JP2014145216A - グラウトを用いた運動エネルギー吸収装置並びにその構造体及び設置方法 - Google Patents

グラウトを用いた運動エネルギー吸収装置並びにその構造体及び設置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】物体の運動を抑止するためのワイヤーロープにより形成される構造体であって、設置作業及び運搬作業を容易にかつ安全に行うことができ、かつ、物体の運動エネルギーを吸収できる機能も兼ね備えた構造体、及びその運動エネルギー吸収装置を提供する。
【解決手段】物体の運動を抑止するために設置されたワイヤーロープ4A、4Bの交差点又はワイヤーロープ1A、1Bの連結点に取り付けられ、物体の運動エネルギーを吸収する装置3、5であって、内部空間を有する筐体と、交差する2本のワイヤーロープ4A、4B又は連結される2本のワイヤーロープ4A、4Bを筐体の内部空間に貫通させた状態にて内部空間に充填固化されたグラウトと、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、斜面上の岩塊の移動阻止や自動車の衝突時の衝撃緩和等、物体の運動を抑止するべく物体の運動エネルギーを吸収する運動エネルギー吸収装置並びにこれを備えた構造体及び設置方法に関する。
落石防止用の一般的な構造体としては、両端を固定した複数の縦及び横のワイヤーロープに金網を取り付け、道路に面した斜面を覆うロックネット工が知られている。浮石を金網で覆い停止させる方式(覆式)か、又は、構造体全体で斜面上部からの落石を受け止め金網と斜面の間を通過させ法尻まで安全に誘導させる方式(ポケット式)が一般的である。
一般的なロックネット工では対応できない規模の不安的な岩塊が斜面上方に分布する場合、格子状のワイヤーロープ自体により岩塊の移動を抑止するロープ掛け工又はロープネット工が用いられる(特許文献1〜3)。図13は、従来のロープネット工の格子状構造体100の例を概略的に示した図である。斜面上において、岩塊Rを覆って固定するように複数の縦ロープ1及び複数の横ロープ2からなるワイヤーロープを格子状に張って格子状構造体を形成する。複数のワイヤーロープのうち5本置きにある主ロープの両端をメインアンカー8を用いて斜面上に固定し、格子の各交点に交点固定金具7を取り付けて縦ロープ1と横ロープ2を固定する。また、適宜の交点を選択してメインアンカー8を用いて斜面上に固定する。
さらに、特許文献2、3では、ロープ掛け工又はロープネット工のワイヤーロープの端部や交点に緩衝金具を取り付けることで落石の運動エネルギーを吸収する構成を開示している。これらの緩衝金具は、通常はワイヤーロープを摩擦力で固定しているが、岩塊の移動により摩擦力を超える力がワイヤーロープに作用したとき、ワイヤーロープが緩衝金具に対して摺動することにより岩塊の運動エネルギーを吸収するものである。
特許第2679966号公報 特許第3289238号公報 特許第3401673号公報
しかしながら、一般的なロックネット工及び特許文献1〜3のロープ掛け工又はロープネット工で用いられる鋼製のワイヤーロープは硬くて長いために取扱い難く、これらのワイヤーロープを急勾配の斜面上方において広範囲に設置することは、極めて困難な作業となる。特に、樹木が周囲に繁茂し、岩塊が不安定に露出した状況でワイヤーロープを縦横に張る作業は、困難であることに加え危険でもあった。また、ワイヤーロープの運搬作業の負担も大きかった。
以上の現状に鑑み、本発明は、物体の運動を抑止するための、ワイヤーロープにより形成される構造体であって、従来に比べて設置作業及び運搬作業を容易にかつ安全に行うことができるものを提供することを目的とする。さらに、このような構造体であってかつ物体の運動エネルギーを効果的に吸収できる機能も兼ね備えたものを提供することを目的とする。また、このような構造体に用いる物体の運動エネルギー吸収装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下の構成を提供する。なお、括弧内の数字は、後述する図面中の符号であり、参考のために付する。
本発明の第1の態様は、物体(R、V)の運動を抑止するために設置されたワイヤーロープ(4A、4B)の交差点又はワイヤーロープ(1A、1B)の連結点に取り付けられ、前記物体(R、V)の運動エネルギーを吸収する装置(3、5)であって、内部空間を有する筐体(31、51)と、交差する2本のワイヤーロープ又は連結される2本のワイヤーロープを前記筐体(31、51)の内部空間に貫通させた状態にて前記内部空間に充填固化されたグラウト(32、52)と、を備えることを特徴とする。
