JP2014144896A - セラミック粉末およびこれを用いたセラミック多孔体,ハニカム構造体ならびにガス処理装置 - Google Patents

セラミック粉末およびこれを用いたセラミック多孔体,ハニカム構造体ならびにガス処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐熱衝撃性および機械的特性を向上させることができるセラミック粉末およびこれを用いたセラミック多孔体,ハニカム構造体ならびにガス処理装置を提供する。
【解決手段】 アルミニウムおよびチタンを主成分として含み、累積分布曲線において累積50質量%におけるD50の粒径が50μm以上80μm以下であるとともに、累積分布曲線における累積50質量%の粒径D50に対する累積10質量%の粒径D10の比Rが0.36以上0.56以下であるセラミック粉末である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミック粉末およびこれを用いたセラミック多孔体,ハニカム構造体ならびにガス処理装置に関するものである。
従来、内燃機関,焼却炉およびボイラー等から発生する排気ガス中に含まれる微粒子等を捕集するのにフィルタが用いられている。
このようなフィルタの材料としては、例えば、特許文献1に示すように、チタン酸アルミニウム粉末が提案されており、このチタン酸アルミニウム粉末の質量基準の累積百分率50%相当粒子径D50の値が20μm以下、かつ累積百分率90%相当粒子径D90の値が40μm以下であるものを用いることが記載されている。
特開2012−162455号公報
ところで、本発明者が鋭意研究した結果、チタン酸アルミニウム粉末を用いてセラミック多孔体や、そのセラミック多孔体を用いてハニカム構造体を作製した場合に、チタン酸アルミニウム粉末の粒子径が特定の条件を満たす場合に、耐熱衝撃性および機械的特性を向上することができることを見出した。
すなわち本発明は、耐熱衝撃性および機械的特性を向上させることができるセラミック粉末およびこれを用いたセラミック多孔体,ハニカム構造体ならびにガス処理装置を提供することを目的とする。
本発明のセラミック粉末は、アルミニウムおよびチタンを主成分として含み、累積分布曲線において累積50質量%におけるD50の粒径が50μm以上80μm以下であるとともに、前記累積分布曲線における累積50質量%の粒径D50に対する累積10質量%の粒径D10の比Rが0.36以上0.56以下であることを特徴とするものである。
また、本発明のセラミック多孔体は、本発明のセラミック粉末を用いて得られることを特徴とするものである。
また、本発明のハニカム構造体は、本発明のセラミック多孔体を用いて得られることを特徴とするものである。
また、本発明のガス処理装置は、排気管が接続されたケース内に、上記構成のハニカム構造体を備えていることを特徴とするものである。
本発明のセラミック粉末によれば、アルミニウムおよびチタンを主成分として含み、累積分布曲線において累積50質量%におけるD50の粒径が50μm以上80μm以下であると
ともに、累積分布曲線における累積50質量%の粒径D50に対する累10質量%の粒径D10の比Rが0.36以上0.56以下であることから、焼成後の焼結体であるセラミック多孔体において、平均気孔径を大きくでき、耐熱衝撃性を向上することができる。あわせて、径の大きな粒子間に径の小さな粒子を配置させることが容易になるので、焼結性が向上するとともに、過度に大きな気孔の発生を抑制することができるので、機械的特性を向上することができる。
また、本発明のセラミック多孔体によれば、耐熱衝撃性および機械的特性を向上することができる本発明のセラミック粉末を用いて得られることで、耐久性を向上することができる。
また、本発明のハニカム構造体によれば、耐久性の向上した本発明のセラミック多孔体を用いて得られることで、長期信頼性の向上したハニカム構造体とすることができる。
また、本発明のガス処理装置によれば、排気管が接続されたケース内に、長期信頼性の向上した本発明のハニカム構造体を備えることで、信頼性の高いガス処理装置とすることができる。
