常温で行う請求項5または6に記載の磁性部材の製造方法。
  8. 前記含浸工程は、常温で行う請求項5〜7のいずれか1項に記載の磁性部材の製造方法。
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