本発明の第2の態様は、物体の運動を抑止するために設置され、ワイヤーロープ(1A、2A)を格子状に配置した単位構造体であるネットブロック(10a、10b、10c、10d)の各々の端縁同士を結合して形成された格子状構造体(10、10A)であって、結合される2つの前記ネットブロック(10a、10b)の各端縁に沿ってそれぞれ取り付けられた複数のロープ通し金具(6)と、各端縁の前記複数のロープ通し金具(6)に互い違いに掛け渡されて緊張させられる2本の結合用ワイヤーロープ(4A、4B)と、前記2本の結合用ワイヤーロープ(4A、4B)の複数の交差点の各々に取り付けられた第1の運動エネルギー吸収装置(5)と、を備え、前記第1の運動エネルギー吸収装置(5)は、内部空間を有する第1の筐体(51)と、当該交差点にて交差する2本の結合用ワイヤーロープ(4A、4B)を前記第1の筐体(51)の内部空間に貫通させた状態にて前記内部空間に充填固化されたグラウト(52)と、を備えることを特徴とする。
上記格子状構造体において、2つの前記ネットブロック(10a、10b)の結合された端縁において、一方のネットブロック(10a)の複数のワイヤーロープ(1A)と他方のネットブロック(10b)の複数のワイヤーロープ(1B)の複数の連結点の各々に取り付けられた第2の運動エネルギー吸収装置(3)を備え、前記第2の運動エネルギー吸収装置(3)は、内部空間を有する第2の筐体(31)と、当該連結点にて連結される2本のワイヤーロープ(1A、1B)を前記第2の筐体(31)の内部空間に貫通させた状態にて前記内部空間に充填固化されたグラウト(32)と、を有することが、好適である。
上記格子状構造体は、斜面(M)上に設置される落石予防用又は落石防止用の格子状ワイヤーロープの構造体(10、10A)であることが、好適である。
本発明の第3の態様は、物体の運動を抑止するために設置され、複数のワイヤーロープ(2A、2B、2C)を直線上で連結した線状部材を、複数平行に配置して形成された柵状構造体(20、30)であって、直線上で連結された前記複数のワイヤーロープ(2A、2B、2C)の各連結点に取り付けられた運動エネルギー吸収装置(3)を備え、前記運動エネルギー吸収装置(3)は、内部空間を有する筐体(31)と、前記運動エネルギー吸収装置(3)は、内部空間を有する筐体(31)と、当該連結点にて連結される2本のワイヤーロープ(1A、1B)を前記筐体(31)の内部空間に貫通させた状態にて前記内部空間に充填固化されたグラウト(32)と、を有することを特徴とする。
上記柵状構造体は、斜面(M)の下端近傍に設置される落石防止用の構造体(20)であることが、好適である。
上記柵状構造体は、道路(D)のガードレール(30)であることが、好適である。
本発明の第4の態様は、物体の運動を抑止するための格子状構造体(10、10A)の設置方法であって、ワイヤーロープ(1A、2A)を格子状に配置した単位構造体であるネットブロック(10a、10b、10c、10d)を複数形成する第1の工程と、結合される2つの前記ネットブロック(10a、10b)の各端縁に沿って複数のロープ通し金具(6)をそれぞれ取り付ける第2の工程と、2本の結合用ワイヤーロープ(4A、4B)を各端縁の前記複数のロープ通し金具(6)に互い違いに掛け渡し緊張させた後、各結合用ワイヤーロープ(4A、4B)の両端を固定する第3の工程と、2本の結合用ワイヤーロープ(4A、4B)の複数の交差点の各々に第1の運動エネルギー吸収装置(5)を取り付ける第4の工程と、2つの前記ネットブロック(10a、10b)の結合された端縁において、一方のネットブロック(10a)の複数のワイヤーロープ(1A)と他方のネットブロック(10b)の複数のワイヤーロープ(1B)の複数の連結点の各々に第2の運動エネルギー吸収装置(3)を取り付ける第5の工程と、を備えており、前記第4の工程では、前記第1の運動エネルギー吸収装置(5)の有する第1の筐体(51)の内部空間に、交差する2本のワイヤーロープを貫通させた状態にて前記内部空間にグラウト(52)を充填し、かつ、前記第5の工程では、前記第2の運動エネルギー吸収装置(3)の有する第2の筐体(31)の内部空間に、連結される2本のワイヤーロープを貫通させた状態にて前記内部空間にグラウト(32)を充填することを特徴とする。
物体の運動を抑止するための構造体において、従来用いていた1本の連続したワイヤーロープを、本発明では、複数のワイヤーロープを連結したものとした。また、従来は長いワイヤーロープからなる大面積の1つの格子状構造体を設置していたところを、本発明では、短いワイヤーロープからなる小面積の格子状の単位構造体であるネットブロックを複数結合したものとした。この結果、各ワイヤーロープが短く軽量となって取扱い易くなり、運搬作業及び設置作業の負担を軽減できる。
落石予防工又は落石防止工における格子状構造体の場合、短いワイヤーロープや小面積のネットブロックを用いれば、岩盤が露頭し浮石や転石が分布する高い尾根付近の斜面の落石発生源にも設置し易い。岩盤の亀裂や緩勾配部に雑木や灌木類が繁茂している場合、従来は、それらの障害物を除去してから施工する必要があったが、本発明を適用した短いワイヤーロープや小面積のネットブロックであれば、障害物除去の負担も軽減できる。この結果、施工能率が向上し、かつ、景観の改変も少なくてすむ。また、短いワイヤーロープであれば運搬も容易であり、施工の安全性も向上する。