本実施形態のハニカム構造体の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は(a)におけるB−B’線での断面図である。 本実施形態の一例を模式的に示すガス処理装置の概略断面図である。
以下、本発明のセラミック粉末の実施の形態の例について説明する。
本実施形態のセラミック粉末は、アルミニウムおよびチタンを主成分として含むセラミック粉末であって、このセラミック粉末は、累積分布曲線において累積50質量%におけるD50(以下、累積50質量%におけるD50を単にD50という。)の粒径が50μm以上80μm以下であるとともに、累積分布曲線における累積50質量%の粒径D50に対する累積10質量%の粒径D10の比Rが0.36以上0.56以下であることが重要である。
なおここでいう主成分とは、セラミック粉末を構成する全成分100質量%に対して、50
質量%を超える成分をいい、特に、60質量%以上であることが好適である。このように、本実施形態のセラミック粉末は、比較的耐熱性の高いアルミニウムおよびチタンを主成分として含むことから、耐熱性の高いセラミック粉末とすることができる。
本実施形態のセラミック粉末は、D50の粒径が50μm以上80μm以下であることにより、セラミック粉末の比表面積を小さくできる。それにより、セラミック粉末が成形工程で凝集しにくくなり、焼結して得られるセラミック多孔体は、機械的特性が低下しにくくなるとともに、粒径の大きなセラミック粉末が少なくなるので、セラミック多孔体として求められる機械的特性を容易に得ることができる。
さらに、比Rが0.36以上0.56以下であることにより、微少なセラミック粉末が存在する量が少なく、径の大きな粒子の間に微少な粒子を配置できることから、この様なセラミック粉末を焼成すると、焼結性が向上するとともに、過度に大きな気孔の発生を抑制でき且つ、大きな気孔径を配置させることができる。それにより、高い耐熱衝撃性と、高い機械的特性との両方を兼ね備えることができる。
また、本実施形態のセラミック粉末は、マグネシウムを含むことが好適である。このよ
うな構成であると、耐食性の高いマグネシウム化合物が形成されることで、セラミック粉末としても耐食性を高くすることができる。なお、セラミック粉末100質量%におけるマ
グネシウムの含有量は、例えば、9質量%以上15質量%以下である。
また、本実施形態のセラミック粉末は、鉄を含むことが好適である。このような構成であると、アルミニウムおよびチタンを含む化合物(例えば、チタン酸アルミニウム)特有の熱分解を抑制することができるので、耐熱分解性を高くすることができる。なお、セラミック粉末100質量%における鉄の含有量は、例えば、18質量%以上24質量%以下である
また、本実施形態のセラミック粉末は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の少なくともいずれかを含むことが好適である。このような構成であると、融点が低くなるので、セラミック多孔体を低温で焼結させることができる。なお、アルカリ金属およびアルカリ土類金属は、それぞれ含有量が0.001質量%以上0.01質量%以下,0.001質量%以上0.1質
量%以下であり、例えば、ナトリウム,カリウムおよびストロンチウムのいずれかであることがより好適である。
ここで、セラミック粉末を構成する各成分の種類および含有量は、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法または蛍光X線分析法により求めることができる。また、セラミック粉末のD10およびD50は、JIS Z 8825−1:2001(ISO 13320−1:1999)に記載のレーザー回折法に準拠して測定すればよい。
また、アルミニウムおよびチタンを主成分とする成分がチタン酸アルミニウム(AlTiO)である場合、チタン酸マグネシウム(MgTi)およびチタン酸鉄(FeTiO)をそれぞれ16質量%以上24質量%以下含んでいることが好適である。この比率は、耐熱性に優れたチタン酸アルミニウム(AlTiO)、耐食性に優れたチタン酸マグネシウム(MgTi)および耐熱劣化性に優れたチタン酸鉄(FeTiO)の最適比率であり、耐熱性,耐食性および耐熱劣化性のいずれをも向上できる比率である。