本発明による運動エネルギー吸収装置は、運動エネルギーを吸収する機能を備えると同時に、2本のワイヤーロープ同士の交差点又は連結点における連結機能も備えている。具体的構造は、筐体内の内部空間に2本のワイヤーロープを貫通させた状態で内部空間にグラウトを充填固化させたものである。
この運動エネルギー吸収装置の一形態は、2つのネットブロックの端縁同士を引き寄せて結合する2本の結合用ワイヤーロープの交差点に取り付けるものである。2本の結合用ワイヤーロープの交差部分がグラウトとの付着力により連結される。
また、本発明の運動エネルギー吸収装置の別の形態は、直線上に配置された2本のワイヤーロープの連結点に取り付けられるものである。2本のワイヤーロープの各端部がグラウトとの付着力により連結される。
いずれの形態の運動エネルギー吸収装置においても、ワイヤーロープ又は結合用ワイヤーロープに一定以上の力がかかると、ワイヤーロープ又は結合用ワイヤーロープがグラウトとの摩擦抵抗に抗しつつグラウトに対して摺動することができ、この過程で運動エネルギーが吸収される。
格子状構造体や柵状構造体に本発明の運動エネルギー吸収装置を取り付けた場合、構造体が物体から受ける運動エネルギーを2段階で抑止できる。第1段階では、グラウトとの付着力によりワイヤーロープ又は結合用ワイヤーロープを静止状態に保持する。例えば、斜面上の不安定岩塊を格子状構造体により押さえる効果により移動を抑制する。第2段階では、グラウトに対してワイヤーロープ又は結合用ワイヤーロープが摺動し、物体の運動エネルギーが摩擦熱として消費される。このようにして、物体の運動エネルギーを吸収できる。例えば、格子状構造体により押さえられている不安定岩塊が移動し始めた場合にその運動エネルギーを吸収することで移動を停止させる。また、急斜面において落石の落下方向を制御する落石誘導工の格子状構造体に用いた場合、落下速度を減速させ衝撃力を低減することで、ワイヤーロープの切断を阻止して落石を安全に道路脇まで誘導できる。
グラウトを用いた運動エネルギー吸収装置は、装置1個当たりの固定強度及びエネルギー吸収量は小さいが、短いワイヤーロープで形成された格子状構造体又は柵状構造体には多数の連結点や交差点が存在するので、多数の運動エネルギー吸収装置を取り付けることができ、それにより全体として大きな効果を発揮することができる。
落石エネルギーを吸収する装置として、従来は金属製のものが一般的であったが、特殊な装置であるために非常に高価であったので、緊急性と重要性の高い箇所にしか適用できなかった。それに対し、本発明の運動エネルギー吸収装置は、筐体内にグラウトを充填固化させただけの簡易な構造であるので、安価に作製できる。また、施工管理についても、グラウトの品質管理のみであるので容易である。従って、落石対策として効果的なエネルギー吸収型の落石予防工や落石防止工を安価に提供できる。
本発明によるグラウトを用いた運動エネルギー吸収装置は、落石以外の物体を対象とする構造体に対しても広く適用することが可能であり、応用範囲が広い。
図1は、ロープ掛け工における格子状構造体の一実施例を概略的に示す平面図である。 図2は、図1において直線上に配置された2本のワイヤーロープを連結する連結点に取り付けられる直線型運動エネルギー吸収装置の構成を概略的に示した図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のI断面図、(c)は(a)のII断面図、(d)は(a)のIII断面図である。 図3は、交差して配置された2本のワイヤーロープを連結する交差点に取り付けられる交差型運動エネルギー吸収装置の構成を概略的に示した図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)はIV断面図、(d)は筐体の展開図、(e)は筐体の上箱の平面図、(f)は筐体の下箱の平面図である。 図4は、図1に示したロープ通し金具の構成の一例を概略的に示した図であり、(a)は平面図、(b)はV断面図、(d)は側面図である。 図5は、直線型運動エネルギー吸収装置の場合の引き抜き試験結果を示すグラフである。 図6は、図1に示した格子状構造体の設置方法の一例を説明する図である。 図7は、ロープ掛け工における格子状構造体の別の実施例を概略的に示す平面図である。 図8は、ロープ掛け工における格子状構造体のさらに別の実施例を概略的に示す平面図である。 図9は、斜面の上方に設置したロープ掛け工による格子状構造体を概略的に示した断面図である。 図10は、斜面全体に設置したワイヤーロープによる格子状構造体を概略的に示した断面図である。 図11は、落石防止工として斜面下端近傍に設置された柵状構造体を概略的に示した図であり、(a)は設置状態の断面図、(b)は正面図である。 図12は、ガードレールとして設置された柵状構造体を概略的に示した図である。 図13は、従来のロープネット工の格子状構造体を概略的に示した図である。
以下、一実施例を示した図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本発明は、広くは、物体の運動を抑止するためのワイヤーロープの交差点又は連結点に取り付けられる運動エネルギー吸収装置に係るものである。また本発明は、運動エネルギー吸収装置を適用したワイヤーロープにより形成される種々の構造体及びその設置方法に係るものである。
先ず、物体の運動エネルギー吸収装置を適用したロープ掛け工の構造体を例として説明する。ロープ掛け工は、斜面上の限定された範囲における比較的大きな(例えば差し渡し50cm以上)の岩塊を対象とし、落石の発生源対策を図る落石予防工である。ロープ掛け工では、巨岩に対して鉢巻き状又は格子状にワイヤーロープを張り固定する。
図1は、ロープ掛け工における格子状構造体の一実施例を概略的に示す平面図である。横方向が斜面の水平方向、縦方向が斜面の傾斜方向である。図13の従来例と共通する構成要素については同じ符号で示しているが、図1では岩塊の図示を省略している。なお、縦横のワイヤーロープを区別する場合は、「縦ロープ」、「横ロープ」と称することとする。
斜面上に張られた格子状構造体10は、上下方向に配置された2つの格子状の単位構造体(本明細書では「ネットブロック」と称する)10a、10bを結合して形成されている。各ネットブロック10a、10bは、落石の発生源となる浮石群を個々に覆っている。上方のネットブロック10aは、複数の縦ロープ1Aと複数の横ロープ2とからなるワイヤーロープの格子を形成し、下方のネットブロック10bは、複数の縦ロープ1Bと複数の横ロープ2とからなるワイヤーロープの格子を形成している。なお、1つのネットブロックの形状は、図示した矩形のものに限られず、浮石群の分布形状に合わせて種々の形状としてよい。
ロープ掛け工に用いるワイヤーロープは、例えば直径10mm〜18mm程度の鋼製である。また、ネットブロックの1つの格子は、例えば0.5m×0.5m程度であるが、対象とする岩塊の大きさにより、ワイヤーロープの太さ及び格子の大きさを設定する。
ネットブロック10a、10bで対象とする浮石群を覆い、横ロープ2については5本置きにある主ロープを緊張させた上でその両端をメインアンカー8で斜面上に固定している。縦ロープ1A、1Bについては、縦ロープ1Aの上端及び縦ロープ1Bの下端をメインアンカー8で固定している。
格子状構造体10は、ネットブロック10aの下端縁とネットブロック10bの上端縁を結合する結合構造を備えている。この結合構造は、ネットブロック10aの下端縁に沿って一列に取り付けられた複数のロープ通し金具6、6...及びネットブロック10bの上端縁に沿って一列に取り付けられた複数のロープ通し金具6、6...と、各端縁の複数のロープ通し金具6、6...に互い違いに掛け渡されて緊張させられる2本の結合用ワイヤーロープ4A、4B(太線で図示)とを備えている。2本の結合用ワイヤーロープ4A、4Bは、靴ひもを編むように2列に並んだロープ通し金具6、6...の孔に交互に通されている。ロープ通し金具6、6...に通した2本の結合用ワイヤーロープ4A、4Bを緊張させることで2つのネットブロック10a、10bを互いに引き寄せ、この引き寄せた状態にて各結合用ワイヤーロープ4A、4Bの両端をメインアンカー8で斜面上に固定している。
格子状構造体10には、2本の結合用ワイヤーロープ4A、4Bが交差する複数の交差点が形成される。これらの交差点の各々には第1の運動エネルギー吸収装置5が取り付けられている。第1の運動エネルギー吸収装置(本明細書では「交差型運動エネルギー吸収装置」と称する)5の詳細な構成については、後に図3で説明する。
さらに、2つのネットブロック10a、10bの結合された端縁には、一方のネットブロック10aの複数の縦ロープ1Aの各々と、他方のネットブロック10bの複数の縦ロープ1Bの各々とを直線上で連結する複数の連結点が形成される。これらの連結点には第2の運動エネルギー吸収装置3が取り付けられている。第2の運動エネルギー吸収装置3は、ネットブロック10aの下端の横ロープ2の両端と、ネットブロック10bの上端の横ロープ2の両端にも取り付けられている。第2の運動エネルギー吸収装置(本明細書では「直線型運動エネルギー吸収装置」と称する)3の詳細な構成については、後に図2で説明する。
図13の従来の格子状構造体100と比較すると、本発明の格子状構造体10では、従来1つの大面積の格子状構造体100であったものを、複数に分割されたネットブロック10a、10bとし、これらの端縁を結合して大きな構造体を形成している。複数のネットブロックへの分割形状及び分割数は、図示の例に限られない。また、従来1本の長い縦ロープ1であったものを、複数の短いワイヤーロープ1Aと1Bに分割し、これらを連結して長いワイヤーロープを形成している。複数の短いワイヤーロープへの分割数は、図示の例に限られない。
縦ロープ1A、1Bと横ロープ2の各交点は、交点固定金具7により固定されている。交点固定金具7は、例えば十字クリップ又はVクリップなどの締結金具である。
図2は、図1において直線上に配置された2本のワイヤーロープ1A、1Bを連結する連結点に取り付けられる直線型運動エネルギー吸収装置3の構成の一例を概略的に示した図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のI断面図、(c)は(a)のII断面図、(d)は(a)のIII断面図である。