これらの成分の同定はX線回折法によって行ない、また成分の含有量はICP発光分析法または蛍光X線分析法により求めることができる。
以下、本発明のセラミック多孔体,ハニカム構造体およびこれを用いたガス処理装置の実施の形態の例について説明する。
本実施形態のセラミック多孔体は、耐熱衝撃性および機械的特性の向上した本実施形態のセラミック粉末を用いて得られることで、耐久性を向上できる。
また、本実施形態のハニカム構造体は、耐久性の向上した本実施形態のセラミック多孔体からなることから、長期信頼性を向上することができる。本実施形態のハニカム構造体は、例えば、ディーゼルエンジン,ガソリンエンジン等の内燃機関から排出される排気ガス中の炭素を主成分とする微粒子,硫黄が酸化してできる硫酸塩を主成分とする微粒子,高分子からなる未燃焼の炭化水素等の微粒子(以下、これらを総称して単に微粒子という。)や溶湯金属内の不純物等を捕集するフィルタとして用いることができる。
図1は、本実施形態のハニカム構造体の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は(a)におけるB−B’線での断面図である。
図1に示す例のハニカム構造体1は、本実施形態のセラミック多孔体からなり、筒状部
4と、筒状部4の内側に、流体が流れる複数の流通孔3が形成されるように格子状に配置された通気性を有する隔壁部2と、隔壁部3に仕切られて流体の流入口および流出口を交互に封止する封止材8とを備えている。
このハニカム構造体1の流入側に、例えば、ディーゼルエンジン,ガソリンエンジン等の内燃機関(図示しない)が接続される。この内燃機関が作動すると、流体である排気ガスが発生し、この排気ガスは、図1(b)に示すようにハニカム構造体1の流入側の封止材8が形成されていない流通口3から導入されるが、流出側に形成された封止材8によってその流出が遮られる。流出が遮られた排気ガスは、通気性を有する隔壁部2を通過して、隣接する流通孔3に導入される。そして、排気ガスが隔壁部2を通過するとき、隔壁部2の壁面や隔壁部2の気孔の表面で排気ガス中の炭素を主成分とする微粒子,硫黄が酸化してできる硫酸塩を主成分とする微粒子および高分子からなる未燃の炭化水素等の微粒子(以下、これらを総称して単に微粒子という。)が捕集される。微粒子が捕集された排気ガスは、浄化された状態で、封止材8が形成されていない流出口3から外部に排出される。
ところで、図1に示す例のハニカム構造体1では、隔壁部2は気孔率が35体積%以上65体積%以下であって、平均気孔径が5μm以上26μm以下であるセラミック多孔体からなることが好適である。このような隔壁部2を形成するセラミック多孔体の気孔率および平均気孔径がこの範囲であると、圧力損失の増加を抑制することができるからである。
また、封止材8は、気孔率が50体積%以上65体積%以下であって、平均気孔径が12μm以上18μm以下であるセラミック多孔体からなることが好適である。
なお、隔壁部2および封止材8をそれぞれ形成するセラミック多孔体の気孔率および平均気孔経は水銀圧入法に準拠して求めればよい。
また、このようなハニカム構造体1は、例えば、外径Dが140〜270mm、軸方向Aの長さLが100〜250mmで、円筒度が2.5μm以下である円柱形状であって、軸方向Aに対し
て垂直な断面における流通孔は個数が100mm当たり5〜124個(32〜800CPSI)で
ある。また、隔壁部2の厚みが0.05mm以上0.25mm以下であり、封止材8の厚みが1mm以上5mm以下である。なお、CPSIとはCells Per Square Inchesのことである。
また、図1に示す例のハニカム構造体1では、流入側端面(IF)における、封止されていない流通孔3の直径は、封止されている流通孔3の直径に対して、1.55倍以上1.95倍以下であることが好適である。このように、直径の比を1.55倍以上とすることで、微粒子を吸着することのできる隔壁部2および封止材8のそれぞれの表面積が大きくなるので、微粒子の捕集量を増大させることができるとともに、直径の比を1.95倍以下とすることで、隔壁部2が極端に薄くならないので、機械的強度が損なわれ難い。ここで、流通孔3のそれぞれの直径とは、流入側端面(IF)における隔壁部2に接する内接円の直径をいい、光学顕微鏡を用いて、倍率を例えば50倍以上100倍以下として測定することができる。