直線型運動エネルギー吸収装置3は、筒状の筐体であるグラウト封入管31を具備する。グラウト封入管31の両端にはそれぞれ蓋体としてグラウト漏出防止部材33a、33bが固定されている。グラウト漏出防止部材33a、33bにはワイヤーロープ1A、1Bを挿通させる2つの孔が形成されている。一方のワイヤーロープ1Aの端部は、グラウト封入管31を右側から左側に貫通し、貫通した先端には抜け止めの圧着グリップ36aが圧着されている。他方のワイヤーロープ1Bの端部は、グラウト封入管31を左側から右側に貫通し、貫通した先端には抜け止め用の圧着グリップ36bが圧着されている。なお、端部に装着するものは圧着グリップに限定されず、ワイヤーロープよりも断面が大きく、ワイヤーロープを係止可能なストッパーの役割を果たす構造であればよい。
グラウト封入管31の内部空間は当初は空洞であり、筐体側壁にはグラウト注入口34と、エア抜き孔35とが形成されている。ワイヤロープ1A、1Bを筐体に貫通させた後にグラウト注入口34からグラウトを充填する。エア抜き孔35からグラウトが流出することで充填が確認でき、さらにエア抜き孔を塞ぐことで内圧が上昇し細部にまでグラウトが浸透する。その後、グラウトが固化するまで養生させる。グラウトが固化すると、ワイヤーロープ1A、1Bはグラウトの付着力で固定され、互いに連結された状態となる。
グラウトの付着力よりも大きな力がワイヤーロープ1A、1Bにかかったとき、ワイヤーロープ1A、1Bはグラウト封入管31から引き抜かれる方向に引っ張られる。これにより、各ワイヤーロープ1A、1Bは、内部空間のグラウトとの摩擦抵抗に抗しつつ摺動する。圧着グリップ36a、36bがそれぞれグラウト漏出防止部材33a、33bに当たると、ストッパーの役割を果たし、ワイヤーロープ1A、1Bの摺動が停止する。この結果、ワイヤーロープ1A、1Bがエネルギー吸収装置3から抜けることはなく、ワイヤーロープ1Aと1Bの連結は保持される。
なお、落石による荷重がかかることでストッパーである圧着グリップ36a、36bにまで達してワイヤーロープ1A、1Bが伸びきった場合は落石を除去した後に、ワイヤーロープ1A、1Bが伸びきらず余裕長が残されている場合は落石を除去せずに、直線型運動エネルギー吸収装置を取り外し、内部空間のグラウトを除去清掃し、新たにグラウトを充填固化させることで、運動エネルギー吸収機能を回復させることができる。
図3は、交差して配置された2本のワイヤーロープ4A、4Bを連結する交差点に取り付けられる交差型運動エネルギー吸収装置5の構成の一例を概略的に示した図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)はIV断面図、(d)は筐体の展開図、(e)は筐体の上箱の平面図、(f)は筐体の下箱の平面図である。
交差型運動エネルギー吸収装置5は、直方体の箱状の筐体であるグラウト封入箱51を具備する。グラウト封入箱51は、2分割された上箱51aと下箱51bを、結合用ワイヤーロープ4A、4Bの交差点の上方と下方からそれぞれ嵌め込み、ボルト53a、53bで固定することにより取り付ける。これにより、上側の結合用ワイヤーロープ4Aは、上箱51aの1つの対角線の両端に形成された上ロープ貫通孔51a1、51a2の間を貫通し、一方、下側のワイヤーロープ4Bは下箱51bのもう1つの対角線の両端に形成された下ロープ貫通孔51b1、51b2の間を貫通した状態となる。
上箱51aの上面にはグラウト注入口が形成されている。ワイヤロープ4A、4Bがグラウト封入箱51の筐体を貫通した状態とした後にグラウト注入口54からグラウトを充填する。エア抜き孔55からグラウトが流出することで充填を確認でき、さらにエア抜き孔55を塞ぐことで内圧が上昇し細部にまでグラウトが浸透する。その後、グラウトが固化するまで養生させる。グラウトが固化すると、ワイヤーロープ4A、4Bはグラウトの付着力により互いに固定された状態となる。
ワイヤーロープ4A、4Bも、グラウトとの付着力よりも大きな力がかかったとき、グラウト封入箱51からいずれかの方向に引き抜かれるように引っ張られる。これにより、各ワイヤーロープ4A、4Bは、内部空間のグラウトとの摩擦抵抗に抗しつつ摺動する。交差型運動エネルギー吸収装置5の場合、ワイヤーロープ4A、4Bが脱落することはなく、交差点の位置が変化する。
図4は、図1に示したロープ通し金具6の構成の一例を概略的に示した図であり、(a)は平面図、(b)はV断面図、(d)は側面図である。
図4では、縦ロープ1Aと横ロープ2の交点固定金具7に隣接してロープ通し金具6が取り付けられ、ロープ通し金具6には結合用ワイヤーロープ4Aが通されている。交点固定金具7は、横ロープ2の下に当てられる押板71と、横ロープ2の上に交差する縦ロープ1Aを上から跨いで先端が押板71を貫通して突出する一対のUボルト72a、72aと、Uボルト72a、72aに締結されるナット73a、73bを有する。
この例のロープ通し金具6は、縦ロープ1Aに取り付けられている。ロープ通し金具6は、縦ロープ1Aの上に当てられる押板61と、押板61の後方部にて縦ロープ1Aを下から跨いで先端が押板61を貫通して突出する一対のUボルト63a、63bと、Uボルト63a、63bに締結されるナット64a、64bとを有する。さらに、押板61の前方部にて押板61の上面に形成されたロープ通し環62を有する。ロープ通し環62の孔62aに結合用ワイヤーロープ4Aが通される。図4(a)に示すように、孔62aの形状は、図1のネットブロック10aの結合される端縁に向かって凹とし、ワイヤーロープ4Aがこの凹形状に沿って曲がることが好ましい。
図5は、直線型運動エネルギー吸収装置の場合の引き抜き試験結果を示すグラフである。
<試験条件>
ワイヤーロープの直径:16mm
グラウト封入管の長さ:50mm
グラウトの配合:セメント25kg、水9.5リットル、混和材(高性能減水剤)0.5リットル
(この試験条件におけるグラウトの配合は一例である。)
2本のワイヤーロープの各端に一定の引っ張り力を加えて引き抜き試験を行い、ワイヤーロープの変位量(mm)と、ワイヤーロープの引っ張り荷重(kN)とを測定した。引っ張り荷重は、ワイヤーロープの抵抗力に相当する。ワイヤーロープの変位量が190mmに到達するまで抵抗力が直線的に増大し、20kNの限界値に達した。その後、抵抗は消失し、ワイヤーロープは抜ける。ワイヤーロープの抵抗力が増大し続ける間は、ワイヤーロープに加わる力学的なエネルギーが摩擦熱として消費されることになる。これは、自転車等のブレーキ構造と同じ原理である。
グラウトとワイヤーロープの付着力は、グラウト封入管の長さによって変わる。従って、グラウト封入管の長さを変えることで、ワイヤーロープとグラウトの付着切れ耐力を容易に設定可能である。想定される落石の大きさや、使用するワイヤーロープの耐力に応じてグラウト封入管の長さを選択し、グラウトとの付着力を設定することができる。すなわち、運動エネルギー吸収装置の運動エネルギー吸収量を容易に設定できるということである。
図6は、図1に示した格子状構造体10の設置方法の一例を説明する図である。
先ず、図6(a)に示すように、縦ロープ1Aと横ロープ2からなるネットブロック10aと、縦ロープ1Bと横ロープ2からなるネットブロック10bを形成し、斜面上に配置する。各ネットブロック10a、10bがそれぞれ対象とする岩塊を覆うように配置する。縦ロープと横ロープの各交点を交点固定金具7で固定し、2つのネットブロック10aと10bの結合端縁以外の各端縁については、主ロープの端部をメインアンカー8で斜面上に固定する。このとき、ネットブロック10a、10bの各々の結合端縁における縦ロープ1A、1Bの端部同士が直線上で所定の長さだけ重なるように配置する。この縦ロープの重なり部分の長さは、図2に示したように直線型運動エネルギー吸収装置3を取り付け可能な長さを確保する。また、図示の例では、ネットブロック10a、10bの各々の結合端縁に位置する横ロープ2の両端にも直線型運動エネルギー吸収装置3を取付けるための重なり部分を設ける。さらに、ネットブロック10a、10bの各々の結合端縁に、所定の間隔で図4に示したロープ通し金具6を取り付ける。
次に、図6(b)に示すように、2本の結合用ワイヤーロープ4A、4Bをロープ通し金具6に靴ひもを通すように互い違いに掛け渡した後、2本の結合用ワイヤーロープ4A、4Bの両端を引っ張り緊張させることにより、ネットブロック10aと10bを互いに引き寄せる。この引き寄せた状態で結合用ワイヤーロープ4A、4Bの両端をメインアンカー8に固定する。その後、2本の結合用ワイヤーロープ4A、4Bにより形成された複数の交差点の各々に図3に示した交差型運動エネルギー吸収装置5を取り付ける。取付けにおいては、図3に示した交差型運動エネルギー吸収装置5のグラウト封入箱51の内部空間に2本のワイヤーロープ4A、4Bを貫通させた状態にて内部空間にグラウト52を充填する。
その後、図1に示したように、ネットブロック10aの縦ロープ1Aと、ネットブロック10bの縦ロープ1Bの重なった端部に直線型運動エネルギー吸収装置3を取り付ける。取付けにおいては、図2に示した直線型運動エネルギー吸収装置3のグラウト封入管31の内部空間に2本のワイヤーロープ1A、1Bを貫通させた状態にて内部空間にグラウト32を充填する。
図7は、ロープ掛け工における格子状構造体の別の実施例を概略的に示す平面図である。図7の格子状構造体10は、4つのネットブロック10a、10b、10c、10dを2組の結合用ワイヤーロープ4A、4Bにより結合して形成されている。この場合、横方向のワイヤーロープが、横ロープ2Aと2Bに分割されている。ネットブロック10a、10bの右端縁と、ネットブロック10c、10dの左端縁を結合する結合用ワイヤーロープ4A、4B及び交差型運動エネルギー吸収装置5並びに直線型運動エネルギー吸収装置3については、取付方向が異なるのみで、上述した上下端縁を結合する場合と同様である。