図2は、本実施形態の一例を模式的に示すガス処理装置の概略断面図である。
図2に示す例のガス処理装置9は、隔壁部2の壁面に触媒(図示しない)を担持した本実施形態のハニカム構造体1を備え、流通孔3の封止されていない一端を流入口とし、この流通孔3と隔壁部2を介した他の流通孔3の封止されていない他端を流出口として排気ガス(EG)を通過させることによって、排気ガス(EG)中の微粒子を主に隔壁部2で捕集するガス処理装置である。なお、ハニカム構造体1は、その外周を断熱材層5に保持された状態でケース6に収容され、断熱材層5は、例えばセラミックファイバ,ガラスフ
ァイバ,カーボンファイバおよびセラミックウィスカーの少なくとも1種から形成されている。
また、ケース6は、例えば、SUS303,SUS304およびSUS316等のステンレスか
らなり、その中央部が円筒状に、両端部が円錐台状にそれぞれ形成され、排気ガス(EG)が供給されるケース6の流入口6aおよび排気ガス(EG)が排出される流出口6bを有している。ケース6の流入口6aには排気管7が連結され、排気ガス(EG)は排気管7からケース6内に流入するように構成されている。
このようなガス処理装置9の流入側には、ディーゼルエンジン,ガソリンエンジン等の内燃機関(図示しない)が接続され、この内燃機関が作動して、排気ガス(EG)が排気管7からケース6に供給されると、ハニカム構造体1の流入側の封止材8が形成されていない流通孔3aの中に、排気ガス(EG)が導入されるが、流出側に形成された封止材8によってその流出が遮られる。流出が遮られた排気ガス(EG)は、通気性を有する隔壁部2を通過して、隣接する流通孔3bに導入される。排気ガス(EG)が隔壁部2を通過するとき、隔壁部2の壁面や隔壁部2の気孔の表面で排気ガス(EG)中の微粒子が捕集される。微粒子が捕集された排気ガス(EG)は、浄化された状態で、封止材8が形成されていない流通孔3bから排気管(図示せず)を介して外部に排出される。
このようなガス処理装置9では、隔壁部2の壁面に担持される触媒は、例えば、ルテニウム,ロジウム,パラジウム,イリジウム,白金等の白金族金属およびその酸化物、金,銀,銅等の周期表第11族金属、酸化バナジウムのうちの少なくともいずれか1種からなり、軽油等の燃料が気化したガスが供給されると、隔壁部2で捕集された排気ガス中の微粒子を酸化して燃焼させる。特に、金,銀,銅等の周期表第11族金属を選んだ場合、その粒子はナノメートルレベルの微粒であることが好適である。
さらに、壁面に担持された触媒と排気ガスとの接触面積を大きくするために、γアルミナ,δアルミナおよびθアルミナ等の比表面積が大きい粉体を隔壁部2の壁面に担持しても好適である。
本実施形態のハニカム構造体1では、上述したように、隔壁部2の壁面に触媒を担持しているときには、低い温度で微粒子を燃焼除去しやすくなるので、隔壁部2には溶損やクラックが生じにくくなる。さらに、壁面のみならず、隔壁部2の気孔の表面に触媒を担持していても好適である。
さらに、排気ガス中の微粒子を酸化して燃焼させるための触媒とともに、窒素酸化物(NOx)を吸蔵して還元するための触媒であるZSM−5,ZSM−11,ZSM−12,ZSM−18,ZSM−23,MCMゼオライト,モルデナイト,ファージャサイト,フェリエライトおよびゼオライトベータの少なくとも1種を隔壁部2の壁面および隔壁部2の気孔の表面の少なくともいずれかに担持させてもよい。
このような本実施形態のガス処理装置9は、ガス処理の効率を高く維持しつつ、機械的強度が高く、捕集した微粒子を燃焼除去しても損傷(クラック)が生じにくい本実施形態のハニカム構造体1を備えることで、長期間に亘って効率よく微粒子を捕集することができるとともに、活性金属が担持された担体やNOx吸蔵材が担持された担体を不要にすることができるので、省スペース化を実現することもできる。
なお、本実施形態では流体が気体である排気ガスを用いた例について説明したが、流体として液体を用いることも可能である。例えば、流体として上水または下水を用いることが可能であり、本実施形態のガス処理装置を液体の濾過用としても適用することができる