図8は、ロープ掛け工における格子状構造体のさらに別の実施例を概略的に示す平面図である。図8の格子状構造体10は、図1の格子状構造体10の構成に加え、一部に金網9を張設している。金網9は、ネットブロックの格子の大きさよりも小さい岩塊が存在する部分に適用する。必要に応じて金網9を格子状構造体10の全体に張設してもよい。
図9は、上述したロープ掛け工の格子状構造体10を落石予防工として斜面の上方に設置した状態を概略的に示した断面図である。斜面の上方の不安定岩塊を格子状構造体10で押さえ、落石を生じないにようにしている。各符号の示す構成要素は、上述した各図中のものと同じである。符号Rは岩塊を、符号Dは道路を、符号Mは斜面(地山)を示している(以下同様)。
図10は、落石予防工及び落石防止工として、斜面全体に設置されたワイヤーロープによる格子状構造体10Aを概略的に示した断面図である。格子状構造体10Aは、図9の格子状構造体10を斜面全体に設置したものである。設置面積が大きいことを除いて、格子状構造体10と同じ構造である。格子状構造体10Aは、落石の発生を抑制すると同時に、落石が発生した場合には落石を安全に道路Dまで誘導するものである。
図11は、落石防止工として斜面下端近傍に設置された柵状構造体20を概略的に示した図であり、(a)は設置状態の断面図、(b)は正面図である。
柵状構造体20は、物体(この場合は落石)の運動を抑止するために設置されている。柵状構造体20では、複数の線状部材が水平方向に平行に配置されている。これら複数の線状部材を支持するために所定の間隔で支柱21が設けられ、各支柱21の下端は基礎コンクリート22に固定されている。幾つかの支柱21の上端から斜面Mの上方側に向かって支持のためのワイヤーロープ1A、1Bが延在し、その先端はアンカー8により斜面上に固定されている。ワイヤーロープ1Aと1Bの連結点には、図2に示した直線型運動エネルギー吸収装置3が取り付けられている。
1本の線状部材は、複数のワイヤーロープ2A、2B、2Cを直線上で連結して形成されている。直線上で連結された複数のワイヤーロープ2A、2B、2Cの各連結点に、図2に示した直線型運動エネルギー吸収装置3をそれぞれ取り付けている。
直線型運動エネルギー吸収装置3は、柵状構造体20に落石が衝突するときの運動エネルギーを吸収することができる。これにより、落石を柵状構造体20で確実に捕捉し、道路Dまで落下させないようにすることができる。
図12は、ガードレールとして設置された柵状構造体30を概略的に示した図である。
柵状構造体30は、物体(この場合は自動車V)の運動を抑止するために設置されている。柵状構造体30では、複数の線状部材が水平方向に平行に配置されることにより、ガードレールの柵を形成している。このような線状部材を用いたガードレールは、景観が重視される道路に好適である。これら複数の線状部材を支持するために所定の間隔で支柱31が設けられ、各支柱31の下端は地上に固定されている。
1本の線状部材は、複数のワイヤーロープ2A、2B、2Cを直線上で連結して形成されている。直線上で連結された複数のワイヤーロープ2A、2B、2Cの各連結点に、図2に示した直線型運動エネルギー吸収装置3をそれぞれ取り付けている。
直線型運動エネルギー吸収装置3は、自動車Vが衝突した場合の運動エネルギーを吸収することにより、衝突の衝撃を緩和することができる。また、衝突を受けた際にも、ワイヤーロープが破断しない。一度衝撃を受けた場合には、直線運動エネルギー吸収装置3を取り替えるだけで、安価に補修が可能となる。
1A、1B ワイヤーロープ(縦ロープ)
2A、2B、2C ワイヤーロープ(横ロープ)
3 直線型運動エネルギー吸収装置
31 グラウト封入管
32 グラウト
33a、33b グラウト漏出防止部材
34 グラウト注入口
35 エア抜き孔
36a、36b 圧着グリップ
4A、4B 結合用ワイヤーロープ
5 交差型運動エネルギー吸収装置
51 グラウト封入箱
51a 上箱
51a1、51a2 上ロープ貫通孔
51b 下箱
51b1、51b2 下ロープ貫通孔
52 グラウト
53a、53b ボルト
54 グラウト注入口
55 エア抜き孔
6 ロープ通し金具
61 押板
62 ロープ通し環
62a ロープ通し環孔
63a、63b Uボルト
64a、64b ナット
7 交点固定金具
71 押板
72a、72b Uボルト
73a、73b ナット
8 メインアンカー
9 金網
10 格子状構造体(ロープ掛け工)
10a、10b、10c、10d ネットブロック
10A 格子状構造体
20 柵状構造体(落石防止柵)
21 支柱
22 基礎コンクリート
30 柵状構造体(ガードレール)
31 支柱
100 格子状構造体
M 斜面(地山)
W 道路側壁
D 道路
R 岩塊
V 自動車

Claims (8)

  1. 物体(R、V)の運動を抑止するために設置されたワイヤーロープ(4A、4B)の交差点又はワイヤーロープ(1A、1B)の連結点に取り付けられ、前記物体(R、V)の運動エネルギーを吸収する装置(3、5)であって、
    内部空間を有する筐体(31、51)と、