以下、本実施形態のセラミック粉末の製造方法の一例について説明する。
本実施形態のセラミック粉末を得るには、まず、酸化アルミニウムの粉末を53〜59質量%,残部を酸化チタンの粉末として調合した調合原料を乾式混合して一次原料を得る。次に、得られた一次原料を大気雰囲気中、温度を1435℃以上1560℃以下として、1時間以上5時間以下で仮焼することにより、元素TiおよびAlが互いに固溶した擬ブルッカイト型の結晶からなる第1の仮焼粉末を得ることができる。
また、本実施形態のセラミック粉末がマグネシウムを含む場合には、酸化アルミニウムの粉末を36〜42質量%および酸化マグネシウムの粉末を9〜15質量%および残部を酸化チタンの粉末として調合した調合原料を乾式混合して一次原料を得る。次に、得られた一次原料を大気雰囲気中、温度を1435℃以上1560℃以下として、1時間以上5時間以下で仮焼することにより、元素Ti,AlおよびMgが互いに固溶した擬ブルッカイト型の結晶からなる第2の仮焼粉末を得ることができる。
また、本実施形態のセラミック粉末がマグネシウムおよび鉄を含む場合には、酸化アルミニウムの粉末を27〜33質量%,酸化マグネシウムの粉末を7〜13質量%,酸化第二鉄の粉末を13〜17質量%および残部を酸化チタンの粉末として調合した調合原料を乾式混合して一次原料を得る。
ここで、一次原料を得るために用いる各粉末は、その純度が99.0質量%以上、特に99.5質量%以上であることがさらに好適である。なお、チタン酸マグネシウム(MgTi)およびチタン酸鉄(FeTiO)がチタン酸アルミニウム(AlTiO)に固溶することができるのであれば、これら金属酸化物の粉末以外に炭酸塩,水酸化物および硝酸塩などの粉末を用いてもよく、またこれらの化合物の粉末を用いてもよい。
次に、得られた一次原料を大気雰囲気中、温度を1435℃以上1560℃以下として、1時間以上5時間以下で仮焼することにより、元素Ti,Al,MgおよびFeが互いに固溶した擬ブルッカイト型の結晶からなる第3の仮焼粉末を得ることができる。
次に、得られた上記それぞれの仮焼粉末を固定砥石および回転砥石を上下方向に対向して配置した電動磨砕機を用いて、解砕し、JIS R 6001:1998で規定する粒度がF150であるステンレス製のメッシュを用いてメッシュパスすればよい。なお、メッシュの上側に残った仮焼粉末は解砕およびメッシュパスを繰り返せばよい。砥石の粒度,砥石の材質,砥石の磨砕面同士の間隔および回転砥石の回転数をそれぞれF24〜F46,酸化アルミニウム,100μm以下(但し、0μmを除く),100rpm以上700rpm以下とすることによ
って、D50の粒径が50μm以上80μm以下であるとともに、比Rが0.36以上0.56以下である本実施形態のセラミック粉末を得ることができる。ここで、砥石の粒度は、JIS
R 6001:1998で規定する粒度であり、砥石の磨砕面同士の間隔は、33μm以上47μm以下であることが好適である。
次に、本実施形態のセラミック多孔体の例であるハニカム構造体の製造方法の一例について説明する。
上述した製造方法によって得られたセラミック粉末に、例えば、平均粒径が1μm以上3μm以下であって、添加量がセラミック粉末100質量部に対して、0.4質量部以上1.2質
量部以下である酸化珪素の粉末と、添加量がセラミック粉末100質量部に対して、1質量
部以上13質量部以下であるグラファイト,澱粉またはポリエチレン樹脂等の造孔剤とを添
加した後、さらに可塑剤,滑り剤および水等を加えて、万能攪拌機,回転ミルまたはV型攪拌機等を使って混練物を作製する。
そして、作製した混練物をさらに三本ロールミルや混練機等を用いて混練し、可塑化した坏土を得る。
次に、この坏土を押し出すスクリューを備えた押出成形機を用いて成形する。この押出成形機には成形型が装着され、その成形型は成形体の外径を決定する内径が、例えば155
mm以上300mm以下であり、ハニカム構造体1の隔壁部2および筒状部4を形成するた
めのスリットを有している。
そして、上述したような成形型が装着された押出成形機に坏土を投入し、圧力を加えてハニカム状の成形体を作製し、得られた成形体を乾燥して所定長さに切断する。