    交差する2本のワイヤーロープ又は連結される2本のワイヤーロープを前記筐体(31、51)の内部空間に貫通させた状態にて前記内部空間に充填固化されたグラウト(32、52)と、を有することを特徴とする
    運動エネルギー吸収装置。
  2. 物体の運動を抑止するために設置され、ワイヤーロープ(1A、2A)を格子状に配置した単位構造体であるネットブロック(10a、10b、10c、10d)の各々の端縁同士を結合して形成された格子状構造体(10、10A)であって、
    結合される2つの前記ネットブロック(10a、10b)の各端縁に沿ってそれぞれ取り付けられた複数のロープ通し金具(6)と、
    各端縁の前記複数のロープ通し金具(6)に互い違いに掛け渡されて緊張させられる2本の結合用ワイヤーロープ(4A、4B)と、
    前記2本の結合用ワイヤーロープ(4A、4B)の複数の交差点の各々に取り付けられた第1の運動エネルギー吸収装置(5)と、を備え、
    前記第1の運動エネルギー吸収装置(5)は、内部空間を有する第1の筐体(51)と、当該交差点にて交差する2本の結合用ワイヤーロープ(4A、4B)を前記第1の筐体(51)の内部空間に貫通させた状態にて前記内部空間に充填固化されたグラウト(52)と、を有することを特徴とする
    運動エネルギー吸収装置を備えた格子状構造体。
  3. 2つの前記ネットブロック(10a、10b)の結合された端縁において、一方のネットブロック(10a)の複数のワイヤーロープ(1A)と他方のネットブロック(10b)の複数のワイヤーロープ(1B)の複数の連結点の各々に取り付けられた第2の運動エネルギー吸収装置(3)を備え、
    前記第2の運動エネルギー吸収装置(3)は、内部空間を有する第2の筐体(31)と、当該連結点にて連結される2本のワイヤーロープ(1A、1B)を貫通させた状態にて前記内部空間に充填固化されたグラウト(32)と、を有することを特徴とする
    請求項2に記載の、運動エネルギー吸収装置を備えた格子状構造体。
  4. 斜面(M)上に設置される落石予防用又は落石防止用の格子状ワイヤーロープの構造体(10、10A)であることを特徴とする請求項3に記載の、運動エネルギー吸収装置を備えた格子状構造体。
  5. 物体の運動を抑止するために設置され、複数のワイヤーロープ(2A、2B、2C)を直線上で連結した線状部材を、複数平行に配置して形成された柵状構造体(20、30)であって、
    直線上で連結された前記複数のワイヤーロープ(2A、2B、2C)の各連結点に取り付けられた運動エネルギー吸収装置(3)を備え、
    前記運動エネルギー吸収装置(3)は、内部空間を有する筐体(31)と、当該連結点にて連結される2本のワイヤーロープ(1A、1B)を前記筐体(31)の内部空間に貫通させた状態にて前記内部空間に充填固化されたグラウト(32)と、を有することを特徴とする
    運動エネルギー吸収装置を備えた柵状構造体。
  6. 斜面(M)の下端近傍に設置される落石防止用の構造体(20)であることを特徴とする請求項5に記載の、運動エネルギー吸収装置を備えた柵状構造体。
  7. 道路(D)のガードレール(30)であることを特徴とする請求項5に記載の、運動エネルギー吸収装置を備えた柵状構造体。
  8. 物体の運動を抑止するための格子状構造体(10、10A)の設置方法であって、
    ワイヤーロープ(1A、2A)を格子状に配置した単位構造体であるネットブロック(10a、10b、10c、10d)を複数形成する第1の工程と、
    結合される2つの前記ネットブロック(10a、10b)の各端縁に沿って複数のロープ通し金具(6)をそれぞれ取り付ける第2の工程と、
    2本の結合用ワイヤーロープ(4A、4B)を各端縁の前記複数のロープ通し金具(6)に互い違いに掛け渡し緊張させた後、各結合用ワイヤーロープ(4A、4B)の両端を固定する第3の工程と、
    2本の結合用ワイヤーロープ(4A、4B)の複数の交差点の各々に第1の運動エネルギー吸収装置(5)を取り付ける第4の工程と、
    2つの前記ネットブロック(10a、10b)の結合された端縁において、一方のネットブロック(10a)の複数のワイヤーロープ(1A)と他方のネットブロック(10b)の複数のワイヤーロープ(1B)の複数の連結点の各々に第2の運動エネルギー吸収装置(3)を取り付ける第5の工程と、を備えており、
    前記第4の工程では、前記第1の運動エネルギー吸収装置(5)の有する第1の筐体(51)の内部空間に、交差する2本のワイヤーロープを貫通させた状態にて前記内部空間にグラウト(52)を充填し、かつ、
    前記第5の工程では、前記第2の運動エネルギー吸収装置(3)の有する第2の筐体(31)の内部空間に、連結される2本のワイヤーロープを貫通させた状態にて前記内部空間にグラウト(32)を充填することを特徴とする
    格子状構造体の設置方法。
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