次に、切断された成形体の複数の流通孔の流入側および流出側のそれぞれを交互に封止する封止材8を作製する。具体的には、まず、流出側端面(OF)で封止材8が封止する部分ができるように市松模様にマスキングし、成形体の流出側端面(OF)側をスラリーに浸漬する。このスラリーは、セラミック粉末に、例えば、平均粒径が1μm以上3μm以下であって、添加量がセラミック粉末100質量部に対して、0.4質部以上1.2質量部以下
である酸化珪素の粉末と、添加量が仮焼粉末100質量部に対して、1質量部以上13質量部
以下であるグラファイト,澱粉またはポリエチレン樹脂等の造孔剤とを添加した後、分散剤および水等を加えて混合することで得られるものである。
なお、マスキングが施されていない流通孔には、流入側端面(IF)から撥水性の樹脂が被覆された先端部を備え、この先端部が平坦に形成されたピンを、予め挿入しておき、流出側で流通孔に浸入したスラリーを常温にて乾燥する。このようにすることによって、成形体の流出側の封止材8が形成される。そして、ピンを抜き、上述の作業と同じ作業を成形体の流入側でも行ない、封止材8を形成する。
次に、得られた成形体を、仮焼温度より低い温度1380℃〜1430℃として2〜10時間ほど焼成炉の中で保持することにより、本実施形態のハニカム構造体1を得ることができる。
なお、単純形状、例えば、円柱状のセラミック多孔体を得るには、フローテスター等の流動特性評価装置に上記杯土を投入し、圧力を加えて円柱状の成形体を作製し、得られた成形体を乾燥して所定長さに切断する。そして、得られた成形体を上述した温度および持時間で保持することにより、本実施形態のセラミック多孔体を得ることができる。
さらに、隔壁部2の壁面に触媒を担持するハニカム構造体1を得るには、上述した製造方法によって得られたハニカム構造体1を、触媒となる、例えば、ルテニウム,ロジウム,パラジウム,オスミウム,イリジウムおよび白金等の白金族金属の可溶性の塩と、ポリビニルアルコール等のバインダーと水とからなるスラリーに、上述した焼成によって得られたハニカム構造体1を浸漬させた後、温度を100℃以上150℃以下で1時間以上48時間以下保持することによって乾燥すればよい。
ここで、可溶性の塩としては、例えば、硝酸パラジウム(Pd(NO),硝酸ロジウム(Rh(NO)),塩化ルテニウム(RuCl),塩化イリジウム酸(HIrCl・nHO),塩化白金酸(HPtCl・nHO)およびジニトロジアンミン白金(Pt(NO(NH)等があり、担持させようとする触媒に応じてこれら可溶性の塩から選べばよい。また、不純物の混入を防ぐため、水はイオン交換水であることが好適である。
そして、乾燥させた後、温度を600℃以上700℃以下で2時間以上4時間以下熱処理することにより、隔壁部2の壁面に触媒を担持したハニカム構造体を得ることができる。
また、窒素酸化物(NOx)を吸蔵して還元するための触媒であるZSM−5,ZSM−11,ZSM−12,ZSM−18,ZSM−23,MCMゼオライト,モルデナイト,ファージャサイト,フェリエライトおよびゼオライトベータの少なくとも1種を隔壁部2の壁面および隔壁部2の気孔の表面の少なくともいずれかに担持させる場合には、白金族金属に加え、アルカリ金属,アルカリ土類金属,希土類金属から選択される少なくともいずれかをスラリーに添加しておけばよい。
そして、上述した方法によって作製されたハニカム構造体1の外周を断熱材層5で被覆した状態で、ケース6に収容した後、排気管7をケース6の流入口6aに、また、排気管(図示せず)をケース6の流出口6bに、それぞれ接続することで、図2に示す例の本実施形態のガス処理装置9を得ることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
まず、酸化アルミニウムの粉末を30質量%,酸化第二鉄の粉末を15質量%,酸化マグネシウムの粉末10質量%および残部を酸化チタンの粉末として調合した調合原料を水とともに混合したスラリーを乾式混合して1次原料を得た。ここで、各粉末の純度は、いずれも99.5質量%とした。
次に、得られた1次原料を大気雰囲気中、温度を1450℃として、3時間で仮焼することにより、元素Ti,Al,MgおよびFeが互いに固溶した擬ブルッカイト型の結晶からなる仮焼粉末を得た。
そして、固定砥石および回転砥石を上下方向に対向して配置した電動磨砕機(増幸産業(株)製 マスコロイダー(登録商標))を用いてこの仮焼粉末をそれぞれ解砕し、JI
S R 6001:1998で規定する粒度がF150であるステンレス製のメッシュを用いてメッシュパスをした。そして、メッシュの上側に残った仮焼粉末は解砕およびメッシュパスを繰り返すことにより、セラミック粉末を得た。ここで、砥石の材質および回転砥石の回転数は、それぞれ酸化アルミニウム,400rpmとし、砥石の磨砕面同士の間隔および砥石の粒
度は、いずれも表1に示す通りとした。ここで、砥石の粒度は、JIS R 6001:1998で規定する粒度である。
そして、セラミック粉末を構成する各成分の含有量をICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法によって調べた結果、いずれのセラミック粉末も主成分がアルミニウムおよびチタンであることを確認した。
また、セラミック粉末のD10およびD50は、JIS Z 8825−1:2001(ISO 13320−1:1999)に記載のレーザー回折法に準拠して測定し、その測定値および比Rを表1に示した。
そして、得られたセラミック粉末に、平均粒径が2μmであって、添加量がセラミック粉末100質量部に対して、0.8質量部である酸化珪素の粉末と、添加量がセラミック粉末100質量部に対して、7質量部である澱粉とを添加した後、さらに可塑剤,滑り剤および水
を加えて、万能攪拌機を使って混練物を作製した。そして、この混練物を混練機を用いて
混練し、可塑化した坏土を得た。
そして、流動特性評価装置に上記杯土を投入し、圧力を加えて円柱状の成形体を作製し、得られた成形体を乾燥して所定長さに切断した。そして、切断した成形体を電気炉を用いて焼成温度を1380℃として、3時間保持することにより焼成して、直径および長さがそれぞれ5mm,40mmの円柱状のセラミック多孔体と、直径および厚さがそれぞれ9mm,3mmである円板状のセラミック多孔体とからなる試料No.1〜14を得た。
ここで、各試料の4点曲げ強度,静的弾性率(縦弾性係数)およびポアソン比を、それぞれJIS R 1601:2008,JIS R 1602:1995に準拠して得られた各試料の形状のままで測定した。
また、各試料の線膨張係数および熱伝導率をそれぞれJIS R 1618:1997,JIS
R 1611:2002に準拠して測定した。
そして、得られた測定値を、以下の式(1)に代入して、熱衝撃破壊抵抗Rを算出した。
=(S・(1−ν)・k)/(E・α)・・・・(1)
(ここで、S,ν,k,Eおよびαは、それぞれ4点曲げ強度,ポアソン比,熱伝導率,静的弾性率(縦弾性係数)および線膨張係数である。)
これらの測定値および算出値を表1に示す。
Figure 2014144896
表1に示すように、試料No.2,3,5〜9,11〜13は、D50の粒径が50μm以上80μm以下であるとともに、比Rが0.36以上0.56以下であるセラミック粉末を用いて得られたセラミック多孔体であることから、高い耐熱衝撃性と高い機械的特性との両方を兼ね備えていることがわかる。
1:ハニカム構造体
2:隔壁部
3:流通孔
4:筒状部
5:断熱材層
6:ケース
7:排気管
8:封止材
9:ガス処理装置

Claims (4)

  1. アルミニウムおよびチタンを主成分として含み、累積分布曲線において累積50質量%におけるD50の粒径が50μm以上80μm以下であるとともに、前記累積分布曲線における累積50質量%の粒径D50に対する累積10質量%の粒径D10の比Rが0.36以上0.56以下であることを特徴とするセラミック粉末。
  2. 請求項1に記載のセラミック粉末を用いて得られることを特徴とするセラミック多孔体。
  3. 請求項2に記載のセラミック多孔体を用いて得られることを特徴とするハニカム構造体。
  4. 排気管が接続されたケース内に、請求項3に記載のハニカム構造体を備えていることを特徴とするガス処理装置。
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